【掲載日:平成25年1月18日】
三島菅 いまだ苗なり 時待たば 着ずやなりなむ 三島菅笠
独りごち歌 まだまだ続く
男夢見る 艶やか赤裳
待つはあの児の 色好い返事
滲む自信に 労り心
三島菅 いまだ苗なり 時待たば 着ずやなりなむ 三島菅笠
《三島菅 まだ苗やけど 待ってたら 笠に被るん 逃すん違うか》
(可愛い児を まだ少女やと 待ってたら そのうち他人に 盗られん違うか)【比喩】
―作者未詳―(巻十一・二八三六)
川上に 洗ふ若菜の 流れ来て 妹があたりの 瀬にこそ寄らめ
《川上で 洗ろてる若菜 流れ行き お前の瀬ぇに 寄らへんもんか》【比喩】
―作者未詳―(巻十一・二八三八)
(若菜=作者・自分自身)
山吹の にほへる妹が はねず色の 赤裳の姿 夢に見えつつ
《思うてる 可愛いお前の あでやかな 赤い裳姿 よう夢出よる》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七八六)
道の辺の いつ柴原の いつもいつも 人の許さむ 言をし待たむ
《柴原の いつやないけど 何時かても あの児ウン言ん わし待ってんや》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七七〇)
(いつ<繁る?>→いつも)
大和の 室生の毛桃 本繁く 言ひてしものを 成らずは止まじ
《たっぷりの 言葉を掛けて 誘たんや 実らしせんと 措くかこの恋》【比喩】
―作者未詳―(巻十一・二八三四)
ま葛延ふ 小野の浅茅を 心ゆも 人引かめやも 我がなけなくに
《小野浅茅 まさか本気で 引き抜く人 そら居らんやろ わし差し措いて》【比喩】
―作者未詳―(巻十一・二八三五)
思ひ出でて 音には泣くとも 著く 人の知るべく 嘆かすなゆめ
《わし思て 声上げ泣くん 仕様ないが 他人知れるほど 溜息しなや》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二六〇四)
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