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JR男鹿線を走る新型「電車」EV-E801系~国内3例目の充電式電車

2018-07-01 | 鉄道[東北]

今日秋田県男鹿市に男鹿市が整備した複合観光施設「オガーレ」がオープン、またこれに併せてJR男鹿線の終着駅・男鹿駅の駅舎も移転し、新駅舎の営業を開始しています。
(移転したのは駅舎のみで既存ホーム終端に新駅舎を建設、線路配置などは変化していない様です)

この男鹿駅の属するJR男鹿線は、単線非電化の典型的な地方ローカル線で、昨春までは定期旅客列車は全て気動車(ディーゼルカー)で運転、随分前は機関車牽引による客車列車も存在していました。

しかしながら昨春、非電化のままながら新型「電車」の運行が始まり、この男鹿線で運行中の新型電車がEV-E801系、MAKIKYUも今春秋田県内へ足を運んだ際に乗車機会があり、今日はこの新型電車に関して取り上げたいと思います。

JR東日本の非電化路線では既に烏山線で蓄電池を搭載した充電式電車・EV-E301系「ACCUM」を運行、またJR九州でも非電化路線の若松線で充電式電車・BEC819系「DENCHA」を運行しており、男鹿線のEV-E801系はこの2路線に続く国内3例目の充電式電車となります。

烏山線は起点の宝積寺で接続するJR東北本線(宇都宮線)が直流電化となっている事もあり、直流架線からの給電となっていますが、若松線(筑豊本線)は電化区間となっている折尾駅構内、また一部列車が延長運行される筑豊本線(福北ゆたか線)折尾以南が交流電化となっているため、交流架線からの給電となっているのが大きな違いです。

男鹿線は周波数こそ異なるものの、追分で接続する奥羽本線(男鹿線列車は秋田発着で運行)がJR九州の電化線区(関門トンネル区間と筑肥線以外)と同等の交流電化となっており、これに加え小ロットの交流充電式電車を新たに設計するのはコスト面でも負担が大きい事から、EV-E801系はBEC819系の設計を流用しカスタマイズしたものとなっています。

 
そのお蔭でJR東日本の車両らしくない雰囲気が随所に漂っているのが大きな特徴で、外観は塗装を除くとJR九州の車両そのものと言っても過言ではない程ですが、男鹿のなまはげにちなみ赤と青の2色に色分けされた編成を見ると「なまはげDENCHA」と言いたくなる位です。

外観上の大きな差異としては、側面窓の一部が開閉式となっており、これも後から改造で開閉可能にしたのでは…と感じさせる様な仕上がり、必要最小限の設計変更に留めた事を物語っている様にも感じられたものですが、JR東日本ではさすがに「DENCHA」というワードを用いたくない様で、烏山線EV-E301系と同じく「ACCUM」の名称が付けられています。
(さすがに車両名称で「なまはげDENCHA」は厳しいとしても、車両塗装や地域性を考慮し「なまはげACCUM」にでもできなかったのか…と感じています)


車内に足を踏み入れると、車内設備はオールロングシートとなっており、最大でも乗車時間は1時間程度の男鹿線ならこれで充分と感じる向きも多いと思いますが、多少はボックス席などがあっても…と感じる旅行者なども出るのでは…と感じたものでした。

 
さすがにJR九州ならではとも言えるこだわりのデザイナーによるロゴや英文字、最近好んで用いている合板などは見当たらないものの、製造メーカー・日立製作所の標準仕様アルミ車「A-train」設計の特徴も随所に見受けられ、国鉄設計を除くJR東日本各車両の中では、MAKIKYUが乗車した事がある範囲では最もJR東日本らしくない車両とも感じたものでした。


外観だけでなく車内造作などもBEC819系と共通する部分が多々あり、蓄電池充電状況を案内するモニターを装備している事などは充電式電車らしい特徴ですが、BEC819系がJR九州らしからぬドアチャイム(最近のJR東日本首都圏一般車両や東京メトロ車両などと同等)を用いているのに対し、EV-E801系ではドアチャイムでこのタイプは用いられず、旧営団地下鉄の車両などでお馴染みのタイプが用いられていたのは意外と感じたものでした。


ちなみにBEC819系は都市型ワンマン運転実施線区で運用、各車両各ドアからの乗降が前提なのに対し、EV-E801系は車内収受式ワンマン運転実施線区で運用、ワンマン運転時の無人駅乗降は1両目の後乗り前降り、1両目真ん中と2両目の各扉は締め切りとなる事もあり、BEC819系の様なドア上LCDモニターによる自駅案内などは実施しておらず、代わりに運転席後部に運賃表示器としてLCDモニターを設置しています。


JR東日本のワンマン運転実施線区では、ワンマン運転時の運転席背後だけ運賃表示器として使用、それ以外は電源OFF状態という事が多いものの、EV-E801系ではワンマン運転時の2両目後部も次駅表示のみ案内を行う形で活用されており、これはJR東日本に限らず他社の車内収受式ワンマン運転実施車両でも是非積極的に実施して欲しいと感じたものでした。

男鹿線では試行導入という事もあり、EV-E801系はまだ2両1編成のみ、今後充電式電車先行導入2線と同様に充電式電車が本格導入される事になるのか否かも気になる所です。

旧型気動車(キハ40系列)が男鹿駅新駅舎に発着する期間はそう長くないと思われ、また秋田地区では五能線などで電気式の新型気動車導入も発表されていますが、旧型気動車代替後の男鹿線はEV-E801系で統一される事になるのか、それともこの電気式新型気動車なども併用される事になるのかも気になる所です。

充電式電車は今後の非電化線区における車両代替手法の一つとしても注目され、このEV-E801系をはじめ、EV-E301系やBEC819系に乗車した事がある方も居られると思いますが、その際の感想や各形式を乗り比べた際の差異などで気になる事がございましたら、コメントでの言及もどうぞ。

また以前「MAKIKYUのページ」で取り上げた充電式電車2形式の記事をご覧になりたい方は、以下のリンクをクリックして頂けると当該記事をご覧頂けますので、興味ある方は併せてご覧頂けると幸いです。

EV-E301系(烏山線)  https://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20141023
BEC819系(若松線)  https://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20161214

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由利高原鉄道 YR-3000形気動車~1両毎に装いが異なる新型気動車

2018-05-19 | 鉄道[東北]

先日「MAKIKYUのページ」では、先月実施された新潟駅高架化工事に伴う変則ダイヤに関して取り上げましたが、MAKIKYUがこの変則ダイヤで設定された臨時快速列車に豊栄駅から乗車して酒田まで北上した後は、更に羽越本線の普通列車に乗継、昨日~今日にかけて大雨に見舞われた事が盛んに報じられている秋田県内へ向かったものでした。


秋田県南部に位置する羽後本荘駅は由利高原鉄道(鳥海山ろく線)の接続駅、同線は以前にも2回程乗車した事があるものの、2012年以降に導入された新型気動車・YR-3000形は以前矢島駅で姿を見た事があるだけで未乗という状況でした。

そのためもしこの新型気動車が運用されていたら是非一度…と思い、羽越本線普通列車の羽後本荘駅到着時に由利高原鉄道ホームを見たら、丁度新型気動車が矢島行の普通列車で待機しており、途中下車して乗車したものでした。

新型気動車・YR-3000形は現在3両が活躍中、由利高原鉄道の旅客営業用車両所属数は5両ですので、過半数を占める主力車両と言っても過言ではない状況になっています。


MAKIKYU
が乗車したのは、同形の中でも最初に導入された緑色基調のYR-3001号で、その後導入された2両はYR-3002()YR-3003()となっています。

同系は日本車輛製の標準仕様車という事もあり、「MAKIKYUのページ」でも以前取り上げた事がある松浦鉄道の主力車両・MR-600形(関連記事をご覧になりたい方はこちらをクリックして下さい)などと類似点が多数見受けられ、内装も比較的簡素な雰囲気になっています。


車内設備は地方ローカル線の典型とも言えるセミクロスシートでワンマン運転対応、整理券発行機にはアテンダントを模したキャラクターのステッカーが貼られているのも特徴的です。


座席は各車両毎に異なる色彩の柄入りモケットを用いており、標準使用者だと簡素なモノで済ませてしまう事業者もある中では特徴的と感じられ、季節限定の造花による桜の装飾なども悪くないと感じたものでした。


車内中央に設けられているボックス席は大型テーブルも設置、お弁当などを持ち込んで拡げるのには適していると感じる反面、金属パイプの脚がある事でやや窮屈な印象を与えかねないとも感じ、この大型テーブルの有無は評価が分かれる所なのでは…と感じたものでした。

