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JR東日本・第一線から離脱したE653系~各地で臨時列車や訓練運転などに…

2013-07-31 | 鉄道[首都圏・JR]

JR東日本では常磐線特急用に新型のE657系を導入、今年春には車両入替が完了し、常磐線の定期特急列車から既存の651系とE653系の姿が見られなくなっている事は、ご存知の方も多いかと思います。

その中でも特に専ら「フレッシュひたち」号で運用していたE653系に至っては、常磐線特急の車種統一と他線転用のために運用離脱したと言っても過言ではない状況です。

フレッシュひたちと言う第一線から退いたE653系は、7両編成の基本編成が羽越本線の特急「いなほ」号に転用され、古参の485系取替に充てられる事が発表され、MAKIKYUはまだ姿を直接目にする事はできていないのですが、既に塗装変更や片側先頭車のグリーン車化などの改造を済ませた車両も登場しています。

その一方、まだフレッシュひたち時代のままという編成も残存しており、時折臨時列車として運用しながら、順次転用改造される事と思いますが、先日このE653系に乗車する機会がありました。

MAKIKYUが乗車したのは、快速「マリンブルー南房総」号で、高崎~安房鴨川間(高崎線~大宮~武蔵野線~京葉線~外房線経由)で運行されたこの列車は、臨時列車ながらも全車普通車で自由席も設定されている快速列車ですので、現在有効期間となっており、割安な青春18きっぷでも乗車できます。


MAKIKYUは数日前日帰りで房総方面へ足を運ぶ機会があり、その帰りには青春18きっぷを利用し、「マリンブルー南房総」号を利用したのですが、E653系基本編成は順次転用改造に入り、改造を済ませた編成は新潟地区に転属となりますので、房総方面で同系に乗車するという意味では非常に貴重な列車と言え、旅客列車で通過する機会が限られる大宮~武蔵野線連絡線を経由する点も注目です。

E653系基本編成は、フレッシュひたち用だけでも4種類のカラーバリエーションが存在し、カラフルな特急車としても知られていますが、「いなほ」号用転用改造が完了すれば、これらの装いは見納めになってしまいます。


その中でもMAKIKYUが乗車した際に充当された車両は、窓下の装いがブルーの編成で、房総地区のイメージにも合致すると共に、房総地区で定期運用されている各車両と並ぶ姿も結構似合っていると感じたものでしたが、個人的には青色だけでなく黄色の編成も似合うのでは…と感じたものでした。


前面の「Hitachi express」表示もそのまま、LED式となっている側面行先表示は「快速」のみの表示であるなど、フレッシュひたち号からの運用離脱後、特に大きな手入れなどはされずに暫定運用されているといった雰囲気を感じたものでした。


車内も「フレッシュひたち」号時代には一度短距離乗車しただけですので、同系に3時間もの長時間乗車するのは、先日が初めてでしたが、車内LED表示器も号車番号以外は無表示となっているのは、暫定使用の臨時列車ならではと感じたものでした。

行先や列車名はおろか、同一設備で指定席と自由席が混在するにも関わらず、この案内が車内放送程度で、余り徹底されていない事もあってか、途中駅では指定席車に乗り込む指定席券未所持者が多数見受けられたのは閉口させられたもので、せめてステッカーなどの掲出程度は…と感じたものでした。


車内設備面では、E653系はJR有料特急車の中では、シートピッチが狭い車両としても知られていますが、座席自体の座り心地は悪くなく、座席下の足元空間は比較的広く確保されています。


座席の背面形状も狭さを和らげる造形であるなど、着席している限りはさほど狭さを感じさせない辺りは、国鉄時代に導入された同等シートピッチの特急型車両などとは大違いです。


比較的古参のJR特急型車両の中では、もう少しシートピッチが広くても、足元が狭い車両も多数存在しますので、個人的にはこれらと比べても快適さは断然…と感じますし、比較的モダンな印象の内装などは、もう第一線から離脱?と感じてしまう程です。

窓際席の乗客が席を立つ時と、向かい合わせ状態にした時などは、少々難ありの気もしますが、元がビジネス利用主体の列車で運用されていた車両で、座席数確保が必須の状況だった事も踏まえると、設備的には決して悪い車両ではなく、「いなほ」号への導入ともなれば、個人的には大幅な設備改善なのでは…と感じます。
(「いなほ」号は乗車券の他に別途特急料金を要する事を踏まえると、個人的にはE653系レベルで相応、JR在来線特急では車両設備・快適性などはワーストから数えた方が早い現状が酷過ぎるのですが…)

ちなみにMAKIKYUが「マリンブルー南房総」号に乗車した際には、一応事前に指定席券(510円・指定席自動券売機では発券不可でした)を購入して乗車したのですが、それでも現行房総特急の主力・E257系などに比べるとシートピッチがやや狭いものの、比較的新しい特急形車両に快速(=料金面では普通列車扱い)で乗車、それも割安な青春18きっぷ利用ともなれば、かなり乗り得な列車と感じたものでした。

またMAKIKYUは今月「マリンブルー南房総」号でE653系に乗車しただけでなく、「いなほ」号でのE653系運用開始に向けた乗務員訓練などで用いられている同系基本編成の姿も目撃しています。

 
こちらはエメラルドグリーンとイエローの編成で、前者は秋田・後者は酒田の駅構内に停車している車両を撮影したものですが、前者は羽越本線の普通列車に乗車した際にも、秋田県内の途中駅ですれ違っており、ブラインドが全て閉められた状態で運行している様は、如何にも乗務員訓練列車ならでは…と感じたものでした。

E653系基本編成の首都圏出没は、「いなほ」号用転用改造完了→全編成の新潟地区転属後はかなり少なくなり、特に営業列車ともなれば尚更と感じますが、今後も首都圏各地の臨時快速列車などで運用される機会があれば…と感じたものでした。

また4両編成の付属編成に関しては、現段階では他地区特急への転用話は聞きませんが、まだMAKIKYUは乗車した事がないこちらの今後の動向も気になる所で、これも臨時快速列車で運用されれば、結構な乗り得列車になるのでは…と感じたものです。

JR東日本では首都圏でも、未だに在来線特急車のワースト車両と言っても過言ではなく、消費電力量も大きい古参特急車を、一部の特急列車で運用し続けていますが、その一部の代替車両として運用しても悪くないのでは…と感じ、常磐線特急からの運用離脱後、E653系に比べて余り動きが報じられない651系と共に、有効に活用される事に期待したいものです。


(お断り)この記事は東北関連の話題も含まれていますが、先日乗車した「マリンブルー南房総」号の運行地域はMAKIKYUの乗車区間を含む大半が首都圏ですので、「首都圏」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。


またも事故・不祥事~これだけ騒がれているにも関わらず…

2013-07-30 | ニュース記事講評

今日ネット上のニュースを見たら、「スイスで列車正面衝突」という記事を目にしたものでした。

今月はフランス・パリ近郊で列車脱線、そしてスペインでは大幅な速度超過による高速列車脱線と、ただでさえヨーロッパの鉄道では多数の死者が発生する事故が続発しているにも関わらず、これだけ短い間に重大事故が次々と発生するというのは、前代未聞の事態と感じます。

東アジアから外へ出た事がないMAKIKYUは、当然ながらヨーロッパへ足を運んだ事はありませんが、西ヨーロッパの鉄道は世界的に見ても、技術水準や要員教育、信号システムなどの安全性などはかなり高い部類に属し、今回事故が発生したスイスもその一つかと思います。

その様な地域において、これだけ短い間に重大事故が次々と発生し、それも天災に起因するものではないというのは、尋常では考え難い事ですが、各国の鉄道が陸続きで接して相互乗り入れしており、それらで共通するシステムを用いる事で、システムに欠陥があると各地で…という事になるのかもしれません。

今回の事故も信号や保安装置などの不備(速度超過や正面衝突などは、例え乗務員が信号見落としなどのミスを犯しても、高度な保安装置が正常に作動していれば防げるかと思います)が疑われ、これだけ重大事故が続くとなれば、信号や保安装置などの抜本的な見直しも必要になるかもしれません。

ヨーロッパは日本と並ぶ鉄道先進地だけあり、他地域への車両やシステムの輸出事例も数多く存在していますが、これらの安全性もきちんと確保されているのか気になる所です。

特にスペインの高速鉄道における脱線事故の被害は凄まじい状況で、これだけ重大事故が相次ぐとなると、他地域への車両やシステムの輸出にも今後支障が出てくるのでは…と感じます。


