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JR四国 121系電車(ワンマン改造車)~リバイバル塗装(?)の改造車両

2013-01-26 | 鉄道[四国]

今月MAKIKYUが四国へ足を運んだ際には、乗車機会こそなかったものの、JR四国発足前の分割民営化直前に導入され、国鉄が四国向けに導入した唯一の「電車」である121系電車にも、遭遇したものでした。

121系は高松近郊のJR四国管内電化区間において、普通・快速列車の主力車両として活躍しており、同系自体は非常にありふれた存在で、むしろウンザリという方も居られるかと思います。

登場当時こそピンク色に近い赤帯を纏い、首都圏のJR京葉線で活躍するステンレス製電車を思わせる装いだったものの、JR四国発足後はコーポレートカラーのライトブルーに改められ、今日でも大半の編成はこの装いで活躍しています。

しかしながら少し前から一部の車両が国鉄時代とほぼ同様の装いに逆戻りし、リバイバルカラー編成登場と言っても過言ではない状況になっており、JR四国におけるこの様な塗装変更は、キハ185系一部車両(主にトロッコ客車牽引用)を連想させられます。


MAKIKYUが先日多度津駅で見かけた121系は、このリバイバルカラー編成と言っても過言ではない車両で、この編成には初めて遭遇したものでした。

単に昔の装いに戻したのではなく、車内を見ると座席配置の変更(ボックス席を減らし、7000系電車・1000系気動車の様な千鳥配置化)や床材の張替え、最近流行のドア部分への黄色いマーキングや優先席付近つり革(吊り輪のみ)の交換や、車椅子対応スペースの設置などの変化が見受けられたものでした。


運賃表示器などワンマン運転対応装備も見受けられ、ワンマン運転列車は専ら単行というJR四国にしては珍しく、単行運転不能な片運転台車両へのワンマン化改造という事でも、注目の存在と言えます。

JR他社では多数存在するキハ47形ワンマン運転対応車などは、JR四国には存在しておらず、それどころか単行運転可能な車両を2両併結して運行する際にも、ワンマン運転時は2両目をわざわざ回送車両扱いとして、締め切りにする扱いには閉口させられます。

一部の例外を除くJR他社の2両ワンマン列車と同じ扱い(2両とも客扱いするものの、無人駅では2両目のドアを締め切り)が出来ないのか…と感じるものです。


また外観上も一部の側面客窓を利用し、3色LEDによる行先表示装置を設置しているのも特徴で、苦し紛れに設置した感があるこんな装備が設けられると、完全なリバイバル塗装車登場とは言い難い雰囲気もありますが、今後このタイプの121系が増殖するのか否かも気になる所です。


八栗ケーブル~四国唯一のケーブルカー路線

2013-01-21 | 鉄道[四国]

今月MAKIKYUが四国を訪問した際には、最終日に徳島~高松間を一般路線バスのみで移動(鳴門・引田経由)し、先日その際に乗車した終焉迫る鳴門市営バスに関して取り上げましたが、高松に到達した後には、快速マリンライナー~新幹線のぞみ号(岡山乗継)で帰還するまで、少し時間が空いたものでした。

そこで存在が気になっていたものの、未訪問だった八栗(Yakuri)ケーブルへ足を運んだのですが、至近の屋島でケーブルカーが廃止された今日では、四国で唯一のケーブルカーによる営業用鉄道路線となっています。
(運営事業者の四国ケーブルは、他に幾つもの路線を持っていますが、八栗以外はロープウェイです)

この八栗ケーブルは名前の通り高松市東部の八栗に路線を持ち、八栗登山口~八栗山上間の路線長は0.7km、他鉄道の最寄り駅はことでん(志度線)の八栗駅となり、JR高徳線の古高松南駅もことでん八栗駅からさほど遠くない箇所にあります。

また高松駅周辺や市内中心部(瓦町など)から八栗へは、庵治(Aji)へ向かうことでんバスも概ね毎時1本程度運行しており、このバスもことでん八栗駅を経由しますので、鉄道の代わりにバスを利用して八栗へアクセスする事も可能です。


しかしながらケーブルの八栗登山口駅へは、ことでん八栗駅からでも上り坂を徒歩で20分強を要する上に、八栗登山口駅を発着する路線バスの類は皆無ですので、一部では「日本で最もアクセスの悪い鉄道」とも言われている程です。

JRの走っていない離島県を走るモノレール(MAKIKYUは日本国内で唯一の未踏県で、当然ながらこのモノレールにも乗車した事がありません)を除くと、専ら公共交通機関を用いて移動するMAKIKYU(大型2種免許持ちですが、自家用車・バイク等の類を自身で保有した事はなく、旅先でレンタカーを借りる事や、団体旅行に参加する事もまずありません)にとっては、非常に乗り難い路線の一つです。
(一応ことでん八栗駅・八栗登山口駅共に、駅近くにタクシーの営業所があり、複数人での訪問であれば、タクシーでのアクセスも悪くないかと思います)

この立地条件の悪さや、八栗山上も屋島に比べると高台ながらも展望はイマイチ、四国第八十五番霊場の五剣山八栗寺への参詣を除くと、訪問目的が…という事もあり、四国内や近郊の在住者や、四国八十八箇所巡礼などを目的としている場合を除けば、レールファンでも乗った事がない方の方が…という路線かと思います。


訪問したのが縁日などの催しがない平日だった事もあり、往復共に乗車したケーブルはMAKIKYUの貸切状態でした。

 
車両も1964年の再開業時に導入した車両を、さほど大きな改修をせずに使用している様で、2両のケーブルカーは同形ながらも色分けされているのは、この手のケーブルの定番と言えます。

運賃もケーブルカーでは往復利用の場合、片道毎に購入するよりも往復で購入した方が割引適用、というケースはよくあるのですが、八栗ケーブルでは片道運賃でも「上り」より「下り」の方が安く設定されているのも、アクセスの悪さと並ぶ大きな特徴と言えます。

大都市近郊の比較的華やかな印象の路線に比べると、随分侘しい印象を受けたものでしたが、レトロな車両で鄙びた風情を堪能したいと
感じる方には、結構魅力的な路線かも…と感じたものでした。

日本国内の鉄道は99%以上乗車しているMAKIKYUでも、ケーブルカーに関しては結構未乗路線が残っており、首都圏ですら…という状況ですので、機会があればまだ未乗の路線も訪問したいと感じたもので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も高松へ足を運ぶ機会がありましたら、八栗ケーブル乗車を検討してみては如何でしょうか?


