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木下線・今月限りで路線廃止に~公共交通不毛の地として知られる北総監獄が更に…

2009-03-31 | 北総監獄

   

東京都心から30km程度の場所に位置し、都心から電車で約1時間と言う距離でありながらも、公共交通機関の不便さで知られる北総監獄(千葉ニュータウン)は、MAKIKYUも不本意ながらこの地に幽閉されていた時期があり、この事もあってその惨状などは、既に「MAKIKYUのページ」でも幾度か取り上げています。

また「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、実際に北総監獄へ足を運ばれ、その惨状に驚いている方や、驚きを通り越して呆れている方も居られるかと思いますが、今日限りでこの公共交通不毛の地である北総監獄を走る路線バスの一つで、このエリアを基盤としており、「北総監獄から拡がる虹色網」をモットーとしているバス事業者の「木下(Kioroshi)線」と呼ばれる路線が廃止となります。

この路線はJR木下駅~白井車庫[~白井駅]を結び、大半の区間は木下街道を走るこの路線は、同社の運行する白井線(西船橋駅~船橋法典駅~馬込沢駅~鎌ヶ谷大仏駅~白井駅[~白井車庫])と乗り継ぐ事で、西船橋から木下までバスのみで移動できる事でも知られ、北総監獄を構成する自治体の中では比較的規模の大きい印西・白井両市を結ぶ役割も果たしています。
(運行区間の[ ]内は一部便のみの運行区間を示しています)

とはいえ元々公共交通不毛の地で自家用車利用が多い上に、近年では印西・白井両市共に木下線とかなりの区間で並行するコミュニティバス(これも印西市のバスは「北総監獄から拡がる虹色網」をモットーとしているバス事業者が運行受託しており、白井市のバスも一部は同社が運行受託しています)が運行されており、コミュニティバスの割安運賃(印西市の場合は100円均一)に対して初乗り160円~の対キロ運賃(整理券方式)は割高な事(木下駅~清戸道(印西・白井市境:北口循環線木刈4丁目停留所とも至近距離)間で380円など)もあり、運行本数も決して多いとは言えないにも関わらず、近年は利用が非常に少ない状況が続いていました。

そのため千葉県内で強大な影響力を持つ大手私鉄がこの路線を運行していた頃や、「北総監獄から拡がる虹色網」をモットーとしているバス事業者が発足した頃には、主に専属の中型車(現在は廃車)が充当(随分前には大型車が充当された便に乗車した事もありますが、近年では西船橋駅を発着する白井線ですら大型車を見かけない状況です)されていたこの路線も、近年では小型車やマイクロバスを見かける事が多くなり、それも昼間は運行間隔が2時間程度開くにも関わらずバスの様子を見るとガラガラという有様でした。

こんな状況では廃止の報を聞いた時も特に驚かず、遂にその時が来たか…と感じたもので、木下線廃止で印西市内の木下街道沿い(永治地区など)は、今後公共交通機関がコミュニティバスのみに限られる事になりますが、木下街道を走るコミュニティバスは朝の木下方向へ向かう便と、夕方の木下方向からの便が増便され、辛うじて永治地区などから近隣の高校へ通う学生の足などは確保される状況です。

とはいえ木下駅から電車に乗り換えて少々遠方の学校へ通う木下線沿線の学生や、白井市内から木下及び成田線沿線の学校へ通う学生の交通手段確保といった観点では課題が残り、コミュニティバスのみとなる事での運行本数の大幅減便や、運行時間帯の大幅縮小などは大問題です。

その上木下線と白井線の両便が運行している白井駅~白井車庫間では、今後白井線の便のみが既存ダイヤで運行されますが、木下線廃止に伴う白井線のダイヤ改正などはありませんので、同区間では今後バスの運行時刻が入出庫時間帯に偏り、時間帯によっては何時間もバスが来ない事態が生じる事も大問題です。

それに自治体跨ぎとなる白井駅周辺から木下へ向かうには、木下線利用以外では他自治体を経由してかなりの大回り&2回以上の乗り継ぎを強いられる鉄道乗り継ぎや、北総監獄中央駅での鉄道・バス乗り継ぎのいづれも不便極まりない上に、コミュニティバスは印西・白井両市内のみの移動ならまだしも、両市のバス間での乗り継ぎは考慮されていないだけに、こちらも大問題です。

こんな事態が過疎化の深刻な地方の山村などではなく、東京都心から30km圏エリアで生じる事は異常で、ただでさえ公共交通不毛の地として知られる北総監獄の公共交通事情が、更に悪化する事になりますが、北総監獄の服役囚(住民)ですら木下線廃止を知らず、地域の公共交通が置かれている実情を把握していない人物が多く、北総監獄服役囚の公共交通に対する意識の低さも、非常に困ったものだと感じたものです。

写真は木下線で「北総監獄から拡がる虹色網」をモットーとしているバス事業者が発足した頃に活躍した中型車(現在は廃車)と廃止の告知、木下線運行時刻表(清戸道バス停:木下駅方向)と4月1日からの増便が書き加えられた印西市コミュニティバス運行時刻表(木刈4丁目:西ルート)です。


真っ赤になった小田急1000形~主に登山線運用に充当される奇抜な存在

2009-03-28 | 小田急グループ

ここ数日更新の無かった「MAKIKYUのページ」ですが、今は青春18きっぷシーズン真っ盛りと言う事もあって、ここ数日MAKIKYUは関西方面などへ出向いていました。
(今後も旅行予定などがあり、18きっぷシーズンが終わる頃まで更新頻度が低下すると思いますが、ご了承頂ければと思います)

今回関西方面などへ出向いた際には、青春18きっぷ利用では定番ともいえる全車指定席の夜行快速列車・ムーンライトながら号(先日のダイヤ改正で残念ながら臨時列車に格下げとなってしまいましたが…)も利用したのですが、現在下り(大垣行)の日付変更駅は現在小田原駅になっています。