日本でも最近、JR北海道で車両トラブルなどが相次ぎ、一部車両の使用停止による車両不足→多客が見込まれる夏休み期間には異例の一部列車運休という事態に見舞われている事は、ご存知の方も多いかと思います。

JR北海道ばかりで車両トラブルが頻発するという事は、同社の安全管理体制に問題がある事を露呈していると言っても過言ではないかもしれませんが、現段階では重大インシデントも含まれるとは言えども、死亡者が発生していない事は不幸中の幸いと感じます。

また重大インシデントを含む相次ぐ車両トラブルは、あくまでも「過失」によって発生したものですが、これだけでなく乗務員が違法薬物使用によって逮捕されたというニュースも入っています。

これは「過失」ではありませんし、違法薬物を使用した状態で乗務ともなれば…と想像すると恐ろしい限りで、以前ニュースでも大々的に取り上げられた元社長の訃報と共に、今後同種の報を聞く事だけはない事を願うばかりです。


壱岐交通の主力・西工58MC車体の日野車

2013-07-28 | バス[九州離島・沖縄]

先月MAKIKYUが長崎県の壱岐島へ足を運んだ際には、島内バスのフリー乗車券(車内発売あり・但し平日の利用は島外在住者のみ)を利用し、壱岐交通の路線バスを利用して島内を廻ったものでした。

壱岐交通は九州本土・佐賀県を中心に路線・高速バスなどを運行する昭和自動車の系列会社ですが、離島と言う土地柄も影響してか、路線バスの使用車両は昭和自動車とは大きく異なっています。


島の規模の割には、路線バスの運行路線数・便数や運行本数などは比較的多い印象を受けたものでしたが、路線・貸切双方の用途に使用可能な「兼用車」を多く導入してきた事もあってか、一般路線では大型車による運行が比較的多いのも大きな特徴です。


壱岐で活躍する兼用車は、扉は前1箇所のみ(トップドア)、車内は2人がけのハイバックシートがズラリと並ぶ着席重視仕様、そして側面窓は引き違い式といった仕様が特徴的ですが、島内は何処へ向かうにも最短ルートで30分もあれば…という小規模な島だけあって、長乗車時間はあまり想定していないのか、兼用車でも各座席にリクライニング機能は存在しません。

近年はバリアフリー法絡みでこの兼用車が導入不可になっている事もあってか、兼用車は年式の古い車両が大半を占め、おまけに貸切車両の中古車を導入する事で兼用車の古参車を淘汰していますので、一応兼用車ながらも路線バスとして走る事が殆どの様です。


この兼用車の中でも、主流を占めているのは土地柄も影響してか西日本車体工業(西工)製の車体を装備した車両で、壱岐で活躍するこのタイプの下回りは全て日野です。

しかしながら西工製車体でも、現在の主流になっており、大都市圏では既に排ガス規制の影響による退役車も続出している96MCは1台もなく、全てそれ以前のモデル(58MC)ですので、大都市圏では車検登録・更新が出来ない古参車ばかりと言っても過言ではない状況です。


この主流となっている西工58MC車体の日野車は、現在活躍中の車両は概ね平成1桁年製で、見た目はどれも似たような雰囲気ですが、よく見ると年式の差異などによって、側面窓割などに違いが存在しています。

古参大型路線車が好みのMAKIKYUとしては、乗客として乗車するのであれば大歓迎という状況ですが、古参車ばかりに偏っている状況では、いつ大々的な車両代替が行われても不思議ではない気がしますし、その際には兼用車の導入ができない事から、どの様な車両で代替するのか気になる所です。

大型車が主力を占めているとは言えども、昼間時間帯などは基幹路線の循環線でもマイクロバス(ポンチョ)が充当されている姿も見かけており、通学ラッシュ時間帯などを除くと輸送力過剰気味の印象を受けたものでした。

近い将来に大幅な車両のダウンサイズ化が行われても不思議ではなく、58MC日野車の兼用車を存分に堪能したいという方は、なるべく早めに壱岐へ訪問された方が…と感じたものでした。


佐世保市営バスで活躍する富士5・6Eボディ車~中型車6Eは結構な数が…

2013-07-26 | バス[九州本土]

MAKIKYUが6月に長崎県内へ足を運んだ際には、離島の壱岐と共に本土側(壱岐からは直結する航路がなく、陸路+海路では一旦他県を経由して移動する事になります)へも足を運んでおり、その際には佐世保市内を運行する佐世保市営バスにも乗車する機会がありました。

佐世保市営バスは中型車が主体を占めていますが、大都市圏譲渡車両をはじめ、新車で導入した大型車も活躍しており、各メーカーの車両が導入されています。

年式的にも最新鋭車両から、20年以上活躍している経年車まで様々ですので、事業規模の割には車種はバリエーションに富んでおり、佐世保を拠点に周辺一帯を運行する西肥自動車同様、趣味的には結構面白い存在です。

 
MAKIKYUが佐世保に足を運んだ際には、丁度1日乗車券が市営バス全線乗り放題となる土休日だった事もあり、この乗車券を利用して幾つかの市営バス路線に乗車したものでしたが、その際には今や全国的にも数少なくなった富士5Eボディの路線車にも遭遇したものでした。

乗車した車両は大都市圏からの移籍車両で、製造年月日は「平成」ではなく「昭和」、登録番号などから推測すると佐世保に移ってからも10年は…という古参車です。

MAKIKYUが今年に入ってから富士5Eボディの路線車に乗車するのはまだ2回目、古参車が多数活躍する沖縄へ足を運んでも乗車機会がなかった程ですので、5Eボディも随分減ってきたものと感じ、この車両もあとどれだけ活躍するのかと感じたものです。

また佐世保市営バスでは5Eだけでなく、ほぼ同様のデザインの中型車(6E)も多数活躍しており、こちらは5Eのモデルチェンジ(製造中止)後もしばらく製造されただけあって、結構な数が活躍しており、大都市圏でこそ最近は見かけなくなった車両ですが、佐世保ではまだしばらくの活躍が見られそうです。


佐世保市営バスで活躍している6Eボディ車は、下回りも日産ディーゼルといすゞの双方が存在するなど、同じ様に見えても差異が存在しており、これに加えてドア配置も中4枚扉と通常の折戸という2種類が存在しています。


中4枚扉の古参中型車が活躍するのは、業界最大手の事業者が積極的に中4枚扉車を導入し、これに倣った事業者が多い九州らしい車両と言えますが、古参車にも関わらずT字窓を採用しているのも特徴的です。


西日本では車内に日よけを設置したバスも多く、佐世保市営バスもその1例ですが、各席毎に日よけを下ろせるようにするために、JR東日本で活躍する一部優等列車用車両の如く、日よけ用のレールが設けられているのも大きな特徴です。

この日よけ用レールは最近大都市圏から移籍した一部車両などでも、改造で取り付けが行われており、佐世保市営バスの特徴の一つにもなっていますが、このお陰で窓を開けた際には、車外から車両を眺めた際には少々物々しく見えるのも印象的でした。


スペインで大規模な列車脱線事故発生~最近事故情報が多いですが…

2013-07-25 | ニュース記事講評

ネット上のニュース記事などで盛んに報じられており、ご存知の方も多いかと思いますが、今朝(現地時間は昨夜)スペイン北西部のサンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)で高速列車が脱線、70名を超える多数の死者発生し、他に100名を超える多数の負傷者も発生という大惨事が発生しています。

この場からも不幸にも亡くなられた方の冥福を祈ると共に、負傷された方の早期回復を願いたいと思います。

今月はアメリカ・サンフランシスコで発生したアシアナ航空・B777機の着陸失敗事故をはじめ、カナダ・ケベック州で貨物列車が脱線・炎上した事故、フランス・パリ近郊でプラットホームに列車が激突して大破した事故など、過去に類を見ない程多数の死亡者発生を伴う重大事故が発生しています。

それも安全管理体制や人員養成、設備面などで問題点が多い発展途上国ではなく、いずれも公共交通機関における事故が比較的少ない先進国と呼ばれる国々において発生しているのも、極めて異例と感じます。

既に複数発生した重大事故事案の中でも、特に今日スペインで発生した脱線事故は死傷者数も甚大で、制限速度の大幅超過が事故の主因と報じられていますが、高速鉄道においてこの様な事故が発生するとなると、安全管理体制の精度が極めて低いと言わざるを得ない気がします。