JR四国 キハ32形気動車~国鉄末期に導入された軽快気動車

2012-03-22 | 鉄道[四国]

先日「MAKIKYUのページ」では、伊予鉄道の郊外線で活躍する3000系電車に関して取り上げましたが、1月にMAKIKYUが郡中港(JR伊予市駅に近接)から伊予鉄道に乗車した際には、JR四国の「四国再発見早トクきっぷ」を所持していた事もあり、松山市内から伊予市までの片道は、JR線の普通列車を利用したものでした。


その際に乗車した車両がキハ32形気動車で、同系は国鉄末期の分割民営化直前に、JR化後の運営状況などを懸案し、置き土産的に導入された車両ですので、車齢は25年を越えており、意外と新しそうに感じるこの形式も、JR四国の中ではベテランの部類に入ります。

JRグループの旅客車両各形式の中で、最も小柄な旅客車両としても知られており、非力故に勾配線区での使用にはやや難がある様で、同系が主力として活躍する予土線においても、有名なトロッコ車両を牽引する列車へは充当されず、他形式車両を充当している程です。


ローカル輸送用に製造された車両ですので、全体的に簡素な作りとなっているのも特徴ですが、それでも第3セクター鉄道などに導入されたレールバスに比べれば乗り心地も良く、運転台周りの雰囲気などは今日のJRにおける新鋭車両とは異なり、国鉄車両の重厚な雰囲気が色濃く感じられます。


座席はほぼ同時期に四国に導入された別形式の軽快気動車や、JR化後にJR西日本の閑散線区に導入された軽快気動車の様な「超硬」ではなく、一般的な座り心地を誇るのも評価できる所ですが、オールロングシートでおまけにトイレなしですので、20~30分程度の乗車なら充分許容範囲ですが、2時間以上の長時間走破列車などでは少々辛いかもしれません。
(実際に2時間以上走る列車での充当も数多く存在しているのですが…)

また松山~伊予市間は愛媛県の県庁所在地・松山市の都市圏輸送区間と言っても過言ではなく、沿線人口などもそれなりにあるはずですが、それにも関わらずMAKIKYUが乗車した列車の一つ前は、普通列車の運転間隔が1時間以上も開いている有様でした。

MAKIKYUが乗車した列車以外でも、この区間で運転間隔が1時間程度と言うのは当り前で、それにも関わらず県庁所在地の都市圏で、この小柄な車両が1両だけで足りてしまうのは…とも感じたものです。
(ちなみに伊予鉄道郡中線は、松山市~郡中港間を2~3両編成の電車が昼間15分間隔で運行しています)

おまけにJR松山駅も設備的には貧弱さが否めず、未だに自動改札機の設置も行われていない程(松山市内には四国初の自動改札機設置駅も存在しているのですが…)で、伊予鉄道グループが健闘しているからこそ、JRが貧弱な設備や輸送レベルでも松山都市圏の公共交通は何とかなっているのでは…と感じたもので、松山周辺は特急による都市間輸送だけでなく、都市圏輸送にもテコ入れが必要なのでは…と感じてしまったものでした。


伊予鉄道3000系電車~郊外線の新系列車両

2012-03-19 | 鉄道[四国]

1月にMAKIKYUがしまなみ海道を経て今治へ向かい、今治市内で1泊した後は四国内を廻った際には、松山市内や近郊を走り、過去にも何度か乗車した事があった伊予鉄道の郊外線電車にも乗車したものでした。

首都圏では最近、お馴染みの車両が次々と退いており、先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げた小田急5000形などはその代表格ですが、伊予鉄では京王井の頭線でつい最近まで活躍していた3000系電車が、伊予の地でも同形式を名乗り、新たな活躍を始めた事でも注目されています。

MAKIKYUも伊予鉄道を利用する際には、是非この電車に一度は…と思っていたのですが、MAKIKYUが郡中線始発の郡中港駅(JR伊予市駅に隣接)で、松山市行きの電車に乗車しようとしたら、丁度3000系が現れたものでした。


MAKIKYUが郡中線に乗車した際には、途中駅ですれ違う列車にも3000系が1運用充当されており、単線の限られた設備ながらも昼間4運用で15分毎、地方私鉄では破格のフリークエントサービスを提供する同線では1本おきの割合、また高浜線~横河原線でも見た限りでは半分程度の列車に運用され、MAKIKYUが松山市駅で乗り換えた高浜線電車も3000系という状況でした。

そのため現段階でも、既に郊外線の主力車両と言って過言ではない程で、今後増備が進み導入予定数が揃うと、7割程度が3000系という状況になりますので、これからは3000系以外の車両を狙う方が…という事になりそうです。

ちなみにこの3000系電車は、伊予鉄道での導入に際し、編成数の短縮(5→3両)や下回りの換装(VVVF化)などが行われ、装いも伊予鉄道の他車両で用いられているオレンジ系統に改められています。


とはいえ元々がさほど古い車両ではない上に、行先表示も今流行のLEDではなく、字幕を新調して対応しており、京王時代に更新工事が施された車両だけあって、外観上の変化は少なく、それどころか新たに取り付けられた社紋の脇には、「KEIO」ロゴを剥がした痕跡までしっかりと残存しているなど、如何にも京王で活躍していた電車という雰囲気が色濃く感じられたものです。