首都圏各地から同列車で西を目指す場合、東京や横浜などから小田原まで別途JR線の乗車券を購入し、そのまま乗り通す方法もあるのですが、MAKIKYUは今回小田原まで小田急線を利用し、小田原駅でムーンライトながら号に乗車する行程でした。
(JRに比べて小田急の運賃は割安ですので、この方法は都心方面からでも有用です)

随分前置きが長くなってしまいましたが、小田原まで小田急線を利用した際には、最近走り始めた真っ赤な装い(ラッピングの様ですが…)の1000形電車にも初めて遭遇し、この車両は先日のダイヤ改正から走り始めているのですが、主に箱根登山線内を走る列車にほぼ専属で充当する事もあって、箱根登山鉄道の車両に準じた装い(これも姉妹提携しているスイスの山岳鉄道の装いをイメージしたモノですが…)となっているのが特徴です。

また1000形はステンレス製車体の車両で、コルゲートが目立つ初期のステンレス車では無いものの、最近のビードなしではなく、何本かのビードが存在する車両ですので少々違和感があります。

鋼製車体の通勤車両をこの装いにした方が…と感じる方も居られると思いますが、1000形の真っ赤な装いは、MAKIKYUとしては内外共に特徴的なデザインの車両を数多く走らせているJR某社の改装車両(リニューアルで真っ青になったステンレス車体の振子式電車をはじめ、真っ赤な装いの特急形気動車などが存在しています)を連想させられるものです。
(こんな事を感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?)

ただ真っ赤になった1000形は、派手な外観とは裏腹に車内は全くと言って良いほど手が加えられておらず、せいぜい箱根登山鉄道(登山電車・ケーブルカー)や接続するロープウェーの路線図(小田原~箱根湯本間は「小田急電車」と表記されているのも特徴です)が掲出されている事が、他の1000形との違いと言った所です。

それどころか車体すらも乗客の目に届き難い妻面(最近は転落防止幌が装着されている事もありますので…)はシルバーのままと言う状況でしたので、箱根登山線を走る電車である事を、一般客に分かりやすくする事に割り切ったモノと感じたものです。

ちなみにこの装いの車両は、専ら箱根登山線内と小田原~新松田間で運用する旨が小田急HPでも告知されたものですが、MAKIKYUがこの車両に遭遇したのは、23時台に本厚木を発車する4両編成の小田原行各駅停車でした。

新松田以東での4両編成列車は、現在極僅かな列車に限られていますが、この列車は始発の本厚木で各駅停車(8両)と特急ロマンスカーの接続を受けて発車し、リンク先サイト様の中でも、本厚木周辺では短い編成故に「非常に混雑して厄介な列車」として取り上げた方が居られる程です。

見ている分には異色の存在として面白く、運行時間もムーンライトながら号への接続には申し分なしですが、新松田で急行(10両編成)に追い抜かれるダイヤになっていますので、乗るなら新松田以遠に留めるのが懸命です。

さすがにこの車両が急行などで他車両と併結し、新宿などに顔を出す可能性は極めて低いと思いますが、入出庫の関連などで新松田以東を営業運転する列車は、僅かとはいえ定期的に存在する模様(これも運用上の関係で必ずとは言えませんが…)で、MAKIKYUはこの奇抜な装いの車両に思わぬ所で初遭遇となりました。

この装いの車両は他の小田急通勤車に比べて非常に目立ち、ユニークな存在ですので、登山線内列車や関連する運用だけでなく、それ以外の場面(6両編成の他車両と併結しての優等列車での運行や1000形一般塗装4両と併結した8両編成、各種イベントでの展示など)に登場する姿も見てみたいとにも期待したいと感じたものです。


JR東日本・快速すいごう号~ニューなのはなで運転される臨時快速

2009-03-23 | 鉄道[首都圏・JR]

  

昨日は青春18きっぷを利用し、MAKIKYUにしては珍しく知人を連れて(MAKIKYUが遠出する際は、9割は単独行動ですので…)銚子へ出向いていました。

その際横浜市内の某駅で知人と朝集合した後に、指定席自動券売機で「快速すいごう号」の当日空席状況を照会したところ、普通車・グリーン車共に「○」表示(空席)と言う状況でしたので、快速すいごう号指定席券(普通車)を購入、乗車しましたので、今日はこの列車に関して取り上げたいと思います。

「すいごう号」という名称を聞くと、かつて成田線周りで都心と銚子を結ぶ特急列車(特急としての運転区間は佐原までで、末端の佐原~銚子間は普通列車扱い)でこの名称が用いられていました(現在は鹿島線方面へ向かう特急列車と同じ「あやめ」に統合)ので、こちらを連想する方も多いかと思います。

これに対して「快速すいごう号」は、昨年初めて設定された臨時列車で、都心方面~銚子間を成田線経由で結ぶ運行経路は、かつての特急時代のリバイバルとも言えます。

ただ使用車両も一応特急形電車に分類される車両(485系)を用いているとはいえ、千葉地区を拠点に活躍するお座敷電車ですので、一般の特急車両とは様相が大きく異なっています。

1月にMAKIKYUが「南房総水仙まつり号」に乗車した際にも、この車両に関して取り上げていますが、座席状態として使用する際は、ボックス席という事もあって特急として使うには…と感じたものです。

この設備面に加え、房総地区は全般的に特急も俊足とは言い難く、実質的に設備料金化している実態を踏まえると、快速として運転する事は妥当と言え、青春18きっぷ通用期間であれば、同きっぷに指定席券を追加するだけで乗車出来る事はあり難いものです。

「快速すいごう号」の編成も、昨年運転された際には6両全車が普通車指定席(全車ボックス席)として運転されたのに対し、今年は2両がお座敷状態(残り4両がボックス席の普通車)で使用され、この車両はグリーン車指定席扱い(青春18きっぷでの乗車は不可)となっているのも特徴です。

