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スルッとKANSAI 2/3dayチケット(通年版)・発売終了に

2016-09-30 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

関西の私鉄やバス各社では、来春にスルッとKANSAI各種磁気SFカードの発売を終了、そして再来年1月末に自動改札機とバスでの利用も終了する事を公式発表していますが、これに加え通年版の「スルッとKANSAI 2dayチケット」と「スルッとKANSAI 3dayチケット」(以下スルッとKANSAI 2/3dayチケット)の発売も今日限りで終了となります。


スルッとKANSAI 2/3dayチケットはご存知の方も多いと思いますが、関西一円のスルッとKANSAI加盟各社局(一部を除く)の鉄道・バスが乗り放題になる企画乗車券で、通年版と季節限定版の2種類が存在しています。
(2dayチケット(写真)は通年版のみ)

MAKIKYUはどちらも利用した事がありますが、通年版は近畿地方の2府4県と三重県以外で引換券(Loppiなどのコンビニ設置端末や、大手旅行会社窓口などで発券可)を購入→スルッとKANSAI加盟社局の指定窓口で引換(一部直接乗車券を発売している箇所も存在)、発売箇所故に専ら関西外の国内各地から関西を訪問する旅客向けとなっています。

季節限定版はスルッとKANSAI加盟社局窓口で発売、こちらは主に関西在住者向けに設定されており、3dayチケットのみながら有効期間内なら任意の日を選んで使えるのが大きな特徴です。
(通年版も2dayチケットは以前有効期間内で任意の2日間通用でしたが、最近は使用開始日から連続2日間通用、3dayチケットは以前から使用開始日から連続3日間通用となっています)

季節限定版は今秋も発売が発表されていますが、引換券を購入すれば何時でも使えたスルッとKANSAI 2/3dayチケットの発売が今日限りとなってしまったのは、関西訪問時には愛用していた身としては非常に残念な限りです。

今後関西では気軽に乗れなくなってしまう私鉄やバス路線も数多く出てしまうな…と感じていますが、引換券は購入から1か月間有効ですので、来月中に関西へ足を運び、私鉄やバスなどを多数利用予定という方は、今日中の購入が必須です。

また季節限定版も今秋版の発売が発表されているものの、こちらもその後はスルッとKANSAIの各種磁気カード発売停止と運命を共にしてしまう事がスルッとKANSAIの公式HPで発表されています。

個人的には季節限定版だけでも、今後も設定継続して頂ければ…と感じていましたが、こちらも含めた発売終了は非常に残念な限りで、今後スルッとKANSAI 2/3dayチケットに代わる企画乗車券類の設定にも期待したいものです。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も、スルッとKANSAI 2/3dayチケットを利用した際の思い出話などがありましたら、是非コメントもどうぞ。


相鉄9000系(旧塗装)鉄道コレクション販売会&車両センター内プチ見学会に参加

2016-09-24 | 鉄道[首都圏・私鉄等]


今日相模鉄道(相鉄)では、9000系車両旧塗装編成の鉄道コレクション(事業者限定品)の発売会が開催され、MAKIKYUも足を運ぶ機会がありました。
(写真は相鉄線車内の発売会を告知する中吊りです)


この発売会はかしわ台駅近くに位置する車両基地内で実施、勿論メインは鉄道コレクションの購入で、この鉄道コレクションは今日の車両基地内発売分だけ記念硬券進呈のおまけ付き、また今日発売開始となった鉄道コレクションの発売だけでなく、それ以前に発売となった一部の鉄道コレクションや、各種相鉄グッズ発売なども行われていました。

これらは海老名駅改札口前に店舗を構える相鉄運営の鉄道グッズ店による出張販売、これらの商品は中型トラックをレンタルして店員の方が自ら搬送したとの事で、車両基地内には中型トラック(ニッポンレンタカー)の姿も見受けられたものでした。

 
また車両センター内プチ見学会と名乗っている事もあり、車両基地入口に保存されている神中鉄道3号機関車とハ24号客車(客車は車内見学可)をはじめ、発売会場となった工場内でも普段は見られない車両の展示が行われていました。

 
今回の車両展示では丁度検測車の検査時期に当たったのか、それとも敢えて検測車の検査時期を狙って発売会実施を意図したのかは分かりませんが、西武線古参車両の如くドアだけ銀色無塗装・それ以外が黄色一色となった7000系改造の検測車が展示。


