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本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

天の瞳 幼年編Ⅰ・Ⅱ  (灰谷健次郎)

2005-06-22 17:22:54 | 小説
『兎の眼』、『太陽の子』の作者、灰谷さんの新作!!

この本の主人公、小瀬倫太郎は とても魅力的だ。
倫太郎の自由奔放さ、生意気さ、したたかさ、そして何よりも その真っ直ぐな心に とてもひかれる。
倫太郎は、しあわせな子だ。保育園時代、「子供にどうやって添うてあげたらええの…。」と悩んだ先生、倫太郎や回りの子供たちが起こすいろんな出来事に一つ一つ考えてくれた人達。小学校時代、倫太郎に振りまわされながらも、お互いに影響を与えあった先生達や友達。それに両親、おじいちゃん、おばあちゃん、お店の人など いろんな人達に囲まれているからだ。(でもそれは、私たちにも言えることだろう。)人の心を見る目を持っているか?いないか?と、言うことじゃないのだろうか…。

「小瀬くん」
「なんや」
「ちょっと、カッコ良すぎると思わへん?」
倫太郎は言った。
「思う」…

  -やっぱ、倫ちゃん カッコえぇなあ~-と、私も思う。

BY:滝瀬未久

硫黄谷心中 (村田喜代子)

2005-06-22 15:50:03 | 小説
現実を離れ、空想の世界で遊びたい読者へのおすすめの作品。

心中物という暗さはないが、幻想的な硫黄谷に紛れ込み、偶然同宿した、男女二組の見たものは…。
死に急ぐ、哀しくもいとおしい若者たちの純愛の幻想。

現実には存在しないという硫黄谷の湯煙と噴火口の無気味さを背景に繰り広げられるドラマの世界に、ひとときのロマンに浸ってみませんか。

BY:荒刈人

封殺鬼シリーズ 鬼族狩り(他)  (霜島ケイ)

2005-06-22 13:42:48 | 小説
時空を越えて、現代に生きる”鬼”を描く 怪奇幻想ワールド!!

安倍陰陽道の闇の部分を受け継いできた『本家』と晴明によって使役鬼となった酒呑童子と雷電のお話。

千年もの時を生き続けてきたわりに、とても人間くさい鬼”酒呑童子”こと戸倉聖と冷静沈着な美貌の鬼"雷電”こと志島弓生。彼らと 彼らをとりまく人々とのやり取りがおもしろい。

こんな鬼なら、一度会ってみたいかも…ね。

BY:未久

炎の蜃気楼(ミラージュ)シリーズ  (桑原水菜)

2005-06-22 13:30:27 | 小説
う~ん ミラージュの魅力っていったら やっぱ、”調伏シーン”かな?あと高耶&直江もね。

四百年の時を経て現代に蘇った戦国時代の怨将相手に上杉の夜叉衆達が挑む数々のバトルシーンに読む方も思わず力が入っちゃうかも…。

上杉、武田、伊達、北条、織田など 次々と登場してくる歴史上の人物達、実在の人物と対比させて読んでみるのも また一興。

BY:滝瀬未久

らせん RASEN  (鈴木光司)

2005-06-22 08:50:13 | 小説
『リング』の続編

荒唐無稽なストーリーではあるけれども、医学的なところにリアリティが感じられ、なかなか面白い展開になっている。
最近、暗号解読を使用したストーリーを読んでいなかったので、久しぶりに知的パズルをしたような味わいがある。
一晩で一気に読んでしまった程、ぐいぐい人を惹きつける魅力ある作品に仕上がっていると思う。

「見ると一週間後に必ず死ぬ」というビデオ…あなたは見る勇気がありますか?

BY:みやびちと

スキップ (北村薫)

2005-06-22 08:34:00 | 小説
17才の心が42才の自分の体に入ってしまった少女のお話。

読みながら正直言って非常に怖かった。もちろん語られるストーリーそのものが怖いのでなく、もしも17才の自分が、現在の自分の体に入ったら…と思うと怖いのである。
そして、今、17才だった時の自分の若々しい感性はすでに遥かかなたに去ってしまっている、という事実にもまた怖さを感じるのだ。

今まで他人の体と心をチェンジするというストーリーはよくあったが、この作品のように、SFではなく自分の老いた体に自分の心が入るというストーリーは珍しいのではないだろうか?(ここで、疑問なのだが、老いた心は果たして若い心にはいったのか?作品中には、語られていないが知りたいところである。)
42才の自分が高校教師だった、という設定がよく出来ていて、17才の心を持った高校教師が高校生に囲まれていろんな出来事にまきこまれていく様子が、何とも言えない透明感のある輝きでもって描かれているように思える。

この作品は40才前後の多くの女性たちにとって、懐かしさと、一種の怖さを感じさせるものかもしれない。現在17才の少女が読んだら、果たしてどういう風に感じるのだろう?