事故の映像などを見ると、過去にドイツで発生した高速列車・ICE1の脱線事故(路面電車や地下鉄など、比較的低速の列車で用いられる弾性車輪を用いていた事が一因)を思い出すものがあり、高速鉄道以外の鉄道事故も含めるとなると、近年の日本国内では異例の甚大事故となったJR福知山線脱線を連想されられます。

日本の新幹線ではシステム上まず考えられない事故かと思いますし、高速鉄道の元祖・日本に比べると高速鉄道の歴史が浅い各国において、既に幾つかの重大事故が発生している中、新幹線の旅客死亡事故(駆け込み乗客の転落を除く)を聞かないのは相当な事と感じます。

日本の新幹線が在来線とは完全に独立した高精度なシステム(新在直通ミニ新幹線の在来線区間を除く)という事も大きいかと思いますが、航空機や高速鉄道など高速で運行する交通機関程、事故が発生した場合の被害も甚大になりますので、要員教育などの労務管理だけでなく、同種事故が起こせない安全管理システム整備を行い、再び類似したニュースを聞かなくても済む事を願いたいものです。


沖縄の富士5Eボディ路線車~第一交通産業傘下の2社で活躍

2013-07-23 | バス[九州離島・沖縄]

富士重工業が路線バス車体製造から撤退して結構な月日が経過し、排ガス規制による古参車の車検更新が出来ない大都市圏特定地域では、同社製ボディのバス自体目にする機会が減っていますが、その中でもモノコック車体末期~スケルトン車体初期の大型路線車(5Eボディ)は製造から概ね25年以上が経過した今日、大都市圏はおろか地方へ足を運んでも、姿を見る機会は限られる存在になっています。

大都市圏の排ガス規制特定地域に生活拠点を置くともなれば、日常生活ではまず乗る機会のない車両になっていますが、各メーカー共に古参車の多い沖縄ではまだ活躍しています。

沖縄本島の大手4社中、専ら三菱車を用いている沖縄バスや、日野車を用いている東陽バスでは、共に純正仕様が殆どですので、富士重工製ボディの路線車自体を見る機会がない状況です。
(過去には僅かに中古車の導入があった様ですが…)

とはいえ第一交通産業傘下の2社(琉球バス交通・那覇バス)は、元々が富士重工製車体のバスが多数存在する日産ディーゼル(琉球バス)やいすず(那覇交通)の車両を多数導入していた事業者だけあり、MAKIKYUが4月に沖縄本島を訪問した際には、何台かの車両が活躍する姿を見る事が出来ました。


那覇バスで活躍している車両は、如何にも都市型路線車と言う雰囲気の中4枚扉で、一般路線ではなく特定輸送(貸切)に充当されている姿を、那覇空港で目撃する事が出来ましたが、首都圏大手事業者からの移籍車両で、左側後部にルーバーが存在する事で判別できる方も多いかと思いますが、那覇バスでは多数派のいすず車です。

同種車両は移籍前の大手事業者と、高速バス共同運行を行っている秋田中央交通などに多数移籍事例があり、MAKIKYUが秋田中央交通の路線バスを利用した際には、何度かこの富士5Eボディの中4枚扉いすず車に乗車した事がありますが、同社でも現在は…という状況です。

同じ秋田県内で路線バスを運行し、移籍前の大手事業者と良く似た装いのバスが活躍している事でも知られる羽後交通でも乗車した事がありますが、今やこの大手事業者で活躍していた中4枚扉の5Eボディいすず車に乗車できる路線は、現行主力車種のいすずエルガ・ノンステップ車ですら地方転出が始まっている状況では、国内各地を探してもどれだけ存在しているのだろうか…と感じる程です。

また5Eは那覇バスだけでなく、琉球バス交通でも活躍中の姿が見られ、こちらは自社発注車と移籍車の双方が導入されたものの、古参車だけに廃車も進行し、MAKIKYUが姿を見る事が出来たのは自社発注車の方だけでした。


自社発注車は郊外線用のトップドア車で着席重視仕様、スモークガラスを採用した黒逆T字窓になっているなど、古参車ながらも豪華な路線車という印象を受けます。


旧琉球バスでは元々日産ディーゼルと日野の2メーカーを導入していた事もあり、当然ながら富士重工製バスでは最多数、かつ富士重工業のバス車体製造中止までの間は、標準車体として指定されていた日産ディーゼル車は活躍しており、那覇滞在中に何度か那覇バスターミナルに足を運んだ際には、常に写真の1台が待機している状況でした。

TOMYTECのバスコレクションでもこのタイプの車両が製品化され、MAKIKYUの手元にも1台ありますが、製品化されているのは5Eボディの主流となっている日産ディーゼル車ではなく、旧琉球バスが日産ディーゼルと共に以前から導入している日野車の方になります。


こちらはエンジン音などが全く異なり、乗車すれば運転席廻りなどを見ただけでも一目瞭然ですが、非公式側(客ドアと反対側)の後部ルーバーが灯油ポリタンクの様な妙な形をしており、バスターミナルに停車している姿を見ただけでも比較的容易に識別できます。
(バスコレクションでもきちんとこのルーバーは再現されています)


バスコレ製品の車両は、残念ながら撮影していないのですが、同形車が琉球バス交通の主力路線・23番(那覇バスターミナル~具志川バスターミナル)で活躍している姿を目撃しており、目撃頻度こそ少ないものの、探せばまだ何とか乗車も…という状況でした。

琉球バス交通の5Eは随分数を減らしたとはいえ、自社発注車だけでも2メーカーが混在、そして前面行先表示も字幕式とLED式に取り替えられた車両が混在するなど、よく見ると幾つものバリエーションが存在するのも注目です。

沖縄でも有名な「730」と共に注目の存在となりつつあり、5Eボディでは比較的少数派の日野車は、豪華仕様もあってか特に注目の存在ですが、古参車が多い沖縄でも大都市圏移籍車の大量導入などにより、車両入れ替えは着実に進んでいますので、あとどれだけの活躍が見られるのかも気になる所です。


リンク集(2)の更新・追加に関して(20130722)

2013-07-22 | Weblog

皆様、いつも「MAKIKYUのページ」をご覧頂き、ありがとうございます。

今日リンク集(2)の更新・追加(微修正)を行いましたので、お知らせ致します。

更新・追加内容は以下の通りです。


○交通系博物館・保存施設等のHP(日本国内及び大韓民国)へのリンク項目追加

○一部鉄軌道事業者・及びバス事業者公式HP(日本国内のみ)へのリンク追加

○未乗事業者への「★」マーク付与を海外事業者にも拡大(未訪問の博物館等にも適用)


交通系博物館等に関してはサイトが整備されていないなど、著名な施設の中でも一部取り上げていない事例もありますので、悪しからずご了承下さい。

また交通事業者HP内に紹介ページが設けられている場合などは、こちらへのリンクを設定していますが、トップページ以外へのリンクの場合、今後サイトの更新・修正等でアドレスが変更→デッドリンクとなる事も想定されます。

MAKIKYUもデッドリンク等を発見した場合は、可能な範囲で修正(場合によってはリンク削除)を行いますが、全てを確認する事は厳しいかと思いますので、「MAKIKYUのページ」をご覧頂いている皆様の中で、リンク集の不具合等に気付かれましたら、その旨お知らせ頂けると幸いです。


JR東日本 新幹線E6系電車~「スーパーこまち」などに用いられる新在直通用最新型車両

2013-07-21 | 鉄道[新幹線]

秋田新幹線開業に合わせて導入された「E3系」電車は、今年に入ってから最新鋭のE6系電車への代替がはじまり、先行導入車の「R1」編成は昨日ラストラン、その惜別セレモニーも催された事がニュースで報じられており、ご存知の方も多いかと思います。

この様なニュースを聞くと、比較的新しい路線と言う印象がある秋田新幹線も、車両代替を迎える時期になり、開業から結構な年数を経たものと感じる一方で、走行距離や車両使用状況などが、在来線とは比べ物にならない過酷な条件下で運用される新幹線車両の寿命が短い事を改めて実感させられます。

MAKIKYUも秋田新幹線こそ乗車機会は少ない状況ですが、少し前の3連休には所用で秋田市内まで足を運ぶ機会があり、その際にはE3系の代替で導入されている新在直通用の最新鋭車両・E6系にも初乗車する機会がありましたので、今日取り上げたいと思います。


E6系はフル規格用の新鋭車両・E5系と併結し、従来以上の高速運転(最高速度300km/h以上)に対応した車両で、この事もあってかE5系と同様に先頭車は「鼻が異様に長い」スタイルとなっています。