日頃伺う機会のまずない検測車内の様子や、一般人が切り離された姿を見る機会は滅多にない棒連結器なども見る事ができました。

 
そしてその奥には現行検測車登場に伴って現役引退した旧検測車の姿もあり、よくこんな裏方の車両を3両も揃えて展示した…と感心する程でしたが、この車両は海老名方の貫通扉に掲げられている行先表示サボを時々差し替えるというファンサービスまで行っており、MAKIKYUが見た時には今日の相鉄線では考えられない行先表示も見受けられたものでした。


この他相鉄のゆるキャラ「そうにゃん」との撮影会なども実施され、厚木線での特別列車運行時などにも登場したそうにゃんの宣伝にも結構力を入れていると感じたものでした。

イベント自体は小規模で地味な印象ながらも、検測車展示・見学撮影などは足を運ぶ甲斐が十二分にあったと感じる内容で、今後も同種イベント開催に期待したいと感じたものでした。


近鉄16200系「青の交響曲」~私鉄版「はやとの風」とも感じる異色の特急車両

2016-09-23 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

毎月21日は幾つかの鉄道系月刊雑誌の発売日、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にはその内のいずれかを毎月購入、もしくは立ち読みなどで目を通している方も少なくないと思います。

幾つか刊行されている月刊誌の一つでは、最近になって更新内容が変更された近鉄一般車両のB更新(一度更新工事を施行して一定年数が経過した古参車両に対し、更なる長期使用を行うための延命修繕工事)車両に関して特集した記事もあり、この車両の車齢や更新内容などは異例とも感じます。

また狭軌(線路幅1067㎜)の南大阪線用車両の中には、一般車として更新された車両だけでなく、B更新に併せて優等用(特急)車両に改造した車両も存在しており、この車両は用途変更に併せて塗装を改めただけでなく、扉数の減少(各車4→1扉)などで外観も大きく変化、また形式名も6200系→16200系に改められるなど、近年登場しているB更新施工車の中でも、特に目立つ存在となっています。

この16200系は10日に「青の交響曲」として運行を開始したばかりで、1編成しか存在しない事から原則として週6日運転、運休日は一般特急車が代走していますが、MAKIKYUは先月に続いて今月も関西へ足を運ぶ機会があり、早速乗車できましたので取り上げたいと思います。


「青の交響曲」は名前の通り濃い青(紺色)を基調とした装いになっており、装いは往時のブルートレインを連想させる雰囲気、また「交響曲(シンフォニー)」と名乗る事もあり、始発駅での発車前には車内でクラシック楽曲が流れるなど、他の近鉄特急とは随分雰囲気の異なる車両となっています。


改造種車となる6200系は3両と4両の2種類が存在、「青の交響曲」はその中でも3両編成の車両が改造種車として選定されていますが、中間車はラウンジスペースとバーカウンター・フリースペースになっていますので、座席は両先頭車にしか設けられていません。

この座席も2+1列配置のDXシートとなっていますので、3両編成ながらも南大阪・吉野線の一般特急車2両編成よりも旅客定員数は遥かに少なく、随分贅沢な空間の使い方をした車両になっています。


DXシートとなっている両先頭車は、種車が一般車両だけに窓サイズが一致しない事を逆手に取り、元々客窓だった箇所に回転式リクライニングシートを2列、元は客扉だった所を埋めた箇所にテーブルを配したボックス配置の座席(リクライニング可・回転不可)を設置した特徴的な座席配置となっています。


座席の横幅だけでなく、前後のシートピッチもかなり広く感じられたものの、乗車時間がさほど長くない事もあってか、リクライニング角度はやや控えめとなっており、JR新幹線普通車指定席の2+2列席に近い印象を受けたものでした。

これだけの設備にも関わらず、特急料金は「しまかぜ」の様な特別列車料金設定はなく、通常のDXシート料金(さくらライナーのDXシート車と同額)となっており、しかも南大阪・吉野線内は距離比例加算もありませんので、大阪阿部野橋~吉野間を乗り通しても720円、距離比例加算となる近鉄他線区の同距離特急料金(900円)よりも安い設定ですので、豪華な客室設備の割にはお得感があります。