ボックス席とお座敷の2形態で使用できる「ニューなのはな」も、通常はどちらか一方で統一して運用されますので、両者が混在した状況での営業運転は珍しく、この点は非常にユニークです。

お陰で青春18きっぷを使って「快速すいごう号」に乗車していながらも、銚子駅到着時にお座敷の様子を観察できたもので、お座敷状態の際も通路部分は畳が敷かれず、ここにテーブルを設置して堀ごたつの様になっている様子を見る事が出来ました。

また快速すいごう号の車中では、インクジェットプリンターで印刷したと思われる成田車掌区手製の乗車証明書(乗車日付に入った検札スタンプ入り)が配布され、これは1月に乗車し、同じ「ニューなのはな」で運転された「南房総水仙まつり号」ではなかった事ですので、予想外の収穫でした。

この乗車証明書には「運転区間:新宿⇔成田⇔銚子」と記されており、乗車証明書と共に「にゅーなのはな」宣伝入りのポケットティッシュも配布されましたが、乗車証明書に記す運転区間を単純に「新宿⇔銚子」とせずに、敢えて成田周りである事を強調しているのは、成田車掌区ならでは…と感じたものでした。

「快速すいごう号」の運転は今年で2回目となり、また来年以降も設定されるのかも気になりますが、日頃は団体臨時列車での運用が主体で、一般にはなかなか乗車機会のない「ニューなのはな」に比較的容易に乗車できる機会であると共に、成田線方面は特急も少なく、華やかさに欠けると感じるだけに、今後「快速すいごう号」の運転が毎年恒例となる事に期待したいものです。

写真は銚子駅到着時の快速すいごう号(ニューなのはな)と、お座敷状態となった車内の様子、車内で配布された2009年快速すいごう号乗車証明書です。

あと以前1月に「南房総水仙まつり号」に乗車した際にも、「ニューなのはな」に関して取り上げていますので、興味のある方はこちらもあわせてご覧頂けると幸いです。
(こちらの記事では、ボックス席状態の車内の様子などを取り上げています)


JR四国 2000系気動車「TSE」~登場から20年が経過した振子式気動車

2009-03-21 | 鉄道[四国]

  

先日「MAKIKYUのページ」では、JR四国2000系気動車の中でも、「アンパンマン列車」と呼ばれるキャラクター列車に関して取り上げましたが、同系は四国各地の一部を除く特急運行線区で見られ、四国では非常にありふれた存在と言えます。

その中でも、「TSE」(Trans Shikoku Experimental)と呼ばれる試作車両は、その後登場した量産車とは様々な差異がある事から、同系の中でも異端車として知られています。

TSEは1989年に3両1編成が製造され、世界初の振子式気動車として知られると共に、制御付振子式車両としても日本初の存在であり、この車両によって得られた実績を元に、その後国内各地で気動車をはじめとする制御式振子を採用した車両が登場していますので、技術的な貢献度も相当なものがあります。

TSEは登場当初こそ1編成しか存在しない事もあり、臨時特急列車としての運用に留まっていたものの、その後2000系量産車が登場してからは、量産車と仕様を合わせる改造を行った事もあり、量産車と併結しての運用も見られましたが、何度かの転属を繰り返したTSEも近年は松山に配属され、現在は専らTSE単独で一部の特急「宇和海」号(3両編成・グリーン車なし)で運用されており、愛媛県内の地域輸送に徹する状況となっています。

MAKIKYUも先月四国を訪問した際は「宇和海」号にも乗車する機会があり、その際にはTSEに遭遇する事も出来たのですが、この車両は装いこそ他の2000系量産車と同じステンレス地にコーポレートカラーの水色ながらも、2000系の非貫通形先頭車では唯一グリーン車が設けられていない事や、貫通型先頭車も他の2000系とは大きく異なる形状をしているなど、見るからに異様な雰囲気を放っています。

その上TSEに先頭車は非貫通型・貫通型の両者とも量産車と異なり、前面に黄色帯が入っていないのも特徴で、側面の行先表示部分も異なるなど見た目は他の2000系気動車とは大きく異なりますので、一般客には「アンパンマン列車」の様にインパクトのある車両には映らないかもしれませんが、MAKIKYUとしては随分異様な車両に感じたものでした。

このTSEは気動車ながらも電車並み、それどころか下手な在来線特急車両をも凌ぐ性能を誇っており、もう登場から20年も…と感じる程です。

ただ車内の様子などを見ると、大きなリニューアルなどが行われていない事もあって、やや草臥れた印象を受けたのも事実で、この事はTSEに限らず2000系気動車全般に当てはまりますが、8000系電車の様なリニューアルでも行えば今日でも決して見劣りしない車両だけに、今後の活躍にも期待したいと感じたものです。

写真はTSEの外観(非貫通型/貫通型)と車内の様子です。


JR四国2000系気動車「アンパンマン列車」・車内の様子

2009-03-18 | 鉄道[四国]

  

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げたJR四国2000系気動車「アンパンマン列車」ですが、この装いの車両が登場した頃は外観の変更のみに留まっていたものが、近年になって車内も改装されています。

その内容は座席モケットの交換をはじめ、カーテンや化粧板がアンパンマンなどの柄に取り代えられると共に、天井までキャラクターのデザインになるなど、車内もアンパンマンとその仲間達で溢れる状況になっており、「乗ってしまえば他の車両と大差なし」という運行開始当初とは状況が大きく変化しています。

ただ2000系気動車はアンパンマン列車と言えども、一般の定期特急列車として運転されており、特定の旅客層を対象とした専用の団体臨時列車などではありませんので、さすがに全車両をアンパンマンで溢れる状況にしてしまうと…という事もあるのか、グリーン車/普通車合造の非貫通型先頭車(宿毛・宇和島方)の普通車部分のみがアンパンマン仕様となっており、この部分の座席は4列計16人分のみとなっています。
(余談ながら過去にJR他社で運転され、「ポケットの中から様々な道具が飛び出す猫型ロボット」で知られるキャラクターを用いたこの手の列車は、MAKIKYUはその姿を見ただけで乗車機会はなかったものの、純粋に列車やキャラクターだけをターゲットにした専用の臨時列車として運転されており、行先駅もそのキャラクターが溢れていた様です)