この特徴的な形状の影響で客室空間が狭くなるために、先頭車両の座席定員がかなり少なくなっているのが大きな特徴で、定員減に対処するためにE3系(秋田新幹線用)より1両長い7両編成となっており、在来線区間の一部駅ではホーム延伸工事も行われた程です。

E6系は屋根上と共に先頭部が真っ赤な装いとなっていますので、前面を見ると天狗を連想させる風貌と言っても過言ではなく、新幹線車両にしては比較的ソフトな印象の先代車両・E3系に比べると、外観はかなり強烈なインパクトのある車両と感じます。


ただ車両側面は淡い装いとなっており、鮮やかな緑色が特徴的なE5系と併結した際には、控えめな印象を受けるもので、E5系に比べると地味な存在の脇役的車両という印象を受けます。


新在直通用車両だけに車体幅が狭く、フル規格新幹線区間では各ドア下に設置されたステップが跳ね上がり、ホームとの段差を解消しているのも大きな特徴です。


車内に足を踏み入れると、車体幅の狭さ故に普通車の座席配置は2+2列、在来線特急に乗車している様に錯覚させられます。


暖かみのある内装や、デッキと客室を仕切るドアの下部に描かれた稲穂のイラストなどは、乗った瞬間から「秋田」を連想させる車両と言っても過言ではなく、比較的好印象を受けたものです。

また座席自体もE5系と同様に、特徴的な形状の「可動式枕」が装備されているのも特徴で、これは好みが大きく分かれる代物かと思いますが、個人的には座席を倒しても頭の倒れる角度が小さくなる事もあってか、見た目はともかく実用的にはない方が…と感じます。

ちなみにMAKIKYUがE6系に乗車したのは、画像を見て気付いた方も居られるかと思いますが、同系限定運用となる新在直通運転の「スーパーこまち」号ではなく、東北新幹線内のみを運行する「やまびこ」号です。
(秋田まで足を運ぶのに「邪道」という声も出るかもしれませんが…)


案内表示器に関しては最近の新幹線では一般的な「文字サイズの大きなフルカラーLED」、在来線ではLCDモニター装備車両が一般的な今日でも、日本の高速列車における車内案内装置は何故かLED表示ばかりで、そろそろLCDモニターが出てきても…と感じます。
(高速列車も韓国のKTXは、初代と山川(後に増備された車両)共にモニター案内なのですが…)

乗車した「やまびこ」号は、途中駅ではE2系+E3系の併結列車にも追い抜かれる「下克上」状態で、こんな光景が見られるのは、車両代替の過渡期ならではと感じたもので、停車駅が多く乗車時間は長くなる「やまびこ」号は、E6系の初乗車を堪能するにも絶好と感じたものでした。

E6系が通常「スーパーこまち」「こまち」号で運用される場合は、基本的に全席指定席となりますが、「やまびこ」号で新在直通用車両を併結して運行する場合、新在直通用車両は基本的に自由席となります。

MAKIKYUが乗車した「やまびこ」号は臨時列車で、編成が長く供給座席数が多い事もあってか、乗客数が多く指定席完売の列車が続出している3連休初日でも、下りの大宮出発時点でも自由席の半分も埋まらず、2人がけ座席はグループ客の乗車を除くと、殆どがゆったりと過ごせる「ひとりだけシート」状態でした。

仙台を過ぎたら各号車共に数人程度しか乗っていない状況で、この「やまびこ」臨時列車は多少の時間的余裕があれば穴場的存在と感じ、料金が少し安くなる上に好きな座席を選べ、「わざわざ指定席券を買わなくて良かった」と感じる状況でした。


また普通車だけでなくグリーン車も車体幅が狭いにも関わらず2+2列、設備的にはE5系などに比べると見劣りが否めないにも関わらず、終点盛岡までわざわざこのグリーン車に乗車している乗客が見受けられたのは少々驚きで、わざわざE6系の初乗りを目論む乗客は、MAKIKYU以外にも幾人も…と感じる状況でした。

E6系に乗車した際の感想としては、在来線特急の一般的レベルなどと比較すればまずまずで、内装の雰囲気なども悪くないと感じたものですが、シートピッチなどの面で同世代のフル規格車両・E5系に比べると見劣りが否めず、東北新幹線内のみの利用でE5系+E6系の併結編成による列車に乗車する際、同じ料金・混雑率であれば、E6系を選ぶのは…と感じたものでした。

新在直通用車両の客室設備が若干見劣りするのは、座席定員が少なく在来線区間への直通需要がある車両を、フル規格新幹線内だけの指定席利用客にはなるべく選ばせず、意図的にフル規格車両へ誘導しているのでは…とも勘ぐりたくなる程です。

とはいえシートピッチなどで設備的に見劣りが否めない車両を、料金がやや低額で、短距離利用客が多い傾向にある自由席車として運用するのは賢明な策かと思います。

新在直通用車両を輸送力の増強が必須な時期の臨時列車に、フル規格車両の増結車として運用するのも、需要に合わせて供給座席数を増やすという点では評価できる事と感じます。

秋田新幹線ではE6系導入に伴い、E3系が代替対象になり、これらの中には後に増備されて経年の浅い車両も含まれていますが、性能上今後東北新幹線E5系に併結しての運用は難しくなり、東北・秋田新幹線以外で運用できないのであれば、余剰廃車も免れない状況です。

しかしながら上越新幹線では不恰好な外観に加え、性能面でも芳しいとは言い難く、居住性も余り評価できないものの、供給座席数に関しては他車両の追随を許さない全車2階建てのゲテモノ車両が主力を占めており、近年この車両の運用離脱も始まっています。

これを単純に現在上越新幹線への転用が進むE2系(10両編成)で代替するともなれば、相当な増発でもしない限りは供給座席数の大幅減少にもなります。

E3系の居住性も大曲方普通車の長時間乗車などはやや難ありですが、全車2階建てのゲテモノ車両に比べれば遥かに良好かと思いますし、運用上の物理的制約も殆どないかと思います。

そのためE6系導入で余剰となる経年の浅いE3系の一部車両を、上越新幹線のラッシュ時や繁忙期における自由席車として運用し、輸送力増強用として活用できれば…と感じますが、こんな事を感じているのはMAKIKYUだけでしょうか?


琉球バス交通で活躍する元米軍輸送用車両~よく見ると似た様な車両も…

2013-07-18 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが4月に沖縄本島へ足を運んだ際には、沖縄本島の大手バス事業者で最大規模を誇り、現在は那覇バス(旧那覇交通)と共に第一交通産業傘下となった琉球バス交通の路線バスも、何度か利用する機会がありました。

同社は事業規模最大手である上に、元々日野と日産ディーゼルの2メーカーを導入(他社は基本的にほぼ1メーカー)、その上第一交通産業傘下に入ってからは、いすずや三菱製のバスも導入され、現在は4メーカー全ての車両が見られる様になっています。

これらの中には、僅かながらブルーリボンⅡノンステップ車の様な国土交通省標準仕様の新型車も存在するものの、車齢20年を超える古株古参車や大都市圏移籍車が大半を占めており、車両バラエティは相当なものです。

おまけに同社は郊外線のみの運行でありながらも、第一交通産業傘下入りしてからの新塗装(那覇バス郊外線などと同一)をはじめ、それ以前の旧琉球バス時代に導入された車両は、自社発注車と他社からの移籍車で装いが異なり、更に一部の移籍車は移籍前事業者の装いのまま走らせている状況です。

その上同社はかつて米軍輸送を請け負っており、路線車のどの塗装とも異なる装いを用いていたのですが、この米軍輸送用に用いていた車両を路線用に大量転用し、老朽車を置き換えています。

そのため琉球バス交通だけでも、カラーバリエーションは沖縄の大手他社が運行する路線車の全種を凌ぐ程で、様々な姿のバスが活躍する様は趣味的には非常に興味深いものの、琉球バス交通の統一性のなさを露呈する状況になっています。


その中でも元米軍輸送用の車両は、中には写真の様に琉球バス交通新塗装に改められた車両も存在するのですが、大半は米軍輸送用で用いられていた装いのままで活躍しています。

そのため塗装などで一目で他の車両と識別できますので、結構目立つ存在ですが、那覇バスターミナル~具志川バスターミナル(うるま市)間を結ぶ主要路線・23番をはじめ、中南部の大型車充当路線で他車に混じり、かなりの数が活躍しています。