その事もあってか、MAKIKYUが乗車を目論んだ日は当初満席、後にキャンセルが僅かに発生して特急券(全車座席指定)を購入できた位ですが、設備と定員、改造費用や料金設定などを考えると、「青の交響曲」列車単独での収支は満席でも厳しく、私鉄一の高級特急車として知られる「しまかぜ」と同様に、車内物販や沿線誘客なども含めて何とか…というレベルなのではと感じたものでした。


また対象としている利用客の年齢層が高めである事を意識しているのか、観光列車やそれ以外の特急車両では前面展望性を高めた車両が多い中で、種車の一般車時代に比べて展望性が悪化しています。

吉野線内は単線でダイヤに制約が大きい事もあり、一般特急車と同等ダイヤでの運行で観光列車ならではの停車時間設定もありませんので、目的地まで車内でゆっくりとくつろぎたいと感じる向きには好適と感じる反面、子供連れなどで乗って楽しむという雰囲気とはやや異なるのは、難点と捉える向きもあるのでは…と感じたものでした。

ちなみに改造種車の元用途や車齢などは、JR九州が九州新幹線開業に合わせ、様子見状態で古参の一般型気動車・キハ147系を改造した特急「はやとの風」を登場させ、異色の特急列車として注目されたのと酷似しており、「はやとの風」は後に追加改造車の登場や別の同種列車が続く程のヒット作になっています。

近鉄自体でも特急として運行している列車ではありませんが、観光客向けの改装車両として既に伊勢志摩地区を走る「つどい」という前例があり、関西の他私鉄でも南海の「天空」という類似例がありますが、関西私鉄の一般車格上特急車は「青の交響曲」が関西初、大手私鉄全般を見渡しても他の同種事例は東武の「スカイツリートレイン」程度という非常に珍しい車両になっています。
(私鉄の一般車格上げ特急車に関しては、富士急6000系(元JR205系の改装車両)を有料特急車と見做し、開放扱いで普通列車にも充当していると解釈している方は別ですが…)

座席定員数の少なさ故に満席御礼の状況が続くのであれば、今後4両編成で活躍中の6200系や、性能的にはほぼ同等の6020系付随車(サ)を追加改造した4両編成での運行を検討しても…と感じたもので、毎年混雑する吉野の桜シーズンはどの様な運用を行うのかも気になる所です。

「青の交響曲」は種車が首都圏私鉄なら支線運用からも撤退するレベルの古参鋼製抵抗制御車だけに、よくここまで大規模な改造を施工したと感心すると共に、活躍が何時まで続くのかも気になる所ですが、こんな事を感じているのはMAKIKYUだけでしょうか?


能勢電鉄 5100系電車~車齢40年超えの移籍車両

2016-09-19 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

先月MAKIKYUが関西へ足を運んだ際には、兵庫県~大阪府の府県境周辺を運行する能勢電鉄にも乗車機会がありましたが、その際には同社では昨年稼働開始したばかりの新形式・5100系にも初めて乗車したものでした。

能勢電鉄では阪急梅田直通の特急「日生エクスプレス」の走行距離調整用に、近年阪急6000系が8両1編成移籍し、この車両の名義は能勢電鉄所属ながらも、運用の大半が他社(阪急)線内という異例の状況になっていますが、5100系はこの1編成を除くと能勢電鉄の自社車両では最新型の部類に入ります。


ただ能勢電鉄では最新型の部類に入るとは言えども、親会社でもある阪急の古参車両が移籍して活躍するという状況は相変わらずで、それどころか5100系に至っては車両番号も阪急時代のままで活躍しています。

路線自体も阪急と直通運転しており、起点の川西能勢口駅では連絡改札を介さずに乗換可能であるなど、名義上は阪急とは別会社ながらも、阪急の1支線なのでは…と錯覚しそうな雰囲気で、近年保守合理化を狙い、車両の装いを阪急と同様のマルーン一色に改めてからはその傾向が尚更…とも感じます。

また5100系は能勢電鉄が専ら自社線内において運用する車両の中では最新鋭ながらも、製造から40年を超えた経年車で、系列間移籍とは言えどもこの様な古参車が大量に移籍するのは異例ですが、同系導入によって経年50年超えの1500系(元阪急2100系)の全面淘汰を実現しており、若干ながらも平均車齢の若返りを実現させています。