またMAKIKYUが以前由利高原鉄道に乗車した際は、2回共に矢島→羽後本荘の上り列車全区間乗車で、下り列車への乗車自体が先月初めてという状況でした。


時間の関係もあって終点の矢島までは乗車せず、路線のほぼ中間点に位置する由利高原鉄道唯一の交換駅・前郷駅で下車、その際は行き違い列車で現在は運行終了、今後大改装が発表されているYR-2001号池田修三ラッピング車との並びも見る事が出来ました。


ちなみに
前郷駅は先月初めて乗降機会がありましたが、日本国内では数少ないタブレットとスタフの授受を実施している事でも知られており、列車到着時には駅係員が通標授受を行う事もあってか、有人駅ながら運賃は車内収受となっているのも大きな特徴です。


駅舎も
2003年に改築、現駅舎は木材をふんだんに用いた温かみのある内装となっており、駅舎内にギャラリーも設けられているなど、色々見所のある駅と感じたものです。

ただ列車は12時間に1本程度(これでも土地柄や輸送実態を考慮すれば上等な部類)、その上大半の列車が前郷駅で行き違いを行う事もあってか、途中下車して次の列車までの間に駅舎内や駅周辺を見物するとなると、必然的に結構な時間が空いてしまうのは難点です。

しかしながら駅前には由利高原鉄道と並行する区間も多い並行路線バス、羽後交通・本庄伏見線(本荘営業所~本荘駅前~前郷駅前~矢島総合支所前~菜らんど:本荘~矢島間の区間便もあり)のバス停もありますので、こちらは列車より便数は少ないものの、上手く時間があえばこのバスを利用する事で、由利高原鉄道沿線各所を効率よく移動する事も出来ます。

MAKIKYU
が前郷駅で列車を下車した後は、このバスで本荘へ引き返したものでしたが、このバスに関しても近日中に追って別記事で取り上げられれば…と思っています。

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三陸鉄道 36-105号~新型車両と共に南リアス線で活躍する「奇跡の車両」

2017-02-14 | 鉄道[東北]

先日「MAKIKYUのページ」では三陸鉄道・南リアス線の復旧に併せて導入された新型気動車・36-700形(後に北リアス線にも導入)に関して取り上げましたが、先月MAKIKYUが三陸鉄道に乗車した際には、この車両以外に開業当初から活躍する一般車両・36-100形にも乗車しています。

36-100形はほぼ同型の36-200形も含め、三陸鉄道発足時に纏まった数が導入された一般型気動車で、導入から30年以上が経過していますので、意外と新しい鉄道と言う印象がある三陸鉄道の自社発注車両ながらも、既に古参格の部類に入ります。

転覆事故や運用車両数削減による廃車、リクライニングシート(現在は全廃)やお座席車両への改造なども存在していますので、様々なバリエーションが存在し、現在も普通列車で運用される車両は冷房装置取付や機関換装などの大規模な改造が施されています。

また南リアス線では車両基地が位置する盛駅構内も浸水し、留置中の車両も損壊こそ免れたものの、車両基地内に留置されていた36-100形と36-200形も使用不能となり廃車されています。

そのため東日本大震災後も南リアス線で活躍する36-100形は、東日本大震災の本震発生時に吉浜~唐丹間を走行中だった36-105号車1両だけで、この車両は幸いにもトンネル内で緊急停止、車両自体も損傷なく乗客乗員も無事だった事から「奇跡の車両」とも呼ばれています。


震災から2年強の間は、南リアス線は全線運休が続いていた事もあり、震災から数か月後に緊急停止したトンネル内から吉浜駅に移動、MAKIKYUは同駅に留置されていた頃に36-105号の姿を見た事もありますが、南リアス線の一部区間運転再開と共に運用復帰、今日では新型車両と共に南リアス線で活躍しています。

現在南リアス線で活躍する新型気動車(36-700形)3両は、ブレーキが電気指令式となっており、他に1両在籍するレトロ調気動車も同様ですので、36-105号車はこれらとの連結が不可能な事もあり、稼働率は低めとなっている様ですが、MAKIKYUが南リアス線に乗車した日は丁度昼間の運用に充当されていました。


36-105号は南リアス線運行再開時、チョコレート菓子・キットカットのラッピングを施した「キット、ずっと2号」として運用され、その後ラッピング契約期間満了に伴い「キット、ずっと2号」の運行を終了、その後大手スーパー・AEONグループのラッピングを施した「WAON号」として運行され、現在に至っています。

MAKIKYUが南リアス線に乗車の際は、恐らく新型車両(36-700形)での運行だろうと推測し、回数券(金券式無期限)を用意していたのですが、予想に反しWAON号が運用、そしてその後の列車は盛で車両交換して新型車両で運用との情報を三陸鉄道の方から頂いた事もあり、急遽予定を変更し土休日用の南リアス線1日フリー乗車券を購入、新旧2形式を乗り比べたものでした。


写真が1日フリー乗車券と車内発券の整理券(共に日付部分は塗消加工)で、フリー乗車券は主力の新型車両がうっすらとデザインされたデザイン、また整理券(新旧両車共同一様式)は典型的な感熱紙ながらも、「笑顔をつなぐ、ずっと…。」という文言入りなのは印象的でした。


また現在AEON号として活躍している36-105号車は、車内設備もリクライニングシートやお座敷などの特別仕様ではないものの、ボックス席は導入当初とは異なる座席に取り換えられ、ボックス席の数がかなり多くなっているのも大きな特徴となっています。

MAKIKYUが南リアス線に乗車した日は、出発地が宮古(釜石までは路線バス乗継)で、宮古出発前に少し時間が空いた事もあり、一部区間だけながらも北リアス線にも乗車、こちらでも36-100形に乗車しています。

 
登場当時の面影も色濃く、装いも三陸鉄道登場時から続く標準塗装の36-100形と、南リアス線で唯一現存する36-100形となっている105号車・WAON号では装いだけでなく客室設備の際なども実感する事ができ、興味のある方は両者の画像を見比べて頂けたら…と思います。

また三陸方面は現在鉄道が不通でバスによる振替輸送や仮復旧となっている区間も多く存在しており、こちらも幾つか乗車機会がありましたので、近日中に追って取り上げたいと思います。

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三陸鉄道 36-700形気動車~南リアス線運転再開に併せて導入された新型気動車

2017-02-12 | 鉄道[東北]

先月MAKIKYUが東北へ足を運んだ際には、仙台圏で活躍を始めたばかりのJR東日本の一般型電車や、同系も運用される常磐線の内陸移設復旧区間乗車だけでなく、もう少し北へ足を延ばし三陸鉄道にも乗車したものでした。

三陸鉄道は現在北リアス線と南リアス線の2路線を運行、東日本大震災以来JR山田線・宮古~釜石間の不通が続き、現在2路線は分断状態になっています。
(東日本大震災前はJR山田線を挟み、3路線間を直通運転する列車も走っていました)

MAKIKYUは震災後に一度、津波による甚大な被害を被った三陸沿岸へ足を運んだ際は、北リアス線は島越(Shimanokoshi)駅周辺を除いて復旧していたものの、南リアス線は全線不通状態で代わりに運行していた路線バス(釜石~盛(Sakari):岩手県交通)も便数が極めて少なく、現在はBRTとして運行しているJR大船渡線・気仙沼~盛間も不通状態で路線バスの便数も極めて少ない状態であるなど、公共交通機関を利用して岩手県南部沿岸を移動するのは非常に不便な状況でした。

震災から6年以上が経過した今日でも、被災地はまだ復興したとは言えない状況の都市も多く、東日本大震災の凄まじさを改めて実感させられますが、今年初頭に足を運んだ際には以前に比べると被災各都市や被災地域の交通網なども、状況は随分改善されています。

その中でも釜石・大船渡両市間を走る三陸鉄道・南リアス線は、全線不通が2年以上続き2013年に一部区間(盛~吉浜)が運転再開、残る吉浜~釜石間も2014年に運転再開となり、震災から3年強で全線鉄路復旧を果たしています。

この南リアス線は建設・開業から比較的日が浅い路線と言う事もあり、不通やBRT仮復旧となっている三陸沿岸のJR線に比べると、設備面での被害が小さく済んだ(それでも結構な被害ですが…)のは幸いだったものの、南リアス線の車両基地は今日に至るまで盛駅に隣接した箇所に設けられています。

