【掲載日:平成24年12月11日】
思はぬに 至らば妹が 嬉しみと 笑まむ眉引き 思ほゆるかも
互い許せば 妻問い通い
今日も待つかな 愛しいあの児
今日も逢えるか 頼もしあんた
野外逢瀬も またぞろ楽し
待つらむに 至らば妹が 嬉しみと 笑まむ姿を 行きて早見む
《待ってる児 訪ねて行って 早よ見たい お前喜び 微笑む姿》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五二六)
思はぬに 至らば妹が 嬉しみと 笑まむ眉引き 思ほゆるかも
《ひょっこりと 訪ね行ったら 喜んで 微笑む眉が 見える様やがな》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五四六)
た徊り 行箕の里に 妹を置きて 心空にあり 地は踏めども
《行箕里 お前居る里 訪ねるに 足地ぃ踏むが 気ぃ上の空》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五四一)
我妹子が 袖を頼みて 真野の浦の 小菅の笠を 着ずて来にけり
《小菅笠 着んと来たんや 雨降るに お前抱けるん 楽しみにして》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七七一)
甘南備の 浅小竹原の 愛はしみ 我が思ふ君が 声の著けく
《聞こえるで うちの良え人 あの声や ほうらはっきり 聞こえて来たで》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七七四)
(浅小竹原=美しい→愛はしみ)
水鳥の 鴨の棲む池の 下樋無み いぶせき君を 今日見つるかも
《逢えるんか 逢われへんかと 鬱々に 待ってたあんた 今日逢えたがな》【寄物陳思】
―作者未詳―(巻十一・二七二〇)
(下樋無み=水を通す管がない→隠る→
いぶせき=鬱陶しい)
早行きて いつしか君を 相見むと 思ひし心 今ぞ凪ぬる
《早よ早よに 行って逢いとて 堪らんと 思てた気持ち 今収った》【正述心緒】
―作者未詳―(巻十一・二五七九)
(示し合わせた野外の出会い)
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