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JR中央本線・列車代行バスの様子~運行はJRバスではなく…

2014-07-31 | バス[東海]

去る20日からの夏休み期間は、JR全線の普通・快速列車が5日(回)乗り放題となる格安乗車券「青春18きっぷ」の通用期間にもなっており、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、18きっぷを利用した旅行を計画されている方や、これから利用する予定を立てている方も少なくないかと思います。
(今年夏の青春18きっぷは、例年通り8月末まで発売・9月10日まで通用です)

MAKIKYUも今季は1セット購入し、早速2回分を利用して岐阜方面へ1泊旅行に出向いたのですが、その際には今月の集中豪雨で甚大な被害を受けた長野県南木曽(Nagiso)町やその周辺地域も通過したものでした。

南木曽町は中央本線のJR東海管轄区間(通称中央西線)が通っており、18きっぷを利用するとなれば、普段なら中央西線を運行する普通列車に乗車する事になるのですが、集中豪雨ではJRの橋脚流出など軌道設備にも甚大な被害が発生しています。

そのため名古屋~長野県方面を結ぶ大動脈とも言える中央西線は、現在南木曽周辺で不通が続き、都市間移動の要とも言える特急「(ワイドビュー)しなの」号は全列車が全区間運休、不通区間以外の普通列車に関しても時刻や行先変更、運休などが発生している事は、ご存知の方も多いかと思います。

南木曽町での集中豪雨被災から暫くは、道路も含めて一帯の交通網がマヒ状態だったため、代行輸送も実施できない状況でしたが、道路状況が幾分改善されてからは坂下~野尻間でバスによる代行輸送が実施されています。

この代行輸送は概ね野尻で接続する塩尻方面普通列車に合わせた運行となっており、他に坂下~南木曽間の区間便も存在する運行形態となっていますが、駅前スペースの関係でバスが直接駅舎前まで乗り入れるのは坂下駅のみで、他は駅から離れた場所(田立は比較的至近ですが…)での発着となっています。

田立駅が国道から離れた箇所に位置する事や、列車との乗継時間なども考慮し、定時制を重視して運行時間が長めに確保されている事もあってか、列車と代行バスを乗り継いでの移動時間は平時に比べるとかなり長くなっており、不便さは否めないと感じたものでした。

JR東海の代行輸送は、MAKIKYUは以前身延線代行輸送にも乗車した事があり、その際には系列のJR東海バス車両にも当たったものでした。
(他に山梨交通の子会社・山交タウンコーチの車両も充当しており、以前身延線代行バスに関して取り上げた記事もありますので、興味のある方はこちらをクリックして下さい)

 
MAKIKYUが中央西線の代行輸送を利用した際には、JR東海バスの姿はなく、岐阜県東濃地域一帯で路線バスも運行する東濃鉄道の車両を貸し切っての運行でしたが、JR東海の代行輸送でも、バス停や代行バス行先表示の様式などは異なっているのも興味深いものでした。

MAKIKYUが乗車した代行バスは、その気になれば大型路線車1台でも立席乗車を含めれば何とか乗り切れる程度の乗客数だったものの、2両ワンマン列車相当の輸送力確保を目論んでか、貸切車2台続行による運行となっており、比較的余裕のある状況と感じたものでした。
(時間帯や便によっては、1台のみの運行となる事もある様です)


代行輸送に充当された車両は、名鉄グループながらも日産ディーゼル車を好んで導入している東濃鉄道らしく、2台とも日産ディーゼル車でしたが、MAKIKYUが乗車した1台目のバスは西日本車体工業製のC型で、他社ではこのタイプの車体に、日産ディーゼル以外の下回りと組み合わせた車両にも当たった事があります。


車内は座席カバーに東濃鉄道の通称「とうてつ」の表記が見受けられたのも特徴的でしたが、同社バスは一般路線こそ以前1度だけ乗車した事があるものの、貸切車への乗車は初めてでした。

MAKIKYUの生活圏なども考えると同社貸切車への乗車機会もかなり限られると思いますので、希少な機会とも感じたものでした。


ちなみにMAKIKYUが利用した代行バスで、続行運行となったもう1台は同じ日産ディーゼル車でも、フィリピン製の逆輸入車・ユーロツアー、塗装こそ西工C型と同一ながら、随分雰囲気の異なる車両でした。

MAKIKYUが代行輸送で利用した便は、2台共に東鉄塗装の日産ディーゼル車でしたが、車種に関しては特に特定の車種を限定して充当するのではなく、動員可能な貸切車を代行輸送に回している様な雰囲気でした。


そのため東鉄と同じ名鉄グループに属し、近年貸切事業を廃止した北恵那交通からの移管車両(三菱エアロバス)なども動員されており、野尻の代行バス発着所に停車している姿も目撃したものでした。

 
この代行輸送の発着駅となっている坂下駅前は、向かいに小規模なスーパーこそあるものの、野尻駅前は国道から離れた閑散とした所です。

買物の便なども…と感じる有様で、駅前の道路も狭く、代行輸送に充当される大型貸切車の乗り入れが困難な所です。

そのため国道沿いの代行バス発着所~野尻駅間は別途運行のシャトルバス利用か、徒歩での移動となっていましたが、このシャトルバスは南木曽交通のマイクロバス2台による運行となっていました。


輸送力こそ小さいものの乗車時間や距離は短いため、代行バス発着場~野尻駅間を複数回運行する運行形態となっており、MAKIKYUはこのシャトルバスも利用しましたが、南木曽交通への乗車は先日が初めてで、今後も利用機会は滅多に…という所だと思います。

野尻の代行バス発着場は、国道沿いにある24時間営業のコンビニ脇となっていますので、こちらなら食事類の調達などは問題なく、中央西線代行輸送利用で野尻で食事類の調達などを・・・と考えている方は、このコンビニを利用すると便利かと思います。


また集中豪雨で甚大な被害を受け、現在も中央西線の不通が続く南木曽町の南木曽駅周辺は、国道沿いを流れる木曽川で現在も大量の流木が残存しているなど、ニュースなどで盛んに報じられた豪雨被害の大きさを改めて実感させられたものでした。

南木曽町は急峻な地形などが影響し、以前から度々大規模な土砂災害に見舞われていますが、先日の集中豪雨で亡くなられた方の冥福を祈ると共に、被災地域の復興と中央西線の早期復旧を願いたいものです。


(お断り)中央西線代行バスは坂下(岐阜県中津川市)~野尻(長野県大桑村)間を運行しており、対象カテゴリーは東海~甲信越の2地域に跨りますが、この記事は代行バスの運行主体事業者が東濃鉄道(岐阜県)である事などを考慮し、「東海」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。


KORAIL・中部内陸循環列車「O-train」と関連情報

2014-07-28 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

先日「MAKIKYUのページ」では、韓国江原道(Ganweon-do)・太白(Taepaek)市で発生した列車正面衝突事故に関して取り上げましたが、正面衝突した列車はいずれも旅客列車で、一方は電気機関車牽引の定期客車列車、もう一方が新型電動車を用いた観光列車となっています。

新型電動車を用いた観光列車は、中部内陸循環列車(O-train)と称した列車で、MAKIKYUは先月初めて乗車したものでした。


O-trainは元々少数派の「ヌリロ」と呼ばれる列車に充当される新型電動車の内外を改装しているのですが、2編成が改装されており、MAKIKYUが乗車・撮影した編成が、残念ながら先日の事故該当編成(写真は先日の記事で使用した画像の再掲)です。

