【掲載日:平成24年12月14日】
我が背子が 袖返す夜の 夢ならし まことも君に 逢ひたるごとし
問答楽しや お互い心
通い通わし 増す睦まじさ
打てば響くの 歌遣り取りは
ほんに良え仲 聞く方が妬ける
【問答】
我妹子に 恋ひて術なみ 白栲の 袖返ししは 夢に見えきや
《恋しいて 仕様無て袖を 折り返し 寝たけどお前 夢見たやろか》
―作者未詳―(巻十一・二八一二)
(袖返し寝=夢で逢える呪い)
我が背子が 袖返す夜の 夢ならし まことも君に 逢ひたるごとし
《あの夢は 袖返し寝の 夢なんや ほんま間近に 逢うた様やった》
―作者未詳―(巻十一・二八一三)
【問答】
眉根掻き 鼻ひ紐解け 待てりやも 何時かも見むと 恋ひ来し我れを
《眉掻いて くしゃみ帯解き 待ってたか 早う来たいと 思てたわしを》
―柿本人麻呂歌集―(巻十一・二八〇八)
今日なれば 鼻の鼻ひし 眉かゆみ 思ひしことは 君にしありけり
《くしゃみ出て 眉痒いよって もしや思た やっぱあんたや やっぱり今日や》
―作者未詳―(巻十一・二八〇九)
(眉が痒い・くしゃみが出る・紐が解ける=逢える前兆)
【問答】
思ふ人 来むと知りせば 八重葎 覆へる庭に 玉敷かましを
《焦がれてる 人来るんやと 知ってたら むさいこの庭 玉敷いたのに》
―作者未詳―(巻十一・二八二四)
玉敷ける 家も何せむ八重葎 覆へる小屋も 妹と居りせば
《玉敷いた 家なぞいらん 荒ら屋も 一緒居れたら もう極楽や》
―作者未詳―(巻十一・二八二五)
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