旧琉球バスは元々日野と日産ディーゼルの2メーカーを採用していた事もあり、元米軍輸送用車両もこの2メーカー製が存在していますが、日産ディーゼル製(写真:富士7Eボディ)は見かける機会が少なく、大半は日野純正(ブルーリボン)となっています。

 
このブルーリボンはトップドアの2段窓車で、多数が活躍するこの車両が続行していたり、バスターミナルで並んで停車している姿を見ると、同じ様なバスがゴロゴロ…という印象を受けるのですが、車体長も標準尺と短尺が入り乱れており、両者では窓割も異なります。


その上正面のナンバープレートも左側に寄せて配置されている車両と、中央に配置されている車両があるなど、よく見比べると差異が幾つも見受けられる状況です。

前面行先表示も字幕式が主体ですが、中にはLEDに取り替えられた車両も存在するなど、比較的ありふれた存在と感じるブルーリボンの元米軍輸送用車両も、趣味的には結構注目点があります。


MAKIKYUが琉球バス交通の路線バスを利用した際には、一度この元米軍輸送用で用いられていたブルーリボンにも乗車機会があったのですが、車内に足を踏み入れると、2人がけの座席がズラリと並ぶ自家用バスに近い仕様になっています。

 
沖縄の郊外線バスは最近の新車や大都市圏移籍車を除くと、基本的に前乗り前降りの着席定員重視型仕様ですので、座席配置自体はさほど違和感を感じないかもしれませんが、各種注意表記などは一部で英語表記が見られるのが大きな特徴で、これは他の一般路線車では見かけない元米軍輸送用車両ならでは…と感じます。

那覇バスターミナルなどでバスを待っていると、結構な数が活躍している事もあって、元米軍輸送用のブルーリボンは、嫌でもその姿を見る事が出来る車両の一つですが、沖縄ならではの路線バスの一つとも言える気がします。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も沖縄へ足を運ぶ機会があり、この元米軍輸送用車両に興味がありましたら、是非一度乗車してみては如何でしょうか?


東武鉄道 60000系電車(2)~車内の様子とLCDモニター表示

2013-07-16 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

東武野田線で先月営業運転を開始した最新鋭車両・60000系は、車内に足を踏み入れると、他路線から盥回しされた車両ばかりだった野田線で活躍する車両とは思えない雰囲気が漂っています。


メーカー標準仕様を取り入れた部分が多数あるものの、比較的シンプルな印象ながら安っぽさを感じる車両ではなく、側面化粧板も一応薄い柄入りとなっています。

先代50000系の初期導入車両などでは、長時間乗車となる際の評判が余り思わしくなかった座席も、メーカー標準仕様車ながらも随分改良されていると感じたものです。

車端部の化粧板だけ木目調となっており、車両間貫通路は開放感を感じる大きな1枚ガラスになっているなど、最近で首都圏で導入される低コスト型車両の中では、割合内装は凝った車両と言う印象があります。


60000系の目玉の一つとも言える車内照明のLED蛍光灯も、シンプルながらも形状制約の少ないLEDの特性を生かし、グローブ付き蛍光灯に匹敵する見付となっている点は、大いに評価できると感じます。
(韓国の都市鉄道などでも、板状LEDによる車内照明は一般的ですが、日本の首都圏では既存蛍光灯と同形状のモノなど、余り見付を考慮していないタイプが多数を占めていますので…)

また最新鋭車両だけあり、車内案内表示装置もLCDモニターを装備しており、LCDモニター採用では出遅れの感もある東武もようやく…といった所ですが、駅名表示は漢字(日本語)・英語・ひらがな(日本語)・韓国語中国語と多彩な表示が見られるのも大きな特徴です。


韓国語表示での次駅は、韓国でよく見られる「이본역」(この駅)ではなく、その次を示す場合に使われる表現の「다음은」(つぎは)となっており、如何にも日本の列車における韓国語表示と言う雰囲気を感じたものです。


まもなくを示す「잠시후」も、KORAIL列車の車内放送では良く聞く言葉で、列車内の案内表示でも散見しますがすが、都市鉄道(地下鉄・広域電鉄)では余り見かけない気がします。


中国語は漢字だけに、多少字形が異なる簡体字でも、意味は何となく想像が付くかと思いますが、「下一站」は中国では非常に良く見かけ、また聞く言葉で、他に「前方到站」という表現も結構良く用いられています。


通常は平仮名表示の「流山おおたかの森」駅名の漢字表記や、まもなくを示す「即将到達」表示、普通(各駅停車)を示す「普通慢車」の種別表示などは結構インパクトがあると感じます。

車内自動放送は従来車と同様で、日本語と英語の2ヶ国語のみ、LCDモニターの様な4ヶ国語ではないのは少々残念な気もしますが、野田線は観光路線や空港アクセス路線ではありませんので、ここまで対応すれば実質的にはほぼ問題なしと感じます。
(○田スカイアクセスなどと称している路線では、未だに外国人利用が多く見込まれる列車でも車掌放送(当然日本語のみ)となっている事も多く、この様な路線の場合は、多言語対応は必須ですが…)

この60000系は、野田線の路線条件も影響してか、少々出足が遅く感じられ、単線区間では駅入線前の大幅減速なども相変わらずですが、設備的にはほぼ全ての面で先代50000系列を凌いでいると言っても過言ではなく、行先表示が3色LEDになっているのが気になる程度ですので、数年前まで吊り掛け駆動車が走っていた路線も随分変わったと感じたものでした。

節電必須の世相も、新車導入の決断に到った一因かもしれませんが、乗車した感想は「余り期待していなかったものの、乗ってみたら最近の首都圏で活躍する低コスト型車両にしては上出来」と感じる反面、東武は余り評判の宜しくない50000系列ではなく、A-Train標準仕様車を導入する時点で最初から60000系を導入できなかったのか…とも感じたものでした。

野田線では今後も今年度中に複数本導入される一方、10030系の転配による8000系代替も行われますので、今後どれだけ数を増やすのか気になる所です。


東武鉄道 60000系電車(1)~野田線に新造導入された最新型車両

2013-07-15 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

数日前MAKIKYUが、所用で千葉県内へ出向いた際には、久々に東武野田線を利用する機会もありました。

東武野田線は一時期、MAKIKYUも一部区間の定期券を所持していた程で、それ以外の区間も千葉県内を中心によく利用したものでしたが、MAKIKYUがよく利用していた頃には、首都圏では数少なくなった吊り掛け駆動車も混用されている状況でした。

近年吊り掛け駆動車が淘汰されても、代替は伊勢崎線や東上線などから転用される8000系ばかり、東武鉄道になってから直接新車が導入された事は今まで…という有様で、そこそこの利用がある首都圏の近郊線区にしては、車両面では近隣線区などと比較すると大幅な見劣りが否めない状況でした。

しかしながら東日本大震災の影響による原発事故後の情勢変化などもあり、東武鉄道も遂に「野田線へ直接新車を導入」する事を発表し、先月中頃に晴れて営業運転を開始しています。

この新車は伊勢崎線などで活躍している車両の同系編成違いではなく、「60000系」という新形式の野田線専用車となっています。

東武は先代50000系列が自社線内だけでなく、地下鉄を介して神奈川県内まで足を伸ばす様になっており、MAKIKYUもこの車両に時折遭遇しますが、コストダウンを徹底し過ぎた事も災いしてか、同一路線を走る他社の同年代車両に比べると…という声を良く聞くものです。

デザイン面はともかく、座席などはメーカー標準品を用い、比較的長時間の乗車となる列車に用いられる事が多かったのも災いしていますが、同系は増備途中でマイナーチェンジが行われ、座席や内装などが随分改善されると共に、初期導入車に関しても座席交換が進行中という状況です。


そのため60000系は50000系列とは別形式ながらも、メーカー標準仕様を踏襲する部分が多い事もあってか、余り期待していなかったのですが、先日柏駅でたまたま現在運行している2編成が共に停車しており、試しに乗車したものでした。


現在活躍中の2編成は、一方が通称船橋線(柏~船橋)、もう一方が柏~大宮間の列車に充当されており、前面窓ガラス下部に貼られた「60000系 就役」を記念するステッカーは、両編成で異なるものとなっているのも特徴です。

外観はシンプル過ぎる先代50000系列に比べると、前面に傾斜が付くなど幾分凝った印象があり、非常用貫通扉の配置や装いなども影響してか、「小田急線の新車に良く似ている」という評も聞きますが、個人的な第一印象は、「決して悪くない」と感じたものでした。