そのため現在では写真の様な姿を見る事は…という状況ですが、もう1編成の方は現在も営業運行を行っており、車番以外の仕様は同一の様ですので、O-trainに関心のある方は参考にして頂ければ…と思います。


ちなみに韓国の列車線は、プラットホームは基本的に低床となっており、車両もバスの如くステップ付きとなっています。


しかしながら「ヌリロ」用電動車とその改造車である「O-train」は、ステップが昇降式となっており、広域電鉄の発着する高床ホームでも乗降対応可能な構造となっているのも大きな特徴で、客ドア形状にも特徴があります。


MAKIKYUがソウル駅でO-trainに乗車する際には、「ヌリロ」充当編成も駅構内の別ホームに停車しており、しかも特別な装飾を施した編成でしたので、これもO-trainに負けない存在感を放つ車両と感じたものでした。

「ヌリロ」に関しては、以前MAKIKYUが乗車した際の様子を取り上げた記事もありますので、興味のある方は合わせてご覧頂けると幸いです。
(該当記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)


MAKIKYUがO-trainに乗車した際には、「O-train pass」と呼ばれるO-train運行区間や連携区間(運行区間周辺の特定路線・区間)で、O-trainなどの観光列車と一般列車が指定期間内乗り放題となる企画乗車券を利用したもので、その気になれば少々強行軍になりますが、O-train pass1日券を利用してソウルを拠点に、O-trainとV-trainという2つの観光列車を日帰りで堪能する事も可能です。

O-train passは内国人・外国人共に購入可能ですが、券面に利用者名(外国人の場合はローマ字)が記載され、購入時には身分証(外国人の場合はパスポート)の提示が必要になります。

パス本体はカード型でそこそこ見栄えのするものですが、KORAILの列車線は基本的に全席指定制ですので、列車乗車時にはパス本体以外に別途座席指定券の発行を受ける必要があり、この座席指定券は窓口でしか発券できません。

近年のKORAILでは、乗車券類は窓口発券だとレシート状のQRコード入りとなっており、JRの乗車券などに比べると随分シンプルで割り切ったものとも感じますが、信用乗車制導入で自動改札機を撤廃した事も影響しているかもしれません。
(指定席券売機を利用すると、もう少し見栄えの良い乗車券が発券されます)

またO-trainは観光列車故に、客室内も非常に特徴的な雰囲気に改装されているのですが、車内の様子に関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


最近世界各地で大事故が発生~「O-train」はMAKIKYUも先月乗車

2014-07-24 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

最近ウクライナ東部で発生したマレーシア航空のB777型機撃墜事故や、中華人民共和国(中国)・台湾省で発生した復興航空の国内線プロペラ旅客機墜落事故など、世界各地で痛ましい事が相次いでおり、これらはニュースなどでも盛んに報じられていますので、「MAKIKYUのページ」ごご覧の皆様方もご存知かと思います。

この2つの航空事故では、かなり多数の犠牲者も発生していますが、これに加え大韓民国(韓国)でも22日夕方、単線区間を運行する列車同士の正面衝突事故が発生しています。

2つの航空事故が余りに大き過ぎる事で、扱いが小さくなっている気もしますが、こちらも乗客の犠牲者が発生する惨事になってしまい、負傷者も多数発生するなど、決して軽微なものではありません。

これら3事故で亡くなられた方には、この場からもお悔やみを申し上げ、冥福を祈ると共に、韓国や中国で発生した事故で負傷された方の早期回復を願いたいものです。

またこれら3つの事故では、今回事故が発生した航空便や列車には日本人が乗っていたという情報は今の所なく、また空を飛ぶのが大嫌いなMAKIKYUは余程のことがない限り、不要不急の用件で事故が発生した2社の航空便を利用する事や、該当地域へ足を運ぶ機会もないと思います。

しかしながら韓国はウクライナや台湾省などと異なり、JR九州高速船「BEETLE」などで日本から容易に足を運べる近場と言う事もあってか、MAKIKYUは先月も「BEETLE」を利用して韓国旅行に出向いており、日本国内ではなく異国で発生した事故とは言えども、非常に身近な話と感じます。

特に今回列車の正面衝突事故が発生した江原道太白市(Gangweon-do Taepaek-city)は、先月MAKIKYUが韓国を訪問した際にも足を運んだ所の一つで、太白線の事故発生現場も列車で通過しています。

また太白線は貨物列車の比重が高い産業路線としても知られていますが、今回の事故は定期旅客列車(電気機関車牽引の客車列車・ムグンファ号)と臨時観光列車(新型電動車を用いた中部内陸循環列車「O-train」)が正面衝突しており、ニュースで報じられている映像などを見ると、特にアルミ合金製車体の新型電動車で運行する「O-train」の損傷が激しい様に見受けられます。

ちなみに「O-train」は元々「ヌリロ」号で用いていた新型電動車(4両編成)の内、2編成を観光列車に改装したもので、MAKIKYUが先月太白を訪問した際にも、この「O-train」を利用したものでした。

 
その際に撮影した写真と事故車両の映像などを見比べると、車両番号が一致しており、先月乗車した編成が1月後にこんな惨事が…と思うと、非常に残念な限りです。
(写真は先月、江原道太白市の鉄岩(Cheoram)駅で撮影したものです)

「O-train」に関しても、本当はもっと別の形で取り上げたかったのですが、早くもこんな形で取り上げる機会が巡ってくるとは想定外で、まだ新しい車両ながら、事故編成の再起も恐らく…という所だと思います。

この中部内陸循環列車「O-train」は、元々毎日運転のソウル発・中央(Jungang)線経由列車(列車番号4851・4852)と、運転日限定の水原(Suwon)発・忠北(Chunbuk)線経由列車(列車番号4853・4854)の2列車が堤川(Jecheon)駅で合流、中央・嶺東(Yeongdong)・太白線を循環運行(堤川~栄州(Yeongju)~鉄岩~太白~堤川かその逆)する運行形態となっていますが、この事故の影響により水原発着列車は当面運休となっています。

ソウル発着列車も、車両が1編成しか確保できなくなった事が影響し、韓国鉄道公社(KORAIL)のHPでも運休日発生が告知されていますので、今後「O-train」に乗車される予定のある方は充分注意して下さい。

また事故の原因究明と再発防止策が万全に講じられ、再び同種事故の報を聞く事がない事を強く願いたいものです。


(追記)最近大規模な航空事故が相次いでいますが、更にアルジェリアでも航空機が失踪したという情報も入っています。
今月は余りにも大規模な事故のニュースが多過ぎると感じますが、これ以上事故の報を聞かない事を願うばかりです。
またMAKIKYUは元々空を飛ぶのは大嫌いですので、少なくとも「O-train」などが走る韓国へ足を運ぶ程度では利用する気にはなれず、日本国内移動で「少し早い」「少し安い」程度の事で利用するのは、個人的には論外です。
ここまで事故の報が相次ぐとただでさえ嫌なものが尚更という心境で、遠方の海外などへ急を要する用件が発生し、他に選択手段がなく止むを得ない状況にでもならない限り搭乗は絶対に…とも感じます。


名古屋市交通局 N3000形電車~鶴舞線用の新型車両

2014-07-20 | 鉄道[東海]

