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大阪市営地下鉄・御堂筋線を走る特色的な車両

2014-04-30 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]


先日「MAKIKYUのページ」では、大阪市営地下鉄・御堂筋線で活躍している30000系電車(通称31系)に関して取り上げましたが、同線ではまだ2本しか走っていない同形や、先日運行開始したばかりの北大阪急行電鉄9000形「POLESTARⅡ」以外にも、特色的な車両が多数活躍しています。
(写真は先日の記事でも使用した31系画像の再掲です)

御堂筋線では車両代替が始まっているとは言えども、今日の大阪市営地下鉄においては古参車の部類に入る10系が多数活躍しており、今でもまだ主力と言っても過言ではない状況です。

同系は更新時期によって、チョッパ制御車とVVVFインバーター制御車に2分され、両者は前面に貼られたロゴをはじめ、多少鉄道に対する知識がある方であれば、電動車に乗車した際の走行音などでも識別できるかと思います。


写真はVVVFインバーター制御に改造された10系で、この姿は特色ある車両と言うよりは、「御堂筋線で最もありふれた車両」と言っても過言ではない状況です。


同系の中には、全面広告車となっている編成もあり、写真がその一例になりますが、こちらは31系導入による代替対象のチョッパ制御車で、他ではなかなか見かけない「ACCC」という前面ロゴでも、VVVFインバーター制御に改造された編成と識別する事ができます。


このチョッパ制御車の中には、かつて大阪市営地下鉄で用いられていた装いを復刻した「リバイバルカラー編成」とも言える車両も存在しており、これは31系などと同様に数が限られる事から、非常に捕まえ難い存在なのですが、3月にMAKIKYUが御堂筋線を利用した際には、この編成もさほど労せずにあっさりと姿を捉える事ができました。

 
この編成は1両毎に装いを変え、4種類のリバイバルカラーが2両ずつと、全面広告となっている女性専用車、そして1両だけ現行塗装のままというのがユニークと感じます。


また御堂筋線~北急線で主力を占めている大阪市交通局車両は、10系と共に大阪市営地下鉄では第3軌条の全路線で見られる20系も、比較的ありふれた存在の車両ですが、こちらも他路線では6両程度での運行が多い中で、他に類を見ない10両固定編成で活躍する姿は圧巻です。


中堅核的存在の20系も、更新工事を施す時期に当たる事から、更新工事が施行された車両も散見する状況で、該当編成は31系の如く各号車番号を強調したデザインとなっているのが大きな特徴ですが、こちらもまだ御堂筋線における更新工事施行編成は少ないため、比較的珍しい存在となっています。

また北大阪急行所属編成は、一応運用が固定されている様ですので、該当運用を狙えば比較的容易に捕獲できる様ですが、運用数自体が限られていますので、こちらも捕まえ難い存在です。


先日営業運行を開始した9000系「POLESTARⅡ」を除くと、現行車両は8000系「POLESTAR」のみで、大阪市交通局車両とは内外共に大きく異なる車両だけあり、存在感はかなり際立つものと感じます。

同系は編成によってライト形状などに差異が見られるのが特徴で、まださほど古い車両とは感じないものの、意外と導入から月日が経過した車両ですので、9000系導入後は運用離脱車両などが発生するのか否かも気になる所です。


ちなみにこの記事で取り上げた画像は、全て西中島南方駅で撮影したもので、同駅は御堂筋線北側で地上に上がってから1駅目、新大阪の一つ梅田・なんば方向に位置しています。

御堂筋線~北急線の地上区間は、同駅を除くと島式ホームの駅ばかりですので、ホーム上から編成写真を撮影するのであれば、西中島南方以外には…という状況ですが、光線状態によっては撮影が厳しい条件となる事もあり、曇り空だった訪問時は遭遇した車両だけでなく、天候面でも絶好の状況だったと感じたものでした。


大阪市交通局 31系電車~御堂筋線用の新型車両

2014-04-28 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

今日関西では大阪市営地下鉄・御堂筋線と相互直通運転を行っている北大阪急行電鉄(北急)の新型車両・9000形「POLESTARⅡ」が営業開始となり、ネット上のニュース記事などでは、営業開始記念の式典も行われた事が報じられています。

MAKIKYUは日頃首都圏に身を置く事もあり、記念式典はおろか、「POLESTARⅡ」の実車を見た事すら…という有様で、元々御堂筋線~北急線は大阪市営地下鉄車両による運行が大半を占めていますので、この車両に乗車する機会は何時あるのだろうか…という状況です。
(北大阪急行の既存車両・8000形「POLESTAR」自体も、走っている数が少ない車両ですので、御堂筋線~北急線の利用機会自体が年に指の数にも満たないMAKIKYUが今までに遭遇したのは数度と言う有様ですので…)

北急は阪急系列だけあり、阪急電車などと同様に内装なども非常に特徴的なものとなっており、近年阪急電車やこれも阪急系列の神戸電鉄が登場させた新型車両などは、結構良い雰囲気に仕上がっていると感じていますので、9000形にも結構期待しているのですが、今後関西を訪問する機会があれば、是非一度乗車してみたいものです。

この御堂筋線~北急線では、大半を占める大阪市営地下鉄車両も、近年になって車両代替が始まり、谷町線でも多数が活躍している30000系電車が導入され、通称31系とも呼ばれる御堂筋線用車両は、現在2本が活躍しています。


31系は2011年末に営業開始していますので、もう営業開始から2年以上の月日が経過しているのですが、御堂筋線~北急線の利用機会自体が年に指の数にも満たないMAKIKYUにとっては、この車両も先月初めて遭遇する状況で、御堂筋線~北急線ではかなり多数の編成が運用されている中、特に狙い撃ちする訳でもなくたまたま乗車した列車でこの車両に当たったのは、結構幸運と感じたものでした。

30000系自体は、営業開始したばかりの頃に谷町線で乗車しており、物凄く新鮮な印象という訳ではないのですが、御堂筋線用の車両は前面デザインなどが若干変更されており、規格的には編成両数を除けば大差なく、ラインカラーが異なる程度の車両でも、全く同一ではなく違いが見受けられるのも興味深い所です。
(この点東京の地下鉄なども、車両規格などは互換性を持たせながらも、路線毎の特色を反映させた車両を走らせている点では評価できますが、逆にJR某社などはどれも大して代わり映えがしない上に、粗製乱造の感が否めない「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」を大量産(最近は以前より随分「マシ」にはなっている気もしますが…)しており、もう少し他社の動向などを踏まえて…と感じる所で、特に地下鉄~JRが相互直通運転を行っている線区で両者の車両を乗り比べると、その格差は随分なモノと感じます)

車内に足を踏み入れるとLEDを用いた蛍光灯や、LCDモニターによる案内表示装置を装備している点などは、最近の新車ならではと感じる所ですが、LED蛍光灯は従来型蛍光灯と同形状のモノを採用しています。


蛍光灯取付台座の形状を工夫する事で、ある程度見付けにも配慮しているとは言えども、通勤車でも蛍光灯グローブ付きが主流を占める関西においては、少々簡素な印象を感じたものでした。


LCDモニターは4ヶ国語表示となっており、大阪市営地下鉄では駅構内の案内などと共に、4ヶ国語表示を積極的に進めているのは、大いに評価できるもので、既に阪急の最新型車・1000系などでも4ヶ国語表示によるLCDモニター案内は行われていますが、今後他者でももっと4ヶ国語表示が進展する事に期待したいものです。