アルミ無塗装車ながらも、50000系列のオレンジ系ではなく、青を基調とした装いとする事で、野田線用車両としての差別化を図っている様にも感じられますが、窓回りは何故か青や水色ではなく、黄緑色となっており、日本の鉄道車両では余り見られない配色の組み合わせは、一部では「某大手コンビニ」とも評されている様です。


基本的に普通(各駅停車)しか運行しない野田線専用車だけあって、行先表示は種別表示なしで行先のみ表示となっていますが、東武では既にフルカラーLEDの行先表示を採用した車両を自社導入している前例があるにも関わらず、3色LEDになっているのは少々見劣りが
否めない気がします。
(行先を表示するだけなら、わざわざ色分けの必要がなく、それなら不必要なコストをかけてまでフルカラー化する必然性はないという判断かもしれませんが、野田線では他形式のフルカラーLED行先表示装備車両も運行していますので…)

車内の様子などは、近日中に続編記事で取り上げたいと思います。


東陽バスで今も活躍する「730」~こちらも日曜日に定期運行

2013-07-12 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、沖縄バスで活躍する「730」に関して取り上げましたが、MAKIKYUが4月に沖縄へ足を運んだ際には、沖縄バスの730と共に、東陽バスで活躍する730にも乗車しています。


東陽バスは専ら日野車を導入している事業者だけあり、同社で活躍する730も日野製の「RE101」で、年式的には沖縄バスの730と同部類ですが、登録番号は「沖22か906」、沖縄バスで活躍中の730よりも少し前に登録された車両になります。


トップドアで座席定員が多く、床材もリノリウム張りとなっており、古参車ながらも冷房車である点など、仕様的には沖縄バスで活躍している730と共通する部分も多く、1台だけ残存する動態保存車という点も共通しています。

現在は専ら日曜日の191系統・馬天営業所~城間(Gusukuma)で運行しており、城間付近はラケット状のループ運行、そして運行区間の半分程度は、沖縄バスの730運行路線・39番(那覇バスターミナル~新原ビーチ)とも重複します。

起点となる馬天営業所は、沖縄バス39番も通る「新里(Shinzato)」バス停からも徒歩10分程度ですので、その気になればこの馬天営業所へのアクセスに、730も走る沖縄バス39番を利用し、その後東陽バスの730に乗車(或いはその逆)も可能です。
(勿論那覇バスターミナルから直接馬天営業所へ向かうバス路線(東陽バス)もありますので、アクセスは好みに応じて色々選べます)

MAKIKYUが東陽バスの730に乗車した際には、馬天営業所から乗車し、途中停留所で下車して那覇バス市内線に乗り換えたのですが、191番は那覇市内の中心部へは入らず、那覇市内に入ると市内北東部をかすめ、その後浦添市内へ入る経路となっています。

南風原町内や那覇市郊外、浦添市内などで那覇市内中心部へ向かうバスへの乗り換えも容易で、途中儀保でゆいレールに乗り換える事もできます。
(勿論城間まで乗車し、その後国道58号線を頻発する各社バスに乗り換えて那覇市内中心部へ抜けたり、或いは逆に宜野湾など中部方面へ向かう事も可能です)

またMAKIKYUが東陽バスの730に乗車した際には、他にも首都圏から遠路はるばる730を求めて来た同好者も居り、この730をはじめとするバスの話題などを交わしていた事もあり、乗り心地を堪能するのは半分程度…という状況でしたが、日野のモノコック車というと「ガーガー」と煩い音を立てている印象があるものの、現在活躍中の730は「RC」ではなく「RE」という事もあり、古参車の割には静粛性に優れ、居住性も悪くないと感じたものでした。
(日野はモノコック車体末期~スケルトン車体初期にかけて、エンジン形式の異なる複数車種の大型車を出しており、同年式で似たような見た目の大型路線車でも、車種によって別メーカーの車両に乗車したのでは…と思う程の差異があります)

ただ見るからに古そうな風貌に加え、ブレーキペダルを踏んだ際のエアー音などは、ブルーリボン(東陽バスの現行主力車種)などに比べると…と感じたものでした。

現在活躍する2台の730車は、貸切などの申し込みがない限りは、機能維持を兼ねて日曜日の午前中(東陽バスは昼過ぎも)に動態保存車として運行するだけですので、経年者故の劣化進行もさほどではないかもしれませんが、何時まで走らせ続ける事が出来るのか気になる所です。

バス事情に疎い人物などは、ただの古い車としか受け取らず、ボンネットバスの様な超古参車に比べると、一般向けのインパクトは薄いかもしれませんが、希少性と言う点では既にボンネットバスと大差ないか、場合によってはそれ以上なのでは…と感じる車両です。

加えて沖縄では730交通変更という特殊事情があり、この交通変更に合わせて導入した車両という観点でも、相当な価値のある車両です。

単に公共交通としての輸送効率性を考えるだけであれば、路線車としての経済性はとても…という車両かと思いますが、MAKIKYUの周囲でも、この車両を貸切運行したという話を聞いた事もあり、今後730の価値が更に評価される事になれば、このバス自体が沖縄の希少な観光資源の一つにもなるかと思います。

沖縄の路線バスは決して芳しいとは言い難い状況で、特に東陽バスはここ最近路線用の新車を導入した話を聞かず、見かけたのは旧年式車ばかりでしたので、大都市圏で車検を継続更新できる年式の車両はどれだけ走っているのか…という状況ですので、この様な厳しい状況においても、この730を1台だけながらも残存させるのは相当な事かと思います。

もう少し仕様車両や経営が良さそうな沖縄バスでも、この様なバスをわざわざ残し、走らせ続けている事は大いに評価できる事と感じ、今後も現状の730車動態保存運行が末永く続く事を願いたいものです。


北総監獄を走る電車~N:9200形

2013-07-10 | 北総監獄

数日前所用で首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)へ足を運ぶ機会があり、その際には毎度の事ながらも、余りに高額過ぎる運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)を止む無く利用したものでした。

その際には今年春から走り始めた9200形と呼ばれる車両に初めて当たったものでした。


この車両は俗に「北総監獄鉄道」と呼ばれている実態のよくわからない事業者の所属となっており、車両外部には「K'SEI GROUP」のロゴこそ見受けられるものの、社名を記す表示や社紋などは見当たりません。

車体色も旧住宅都市整備公団が導入し、退役車も発生した9000形車両のけばけばしい装いに比べればまだマシとは言えども、「開発を止めた某鉄道」の同形車とは異なり、その親会社の同形車とも異なるのは、ただでさえ異例の2枚舌路線となっている路線の権利関係などを、よりいっそう複雑で分かり難いものとしていると感じます。

実態は「開発を止めた某鉄道」に所属する車両と同様に運用され、その新型車と設備や性能などは殆ど変わりないにもかかわらず、わざわざ番号帯や装いを変えるのは非常に妙な話で、おまけに車両番号を記すプレートだけ車両の装いとは釣り合いが取れず、どう見ても「開発を止めた某鉄道」の車両にしか見えない雰囲気なのは、見るからに異様な印象が否めません。


一応グループ標準仕様の新型車で、親会社でも実績のある車両を帯色と名義だけ変え、ほぼそのまま走らせていると言っても過言ではない状況ですが、客室内はドア上にLCDモニターが装備され、客ドアに黄色いカラーテープが貼られているのは、「開発を止めた某鉄道」に導入された同形車との僅かな差異と言えます。
(この差異も親会社が導入しているベース車両のマイナーチェンジが起因しており、北総監獄鉄道ならではの要素ではないのですが…)

このグループ標準仕様の新型車は、最近の首都圏では定番となっている比較的簡素な仕様の低コスト型車両の中では、居住性や内装の出来栄えなどは「まあまあ」といった所で、同じ線路を走るほぼ同年代の車両で、「ブカブカ」した座席や最近の車両らしからぬ台車を装備している紅色ステッカーをべっとりと貼り付けたステンレス車に比べれば、デザイン・内装・居住性などはずっと良好に感じたものです。

ただ車両自体がほぼ親会社そのもので、化粧板や座席モケットまで同一という有様ですので、それなら運賃も親会社(「開発を止めた某鉄道」との2重名義で、その超高額運賃に便乗している1路線を除く)そのものでも…と感じ、運賃に見合う付加価値を提供する車両とは到底言い難いものです。

おまけに「開発を止めた某鉄道」は累積赤字で…などと言いながらも、これだけの車両を導入する経費があると感心させられますが、まだ古参とまでは言い難く、居住性の面でもそこそこの9000形車両を代替しており、こんな経費をかける一方で、超高額運賃を堅持するのは一体…と感じます。

また9000形を代替しても、まだ未だに日本の地下鉄線内運行車両ではダントツのワースト車両で、消費電力量も大きく、内装も陳腐で居住性も悪い旧型車両を未だに走らせ続ているのは呆れる限りです。

仮に全国各地を探しても、他に類を見ない2枚舌路線として超高額運賃を堅持(これだけでも大問題ですが…)し、車両代替を進めていくにしても、手順が違うのでは…と感じます。

開発を止めた某鉄道」側も相応の事由があるならば、お得意の「マインド」と称した車内中吊りなどで、乗客側に納得の行く事由を示して頂きたいものですが、こんな事を感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?