先日「MAKIKYUのページ」では、名古屋市営地下鉄東山線の特定日限定終電延長に関して取り上げましたが、MAKIKYUが5月に名古屋を訪問した際には、この東山線以外に鶴舞線にも乗車したものでした。

鶴舞線は実質的に名鉄線の一部と言っても過言ではない「上飯田線」を除くと、名古屋市営地下鉄では唯一の他鉄道との相互直通運転を行っている線区となっており、上小田井・赤池の両端駅を介して一部列車が名鉄線と直通運行を行っています。

現在鶴舞線では名古屋市交通局車両だけでも3形式、相互直通運転を行っている名鉄の車両も合わせると、大きく分けただけでも4形式の車両が活躍しています。

鶴舞線は伏見~八事間の開業から30年以上が経過し、開業当初から活躍している3000形電車の代替時期を迎えている事もあり、この代替で順次導入されている車両がN3000形で、2011年に第1編成が導入されています。

現段階ではこの1編成だけがアルミ車体、それ以外の各編成がステンレス車体となっており、同一形式ながらも2者は様々な差異が見受けられるのも、N3000系の大きな特徴です。

導入当初に比べて数を増やしたとは言えども、それでもまだ4編成しか導入されていない車両ですので、名古屋を訪問する機会は年に1度あるかどうか…というMAKIKYUの様な余所者が簡単に捕獲できる車両ではありません。

しかし5月にMAKIKYUが伏見駅で、東山線から鶴舞線に乗り換えた際には、運行本数が少ない=車両運用数が少ない休日ダイヤ運行にも関わらず、このN3000形があっさりと出没したものでした。


さすがに少数派のアルミ車体車ではなかったものの、それでもそう簡単には捕まらないと思っていただけに、N3000系遭遇はビックリでした。

 
車両の雰囲気は東山線や桜通線に近年導入された新型車両と類似しており、大型の座席脇仕切や、LCDモニターを用いた案内表示装置などは、最近の新型車ならではと言えます。

ちなみに名古屋市交通局の車両は、どちらかと言うと新技術や機構などを先駆けて導入するよりも、ある程度実績のあるものを導入する傾向がある様に感じられ、鶴舞線以外は全区間各駅停車の列車のみである事もあってか、車外の行先表示案内も字幕式かオレンジ色のLED表示のみという状況でした。

ただN3000系は直通運転先の名鉄犬山線内において、各駅停車以外の種別で運用される事も影響してか、行先表示は名古屋市交通局車両では初のフルカラーLEDが採用された事も特徴で、大半が各駅停車という事もあってか機能をフル活用しているとは言い難いものの、新車である事をより強調している様にも感じたものでした。

また5月にMAKIKYUが名古屋を訪問した際には、N3000形と共に東山線の最新型車両にも初めて乗車したものでした。


先日の東山線終電延長の記事でも使用した写真がこの新型車両ですが、第1編成の登場は2007年と結構前になるものの、導入から暫くは運行本数も少なく、非常に捕まえ難い車両でした。

しかし2012年以降に大量増備され、現在では非常に捕獲しやすい状況になっており、鶴舞線の新型車・N3000形もあと何年かしたら東山線の如く大量増備となるのか否か、また現在1編成のみとなっているアルミ車の増備が行われるのかも気になる所です。

ちなみに東山線の新型車両は、普通に考えればN5000系辺りになりそうな気もしますが、この車両は何故か「N1000形」を名乗っており、鶴舞線や名古屋に拠点を置くJR某社の目玉車両、先日電車の塗装変更を発表した新京成電車などの如く、新鋭車両の形式が「N+先代車両の形式」ではない付番となっている事に少々違和感を感じるのは、MAKIKYUだけでしょうか? 


新京成電車・全車両の塗装が変更に~ここまでやるなら社名も…

2014-07-16 | 北総監獄

近年首都圏では相模鉄道(相鉄)で、鉄道・バスの双方において新塗装への変更が進み、他地域では京阪電鉄などでも同種の動きがありますが、そろそろ塗装変更も終盤に差し掛かったと感じるこれらの塗装変更に関しては、ご存知の方も多いかと思います。

また路線単位だけであれば、東武鉄道が新型車両(60000系)導入と共に、野田線の輸送改善を図るために転属させている10030系などでも、新型車両のイメージにあわせた装いへの塗装変更といった動きがありますが、先日(14日)には東武野田線とも新鎌ヶ谷駅で接続する中小私鉄・新京成電鉄においても、車両の塗装変更を行う旨が公式発表され、ご存知の方も多いかと思います。
(公式発表記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)←新京成電鉄HPへリンクします

新京成電鉄の電車(以下新京成電車と記します)といえば、個人的には20世紀後半~21世紀初頭にかけての主流となっている「クリーム色+茶色の細帯」の印象が強く、現在では茶色の細帯がエンジのラインに改められた車両が数多い状況です。


この装いを纏った主流派の車両は、概ね昭和末期~平成初頭にかけて導入された鋼製車体の車両(塗装車・過去記事で使用した画像の再掲)ですが、その後も新京成電車ではステンレス車を2型式(8900系・N800系)導入しています。

8900系はイメージ刷新を狙い、既存車両とは大きく異なるデザインや装いで登場し、当時の親会社が導入していた車両よりも見栄えが良いと感じる程でしたが、ピンク帯は後にエンジ帯へ改められており、登場当時とは若干印象が異なるものになっています。

N800系は親会社の車両を若干カスタマイズした程度の「グループ標準仕様車」で、この車両の登場時には、親会社よりも先を行く印象が強かった昭和末期~平成初頭の新京成電車とは、随分様相が変わったと感じたものでしたが、それでも内装などは独自色を出している部分も見受けられます。

帯色を変えるだけで優等列車に匹敵する運賃(或いはそれ以上)を徴収できると錯覚しているのか、首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走り、余りに高額過ぎる運賃で悪評名高い「「開発を止めた某鉄道」」(元○○開発鉄道)が近年導入した車両や、HPを見るとダミー会社の様にしか思えず、車両には社名表記が全く見うけられない通称「北総監獄鉄道」の車両などの、乗車すれば親会社の車両と何も変わらないと感じる車両に比べれば、両数を除くとほぼ同型の車両ながらも、N800系の方がイメージは遥かに良いと感じます。
(「北総監獄鉄道」は社員数よりも所属車両数の方が多い有様で、これではとても自社で車両管理などを賄えるとは思えませんので…)

しかしながら8900系・N800系は共に他の既存車両とは異なる装いで登場している上に、両者のデザインなども全く異なるもので、新京成電車は様々な装いの車両が入り乱れ、多者直通運転を行っている路線かと錯覚する状況ですので、6月の新シンボルマーク導入を機に、今後イメージカラーを用いた新塗装へ順次変更し、新京成電車全車両の塗装統一を図る事は、悪くないのでは…とも感じます。


ピンク色を基調とした装いも、日本の鉄道車両では比較的少数派で、独自性と言う点でも悪くないと思いますが、新京成電車では過去に8900系の帯色変更と言う事例もあるだけに、ピンク部分が早くも塗り替え…という事にならないのかも気になる所です。
(画像は新京成電鉄公式HPからの転載です)

また新京成電車は、中小私鉄にしては比較的サービスレベルも高い部類に入り、様々な面で悪評名高い鉄道路線が多い千葉県内においては、割合健闘している部類かと思いますが、社名故に如何にも「某大手私鉄の子会社」という印象(勿論この系列ですが…)があります。