この区画は「アンパンマンシート」と呼ばれており、普通車指定席として運用されているこの区画は、空席があれば購入時に希望を出す事も出来ますが、一方で特に希望を出さなくてもこの区画が充てられる事もある様で、MAKIKYUがこの客室内を視察した際は家族連れと見られる乗客は比較的歓迎している雰囲気だったものの、スーツ姿のビジネスマン風乗客は車内の雰囲気に困惑している様な様子でした。

ちなみにMAKIKYUは先月四国を訪れた際にアンパンマン列車に乗車した際は、「バースデイきっぷ」を用いていた事もあり、日頃は滅多に乗車機会がないグリーンを利用しており、アンパンマンシートとは仕切りを隔てただけで同じ号車に乗車していました。

こちらは特に改装などはされておらず、座席そのものは極めて広く、車内の雰囲気はよく言えば落ち着いているものの、背面がFRPの座席などはやや質素な印象を受けると共に、雰囲気もやや暗く感じたものです。

JR四国では近年8000系電車がリニューアルされ、グリーン車や普通車指定席のグレードが随分向上しているのに比べると、この状況はやや見劣りすると感じたもので、近い将来の改装予定はないものか…と感じたものでした。

写真はアンパンマンシートとその客室内の様子、同じ号車でも区画を隔てて対照的な雰囲気のグリーン車内の様子です。


メガライナー・またも火災事故~4台しかない車両にも関わらず

2009-03-17 | ニュース記事講評

昨日大阪→東京へ向かっていたJRバス関東の夜間高速バスが、静岡県内で火災を起して全焼した事は、既に様々なニュースなどで報道されていますので、ご存知の方も多いかと思います。

今回の火災では、乗客・乗員に負傷者などが発生しなかった事が、不幸中の幸いですが、事故車両が日本国内では4台のみの導入で、全長15mという巨大さ故に走行経路も限定され、特認で運行されているドイツ製の2階建て車両「メガライナー」であった事も盛んに報道されています。

この車両は2000年に1台が導入、その後3台が追加で導入され、当初は東京~つくば間の路線でJRバス関東、ついで同線を共同運行する関東鉄道でも使用されました。

つくばエクスプレス(TX)開業後は同線からは退き、東京~大阪間の夜間高速便・青春メガドリーム号用に転用されると共に、関東鉄道が使用していた車両は西日本JRバスが使用している事は「MAKIKYUのページ」でも取り上げた事があり、ご存知の方も多いかと思います。

この「メガライナー」は極めて特殊な輸入車両で、走行経路も限られるが故に、国内では4台のみの存在であるにも関わらず、昨年西日本JRバスの青春メガドリーム号で火災事故を起して車両全焼になったのに続き、またも火災による全焼という事は異常ともいえ、運行事業者が異なるとはいえ、極少数しか走っていない「メガライナー」が立て続けに火災を起しているという事は、車両自体に何らかの重大な欠陥があるのでは?と感じてしまいます。

現段階では火災発生原因も公表されておらず、残る2台の車両も当面運行を見合わせる旨がJRバス関東HPに、事故発生のお詫びと共に掲載されている状況ですが、今後「メガライナー」や、同車を使用しての格安夜行便「青春メガドリーム号」の運行自体が続けられるのか否かも気になる所で、運行再開するとすれば、今後同種の事故が再発しない事を願うばかりです。

写真は以前東京~つくば間の路線で関東鉄道が使用していた「メガライナー」(現在関東鉄道ではメガライナーを使用しておらず、この装いのメガライナーを見る事は出来ません)です。


JR西日本・急行「つやま」号~この列車の運行も今日までですが…

2009-03-13 | 鉄道[中国]

明日JRグループ各社ではダイヤ改正を迎え、各地で都市圏輸送の更なる強化などが行われることが盛んに報じられていますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方もご存知の方が多いかと思います。

今度のダイヤ改正ではその一方、永年運転されてきた列車の廃止や臨時列車への格下げなども行われ、東京~九州を結ぶ寝台特急の中で最後の1本になってしまった「はやぶさ・富士号」の列車設定廃止や、割安な運賃・料金で遠距離を移動できる事で青春18きっぷ利用者から根強い人気を誇る夜行快速列車「ムーンライトながら号」「ムーンライトえちご号」の臨時列車化(これに関しては今年春の青春18きっぷ通用期間中は毎日運転されますので、今年春に限ればさほどの実害はないのですが、今年夏以降の運転日設定が気になります)は盛んに報じられています。

これらの列車に関しては「MAKIKYUのページ」でも以前取り上げていますので、興味のある方は以前公開した記事も参照して頂ければ幸いですが、今度のダイヤ改正では首都圏を発着するこれらの超有名夜行列車だけでなく、岡山県の津山線を走る急行「つやま号」の廃止も一つの話題と言えます。

急行「つやま号」はかつて因美線と共に陰陽連絡ルートを形成していた頃に、岡山~鳥取間を直通運転していた急行「砂丘号」が、智頭急行線開業後に特急「いなば号」(現在は車両取替えで「スーパーいなば号」となっています)運転されるのに伴って廃止された代わりに設定された列車で、岡山~津山間で1往復だけ設定された列車です。

急行「砂丘号」廃止後も1往復の急行「つやま号」以外は普通列車というのでは利便性が大きく低下する上に、岡山~津山間はそれなりの需要がある事から、他に快速「ことぶき号」も設定され、この列車の運行も今日まで続いていますが、こちらも運行開始当初は一部指定席を設定していたのも思い出話です。

急行「つやま」号も運転開始当初は、急行「砂丘号」で使用していたキハ58系列の車両を用いており、この車両は独自塗装を纏うだけでなく、優等列車向けに車内設備が大幅に改善されており、グリーン車も連結されるなど、設備面では普通・快速列車との差別化が図られていました。