また御堂筋線~北急線は大阪市内を南北に貫き、郊外との間を結ぶ「大阪の基幹軸」と言っても過言ではない路線で、大阪の2大ターミナルとなっている「梅田」と「なんば」を直結する路線でもある事から、京阪神間を速達運行するJRの新快速電車などと共に、関西では常に混雑している路線の代表格的存在ともなっており、この事もあってか第3軌条方式を採用した地下鉄では、日本中を探しても他に類を見ない「10両固定編成」という長大編成による運行を行っているのも大きな特徴で、その姿は圧巻です。
(首都圏では当り前の「10両固定編成」も、関西では新幹線を除くと他に類がなく、他路線での長大編成は専ら複数編成を併結したものですので…)


まだまだ捕まえ難い31系にたまたま乗車し、乗車編成の姿を写真に収める事が出来ただけでなく、MAKIKYUが先月御堂筋線に乗車した際には、もう一編成の31系が稼動する姿も目撃し、こちらの姿も撮影できた事は尚の事幸運と感じたものでした。

この日は今日営業運転を開始した「POLESTARⅡ」こそ目撃できなかったものの、31系2編成以外にも、御堂筋線を走る様々な車両の姿を撮影する事もでき、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


禮山→大田間で乗車した市外バス・錦南高速のAEROSPACE

2014-04-26 | バス[大韓民国]

MAKIKYUが昨年末に韓国・禮山へ足を運んだ際には、その後市外バスを利用して大田(Daejeon)まで移動したものでした。
(一月程前に前に公開した記事で使用した大田の市内バス写真は、この市外バスを下車した後に、ターミナル脇に停車していた車両です)

MAKIKYUが韓国を訪問した際に利用するバスは、日本の一般路線バスに相当する市内バス利用が圧倒的で、市内バス乗車は訪問各都市を合わせると、延べ乗車回数は3桁に達していますが、バス大国の韓国は市内バスだけでなく、都市間バスも相当数の路線が存在し、その運行便数も日本とは比べ物にならない程多いものです。

都市間バスは大きく分けて高速バスと市外バスに分かれ、前者は高速道路走行区間が大半を占め、基本的に座席指定制で2都市間を直行する路線が殆どです。

これに対し市外バスは、座席は自由席の座席定員制となっている路線が大半で、幾つもの都市を結ぶ路線が多く、高速道路運行が主体とは限らないため、地方都市間の移動などでもよく用いられますが、座席定員制ながらも車内精算ではなく、乗車前に乗車券を購入するスタイルとなっているのは、整理券方式(運賃後払い)の路線が大半を占める日本の近距離都市間バスとの大きな違いと言えます。

MAKIKYUが韓国で都市間バスを利用するのは時折、平均すると1回の訪韓で1~2回程度、中には利用しない時も…という状況ですが、鉄道のない街へアクセスする際には重宝するほか、バス大国だけあって鉄道の通っている街でも大抵バスターミナルが存在します。

その気になれば韓国内は離島などを除くほぼ全土が、鉄道を利用しなくても、都市間バスだけで移動可能な程路線が充実しているのですが、MAKIKYUが韓国で都市間バスを利用するとなると、利用頻度は市外バスの方が圧倒的に多く、昨年末の旅行でも禮山→大田(西部ターミナル)間で1度乗車機会がありました。


禮山のバスターミナルは、韓国の地方都市にある典型的なバスターミナルと言った雰囲気で、余り外国人が利用する機会は…という所ですが、市外バスの乗車券自動販売機もあり、こちらは韓国語会話が得意でなくても、ハングルが読めれば容易に使えますので、MAKIKYUの様な外国人には便利と感じます。


この自動券売機で発券された乗車券は、回収用と顧客用に分かれているのですが、左側が回収用となっており、この乗車券では回収用の方が大サイズとなっているのは特徴的です。


禮山は忠南(Chungnam)高速の拠点という事もあり、自動券売機に表示されている大田行各便の中でも、せっかくの機会なので運行会社で忠南高速と表示された便を選んで…と思ったのですが、やって来たバスは忠南高速ではなく大田を拠点としている錦南(Keumnam)高速の車両でした。
(こちらは未乗事業者でしたので、これも悪くないのですが…)

 
充当車両は現代AERO SPACE、現代が製造した一世代前の観光・高速用車両ですが、日本の三菱エアロバスに良く似たデザインが特徴です。


三菱のバスに似ているのは外観だけに留まらず、運転席パネルも三菱のバスと酷似していますが、フィンガーコントロール式のシフトレバーは、日本の各メーカーに比べると大きく、マイクロバスのシフトレバーに近い雰囲気なのが大きな特徴と言えます。
(同車種ではフィンガーコントロールだけでなく、勿論ロッド式も存在しています)

ちなみにこの路線では忠南高速と錦南高速以外にも、禮山~大田間の途中経由地にもなっている公州(Gongju)を拠点に市外バスを運行している三興(Samheung)高速をはじめ、錦南高速と同色の漢陽(Hanyang)高速による運行便も存在するなど、さほど運行距離も長くない毎時2~3本程度の路線にしては、結構様々な事業者のバスが入り乱れています。


MAKIKYUが乗車した便より1つ前の便は、三興高速が運行しており、こちらは起亜製の車両が充当されていましたが、座席定員制ながらも乗車券は便指定となっており、幾つかのバスの中から乗りたい車両を選んで…という事が出来ないのは少々痛手と感じたものでした。
(乗務員氏に相談すれば、所定より前の便などでも乗車できるかもしれませんが…)

またMAKIKYUが禮山→大田間を乗車した際には、途中公州市内の維鳩(Yugu)邑と公州市外バスターミナルで若干の停車時間があり、その後世宗(Sejeon)市と大田市内の儒城(Yuseon)にも停車しているのですが、維鳩のターミナルには1台の市内バス(大宇製の古参車)が停車している姿も見かけたものでした。


維鳩という地名自体、MAKIKYUは禮山→大田間の市外バスに乗車して初めて知った程で、今後ここを通る機会自体が存在するのだろうか…とも感じたものでした。

維鳩を走る市内バスが日本で取り上げられる事はかなり少ないと思いますし、「MAKIKYUのページ」でもこのバスだけを取り上げた記事を作成する予定もありませんので、これも序に取り上げておきます。
(もし「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中で、この市内バスに乗車した事がある方が居られましたら、是非その際の感想などをコメント頂けると幸いです)


KORAIL広域電鉄・安山線で活躍するトングリ~姿を見る機会は少ないものの…

2014-04-24 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げたKORAIL広域電鉄・安山(Ansan)線では、日本の首都圏を走り、最近では東京メトロ副都心線~東急東横線相互直通運転開始に伴い、神奈川県内まで姿を見せるようになった西武鉄道の6000系電車を連想させる角張った前面形状のステンレス車が大半を占めています。


KORAIL所属車両とソウルメトロ所属車両では、下回りや内装などは異なるものの、見た目は装いが異なるだけで共通設計車なのでは…と錯覚してしまいそうな状況ですが、KORAIL車両の中には少数ながら日本の車両とは少々異なった雰囲気の丸みを帯びた前面形状の車両も混在しています。

安山線やその直通運転線区である果川(Gwacheon)線~地下鉄4号線では、MAKIKYUは一度しか遭遇した事がないのですが、通称「トングリ」と呼ばれる車両は西武6000系風の角張った前面形状の車両と、マティズと呼ばれる最新型の過渡期に登場し、類似車両が1号線や盆唐(Bundan)線でも活躍しています。

1号線や盆唐線に比べると、在籍数が少ないために遭遇頻度も当然ながら…という状況ですが、これに加えて客ドア窓が一昔前の旧営団地下鉄車両(今日でも一部は東京メトロで活躍中)の如く、背の低い子供などでは外を見渡せない小窓となっているのも大きな特徴です。

同線は中堅格的車両ばかりで、最新型から古参車まで様々な車両が揃い、バラエティ豊かな1号線系統に比べると、車両面での面白みは…という状況の中で、注目の存在とも言える車両で、写真こそありませんが、登場時は先日取り上げた安山市内バスの記事最後に取り上げた車両と同じオレンジ系の装いを纏っていました。


内装交換も行われていますので、乗ってしまえば今日では最新型と大差なく、既存車両でもLED蛍光灯が凄まじい勢いで普及しているのですが、客室内はシンプルな印象ながらも、蛍光灯形状のお陰で意外と見栄えがすると感じ、日本でも同形状のLED蛍光灯がもっと普及しないものかとも感じるのはMAKIKYUだけでしょうか?