ここは海からも近く標高も低い所だった事も災いし、車両基地内に留置されていた各車両も損壊は免れたものの、浸水して使用不能となり、大地震発生時に営業運行中→トンネル内で緊急停止した1両を除き、残念ながら廃車となっています。

そのため南リアス線運転再開時には、36-700形と呼ばれる新形式の気動車が導入され、現在の南リアス線における主力車両となっていますが、足を運ぶ機会も少ない土地という事もあり、MAKIKYUが同形への乗車したのは今年ようやく…という状況です。


この36-700形は国内気動車製造では定評ある新潟トランシス製、近年各地の第3セクター鉄道などに導入されている同社製標準車両という事もあり、見た目は白を基調に青と赤の三陸鉄道塗装となっている事を除くと、地方第3セクターの標準的な車両という印象を受けたものです。


中東の産油国として有名なクウェートからの支援を受けて導入した事もあり、車両側面には「クウェート国からの支援に感謝します。」という表記を日本語と英語、そしてMAKIKYUは文字を解読するどころか、書き写す事や何処までが1文字なのかを判別する事すらできないアラビア語の3か国語で記したステッカーが貼られているのが大きな特徴です。
(英語以外の外国語でも「쿠웨이트국으로부터의 지원에 감사합니다.」や「感谢来自科威特的支援。」などの表記なら、書き写す位は何とかなりますが…)


車内に足を踏み入れると、こちらも座席形状などは標準的な仕様ながらも、近年第3セクター鉄道向けに導入される新潟トランシス製標準仕様気動車は簡素な雰囲気の車両も多い中で、木目を用いた化粧板やフローリング風の床材などは温かみが感じられ、豪華ではないものの標準仕様気動車の中では見栄えがする部類などでは…と感じたものです。

 
座席配置も1両ワンマン運転が主体の一般車両と言う事もあり、地方ローカル線区で活躍する一般車両としては標準的なセミクロスシートですが、旅客数がさほど多くない上に観光で利用する客層が一定数・割合で乗車する事も考慮してか、ロングシートは車椅子トイレ付近に若干設定されている程度、トイレと逆側は出入口直後の座席もクロスシートになっているなど、ボックス席の比率がかなり高くなっているのが大きな特徴です。

元々経営状況が芳しいとは言い難い中で、公的支援なども大きく作用したとは言えども、南リアス線が全線鉄路復旧となっただけでも驚異的な事とすら感じる中で、標準仕様気動車を上手くカスタマイズして結構意欲的な車両を導入したな…と感じたものです。

またこの車両は南リアス線に3両導入された後、乗車機会はなかったものの、北リアス線でも既存車両代替用に導入されています。

今後予定されているJR山田線の震災不通区間(宮古~釜石)の三陸鉄道移管復旧後には、主力として活躍し更に増備される事も見込まれますが、現行仕様のまま増備となるのか、仕様変更などが行われるようになるのかも気になる所です。

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JR常磐線・福島~宮城県境界の内陸移設区間に乗車

2017-02-07 | 鉄道[東北]

先月MAKIKYUは東北へ足を運ぶ機会があり、先日「MAKIKYUのページ」でも仙台地区のJR電化各線(仙石線を除く)で稼働開始した新型車両・E7211000番台に関して取り上げましたが、同系には東北本線と常磐線で乗車機会がありました。

常磐線は12月の仙台地区ダイヤ改正に併せ、東日本大震災以来不通が続いていた福島~宮城県境の相馬~浜吉田間が運転再開、MAKIKYUは先月この区間に乗車する機会もありましたので、この復旧区間の様子を取り上げたいと思います。
(
ちなみにMAKIKYUは上り電車(仙台発原ノ町行)で最後尾車両に乗車した事もあり、写真は全て最後尾から撮影したものとなります)

運転再開区間の北端は浜吉田駅、震災以降の一部区間運転時には浜吉田駅発着の列車も多数設定されていましたが、福島~宮城県境区間の復旧と共に浜吉田駅発着の列車は全て廃止となっています。

  
同駅を出発して少し南へ進むと、線路が内陸側にカーブしており、ここからが内陸移設でルート変更となった復旧区間で、今まで線路が通っていなかった所に新たに線路を敷設したものの、地上区間には何ヶ所かの踏切も見受けられたものでした。


一部区間は高架線となっており、新規開業線区を思わせる雰囲気はやはり内陸移設でルート変更した仙石線の野蒜周辺に通ずるものがありますが、内陸移設区間に移転した新たな山下駅も高架駅となっています。


山下駅は震災前に仙台~山下間の折り返し列車も設定されており、12月のダイヤ改正でも再び仙台~山下間の区間列車が設定されていますが、駅設備は旧国鉄の典型とも言える震災前の23線→島式ホーム12線に縮小されており、ホーム長も6両分程度であるなど、随分コンパクトな駅になっています。


駅周辺も三陸方面などに比べればまだマシな状況とは言えども、まだまだ復興事業進行中という雰囲気が強く感じられたものでした。

 
山下~坂元間では内陸移設に伴い、丘陵をトンネルで突き抜ける区間も存在しているのが特徴で、内陸移設区間に移転した坂元駅も山下駅と同様に高架駅となっています


新たな坂元駅は11線の棒線駅、震災前と異なり交換設備のない駅になっており、現在常磐線で列車運行を行っている単線区間においては、唯一列車行き違いの出来ない駅になっているのが大きな特徴で、山下駅以上にコンパクトな駅になったと感じたものでした。


坂元~新地間は宮城~福島の県境を超える区間にもなりますが、この区間では掘割となっている箇所も多数存在し、ここでも内陸移設の新ルートながら踏切も何ヶ所か見受けられたものでした。

新地駅は東日本大震災の大地震直後に発生した大津波で甚大な被害を受け、駅設備と共に停車中のE721系電車(トップナンバー編成を含む4両編成)が激しく損傷、その様子がニュース記事などでも盛んに報じられた事でも有名になった所です。


移転した新たな新地駅も、内陸移設区間では唯一の地上駅となっており、配線は相対式22線、先の2駅と同様にホーム長さは6両分程度と、震災前に比べるとコンパクトな駅になっています。


新地駅を出て暫くすると震災前のルートに合流、駒ヶ嶺駅は震災前と大差ない状況ですが、相馬地区の仮復旧時(原ノ町~相馬間で列車運行)は代行バスルートの関係などで列車発着が5年以上の長期に渡って見合わせとなっていた駅で、先月列車運行再開となった常磐線4駅の中でも、内陸移設で新装移転した3駅とは随分様相が異なっています。

駒ヶ嶺を出ると次は相馬、以南原ノ町までは一時期部分運行となっていた区間で、仙台~原ノ町間の直通列車運行再開で代行バスとの乗継時よりも利便性が格段に向上したと感じ、未曽有の大災害となった東日本大震災からの復興はまだまだながらも、少しずつ進行している事を実感したものでした。

MAKIKYU
は原ノ町到着後、更に南下して常磐線列車に小高駅まで乗車、MAKIKYUが震災後この区間に乗車するのは初めてでした。


こちらは相馬~浜吉田間運転再開前の原ノ町~相馬間区間運転時にも用いられていた7012両編成(編成番号は別)でしたが、LEDによる行先表示でも「小高」の行先がきちんと表示されており、輸送力的にはワンマン運転でも差支えなさそうな区間ながらも、車掌乗務によるツーマン運行となっていました。
(
震災前の原ノ町以南を走る普通列車は、一部ワンマン運転になっていました)

  
現在列車運行が南北に分断された状況になっているJR常磐線、常磐北線の南端と言っても過言ではない状況になっている小高駅は、中線に2両分だけの仮ホームが設けられており、如何にも暫定運行中といった雰囲気が感じられたものでした。


小高駅からは現在常磐南線の北端駅と言っても過言ではない竜田駅まで代行バスに乗車、MAKIKYUがこの区間の代行バスに乗車するのは2回目です。

以前乗車した際は竜田駅~原ノ町駅間がノンストップ運行でしたが、小高~原ノ町間の列車運行が再開してからは、小高駅も停車する様に改められ、小高駅に停車する様になってからの代行バス乗車は初めてでした。
(
小高~原ノ町間にある磐城太田駅は、代行バスは未経由)


以前竜田駅~原ノ町駅間の代行バスに乗車した際は、JRバスで使用していた高速車両が、塗装もそのままで浜通り交通に譲渡された車両でしたが、先日乗車した際は運行事業者こそ前回と同じ浜通り交通ながらも、新型観光車による運行となっていました。