そのため停車駅や所要時間は快速「ことぶき号」と大差ない列車ながらも、急行列車として特別料金を徴収するのに相応しい存在と言え、その上津山~智頭間を普通列車扱いとして直通運転していましたので、辛うじて陰陽連絡列車とみなす事も出来る状況でしたので、明らかに快速「ことぶき号」とは別個の存在と感じるものでした。

しかし近年では老朽化でキハ58系列の運用離脱が相次ぎ、かつてJR非電化線区の過半数で嫌でも姿を見かけるほどの存在だったこの車両も、今やその姿を見かけただけで多大な注目を集める程の存在になっていますが、急行「砂丘号」用にグレードアップされた車両も古参車故に引退を余儀なくされています。

その後の急行「つやま号」は現在JRの非電化線区では最もありふれた存在とも言えるキハ40系列の車両が充当され、これもかつてJR北海道で運転されていた急行「宗谷号」などで使用されていたキハ400形と呼ばれる車両(MAKIKYUも一度だけ乗車した事がありますが、現在この車両は存在しておらず、一部が別用途に改造されて残存しています)や、ワンマン運転を行う事でも注目を集めたJR九州の特急「はやとの風号」(設備面は非常に特徴的ですが、ダイヤなどは特急と言うには疑問符が付く存在で、この列車の特急料金は急行料金よりも安価に設定されているとはいえ、優等列車としての速達性ではなく、設備面での付加価値である事を強く実感させられたものでした)の様に、優等列車向けに車内設備を改めた車両でも用いていれば良かったのですが、それは叶わずに普通・快速列車と同様のセミクロスシート(ドア付近などにロングシート有り)でつり革の姿も散見される車両での運転となっています。

そのため所要時間や設備面で快速「ことぶき号」と大差ないにも関わらず、1往復の急行「つやま号」だけが急行料金を別途必要とする状況になり、「青春18きっぷ」では乗車できないなど不便極まりなく、近年は列車設定意義自体が疑問視される状況でした。

これに対してJR西日本としては、急行「つやま号」にはキハ40系列でも快速「ことぶき号」で用いられている片運転台・両開きドアでワンマン運転設備も搭載したキハ47形ではなく、JR西日本では少数派の片運転台・片開きドアでデッキと客室が区分されたキハ48形(同形も現在はワンマン化改造でデッキを廃止した車両が多いですが…)をわざわざ山口から転属させて優先的に運用していますので、全くの無策ではなく、一応急行としての差別化を図っていたとも言えます。
(写真も1両目は快速「ことぶき号」などで用いられるキハ47形ですが、2両目はキハ48形です)

このキハ48形は近年更新工事も施工されている車両ですので、国鉄時代の急行列車などに比べれば…とも言えますが、設備面ではキハ47形と大差なく、山口からの車両転属も設備面の差別化という観点では「焼け石に水」と言っても過言ではなく、ボックスシート主体の座席は岡山地区の電化区間各線を走る普通列車用車両(最近は転換式クロスシート車に遭遇する頻度がかなり高い状況です)に比べても見劣りするのは否めない状況でした。

そのため今度のダイヤ改正で急行「つやま号」は、快速「ことぶき号」に統合される事になり、JR各線で定期運転される昼行の急行列車自体が消滅する事や、津山線から優等列車の姿が消える事を惜しむ声も聞かれますが、快速「ことぶき号」への統合は列車設定を実態に合致させて利用しやすくなるという観点では、個人的には大いに評価出来るものと感じています。

また快速「ことぶき号」への一本化で、わざわざ少数派のデッキ付き車両を優先運用する必要性もなくなると共に、急行料金徴収のためにわざわざ車掌を乗務させる必要もなくなり、ワンマン運転を行う事も容易になります(急行「つやま号」を置き換えたダイヤの列車が今度のダイヤ改正でワンマン運転の対象になるかは分かりませんが…)ので、運用面での合理化という観点でも一歩前進の感がありますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は今度のダイヤ改正における『急行「つやま号」→快速「ことぶき号」への格下げと一本化』に関しては如何感じられているでしょうか?

写真はMAKIKYUが以前津山線の快速「ことぶき号」を利用した際に、途中駅ですれ違った急行「つやま号」です。

MAKIKYUは急行「つやま号」には乗車機会がなく列車設定廃止となりましたが、乗車した事がある方は、その際の乗車談などをコメント頂ければ幸いです。


JR四国 2000系気動車「アンパンマン列車」~四国では大人気のキャラクター列車

2009-03-12 | 鉄道[四国]

 

先月MAKIKYUが「バースデイきっぷ」を使用して四国を廻った際には、JR四国の特急列車を利用する機会が幾度もあり、その中でも四国の特急に主力の座を占め、四国4県全てでその姿を見る事が出来る振り子式の特急用気動車・2000系には、何度も乗車する機会がありました。

この2000系気動車の標準塗装は、ステンレス無塗装の銀色車体にJR四国のコーポレートカラーでもあるライトブルーを纏ったもので、この装いは特急車に限らずJR四国では非常に一般的な装いですが、2000系気動車の中には、この標準塗装とは対照的な存在ともいえる「アンパンマン列車」も存在しています。

「アンパンマン」と言えば、子供達に大人気の「正義の味方」とも言える存在で、子供に限らず「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も恐らくご存知かと思いますが、「アンパンマン列車」は主役のアンパンマンをはじめとする数々のキャラクターを車体に描いたもので、その存在は非常に目立つものです。

アンパンマン列車が四国に登場した背景には、その作者が四国(高知県)出身と言う事も大きく影響している様ですが、このアンパンマン列車は複数の編成が運行されているものの、その全てで装いを変えている上に、編成を構成する各車も装いを1両ずつ異なるものとしているのも特徴です。