BY:みやびちと

死国(坂東眞砂子)

2005-04-22 08:20:01 | 小説
死国(坂東眞砂子)

四国は、死の国、死霊の住まう島であった。

・・・という ショッキングな話がこの「死国」なのです。

「無数の遍路たちが右回りに巡ることで、四国の中に生の結界を作っているのだ。それを左回りに巡ると死者が蘇る。」

ちょっと怖い話です。しかも偶然、この夏私が行った場所、石鎚山、岩屋寺、仁淀川、面河川などが出てきて、妙にリアル感があったのです。ですから、これらの舞台になった地域を知っている人は、より面白みを感じる事が出来ると思います。

BY:みやびちと

僕を殺した女 (北川歩実)

2005-04-22 08:18:44 | 小説
僕を殺した女(北川歩実)

信じられない。
まさか、こんなSFめいたことが実際に起こるなんて・・・・・・。
昨日まで、確かに僕は「篠井有一」だった。が目覚めると、僕は若い女に変貌していた。しかも五年後にタイムスリップして・・・。そして、この世界にはもう一人、「篠井有一」がいる!?

とまぁ、こんな調子でこの小説が始まるのだが、まず最初に思うのは、大林監督の「転校生」という映画。少年と少女の心が入れ替わるという筋書きだ。しかしこのしょうせつは、SFではない。となると、精神病の一種・・・例えば、ダニエル・キイスの「二十四人のビリー・ミリガン」といった多重人格の話か?いやいや、そんな見え見えの筋書きじゃあ、面白くない。さて・・・この作者どういう「トリック(?)」もしくは「オチ(?)」を考えているのか?
一夜のうちに男が女に変貌するという謎解きを考えながら、楽しく一気に読んでしまいました。

この謎を知りたければ、是非読んでみてください。アッと驚く結末があなたを待っています。

BY:みやびちと

七回死んだ男(西澤保彦)

2005-04-22 08:14:33 | 小説
七回死んだ男(西澤保彦)

幾度も繰り返される殺人。殺されるのはいつも渕上零治郎!?それは、現実の出来事!!だが、それを認識できるのは孫の久太郎だけ。時間の”反復落とし穴”に嵌り込んだ久太郎が、祖父の命を救うべく孤軍奮闘する話。
・・・といっても、この小説を読んでいない人には、一体どういう事か分かりにくいかもしれない。
時間の”反復落とし穴”というのは、同じ日が7回繰り返され、それがわかるのは久太郎だけなのだ。つまり、久太郎だけが「やり直し」が出来るのだ。
そこで、殺された祖父を殺されないようにしようと、毎日(といっても同じ日が続くだけなのだが)久太郎が孤軍奮闘するのだ。
同じ日が何度も繰り返されているのに周囲のもの達は気付かない。という設定の話は他にもあるようだが、この作品は、かなり楽しめるものになっていると思う。

人生のやり直しが出来ればなあ・・・。あの時、あちらを選んでいたら今ごろは・・・とか、人間なら誰だって一度は考えた事がある筈だ。
私も、時間をリセットして、もう一度あそこからやり直してみたい・・・。と、フト思ってしまった。でも、リセット出来ないからこそ人生は面白いのかもしれない。過去を振り返らずに、今、この一瞬、一瞬を大事にしていく事が生きるという事なのかもしれない。

BY:みやびちと

怪傑ゾロ(ジョンストン・マッカレー 広瀬順弘:訳)

2005-04-22 08:09:05 | 小説
怪傑ゾロ(ジョンストン・マッカレー 広瀬順弘:訳)

子供の頃、テレビで観たのが、ゾロとの初めての出会いだと思うが、その後、「アラン・ドロンのゾロ」で再び素敵なゾロに出会い、その数年後、ゾロが双子だったという設定の映画(「ドラキュラ都へ行く」の主役をしたジョージハミルトンがやっていた。)で、双子のうちの一人がオカマという何ともユニークなゾロを観た。
ダグラス・フェアバンクス主演の「奇傑ゾロ」も観たが、古い無声映画にもかかわらず、結構楽しめるものだった。そして、アニメの「怪傑ゾロ」も観たのだが、フト気がついたのは、これだけ、色々なゾロを観ていながら、まだ一度も原作を読んでいないということだ。
そこで、図書館、書店、古本屋等を探し回ったのだけど、結局手に入らなくて、諦めかけていたのだが、「マスク オブ ゾロ」の映画のおかげ(?)で、ようやく文庫版が出て読むことが出来た。
感覚的に、少々古さを感じてしまうが、ロマンいっぱいの楽しい話であることに変わりない。

**以上の文章は1999年に書いたもの。たぶん、「マスク オブ ゾロ」が公開された頃だったと思う。

BY:みやびちと