この代行バスはガイド付きのツーマン運行でトイレ付車両による運行となっており、車内には放射線量を示すモニターも装備されているなど、運行地域の特殊性が強く感じられ、津波被災地とはまた異なる震災の爪痕が未だに色濃く残っており、常磐線の南北分断状況が解消し、再び鉄路が繋がる様になるのはまだまだ先だな…と感じたものでした。

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JR東日本 E721系1000番台車~4両固定編成で登場した増備車両

2017-01-26 | 鉄道[東北]

東日本大震災の大津波で被災したJR常磐線の福島~宮城県境を挟む区間(相馬~浜吉田)は、震災から5年半以上不通が続き、仙台~相馬周辺の移動は非常に不便な状況が続いていましたが、昨年末に一部区間の軌道を内陸に移設して復旧開業しており、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、ご存知の方も多いと思います。

未曽有の大災害となった東日本大震災は、被災地域特に大津波で甚大な被害を被った太平洋沿岸各地の復興はまだまだの感がありますが、常磐線相馬~浜吉田間の復旧は、震災復興が少しづつ進んでいる事を実感させられる出来事の一つと感じています。

この常磐線復旧による車両運用増と老朽車両淘汰を兼ね、JR東日本では震災以前に仙台地区向けに大量導入された近郊型電車・E721系の増備車が昨年末に大量導入され、今年に入ってから納入される車両も相次ぐ状況になっています。

E721系は仙台空港アクセス線向け車両を含め、既存車両は全て2両編成で製造・導入されており、大抵は複数編成併結して運用(一部2両運行もあり)する事で、運用の柔軟性を持たせていたのが特徴です。

しかしながら4両編成での運行も非常に多い事から、1000番台と付番され昨年末~今年にかけて導入の車両は4両固定編成での導入となっており、MAKIKYUも今年に入ってからこの1000番台車に乗車機会がありました。

 
1000番台ではE721系では初の中間車が大量に登場、この中間車は乗車位置を既存E721系(0番台)2両編成×2編成の運用時とドア位置を合わせており、2~3両目の連結面側の座席数が少なくなっているのが大きな特徴で、これは近年新潟地区で導入が進んでいる新型車両・E129系電車の4両編成と共通します。

 
装いも0番台では緑帯の下に配されている赤帯がピンク帯に代わり、4両固定編成である事が一目瞭然になっていますが、帯色と編成構成を除くと0番台との差異は少なく、両者で設備格差を感じる事は殆どない状況です。
(ただE721系1000番台は0番台だけでなく、701系との併結運行も頻繁に行われており、701系との併連運用だと様々な面で格差が存在します)

 
客ドア付近の写真(左側が1000番台・右側が0番台)を見ても、差異を探すのは間違い探し状態と言っても過言ではないですが、新潟地区のE129系や首都圏で大勢力を築いているE233系などと異なり、E721系では1000番台でも客ドアの内側が化粧板仕上げにならなかったのは少々残念な気がします。

首都圏ではJR・私鉄共にLCDモニターによる多言語情報案内なども当たり前になりつつあり、仙台圏でも開業から1年強の地下鉄東西線では各車両でLCDモニター完備になっている事などを考慮すると、相変わらずの6文字表示1段3色LEDによる文字情報案内もやや見劣りが否めない気もします。

E721系自体が一般車両としての完成度はまずまずと感じる電車で、編成構成以外は極力0番台と仕様を統一する事を意図したのだとすると、個人的評価としてはとりあえず合格点かな…という印象で、登場したばかりのE721系1000番台が常磐線の内陸移設復旧区間を行く写真が報道されているのを見た際には、常磐線の福島~宮城県境区間と沿線地域の復興を象徴するワンシーンとも感じたものでした。

ただ鉄道旅行者からの評価が割合高く、個人的にも比較的好印象の719系電車がこの車両による代替淘汰対象になってしまうのは少々残念とも感じているのですが…

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退役が発表されたJR東日本・719系電車

2016-05-30 | 鉄道[東北]

先日JR東日本は仙台地区において、現在主力車両の一つとなっている交流区間専用電車・E721系の増備車・E721系1000番台を今年秋から導入、既存の719系電車を順次代替する旨を発表しており、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には既に公式リリースなどでこの情報をご覧になられた方も居られると思います。


車両の導入年次を考慮すると、719系はそろそろ車両更新か代替が必須の時期と言え、一部に旧型車両の廃車発生品を用いている事や、交流50Hz区間専用車で転用先も限られる事を考慮すると、廃車も致し方ないのかもしれません。


719系は都市圏輸送と中長距離輸送という双方のニーズに応えるため、客室設備面では一般形電車では典型的なセミクロスシートとなっているものの、クロスシート部分は固定式ながらも一般的なボックス配置ではなく、集団離反式に近い配置となっているのが大きな特色となっています。


2人掛けで同方向の座席が前方にあるこの区画は、個人的にはやや狭さを感じる事もあり余り好きではないですが、この区画は意外と人気がある様で、719系に乗車した際には、この区画は割合早めに埋まる事が多いと感じています。

また前面展望性に関しては、ワンマン運転対応車両を除くと余り芳しくない車両が多いJR東日本の一般形車両にしては抜群の状況で、しかも一番前のドアと乗務員室の間に2人掛けのロングシートも設けられているため、特に先頭車が電動車となる下り列車では、個人的には特等席と感じています。

仙台支社でも近年は高速乗合バスとの競合が激しい区間が幾つも存在し、Wきっぷなどの企画乗車券設定と共に、競合区間では719系を優先的に運用する事で対応している状況ですが、近年増備されているE721系も一部にボックス席を配したセミクロスシートとなっているのは、719系の功績も大きく影響しているのでは…と感じる位です。

この様な特色を備えている事に加え、その後増備したワンマン運転対応の別形式では、設備面では長時間乗車には不向きなオールロングシートを採用した事もあり、青春18きっぷなどで普通列車を乗り継ぎ、長距離移動する旅客からは結構な人気を誇っており、この事もあってかネット上でもかなり多くの方が719系代替に関する話題を取り上げていると感じています。


個人的にもJR東日本で活躍する一般形電車の中ではかなりお気に入りの部類に入る車両だけに、退役は少々残念と感じていますが、一部編成に施された磐越西線用の特別塗装(写真)は今後E721系などの後継車両で受け継がれるのか、また山形線(奥羽本線の標準軌区間)で活躍する719系も今後代替などの動きが生じるのか否かも気になる所です。

また仙台地区のJR線交流区間では、JR車両以外に阿武隈急行からの直通列車(阿武隈急行車両使用)も僅かながら存在し、同系もそろそろ更新や代替などの動きが生じても不思議ではない時期に差し掛かっています。

おまけに同社ではラッシュ用にJR東日本から417系を購入して使用、最近引退したという前例もありますので、719系の一部車両が移籍しても不思議ではないと感じていますが、直通運転を行っている阿武隈急行をはじめとする他社移籍事例が生じるのか否かも気になる所です。

他にも日本国内の交流50Hz第3セクター鉄道の中で、非冷房の老朽気動車のみを用いている鉄道などもありますので、その気になれば719系も活用できそうに感じますが、こんな事を感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?

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JR東日本・HB-E210形気動車~仙石東北ラインで用いられるハイブリッド車両

2016-02-11 | 鉄道[東北]

先月「MAKIKYUのページ」では、昨年末に開業した仙台市営地下鉄・東西線に関する記事を取り上げましたが、昨年仙台圏ではこの路線以外に「東北仙石ライン」が運行開始した事も大きな話題の一つと感じています。


こちらは純然たる新線ではなく、一部区間での線路移設を含めた仙石線完全復旧に合わせて既存の東北本線と仙石線の間に連絡線(300m程度の単線)を敷設、仙石線快速列車を仙台方で東北本線運行に改めたもので、運行体系的には目新しいものの、実質的には運行体系改編と言っても過言ではない気がします。

しかしながら仙石線完全復旧の際には、野蒜付近の一部区間が高台に移設された新線に切り替えられた上に、交流電化の東北本線と直流電化の仙石線に跨る運行で、両線間の間に設けられた連絡線が非電化と言う事もあり、最新鋭のハイブリッド気動車による運行となっているなど、目新しさを感じる要素が幾つも…という状況です。

東日本大震災以前に仙石線全区間を乗車した事があり、震災後も代行バス(松島海岸~矢本)を挟んで仙石線で仙台市内~石巻間を移動した事があるMAKIKYUとしては、随分変わったと感じ、震災復興象徴の一つでは…と思う程でした。

