【掲載日:平成21年11月19日】
人毎に 折り插頭しつつ 遊べども
いや愛づらしき 梅の花かも
【第弐組の歌】
梅の花 散らくは何処 しかすがに この城の山に 雪は降りつつ
《花何処に 散ってるんやろ ああそうか 城山に降ってる 雪のことかい》
―大監伴氏百代―〔巻五・八二三〕
「おお わしの歌を 引き取ってくれたか」〔旅人〕
梅の花 散らまく惜しみ わが園の 竹の林に 鶯鳴くも
《梅の花 散るん惜しいと 庭に来て 鶯竹で 鳴いとおるがな》
―少監阿氏奥島―〔巻五・八二四〕
「鶯が 初お目見えか 愉しい たのしい」〔旅人〕
梅の花 咲きたる園の 青柳を 蘰にしつつ 遊び暮らさな
《梅の花 咲いてる庭の 柳葉を 頭に挿して 一日遊ぼ》
―少監土氏百村―〔巻五・八二五〕
うち摩く 春の柳と わが宿の 梅の花とを 如何にか分かむ
《春風に 靡く柳と 咲く梅と どっちええやろ う~ん難し》
―大典史氏大原―〔巻五・八二六〕
「とうとう 梅と柳の決着か 思うたに・・・」〔旅人〕
春されば 木末隠れて 鶯そ 鳴きて去ぬなる 梅が下枝に
《梢では 姿見えんと 鶯は 鳴き移ってく 下の枝へと》
―少典山氏若麿―〔巻五・八二七〕
「なになに 鶯も 目立ちたいのか」〔旅人〕
人毎に 折り插頭しつつ 遊べども いや愛づらしき 梅の花かも
《いろいろに 頭に挿して 遊んでも 梅のゆかしさ 尽きることない》
―大判事丹氏麿―〔巻五・八二八〕
梅の花 咲きて散りなば 桜花 継ぎて咲くべく なりにてあらずや
《梅の花 散ってしもても その次は 桜の花が 待ってて咲くよ》
―薬師張氏福子―〔巻五・八二九〕
「桜が来たか これは 意外な よしよし」〔旅人〕
万代に 年は来経とも 梅の花 絶ゆることなく 咲き渡るべし
《この後も 毎年毎年 梅の花 ずうっとずっと 続けて咲けよ》
―筑前介佐氏子首―〔巻五・八三〇〕
「万代梅の希求か 面白い」〔旅人〕
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