運行路線も予讃線方面・土讃線方面それぞれに充当され、これに加えてキハ185系気動車のアンパンマン車両も加えると、四国内の特急運行区間の大半で「アンパンマン列車」が走る状況で、電化区間で気動車使用の特急設定は非常に限られる予讃線松山以東の区間を走る「しおかぜ」号でも、数少ない気動車使用の特急列車は基本的にアンパンマン列車で運転する様にしているなど、運行区間も極力万遍なく…という設定がされているのも大きな特徴です。

そのため気動車特急は数少ない伊予西条を訪れた際、立ち寄った四国鉄道記念館では、その運行時刻をわざわざ貼り出すと共に、到着時刻が近づくと子供向けに案内を行い、今まで館内の展示車両などに関心を持っていたKIDS軍団も一斉に…という程でしたし、土讃線「南風」号でアンパンマン列車に乗車した際にも、山間の小駅を通過する際に列車の姿を見て大喜びしている園児群の姿が非常に印象的で、四国のKIDSには絶大な人気を誇っている事を実感させられたものでした。

また既存車両の改装とはいえ、前面の列車名表示にまで標準塗装の車両とは異なるアンパンマンのイラスト入りを用い、一部の車内放送(MAKIKYUが乗車した限りでは、高知駅到着前にアンパンマンの声で放送が入った事を記憶しています)にまでアンパンマンを登場させる程の状況は、随分徹底していると感じたものですが、最近は車内も一部改装してアンパンマンの描かれた座席なども登場するなど、更に徹底したものとなっています。

この様な列車には賛否両論が出るかと思いますが、アンパンマン列車を走らせる事で、一般の鉄道車両を見てもさほど関心を持たない人物にも興味関心を惹きつけられる事は、日頃列車への乗車機会がない人間も多い四国の土地柄を考えると、アンパンマン自体の好みは別としても、この取り組み自体は大いに評価できると感じたものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は如何感じられるでしょうか?

写真はMAKIKYUが乗車した土讃線「南風」号と、予讃線伊予市駅で遭遇した「宇和海」号に充当される「アンパンマン列車」の外観です。

車内の様子などは追って別記事で取り上げたいと思います。


高松琴平電気鉄道 1200形電車(長尾線)~琴平線とは運用こそ分かれていますが…

2009-03-10 | 鉄道[四国]

先日「MAKIKYUのページ」では、高松琴平電気鉄道(琴電)の琴平線で活躍する1200形電車(元京急700形)に関して取り上げましたが、この車両は琴平線だけでなく長尾線でも活躍しています。

現在線路がつながっている琴平線と長尾線の2路線双方(志度線は以前は線路がつながっており、高松築港まで乗り入れる電車も設定されていましたが、現在は3線の接続駅になっている瓦町駅で線路が分断されています)で、営業運転に用いられている形式はこの1200形のみ(京急の形式であれば元1000形も該当しますが、琴平線の初期車と最近長尾線に導入された車両は、琴電では全くの別物です)となっており、琴電で現在2路線以上で活躍する形式自体も、この車両以外には長尾線と志度線で活躍する小型車600形のみです。

現在琴電では路線毎のラインカラーが設定され、車体の下半分をこのラインカラーとして各線毎に塗装を変えているため、線路がつながっている琴平線と長尾線と言えども、車両を共用する事はない状況で、長尾線用に導入された1200形は、番号帯も1250番台を名乗っているのが特徴です。

ただ1250番台の車両は専ら長尾線用(高松築港~瓦町間には乗り入れますが…)とはいえ、行先表示はしっかり琴平線の分も用意されており、MAKIKYUが先月高松を訪問した際にも、高松築港駅で折り返す長尾線電車が行先を変える際に、字幕を回している途中で琴平線の駅名が幾つも見かけられたもので、塗装が異なるとはいえ琴平線でも活躍している車両だけに、写真の様に琴平線の行先(写真は字幕を回している途中です)が掲出され、ここで字幕の回転が止まってもさほど違和感ないのでは…と感じたものでした。

1250番台の車両に琴平線の字幕が入っているのは、単に琴平線と長尾線で字幕を共用して各線毎の造り分けをしていないだけなのか、それとも将来的には長尾線に1300形(元京急1000形の後期車で、琴電他車両との併結不可)を更に導入し、この車両を琴平線に玉突き転配する事も見越しているのかも気になるものです。


高松琴平電気鉄道1200形電車(琴平線)~加速性能が災いして早期引退を迫られた車両ですが…

2009-03-09 | 鉄道[四国]

  

「MAKIKYUのページ」では最近、高松琴平電気鉄道(琴電)で活躍している車両を相次いで取り上げていますが、今日はその中でも先月琴平線に乗車した際に遭遇した車両の一つで、1200形と呼ばれる車両に関して取り上げたいと思います。

この車両は最近琴電に相次いで移籍している元京浜急行車の一派で、京急では700形と呼ばれていた車両ですが、比較的近年まで京急で活躍していたこの車両も、京急では既に全車引退しており、今では琴電で活躍するのみとなっています。

車体長18m車で片開き扉が4つという車両は、現在日本国内各地を走る鉄道を探しても、この車両と京急で今も活躍する800形程度で、片開き4扉という車両自体も他には南海程度、また逆に18m4扉車も大阪市営地下鉄などで見られる位ですので、この点では非常に特徴的な車両と言えます。

また京急では冷房改造の際に4両編成(中間2両が付随車)でしか使えない様になってしまった事(冷房改造以前は中間に付随車1両を挟んだ3両編成での運行も可能でした)もあり、4扉車で乗降性には優れるものの、他車両に比べて加速が劣る車両になっていました。
(ただ京急は懲りないのか、今でも普通車の一部で元快特用2ドア車改造の加速が悪い車両や、クロスシートでドア付近に乗客が集中し、乗降性の悪い車両を運用している有様で、快特に乗車していて前方列車の影響で減速運転を迫られた際には、追い抜いた際にかなりの確率でこれらの車両の姿を見かける有様です)