この新路線「東北仙石ライン」で用いられているハイブリッド気動車は、HB-E210形と称し、システム的には小海線で活躍しているシリーズ式ハイブリッド気動車・キハE200形「こうみ」とほぼ同等ながら、路線特性を考慮して両開き3扉・片運転台車の2両編成となっています。


そのためキハE200形とキハE131・132形を折衷したと言っても過言ではない車両と感じたものですが、路線特性故に車内運賃収受式ワンマン運転に対応した設備が設けられていない事に加え、客ドア内側が黄色1色塗装ではなく金属地剥き出しとなっているのも大きな特徴と感じたものでした。


車両特性故にデッドスペースが多いのは致し方ないにしても、大半の列車が2編成併結した4両編成での運行(2両編成での運行列車が僅かに存在)で全車先頭車、この場合トイレも編成内で2箇所になるなど、ただでさえ少ない客室空間が更に少なくなるのは問題ありで、4両編成(中間2両は運転台無)で導入できなかったのだろうか…とも感じたものでした。


また最新型車両故に自動放送装置なども備えられ、新鋭ハイブリッド車両である事を盛んにPRしたいのか、新システムを案内するモニターも設けられていますが、次駅案内などはドア上に設けられた3色LED文字案内、それもJR東日本ならではとも言える全角6文字分しか表示できない貧相なものですので、モニターの活用法は少々問題ありと感じたものでした。

ちなみにHB-E210形が用いられる仙石東北ラインの列車は、1往復の「特別快速」を除くと各列車が「快速」として運行しているものの、仙台~塩釜間の東北本線内の途中各駅に停車する列車と、この区間の途中各駅を通過する列車の2種類が存在しています。


両者は表示色を使い分けており、赤色の方が東北線内通過駅ありとなっていますが、東急大井町線の各駅停車(緑色は「各停」ながらも通過駅が存在)と類似した紛らわしい案内となっており、一方を「準快速」か「区間快速」に格下げするか、もしくは「新快速」か「通勤快速」に格上げするなど、もう少し分かり易い案内が出来ないのだろうか…とも感じたものでした。

「仙石東北ライン」の運行開始自体は大いに歓迎でき、車両の特性なども考慮すると、今後石巻から更に東進して女川までの延伸運行にも期待できるなど、今後の展開にも注目したいと感じる状況ですが、細かい所を見ていくと少々難ありと感じたものでした。

また概ね1時間間隔の運行ながらも、昼間に運転間隔が2時間開く時間帯があり、しかも運転間隔が開いた時間に短編成(2両)で運行する列車が設定されている事は大問題で、車両数や線路容量面で無理な状況ではないと思いますので、これは早急に改善される事を願いたいと感じたものでした。

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仙台市営地下鉄・東西線~昨年末に開業したリニア地下鉄

2016-01-28 | 鉄道[東北]

昨年12月に仙台市内で2本目の地下鉄路線となる「東西線」が開業、「MAKIKYUのページ」でも既に昨年末に画像を公開していますが、まだブログ記事としては取り上げていませんので、今日取り上げたいと思います。

東西線は名前の通り市内の東西を結ぶ路線で、日本国内に存在する地下鉄東西線は東京・札幌・京都に続いて4路線目となります。

市内中心部にある仙台駅で既存の南北線と交差、仙台市営地下鉄同士では初めて乗換駅が設けられると共に、JR各線との乗換えも可能となっています。

しかしながらそれ以外は全て単独駅(青葉通一番町駅と仙石線あおば通駅は乗換駅と見做す方も居ると思いますが…)となっているのが特徴ですが、市内東部や西部の今まで公共交通手段はバス便のみだった地域では、東西線開業で中心部各地へのアクセスが飛躍的に向上したと感じます。

建設費低減のためトンネル断面が小さく、小型の車両が用いられており、線路幅も標準軌(1435㎜)のリニア地下鉄であるなど、既存の南北線とは互換性のない別規格となっているのも大きな特徴です。


使用車両は2000系と称し、小型のリニア地下鉄用車両で4両という編成は、輸送力的には国内地下鉄各線の中では最小部類、都営大江戸線を除く国内リニア地下鉄各線と同レベルですので、地下鉄の中ではかなりコンパクトな部類と感じます。

ただ運行本数は昼間でも毎時8本程度確保されていますので、輸送需要と利便性の双方を兼ね備えた運行を行い、既存の南北線と時隔を合わせる事も考慮すると、短編成で頻発運行を行うのは悪くないと感じます。


車内に足を踏み入れると、小型のリニア地下鉄ながらも狭苦しさを感じる雰囲気ではなく、最新型車両らしく車内照明はLED蛍光灯を装備、車内LCDモニターによる各種案内なども行われ、LCDモニターが4か国語案内となっているのも評価できると感じたものです。


天井の造作や少し高級感を感じる内装などは、何となく関西私鉄で最近登場している新形式車両に近いものがあると感じ、これは関西私鉄の新型車両を多く手掛けている近畿車両が製造に関わった事も影響しているのでは…と感じたものです。

ワンマン運転故に自動放送となっている車内放送は、東京メトロや横浜市営地下鉄グリーンラインを連想する雰囲気で、この点は首都圏の何処かの路線に乗車しているのか…と錯覚する様な状況でしたが、既存の南北線と同様に客ドアのガラス窓が独特な形状となっている辺りは、他地域の路線とは異なる仙台市交通局の独自性を主張している様にも感じたものでした。


また車両面だけでなく、各駅の造作なども趣向を凝らした雰囲気となっており、単調で個性に乏しい路線も多い地下鉄にしては好印象でしたが、地上区間が複数存在しながらも地上駅が一つもなく、各駅のホームは既存の南北線と同様に島式ばかりと言うのは、車両撮影と言う点ではやや難ありと感じたものです。
(最も撮影し易いのは国際センター駅の荒井方かと思います)

ちなみに日本国内の鉄道は大半の路線に乗車、また韓国や中国では都市鉄道の整備がまだまだ…という事で、彼の地で新線が続々と開業していますので、近年の新線乗車は海外が主体となっており、国内の完全な新線乗車は久々と言う状況でした。

中国などで次々と開業する新線を追いかけきれないと感じる一方で、国内では1路線開業しただけでも結構大きな話題になるのは、現代日本の世相を表している様にも感じます。

ただ近年は縮小均衡傾向が表れている事を痛感させられる話題が大半を占める国内鉄道の中では、やはり年末に開業した札幌市交通局の市内電車新規開業区間(廃止路線の一部を復活・既存路線の電車が乗り入れ)共々明るい話題の一つと感じ、機会があれば札幌市電の延伸区間も是非一度…と感じたものでした。

札幌は仙台の様に青春18きっぷなどで簡単に行ける所ではなく、北海道新幹線試乗と合わせて足を運ぶにも、首都圏からでは少々大掛かりと感じるのは難点ですが…

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JR東日本「福島DCオープニング」号~1月程前に運転された臨時列車

2015-05-02 | 鉄道[東北]

今年4月~6月にかけて「ふくしまディスティネーション(DC)」キャンペーンが実施され、東日本大震災からの復興が進む福島県へ、DC期間内に足を運んだという方や、これから足を運ぶ計画を立てている方も、少なくないと思います。

MAKIKYUもDCが始まったばかりの先月、DCに関連して運転され、運転開始したばかりの「上野東京ライン」も経由する臨時快速列車「つながーるふくしま」号の乗車、既にこの列車に関しては「MAKIKYUのページ」でも取り上げていますが、他にふくしまDCに関連した臨時列車にもう一つ乗車しています。
(臨時快速「つながーるふくしま」号に関する既公開記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)

このもう一つの臨時列車が「福島DCオープニング」号で、運転区間は新潟~会津若松間、4月4日と5日の2日間、蒸気機関車(SL)牽引列車で有名な「SLばんえつ物語」号とほぼ同様のダイヤで運行でした。


充当車両も客車は「SLばんえつ物語」号で用いられている12系改装車両が用いられたものの、牽引機関車は名物のSLではなくディーゼル機関車(DL)が充当、列車名だけでなく牽引機も異なる姿で運行されたものでした。

DL充当はSL検査なども絡んでおり、SLファンにはガッカリな列車かもしれませんが、日本国内ではDL牽引の客車列車も非常に希少な存在ですし、「SLばんえつ物語」号とは異なるイレギュラーな姿も、趣味的には興味深い存在と感じた方も少なくないと思います。