JR九州高速船「BEETLE」の利用も減少・1艘は売却

2014-04-22 | 船舶[海外関連]

16日に発生した韓国・清海鎮(Cheonhaejin)海運の仁川(Incheon)~済州(Jeju)間フェリー「セウォル」号沈没事故は、この記事の投稿段階で既に100名を超える旅客の死者が発生し、更にこれを上回る行方不明者が出ているなど、未曾有の大惨事となっています。

「MAKIKYUのページ」でもこの件に関して取り上げた記事がありますが、この事故に関連して韓国では団体客を中心に、フェリーや高速船などによる船旅自体を取り止める動きも出ており、韓国内だけでなく日韓航路でも団体客の大量キャンセルなどが発生している事が報じられています。

日韓航路の代表格的存在と言え、MAKIKYUが韓国へ足を運ぶ際に利用する事も多いJR九州高速船「BEETLE」でも、大量のキャンセルなどが出ている事が報じられていますが、これに加えて高速船(ジェットフォイル)1隻の売却も報じられています。
(売却自体は「セウォル」号事故前から決まっていた様です)


売却されるのは「BEETLE5世」(通称B5)で、かつては競合していた未来高速「KOBEE」との共同運航が実現した今日では、4隻在籍はかなり余裕がある状況に伺えましたので、事業者間移籍が多く、単一事業者でずっと活躍し続けている船の方が珍しく感じるジェットフォイルにおいては、特に不思議な事ではない気もします。


「BEETLE5世」は未来高速との共同運航開始前は、「BEETLE」が一応韓国高速海運との共同運航扱いだった事もあり、同社の「ジェビ2」として運航していた事もあります。


MAKIKYUはこの頃を含めて何度も乗船している船ですが、「BEETLE」各船のリニューアル前は、JR九州の485系電車改装車「レッドエクスプレス」とよく似た内装の他船とは異なる雰囲気の船内も特徴的でした。

「BEETLE5世」の売却先は、今年春にジェットフォイルが1隻増え、大型客船1隻もまもなく代替新造となる東海汽船で、BEETLEは各船共に1階から上下船となり、2階には旅客用の乗降口が設けられていないのですが、東海汽船のジェットフォイル「セブンアイランド」は発着港設備の関係で2階からの乗降となっていますので、恐らく2階に旅客用乗降口の設置改造が行われるかと思います。


また「BEETLE」と共に日本国内のジェットフォイルの中では、かなり特徴的な装いを誇る「セブンアイランド」シリーズ(写真は三宅島・伊ヶ谷港を出航する「セブンアイランド 愛」です)として活躍するとなれば、外装も大変貌を遂げる事になると思いますが、どの様な姿での再登場となるのかも気になります。

MAKIKYUは「BEETLE」「セブンアイランド」共に何度も乗船した事があり、むしろジェットフォイルでこの2つ以外に乗船した回数の方が…という程ですが、乗船回数の多い両者を比較すると、客室設備の面では国際航路で平均乗船時間も長い「BEETLE」の方が、僅かながら座席がリクライニングし、拘りのデザイナーならではの特色が強く現れている内装など、優れていると感じますので、これらの特色が東海汽船でも踏襲され、ジェットフォイルの船内設備向上に一役買うのかも気になる所です。


京畿道安山市を走る市内バス~10年程前は現在とは異なる姿も…

2014-04-20 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げたKORAIL安山線沿線の安山市は、MAKIKYUは何度も足を運んでいる所で、2年程前に足を運んだ際には、ソウル近郊ベッドタウンの一つとしても知られる富川(Bucheon)市の富川駅から、市内バス(市境を跨ぐのですが…)に1時間強乗車して安山駅へ出向いたものでした。


その際に乗車したバスは、近年京畿道各市の市内バスでは典型的な車両とも言える、写真と同色・同型の大宇製路線車(写真は別路線で運用されている車両です)に当たったもので、安山市では現在写真の様なバスはかなりの数が活躍していますが、同じ色・車型のバスばかりが次々と言う状況では、余り撮影・記録に励む気は…と思う方も居られるかもしれません。


10年程前に安山市の隣・始興(Sihung)市に位置する安山線の終着駅・烏耳島(Oido)駅で電車を降りた際にも、安山駅・安山市庁方面へ向かう市内バスの姿も撮影しているのですが、10年も経つと何気なく撮影した車両でも、今日とは装いなどが異なっており、意外と希少な記録かも…と感じたものでした。

現在烏耳島駅は終端駅ではなく、仁川市内方面へ向かう新線が開業していますので、烏耳島駅で電車を乗り換える事で、ソウル市内~仁川市内の大回りルートとしても安山線が活用でき、観光で外国人が訪問する様な所ではありませんので、同駅で下車する日本人はかなり少ないかと思います。
(MAKIKYUが同駅を初訪問した際には、開峰(Gaebong)駅へ向かう市内バスに乗車しており、韓国の市内バスは路線の豊富さに加え、運賃の安さや本数の多さも魅力です)


またKORAIL安山線の電車も、活躍車両自体は変わりませんが、10年程前は装いも現在とは異なるオレンジを基調としたもので、内装も不燃化対応前で現在とは異なるなど、こちらも現在とは異なる雰囲気でしたので、序に取り上げておきたいと思います。
(興味のある方は、前回記事の同型車両写真と比較して頂ければと思います)


京畿道安山市・安山駅とその周辺の様子など

2014-04-19 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]


16日に発生した元マルエーフェリー「フェリーなみのうえ」こと清海鎮(Chonghaejin)海運「セウォル」号沈没事故は、多数の死者・行方不明者発生が報じられるなど、近年では類を見ない程の大惨事となってしまい、それもMAKIKYUよりもずっと若く、まだ人生これからの高校生が多数というのは余りに…と感じます。
(写真は前回記事でも使用した、清海鎮海運HPからの転載画像です)

事故後救出された壇園(Danweon)高等学校の教頭が、事故で多数の犠牲者が発生した事を苦に自殺してしまい、救助活動に当たっていた隊員の事故死者も発生するなどの2次被害も発生しており、これ以上の被害が出ない事を願うと共に、今後1人でも救出者が多く出る事を願いたいものです。

今回の清海鎮海運「セウォル」号沈没事故では、船舶の相次ぐ改造や無謀な操船、異常発生後の対応などあらゆる点で杜撰さが際立っており、止む無く発生した不幸な事故ではなく、これでは事故が発生しない方が不思議とも感じる有様で、2年程前に千葉県印西市の陸援隊(針生エキスプレス)が怠起した関越自動車道高速ツアーバス事故を連想する方も少なくないかと思います。

「セウォル」号沈没事故は大韓民国(韓国)で発生していますので、MAKIKYUにとっては一応異国で発生した事故とはいえども、既に韓国へは10回程足を運んでおり、沖縄などよりも遥かに至近な土地ですので、全く知らない所で発生した余所事とは言い難く、以前大邸(Daegu)で発生した地下鉄1号線・中央路(Jungangno)駅における放火事故と共に、非常に身近な所でこんな事が…とも感じます。