ちなみに5100系は現在でも阪急宝塚線で活躍している車両も残存、同線運用車は現在8両編成で運行していますが、4両か2両を複数併結して編成を構成している事もあり、短編成で運行する支線区への転用も比較的容易で、阪急自体でも最古参の3100系代替で近年箕面線運用に転用された車両も存在しています。

大半が4両編成、末端区間(山下以北)折返列車の一部を2両編成で運行している能勢電鉄としても、この様な編成構成の車両だと使い勝手が良く、現在4両編成と2両編成の2タイプが存在しています。


阪急と相互直通運転を行っている路線だけあり、車両規格などは同一であるものの、阪急でワンマン運転を行っているのは3両編成で運行している今津線西宮北口以南(通称今津南線)と甲陽園線のみ、これに対し能勢電鉄は自社線内列車全てでワンマン運転(都市型)を行っているため、能勢電鉄移籍に際してはワンマン対応改造を行っているのが、阪急時代との最も大きな変更点と言え、運転台などを見ると違いは一目瞭然です。

 
一部車両では行先表示のLED化も実施していますが、表示枠自体は既存の枠を流用している事もあってか、スペースはやや小さめとなっており、この事もあってか日英2か国語を交互表示にする事で対応しているのも特徴です。

車内は能勢電鉄に移籍して間もなく20年、それでも専ら自社線内で運用する車両の中では5100系に次いで新しく、1編成だけの異端的存在としても知られる3100系(元阪急3000系)の様な冷色系へのイメージチェンジは行われず、阪急系ならではとも言える木目の化粧板やオリーブグリーンの座席モケットなどもそのままとなっています。


5100系の一部は阪急時代末期に大規模なリフレッシュを施行しており、能勢電鉄移籍車両の中にはこのグループも混在、これに関しては新車並の内装を誇り改装の必然性が乏しい事も一因かと思いますが、それでもブラインドはイラスト入りの独特な印象のモノに交換、阪急時代との差異が少ない車両という印象が強い中でも、意外な所で独自色を出していると感じたものです。

ちなみに今日取り上げた5100系は、能勢電鉄移籍車両の中でも4両編成で活躍する車両の一部で、阪急時代のリフレッシュ改装有無などで幾つものバリエーションが存在しているのも特徴ですが、MAKIKYUは他に2両編成の5100系にも乗車機会があり、こちらに関しても近日中に追って取り上げたいと思います。


山陽電気鉄道 6000系電車~久々に登場した新型車両

2016-09-17 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

先月MAKIKYUが関西へ足を運んだ際には、和歌山方面以外に大阪市内や兵庫県内などでも最近稼働開始した車両に幾つか乗車する機会があり、兵庫県内では山陽電気鉄道にも乗車機会がありました。

山陽電気鉄道の既存車両は、阪神直通特急でも用いられる中堅の5000系列と、製造年次が多岐に跨る事から様々なバリエーションが存在する古参3000系列の2形式が活躍する状況が続いてきましたが、長期に渡って製造され初期車は製造から50年を突破し、老朽取換必須の時期に差し掛かっています。

3000系列の一部は更新工事を施行し、まだ暫くの活躍が続きそうですが、かなり草臥れた印象を受ける車両も数多く存在し、同系の代替車両として今春に登場したのが、山陽では久々の新形式となる6000系です。


6000系は今春に3両2編成が登場、今後も3000系代替で増備が進行する見込みで、2編成併結の6両で阪神梅田直通も可能と言われていますが、現在は3両単独で専ら山陽普通(神戸高速線含む)での運用となっています。

高運転台・アルミ車体などは、中堅格の5000系列と共通する点ですが、山陽初・最新型ならではとも言えるフルカラーLEDを採用した行先表示や、戸袋窓部分に赤~オレンジ色がグラデーションで配色されたステッカーなどが際立ち、前面に「6000系DEBUT」というヘッドマークが掲げられた姿も、運行開始から日が浅い最新型車両ならではの姿と感じたものでした。

 
MAKIKYUはこの6000系に支線の網干線で乗車機会がありましたが、同線ではワンマン運転を行っている事もあり、側面の種別表示は「普通」表示の下が英文表示(LOCAL)とワンマン表示が交互表示されていたのが印象的で、また側面表示は種別・行先だけでなく号車番号も表示されるのも大きな特徴と感じたものでした。