今日「新○○」と称して親会社の社名を入れた社名を用いている鉄道事業者は他に…とも感じますし、新京成自体も現在では地域にないにおいてそこそこの知名度がある会社ですので、新シンボルマーク導入や塗装変更まで行うのであれば、個人的にはもう一歩進んで社名変更もできなかったのか…とも感じたものです。


(お断り)新京成電鉄は過去に開発を止めた某鉄道と相互直通運転を行っていた事があり、この記事の画像車両(8800系)も一部編成が「開発を止めた某鉄道」に乗り入れていた事や、新京成電車が「北総監獄」の近隣地域を運行しており、関連も深い路線である事から、この記事は「北総監獄」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。


AUTS試験車両に遭遇~中国の地鉄車両を連想する雰囲気も…

2014-07-15 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]


先月MAKIKYUが韓国を訪問した際には、KORAIL湖南(Honam)線列車に乗車中、一老(Illo)駅で非営業の試験車両が稼動している姿を目撃する機会もありました。

MAKIKYUは韓国を訪問する度にKORAILを利用し、以前にも提川(Jecheon)駅で振子式試験車(TTX:Tilting Train eXpress)の運行に遭遇し、同車に関する記事も取り上げた事がありますが、今回の試験車両遭遇はそれに続く2例目となります。
(以前取り上げた振子式試験車両・TTXに関する記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)

振子式試験車両は、山岳線区における曲線区間の速度向上などを目的にしており、優等列車用車両の試験車両という事になりますが、今回遭遇した試験車両はAUTS(Advanced Urban Transit System)と呼ばれ、車両1両当たり両開きドアを4箇所設けた通勤型仕様で、試験車両でも性質は全く異なるものです。
(JRに例えるならば、どちらも試験車として製造され、僅か数年で廃車となったE991系(TRY-Z)とE993系(ACトレイン)並みの差異があります)

AUTSは韓国で不定期刊行されている鉄道雑誌「Railers」でも取り上げられ、表紙を飾った事もある車両ですので、存在自体はMAKIKYUも以前から知っていました。

とはいえ主に試験運行を行っている箇所が、ソウルから約400km離れ、釜山からも決して近くない湖南線の末端近く、おまけに試験車両故に確実に運行している訳ではありませんので、実際に稼動している姿を見るのは初めてでした。

また一老は日本での知名度は余り高くなく、この地名を初めて聞くという方も居られるかと思いますし、日本人観光客が余り足を運ばない所かと思いますので、韓国内に在住している方は別として、日本から訪問した旅行者でこの車両の姿を見た事があるという方は、余り多くないかと思います。


この車両の風貌は、比較的日本の通勤電車に近似した点が多いKORAIL広域電鉄や、同線と一部区間で相互直通運転を行っているソウルメトロで活躍する車両とは異なり、客ドアがプラグドアになっています。

パンタグラフ(韓国の通勤電車は下枠交差式ばかり)もKTX(フランスTGVベース)など、ヨーロッパ由来の車両を連想する形状のシングルアーム型になっているなど、他の通勤型車両とは大きく異なる車両である事が一目で分かる異質なものです。

車体長などの車両規格こそ異なりますが、個人的には中国の南方で活躍する地鉄車両(SIEMENSやALSTOMなど、欧州系メーカー標準仕様車をカスタマイズした車両が多数活躍しています)を連想する雰囲気を受けたものでしたが、プラグドアは外観こそスマートなものの、中国・上海などで混雑時のドア開閉に支障を来すなどの難があり、後の増備車で取りやめになった前例もありますので、混雑線区での採用は厳しい気もします。

外見で判別できる差異だけでなく、メカ的にも様々な新機構を取り入れている様で、できることなら発車や停車時の走行音なども聞ければ…と感じたものでしたが、列車乗車中に停車した際に偶然車中から目撃しただけで、せっかくの試験車遭遇も、窓越しに眺めるだけしかできなかったのは少々残念に感じたものでした。

また確実に遭遇できるとは言い難いものの、このAUTSが頻出する一老駅は、田舎の小駅だけあって停車列車も限られており、高速列車KTXは全て通過となっています。

都会的な雰囲気のAUTSが佇むには場違いな印象の所と言っても過言ではなく、アクセスし易いとは言い難いのが現状で、近隣の主要都市・木浦からは短距離故に、KORAILの運賃体系なども考慮すると、レールパスの類でも所持していない限り、列車利用は…とも感じます。

一老駅を発着する木浦市内発着の市内バス(108番・800番)は運行本数も限られ、こちらもバス大国の韓国にしては余り至便とは言い難いのが現状です。
(それでも両者を合わせれば毎時3本程度は確保されていますので、日本の地方都市に比べれば至便で、運賃も比較的割安に設定されているのは有り難いのですが…)

そのため外国人旅行者にとっては、AUTS狙いでの一老訪問はやや難易度が高い気もしますが、機会があれば木浦市内バス乗車も兼ねて一老駅を利用するのも…と感じたものでした。
(ハングルが読めないと、単独行動はややハードルが高いと思いますが、市内バスの経由地・行先などを記したハングル標記解読が可能で、何度かの韓国個人旅行暦があれば、単独行動でも何とかなると思います)


「日本一終電が遅い地下鉄」で名古屋の経済はバラ色?~「日本一」の表現は違和感ありですが…

2014-07-13 | ニュース記事講評

ネット上のニュース記事を見ていた所、気になる記事がありましたので、取り上げたいと思います。


(以下青字部分が記事抜粋です)


「日本一終電が遅い地下鉄」で名古屋の経済はバラ色?

[ドデスカ!-名古屋テレビ]2014年7月4日放送で、終電の延長された名古屋市営地下鉄東山線について紹介していました。

日本一遅くまで走る地下鉄となりました名古屋市営地下鉄東山線は7月4日から終電時刻が土日を除く、金曜日および祝日の前日は45分遅くなりました。

東山線の終電時刻は栄駅で見ると、岩塚行き、星ヶ丘行きともに午前0時16分でしたが、延長となった金曜日と祝前日は午前1時1分となります。

終電の星ヶ丘駅到着は午前1時15分になるとのことで、現在日本で一番遅い地下鉄は都営地下鉄大江戸線が午前1時10分に最終駅の光が丘駅に到着します。

つまり延長になったことで名古屋の地下鉄が日本一遅くまで走る地下鉄となりました。

もっと遅くにはならないの?名古屋の街の声は?

なぜ終電を延長したのか名古屋市交通局電車運転課の水谷公晴さんにお聞きしました。

「終電時刻を延長することで栄・名駅エリアがもっと賑わい、最終的に地下鉄を利用してもらい、たくさんの乗客が見込めると期待しています」とのことです。

終電をもっと遅くすることはできないのですか?の問いに対しては「終電から始発までに、レールなどの保守点検を行っています。それには3時間40分程度が必ず必要となり、その時間を削って延長というのは翌日の安全な運行に関わることなので現時点では45分が最大です」とのことでした。

「夫が金曜日は飲んでくることが多いので、今まではタクシーに乗って帰ってきていましたが、今後は定期で帰って来れるので家計は助かります」と東山線沿線にお住まいの主婦の方や、栄で飲んでいらっしゃるサラリーマンの方は「飲みに行く人に曜日は関係ないと思うので、毎日延長して欲しい」など喜びの声が多い様子です。

ちなみに居酒屋「ニパチ」栄広小路店のみとなりますが、7月4日(金)から7月末まで午後11時以降来店のお客様には、生ビールを1杯サービスしていただけるとのこと。

一方利用者が減るかもしれないタクシー運転手のご意見を伺ったところ「終電が延長されてもタクシーの利用はされると思うので、影響はほとんどないと考えます」とおっしゃっていました。

終電延長で驚きの経済効果も!