九州郵船・ジェットフォイル「ヴィーナス」

2013-07-08 | 船舶[日本国内]

公式サイトへのリンクを取り扱っているリンク集(2)では、最近MAKIKYUの未乗事業者に「★」を付けて識別する改変を行っていますが、この取り組みを開始した後、「九州郵船」の社名脇から「★」マークを除去する闇更新を実施しており、もしかしたら「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、この事に気付かれた方も居られるかもしれません。

実際にMAKIKYUは先月、この九州郵船を利用する機会があったのですが、その際の目的地は長崎県の壱岐島で、九州郵船の旅客航路は福岡(博多)~壱岐~対馬(壱岐までの区間便もあり)と、唐津~壱岐の2航路を運航しています。

同じ長崎県の離島でも、五島方面は主に「九州商船」という事業者が運航しており、両者は社名も似ていますので、余所者には少々紛らわしいですが、こちらは専ら長崎港や佐世保港からの離島便を運航しています。
(博多からも「野母商船」という事業者が五島方面へのフェリーを運航していますので、少々紛らわしいのですが、九州商船で博多発着便はありません)

九州郵船と九州商船、九州本土から長崎県の離島へ向かう社名の紛らわしい2社は、共にフェリーだけでなく高速船(ジェットフォイル)も運航しています。

こんな話をすると更に紛らわしく感じる方も居られるかと思いますが、前者のジェットフォイルは「ヴィーナス」という愛称名が付けられており、博多を起点に壱岐までの区間便と、壱岐を経由して対馬まで向かう便の双方が運航されています。
(繁忙期などには、壱岐へ寄港せずに対馬直航となる場合もあります)


MAKIKYUが壱岐へ向かう往路には、このヴィーナスを利用したのですが、現在九州郵船のジェットフォイルは「ヴィーナス」「ヴィーナス2」の2艘があり、MAKIKYUが乗船したのはヴィーナスの方でした。


2艘とも装いは同様ですが、ヴィーナスは船体前部に「KAWASAKI JETFOIL F-009」と記されているのに対し、ヴィーナス2は「BOEING」と記されているのは大きな違いです。

個人的には川崎重工業ライセンス製造ではなく、ボーイング製でも929なら別に構わないのですが、ボーイングというと、つい先日も壱岐から数百km程度しか離れていない都市に拠点を置く某事業者が運航する777が、アメリカで一部旅客の死亡と言う重大事故を怠起しており、同じボーイング製でも700番台の機種は、出来ることなら極力利用したくないと感じます。

ちなみに博多港を発着する九州郵便の船は、ジェットフォイル・フェリー共に博多ふ頭(ベイサイドプレイス)を発着しており、JR九州高速船「BEETLE」など韓国行きの航路が発着する中央ふ頭(博多港国際ターミナル)とは場所が若干離れています。


両者は一応双方が見渡せる距離(写真は博多ふ頭から博多港国際ターミナルを見渡した様子です)ですが、路線バスも「博多ふ頭」行きと「中央ふ頭」行きを間違えてしまうと、両者間はシャトルバスの運行などもなく、少々面倒な事になりますので要注意です。
(徒歩でも15~20分程度を見込んでおけば、どうにかなる距離なのですが…)


博多ふ頭は先月初めて利用したものでしたが、ターミナルビルが第1・第2の2つあり、手前の第1ターミナルからは博多湾内など近距離の航路と高速船(ヴィーナス)、「壱岐 対馬 五島」という表記のある奥の第2ターミナルからは長距離フェリーが発着しており、ヴィーナス乗船の場合は要注意です。

そして博多港でヴィーナスの乗船券を購入、乗船すると程なく出航となりますが、ジェットフォイルに乗船して博多湾を航海するというのは、BEETLEやKOBEEに乗船して韓国へ旅行する時ばかりでしたので、海外旅行にでも行く様な錯覚を覚えます。

ただヴィーナスは国内航路と言うだけでなく、乗船時間も壱岐までは1時間強、対馬まででも2時間強と、福岡~釜山間約3時間のBEETLEなどに比べると乗船時間が短い事もあり、船内設備などは類似点も多いものの、今までに乗船したセブンアイランド(東海汽船)やぎんが(佐渡汽船)などと同様に、全体的に簡素な印象を受けます。


座席は特別席のないモノクラス、リクライニング機能はなく、1階席(青系統)と2階席(赤系統)でモケットが区分されているのが大きな特徴です。

有名な某デザイナーが絡み、ドーンと強烈な個性を放つJR九州グループの同型船などに比べると、全体的に機能重視で簡素な印象を受けます。


1階席後部に売店スペースが設けられているのも大きな特徴で、この点は海中生物衝突対策で売店撤去→ワゴン販売に切り替えたBEETLEが、売店撤去前は船室前方で売店営業を行っていたのとは対照的です。

またBEETLEでは改装を伴う売店撤去後、グリーン席として運用している1階前方区画も、モノクラスだけあって他区画と同じ座席が設置されており、この点はMAKIKYUが以前乗船した事がある東海汽船や佐渡汽船のジェットフォイルと同様です。


1階最前部区画は、東海汽船では前面窓ガラスを塞いでいるのですが、九州郵船では佐渡汽船と同様に前面展望が堪能できる「展望席」となっており、ヴィーナスは定員制になっているものの、座席指定制ではない為に任意の空席に着席する事ができます。

乗船時は時間帯の関係もあってか、比較的利用が少なく多数の空席がありましたので、MAKIKYUはこの展望席で壱岐までの1時間を過ごしたものでした。

乗船日は天候も決して良好とは言い難く、船体も多少揺れる可能性が…という案内もあったものの、さほどの揺れもなく1時間の航海はあっと言う間に過ぎ、壱岐入港となりますが、ヴィーナスでは1階・2階双方に出入口が設けられているものの、乗下船は博多・郷ノ浦共にBEETLE(出入口は1階のみに設置)などと同様に1階からとなります。
(東海汽船「セブンアイランド」では、乗下船は基本的に2階からとなっています)

壱岐では便によって郷ノ浦港と芦辺港に発着港が分かれていますので、特に壱岐から乗船する際などは、間違えて他方の港へ行ってしまう事がない様に注意が必要です。
(両者は10km以上離れており、路線バスでも30~40分程を要し、その運行便数も限られています)

ジェットフォイルに乗船しての壱岐初上陸は、博多からはかなり近いと感じましたが、一応小型プロペラ機による長崎空港発着の航空便は存在しているものの、直接長崎県本土との間を直結する旅客航路が存在しない事もあり、対馬と同様に長崎県と言うのが意外な印象を受けます。

壱岐の北に位置する対馬は、島の東脇を何度もジェットフォイルで通り過ぎており、姿は何度も見ているのですが、まだ未訪の地ですので、壱岐へ足を運んだら今度は対馬にも…と感じています。

そうなると個人的には更に北を目指したいと感じ、かなり大掛かりな旅行になります。

彼の地へは所要時間だけでなく、旅費の面でも福岡から直接向かった方が経済的で、MAKIKYUの手元にあるパスポートの日本出国・帰国スタンプは、過半数(更新前パスポートへの押印も含む)が「HAKATA」のスタンプという状況ですが、一度位は古の時代から続くルートを辿ると共に、長崎県からの出国(或いは長崎県への帰国)もしたいと感じています。
(ただ長崎県からの出国(或いは長崎県への帰国)も、大村市内某所の利用だけは、個人的には勘弁願いたいものです)

MAKIKYUの周囲には、ジェットフォイルでの海外渡航が可能な事を知らず、その話をしただけでも驚かれる事もしばしばで、知っていても利用した事が内という声が圧倒的多数なのは、少々残念な話なのですが…


