【掲載日:平成24年8月24日】
大海の 波は畏し 然れども 神を斎ひて 舟出せばいかに
海に浮かべば 船下地獄
風が吹き来て 波高こなれば
被る飛沫に 恐さが募る
まして夜船は 命が縮む
大海の 波は畏し 然れども 神を斎ひて 舟出せばいかに
《大海の 波恐ろしが 神さんを 祀り船出そ なんとかなるで》
―古集―(巻七・一二三二)
漁する 海人娘子らが 袖通り 濡れにし衣 干せど乾かず
《こらまるで 海人娘子やな ずぶ濡れで 干しても衣は 乾かへんがな》
―古集―(巻七・一一八六)
さ夜更けて 夜中の方に おほほしく 呼びし舟人 泊てにけむかも
《夜更けて 夜中近こうに 微か声 叫んでた船人 泊れたやろか》
―古集―(巻七・一二二五)
大葉山 霞たなびき さ夜更けて 我が舟泊てむ 泊り知らずも
《大葉山 霞靡いて 夜更けた わしのこの船 何処泊るやろ》
―古集―(巻七・一二二四)
海の底 沖漕ぐ舟を 辺に寄せむ 風も吹かぬか 波立てずして
《沖の方 漕いでる船を 岸の方に 寄せる風吹け 波立たさんと》
―古集―(巻七・一二二三)
波高し いかに楫取り 水鳥の 浮寝やすべき なほや漕ぐべき
《波偉う 高こなったけど 船頭よ 浮寝するんか 漕ぎ進めんか》
―古集―(巻七・一二三五)
鳥じもの 海に浮き居て 沖つ波 騒くを聞けば あまた悲しも
《鳥みたい 海浮かんでて 沖波の 荒れんの聞いて 恐ろしなった》
―古集―(巻七・一一八四)
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