終電延長の経費は約1900万円で乗車料金のみでは赤字となりますが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの内田俊宏さんによれば、名古屋にもたらす経済効果は高いとのこと。

「終電が延長されることによって、外食産業を中心に消費が増えることで年間ベースで考えると10億以上の経済効果が見込まれる。飲食費として一人当たり平均3000円くらい増える計算になる」とのことでした。

さらに終電が遅くなったからといって、飲みすぎて結局タクシーを利用したり、ホテルに宿泊するなどの可能性も予想されます。

また今年度から大企業の交際接待費の半分が非課税になるという制度で、企業の接待需要も多くなる可能性もあるそうです。

名古屋は他の地方よりもボーナスの支給も多く、伸びが高いということで名古屋の夜はますます元気になる可能性が高いと思いますともおっしゃっていました。

名古屋は昔から堅実で経済には明るいと言われます。東山線の終電延長で名古屋の夜が元気になって、他の路線や曜日への拡大になっていくと良いですね。(ライター:神谷祐美)

(記事抜粋は以上)



(写真はMAKIKYUが5月に東山線を利用した撮影した「東山線のイメージ画像」で、最終電車とは関係ありません)

「地下鉄の終電延長」で名古屋市営地下鉄東山線が特定日限定ながらも、「日本一遅い地下鉄」になったとの事ですが、日本では「地下鉄」というと東京メトロと地下鉄を運行する各市及び東京都の交通局が運行する路線のみを指す事が多いのに対し、世界的には事業者が異なる相互直通運転区間などの郊外区間も含めて「地下鉄」と定義される事が多く、個人的には「日本一」という表現はやや違和感を感じる所です。
(韓国ソウルのソウルメトロ1号線と、相互直通を行っているKORAIL広域電鉄各線区などは、両事業者運行区間を合わせて1号線と案内される事も多く、運賃体系も事業者に関わらず一体となっていますので、事業者の境界駅を意識する事も余りない状況です)

また東京メトロ千代田線・北千住発→JR常磐線・松戸行最終列車(各駅停車)などは、MAKIKYUも実際に何度か乗車した事があるのですが、終着駅の松戸到着時刻は、1時15分よりも遅い時間になります。

地下鉄と相互直通運転を行っている路線・区間で、地下鉄との直通運転を行っていない列車も含めれば、夜行列車を除いても、川越市駅や相模大野駅などの最終電車到着時刻は、更に遅い時間になりますし、地下鉄との直通運転を行っていない路線・区間も含めた首都圏の都市鉄道全般を見渡せば、JRの最終電車で終着駅到着が1時30分を過ぎる駅も幾つか存在します。

ただ名古屋は首都圏などに比べると、電車の最終時刻が全般的に早い傾向にあり、東山線の最終電車時刻が他路線に比べて大幅に遅くなる事は、地域に与えるインパクトは相当なモノかと思いますし、終電時刻を「最遅級」として宣伝するのであれば、妥当な気もします。

また東山線は最終電車の出発後、地下鉄に並行する区間を走る深夜バスを運行しており、MAKIKYUも一度このバスに乗車した事がありますが、これも地下鉄と同じ名古屋市交通局が運営しています。

この路線は市内均一料金の倍額(深夜料金)で利用でき、栄から比較的遠い藤が丘などまで乗り通した場合、地下鉄との差額もさほど大きくない事もあってか、利用状況はかなり良いと感じたものでした。

この深夜バスの盛況ぶりも踏まえ、多くの需要が見込まれる金曜日などに限定した終電延長に踏み切ったのでは…と感じますが、東山線沿線は輸送手段形態の差異を別とすると、終電延長がなくても深夜時間帯における公共交通確保と言う点では、名古屋では突出して恵まれていると言っても過言ではない気がします。

近年首都圏では深夜急行バスなどの新路線開設や、既存路線改編によって、深夜時間帯の公共交通機関が充実する傾向にあり、MAKIKYUは目的地に朝3時過ぎに到着となる深夜急行バスを利用した事もあります。

首都圏や東山線沿線に限らず、大都市圏各地の他路線沿線でも需要が見込まれ、設備や要員などの確保に支障がない状況であれば、状況に応じた深夜時間帯の公共交通機関充実にも期待したいものです。

日本では最も公共交通機関が充実している首都圏(東京23区内や多摩地区、神奈川県・埼玉県・千葉県の一部地域)でも、朝1時過ぎになって地下鉄・広域電鉄の運行が終了しても、通常運賃のみで乗車できる市内バスが多数運行しており、このバスを多数の乗客が利用している大韓民国首都圏(ソウル市内とその近郊の京畿道一部地域)などに比べると、見劣りが否めない気がします。

深夜時間帯における交通手段確保のために、現場の負担が過大となり、安全かつ快適な公共輸送確保が困難になる様では本末転倒ですので、充分な体制が確保できる事が大前提で、民営の場合は採算性確保も考慮しなくてはいけませんので、可能な所から順次と言う事になるとは思いますが… 


(お知らせ)従来「Weblog」カテゴリーで取り扱っていたニュース記事の抜粋と、記事に関するMAKIKYUの見解などを記した記事に関しては、今日付けで新カテゴリー「ニュース記事講評」を設定し、今後こちらのカテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。
またこのカテゴリーに該当する「Weblog」カテゴリーの既公開記事に関しても、「ニュース記事講評」カテゴリーへ移動致しました。


KORAILの新型特急車両「itx-セマウル」~既存セマウル号より座席は劣るものの…

2014-07-10 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

先月MAKIKYUが韓国へ足を運んだ際には、KORAIL(韓国鉄道公社)が5月に運行開始したばかりの新型電動車を使用した新列車「itx-セマウル」にも、初めて乗車する機会がありました。

「itx-セマウル」は、機関車牽引の客車列車で運行している既存セマウル号(一部は両端に動力車を配した動力集中方式のディーゼル動車だった編成の付随車部分のみを抜き取り、機関車牽引の客車列車として運行)の老朽取替えを目的として導入された新型車両で、KORAILの列車線を走る動力分散方式の営業用電動車としては、ヌリロ・itx-青春に続く第3弾となります。
(1980年代に東海岸方面へ向かう路線向けに9両2編成だけ導入され、現在は退役→先頭車1両が(韓国京畿道・旺王市の)鉄道博物館に保存されている車両も含めれば第4弾となり、高速列車KTXは初代車両と後に導入されたKTX-山川の双方共に動力集中方式です)

ヌリロやitx-青春は、首都圏の限られた地域を運行する比較的足の短い列車に充当され、運行本数や導入本数も限られていますので、KORAILの列車線では異端的な車両と言っても過言ではありません。

しかしながらitx-セマウルは、既存セマウル号の代替用という事もあってか、ソウル~釜山(Busan)や龍山(Yongsan)~光州(Gwangju)・木浦(Mokpo)などの幹線を走る足の長い列車で多数運用され、登場からまだまもない状況にもかかわらず、既に20編成以上が活躍しているなど、KORAIL列車線においては非常にありふれた存在と言える列車の一つになっています。