車内に足を踏み入れても、伊予鉄道の他車両でも見られるドア上の電光式文字案内装置が装備された他は、井の頭線時代の雰囲気がよく残っていますが、下回り換装のお陰で、走り出すと走行音が随分静かになっているのは少々違和感を感じたものです。

また3000系導入によって、かつて京王から譲渡された古参車が全廃となり、一部がまさかの再譲渡で首都圏に出戻りした事も話題となりましたが、元5000系(700系)は今日でも多数が活躍しています。


京王時代は軌道幅の関係で並ぶ事がなかった元京王の2形式が、首都圏とは遠く離れた伊予の地で並ぶ光景も日常のものになっていますが、700系も伊予鉄道に移籍してからの活躍が長い車両ですので、いつまで元京王車2形式が揃って活躍する姿を見られるのかも気になる所です。


フリーゲージトレイン・試験車両に遭遇

2012-01-17 | 鉄道[四国]

今年の冬は青春18きっぷも利用せず、世間で一般に「冬休み」と言われる期間は専ら仕事、MAKIKYUは新年早々元旦から仕事に追われていましたが、数日前ようやく遅めの冬休み(?)で往復新幹線利用+αで西の方へ出向いていました。

その際には現在日本では実用化に向けた走行試験を行っており、線路幅の異なる新幹線~在来線間を、改軌せずに直通運転可能なフリーゲージトレイン(軌道可変電車)の試験車両にも遭遇したものでした。


フリーゲージトレインの存在自体は、MAKIKYUも既に知っていましたが、現段階における走行試験対象区間などは把握しておらず、多度津でいきなり姿を目撃しただけあって、その姿を一目見た際には随分驚いたものでした。
(以前は九州などで試験走行を行っていた様ですが、現在は主に予讃線で試験に供されている様です)

たまたまフリーゲージトレインを目撃した際、MAKIKYUが乗車していた普通列車は、多度津駅で若干の停車時間があり、反対側ホームに出向いてその姿を観察すると共に、手持ちのデジカメで姿を記録する事もできたものでした。


このフリーゲージトレイン試験車両は、目玉とも言える軌道可変台車が一番の特徴で、最近の車両は軽快な雰囲気の台車を装備している車両が大半を占める中で、特殊な機構を備えた重装備が影響してか、台車は見るからに物々しい雰囲気を感じたものでした。

また車体も前面形状や、青を基調とした装いなどは日本の営業用鉄道車両とはかけ離れた雰囲気を感じ、MAKIKYUの職場内で鉄道事情に比較的詳しい人物に写真を見せても、海外の車両と勘違いされる程でしたが、その一方で車体側面を見ると、何となく新在直通用のミニ新幹線車両を連想させる雰囲気が漂っている様にも感じたものでした。

ちなみにフリーゲージトレイン自体は、スペインなどで既に実用化されており、それも客車だけでなく動力を持つEMU(電車)でも営業に供されている車両が存在しています。

ただスペインの場合は在来線に広軌を採用しているのに対し、JRの場合は在来線が狭軌となっている事や、新幹線区間走行時における運行速度や騒音面などでの制約が大きく、特殊装備で重量が嵩み、軌道への負荷が大きいなど、スペインなどでフリーゲージトレインの運行実績があるから日本でも…という訳には行かない様で、現段階ではまだ余り芳しい試験実績は残せていない様です。

現在予讃線で行われている走行試験の実績次第で、今後営業用車両として日本でフリーゲージトレインを実用化するか否かが決まる事になるかと思いますが、技術的にも非常に特色があり、趣味的にも非常に興味深い車両ですので、今後の動向にも注目していきたいものです。


JR四国のキハ40系列~徳島地区で活躍するキハ40形は要注意

2009-08-03 | 鉄道[四国]

 

先月20日から今年夏の「青春18きっぷ」(JR全線の普通列車が乗り放題になる格安な企画乗車券:期間内の任意5日(回)利用可能で11500円)が利用可能となり、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、この乗車券を利用して旅行を計画されている方や、もう既に旅行を楽しまれている方も居られるかと思います。

MAKIKYUも今夜から青春18きっぷを利用し、旅行に出かける計画(今月は旅行が続き更新頻度もやや低下する見込みですが、悪しからずご了承下さい)を立てているのですが、今日は青春18きっぷを利用して旅行する際などに厄介な存在となる車両の一つとも言える、JR四国のキハ40形気動車に関して取り上げたいと思います。

キハ40系列は国鉄時代末期に製造された一般型気動車で、国鉄時代に製造された車両ながらも、今でもその大半が残存しており、JR化後に多数の新形式が登場している今日においても、1~2両編成の短編成で運行可能な事もあって、非電化線区では今でも重宝される存在となっています。

北海道から九州まで日本国内各地のJR線で活躍し、キハ40形に至っては旅客6社全てに在籍している程の車両ですので、お馴染みの方も多いかと思いますし、MAKIKYUも今年夏に青春18きっぷで乗車する可能性も…という程です。

全国各地で活躍する車両の中には、ワンマン化改造や冷房装置取り付け、エンジン換装などを施された車両も多く、ある程度の経年を経ている車両ですので、地域の実情に合わせて様々な改造が行われています。

そのため原型を留めた車両は稀有と言っても良い程ですが、車両形態や塗装などはかなりのバリエーションがありますので、趣味的には面白い存在と言えますが、中には非常に厄介な存在と言える車両も存在しています。

その一つがJR四国に在籍しているキハ40形で、MAKIKYUは今年夏に四国を訪問する予定はないのですが、四国を旅行中の知人から厄介な車両に遭遇したという嘆きの報を受けた事もありますので、今日の記事として取り上げた次第です。

JR四国のキハ40系列は、両運転台の単行運用可能なキハ40形の他に、片運転台で両開き扉を装備したキハ47形も存在しており、キハ47形は徳島と松山に配置されているものの、両運転台のキハ40形は徳島のみの配置となっています。