車内に足を踏み入れると、車長や扉数、窓割や配色などは異なるものの、簡素な印象の化粧板や特徴的な形状の袖仕切り、天井形状など、千代田線や小田急線でお馴染みの東京メトロ16000系に類似した部分が幾つも見受けられ、製造メーカーがどちらも同一(川崎重工業)である事も影響しているのでは…と感じたものでした。


近年の新鋭車両では、客ドア内側に注意喚起の黄色いラインを配する車両が数多く存在し、関東ではドアの中央部分、関西ではドアの両端に黄色いラインを配する事が多い状況(一部例外あり)ですが、山陽6000系ではドアの中央部分と両端の双方に黄色いラインを配しているのが大きな特徴で、今後この様な車両が他でも相次ぐのか気になったものです。

各ドアには一部ではスマートドアとも呼ばれる押しボタンも設けられ、相互直通運転先の最新鋭車両と同種の意図で設けられたものと思われますが、節電が求められる中で車内空調維持に努める必要もある事を考慮すると、通勤型車両でももっと普及して良いのでは…と感じます。


先頭車では乗務員室が運転席側だけ大きく客室側にせり出し、反対側だけに客席が設けられているのも大きな特徴で、車内はメーカー標準仕様の要素が強いと感じる中で、この構造は既存型式同様に山陽らしい仕様とも感じたものでした。


山陽では新造車導入が暫くなかった事もあり、今流行のLCDモニターによる案内表示装置も6000系で初登場となっており、モニター自体は一つだけで最新型にしては割合簡素な印象です。

 
ただ日英2か国語に加えて中国語と韓国語も表示、中国語は簡体字と繁体字の双方が併記される仕様となっており、これは山陽亀山駅が近年中華圏の同名駅と姉妹提携を行った事も影響しているのか…とも感じたものでした。

また3両編成で中間車にシングルアーム式パンタグラフが2基搭載された姿は、1M2Tもしくは中間車と片方の先頭車が電動車なのでは…と感じてしまいますが、パンタグラフを装備した中間車が付随車、パンタグラフを装備していない両端車が電動車という、直流区間専用車では珍しい配置となっているのも特徴的と感じたものでした。

設備面ではオールロングシート車だけに、専ら普通運用に充当されるのであれば無問題、今後の活躍にも期待の車両と感じましたが、2編成併結で阪神直通特急に充当、梅田~姫路間を通して乗車となると、現状でもライバルのJR新快速に比べて苦戦が否めない状況ですので、新鋭ながらも更なる見劣りが否めなくなるのでは…とも感じたものです。

今後恒常的に直通特急に充当される事になるのか否か、また直通特急充当用に客室設備を一部変更した編成が出てくるのかも気になる所で、3000系列代替で増備が進むと推測されますが、新たなバリエーションの展開にも期待したいと感じたものでした。


南海7100系「めでたいでんしゃ」~今春に運行開始した加太線向け改装車両

2016-09-11 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

先日「MAKIKYUのページ」では、和歌山電鐵で6月に稼働開始した改装車両「うめ☆電車」に関して取り上げましたが、和歌山市内では南海から経営分離された和歌山電鐵(貴志川線)だけでなく、現在も南海が運行している支線・加太(Kada)線でも、観光客向けに改装された車両が今春運行を開始しています。

加太線で今春運行を開始した改装車両は「めでたいでんしゃ」と称する電車で、日頃MAKIKYUは首都圏を生活拠点としている身ですので、和歌山は近場とは言い難く、「めでたいでんしゃ」も先月ようやく乗車、また加太線自体も滅多に利用機会のない路線だけに、久々の乗車となりました。

加太線で現在活躍する車両は、現在は専ら支線用となっている2扉中型車の2200系(通称角ズーム)と、古参車ながら南海本線でも主力となっている4扉大型車の7100系の2種類が存在、後者もワンマン運転対応改造を施行した2両編成に限定され、どちらが運用される場合でも現在は基本的にワンマン運転となっています。

角ズームは高野線山岳区間の座席指定制有料観光列車「天空」に改造された車両をはじめ、貴志川線向けに改造された車両が経営移管と共に和歌山電鐵に移籍、その中には先日取り上げた「うめ☆電車」の様に大改装を施した編成が何本も存在、これに加えて遠く九州へ移籍してドアの増設改造を施行された編成も存在するなど、製造両数こそさほど多い車両ではないものの、今日では多様なバリエーションが存在する車両の一つになっています。