MAKIKYUは「SLばんえつ物語」号用に改装された客車への乗車も、先月が初めてと言う状況でしたので、SLに比べると空いていると見込まれるDL牽引列車で、「SLばんえつ物語」号用の客車乗車を堪能できるのも…と感じて指定席券を購入して乗車したものでした。

乗車日は割安な「青春18きっぷ」通用期間にも関わらず、普通車は1ボックスを占拠可能な程度の混雑率で、見込み通りと感じたもので、3時間半以上に及ぶ全区間乗車でも、阿賀野川沿いの景観や改装客車内の視察などで飽きる事はなく、もっと乗っていても…と感じる程でした。


また同日に乗車した「つながーるふくしま」号は「臨時」表示のみで、案内表示などは味気ない印象が否めなかったものの、「福島DCオープニング」号では牽引機(DL)に専用のヘッドマーク掲出、側面行先表示器部分にも専用ステッカーが貼られていました。


車内でも「福島DCオープニング」号の乗車記念証を配布するなど、2日間だけの限定列車としての価値を高める施策が色々と見受けられ、「つながーるふくしま」号以上にふくしまDCに関連した観光列車らしさを実感した点は、大いに評価できると感じたものでした。

今月は専ら「SLばんえつ物語」号として、週末や祝日に所定のSL+専用客車編成で運行となりますが、SL検査期間中でもDL牽引で改装客車を活用し異色の観光列車を走らせたり、先月は改装客車の代わりに青い12系客車を充当した臨時列車を走らせる日も存在する状況でした。


JR列車内の中吊り広告などでも、これらの列車に関しては盛んに宣伝しており、この広告を見た事があるという方も決して少なくないと思いますが、磐越西線ではふくしまDCに関連した話題性のある列車を色々企画する辺りは、JRもよく考えたものと感じます。

今後6月も磐越西線では「DLばんえつ物語」号など、DL牽引による観光列車運転が予定されており、6月末には1日だけ列車名を変更、「福島DCファイナル」号として運転予定もありますが、機会があれば今度はSL牽引列車に乗車するのも…と感じたものでした。

「ばんえつ物語」号用に改装された12系客車に関しても、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。

(お断り)「福島DCオープニング」号は福島県~新潟県に跨って運行された列車ですが、ふくしまDCに関連して運行した臨時列車である事も鑑み、鉄道[東北]カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。

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JR東日本 臨時快速「つながーるふくしま号」~車種変更で普通車も…

2015-04-08 | 鉄道[東北]

現在JR全線の普通・快速列車が乗り放題となる、割安な青春18きっぷの有効期間と言う事もあり、数日前MAKIKYUは18きっぷを利用して小旅行に出向いており、その際には臨時快速「つながーるふくしま号」にも乗車したものでした。

つながーるふくしま号は福島ディスティネーションキャンペーン(以下福島DCと記します)開催に合わせて設定された臨時列車で、横浜~いわき間を先月営業運行始したばかりの上野東京ライン経由で運行、青春18きっぷの有効期間終了後の来る11日にも運転予定となっています。

全車指定席で当初は485系電車の改造車・お座敷電車「ゆう」(6両編成)が充当予定でしたが、急遽充当車両が特急スーパーひたち号で近年まで活躍していた651系電車(7両編成)に変更となっています。

ゆうはイベント車両を除くと全車グリーン車ですが、651系の7両基本編成ではグリーン車は1両のみ、それ以外の各車両は全て普通車となります。

グリーン車指定席は指定券を購入しても、青春18きっぷでの乗車はできませんが、普通車指定席なら指定席券さえ購入すれば、青春18きっぷでの乗車も可能です。

指定料金は横浜~いわき間を乗り通してもワンコイン強で済みますので、車種変更のお陰で非常に乗り得な列車になったと実感、運転日が丁度仕事の公休と重なったのに加え、日頃「MAKIKYUのぺージ」にもアクセスしている知人からの勧めもあって、指定席券を購入して乗車したものでした。


MAKIKYUがつながーるふくしま号に乗車したのは、横浜発の片道全区間で、横浜駅では恐らく東海道線上りの8番線から発着すると推測していたのですが、下りホームの6番線発着となっていたのは少々驚きでした。


日頃横浜駅には滅多に出没しない車両が走る事に加え、発車番線も予想外の下りホーム発でしたので、異様な光景をカメラに収める人物の姿も結構多く見受けられたものでした。


ちなみに列車の案内表示は、側面も「臨時」幕が表示されているだけで素っ気無い雰囲気、ステッカーなどを貼り付けても…と感じたものでした。

運転日限定の臨時列車だけあり、当然ながら自動放送などは用意されておらず、車内放送は車掌によるマイク案内でしたが、上野出発後やいわき到着前などには、MAKIKYUが以前特急「フレッシュひたち号」に乗車した際にも聞いた独特なチャイムも用いられていた点は、評価できると感じたものでした。

車内では改装したばかりの湯本駅でイベントを開催する旨を案内するチラシ配布もあり、福島DC開催に合わせて設定された臨時列車らしいと感じたものでした。

先日は時間の関係で終点いわきまで乗り通しでしたが、湯本駅は以前下車した事もありますので、機会があれば新装駅舎なども視察したいと感じたものでした。
(名前の通り常磐温泉郷に位置する駅で、駅近くには多数の温泉旅館が存在、また徒歩圏に比較的割安な立ち寄り湯もありますので、温泉巡りが好きな方などは特におススメかと思います)

車両は年式落ちの一般的な特急車両だけに、乗り慣れた方には余り面白みがないと感じるかもしれませんが、MAKIKYUは常磐線を何度も乗り通していながらも、特急「スーパーひたち号」への乗車機会は一度もなく終焉を迎える状況でした。


MAKIKYUはスーパーひたち号以外の651系充当の特急にも、今まで乗車した事がなく、同系は幾度も姿を見ていながらも、乗車はつながーるふくしま号が初めてと言う状況でしたので、同系初乗車は少々新鮮に感じたものでした。


乗車した普通車の座席は、座面や背ずりの厚みなどはそこそこで悪くないものの、年式落ちの車両だけあって座席下の足元空間が詰っています。


窓側席でも脇に少しだけ足を伸ばせる空間が存在するのは救いとは言えども、足元が少々狭く感じるのは難点と感じたもので、座席に関してはシートピッチがやや狭い難点があるものの、651系と共に少し前の常磐線特急で活躍していたE653系の方が…と個人的には感じたものでした。


背面テーブルには、特急時代そのままの車内設備案内も残存しており、「車内公衆電話は平成24年4月1日以降使用できません。」と後に追加で貼られたステッカーは、携帯電話が普及した今日の世相を現していると言っても過言ではない状況です。

今日ではまず運行が考えられない「仙台方面→」という案内はそのままで、651系が残存している間に再び常磐線を北上し、岩沼から東北本線に乗り入れて仙台まで足を伸ばす機会があるのか否かも気になります。

最近の電車とは異なる直流電動機を用いた車両ならではの走行音や、取手~藤代間の交直切替セクションで車内灯が消灯する辺りも、やや年代物の車両ならではと感じたものでした。

とはいえ車内の雰囲気は、651系よりも一世代前に当たる旧国鉄設計の車両に比べると格段に見栄えもよく、特急としての充当なら最新型に比べると様々な点で見劣りが否めないものの、快速列車としての充当であれば、夜行でもない限りは充分過ぎるレベルと感じたものでした。

特急「ひたち号」への新鋭E657系投入で、常磐線から追われた既存特急車両も、一時期臨時快速列車に充当されたE653系は全て新潟地区へ転用されていますので、首都圏各地での臨時列車充当はまず望めない状況です。

しかしながら651系は一部が高崎線特急に転用された程度で、波動用などに充当できそうな車両が多数あると思いますし、首都圏では定期特急列車でも国鉄時代に製造、その中でも登場当時から見劣りが否めないと言われていた車両の一部が、未だ第一線で活躍する有様です。

そのため651系は今日の特急車としてはやや見劣りする部分もあり、経年で少々草臥れた雰囲気も感じたものの、まだ活躍舞台はあると思いますので、余剰車両の今後も気になる所で、また臨時快速で走る機会があれば、乗車するのも悪くないと感じたものでした。

またつながーるふくしま号の乗車日には、もう一つ別の福島DC開催に関連した全車指定席の臨時快速列車にも乗車したものでしたが、こちらに関しても近日中に追って取り上げたいと思います。