この2形式は共に四国という土地柄もあり、JR化後の比較的早い時期に冷房化改造が実施されていますが、JR四国では他のJR各社とは異なり、2両編成以上でのワンマン運転を実施していない事(2両編成の後部車両を回送扱いとして、前1両のみ営業扱いでワンマン運転を実施する列車は存在しています)もあって、必然的に2両編成以上での運用となるキハ47形には、ワンマン改造車が存在していないのは一つの特徴と言えます。

またキハ47形はトイレ設備を有した車両は設備が存置されているものの、キハ40形はご丁寧にもわざわざトイレ設備を撤廃しているのも大きな特徴で、JR四国の普通列車用車両は、元々トイレなしで製造された国鉄分割民営化直前に製造された車両や、JR化後に製造された車両が多い中で、旧来の国鉄型車両だからトイレの心配はしなくても…と思っていると、非常に痛い目に遭います。

ちなみにキハ40形の中でも、トイレ設備の撤廃改造を行った車両は、四国以外にJR東日本の烏山線(栃木県:宝積寺~烏山)などにも存在しているのですが、烏山線の様に運行距離が短く、乗車時間も1時間に満たない路線なら、さほど実害もないと言えます。

四国の徳島地区でも、鳴門線の様に運行距離・乗車時間が短い路線に限定して運用するのであれば、トイレなしでもまだしも…と思うのですが、徳島地区は路線・区間によっては列車本数が限られる上に、徳島線や牟岐線などで、片道2時間以上の乗車となる普通列車も多数存在しています。

しかもキハ40形が所定で運用される列車だけでなく、本来はキハ47形2両編成(片方の車両はトイレ付き)で運用される列車にも、元々の車両スペックは大差ない車両だけあって互換性がありますので、キハ47形の代わりにキハ40形を2両連結して充当する事もあり、これは非常に厄介なものです。

知人からの報も、数少ない徳島線の阿波池田まで足を伸ばすキハ47形充当列車(徳島線の普通列車は、1500系や1200系といったJR化後に製造された車両が大半を占めています)で、キハ40形2両の姿を見たというもので、当初は徳島線のキハ47形充当列車に乗って徳島から阿波池田へ…という計画もあった知人は、計画を変更して別の列車に変えた様です。

短距離列車や運転本数の多い大都市近郊線区ならまだしも、閑散線区で長時間運行となる列車では非常に厄介で、駅の時刻表などで「トイレ設備はありません」と明記してあっても…という程(MAKIKYUもJR他社の超閑散線区で雪の舞う寒い時期、トイレなし車両に3時間以上乗り続けて大変な思いをした事があります)です。

まして車両運用の都合で、日によってトイレの有無が異なるというのは非常に困ったもので、近年ではローカル用のトイレなし車両が西日本各地のJR線で問題化し、改造でトイレを設置した車両も見受けられる様になっていますが、徳島地区でもキハ40形の一部にトイレを再設置(トイレ撤廃車両の再設置は余り聞かないですが…)し、せめて所定編成でトイレ設置となっている列車だけでも、トイレなしの惨状を解決できないものか…と感じたものです。
(JR四国はキハ40形以外にもトイレなし車両が各地で多数運用されており、長時間乗車でトイレなしも当たり前…という状況ですので、JR側や四国内の利用者はさほど気にしていないのかもしれませんが…)

写真は徳島地区で活躍するキハ40形の2両編成(写真は高松駅に停車中の高徳線列車)と、比較的似た印象ながらも片運転台でやや中央寄りに両開き扉が設置されているキハ47形(写真は松山地区の車両ですが、徳島地区の車両も外観は同等)です。


土佐電気鉄道100形「ハートラム」~土電では1編成だけの新鋭低床車

2009-05-18 | 鉄道[四国]

   

先日「MAKIKYUのページ」では土佐電気鉄道(土電)の200形電車に関して取り上げ、土電では同形をはじめとした古典的な路面電車形車両が今でも多数活躍していますが、新鋭の低床車も2002年に導入されています。

土電の低床車は100形と呼ばれる形式と共に、「ハートラム」という愛称も付けられており、導入以降の増備はなく1編成のみの活躍ですが、全長17.5m(他の現行稼動車両が単行形ばかりですので、土電では最も車体長が長い車両になります)・狭軌(軌道幅1067mm)三車体連接車(国産では最も初期の部類に入ります)である事をはじめ、車内に掲示された「私の履歴書」(車両に関する概略紹介・土電では各車両の車内に掲示されています)には、ハートラムの名前の由来なども記されています。

ハートラムは三車体全てが客室として用いられている国産低床路面電車としては最も初期の部類に入る上に、狭軌用車両という事もあって、車内に入ると機器配置などに随分苦心している事が感じられます。

中間車や先頭車の車端部などは大きな段差が出来ており、一部座席はこの段差を上下しての利用となる事もあって、「足もと注意」というステッカーが目立つ辺りは、国産の低床電車創成期に造られた車両ならでは…と感じさせられ、狭軌三車体連接車でも最新鋭の部類に入る豊鉄の「ほっトラム」などとの格差を感じされられると共に、僅か数年で低床電車の製造技術も随分進歩したものだと感じさせられます。

ただ「ハートラム」は車内に結構段差が目立つとはいえ、通路部分は前から後ろまでフラットになっており、整理券方式で必然的に車内を後扉→前扉へ移動する土電の使用条件においても、大きな不都合が生じない構造となっています。
(国内他都市の低床電車の中には、通路部分に段差が生じている事が問題となり、増備予定を取り止めた実例もありますので…)

そのため車椅子使用の際には乗車口から段差の無い部分を利用できる様になっているなど、低床故に乗り易い車両であると共に、バリアフリーの面での配慮が行き届いている事などは、低床電車創成期の車両で完成度はまだまだといった感のある車両とは言え、大いに評価出来る点かと思います。

また1本だけの低床新鋭車両、それも土電はおろか高知県で唯一のVVVFインバーター制御車という事もあって、土佐電鉄の看板役的存在にもなっており、1日乗車券のデザインにも用いられている程ですが、1編成だけの存在にも関わらず、現在は広告付き車両になっています。