事故後盛んに報じられている壇園高等学校の所在地、京畿(Gyonggi)道・安山(Ansan)市は、韓国に馴染みのない方などは、今回の事故で初めて名前を聞いたという方も少なくないかもしれませんが、MAKIKYUは何度も足を運んだ事がある所で、2年程前に訪問した際に撮影した写真を、幾つか取り上げたいと思います。

安山市はソウルの南西に位置し、ソウル中心部から地下鉄4号線と相互直通運転を行っている安山線電車を利用すると、概ね1時間程度で市内各駅へ到達できます。

 
2社相互直通運転を行っている路線だけあり、KORAIL車両が主流を占めながらも、時折ソウルメトロ車両の姿を見る事もできます。

バス大国だけあってソウル市内や近郊の各所との間を結ぶバス路線も多数存在しており、余り観光で外国人が足を運ぶ所ではありませんが、その気になればソウルから簡単に足を運ぶ事ができ、郊外のベッドタウンながらも75万人もの人口を誇る辺りは、人口密度の高い韓国ならではと感じます。


壇園高等学校やそのすぐそばへは足を運んだ事がなく、最寄駅のKORAIL広域電鉄安山線・古桟(Gojan)駅も電車で通っただけですが、その2駅西側に位置する安山駅などは、MAKIKYUも以前利用した事があり、安山市内と近郊都市を結ぶ市内バスにも乗車した事があります。
(壇園高等学校は、最寄駅の古桟駅からは2km北側に位置しています)


安山駅は一部列車の始発・終着駅となっており、緩急結合も可能なホーム2面4線+留置線という、郊外主要駅の典型と言った雰囲気の駅ですが、市内中心部からは少々離れている事もあり、駅周辺はそれほど栄えている雰囲気では…と感じたものでした。

この安山市では、市名を関した「安山」駅よりも、3駅程ソウル市内方向へ向かった「中央(Jungang)」駅周辺の方が栄えており、市外バスターミナルは中央駅の徒歩圏に位置する他、安山市庁(市役所)も中央駅と一つ安山方にある古桟駅とのほぼ中間辺りにあります。

中央駅は改札こそ入出場していないものの、安山から乗車した都心方向の列車を一旦同駅で下車し、ホームに降り立った事があります。


中央駅は相対式2面2線で運用されているものの、待避線を増設できる様に設計されているのも大きな特徴で、韓国の都市鉄道では今後の更なる発展を見越して、設備的に余裕が見受けられる路線・駅が他にも多数存在します。


中央駅周辺は巨大な「アパート」と呼ばれる集合住宅が、至る所に見受けられる典型的な韓国のベッドタウンの光景が拡がっています。

この安山線の開業自体、最も古い区間でも1988年と比較的歴史が浅いのですが、元々の鉄道線を複線電鉄化した路線などを除くと、ソウル近郊の都市鉄道では少数派の全線地上区間を走る路線と言う事もあり、MAKIKYUにとってもソウル近郊ではお気に入り路線の一つで、全線立体交差で踏切が見受けられないのも、比較的新しい路線(それでも開業から日が浅い路線が多い韓国の都市鉄道の中では、老舗の部類に入ります)らしいと感じる所です。

日本国内とはやや雰囲気が異なる面などもあるものの、何度も足を踏み入れたことがある典型的なベッドタウンと言った雰囲気の安山市が、事故現場の珍島(Chindo)と共に、セウォル号事故で名前が知れ渡ってしまったのは悲しい話です。

この事故によりこれらの地域だけでなく、韓国全土でイベントの相次ぐ自粛など、重苦しい雰囲気となっていますが、再び同様の悲劇が起きない事を願いたいものです。


韓国・済州島へ向かう貨客フェリーが転覆・沈没~事故船は元「フェリーなみのうえ」

2014-04-17 | 船舶[日本国内]

ネット上のニュース記事などでも大きく報じられていますので、ご存知の方も多いかと思いますが、昨日大韓民国の全羅南道・珍島(Chindo)沖で、450名以上の旅客が乗船した貨客フェリーが転覆・沈没するという大事故が発生しています。

今回発生した事故は、清海鎮(Cheonghaejin)海運が仁川(Incheon)~済州(Jeju)島間を運航している旅客フェリーで発生しており、同社は専ら韓国内の旅客航路を運航する事業者ですので、事故以前の日本における知名度はかなり低かったと思いますが、同社は今回事故が発生した仁川~済州間航路以外に、仁川や麗水(Yeosu)を出航する離島航路の運航なども行っています。

仁川~済州間は韓国の国内旅客航路では最長距離・時間を誇る事でも知られ、清海鎮海運が運航する各航路の中でも、代表格的存在と言えます。

この航路は仁川・済州両港を定刻では夕方に出航し、目的港には翌朝到着となる夜行運航で、所要時間は片道13時間半程、移動と宿泊を兼ねて節約旅行を目論む向きにも絶好かと思いますし、船旅を楽しむのにも程よい所要時間かと思います。

最近国内の離島へ足を伸ばす機会も多く、韓国へも幾度も足を運んでいるMAKIKYUとしては、機会があれば船で韓国本土から比較的手頃に足を運べる韓国の離島・済州島へも…と思っており、その際の選択肢の一つとして清海鎮海運の仁川~済州間航路は悪くないと感じていました。
(MAKIKYUは昨年まで国内各都道府県の中で沖縄県だけ未訪という状況が長く続いていましたし、大韓民国も38度以北の北韓(北朝鮮)を除くと、各道・広域市の中で済州道のみ未訪という状況です)

この仁川~済州間航路では週5便が運航され、運航事業者・清海鎮海運HPを見ると、同航路ではセウォル号とオハマナ号の2隻が就航船舶として案内されており、今回の事故はその内セウォル号の航海中に発生しています。


MAKIKYUは実際にセウォル号の姿を見た事はないものの、このセウォル号は清海鎮海運HPに掲載されている外観画像(写真は清海鎮海運HPの画像転載です)などを見ると、結構綺麗な船と感じます。

清海鎮海運での就航からはまだ1年程度しか経っていないのですが、建造は1994年、フェリーとしては比較的古参の部類に入ります。


というのも、元は1994年に就航したマルエーフェリー・鹿児島~沖縄航路で活躍していた「フェリーなみのうえ」で、2012年の「フェリー波之上」就航に伴って同社から退役、売船されて装いを改めたものです。
(写真は「我孫子の伊東様」から頂いたもので、マルエーフェリーでの活躍最末期の2012年に鹿児島港へ入港する、往年の「フェリーなみのうえ」です)

韓国では同船以外にもかつて日本で活躍していたフェリーが売船され、船名や装いを改めて活躍している事例が、国内航路だけでなく国際航路も含めて数多く存在しており、実際にMAKIKYUが韓国発着の国際航路に乗船した際にも、かつて日本で使用していた船舶に当たったことがあります。

またMAKIKYUは「フェリーなみのうえ」が就航していた頃のマルエーフェリーには乗船した事がありませんが、同船がマルエーフェリーで就航していた末期、共に鹿児島~沖縄航路で活躍しており、外観も比較的類似している「フェリーあけぼの」(現在もマルエーフェリーで就航中)には昨年1度乗船しています。
(その際の様子などを取り上げた記事(該当記事はこちらをクリック)も公開していますので、興味のある方はこちらも見て頂けると幸いです)

マルエーフェリーでは2009年秋、紀伊半島沖で東京~沖縄間を結ぶ「ありあけ」の転覆事故が発生し、事故原因は船内に多数積載していた積荷が一方に偏る事で、バランスを崩し操舵不能になった事が大要因と言われています。