そのため特に狙い撃ちしなくても、韓国の主要都市間で列車を利用する際に、たまたま丁度良い時間を走る列車の乗車券を購入したら、itx-セマウルだった…という事もあり得るほどの状況になっています。

KTX開業前の韓国鉄道庁(当時)は主要幹線ですら大半が非電化、列車の殆どが動力集中方式のディーゼル車だった一昔前を知る身としては、itx-セマウルが多数運行されている様を見ると、KORAILも随分変わったと感じずにはいられない状況です。


itxセマウルの流線型となっている先頭車は、如何にも優等列車ならではの雰囲気があり、韓国の鉄道事情に疎い人間に写真を見せれば、高速列車と錯覚させる事もできるのでは…と感じる程です。

低床ホームに発着する姿に加え、独特な形状のライトなども、如何にも異国の列車と言う雰囲気を感じる一方、色合いなどはやや異なるものの、赤とグレーの濃淡、そしてグレー部分には細いラインが何本も入る装いは、何となく一昔前の小田急ロマンスカーをリメイクした雰囲気も…と感じたものでした。

編成は3M3Tの6両固定、列車によっては2編成を併結した12両編成での運行も行われる様ですが、MAKIKYUが乗車した列車は、6両1編成のみでの運行で、この編成での運行が大半となっています。


車内に足を踏み入れると、設備的には近年登場したヌリロなど他の電動車とよく似た雰囲気で、座席のピッチやリクライニング角度などもヌリロやムグンファ号などと同レベル、残念ながら非常に豪華な設備を誇る事で有名な既存セマウル号には及びません。

とはいえヌリロやitx-セマウルの座席は、シートピッチなどは日本のJR在来線特急普通車と同等レベルながら、リクライニング角度は意外と大きくなっていますので、夜行はともかく昼行利用であれば、個人的にはソウル市内から釜山や光州まで乗り通しても…と感じたものでした。
(ちなみにMAKIKYUがitx-セマウルに乗車したのは、井邑(Jeongup)→龍山の3時間強でした)


座席グレードは既存セマウル号より見劣りが否めない反面、車両自体が新しい事もあってか、比較的高速で走行している際の居住性などには分があり、一部座席(各車両の前後3列程度)には充電用コンセント(韓国国内用のCタイプのみ対応:日本の電化製品を使用する場合には要変換プラグ)も設けられている辺りも、既存セマウル号にはないウリと言え、LEDを用いた車内照明やLCDモニターによる到着駅案内装置なども、最新型車ならではの装備と言えます。


全体的に豪華な雰囲気の列車と言える既存セマウル号に比べると、車内の雰囲気も比較的シンプルで、客室も全車一般室のモノクラス、既存セマウル号やムグンファ号の大半に設けられているカフェ車もなく、物販は自動販売機設置のみとなっていますので、機能性重視のビジネス向け列車の色彩が強く感じられたものです。
(それでも自動販売機すら使用中止→撤去、そして列車によっては車内販売もナシとなっている某島国の高速列車などに比べれば、状況は遥かに良好で、運行距離や時間などを考慮す売ると、過剰設備の適正化を図ったと言って良いと思います)

動力分散方式の電車という事もあってか、何となく日本のJR在来線特急に乗車している様な錯覚を感じてしまう面もあり、座席2列分の大窓中央にブラインドレールを設け、各席毎にブラインドを任意の位置で下ろす事ができる構造も、ヌリロなどと同様です。


これに加えて背もたれ上部の特徴的な枕形状や、車内側が真っ赤に塗られた客ドア、などを見ると、何となくJR東日本の一部優等車両に類似した雰囲気を感じたものでした。

また速達運行による利便性こそ評価されているものの、居住性の悪さや運賃の割高さなどで、時間的余裕があれば個人的には余り…と感じる高速列車・KTX(特に初代KTX一般室の逆向き座席)に比べれば、所要時間以外はitx-セマウルの方が遥かに優れていると感じ、今後韓国一の基幹軸とも言える京釜間(ソウル~釜山間)を移動する際にも、選択肢の一つとしてitx-セマウルは悪くないと感じたものでした。

とはいえitx-セマウルで既存セマウル号と同じ運賃体系が適用されるのであれば、JRグリーン車並みの座席が自慢の既存セマウル号に乗車した方が…と感じる向きもあるかもしれませんし、豪華な設備が自慢の既存セマウル号に乗り慣れた方からは、物足りなさを感じる声も出るかと思います。

KORAILの駅設備などはかなり余裕があり、増結による長編成化もさほど困難ではない気もしますので、仮に今後itx-セマウルの車両増結を行う事があるならば、特室(グリーン車相当)を設け、ここに既存セマウル号並みかそれ以上の座席を設置する事で、多少割高な運賃・料金を支払ってでも、より上質なサービスを望む客層にも応えられれば…とも感じたもので、今後現行と同様の6両編成で増備するとしても、座席下ヒーター形状の変更による足元空間の拡大化程度は期待したいものです。

また韓国の鉄道をはじめとする公共交通機関の運賃は、他の諸物価に比べて安過ぎる位で、400km強を走るソウル~釜山間のムグンファ号一般室(JR在来線特急普通車に相当)の片道運賃が日本円相当額で3000円弱、100km程度のソウル~天安間広域電鉄(JRや大手私鉄の通勤電車と同レベルのロングシート車)で日本円相当額300円程度ですので、物価の上昇や安全で快適なサービスを確保するために必要な経費を確保する事も考慮すると、個人的には既存セマウル号が設備の割に運賃設定が安過ぎ、itx-セマウルで適正なレベルかと感じています。

itx-セマウルは今後も暫く現状のまま推移するのか、編成替えや用途変更などが出てくるのかも気になる所で、KORAILではKTX開業以降、一般列車では主流となっている客車の新造も殆ど見受けられない状況ですが、今後は動力分散方式へ本格移行していくのか否かも気になる所です。


野母商船「太古」今日から新船に~値下げと共に若松抜港も

2014-07-07 | 船舶[日本国内]

MAKIKYUが3月に五島列島へ足を運ぶ際、博多から中通島(通称上五島)の青方へ向かう際に乗船した野母商船のフェリー「太古」は、今日から新船による運航に変更となります。

新船は九州郵船や九州商船が最近、本土~長崎県離島へ向かう航路に導入したフェリーと同様に、長崎県の助成を得て導入しています。

この事もあってか、先に県の助成を得て新船を導入した2社と同様に、新船運航と共に運賃値下げも実施されるなど、博多~福江間の運航時間も新船への代替によって短縮されますが、その一方で若松島・若松港は抜港となります。

若松港利用者は、若松大橋によって若松島~中通島は実質的に陸続きになっているとはいえども、中通島の青方港との間を別途移動しなければならないという問題も生じますので、この方面からは異論も出るかもしれません。

MAKIKYUが6月に韓国へ足を運んだ際にも、高速船「BEETLE」で博多港に帰還した際、引退間近の「太古」が国際ターミナルとは湾を挟んだ対岸に位置する国内航路ターミナルに入港する姿も目撃しており、この時も「そろそろ引退か…」と感じたものでした。


本土~五島方面ではかなり古びた印象のフェリーも活躍する中で、決して新しい船ではなく、船体も航行距離などの割には決して大柄ではないものの、小奇麗な船と言う印象を受けたものでした。