MAKIKYUは高知を訪問した事自体が今までに2回しかなく、この車両には高知を訪問した2回それぞれで遭遇しているのですが、2月に訪問した際には真っ赤な広告電車となっており、登場当時の白と薄緑の装いが見られないのは惜しい限りです。
(MAKIKYUが最初にハートラムに乗車した際は夜間で、写真を撮影出来ない状況でしたので…)

この「ハートラム」は製造費用が極めて高額である事もあり、試行的導入の域を出ておらず、現段階では更に進化した狭軌用の国産低床電車も製造されているだけに、今後同種の車両が製造される可能性は極めて低いと思いますが、車内に掲示された「私の履歴書」には「これからも当地で走り続け、大いに頑張りますので…」と記されている程ですので、土電のイメージリーダーとして、活躍し続ける事に期待したいものです。

写真は100形「ハートラム」の外観と車内の様子、車内に掲示された「私の履歴書」です。


土佐電気鉄道200形電車(冷房改造車)~搭載された冷房機の姿に注目

2009-05-17 | 鉄道[四国]

先日土佐電気鉄道(土電)の200形電車に関して取り上げましたが、この車両は今も大半が非冷房車のまま活躍しているとはいえ、一部に冷房改造を施された車両も存在しています。

200形の冷房改造車は数が少ない事もあって、MAKIKYUは残念ながら乗車した事はないのですが、家庭用冷房の室外機を思わせる冷房装置が屋根上に2台設置されており、初めてその姿を見た際には異様な雰囲気に随分驚いたものでした。

土電では200形以外の車両は、外国形電車の様な特殊車両を除くと冷房車ばかり(殆どは後年改造)となっており、南国高知の気候などを考えるとこの事は当然と言えますが、他の冷房改造車は他都市の路面電車などでも一般的な空調装置を搭載しています。

そのため200形の見るからに異様な冷房装置を載せた200形の冷房改造車は非常に目立つ存在で、この車両だけ他形式と大きく異なる風貌の冷房装置が取り付けられている事や、冷房改造車がごく一部に限られている事から、大半の車両が非冷房車のまま残っている事にも何らかの訳がありそうですが、非冷房車のまま残っている車両と共に、こちらもいつまで活躍する姿が見られるのか気になったものです。


土佐電気鉄道200形電車~南国ながらも同形の大半は…

2009-05-16 | 鉄道[四国]

先日「MAKIKYUのページ」では、高知市とその周辺を走る土佐電気鉄道(土電)の590形電車に関して取り上げましたが、今日は同社の200形と呼ばれる車両に関して取り上げたいと思います。

この形式は製造から50年以上の月日が経過しており、比較的古い車両の多い土電においても古参の部類に入りますが、一部が事故などで廃車となったほか、近年は車体新造車への機器転用を行う為に廃車となった車両も存在します。

しかしながら製造から50年以上の月日が経過した今日においても、過半数は第一線で活躍しており、土電の電車を利用するならば、その姿を見かける機会も多い状況です。

MAKIKYUが2月に高知を訪問した際にも、200形に乗車する機会が何度かありましたが、北海道の様な冷涼な地域であればまだしも、南国高知にも関わらず冷房化されず、同形の大半が今日でも非冷房車のまま活躍している事は驚異的と言え、それにも関わらず行先表示がLED化されているのも、モノコックボディの路線バスに改造でLED式行先表示を付けた会社ならでは…と感じるものです。

非冷房車のまま活躍している車両は、屋根上が非常にすっきりしており、これまた一部の都市を除くと少数派になりつつある前後扉のドア配置と共に、如何にも古典的な路面電車といった雰囲気を漂わせていますが、この様な車両が低床の最新型車などと並んで活躍する姿は見応えがあります。

またMAKIKYUが高知を訪問した際には、国内の路面電車においては比較的運行距離の長いいの方面への電車でもこの車両に遭遇したのですが、いの方面は単線で交換設備も限られる事から、運行本数も毎時3本程度に限られています。

そのため運行本数の多い市内中心部とは異なり、非冷房車なので1本待って次の電車に…という訳には行かず、その上最長で1時間程度の乗車となるだけに、夏場のいの方面利用でこの車両に当たってしまったら大変だろうと感じたものでした。

さすがに夏場はラッシュ時以外の運用を極力避けている様ですが、こんな車両が今でも当たり前にやって来るのでは、先日取り上げた590形の譲渡劇が実現するのも…と感じるものですが、車両の古さなどを考えると、今後機器転用による車体更新が進む事が予想され、これから冷房改造を行う可能性は極めて低いかと思います。

非冷房車のまま残っている同形の活躍があとどの程度見られるのか気になるもので、また今後も590形の様に他都市で用途不要となった冷房車の転入劇があるのかどうかも気になったものです。


土佐電気鉄道590形電車~車齢50年を超える古豪ながらも…

2009-05-13 | 鉄道[四国]

 

先日豊橋鉄道の路面電車で活躍する3200形電車(親会社での形式はモ580形)に関して取り上げましたが、この車両とほぼ同時期に製造され、豊鉄の親会社が運行する路線で共に活躍していた車両の一つに、モ590形と呼ばれる車両があります。

この車両も一部は昭和末期に廃車となっており、こちらはその少し前に豊鉄に移籍した形式の様な譲渡も実現していないものの、この時に廃車を免れた車両は近年まで活躍を続けており、その一部は冷房化改造も施されていました。

ただ2005年に活躍していた路線自体が廃線となり、小型車による軌道線という特殊性もあって、VVVFインバーター制御車を含む比較的新しい車両ですら、自社内に転用路線がなく書類上は一旦廃車の扱いとなる程(とはいえ経年の浅い車両は豊鉄をはじめ、グループ会社で第2の活躍の場を得ている事は幸いですが…)でしたので、この時点で車齢50年近くになる590形は路線と運命を共に…と思っていたものです。