この事故では乗客数が少なかった上に、人命に影響が及ぶ事がなかったのが不幸中の幸いだったものの、同航路が長期運休(後に倒産した旧有村産業の「クルーズフェリー飛龍21」を中古購入して運航再開)に追い込まれたほか、多数の積荷廃棄をはじめ、沿海の漁業にも多大な影響が及ぶなど、世間を騒がせる大きなニュースとなってしまった事は、記憶に残っている方も少なくないかと思います。

今回の事故を聞くと、事故発生現場や運航事業者こそ異なるものの、「ありあけ」転覆事故の再来と感じた方も少なくないかと思いますし、MAKIKYUもその一人ですが、今回の事故では多数の死傷者や行方不明者の発生も報じられており、「ありあけ」転覆事故を遥かに超える被害が発生、途上国を除けば近年では極めて稀な大事故になってしまったと感じます。

不幸にも今回の事故で亡くなられた方の冥福を祈ると共に、負傷者の早期回復を願いたいものです。

「フェリーなみのうえ」こと「セウォル」号も転覆した後に海底へ沈没してしまい、同船にとっても非常に残念な形での最期になってしまいましたが、今後清海鎮海運で同種事故が再発する事がない事は勿論、他社も含めて…と感じる所です。

詳細な事故原因究明と万全な再発防止策が取られ、再び同種事故の報を聞かずに済む事を強く願いたいものです。


(お断り)記事作成時にはアクセス可能となっていた清海鎮海運HPですが、その後記事公開前に再度確認したらアクセス不能となっており、清海鎮海運HPへのリンクをクリックしても表示されない可能性もあります。


禮山総合バスターミナルと発着する路線バス

2014-04-15 | バス[大韓民国]

ここ最近「MAKIKYUのページ」で取り上げた韓国のバスに関する記事では、忠清南道・禮山(Yesan)郡を走るバスの写真を多数用いていますが、それ以外にも幾つかの写真を撮影しており、日本で取り上げられる機会は余りないかと思いますので、取り上げたいと思います。



禮山のバスターミナルは、禮山総合バスターミナルと名乗っている事もあり、市内バスと市外バス(都市間バス)の双方が発着する禮山郡随一の交通拠点となっていますが、市内バスの一部はターミナル内へは入らず、周辺道路に設けられたバス停から発着しています。

ターミナル自体は韓国の地方都市にある典型的なバスターミナルと言った雰囲気で、日本の感覚から見ると結構大きい部類に入るかと思いますが、韓国のバスターミナルにしては中程度と言った所です。

ハングルを解読できる方は気付かれたかもしれませんが、24時サウナの案内表記も出ており、ターミナル地下には仮眠宿泊可能なサウナもある辺りも、バス大国の韓国らしい所で、韓国では地方の鉄道駅周辺は閑散としているものの、バスターミナル周辺は余所者がふらりと訪れても、食事や宿泊は不自由しないという事が多いです。
(中にはバスターミナルが移転し、ターミナル周辺が閑散としている都市などもありますので、必ずしもバスターミナル周辺が至便と言う訳ではないのですが…)


周囲には高層住宅が立ち並ぶ姿も見受けられ、日本の地方にある田舎町でこの様な光景を目にする機会は少ないと思いますが、韓国では地方でも高層住宅がひしめく姿は特に珍しいものではなく、ありふれた地方の一風景といった所です。


このターミナルを発着する市内バスは、先日の記事で取り上げた車両をはじめ、車体長がやや短い大型ショートとでも言うべき車両が大半を占めており、現代・大宇双方の新旧車両を目撃していますが、写真の塗装を纏った車両が最もよく出没したものでした。

 
中には見慣れない雰囲気の白と赤・青の塗装を纏った現代車や、釜山の急行バスと同種塗装の大宇大型車なども目撃しており、後者は温泉地としても有名で、広域電鉄への乗り換えも可能な温陽(Onyang)へ向かう便です。

市外バスは禮山を拠点としている忠南(Chungnam)高速の車両が大勢を占めており、同社の市外バス車両が何台も停車している姿を目撃したものでした。

忠南高速の車両は、見かけたのは現代製と起亜製の新旧車両で、停車している車両の他に、発着する市外バスも過半数は同社便と言う状況でした。

 
現代車はAEROSPACEやUNIVERSEなどが活躍していますが、UNIVERSEは前面窓下の塗り分けも影響してか、見栄えは悪くないと感じます。
(前面窓下のブラック部分が「涎掛け」の様な雰囲気になっている塗り分けは、個人的には余り好みではありませんので…)

 
起亜車も比較的新しいグランバードは、日本のバスとは異なる雰囲気が感じられ、以前他社優等高速バスで乗車した際にも結構好感を受けたものでしたが、一世代前の車種はこれに比べると…という印象を受けます。


忠南高速以外の市外バスは、錦南(Keumnam)高速や三興(Samheung)高速、漢陽(Hanyang)高速の便などが乗り入れており、写真は韓陽高速の市外バスですが、錦南高速も同じ装いとなっています。

MAKIKYUが昨年末に禮山を訪問した際には、このターミナルから市外バスにも乗車したのですが、その際に乗車した市外バスに関しても、近日中に追って別記事で取り上げたいと思います。


最近韓国で増えている新型バス~乗車機会はなかったのですが…

2014-04-12 | バス[大韓民国]

MAKIKYUが昨年末に韓国へ足を運んだ際には、先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた世宗特別自治市のBRTで活躍する現代BLUE CITY以外にも、幾つかの新型バスに遭遇する機会がありました。

現代では主に市内バスなど活躍しているAEROCITYシリーズと、高速・観光用で活躍するUNIVERSEが、非常にありふれた存在で、これらは旅行などで韓国へ足を運べば、バス大国と言う事もあってか嫌でも目にする存在と言えます。

AEROCITYシリーズの中には、日本の短距離高速バスで用いられる路線車ベースの高速車(西鉄の福岡~北九州間などで主力を占めている西工B型トップドア車など)と似た様な車両が、比較的短距離の市外バスなどで活躍している姿も散見します。

逆にUNIVERSEの中扉付きなど、日本では殆ど見られない観光タイプ前中扉車が、広域急行バスなどで活躍している姿もよく見かけ、MAKIKYUはどちらも乗車した事があります。

そのため市内バス用車種と、都市間バス用車種の関係が逆転している事もしばしばという状況ですが、最近になって両者の中間に位置するUNICITYという車種が登場しています。

この車両はAEROCITYシリーズの上位車種という位置付けで、エンジンなどはAEROCITYシリーズの同年式車と同等ながらも、前面形状などはやや見栄えがすると感じます。


MAKIKYUが見かけたUNICITYは、KORAIL広域電鉄の駅と、近隣にある大学を結ぶシャトルバスとして用いられている車両で、日本流に言えば「特定輸送」とでも言う用途に用いられているトップドア車でしたが、帰国後にネットで調べたら、市外バスで用いられている車両も存在する様です。

また観光タイプの中扉付き車両も当り前の韓国だけあり、UNICITYにも中扉付きの車両も存在し、座席バス・広域急行バスの一部でも活躍している様ですが、この様な車種が出てくるとなると、AEROCITYの座席バス仕様車や市外バス仕様車とは、どの様な棲み分けを行うのか…とも感じます。

大宇の方は、大勢を占める大型路線車(大型ショートを含む)でモデルチェンジが行われ、少し前の車種では非常に特徴的だった前面ライト形状が変化し、やや大人しい印象になったと感じたものです。

 
写真は忠清南道・禮山(Yesan)郡の市内バスで活躍する最新車種(左側)と、塗装も比較的類似した一世代前の車種(右側)で、最新車種でも現代の同年式車に比べると、如何にも大宇といった少々野暮ったい印象を受けるのは相変わらずと感じます。

