本の迷宮

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フロイト1/2  (川原泉)

2007-02-17 12:53:41 | 漫画家(か行)
(平成元年 「花とゆめ」4・8号掲載 )( 画像の本は白泉社文庫版1996年発行)


裏表紙の説明文より

ジークムント・フロイト。精神分析学、深層心理学の創始者・・・
1939年没。40年後、魂となったフロイトは、二つに別れた奇妙な提灯をこしらえ、小田原城公園にて篠崎梨生(8歳)と瀬奈弓彦(19歳)にそれぞれ5円で売り渡した……。
そうそれは「夢を呼ぶ」提灯。
そして、二人の夢をすり合わせつつ、時は流れて……。
ようこそ、川原的不思議哲学世界へ!
表題作品の他、初期短編8本を収録!


若い頃、心理学が好きで精神分析の本など色々と読んでいた時期があった。
その中には勿論フロイトの「夢判断」などもあって、凄い事を考える人もいるんだな~と感心したのだが、どうも西洋人と日本人の感覚は違うのでは?という疑問も抱いていた。
育ってきた環境、文化などで同じ物を見てもそれから連想するものは違うのでは?と思ったのだ。


また、話が脱線してしまった。
とにかく、あの「フロイト」が小田原提灯を作って売っている!?
なんというシュールな発想!!
そしてその提灯は「夢を呼ぶ」提灯なのだ!!!


もう、その発想だけで脱帽・・・っていう感じになってしまう。


いつもどおり、一見とぼけた感のある主人公が出て来る。


だいたい、川原泉作品では生い立ちが悲惨な場合が多い。
家族と死別しているという設定は数え切れないぐらいあるのではなかろうか?(笑)
簡単に人を死なせないで欲しいが、まあ仕方ない。


梨生は幼い時に母と死別、父とは離別。叔母夫婦に育てられる。
弓彦は父と死別、
大学生の時、山で遭難したため莫大な額の「捜索救助費用」返済のため必死に働いてくれた母とも死別。
・・・という非常に悲惨な人生を送っている。


タイプは全く違うが二人とも必死に前向きに生きているのだ。
特に梨生などは全然悲壮感もなさそうに見えるのに、精一杯頑張ってるのだ!


そこに読者は感動するのだろう。きっと・・・。



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