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小田急5000形10両編成・さよなら運転~6両編成は遂に見納めに

2011-01-31 | 小田急グループ

 

一昨日・昨日の2日間は、小田急線の5000形10両編成さよなら運転列車が新宿→唐木田間で運転され、ご存知の方も多いかと思います。

この列車は各日450名定員の抽選となっており、MAKIKYUもこの列車の抽選に応募したものの、残念ながら結果は「ハズレ」という状況で、この列車への乗車抽選に応募したものの…という話を至る所で耳にします。

今回のさよなら運転列車では、特製弁当(パッケージにも通称5200形が描かれている様です)や記念品が付き、乗客限定の撮影会に参加できるとはいえ、乗車運賃は結構な値段(新宿~小田原間を特急ロマンスカーで往復する位は…)になるにも関わらず、抽選は相当な高倍率だった様で、小田急線や5000形車両の人気の高さを改めて実感させられたものでした。

またMAKIKYUはさよなら運転列車の抽選結果が残念ながら「ハズレ」とはいえども、最後のさよなら運転で有終の美を飾る姿は是非一度見て記録に収めておきたいと思ったもので、今回のさよなら運転列車運転日は両日とも仕事だったものの、昨日は出勤時間が遅く、その姿を見に行く事も可能な状況でしたので、その姿を見届けるため仕事前に小田急沿線まで足を運んだものでした。

小田急沿線の中でも、MAKIKYUがさよなら運転列車の姿を見届けるために足を運んだのは向ヶ丘遊園駅で、ここではさよなら運転列車は快速急行の通過待ちを行うため、1番ホームに数分間停車するのですが、その間に小田原方にある踏切付近からさよなら運転列車の姿を見届けると共に、特製マークを掲げた最後の晴れ姿をカメラに収めたものでした。

向ヶ丘遊園では最後の晴れ姿を見ようと足を運ぶ人が何人か居るとはいえ、物凄い人出だったと言われている新宿や新百合ヶ丘などとは異なり、比較的落ち着いた雰囲気だったのも良かったもので、日頃の撮影機材はコンデジのみ、走行写真などを撮影できる高級な一眼レフカメラなどを持ち合わせていないMAKIKYUとしては、絶好の撮影舞台だったと感じたものでした。

ちなみに小田急5000形は初期の4両編成・2段窓車がまだ何本も残存しているにも関わらず、通称5200形と呼ばれる6両編成・1段下降窓の後期車両(以下5200形と記します)が次々と姿を消し、5200形は4両編成に短縮改造された3本だけが今後も残存となりますが、今回のさよなら運転を最後に、5000形のみでの10両編成は見納めとなります。

5200形の中でも短縮改造された車両は比較的初期の部類に入り、ドアチャイムも装備していない編成ですので、様々な事情があるにしても、さほど古いとはいえない上に更新工事も施行され、随分綺麗な車両と言う印象がある5200形ドアチャイム装備編成が全滅と言うのは皮肉なもので、この車両でしか聞けないドアチャイムが消滅するのも惜しい限りです。

とはいえ製造時期や活躍年数は大差ないものの、営業運転最終日に知人と乗り合わせた際、内外共に荒廃して今にも退役する車両という印象が否めなかった首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)のΣ形というヘンテコな形をした電車の最後などとは大違いで、5200形6両編成が最後まで美しい姿で活躍し、有終の美を飾ったことは大いに評価できるものです。

小田急沿線生まれのMAKIKYUとしては、小さい頃は電車といえばまず5200形をはじめとする通称「小田急顔」スタイルの電車が思い浮かぶ程で、このスタイルの電車が次々と姿を消し、遂に6両編成は全滅というのは寂しい限りです。

実車に乗れなくなる今後は模型(MAKIKYUが集めているNゲージ車両の中でも、走行頻度は5本の指に入る程のお気に入りです)でこの姿を楽しむ事が増えそうで、まだ暫くは残存する4両編成の活躍にも期待したいものですが、6両編成の「小田急顔」の電車が消滅すると言う事は、一つの時代の終わりを感じるもので、今日までの活躍ぶりを末永く記憶に留めておきたいものです。


かしてつバスの専用道路~鉄道時代の面影も…

2011-01-26 | バス[北関東]

今月MAKIKYUが茨城県内に出向いた際、乗車機会のあった鹿島鉄道代替バス(かしてつバス)は、鉄道廃止以来暫くの間、全国各地を走る他の鉄道代替バスと同様に、旧鹿島鉄道線に比較的近い道路を走る運行でした。

しかし昨年になって、石岡駅南側にあるJR常磐線踏切付近~旧四箇村駅間でバス専用道路が整備され、これに伴ってごく一部の便を除いてバス専用道路経由に経路が変更された事は、かしてつバスの大きな特徴となっています。

このバス専用道路は最近地方のローカル私鉄などでよく耳にする「上下分離方式」で整備され、民間のバス事業者(関鉄グリーンバス)が運行する路線バスのみが通行可能な道路ながらも、日本のバス専用道路では初の公設民営方式となっています。