 
禮山以外でも続々と登場しており、大田では西部市外バスターミナル周辺に多数停車している市内バスの中に、同車種が数台紛れている状況で、同車種に限らず韓国の市内バスは、日本と異なり非公式側後部に非常扉の設置が行われていないのも大きな特徴です。


2段ステップ車だけでなく、ソウル市内ではノンステップ車の姿も目撃・撮影していますが、まだソウルでも余り出回っておらず、多数の市内バスが次々とやって来るソウル駅バス換乗センターで30分以上張り込んでも、目撃した車両は指の数にも満たない状況でした。

UNICITYと大宇の新型車は、昨年末の旅行中にはどちらも乗車機会はなかったのですが、バス大国である上に車両代替の進捗も早い韓国の事ですので、今後急速に姿を増やすと思いますし、特に後者はすぐに珍しさを感じない車両になるかと思いますが、また韓国を訪れる際には、是非乗車したい車両の一つと感じたものでした。

ただ新車種が続々と導入される一方で、日本の三菱AEROSTARシリーズを連想させる姿に親しみを感じ、MAKIKYUお気に入り車種の一つでもある現代の古参市内バス車両などは、徐々に数を減らしています。


昨年末の旅行では、禮山郡の市内バスで活躍する写真の車両など、比較的古参の部類に属する車両にも何度か乗車機会がありましたが、新型車の乗車や撮影と共に、こちらも可能な限り乗車・記録したいと感じたものでした。


惜別・交通科学博物館(3)

2014-04-09 | 博物館・保存施設等

先日50年以上に及ぶ永年の歴史に幕を下ろした大阪・弁天町の「交通科学博物館」、展示車両の数々だけでなく屋内展示も相当なものの、じっくり見学するのであれば丸1日費やしても…と感じるレベルで、先月の訪問時は開館から2時間強の滞在でしたが、それでも駆け足で回った程度と感じたものでした。


車両展示は屋外だけでなく、屋内でも新幹線0系数両をはじめ、車両の一部分のみを展示した「カットボディ」も幾つも存在しているのですが、展示車両は国鉄~JR系の車両だけに限らず、中には海外のケーブルカーという一風変わった車両も存在します。

交通科学博物館では単に鉄道車両を収蔵・展示するだけでなく、実際の運行に関わる仕組みなどを説明する展示なども多数存在し、中には自動改札機や列車の発車案内装置の展示などもあったのですが、この展示物も設置当初は時代の状況に即したものだったと思いますが、現代では自動改札機や発車案内装置自体も何世代も前の旧式、実用に供されているものはまず見かけない骨董品と化しています。


今後京都に移転・リニューアルした暁には、体験型の展示を充実させる旨も発表されていますが、この骨董品と化した自動改札機や列車発車案内装置なども、最新鋭のモノと並べる事で進化過程を示す1アイテムとして活用されるのか気になる所です。

交通科学博物館はJR系の施設ながらも、館内では在阪5大手私鉄(近鉄・京阪・南海・阪急・阪神)や大阪市交通局(市営地下鉄など)といった鉄道に関して取り上げたコーナーもあり、自社や系列だけにとらわれず地域の鉄道に関して幅広く取り扱うという観点でも、この手の展示は好感を感じたもので、京都に移転・リニューアルオープンした暁にも、この種の展示が継続され、出来ることなら更に発展した形で行われれば…と感じたものです。

 
また「交通科学博物館」と名乗っているだけに、鉄道が主体ながらもそれ以外の交通機関に関しても様々な展示物などが見受けられ、国鉄ハイウェイバスでかつて用いられていた車両の実車展示などは、バスファンの一人としても注目と感じたものでした。

このバスはタイヤを少しだけ浮かせた状態で展示されていたのも気になり、左側が壁に迫る形での展示であるが故に、俗に公式側とも言われる前面と車両左側全体を写した写真が綺麗に撮影できない状況だったのは少々惜しいと感じたものです。


館内で公開されている屋外保存鉄道車両の大半などと同様に、車内へ立ち入っての見学などはできない状況での展示でしたが、外部からも若干ながら車内の様子を伺う事ができ、現代のバスに比べれば大幅な見劣りは否めませんが、年代なども考慮すれば設備面ではそこそこのレベルを誇る車両と感じたものです。


車内に設置された幕式の運賃表示器などは、今や電光表示式の運賃表示器すらLCDモニターへの切り替えが進んでいる状況では、見かける機会も極めて少なくなっており、MAKIKYUも先月この運賃表示器とよく似た運賃表示器を用いている路線バスに乗車した際には、乗務員の方に断りを入れて運賃表示器を撮影した程でした。
(余談ながらこの路線バスでは、車内放送も音声合成装置ではなくテープによる放送となっており、この点も今ではかなり貴重な部類かと思います)


路線バス以外にクラシックカーの展示などもあり、今日では見かける機会も少ない車両が何台も・・・という状況でした。
(中にはMAKIKYUの勤務先でも似たような車が…という車両も目撃しているのですが…)


それ以外の車両でも、数年前に旅行先某所で比較的良く似た形状の車を多数目撃していますので、場所によっては特に珍しい存在ではなく、中には「これはウチの車と同じ…」などと感じ、わざわざ展示・収蔵対象にする程では…という方も居られるかもしれません。

かつて東京の神田にあった「交通科学博物館」がさいたまに移転し、「鉄道博物館」としてリニューアルした際には、鉄道系以外の展示物は倉庫保管の様な状態で陳列・収蔵され、あまり活用されていないと感じるものも多いのが現状ですが、「京都鉄道博物館」では大幅に充実させる事を謳っている鉄道系展示物だけでなく、鉄道系以外の展示物をどの様に取り扱うのかにも注目したいと感じたものでした。


惜別・交通科学博物館(2)

2014-04-06 | 博物館・保存施設等

先日も「MAKIKYUのページ」で取り上げた大阪・弁天町の「交通科学博物館」、遂に今日で永年の歴史に幕を下ろしましたが、西日本の鉄道系博物館としては代表格的存在であっただけに、手狭な空間の割には過去に活躍した様々な車両が展示され、同館最大の目玉になっていました。


展示車両の大半は屋外展示ながらも、屋根付きで展示車両の保全も考慮した格好となっている反面、展示位置によっては撮影などが著しく困難という難点がありましたが、この点は今後京都に移転・リニューアルオープンする際には、改善される事を願いたいものです。


展示車両に関しては、既にネット上だけでも様々な所で取り上げられていますので、簡単に取り上げるだけに留めますが、写真のキハ81形はその中でも代表的存在と感じています。

個人的には決して見栄えが良いと感じる車両ではないものの、非常に特徴的でインパクトが強く、気動車の発展を物語る車両という点でも価値ある車両ですので、京都での再会にも期待したいものです。

 
一部の展示車両では閉館に際して特別ヘッドマークを掲出しており、この展示車両を見ても「いよいよ閉館」という事を改めて実感させられましたが、屋外展示車両の大半は外部からの見学のみで、車内見学などは基本的に不可となっているのは、少々惜しい気もしますが、展示車両の保全も考えると致し方ないのかもしれません。


またこの保存車両群の中には、かつてブルートレインとして大活躍した20系寝台車の食堂車も含まれており、この車両は交通科学博物館でも実際に併食空間として営業、当然ながら車内への立入も可能な状況となっています。


JR系業者を動員した鉄道博物館レストランの様な大々的な食事こそ叶わないものの、博物館の規模などを考えるとこれは…というリニア・鉄道館などに比べれば、空間的制約なども考慮すればそこそこ健闘している部類と感じたものでした。