しかし590形の中でも冷房化改造を施された車両は、書類上は一旦廃車扱いになっているものの、冷房車であった事も幸いして、車齢50年近くにもなる車両にも関わらず譲渡先が見つかり、今も非冷房車を多数抱えている土佐電気鉄道(土電)に引き取られて、中京圏から遠く離れた四国の地で第2の活躍をしています。
(余談ながら590形は非冷房のまま路線廃止まで活躍した車両も解体は免れ、他の用途不要となった一部の旧型車と共に保存されています)

MAKIKYUも2月に四国を訪問した際には、高知駅~桟橋通五丁目間を走る桟橋線でこの車両に遭遇し、行先表示がLEDとなっている点などは少々印象が異なると感じたもので、他に使用しない一部扉の埋め込みも行われているなど、土電への転用にあたっては多少の改造が施されています。

とはいえ真っ赤な装いをはじめ、内装も概ね原型を留めており、ドアステッカーまでそのまま使われていた程ですので、中京圏で活躍していた頃(この頃にもMAKIKYUは一度だけ乗車した事があるのですが…)の雰囲気を強く留めており、往時の雰囲気のまま走らせる辺りは、一時期外国の電車を幾つも買い集めた会社ならではと感じたものです。

また土電では今年に入ってから同社バスや、県内に幅広く路線を持つ高知県交通の路線バスと共にICカード乗車券「ですか」を導入し、これに伴って異彩ぶりが際立つ外国電車はICカードシステム対応から除外された事もあって、営業運転から遠のいている程(一部は今でも稼動可能な状態になっており、イベント時や貸切での運転には対応できる模様です)ですが、590形は土電従来車とは趣の異なる少数派の異端車ながらも、ICカードシステムにも対応して第一線で活躍しており、外国電車の定期的な活躍が見られず、やや単調な印象になりがちな今日の土電にあって、異彩を放つ存在にもなっています。

590形は土電に移籍してから数年の活躍年数も含めると、活躍年数は既に50年を超えた古豪ですが、非冷房車もまだ結構な数が走っている中で冷房車である上に、内装が綺麗と言う乗客の声も聞こえた程ですので、土佐の地での評判は悪くない様です。

第2の地での活躍は暫く続きそうですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も土佐の地を訪問される機会がありましたら、是非一度590形に乗車してみてはいかがでしょうか?


JR四国 2000系気動車「TSE」~登場から20年が経過した振子式気動車

2009-03-21 | 鉄道[四国]

  

先日「MAKIKYUのページ」では、JR四国2000系気動車の中でも、「アンパンマン列車」と呼ばれるキャラクター列車に関して取り上げましたが、同系は四国各地の一部を除く特急運行線区で見られ、四国では非常にありふれた存在と言えます。

その中でも、「TSE」(Trans Shikoku Experimental)と呼ばれる試作車両は、その後登場した量産車とは様々な差異がある事から、同系の中でも異端車として知られています。

TSEは1989年に3両1編成が製造され、世界初の振子式気動車として知られると共に、制御付振子式車両としても日本初の存在であり、この車両によって得られた実績を元に、その後国内各地で気動車をはじめとする制御式振子を採用した車両が登場していますので、技術的な貢献度も相当なものがあります。

TSEは登場当初こそ1編成しか存在しない事もあり、臨時特急列車としての運用に留まっていたものの、その後2000系量産車が登場してからは、量産車と仕様を合わせる改造を行った事もあり、量産車と併結しての運用も見られましたが、何度かの転属を繰り返したTSEも近年は松山に配属され、現在は専らTSE単独で一部の特急「宇和海」号(3両編成・グリーン車なし)で運用されており、愛媛県内の地域輸送に徹する状況となっています。

MAKIKYUも先月四国を訪問した際は「宇和海」号にも乗車する機会があり、その際にはTSEに遭遇する事も出来たのですが、この車両は装いこそ他の2000系量産車と同じステンレス地にコーポレートカラーの水色ながらも、2000系の非貫通形先頭車では唯一グリーン車が設けられていない事や、貫通型先頭車も他の2000系とは大きく異なる形状をしているなど、見るからに異様な雰囲気を放っています。

その上TSEに先頭車は非貫通型・貫通型の両者とも量産車と異なり、前面に黄色帯が入っていないのも特徴で、側面の行先表示部分も異なるなど見た目は他の2000系気動車とは大きく異なりますので、一般客には「アンパンマン列車」の様にインパクトのある車両には映らないかもしれませんが、MAKIKYUとしては随分異様な車両に感じたものでした。

このTSEは気動車ながらも電車並み、それどころか下手な在来線特急車両をも凌ぐ性能を誇っており、もう登場から20年も…と感じる程です。

ただ車内の様子などを見ると、大きなリニューアルなどが行われていない事もあって、やや草臥れた印象を受けたのも事実で、この事はTSEに限らず2000系気動車全般に当てはまりますが、8000系電車の様なリニューアルでも行えば今日でも決して見劣りしない車両だけに、今後の活躍にも期待したいと感じたものです。

写真はTSEの外観(非貫通型/貫通型)と車内の様子です。


JR四国2000系気動車「アンパンマン列車」・車内の様子

2009-03-18 | 鉄道[四国]

  

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げたJR四国2000系気動車「アンパンマン列車」ですが、この装いの車両が登場した頃は外観の変更のみに留まっていたものが、近年になって車内も改装されています。

その内容は座席モケットの交換をはじめ、カーテンや化粧板がアンパンマンなどの柄に取り代えられると共に、天井までキャラクターのデザインになるなど、車内もアンパンマンとその仲間達で溢れる状況になっており、「乗ってしまえば他の車両と大差なし」という運行開始当初とは状況が大きく変化しています。