かしてつバスの専用道路は、旧鹿島鉄道の廃線跡をバス専用道路として整備している事もあり、石岡駅南側で並行しているJR常磐線から離れ、石岡南台駅へ向かう際の緩やかなカーブなどは、鉄道の廃線跡を転用したバス専用道路ならではの雰囲気が漂います。


鹿島鉄道は単線だった事もあって、バス専用道の道路幅はバス1台分強しかなく、随所に設けられた行き違い箇所で上下の便が交換する運行形態や、バス専用道路と一般道路との境目では遮断機が設置され、車内からリモコン操作で遮断機を操作するのも大きな特徴です。


バス専用道路転用区間では、鉄道時代に交換駅だった玉里駅をはじめ、幾つかのバス停や、バス停以外でも用地の確保できる箇所に多数の行き違い箇所を設け、単線でダイヤ設定に制約のあった旧鹿島鉄道時代以上の本数を運行できる事に加え、バス専用道では一般車両の通行が禁止(一度だけバイクが進入している姿を目撃していますが…)されており、バス専用道区間では渋滞の恐れがなく定時性確保の点でも優れたものとなっています。

それにバス専用道路経由の路線バスは旧鹿島鉄道の代替目的だけでなく、バスならではの機動性を生かし、バス専用道区間で旧鉄道駅以外にも停留所が幾つも設けられたり、バス専用道を経由して茨城空港へ向かう路線も設定されるなど、利便性の面では旧鹿島鉄道時代や一般道路経由の路線バスを大きく凌ぐものとなっています。

 
またかしてつバス専用道路は新形態の交通システムとして注目の存在であるだけでなく、鉄道時代に石岡を出発して一つ目の駅だった石岡南台駅は、行き違い可能駅だった上下線ホームと、上下線ホーム間を結ぶ跨線橋(封鎖されており通行不可)が残り、かつて鉄道がこの地を走っていた事を強く印象付ける雰囲気が漂っています。
(右側の写真は現在と対比出来る様に掲載した鹿島鉄道末期の様子で、かしてつバス石岡南台駅の写真とは逆側から撮影したものです)

石岡南台から先、東田中~四箇村までの各駅はバス専用道整備に伴ってホームなどの構造物は撤去され、木材を用いた特徴的なデザインの真新しい待合室が幾つも見られる状況です。

こちらは鉄道時代を偲ぶには物足りない印象があるかもしれませんが、旧鉄道駅だった箇所は全て同名のバス停(玉里駅・新高浜駅など、バス停名に「駅」も含まれます)となっているのが大きな特徴です。


代替バス専用道は現在四箇村駅で終わり、四箇村駅ではその先へ続く線路などが撤去された廃線跡が目撃できます。

石岡~茨城空港間の路線バス最短ルート(玉里辻から空港直行)における定時性確保の為には、かしてつバス専用道も現在の整備状況で充分と言えますが、かしてつバスはこの先の小川駅までが本数頻発区間となっています。

バス専用道も小川駅まで整備するという話も聞いた事があり、用地は当然容易に確保できる状況かと思いますので、今後バス専用道が更に小川駅まで整備されるのかどうかも気になる所です。

あとかしてつバスでは、専用道以外の区間では鉄道時代の主要駅だった常陸小川・玉造町・鉾田のみが「駅」を名乗り、それも常陸小川と玉造町は「小川駅」「玉造駅」の名称となっています。

バス専用道路区間以外で、鉄道時代の名称をそのまま使っているのは終点の鉾田駅のみ(「駅」の付かないバス停名だけならば、「八木蒔」「坂戸」など幾つもあるのですが…)になりますので、かしてつバス専用道区間の旧鉄道駅で、全て旧鉄道駅の名称を踏襲しているのも興味深いものです。

かしてつバスは鉄道時代より大幅に乗客数が減少し、小川駅以遠で運行間隔が2時間程度開く時間帯も存在するなど、鉾田方面への公共交通の利便性は鹿島鉄道が健在だった頃に比べると…という状況が否めません。

しかしながら石岡駅~小川駅間では、同区間のみの便や茨城空港発着便を含めると、かしてつバスは鉄道時代よりも至便なのではと感じる程で、鹿島鉄道の廃線跡を利用したバス専用道路も非常に興味深いものです。

土休日にはかしてつバス全線(鉄道代替区間+小川~茨城空港間)が乗り放題で1000円の一日乗車券(バス車内でも販売)が発売され、石岡自体も首都圏各地からJRなどで比較的容易に訪問できます(首都圏各地からはホリデーパスが土浦まで通用し、土浦~石岡は至近距離ですので、駅次第では利用価値大です)ので、かしてつバスに興味を持たれた方は是非一度乗車してみては如何でしょうか?