この角ズームを加太線向け改装車両に改造すれば、角ズームの更なるバリエーション充実が…と思った方もいると思いますが、「めでたいでん」に改装されたのは角ズームではなく7100系です。


改装車両目当てで混雑する際の収容力を見込んだか、加太線の宣伝目的で今後他の7100系と併結して南海本線で運用→なんばなど大阪都心部に姿を現す事を意図して、7100系を敢えて選択したのなら喜ばしい話という気もしますが、どんな動機で7100系を改造種車に選定したのかも気になる所です。

この「めでたいでんしゃ」では、加太の名産にもなっている「鯛」をイメージし、車体には無数の鱗が描かれた非常に特徴的な装いとなっており、運転席背後の客窓は鯛の目玉をデザインしたラッピングが施されているのも大きな特徴ですが、このラッピングのお蔭で特等席とも言える最前部座席からの車窓はやや犠牲になっていますので、これは賛否両論が分かれる所かと思います。


車内に足を踏み入れると、側面や天井の化粧板こそ従来通りながら床材が貼り換えられ、座席モケットやブラインドなども「鯛」をデザインしたものに交換されるなど、観光向けの改装車両らしい雰囲気に仕上がっています。


座席モケットは一般席が同柄で色違いの2種類、優先席は両柄を市松模様で組み合わせたものとなっており、ブラインドも鯛の鱗をデザインした独特のデザインに改められ、車内はさながら鯛ずくしと言っても過言ではない状況になっています。

これに加えて客ドアも内側が真っ赤な装いになり、つり革も交換、吊り輪が木製に改められているのも大きな特徴です。

木製の吊り輪自体は近隣の和歌山電鐵をはじめ、和歌山電鐵の車両改装を手掛けたデザイナーが関与する車両などで近年目にする機会も多いですが、吊り輪は鯛を模った独特な形状となっており、これは和歌山電鐵の発展に大きく寄与した「故たま駅長」でも仰天するのでは…と感じた位です。


この吊り輪は形状だけでも特徴的ですが、これに加えて吊り下げる高さを変えて不均等とする事で、鯛が泳いでいるかの様に見せる演出までされており、これに加えて車両内に1箇所は今流行の吊り輪が♡形となったつり革も存在しています。


そして無数の鱗が描かれた外観塗装も、♡が描かれた鱗が僅かに存在するなど、至る所に観光向け改装車両ならではの遊び心が感じられ、南海もよく考えたな…と感心したものでした。

「めでたいでんしゃ」は貴志川線の改装車両を参考にしながらも、幾つもの改装車両が活躍する貴志川線とは異なった雰囲気に仕上がった改装車両に仕上げられ、普通列車として特別料金なしで乗車できるのも有難いと感じたものです。

貴志川線が南海→和歌山電鐵移管後に相次ぐ活性化策が功を奏し、外国人観光客も多数来訪する路線にまで変貌した事を見ると、加太線の車両を活用した活性化策実行開始は随分遅いとも感じますが、「めでたいでんしゃ」運行を機に加太線の活性化、更には他支線でも同種の取組みが出て来れば…とも感じたものでした。


和歌山電鐵「うめ☆電車」~大改装車両の第4弾

2016-09-06 | 鉄道[近畿・その他私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、今夏にJR阪和線・紀勢本線で運行開始したばかりの最新型車両・2255100番台に関して取り上げましたが、それ以外にも和歌山方面で最近走り始めたばかりの車両に乗車する機会がありました。

その一つが和歌山電鐵で6月から稼働開始した「うめ」電車で、南海貴志川線を両備グループに移管して発足した和歌山電鐵では、現段階で車両代替は行わず南海時代の車両を使い続けています。

しかしながら南海から経営移管と共に移籍した6編成全てが健在ながらも、和歌山電鐵発足後に既存車両を次々と改装、「いちご」「おもちゃ」「たま」と、他に類を見ない非常に個性的な車両を次々と登場させています。

改装車両が3編成揃った段階で、在籍車両の丁度半数が和歌山電鐵発足後に改装された車両となりましたが、これに次いで6月に登場した第4弾が「うめ電車」です。

同編成の登場で改装車両の比率が過半数、元々和歌山電鐵では車両運用をHPでも公開、運用のやり繰りなどで改装車両のいずれかを運用する様に努めている状況ですが、4編成目の改装車両登場によって、3編成が運用される昼間時間帯でも最低1編成の改装車両が確実に捕獲出来る様になっています。