ただ2000系気動車はアンパンマン列車と言えども、一般の定期特急列車として運転されており、特定の旅客層を対象とした専用の団体臨時列車などではありませんので、さすがに全車両をアンパンマンで溢れる状況にしてしまうと…という事もあるのか、グリーン車/普通車合造の非貫通型先頭車(宿毛・宇和島方)の普通車部分のみがアンパンマン仕様となっており、この部分の座席は4列計16人分のみとなっています。
(余談ながら過去にJR他社で運転され、「ポケットの中から様々な道具が飛び出す猫型ロボット」で知られるキャラクターを用いたこの手の列車は、MAKIKYUはその姿を見ただけで乗車機会はなかったものの、純粋に列車やキャラクターだけをターゲットにした専用の臨時列車として運転されており、行先駅もそのキャラクターが溢れていた様です)

この区画は「アンパンマンシート」と呼ばれており、普通車指定席として運用されているこの区画は、空席があれば購入時に希望を出す事も出来ますが、一方で特に希望を出さなくてもこの区画が充てられる事もある様で、MAKIKYUがこの客室内を視察した際は家族連れと見られる乗客は比較的歓迎している雰囲気だったものの、スーツ姿のビジネスマン風乗客は車内の雰囲気に困惑している様な様子でした。

ちなみにMAKIKYUは先月四国を訪れた際にアンパンマン列車に乗車した際は、「バースデイきっぷ」を用いていた事もあり、日頃は滅多に乗車機会がないグリーンを利用しており、アンパンマンシートとは仕切りを隔てただけで同じ号車に乗車していました。

こちらは特に改装などはされておらず、座席そのものは極めて広く、車内の雰囲気はよく言えば落ち着いているものの、背面がFRPの座席などはやや質素な印象を受けると共に、雰囲気もやや暗く感じたものです。

JR四国では近年8000系電車がリニューアルされ、グリーン車や普通車指定席のグレードが随分向上しているのに比べると、この状況はやや見劣りすると感じたもので、近い将来の改装予定はないものか…と感じたものでした。

写真はアンパンマンシートとその客室内の様子、同じ号車でも区画を隔てて対照的な雰囲気のグリーン車内の様子です。


JR四国 2000系気動車「アンパンマン列車」~四国では大人気のキャラクター列車

2009-03-12 | 鉄道[四国]

 

先月MAKIKYUが「バースデイきっぷ」を使用して四国を廻った際には、JR四国の特急列車を利用する機会が幾度もあり、その中でも四国の特急に主力の座を占め、四国4県全てでその姿を見る事が出来る振り子式の特急用気動車・2000系には、何度も乗車する機会がありました。

この2000系気動車の標準塗装は、ステンレス無塗装の銀色車体にJR四国のコーポレートカラーでもあるライトブルーを纏ったもので、この装いは特急車に限らずJR四国では非常に一般的な装いですが、2000系気動車の中には、この標準塗装とは対照的な存在ともいえる「アンパンマン列車」も存在しています。

「アンパンマン」と言えば、子供達に大人気の「正義の味方」とも言える存在で、子供に限らず「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も恐らくご存知かと思いますが、「アンパンマン列車」は主役のアンパンマンをはじめとする数々のキャラクターを車体に描いたもので、その存在は非常に目立つものです。

アンパンマン列車が四国に登場した背景には、その作者が四国(高知県)出身と言う事も大きく影響している様ですが、このアンパンマン列車は複数の編成が運行されているものの、その全てで装いを変えている上に、編成を構成する各車も装いを1両ずつ異なるものとしているのも特徴です。

運行路線も予讃線方面・土讃線方面それぞれに充当され、これに加えてキハ185系気動車のアンパンマン車両も加えると、四国内の特急運行区間の大半で「アンパンマン列車」が走る状況で、電化区間で気動車使用の特急設定は非常に限られる予讃線松山以東の区間を走る「しおかぜ」号でも、数少ない気動車使用の特急列車は基本的にアンパンマン列車で運転する様にしているなど、運行区間も極力万遍なく…という設定がされているのも大きな特徴です。

そのため気動車特急は数少ない伊予西条を訪れた際、立ち寄った四国鉄道記念館では、その運行時刻をわざわざ貼り出すと共に、到着時刻が近づくと子供向けに案内を行い、今まで館内の展示車両などに関心を持っていたKIDS軍団も一斉に…という程でしたし、土讃線「南風」号でアンパンマン列車に乗車した際にも、山間の小駅を通過する際に列車の姿を見て大喜びしている園児群の姿が非常に印象的で、四国のKIDSには絶大な人気を誇っている事を実感させられたものでした。

また既存車両の改装とはいえ、前面の列車名表示にまで標準塗装の車両とは異なるアンパンマンのイラスト入りを用い、一部の車内放送(MAKIKYUが乗車した限りでは、高知駅到着前にアンパンマンの声で放送が入った事を記憶しています)にまでアンパンマンを登場させる程の状況は、随分徹底していると感じたものですが、最近は車内も一部改装してアンパンマンの描かれた座席なども登場するなど、更に徹底したものとなっています。

この様な列車には賛否両論が出るかと思いますが、アンパンマン列車を走らせる事で、一般の鉄道車両を見てもさほど関心を持たない人物にも興味関心を惹きつけられる事は、日頃列車への乗車機会がない人間も多い四国の土地柄を考えると、アンパンマン自体の好みは別としても、この取り組み自体は大いに評価できると感じたものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は如何感じられるでしょうか?