MAKIKYUの訪問時には、車内で関西各地の有名駅弁などを発売しており、閉館を記念した限定の弁当なども発売していましたが、最初見学した後昼前にもう一度…と思ったら、平日でも結構な数の見学者が押し寄せている状況だった事もあってか、再訪した際に弁当は「全て」売り切れとなっており、大繁盛しているのは良い事だと思いますが、多客をみこしてもう少し多めに発売個数を確保していれば…とも感じたものでした。

大阪環状線の駅前だけに、敷地外での食事自体は何もなくて困るという事がないのは救い(この点でも名古屋のリニア・鉄道館は周囲の飲食物調達はコンビニ程度しか期待できず、食料は事前調達した方が良い状況です)とはいえ、交通科学博物館では再入館制度もなく、一度退館してしまうと…という状況も考えると、この点ももう少し配慮があれば…と感じたもので、京都に移転・リニューアルオープンした際には、館内での食事に関しても最低限交通科学博物館以上のモノが用意されることに期待したいと感じたものでした。

交通科学博物館に関しては、屋内の展示に関しても追って近日中に別記事で取り上げたいと思います。


惜別・交通科学博物館(1)

2014-04-05 | 博物館・保存施設等

今月は永年親しまれ、西日本における鉄道系博物館の代表的存在だった大阪・弁天町の「交通科学博物館」が、来る6日をもって閉館となる事は、ニュースなどでも盛んに報じられていますので、ご存知の方も多いかと思います。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、近畿地方各地にお住まいの方や、以前住んでいた事がある方などにとっては、馴染み深い場所と感じている方も少なくないかと思いますし、それ以外の方でも大阪へ足を運んだ際に、足を伸ばして見学した事があるという方も大勢居られるかと思います。


MAKIKYUも随分前に1度訪問し、またまもなく閉園と言う事で先月関西方面へ足を運んだ際にも、交通科学博物館を見学したのですが、先月の訪問時は平日にもかかわらず、10時の開館時には開館前から大勢の見学者が押し寄せて行列ができており、総入場者数1800万人突破という絶大な人気を誇る有名施設ならでは…と感じたものでした。

交通科学博物館の行列は、大半が入場券購入待ちとなっており、ICOCAなどの交通系ICカード利用に関しては、数人程度しか並んでいない状況でしたので、MAKIKYUは空いているICカード利用の列に並び、手持ちのKiPS ICOCAを利用して入場したものでした。
(KiPS ICOCAは意外と知名度が低く、各地の飲食・物販店舗などで代金支払いの際に差し出すと、デザイン故にクレジットカードと間違えられる事も多い上に、それどころか某大手私鉄の運賃精算時、有人通路の係員に精算代金の支払いを申し出た際にも、このカードを見たのは初めて、「何処のカード?」と言われた事もある程ですが、交通科学博物館では土地柄故に比較的知名度も高い様で、すんなりと入場できました)

ICカード利用に関しては、交通系ICカード普及に最も力を入れていると感じるJR某社系博物館の様なICカード入場システムはおろか、自動改札すらなく、単に物販用ICカードリーダーにタッチするのみです。


このリーダーは2台用意され、左側が大人用/右側が子供用となっており、それぞれのリーダーにタッチすると該当入場料金が引き落とされるだけで、入場券の発券もないなど、少々味気ない印象が否めないものでした。


そして館内に入ると「With a thankful Heart-52年の感謝をこめて」という掲出が至る所に目立ち、「こうはくへのメッセージ」として、多数の閉館を惜しむメッセージなどが掲げられた掲示を見ると、近畿地方一円をはじめとする大勢の人々に愛された博物館である事を、現地へ足を運ぶ事で改めて実感させられたものでした。


館内では閉館が迫ることもあり、開館から今日までの道程等に関する特別展示などもあり、その最後には「2016(平成28)年春、京都鉄道博物館が開館」を告知する事で締められていました。

現在の交通科学博物館は、弁天町駅のすぐそばと言う事で利便性は文句なしながら、環状線の高架下やその周辺で空間的制約も大きく、さいたまや名古屋に新しく大規模な鉄道系博物館が続々と開館した今日では、見劣りも否めないと感じますので、移転リニューアルも…と感じる所で、今後開館予定の京都鉄道博物館にも期待したいと感じたものでした。

空間的制約や設備の古さなどを差し引いても、大人400円という入場料の割には、展示内容などはかなり充実した部類とも感じたもので、2時間程度の見学も全く飽きる事はなく…という状況でした。

ただ鉄道系博物館における目玉の一つとも言える運転体験シミュレーターに関しては、JR西日本における代表的な近郊型車両の一つ・221系を模したものながら、写真の状況は…とも感じたものでした。


221系と共に、オレンジ色の201系も弁天町駅を発着する路線の一つ・大阪環状線では多数運行しており、最初次々と201系が映像に出現するのを見て、郊外を走る雰囲気から大和路線辺りかとも思ったのですが、よく見ると編成は8両編成ではなく10両編成で、窓下にはヘッドマーク掲出枠が見受けられるなど、おやおや…という有様でした。
(その後6両編成の黄色い電車が出発するシーンなども目撃したものでした)

221系が画像の区間で営業運行してくれれば、個人的には非常に嬉しいのですが、幾ら弁天町駅を発着するもう一つの路線が中央線で、MAKIKYUが同館へ足を運ぶ際にも同線を利用したとは言えども、これはあんまりと感じたものです。

実際に221系の当該区間運行実績がどれだけ存在するのかも気になる所ですが、京都鉄道博物館開館時に同じ光景を見る事だけは…と感じたのは、少々惜しいものでした。

展示車両や展示物に関しては、既に他でも様々な所で取り上げられていますが、近日中のその幾つかに関して取り上げた記事を追って公開したいと思います。


今日から消費税率改定~一部の公共交通機関では1円単位の「ICカード運賃」導入も

2014-04-01 | Weblog

今日から日本国内における付加価値税(消費税)の税率が5→8%に上昇し、これに伴ってあらゆる商品やサービスの購入などにおいて支払総額が上昇するという、庶民にとっては余り芳しくない状況となります。
(中には消費税率が上がる事で、税金をより多く支払う事が出来ると歓迎している方も居られるかもしれませんが、少なくとも「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中で、その様な考え方をお持ちの方は極めて少数かと思いますし、MAKIKYUにとっては決して有り難いとは言い難い話です)

少子高齢化の急速な進行に伴う社会保障費の増大や、諸外国に比べて付加価値税が低率であった事等を踏まえると、MAKIKYUの個人的見解としては、税率改定は決して歓迎できる事ではないものの、今後の事も踏まえると致し方ないのでは…と感じています。
(付加価値税は隣国・大韓民国でも既に10%となっており、他国の中には更に高額の税率となっている国も少なくありません)

ただ公的支出の無駄がゴロゴロ、という状況で安易に国民の税負担を増大させるのでは叶いませんので、政治や行政を担う方々には、増税相応かそれ以上の意識を持って公務に取り組んで頂きたいと思います。
(「MAKIKYUのページ」は政治や政策に関して議論する場ではありませんので、消費税率改定の是非や使途を巡る議論をコメント投稿する事はご遠慮下さい)

今回の消費税率改定では、ICカードの普及が進行し、今までに比べて少額決済が容易化した事もあってか、交通系ICカード普及率の高い首都圏を運行する鉄道やバス事業者の大半で、交通系ICカード利用時における1円単位の「ICカード運賃」が導入され、現金等で乗車する場合の運賃(事業者側は現金等運賃・きっぷ運賃などと案内)との2重運賃体系となります。

この2重運賃体系も、既に隣国・大韓民国などでは、交通カード運賃と現金運賃の2種類が設定され、彼の地の交通機関も幾度も利用している身としては、さほど違和感は感じず、個人的には日本でもやっと導入か…と感じています。