和歌山電鐵では既に活躍中の改装車両3編成、それも特に第2弾以降の車両は観光列車と見間違える、というよりも観光列車を兼ねた車両と言っても過言ではない位です。

そのためこれ以上強烈な改装車両を今後登場させる事はできるのだろうか…と感じる状況で、無機質で没個性的な低コスト型標準使用車でなければ、規格的に走行可能な電車ならどんな車両が出てきても驚かない程です。

それでも第4弾となる「うめ電車」では、既存の改装車両と同様に両備グループやJR九州の車両改装などで有名な某デザイナーが関与し、このデザイナーが絡んだ車両ならではの特徴も多々見受けられるものの、和歌山電鐵では初めて、全国的に見ても異例と言える部分が幾つも見受けられたものでした。


外観は赤を基調としたデザイン、多数のロゴや英文字が散りばめられた某デザイナーならではと感じますが、個人的には既存改装車両の延長線と言っても過言ではない印象。

既に強烈な改装車両の数々に触れた身としては、さほど驚かないものと感じましたが、和歌山電鐵に初めて乗車する人物が予備知識なしで遭遇したら、かなり驚くのでは…と感じる装いです。


車内に足を踏み入れると、最近の某デザイナーならではともいえ、至る所で木をふんだんに用いた内装が特徴的で、幾種もの柄を用いた座席モケットや車両間の貫通路に設けられた暖簾など、某デザイナーが絡む改装車両の定番とも言えるアイテムも目白押しとなっています。

 
ブラインドですだれを用いるのは、某デザイナーの改装車両に限れば定番化していますが、「うめ電車」では貴志方車両(写真左側)はすだれを用いているものの、和歌山方車両(写真右側)では木枠と和紙を用いた非常に独特なモノとなっており、2両それぞれでブラインドの形状や材質を変えているのは非常に特徴的です。

また某デザイナーが関与した改装車両では、特徴的な座席や装飾、調度品などを引き立たせるためなのか、側面や天井の化粧板はシンプルに仕上げられている事も多くなっていますが、最近では天井も派手に装飾する車両が次々と登場しており、うめ電車もこの一例です。

天井が装飾されただけでなく、照明も既存の蛍光灯を撤去、LED電球を配しており、今まで某デザイナーが余り手を入れない事が多かった部分も随分手を加えたな…と感じたものでした。

その一方で客ドアは今まで赤などの塗装を施して際立たせることが多かったものの、側面化粧板の他部分と同様の仕上げとなっており、こちらはややトーンダウンした印象…

と思いきや、運転席背後の片開扉は戸袋窓が閉塞され、車内側はミラー仕上げという、これまた他に類を見ない非常に凝ったモノとなっています。


 
世間を驚かせる改装車両を次々と登場させ、これ以上の改装車両は出せないのでは…とも感じる状況で、「うめ電車」でまたも新たな仕掛けを色々施した改装車両を登場させた和歌山電鐵、廃線の危機にあった路線をここまで注目される存在に押し上げた功績は相当と感じます。

改装されずに残存する2編成は現状のまま推移するのか、それとも更に新たな仕掛けを施した改装車両として今後世間を賑わす事になるのかも気になる所ですが、既に改装された車両も含めて種車が結構な古参車だけに、現在の2270系各編成自体があとどれだけ活躍できるのかも気になる所です。


JR西日本225系5100番台~幾つかの疑問を感じる阪和線用最新型車両

2016-09-02 | 鉄道[近畿・JR]

先月は遠出をはじめ、それ以外の要件も重なり「MAKIKYUのページ」更新も余りできない状況でしたが、遠出の際には初めて乗車した車両が幾つも…という状況で、今日はその一つ・225系5100番台車に関して取り上げたいと思います。

225系はJR西日本のアーバンネットワークにおける最新型の近郊型電車として増備が進む車両で、関西在住の方をはじめ、それ以外でも近年関西へ足を運ばれている方であれば、既に乗車した事がある方も少なくないと思います。