写真はMAKIKYUが乗車した土讃線「南風」号と、予讃線伊予市駅で遭遇した「宇和海」号に充当される「アンパンマン列車」の外観です。

車内の様子などは追って別記事で取り上げたいと思います。


高松琴平電気鉄道 1200形電車(長尾線)~琴平線とは運用こそ分かれていますが…

2009-03-10 | 鉄道[四国]

先日「MAKIKYUのページ」では、高松琴平電気鉄道(琴電)の琴平線で活躍する1200形電車(元京急700形)に関して取り上げましたが、この車両は琴平線だけでなく長尾線でも活躍しています。

現在線路がつながっている琴平線と長尾線の2路線双方(志度線は以前は線路がつながっており、高松築港まで乗り入れる電車も設定されていましたが、現在は3線の接続駅になっている瓦町駅で線路が分断されています)で、営業運転に用いられている形式はこの1200形のみ(京急の形式であれば元1000形も該当しますが、琴平線の初期車と最近長尾線に導入された車両は、琴電では全くの別物です)となっており、琴電で現在2路線以上で活躍する形式自体も、この車両以外には長尾線と志度線で活躍する小型車600形のみです。

現在琴電では路線毎のラインカラーが設定され、車体の下半分をこのラインカラーとして各線毎に塗装を変えているため、線路がつながっている琴平線と長尾線と言えども、車両を共用する事はない状況で、長尾線用に導入された1200形は、番号帯も1250番台を名乗っているのが特徴です。

ただ1250番台の車両は専ら長尾線用(高松築港~瓦町間には乗り入れますが…)とはいえ、行先表示はしっかり琴平線の分も用意されており、MAKIKYUが先月高松を訪問した際にも、高松築港駅で折り返す長尾線電車が行先を変える際に、字幕を回している途中で琴平線の駅名が幾つも見かけられたもので、塗装が異なるとはいえ琴平線でも活躍している車両だけに、写真の様に琴平線の行先(写真は字幕を回している途中です)が掲出され、ここで字幕の回転が止まってもさほど違和感ないのでは…と感じたものでした。

1250番台の車両に琴平線の字幕が入っているのは、単に琴平線と長尾線で字幕を共用して各線毎の造り分けをしていないだけなのか、それとも将来的には長尾線に1300形(元京急1000形の後期車で、琴電他車両との併結不可)を更に導入し、この車両を琴平線に玉突き転配する事も見越しているのかも気になるものです。


高松琴平電気鉄道1200形電車(琴平線)~加速性能が災いして早期引退を迫られた車両ですが…

2009-03-09 | 鉄道[四国]

  

「MAKIKYUのページ」では最近、高松琴平電気鉄道(琴電)で活躍している車両を相次いで取り上げていますが、今日はその中でも先月琴平線に乗車した際に遭遇した車両の一つで、1200形と呼ばれる車両に関して取り上げたいと思います。

この車両は最近琴電に相次いで移籍している元京浜急行車の一派で、京急では700形と呼ばれていた車両ですが、比較的近年まで京急で活躍していたこの車両も、京急では既に全車引退しており、今では琴電で活躍するのみとなっています。

車体長18m車で片開き扉が4つという車両は、現在日本国内各地を走る鉄道を探しても、この車両と京急で今も活躍する800形程度で、片開き4扉という車両自体も他には南海程度、また逆に18m4扉車も大阪市営地下鉄などで見られる位ですので、この点では非常に特徴的な車両と言えます。

また京急では冷房改造の際に4両編成(中間2両が付随車)でしか使えない様になってしまった事(冷房改造以前は中間に付随車1両を挟んだ3両編成での運行も可能でした)もあり、4扉車で乗降性には優れるものの、他車両に比べて加速が劣る車両になっていました。
(ただ京急は懲りないのか、今でも普通車の一部で元快特用2ドア車改造の加速が悪い車両や、クロスシートでドア付近に乗客が集中し、乗降性の悪い車両を運用している有様で、快特に乗車していて前方列車の影響で減速運転を迫られた際には、追い抜いた際にかなりの確率でこれらの車両の姿を見かける有様です)

この事が災いして本線普通では使いにくく、晩年は主に通常は他線区との直通運転がない大師線で運用される状況で、同時期に製造された1000形に比べても、早期の引退を迫られる有様でしたが、琴電へ移籍する際には4両固定編成ではさすがに使い難い(一応琴平線なら物理的には可能ですが…)事もあって先頭車同士の2両に短縮されています。

先頭車同士の2両で譲渡となると、単純に考えれば電動車2両という事になり、元々高加速・高速運転で知られる鉄道の車両だけに、相当な加速性能を誇る事になりますが、さすがにそれは琴電では性能過剰という事もあり、一部のモーターを外して電動車1両相当の性能に落としているのも特徴で、加速性能の悪さが災いして早期の引退を迫られた車両が、加速性能を落とす改造を施されて譲渡されるとは皮肉なものです。

またこの改造以外にもブレーキ装置の変更(琴電既存車両との併結に対応する為:今はイベント用となっている旧型釣り掛け駆動車との併結も可)や、座席モケット・床材・つり革の交換等が実施されていますので、乗った時の感触は京急時代とは少々異なる印象を受けますが、車内は首都圏他私鉄からの移籍車(この車両も下回りは元京急ですが…)程には大きく手を加えられていませんので、何となく京急時代の面影を感じるものです。

この1200形は現在琴平線では最大勢力を誇る主力車両として活躍しており、同線を利用する際には先日取り上げた1080形と共に遭遇頻度も高く、「京急琴平線」とでも呼びたくなる現在の琴平線を象徴する存在と言えますが、かつては急曲線にあるホーム対策で3扉車の中扉を埋めて2扉車に改造した車両を走らせていた路線で、4扉車が堂々と走る姿は琴電も随分変わったものと感じさせられます。
(ただ4扉車導入も3扉車では対応できないと言うよりは、たまたま譲渡対象の車両が4扉車だったという事が大きい様ですが…)

ラッシュ時間帯の4両運転時には2扉元快特用で、京急時代は対照的な存在だった1070形(元京急(旧)600形)と併結して活躍する姿も見られ、興味深いものがありますが、現在琴平線で活躍する1200形は同線の多数派だけに、琴平線標準塗装以外に「しあわせさんこんぴらさん号」と呼ばれる黄色一色の派手な装いとなった車両や、広告電車となった車両も存在するなど、カラーバリエーションの豊富さも大きな特徴といえます。

写真は琴平線標準塗装と「しあわせさんこんぴらさん号」の1200形、同形車内の様子です。