高速道路走行中のバスや、航空機などで相次ぐ事故発生の報を聞くと…

2013-07-07 | ニュース記事講評

ここ数日、日本国内では高速道路を走行中の観光バスや、高速路線バスで乗務員が突然気を失い死亡、そして乗客が運転席に入り込んでバスを停車させるというニュースが次々と報じられており、ご存知の方も多いかと思います。

この種の事故の中には、小規模観光専業事業者と高速ツアーバスだけでなく、大手系列事業者(東武系の東北急行バス)も含まれています。

事故発生状況や運行管理体制などに関しては、現在報じられている情報を元に推測する限りで、完全に断定はできませんが、昨年関越自動車道で特別重大事故を怠起し、営業許可取り消しとなった千葉県印西市の悪徳事業者・陸援軍(針生エキスプレス)の如く、何時重大事故が発生しても不思議ではないと言える、杜撰極まりない運行管理体制によって生じた「人災」とは性質が異なると思いますが、亡くなられた乗務員の方の冥福を祈ると共に、負傷された乗客の方々の早期回復を願いたいものです。

また夜間高速バスの事故では、高速ツアーバス、高速路線バス共に交代要員は居ても基本的に「ワンマン運行」となっており、鉄道の様に決まった軌道だけを走り、速度超過や誤通過防止装置などもありませんので、乗務員(人間)のマンパワーに頼る部分が大きい事を改めて実感させられます。

相次ぐ事故の報を聞くと、万一乗務員に不測の事態が生じた時には…と思うと、大型2種免許持ちの熟練運転者や運行を担い、法令に則った運行管理を行い、対人賠償無制限の保険に加入している大手・中堅事業者のバスと言えども…といった所で、日頃安全・迅速に運行していて当り前の印象がある各種公共交通機関も、多数の現業従業員による不断の尽力によって成り立っている事を改めて実感させられます。

高速道路を走行するとなれば、特に高速で運行→事故発生時の被害・影響も多大な事から、一般路線と高速路線バスの双方を運行する事業者では、ある程度一般路線で経験を積んだ熟練者を選抜して乗務する事も多く、一般路線でも安全度は、運転者に初心者や高齢者を含む自家用車の比でない(某大手バスの車内では、事故発生率は自家用車の838分の1という告知を見かけた事もあります)ですが、それでも不幸にもニュースで立て続けに報じられている突然の事案が起きた場合には、運転者(乗務員)が事故を防ぐ事はできません。

そのため乗客が運転席に入り込み、高速道路を走行中のバスを路肩に停車させるといった、本来はあってはならない事も生じており、運行経費などを懸案するとツーマン運行はまず不可能な状況では、万一の状況に備えて運転席近くの座席で…といった事にもなりかねません。
(MAKIKYUも一応大型2種免許持ちの身ですので、停車しているバスを路肩などに移動させる程度であれば、相当旧式のバスや連接車などの特殊車両でもない限りは、何とかなるのですが…)

こうなると昼間時間帯に2~3時間程度乗車する昼行便はともかく、車内就寝が前提の長距離夜間高速などは、バス運転可能な知人同行で乗車し、一方が常に起床している状況でもなければ…となってしまい、ただでさえ座席で夜を越す=体力消耗度が大きい夜間高速バスは尚更…という状況です。
(ちなみに中国などでは長距離夜行便で「寝台バス」も運行していますが、これは現在の日本では禁止されています)

特に昨年の関越自動車道特別重大事故で問題となった「高速ツアーバス」などは、運賃の安さを実現させている要因の一つに、運行管理体制の違いもあり、余程止む無き理由がない限りは、個人的には利用自体が…といった所で、現にMAKIKYUは高速ツアーバスを見かける機会は多いものの、利用した事はありません。

それでも観光バスや高速ツアーバスなどを含む高速道路走行中のバスであれば、まだ不測の事態が生じても、不幸にも乗客として乗車していた場合に、最悪の事態を回避する術は…と言えます。

この他にも今日起床したらアメリカ・サンフランシスコでアシアナ航空・B777型機の着陸事故も報じられており、こちらは複数の乗客死亡、そして多数の重傷者を含む負傷者発生と言う、公共交通機関においては最もあってはならない事が起きています。

ただでさえ飛行機嫌い、尚且つ旅の道程に効率性だけでなく、時には非効率でも道程を楽しむ事に重きを置いているMAKIKYUは、不要不急の旅行で首都圏~九州や北海道程度であれば勿論、沖縄や韓国程度へ足を運ぶ際にも利用を避けており、飛行機を利用しなければ足を運べない土地ともなれば、不要不急の旅行で足を運ぶのは…という程ですが、遠方へ足を運ぶ際には、急用等で止む無く航空便を利用せざるを得ないという方も多いかと思います。

時折空港内や空港周辺で航空機が離陸する姿を見ると、その度に凄まじいエネルギーを費やしており、万一の事があったら…と感じ、何事もなく飛び立っても、何の支えもなく機体が左右に揺れながら、あっという間に遥か彼方へ消えて行く様は、決して気分の良いものではないと感じます。

最近はネット上でも、航空機の離陸時や着陸時、水平飛行中の様子などが動画配信されているのを散見しますが、滑走路を凄まじい勢いで加速して離陸、凄まじい勢いで機体が大地から離れて上昇し、瞬く間にかなりの高度へ至った途端に速度感がなくなり、フワフワと機体や翼が揺れているのも、個人的には決して心地よいものではありません。

水平飛行中も乱気流で機体が揺れ、急降下など予期せぬ動きをするとなれば、滅多な事では不測の事態にはならないと言われても…という所で、そうでなくても眼下に雲が見え有様は、自然界における人間の本来置かれている状況とはかけ離れており、天に召されている様に錯覚される方も居られるかと思います。

そして今回のアシアナ航空事故が発生した着陸時は、離陸時と並び航空事故の大半を占め、「魔の11分」などと呼ばれていますが、上空から見れば猫の額以下としか言いようがない細い滑走路へ無事着陸し、機外へ出る事ができてようやく地獄の一時から「放免」と言った所かと思いますが、それまでは搭乗時から早く、そして場合によっては「安く」移動するためだけに、ずっと不快な状況に耐え続けなければならないのは、個人的には相当な忍耐を要する事と感じます。

ましてや「エコノミークラス症候群」という言葉も登場する程劣悪極まりなく、安く移動する為だけに極めて狭い空間に詰め込まれ、家畜以下の扱いを受けるといっても過言ではない「エコノミークラス」のへ搭乗ともなれば、尚更悲惨なものかと思いますし、高額運賃を要する上級座席なら空間の広さなどは随分「マシ」とは言えども、これも航空機で離陸→水平飛行→着陸という忍耐を要する事は同一です。

航空機の場合は、搭乗中は自然界における人間の本来置かれている状況とはかけ離れ、個人的には不自然で個人的には不快極まりないと感じる状況に耐え続けなければならない事に加え、運航管理体制などは相当厳重にはなっているとは言っても、何らかの不測の事態が生じても高速道路走行中のバスなどとは異なり、自力ではどうする事もできないのも辛い所です。

今回発生したアシアナ航空事故では、1985年8月に日本中を震撼させ、MAKIKYUも1日たりとも忘れる事がない、群馬県上野村で発生した「日航機墜落事故」の様に、異常発生から長い間操縦不能のまま上空を彷徨い続け、何時最悪の瞬間が訪れるかを覚悟しつつ地獄の時を過ごし、そして地表に激突して凄惨な状況になった事などに比べれば、まだマシかもしれませんが、不幸にも亡くなられた乗客の方にはこの場で冥福を申し上げると共に、多数の重傷者を含む負傷された方の早期回復を願いたいものです。

また同じ朝鮮半島の航空事業者では、運航管理体制や使用機種などに大きな問題を抱え、EU飛行禁止勧告の下されている高麗航空などであれば、この様な事故が何時報じられても不思議ではない気もしますが、アシアナ航空・B777型機ともなれば、運航管理体制や使用機種などで、特に大きな問題を抱えている事業者ではないかと思いますので、それでもこの様な事故が生じた事は、驚かれている方も多いかと思います。

今回の事故は日本発着路線ではありませんが、アシアナ航空やB777機ともなれば、日本でも利用機会のある方は多いかと思いますし、安全性や事故率などを懸案してこれらを選んで利用している方にとっては、衝撃も大きいかと思います。

まだ詳細な事故原因などは報じられておらず、個人的にはボーイングで929以外の機種には、不要不急の用件で進んで乗る気にはなれませんが、今後原因究明と共に再発防止策が講じられ、再び同種事案を耳にする事がない事を願うばかりです。