【掲載日:平成24年12月7日】
古の 倭文機帯を 結び垂れ 誰れといふ人も 君にはまさじ
恋得た女 惚れるは一途
どんな男も あんたに勝てん
身ぃも心も 進呈るで全部
逢えば逢瀬の 思い出話し
さ丹つらふ 色には出でず 少なくも 心のうちに 我が思はなくに
《顔色に 出さへんだけや 心では あんた満々 思うてるんや》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五二三)
古の 倭文機帯を 結び垂れ 誰れといふ人も 君にはまさじ
《伝統の 倭文機帯を 結い垂らす 誰持てきても あんたに勝てん》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六二八)
(垂れ→誰)
古の 狭織の帯を 結び垂れ 誰れしの人も 君にはまさじ
《伝統の 狭織の帯を 結い垂らす 誰が来たかて あんたに勝てん》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六二八 或る本)
垂乳根の 母に知らえず 我が持てる 心はよしゑ 君がまにまに
《母ちゃんに 分からん様に 隠してた 心全部 あんたに進呈る》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五三七)
笠無みと 人には言ひて 雨障み 留まりし君が 姿し思ほゆ
《笠無いと 皆にそう言て 雨宿り 為した姿を 思い出すがな》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二六八四)
【旋頭歌】
岡の崎 廻みたる道を 人な通ひそ
ありつつも 君が来まさむ 避き道にせむ
《岡先を 廻る細道 通りな誰も
隠してて あんた通える 抜け道するわ》
―作者未詳―(巻十一・二三六三)
泊瀬川 早み早瀬を むすび上げて 飽かずや妹と 問ひし君はも
《あの時に 泊瀬早の 水掬て ちゃんと飲んだか 言うたなあんた》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七〇六)
(野遊び途中の思い出―あの優しさに うち惚れたんや)
――――――――――――――――――――
【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
こちらを ご覧下さい。
【古事記ものがたり】へ