この事が災いして本線普通では使いにくく、晩年は主に通常は他線区との直通運転がない大師線で運用される状況で、同時期に製造された1000形に比べても、早期の引退を迫られる有様でしたが、琴電へ移籍する際には4両固定編成ではさすがに使い難い(一応琴平線なら物理的には可能ですが…)事もあって先頭車同士の2両に短縮されています。

先頭車同士の2両で譲渡となると、単純に考えれば電動車2両という事になり、元々高加速・高速運転で知られる鉄道の車両だけに、相当な加速性能を誇る事になりますが、さすがにそれは琴電では性能過剰という事もあり、一部のモーターを外して電動車1両相当の性能に落としているのも特徴で、加速性能の悪さが災いして早期の引退を迫られた車両が、加速性能を落とす改造を施されて譲渡されるとは皮肉なものです。

またこの改造以外にもブレーキ装置の変更(琴電既存車両との併結に対応する為:今はイベント用となっている旧型釣り掛け駆動車との併結も可)や、座席モケット・床材・つり革の交換等が実施されていますので、乗った時の感触は京急時代とは少々異なる印象を受けますが、車内は首都圏他私鉄からの移籍車(この車両も下回りは元京急ですが…)程には大きく手を加えられていませんので、何となく京急時代の面影を感じるものです。

この1200形は現在琴平線では最大勢力を誇る主力車両として活躍しており、同線を利用する際には先日取り上げた1080形と共に遭遇頻度も高く、「京急琴平線」とでも呼びたくなる現在の琴平線を象徴する存在と言えますが、かつては急曲線にあるホーム対策で3扉車の中扉を埋めて2扉車に改造した車両を走らせていた路線で、4扉車が堂々と走る姿は琴電も随分変わったものと感じさせられます。
(ただ4扉車導入も3扉車では対応できないと言うよりは、たまたま譲渡対象の車両が4扉車だったという事が大きい様ですが…)

ラッシュ時間帯の4両運転時には2扉元快特用で、京急時代は対照的な存在だった1070形(元京急(旧)600形)と併結して活躍する姿も見られ、興味深いものがありますが、現在琴平線で活躍する1200形は同線の多数派だけに、琴平線標準塗装以外に「しあわせさんこんぴらさん号」と呼ばれる黄色一色の派手な装いとなった車両や、広告電車となった車両も存在するなど、カラーバリエーションの豊富さも大きな特徴といえます。

写真は琴平線標準塗装と「しあわせさんこんぴらさん号」の1200形、同形車内の様子です。


高松琴平電気鉄道 1300形電車~京急から移籍したばかりの最新形式

2009-03-07 | 鉄道[四国]

 

先日「MAKIKYUのページ」では、高松琴平電気鉄道(琴電)の1080形電車に関して取り上げましたが、今日は琴電の最新形式でもある1300形電車に関して取り上げたいと思います。

この車両は先日取り上げた1080形と同じく、元は京急の旧1000形電車ですが、こちらは旧1000形の中でも当初から集中型の冷房装置を搭載した後期形の車両が種車となっており、この車両ですら本家京急では普通車ばかりで運用され、快特や地下鉄直通で活躍する姿は…という有様ですので、時代の流れを感じさせられます。

また同じ京急旧1000形でありながらも、先日取り上げた1080形とは全く異なる1300番台の形式を名乗っているのも大きな特徴で、この車両は京急ずくしの琴平線ではなく、終日2両編成で運行される長尾線用に導入されているのですが、その事もあって他車両との併結を考慮しなくても良いために、今まで京急→琴電への移籍車両では定番となっていたブレーキ装置の改造が実施されていないのも特徴です。

そのため長尾線の電車も琴平線に乗り入れる高松築港~瓦町間では、琴平線で活躍する1080形との顔合わせも日常茶飯事でありながらも、同じ京急旧1000形同士でも併結出来ない状況になっており、琴電名物の異形式併結も見られないなど、異色の存在になっています。

ただブレーキ装置の改造は行われていないとはいえ、車内は座席モケット・床材・つり革などが京急時代とは異なるものに取り替えられており、この点は同じ京急旧1000形の琴電移籍車両の中でも、原型を強く留める1080形との大きな違いとなっているのも特徴ですが、日頃京急旧1000形には時折乗車するMAKIKYU(最近はその機会も随分減りましたが…)としては、雰囲気の違いが強く印象に残ったものでした。

現在1300形は長尾線でやはり京急からやって来た1200形(元700形)や、旧名古屋市営地下鉄の小型車両と共に活躍しており、京急時代は地下鉄に乗り入れ、更にその先にある首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)まで乗り入れていた車両が、所変わっても地下鉄車両と同じ線路を走る事はこの車両の運命なのか…と感じてしまいます。

現状では他車両との併結が不可能ですので、終日2両編成での運行となる長尾線以外に導入線区の選択肢はなく、今後も引き続きこの車両を導入して長尾線既存車両の他路線転出→他路線の経年車代替が行われるのか、異色の少数派として走り続けるのかも気になる所です。


高松琴平電気鉄道 1080形電車~今は装いを改めながらも…

2009-03-06 | 鉄道[四国]

先日高松琴平電気鉄道(琴電)の1070形電車に関して取り上げましたが、今日は1070形と同じく琴平線で活躍する1080形に関して、取り上げたいと思います。

この車両は1070形と同じく京浜急行電鉄(京急)からの移籍車で、分散型の冷房装置が特徴の京急旧1000形初期車両ですが、現在京急では同形後期車両も数少なくなってきている状況で、他社へ売却・貸し出しされた車両も随分前に退役していますので、旧1000形初期車両で現役なのは、現在琴電で活躍する1080形のみとなっています。