(お断り)つながーるふくしま号は多数の地域に跨って運転する列車ですが、福島DCに伴って運転されている事も鑑み、鉄道[東北]カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。

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JR岩泉線・廃線が正式決定~永らく休止が続いていましたが…

2013-11-11 | 鉄道[東北]

既に様々な所で話題が出回っていますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、ご存知の方も多いかと思いますが、岩手県内を走るJR東日本・岩泉線の廃線がJR側より正式発表され、2010年夏から永らく運行休止状態が続いていた同線は、復旧する事なく廃線となりました。

岩泉線は日本全国に数多く存在する「ローカル線」の中でも、希薄な沿線人口や、人の流動と一致しない運行区間、運行本数の少なさなどが災いし、永年「日本一輸送密度の低い路線」の座に君臨する状況でした。

旧国鉄時代の不採算閑散路線整理に当たっても、輸送量は僅少ながらも、「沿線道路が未整備」という事で辛うじて残存し、沿線の道路整備さえ行われれば、何時廃線になっても不思議ではないと言っても過言ではない状況でした。

元々が超閑散線区である上に、2010年夏の土砂災害による脱線事故発生→多額の復旧費用などを懸案すると、もはや民間企業による鉄道運行は…と言わざるを得ないのが現状で、仮に無償でタクシーやマイクロバス貸切による代行輸送を行ったとしても、その方がコスト面でまだ割安なのでは…と感じる程です。
(現にJR現存路線でも、冬場の積雪期になると長期運休→代行輸送が近年常態化している路線も、幾つか存在していますが…)

 
MAKIKYUも岩泉線には、2004年夏に一度だけ乗車した事があり、今は全車退役となった非冷房のキハ52形気動車が専ら専従している状況でしたが、利用状況は相当低調で、今回の廃線正式発表は「遂にこの時が来た」と言うのが正直な心境です。
(写真は全て2004年夏に撮影したものです)

今後岩泉線は正式にバス代替される事になり、人口希薄な土地柄では路線バス運営も容易ではないかと思いますが、どの様な形態での運行になるにしても、地域に必要な公共交通が維持され、運行本数や運賃(利用者負担)などで大幅な利便性低下に繋がる事だけはない事を願うばかりです。

現状では岩手和井内~茂市~宮古間の岩手県北バスや、岩泉町内を運行する町営バスなども存在しますので、これらの一部と代替バスを統合する事で、全体の運行本数を調整して運行コスト(自治体持ち出しも含む)を下げつつも、実質的な利便性を低下させない再編などが行われるのかも気になる所です。

また岩泉線の廃線とは別件ですが、JR東日本では永らく首都圏~北東北間の足として親しまれてきた寝台特急「あけぼの」号も、来年春以降の定期運行廃止が正式発表されています。
(写真は既公開記事で使用した画像の再掲です)


こちらもMAKIKYUは何度か乗車した事があり、車両の老朽化に加え、新幹線整備の進展や夜間高速乗合バス運行の拡充など、取り巻く状況が大きく変化した今日では、廃止は致し方ない気がします。

その後「北斗星」も後を追って定期運行廃止→ブルートレイン自体が過去帳入りとなると、「クルーズトレイン」の類を除く客車寝台列車の旅を追い求めるとなれば、はるばる遠く大陸まで足を伸ばさなくてはいけなくなり、一つの時代が終焉を迎える事になるのは少々寂しいものです。
(それでも超高額運賃や、少ない定員の「クルーズトレイン」に乗車する事を考えると、旅程の都合さえ付けば大陸の客車寝台列車に乗車する方が遥かに容易ですが…)

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東日本大震災から2年~15日から三陸鉄道南リアス線一部区間の試運転も…

2013-03-11 | 鉄道[東北]

2011年3月11日、戦後最大・未曾有の被害をもたらした「東日本大震災」、今日でこの震災から丁度2年になります。


東日本大震災では大津波によって、福島・宮城・岩手3県の沿岸部では壊滅的な被害を受け、18000人を超える犠牲者(行方不明を含む)が出たのは、非常に痛ましい事です。
(写真は津波によって壊滅的被害が発生した、宮城県女川町中心部の様子[2011年7月撮影]です)

この震災では地震・津波による甚大な被害だけでなく、福島県の沿岸部に位置する原子力発電所の被災により、周辺一帯が高レベルの放射線によって汚染され、今日に至るまで原発周辺では、一般人の立入が不可能な状況も続いています事も、ご存知の方が多いかと思います。

そのため原発周辺地域では、復興どころか被災地域立入すら…と言わざるを得ないのが現状ですが、それ以外の地域では震災前の状況には程遠いものの、少しずつながら復興も進んでいます。


公共交通を取り巻く状況も、鉄道の不通区間減少に加え、昨年夏の気仙沼線BRT(柳津~気仙沼)運行開始、そして今月には大船渡線BRT(気仙沼~陸前高田~盛など)も運行を開始するなど、改善の兆しが伺えます。

また震災から数日で一部区間(久慈~陸中野田)が、運行を再開した事でも話題となった三陸鉄道も、MAKIKYUは昨年秋に北リアス線に乗車する機会がありました。


こちらは現在も甚大な被害を受けた島越駅を挟む区間(田野畑~小本)の不通が続いていますが、久慈~田野畑間と小本~宮古間では
営業運転を行っており、震災復興を祈願した「てをつな号」というラッピング列車も運行しています。

 
久慈~田野畑間で運行している「てをつな号」は、久慈駅で姿を目撃しただけですが、小本~宮古間を乗車した時には「てをつな号」に当たったもので、車内にも「祈 三鉄復興」といった掲示が見受けられたものでした。

三陸鉄道では、島越駅を挟む北リアス線不通区間の復旧はまだ暫く先になりますが、現在も全線不通が続いている南リアス線では、来月に盛~吉浜間が営業再開する事が発表されています。

震災後は陸の孤島状態と言っても過言ではなかった大船渡市も、大船渡線BRT運行開始と共に、震災前の状況には程遠いとは言えども、交通機関の利便性も改善されてきたと感じます。

三陸鉄道南リアス線の営業再開区間では、新車導入と共に、来る15日から営業再開に向けた試運転を行う事もHP上で発表されており、被災地域復興のシンボル的存在にもなると思います。

被災地域も震災直後などに比べれば、現在は大分落ち着きを取り戻しており、三陸鉄道などの地域公共交通を利用して運賃収入に貢献する事も、微力ながら被災地域支援にもなると思いますので、機会があれば復旧後の南リアス線にも足を運びたいと思っています。

また三陸鉄道の残る不通区間の早期復旧や、被災地域の復興促進を願う一方、この震災と津波の恐ろしさが風化せず、後世に生かされる事も願い、震災から丁度2年となる今日の記事を締めたいと思います。

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会津鉄道・芦ノ牧温泉駅と名物駅長

2012-05-29 | 鉄道[東北]

先日MAKIKYUが会津へ出向き、会津鉄道を利用した際には、同線の途中駅・芦ノ牧温泉駅にも立ち寄ったものでした。

 
同駅は国鉄時代、上三寄(Kami-miyori)と称しており、芦ノ牧温泉とは少々距離が離れているのですが、快速列車は全て停車する交換駅で、有人駅(時間帯によっては係員不在)になっているなど、会津鉄道の中では主要駅の一つです。


駅ホーム脇には、以前お座トロ列車のトロッコ車両として運用しており、希少なキハ30形の改造車としても知られていたものの、老朽化が災いして近年引退したAT-301号車が留置されており、前面の種別・行先表示幕部分に「上三寄」を表示しているのも注目です。
(MAKIKYUが訪問した際には、車内は閉鎖されていましたが、休日などに時折公開もされる模様です)

 
そして芦ノ牧温泉駅は、知名度は和歌山電鉄貴志駅の「たま」駅長(右側の写真:駅長就任後更に昇進を続けていますが…)の次に位置すると思われる猫駅長「ばす」(左側の写真)が勤務している事でも知られており、駅長ともなると貫禄がついてしまうのか、随分肥えている様に見受けられます。


猫駅長としては他にひたちなか海浜鉄道・那珂湊駅の「おさむ」駅長(写真)や、現在廃止になった同和鉱業片上鉄道・吉ヶ原駅(時折動態保存列車の運転が行われます)に勤務する「コトラ」駅長なども比較的知名度が高く、MAKIKYUは「おさむ」駅長にも会った事があります。

