令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

家待・越中編(一)(19)脚帯(あゆひ)手装(たづく)り

2011年02月08日 | 家待・越中編(一)友ありて
【掲載日:平成23年2月11日】

・・・大君おほきみの みことかしこ
      す国の 事取り持ちて 若草の 脚帯あゆひ手装たづく・・・



切々たる 思いのたけ
かみ殿どの
 こんなにも 我輩それがしを 頼りとされておるのか〕
思わずに がしらを熱くする 池主

青丹あおによし 奈良をはなれ 天離あまざかる ひなにはあれど 
我が背子せこを 見つつしれば 思ひる 事もありしを
 
青丹あおによし 奈良の都を 出かけて 遠く離れた とこやけど
 守殿あんた一緒に てるんで 心も晴れる 日々やった》
大君おほきみの みことかしこみ す国の 事取り持ちて 
若草の 脚帯あゆひ手装たづくり むら鳥の 朝なば 
おくれたる れや悲しき 旅に行く 君かも恋ひむ
 
《けどもお国の つかえ事
 手甲てっこうきゃはん 身につけて 飛び立つように 朝出たら
 残るこのわし さみしいで 守殿あんたもわしが 恋しいか》
思ふそら 安くあらねば 嘆かくを とどめもかねて 
見わたせば の花山の 霍公鳥ほととぎす のみし泣かゆ
 
思うだけでも  気ィ重て 嘆くん我慢 出けへんで
 の花におう 山で鳴く ほととぎすの 泣いて仕舞た》
朝霧の 乱るる心 ことに出でて はばゆゆしみ 
砺波山となみやま 手向たむけの神に 幣奉ぬさまつり まく
 
《乱れる心 口したら 縁起えんぎ悪いで 押し殺し
 なみやまの 峠神 ぬさを奉って 祈ったで》
しけやし 君が正香ただかを ま幸くも ありたもとほり 
月立たば 時もかはさず なでしこが 花の盛りに 相見しめとぞ 

《「恋し守殿あんたが つつがう 旅路往復 無事されて
 来月来たら 帰られて 撫子なでしこ花の 盛りには 守殿あんたにお逢い 出来ます様に」》
                         ―大伴池主おおとものいけぬし―〔巻十七・四〇〇八〕

玉桙たまほこの 道の神たち まひはせむ おもふ君を なつかしみせよ
《道々の 神さん拝み そなえする 大事なお人 お守りあれと》
                         ―大伴池主おおとものいけぬし―〔巻十七・四〇〇九〕
うらこひし 我が背の君は なでしこが 花にもがもな あさな見む
守殿あんたはん 花やったなら 撫子なでしこの 毎朝ごとに 逢えるんやのに》
                         ―大伴池主おおとものいけぬし―〔巻十七・四〇一〇〕
                                 【五月二日】 
     ――――――――――――――――
帰郷家持 
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 橘諸兄もろえへの挨拶
 奈良麻呂からの誘い 
 藤原氏の近づき・・・ 
滞京顛末てんまつは どうであったか 記録にない
ただ 聖武のみかどは 大仏鋳造を 急がせ
政界は  仲麻呂路線が 進行していた


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