3月に乗船した際の船内も、比較的綺麗に整備されている印象があり、「太古」の終点・福江島もまだ足を運んでいない所が幾つも…という状況ですので、機会があれば「太古」新船にも是非一度乗船し、福江島を再訪する機会があれば…と感じています。


(以下は「太古」とは話が脱線しますので、興味のある方のみお付き合い下さい)
MAKIKYUが先月韓国から帰国した後には、国際ターミナルで「太古」の入港を目撃した後、西鉄バスで博多駅へ移動→郵便局夜間窓口へ出向き、海外土産や重たい荷物を積め込んだダンボール1箱をゆうパックで自宅へ別送したものでした。
(博多駅やその周辺は一応日本国内ながらも、MAKIKYUの自宅(横浜市内某所)よりも韓国の方が遥かに近い状況です)

ダンボール1箱の別送を済ませた後は、当日中に博多からJR特急列車に乗車し、五島方面ではないものの長崎県内へ向かったもので、最近の韓国旅行では帰国後の後泊地として、博多から100km圏へ足を運ぶ事もしばしばです。

九州はJRと高速バスが、主要都市間において熾烈なサービス合戦を繰り広げている事もあってか、車両のサービスレベルも全般的に高く、割引乗車券の設定なども充実している事は、九州在住者や九州へよく足を運ぶ方は勿論、それ以外でもご存知の方は多いかと思います。


MAKIKYUが先月JR特急列車を利用した際にも、バラ売りの割引乗車券(当然チケットショップでの発売)を利用したもので、特急乗車時間は2時間弱に及びますが、それでも実質価格はダンボール1箱の送料と同程度でした。


韓国から帰国してこのJR特急列車などに乗車すると、韓国も良いものの日本も悪くないな…と感じるものです。

韓国から帰国してすぐに乗車するのが特急列車ではなく、特別料金不要な列車の場合でも、最低限この程度の座席(これも余り長時間乗車には適しておらず、好みが大きく分かれる様です)は…と感じる所です。

日本の鉄道車両も多様ですので、良いものばかりとは限らず、仮に帰国早々異様に軟らかく、座面が不安定でブカブカした感触の座席を装備した貧相感が否めない電車(どんな車両か気になる方は、こちらをクリックして頂ければ、該当車両画像にリンクします)にでも乗車するとなれば…とも感じ、韓国への出国・或いは韓国からの帰国する際、この車両がすぐ近くを走る所を利用するのも勘弁願いたいものです。
(ちなみにリンク画像は該当車両のイメージで、「この車両がすぐ近くを走る所」の中には、通常は運用区間制約の少ない特定編成のみが乗り入れる区間も含みます)


ちなみにこの光景は当り前過ぎるという方も居られるかもしれませんが、本州在住の余所者にとっては意外と機会が…と感じるもので、上手く時間が合わないとなかなか見る事ができず、MAKIKYUが写真の車両で表示駅を通ったのは、先月が初めてでした。


(この記事へのコメントは「太古」に限らず、脱線部分のみに関連した話でも構いませんが、話の脱線部分で触れた異様に軟らかく、座面が不安定でブカブカした感触の座席を装備した貧相感が否めない電車への乗車や、この車両がすぐ近くを走る所を韓国への出国・或いは韓国からの帰国する際に利用する事をMAKIKYUに対して推奨するコメントはご遠慮下さい)


カテゴリー分類の細分化に関して(お知らせ)

2014-07-06 | Weblog

皆様、いつも「MAKIKYUのページ」へアクセス頂き、ありがとうございます。

現在「MAKIKYUのページ」として利用しているgoo blogは、「MAKIKYUのページ」開設以後に仕様変更され、以前よりも設定可能なカテゴリー設置数が増加した事(現在は最大100カテゴリーまで設定可能です)に加え、「MAKIKYUのページ」記事数も増加しています。

「MAKIKYUのページ」は今後も記事数の増加が見込まれる事から、今日付けで新たなカテゴリーを設定し、一部記事の所属カテゴリーを変更致します。

このカテゴリー変更に伴い、以前は1カテゴリーのみであった船舶に関するカテゴリーは2分割し、今後日本国内と海外関連の2カテゴリーでの取り扱いに変更致します。

ちなみに船舶カテゴリーにおける「日本国内」は、日本国内のみを運航する航路を取り扱い対象とし、それ以外の日本を発着する国際航路や海外間の国際航路、日本国外を運航している国内航路に関しては、「海外関連」での取り扱いとさせて頂きます。


そのため海外旅行並みかそれ以上と感じる程、航行距離や乗船時間が長い沖縄発着航路(写真は大阪・神戸~奄美・沖縄を結ぶマルエーフェリーの「琉球エキスプレス」です)などでも、日本国内のみの運航であれば「日本国内」扱いとなります。


一方JR九州高速船「BEETLE」などが運航する比田勝(長崎県対馬市)~釜山(大韓民国)間の片道2桁km・1時間強の短距離航路でも、日本国外が絡む航路(写真は福岡~釜山間を運航する「BEETLE」です)に関しては、全て「海外関連」となります。
(この様な話をすると、以下に韓国が日本と近い国であるか、また沖縄は日本国内ながらも他地域とは遠く離れているかが実感できるかと思います)

またこの他に博物館などの保存施設やイベント関連などに関しても、別カテゴリーを設定し、このカテゴリーに該当する記事に関しては、地域に関わらずこちらへ移動します。

この他隣接する2地域を統合しているカテゴリーに関しても、今後の記事数増大などを見越して順次カテゴリー分割を行い、一部記事のカテゴリー移動を行います。

九州のバスに関しては九州本土(架橋によって陸続きとなっている天草などを含む)と、それ以外の離島(壱岐・対馬・五島列島や南西諸島など)や沖縄県内を取り扱うカテゴリー(九州離島・沖縄)の2つに分割するほか、鉄道関連の記事数が多いカテゴリーに関しては、JRとそれ以外の私鉄・地下鉄など(私鉄等)で所属カテゴリーを分割します。


複数地域を跨って運行する事も多いJRの新幹線に関しては、地域に関わらず新たに設定した「新幹線」カテゴリーでの取り扱いに変更致します。
(但し標準軌に改軌した在来線区間における普通列車に関しては、在来線扱いとさせて頂きます)

そのため暫くの間は、本来の所属カテゴリーとは異なるカテゴリーで記事表示される事もあるかと思いますが、予めご了承下さい
(一部記事の所属カテゴリー移動は、今月中に順次実施致します)


JR九州高速船「BEETLE」・グリーン席に初乗船~特急グリーン車程のグレードではないものの…

2014-07-06 | 船舶[海外関連]

先月MAKIKYUが韓国へ足を運んだ際には、日韓間の移動はMAKIKYUの韓国旅行では定番となっており、最も使い慣れたJR九州高速船「BEETLE」を往復利用したものでした。

現在「BEETLE」はビートル・ビートルⅡ世・ビートルⅢ世の3隻が活躍しており、どれも類似したスペック・外観のジェットフォイルながら、客席最後部の窓有無などの差異があります。

JR九州グループらしく、「BEETLE」各船も某有名デザイナーが内外のデザインを手がけている事でも知られ、この事はご存知の方も多いかと思いますが、「BEETLE」各船の外観や内装はこのデザイナーならではの個性が随所に感じられ、ビートルⅡ世の博多~釜山航路運航開始から現在に至るまで20年以上を経ている事もあってか、その間には内装のリニューアルなども行われています。