1070形導入以降の琴平線車両は、琴電の線路幅が地方私鉄では珍しい標準軌(1435mm)となっており、架線電圧(直流1500V)などの規格が京急と同一な事や、近年やはり標準軌を採用している関西私鉄の車両使用年数が長くなっている事などから、今では京急ばかりと言っても過言ではない状況(車体だけ別物の車両も一形式あるのですが…)です。

そのため今日の琴平線は「京急琴平線」とでも呼びたくなってしまう程で、日頃首都圏で京急やその乗り入れ線区を時折利用するMAKIKYUとしては、車窓に広がる讃岐の景色は日常とは異なり、聞き慣れない駅名のオンパレードという状況ながら、四国まで足を運んでも近場の電車に乗っている様な錯覚を覚える程です。

この様な状況にある琴平線において、1080形は1070形程の大改造は施されず比較的原型を留めている事や、3扉車で乗降性も比較的良い事(最近では4扉車も数多く走っていますが…)などから、製造から40年以上は経過した車両であるにも関わらず昼間でもよく走っており、京急琴平線と言っても過言ではない今日を象徴する車両の一つにもなっています。

また琴電新体制移行後は琴平線ラインカラーへの塗り替えが行われており、今では琴電だけの存在となってしまった旧1000形初期車も、まだまだ走り続けると印象付けている様に感じられたものでした。

この車両は京急の赤に白帯の装いが一番と思う方が多いかと思いますが、琴電新塗装もなかなか様になっているのでは…と感じ、多数の事業者間で相互直通運転を行っているこの車両の本家京急や、その相互乗入線区で走らせたとしても見劣りしないのでは…と感じた程です。

それに比べ、京急から他社へ譲渡された旧1000形初期車の中でも銀色に青帯を纏い、挙句の果てに最後は「カラードア」などと称して各ドア毎に異なる塗り分けまで施された某中小私鉄の車両(7150形と名乗っていましたが…)は、同形車とはいえ見栄えに随分差があり、この醜態振りを見た時は呆れたもの(しかもそんな車両が本家京急にまで乗り入れていましたが…)でしたが、こんな事を感じたのはMAKIKYUだけでしょうか?


高松琴平電気鉄道 1070形電車~かつての花形も今や…

2009-03-04 | 鉄道[四国]

 

先月MAKIKYUが四国を訪問した際には、高松琴平電気鉄道(琴電)にも乗車し、先日志度線などで活躍する車両に関しても取り上げましたが、先月高松を訪問した際には琴平線にも乗車する機会があり、その際に乗車した車両の一つが1070形と呼ばれる車両です。

この車両は元京浜急行電鉄(京急)600形(現行の同形式ではなく、昭和30年代~60年頃まで活躍した車両です)で、2扉クロスシート車という事もあって京急時代は主に花形の「快特」に用いられた車両ですが、京急では昭和末期に全廃となっており、MAKIKYUも京急線内では乗車した記憶がかすかに…という程度です。

しかし2両3編成は京急での引退後に琴電に譲渡され、形式も1070形に改められると共に、前面も貫通路付きのスタイルとなり、車内もオールロングシートに改造されるなど、京急時代とは大きく姿を変えながら、登場から50年を経過した今日でも活躍を続けています。

昭和末期の琴電譲渡当時は非冷房・釣り掛け駆動の旧型電車ばかりという琴電では、導入当時は琴電初の冷房車(京急時代に冷房化改造されたもので、京急での導入当初は非冷房車です)という事もあって、譲渡間もない頃は琴平線の花形的存在だった様です。

ただ近年琴平線では京急からの譲渡車両が次々と入線し、旧型車両が淘汰されて全車冷房付きカルダン駆動車で統一された今日では、2扉車という事も影響して主に平日ラッシュ時間帯の増結用などに用いられ、昼間や休日は余り稼動しない脇役的存在になっていますので、意外と乗り難い車両になっています。

そのため琴電自体は以前にも利用した事があるMAKIKYUも、琴電での同形乗車は先月が初めてで、京急時代を含めてもMAKIKYUにとっては二十数年ぶりという有様でしたが、近年琴電が新体制で再出発した事も影響して装いが改められている上に、車内も比較的綺麗に保たれている様に感じられた事は好感を持ったものでした。
(それに比べると京急に乗り入れている某中小私鉄[北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)]は手入れの悪い車両が多く見受けられると共に、運賃も23区内に乗り入れる路線でありながらも、普通運賃・定期共に琴電より遥かに割高ですので、少しは琴電を見習って…と感じたものですが、こんな事を感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?)

ちなみにMAKIKYUが先月高松を訪問した際には、同形には2回乗車しており、写真も乗車する列車が三条駅に入線する際に撮影したものですが、写真の様に扉数が異なる編成との併結も日常茶飯事で、本家京急でも2扉車と3扉車の併連シーンは当たり前に見られますが、元京急車同士で2扉車と4扉車(元京急700形)の組み合わせは本家京急でも見られない(現在でも2扉車・4扉車共に本線上を走ってはいますが…)だけに、なかなか興味深いものがあります。

また写真を撮影したのは朝ラッシュ時間帯で、琴平線の瓦町~仏生山間は単線区間が大半を占めるにも関わらず、7.5分毎で4両編成の電車がやって来る状況ですので、地方私鉄にしては破格の運行頻度を誇っている(長尾線も乗り入れる瓦町~高松築港間は更に本数が増えます)のですが、乗車した写真の列車は2駅手前の仏生山始発にも関わらず、結構な混雑振りでした。

三条から乗車した際は当然座れず、つり革も過半数が埋る程でしたので、結構な運行頻度にも関わらず、多数の乗客で賑わっている姿は、地方私鉄というよりも大都市近郊私鉄に乗車している様な錯覚を覚える程でしたが、京急時代の花形として疾走する姿とは大きく様相を変え、脇役的存在ながらも今なお多くの乗客を乗せて活躍する姿は頼もしく感じたもので、まだ暫く走り続ける事に期待したいと感じたものでした。

写真は三条駅に入線する1070形と、2扉ながらもオールロングシート車となった車内の様子です。