韓国では交通カード運賃が概ね1割程度割安に設定され、地下鉄との通算運賃設定や、都市・路線によっては乗継1回無料といった、多大な恩恵も受けられるのに対し、日本の首都圏では路線バス利用における「バス特」ポイント付与を除くと、一部を除きせいぜい1円単位の割引と、カード登録者などに対するほんの僅かなポイント付与(都営交通のToKoPoなど)しかないのは残念な限りです。

日本の路線バスでは運賃支払い時に小銭の持ち合わせがなく、乗車区間によって運賃が細かく変動する整理券方式の運賃後払い路線では、両替のために支払いが手間取り、運行遅延の大要因となる事もしばしばですので、この様な事を減らすためにも、もっとICカード利用での恩恵を強化しても…と感じています。

首都圏の鉄道やバス事業者においては、今月から今まで日本では導入事例のなかった2重運賃となる事もあってか、その事を盛んにPRしており、この事を周知宣伝する車内広告などもよく見かける状況です。


写真は首都圏路線バスの最大手、神奈川中央交通(神奈中)における車内告知ですが、特に強調してPRしている事は…

・同一区間に2種類の運賃が設定(IC運賃/現金等運賃)

・IC運賃は全額を1枚のICカードで支払った場合に限定して適用

・全ての区間においてIC運賃は現金等運賃より低額若しくは同額

と案内されています。

神奈中の横浜市内均一運賃路線における運賃は、税率改定前210円(小児110円)が、今日から大人IC運賃216円/現金等運賃220円となり、小児運賃はこの金額からそれぞれ半額となる事から、小児IC運賃は216÷2=108円となり、運賃改定によって一部では逆に値下がりとなる事例も存在しています。

環境定期券利用における100円運賃や、ちびっこ50円キャンペーンなどは今まで通りとなりますので、こちらも消費税分を除いた実質運賃では値下がりとなっており、他事業者でも類似対応となっている事例が数多いと思います。

肝心のIC運賃に関しても、神奈中の親会社・小田急電鉄や小田急グループの対象交通事業者をはじめ、他私鉄や路線バスなどでも上記3項目を満たしている事業者が大半を占めているかと思います。


しかしながら首都圏の鉄道最大手・JR東日本では嫌らしいペンギンのイラストと共に、電車特定区間・山手線内を除く幹線・地方交通線では「IC運賃は、きっぷの運賃と比較して、高い場合も安い場合(一部同額)もあります」という案内が告知されています。

ICカードの普及は、事業者側にとっても長期的に見ればコスト削減に繋がる事案であるにも関わらず、IC利用で利用者が損をする場合もあるという、とんでもない状況になっています。

具体例としては、税率改定前の幹線・地方交通線における初乗り140円区間(幹線3kmまで)の改定後きっぷ運賃140円/IC運賃144円や、税率改定前320円区間(幹線16~20km)の改定後きっぷ運賃320円/IC運賃324円、税率改定前1890円区間(幹線101km~120km)の改定後きっぷ運賃1940円/IC運賃1944円などが該当し、これらの区間ではICカード利用で数円の損失となります。

逆に最もお得感を感じるのは税率改定前180円区間(幹線4~6km)のきっぷ運賃190円/IC運賃185円と、税率改定前190円区間(幹線7~10km)のきっぷ運賃200円/IC運賃195円が該当し、それ以外ではICカード利用で得をするのは1乗車で5円以下です。

JR東日本では、ただでさえ発駅から着駅(目的地)まで1枚の乗車券を購入するよりも、途中の乗換駅で一旦出場して再入場するか、回数券や定期券を分割購入した方が割安な事例も多数存在し、この事をご存知の方も多いかと思います。
(新宿~上野原間を利用する際に高尾駅で一旦出場・或いは乗車券を分割したり、品川~洋光台間を利用する際に横浜駅で一旦出場・或いは乗車券を分割するなど、一旦出場・或いは乗車券を分割した方が通し乗車より大幅に安くなる様な極端な事例(気になる方は経路検索などで調べてみて下さい)もあり、途中駅で一旦出場したり乗車券を分割した方が20~30円程度安くなる事例は数え切れない程あります)

これに加えてIC運賃が電車特定区間内相互乗車以外の場合だけ「高い場合も安い場合も」というのであれば、ICカードで入場するのと、ICカードの残額を利用して磁気乗車券を購入するのでは、利用する都度ICカード直接入場と券売機で乗車券引き換えのどちらが割安かを考えなければいけない有様というのは非常に頂けないものです。
(ICカードの便利さばかりを強調している、嫌らしいペンギンのイラストなどが描かれたJR東日本の宣伝を鵜呑みにして、気付いたら余計な運賃を支払う羽目になっていた…という事にもなりかねませんので…)

小児運賃に関しても、JR旅客鉄道線は他の国内交通機関の大半で取り入れている「10円単位端数切り上げ」ではなく「10円単位切り捨て」となっており、税率改定前大人230円区間の小児運賃は、私鉄などでは120円となるものがJRでは110円ですので、これもICカード利用で大人運賃の半額となると、IC利用で損をする事例が数多く発生します。

JR側の告知でも「大人運賃ではIC運賃よりきっぷの運賃の方が安い(高い)場合でも、小児運賃ではIC運賃よりきっぷの運賃の方が高い(安い)場合もあります」と記されており、告知広告に右上に出ている嫌らしいペンギンの表情と同様に、運賃制度も非常に嫌らしいと感じます

JR東日本が赤字に苦しみ、北の大地で非電化閑散線区を多数運行する鉄道事業者や、濡れ煎餅の発売で繁盛している地方私鉄などの助けを借りながら辛うじて輸送維持に努め、それでも厳しい経営状況の中でもなるべく旅客への運賃負担を減らすために止む無く…という事であるならば、致し方ないのかもしれませんが、同社がその様な状況とは到底考え難いと感じます。
(JR東日本は近年京葉線用に導入した新鋭通勤型車両1編成を、まだ登場から数年で事故被災などの止む無き事情がないにも関わらず、最近になって編成丸ごと廃車回送したと騒がれている程ですので…)

ましてJR東日本がICカード普及の先頭を走る事業者である事も考えると、この様な制度の導入は理解し難く、1円でも旅客から運賃収入を余計に収受する仕組みを講じ、その積み重ねが「塵も積もれば山となる」とでも考えているのだろうかと勘ぐりたくなります。

個人的にはよくこんな運賃制度で監督官庁の許認可が降りたとも感じ、今後JR東日本電車特定区間・山手線内を除くICカード通用エリアを利用する際には、利用する都度運賃表を見てIC運賃と現金等運賃のどちらがよいのか…と考えなければいけないというのは困ったもので、今後運賃改定の際には他鉄道やバス事業者と同様に、普通運賃は「全ての区間においてIC運賃は現金等運賃(きっぷ運賃)より低額若しくは同額」と改めるか、さもなければSuicaなどのICカードを利用した際には、一部コンビニでポイントカードを利用した際に付与される来店ポイントの如く、ICカードによる改札入場ポイントを付与するなど、ICカードを利用して損をしない施策を講じて頂きたいものです。

各駅に「きっぷ運賃で利用した方がお得な区間一欄」を掲出し、各駅の券売機周辺に掲出している運賃表でも、該当駅をマーキングする事で、該当区間利用時にはICカードで直接入場せず、自動券売機できっぷ運賃が適用される磁気乗車券に引き換える事を盛んに呼びかけるという方法も考えられますが、掲示の作成・掲出程度はともかく、こんな事の為に人員を余計に配置する事でコスト増→運賃転嫁となっても困りますし、この方法は非現実的過ぎるかと思いますので…