以前「BEETLE」と共同運航を行っている未来高速「KOBEE」において、負傷者発生を伴う鯨などの海中生物との衝突事案も発生し、海中生物の多く出没する海域での減速航行なども実施されている状況を考慮してか、近年では1階前方に設置されていた売店スペースを撤去し、代わりに客室乗務員によるワゴン販売が実施されているのも特徴です。

以前売店が設けられていた1階前方には、現在上級客席を設置しており、共同運航の「KOBEE」にはない「BEETLE」独自の設備となっています。


この上級客室の呼称を「グリーン席」としているのは、JR系ならではと感じる一方、乗船券には「GREEN SEAT」と表示される辺りは、国際航路ならではと感じたものでした。


MAKIKYUの訪韓暦は2桁に達し、その大半は「BEETLE」に乗船しているため、「BEETLE」は幾度も利用している事になるのですが、今までグリーン席を眺める事は何度もありながら、実際に利用した事はなく、先月の訪韓時には空席がありましたので、往路で初めてグリーン席を試してみたものでした。


ちなみにMAKIKYU初のグリーン席乗船で往路に充当された船は「ビートルⅡ世」で、復路で一般席利用の際に乗船したのは「ビートル」でした。

ビートル各船におけるグリーン席の利用は通常運賃(各種割引運賃利用も含む)に加え、福岡~釜山間の片道で+3000円(釜山発は30000W)のグリーン料金がかかります。

 
グリーン席利用の場合は、一般席よりも上等な座席に加え、菓子類とドリンクのサービス(通常購入だと両者のセットが500円・これに加えグリーン席利用者はドリンクフリー)や、「BEETLE」ロゴ入りスリッパの進呈、到着時における優先下船などの付帯サービスもあり、これらの付帯サービスを除く座席に対する料金は、実質的には1500円~2000円程度なのでは…と感じます。

福岡~釜山間の片道運航距離は210km強ですので、同程度のJR九州在来線特急や新幹線のグリーン料金と比較すればやや割安で、200kmまでの料金と比較すれば同程度といった所です。

「BEETLE」の場合は一般席のシートピッチは観光バス並み、リクライニングも気持ち程度(国内航路のジェットフォイルでは、リクライニング機能なしが大半ですが…)で、グリーン席は一般席よりは上等な座席となっており、たまたまなのか、それとも敢えて意図してなのかは分かりませんが、グリーン席の座席モケットはグリーン(緑色)系統となっています。


グリーン席の座席は、物凄く豪華な座席とは言い難く、座席の大きさやシートピッチ、リクライニング角度などは、JRの在来線特急普通車程度と感じたものでした。

雰囲気はともかく、座席自体に関しての評価だけならば、鉄道の特急グリーン車に比べると見劣りは否めないと感じたものでしたが、多少奮発してでも、一般席よりもワンランク上の船旅を…と考えている方にとっては、グリーン席の利用はおススメかと思います。

フェリーの様な空間的制約の少ない船舶ではなく、ジェットフォイルと言う空間的な制約が比較的大きい船舶において、モノクラスではなく複数の選択肢が存在する事で、多様な客層の要求に応えられるというのも、評価できる点と感じます。
(ジェットフォイルでは香港~澳門間を運航するTurbojetでは上級席設定がありますが、日本の国内離島航路などではモノクラスばかりですので…)

幾度も「BEETLE」に乗船している方も、グリーン席を利用すれば、いつもと少し違った船旅になるかと思いますので、試してみる価値はあるかと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も「BEETLE」に乗船して韓国へ足を運ぶ機会がありましたら、グリーン席利用も検討してみては如何でしょうか?


福江島を走る五島自動車(5)~路線車とは異なる装いの貸切車両

2014-07-04 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが3月に五島列島の福江島を訪問した際には、島内移動は専ら五島自動車(五島バス)の路線バスを利用し、貸切バスを利用する機会はない状況でした。

しかしながら離島だけに都市間バスの運行こそ存在しないものの、五島バスは一般路線バスだけでなく、定期観光バスや貸切輸送なども行っており、その気になれば路線用の「兼用車」でも対応できるとは思いますが、貸切専用車も存在し、何台かの車両が稼動する姿を目撃したものでした。

貸切専用車の中でも、先日の記事で取り上げたいすずMRだけは、一般路線車と同じ赤と白の装いですが、それ以外の車両は兼用車を含む路線車とは異なる装いになっています。


その中でも中型車は自家用バスなどで良く見かけるトップドアの標準床車で、ワンマン装備や行先表示などがない事を除けば、一般路線で充当しても不思議ではない雰囲気を感じたものでした。


しかしながら大型車は、乗車距離も限られる離島のバスらしからぬハイデッカー車を目撃し、九州では本土でも結構な経年車が多数活躍している状況を見ると、本土の下手なバスよりも…と感じる程でした。


大型貸切車は前モデルのセレガでも、島の大きさや需要などを考えれば上等な車両と感じる程ですが、中には新型セレガも含まれており、沖縄本島を除く日本の離島でこの車両が走っている島(島外からフェリーで航送されてきた車両は別とした場合)は他にどれだけあるのだろうか…とも感じたものでした。


福江島を走る五島自動車(4)~幹線でも活躍するマイクロバス

2014-07-01 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが3月に訪問した五島列島の福江島は、五島自動車(五島バス)が福江を拠点に島内各地へ路線を運行しており、その大半は大型車と中型車の共通運用ダイヤとなっていますが、比率は低いながらもマイクロバスも活躍しています。

離島の路線バスと言うと、道路条件や輸送量の関係などもあってマイクロバスが主体と言う所も少なくないのですが、離島に限らず国内におけるマイクロバス運行路線での主力車種は日野リエッセで、五島バスでもリエッセは何台か活躍しています。


MAKIKYUが福江島内で五島バスを利用した際にも、一度リエッセに当たったのですが、近年導入されているバリアフリー対応車(中型ワンステップ)を除く大型車や中型車と同様に、トップドアの貸切兼用車となっており、路線運用だけでなく貸切で活躍する姿(写真)も見られたものでした。

また古参車故に最近では姿を見る機会も少なくなり、リエッセ登場前には路線用マイクロバスとして導入した実績も多い日野レインボーRBも、乗車機会こそなかったものの数台が活躍している姿を目撃したものでした。


写真は福江~戸岐間の路線に充当されたレインボーRBで、五島バスでは大型車や中型車が充当されるダイヤと、マイクロバスが充当されるダイヤは基本的に分離されている様ですが、大型車などが頻出する路線でも、時間帯によっては…という状況です。
(MAKIKYUが福江~戸岐間の路線に乗車した時には、大型車での運行でした)

中には島内では屈指の幹線とも言える福江~富江間の便に、レインボーRBが充当されている姿も目撃したもので、これは少々意外に感じたものでした。
(その一方で本数は僅少、かつ福江を発着しない富江~岐宿間の路線に大型車が充当されている姿も目撃しているのですが…)


また日野車以外にも、現在は五島市に編入された奈留島を走る奈留島バス(丸濱産業)の主力車種になっており、車高が高い事も特徴的ないすずMRも目撃していますが、この車両は路線塗装を纏っていながらも、路線兼用車ではなく貸切専用車の様です。

五島自動車では兼用車を含む一般路線車と、貸切専用車では基本的に装いも異なっているのですが、貸切専用塗装を纏っている貸切専用車に関しては、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。