こちらは阪急神戸線の最新型車・9000系の車内の様子です。
木目の化粧板にグリーンの座席…という辺りはいかにも阪急を感じさせられますが、京都線の9300系では少々硬めで深緑色となっていた座席は、従来車同様の明るいグリーン、また座席自体も柔らかめのモノに戻っているのが特徴です。
阪急電車では伝統的ともいえるアルミ製の鎧戸式日除け(下から上へ持ち上げるもので、関西以外の方はあまり馴染みがないと思います)は廃止され、一般的な日除けになっている他、天井がかなり高くなり照明も特別料金が必要な優等列車を思い出させる間接照明を用いているなど随分特徴があり、これは京都線の9300系も同様ですが、従来の車両とは一線を画す印象を受けます。
ドア脇の手すりやつり革を釣っている棒の支えなどはメーカー(日立)の車両でよく見られるモノが採用されており、特にドア脇の手すりは特徴的(JR九州などでよく見られ、最近は首都圏でもよく見ますが、混雑率の高い首都圏では不向き)ですが、この辺りはコスト削減を兼ねたものかと推測される感じもします。
またこの車両は阪急では初めて、関西私鉄全体でもまだ数少ないLCDモニターを用いた車内案内表示装置を装備しているのも特徴で、これはドア上に2台設置されて片方はニュースなどを流していますが、案内側の表示内容や様式などは首都圏で普及しているタイプとは異なっており、ここにも阪急のこだわりがある様です。
ただこれだけの車両にも関わらず、未だに自動放送が導入されていないのは惜しまれる点で、阪急に限らず関西では地下鉄とワンマン列車以外での導入事例は少ないですが、外国人の乗車なども考えると再考の必要があると感じます。
この9000系は随分コストも掛かっていそうで、最近首都圏で増えている車両の如く大増備はあまり期待出来なさそうですが、かなり完成度は高い車両であると思いますし、今後の増備と活躍に期待したいものです。