 
ばす駅長は駅長室こそ駅舎内の待合室に設置されているものの、近年改装されて立派な駅長室が設けられ、勤務時間中は専ら駅長室内での執務に専念しているたま駅長とは異なり、駅舎内や駅周辺を巡回する気まぐれな仕事をしており、猫駅長らしい仕事をしていると感じたものでした。
(左側の写真はばす駅長の駅長室・右側の写真はたま駅長の駅長室です)

ただそのお陰でMAKIKYUが最初に駅長を尋ねた際には不在で、駅員の方がばすを呼んでも姿を現さず、その後多少時間が経ってから駅前にふらりと姿を現す有様で、余り時間がない時等はお目にかかれない事もあるかと思いますので、駅長訪問の際には多少時間に余裕を持った方が良さそうです。

また芦ノ牧温泉駅ではばす駅長グッズや、駅猫つながりでコトラ駅長に関する書籍の販売をはじめ、駅長への表彰状や委嘱状の数々なども見受けられますが、ばす駅長は駅舎内などをくまなく巡回していますので、猫アレルギー(MAKIKYUの身内にも居るのですが…)をお持ちの方などは、少々注意した方が良さそうです。

あと芦ノ牧温泉駅への訪問は、公共交通機関を利用する場合、会津鉄道の列車利用が最も分かり易くて一般的な方法かと思いますが、ローカル線故に本数が限られ、列車を下車して駅長を訪ねた後に次の列車を利用する場合などは、結構な待ち時間(時間帯によっては1時間以上)が発生する事もしばしばです。

とはいえ会津鉄道利用以外にも、会津若松駅~芦ノ牧温泉を結ぶ会津バスも駅近くの上三寄バス停を通り、同バス停は駅から徒歩2~3分程度ですので、こちらも決して本数は多くないものの、会津ぐるっとカードなどを所持している場合は、時間が合えば利用価値があります。
(勿論会津バスは現金乗車も可能ですが、その場合は会津若松から芦ノ牧温泉駅を訪問する場合、JRとの併算で距離の割に割高な会津鉄道利用よりも、更に高い運賃を要しますので要注意です)

この上三寄バス停近くには牛乳屋食堂(メニューはラーメンやカツ丼などで、土産用のラーメンは会津鉄道の駅でも発売:定休日あり)もありますので、時間が空く際にはこちらへ立ち寄るのも良いかもしれません。

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会津鉄道 AT-700・750形気動車~豪華装備の軽快気動車

2012-05-25 | 鉄道[東北]

数日前MAKIKYUは福島県の会津地方へ足を運ぶ機会があり、第3セクターの会津鉄道や野岩鉄道にも乗車したのですが、その際には会津若松~鬼怒川温泉間を直通運転する4社直通運転(JR只見線・会津鉄道・野岩鉄道・東武鬼怒川線)列車「AIZU尾瀬エクスプレス」にも乗車したものでした。

この「AIZU尾瀬エクスプレス」や、列車名称こそ異なるものの、やはり4社直通運転を行う「AIZUマウントエクスプレス」では、東武線直通運転に対応した会津鉄道の気動車が用いられています。

かつては名鉄の北アルプス号で使用していた気動車を、名鉄時代と同じキハ8500形の形式・装いのまま「AIZUマウントエクスプレス」として運転していた事もあり、MAKIKYUは以前この列車にも乗車した事がありますが、同車は経年や路線条件などが災いし、さほどの老朽車ではないとはいえ、近年残念ながら運用を退いてしまった事は、ご存知の方も多いかと思います。
(キハ8500形に関して以前取り上げた記事は、こちらをクリックして下さい)

キハ8500形の代替も兼ね、2010年に導入された新形式車両がAT-700・750形で、車両自体は近年会津鉄道が導入した他形式と同形で、最近各地の第3セクター鉄道で増殖している新型気動車の典型とも言えるメーカー標準仕様車両ですので、当然他形式車両との併結運転(ブレーキ方式が異なるお座トロ列車の各車両を除く)も可能で、実際に他車両との併結運転を行う事もある様です。


このAT-700・750形は、MAKIKYUは先日「AIZU尾瀬エクスプレス」で初めて乗車したものでしたが、真っ赤な装いは非常に目を引くもので、同社の他形式車と並んだ時も、存在感は別格と感じます。


またAT-700・750形は装い以上に、車内設備に大きな特色があり、一応快速列車を主体に運用される一般型車両で、基本的に特別料金を要する列車に充当される事はないものの、座席は回転式リクライニングシートを装備しているのが大きな特徴です。

第3セクター鉄道ではイベント兼用車などで、転換式クロスシートを装備した特別仕様車を保有する事業者こそ幾つも存在するものの、それを凌ぐローカル列車用車両にしては破格の設備を誇り、まして1両だけの特別仕様車的扱いではない事も踏まえると、極めて異例の車両と言えます。

内装も暖かみと高級感を感じさせる色彩を用いており、会津鉄道が「グリーン車並み」と宣伝している告知を目撃した程で、さすがにJRの
特急グリーン車程の設備とは言い難いものの、普通列車グリーン車や特急普通車の標準レベルには達しており、東武線の特急車両(スペーシア)と乗り継いで首都圏~会津地方間の連携輸送を担う花形車両ならではと感じるものがあります。


ただ第3セクター向け標準仕様の一般型気動車をベースに、設備を特急並みに仕立てた車両であるだけに、窓柱が視界を邪魔する座席が多いと感じたのは難点で、シートピッチもスペーシアなどに比べると…と感じたもので、半室式運転台やワンマン運転用の各種装備なども、会津鉄道の輸送実態を反映した一般型車両ならではと感じたものです。

おまけに各座席には、パイプ式の足置きが設けられており、豪華な雰囲気を醸し出すには良いアイテムなのかもしれませんが、この足置きのお陰で足元が若干支えると感じたものです。


座席下部は最近の車両だけあり、脚台部分以外は空洞で足を伸ばせる造りである上に、パイプ式の足置きはネジで取り外し出来そうな雰囲気ですので、個人的にはこの足置きを撤去して頂ければ…と感じたものです。

このAT-700・750形は現在、基本的に東武日光直通の「AIZUマウントエクスプレス」と「AIZU尾瀬エクスプレス」や、両列車と関連する運用の会津鉄道線内普通列車(JR会津若松直通)に充当され、基本的に鬼怒川温泉発着の「AIZUマウントエクスプレス」(以前は「AIZU尾瀬エクスプレス」用として告知していたAT-600・650形車両を充当)には充当されませんので要注意です。

設備的にはAT-600・650形でも転換式クロスシートを装備し、一般型車両にしては乗り得な部類に入る上に、設備的には野岩鉄道や会津鉄道の電化区間(会津田島以南)を走る電車(東武6050系や、野岩鉄道などの名義になっている同等車両)よりも上等ですので、決して悪い車両ではないのですが、座席や内装の雰囲気などではAT-700・750形と比べると、どうしても見劣りが否めない気がしますし、MAKIKYUには余り関係ない事なのですが、こちらは今の所車内での無線LAN使用にも対応していません。

おまけに会津鉄道や野岩鉄道の運賃は、お世辞にも安いとは言い難く、両線の列車は観光向けのお座トロ列車を除くと、現行営業列車は基本的に特別料金不要とはいえ、運賃自体が特別料金込みと言っても過言ではない印象があります。

この決して安くない運賃を支払って2鉄道を利用するなら、できればその運賃に見合うだけの設備を誇る車両に乗車したいもので、路線実態を考えると割安な運賃設定などは難しいかと思いますが、AT-700・750形に乗車した際には、高運賃に見合うだけの付加価値の高いサービスを提供するという意気込みを感じ、事情が許すのであれば、次回以降の2鉄道利用でもなるべくAT-700・750形充当列車を選んで乗車したいと感じたものです。
(高額運賃で悪評名高く、首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)も、少しは会津鉄道を見習って欲しいもので、特に7260形車両の惨状は呆れる限りです)

また鬼怒川方面への東武線直通列車は基本的には2両運行であるものの、閑散期は1両でも座席が埋まらない程空いている事などを考えると、混結可能なAT-600・650形とAT-700・750形を各1両ずつの2両で運行する事で、長距離利用客や無線LAN利用客が恩恵を受ける機会を増やすと共に輸送力を確保する策を講じても…と感じたものでした。 

東武線直通列車の名称もキハ8500形が退役し、「AIZUマウントエクスプレス」で2形式が充当される状況になっていますので、そろそろ「AIZUマウントエクスプレス」か「AIZU尾瀬エクスプレス」のどちらかで一本化した方が…と感じたものでした。

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