犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(125)年の経ば

2012年07月18日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【九月十九日】放映分
年のば 見つつしのへと 妹が言ひし ころも縫目ぬひめ 見れば悲しも
後々あとあとで 見て偲んでと あの児た ふくい目を 見たら泣けるで》【衣に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・二九六七)

【万葉歌みじかものがたり】《母しらすも》

滑稽こっけい ひも見て当たる
りきんでみても あぶれて嘆く
怒鳴どなられ男 言い訳男
果てはしんみり 思慕しぼする男
  
針はあれど 妹しなければ 付けめやと 我れを悩まし ゆるひも
《針だけで あの児らんと 縫えんやろ うて悩ます この切れ紐め》【針に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・二九八二)
   
梓弓あづさゆみ 引きてゆるへぬ 大夫ますらをや 恋といふものを しのびかねてむ
ゆるまへん 心を持った 男やに 恋につかまり えられへんで》【弓に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・二九八七)
   
水を多み 上田あげたたねき ひえを多み らえしわざぞ がひとり
《上の田に 種をいたが ひえおおて 間引まびあぶれ わし独り寝や》【田に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・二九九九)
                                    (歌垣であぶれた男の歌?)
  
馬柵うませしに むぎこまの らゆれど なほし恋しく 思ひかねつも
始終しょっちゅうに お前のおに 怒鳴どなられる けど恋しいて 思い切れんで》【馬に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・三〇九六)
                             (馬柵~駒の=馬は始終しょっちゅう怒鳴られる)
  
たまへば あひるものを 小山田をやまだの 鹿猪ししるごと 母しらすも
《気うて 共寝られるうに 山の田を 鹿猪しし見張るに おんがばんや》【田に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・三〇〇〇)
   
みなとりの あし小舟をぶね さわり多み 今む我れを よどむと思ふな
邪魔じゃまあし け行く舟や 邪魔じゃまおおて 今出るとこや 躊躇ためらちゃうで》【舟に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・二九九八)
   
みなとりに あし小舟をぶね さわり多み 君に逢はずて 年ぞにける
邪魔じゃまあし け行く舟や 邪魔じゃまおおて あんたえんで 年月った》【舟に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・二九九八 或る本)
   
年のば 見つつしのへと 妹が言ひし ころも縫目ぬひめ 見れば悲しも
後々あとあとで 見て偲んでと あの児た ふくい目を 見たら泣けるで》【衣に寄せて】
                          ―作者未詳―(巻十二・二九六七)
                              (生き別れ?死に別れ?)



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