近年のJR西日本新型電車の標準仕様ともいえる0.5M方式による全電動車方式を採用、2両以上であれば1両単位で自在に編成組成が可能となっているのも大きな特徴で、この辺りはJR東日本などの新型電車とは対称的な設計思想が伺えます。

同系導入は2010年にはじまり、先代の223系とは編成単位での互換性がある事から、両者は共通運用され混結して運行する事も日常茶飯事となっていますが、東海道本線・山陽本線を中心に活躍するグループと、阪和線・紀勢本線を中心に活躍するグループでは、窓下の帯色や座席配置などが異なっており、通常運用では同一グループ同士での混結のみとなっています。

2グループの中でも阪和線・紀勢本線を中心に活躍する225系は、番台が+5000された「5000番台」として導入されており、帯色や座席配置などは先代223系の阪和線・紀勢本線を中心に活躍するグループに合わせられていますが、225系自体が今年導入された編成から大幅に仕様変更→100番台として区分された事から、阪和線・紀勢本線向けの最新車両も番号帯が+100された5100番台となっており、今夏に運用が開始されています。

この5100番台では100番台と同様に…

・先頭車前面が既存225系よりもやや丸みを帯びた形状に変更
 
(写真は阪和線・紀勢本線用225系、写真左側が最新車両5100番台/右側は既存5000番台です)

・種別/行先表示のフルカラーLED化&種別幕の廃止


・車内蛍光灯のLED化


などの仕様変更が行われています。

この阪和線・紀勢本線向けの223系は現在全て4両編成、225系も5000番台車は全て4両編成となっており、4両単独か2編成併結の8両いずれかの編成で運行していますが、5100番台は阪和線・紀勢本線向け既存223・225系各車両との併結も行う4両編成だけでなく、専ら単独運用となる6両編成が登場しているのも大きな特徴です。


また先に述べた100番台・5100番台における各種仕様変更は、広島地区の新鋭車両・227形の仕様を概ね踏襲したものと言っても過言ではないと感じたものですが、阪和線・紀勢本線向け車両特有の2+1配列座席である事に加え、外海に面した海岸沿いをはしる紀勢本線にも多用される事から、5100番台では補助椅子格納スペースを小変更した避難用梯子が備え付けられているのも大きな特徴です。

これ以外の227系との差異は塗装・編成構成と運用上の最高速度を除くと、車端部分がロングシートであるか否かと、車内案内表示装置がLED文字案内か大型LCDモニターなのかといったレベルですので、225系の別番台を名乗るよりは、227系の別番台にした方が良かったのでは…とも感じます。

ちなみにMAKIKYUは先月阪和線に乗車した際、阪和線・紀勢本線用にJR西日本が導入した3扉近郊型では初となる6両編成の車両には乗車していないものの、5100番台には関空/紀州時快速と区間快速で乗車機会がありました。

設備的には既存の225系などと大差ない車両と感じ、近郊型車両にしては上等な居住性などは大いに評価できるものでしたが、227系の仕様を踏襲した事もあってか、関西の電車ではJR・私鉄共によく見かける蛍光灯グローブは廃止され、またLED蛍光灯もグローブ付きに近い見付けではないため、天井見付けは既存の225系に比べるとやや簡素と感じたものでした。

阪和線・紀勢本線の快速系列車に関しては、これでも設備的には充分過ぎるレベルで、多過ぎる停車駅や退避・分割併合などでの途中駅停車時間の長さなど、列車設定上の問題が大きいと感じています。

また専ら区間快速以下の列車に充当される6両編成の導入意義は疑問に感じる所で、6両編成での大阪環状線乗入列車を設定するならまだしも、そうでなければ阪和線内の駅に3ドア車用のホームドアを設置するとしても、運用目的などを考慮すると全席クロスシートは逆に問題と感じる位、編成組替も容易な形式だけに、今後先頭車のみ増備して組成変更される可能性なども…と感じたものです。
(阪和線・紀勢本線では先代223系で大規模な編成の組成変更を実施、形態の揃わない車両が混成された編成も多数存在する状況ですので…)

阪和線各駅にホームドア設置を行わないのであれば、30N・40N工事などを施行していない103系を今後末永く使い続けるのは論外としても、大阪環状線から323系導入で余剰となる201系を転用するか、環状線に続いて323系を導入する事で、主に各駅停車充当となる6両編成は既存205系と併せてロングシート車運用にした方が得策と感じる位ですので…