かしてつバスの使用車両(2)~関鉄塗装のバスも多数活躍

2011-01-23 | バス[北関東]

先日「MAKIKYUのページ」では関鉄グリーンバスが運行する鹿島鉄道代替バス(かしてつバス)の独自塗装車に関して取り上げましたが、かしてつバスでもこの塗装のバスはまだまだ少なく、関東鉄道グループの路線バスではお馴染みの水色系の装いを纏ったバスが主流を占めています。

この中にはかしてつバス運行に合わせ、この時期に中古車として出回っていた平成6年頃に製造されたいすゞ製大型路線車(キュービック)が多数活躍しており、MAKIKYUもこのバスに乗車する機会がありました。

乗車したのは国際興業と京浜急行グループからの移籍車両で、MAMIKYUがかしてつバスに乗車した際には、関鉄グループで最近急速に勢力を拡大している京成グループ(京成バス・新京成バスグループ)からの移籍車両の姿を見る機会がない状況でしたので、車種構成も他の関鉄グループの路線とはやや異なる雰囲気を受けたものでした。

 
その中でも国際興業からの移籍車は、逆T字窓に背もたれがやや大きめの座席を装備するなど、路線バスにしてはやや豪華な印象(地域によってはこのレベルが当たり前と言う所もありますが…)を受けるもので、この車両ならば片道所要1時間程度の石岡~鉾田間を乗り通すにも充分なグレードを備えていると感じたものでした。

この国際興業からの移籍大型車は、関鉄標準塗装で活躍している車両も存在していますが、「茨城からソウルへ…」などと言う謳い文句付きのラッピングを施された車両も存在し、茨城空港へ乗り入れる系統にも充当される車両らしいとも言えます。

ただ空を飛ぶのがダメなMAKIKYUとしては、このラッピングバスへの乗車自体は構わないのですが、ソウルへ足を運ぶのにこのラッピングに描かれたモノは…とも感じてしまったもので、韓国へ足を運ぶ際のアクセス手段として乗車するバスはこの車両ではなく、昨年バス車体製造を中止・会社解散した車体製造会社の親会社で、最近新塗装の路線バスが増えている某大手私鉄のバスを利用したいものです。


またかしてつバス運行開始に合わせて導入された車両以外にも、鹿島鉄道が健在だった頃から石岡・鉾田周辺で活躍していた古参の中型車が活躍する姿も見られます。
(写真はかしてつバスとは別系統で、石岡駅~鉾田駅間を結ぶ関鉄グリーンバスでありながらも、かしてつバス一日乗車券も通用しませんので要注意ですが、かしてつバスでも同形車に遭遇しています)

こちらは関鉄グループの路線バスにおける典型といった雰囲気ですが、床が板張りの車両もまだまだ活躍しており、低床車ばかりで2段ステップのバス自体が…というエリアに身を置くMAKIKYUとしては、大都市圏では姿を見かけない古参車を中心に、様々な車両に遭遇できるのは面白い限りと感じたものでした。

あとかしてつバスでは、茨城空港発着以外の各系統でかしてつバスである事を明確にするため、「か」のマークを表示すると共に、行先・経由地表示に字幕を用いている車両では、関鉄グループでは一般的な白地に黒文字の標記ではなく、黒字に白文字の標記となっている事も大きな特徴です。


この行先・経由表示は、土休日に発売されるかしてつバス一日乗車券利用時の一日乗車券適用外となる紛らわしい他系統(石岡駅~高浜駅~小川駅~上山~鉾田駅など)との誤乗車防止にも一役買っているほか、鹿島鉄道廃止と共に廃駅となった停留所も「駅」を名乗っているのも興味深い所です。
(この字幕の「駅」で鉄道が通っているのは石岡駅のみで、かしてつバスではこの字幕に表示された停留所以外でも「駅」を名乗る停留所が幾つか存在しています)


かしてつバス・独自塗装の新型車~混雑時の収容力に課題

2011-01-22 | バス[北関東]

 

今月MAKIKYUは茨城県内へ出向き、かしてつバス(鹿島鉄道代替バス)に乗車する機会がありました。

鹿島鉄道はご存知の方も多いかと思いますが、JR常磐線と接続する石岡を基点に、鉾田までの間を走る非電化ローカル線で、沿線では「かしてつ」などと呼ばれ親しまれた路線でした。

かしてつは霞ヶ浦湖畔を走る車窓をはじめ、21世紀になっても戦前製気動車が現役であるなど、旧型気動車の活躍でも知られた魅力ある鉄道でしたが、残念ながら2007年春に廃線となり、もう廃止から4年近くが経過しています。

MAKIKYUもかしてつが健在だった頃には何度か乗車機会があり、関連記事を「MAKIKYUのページ」でも取り上げた事がありますが、廃線後は機関区などが跡形もなく消え去り、更地となった石岡駅の姿を、通り過ぎるJR常磐線の車中から何度か見かける程度で、つい最近まで石岡駅を利用する機会すら…という状況でした。

そのため鹿島鉄道亡き後に関鉄グリーンバスが運行する代替バス・かしてつバスには運行開始から3年以上が経過した今年になってようやく乗車する有様でした。

かしてつバスは関鉄グループのバスだけあって、普通運賃は全線通し乗車で片道1000円を越えるなど、決して安いとは言い難いものの、土休日には1000円でかしてつバス全区間+小川駅~茨城空港間が乗り放題となるフリー乗車券が発売されているのは有難いもので、MAKIKYUがかしてつバスに乗車した際にも、この乗車券を用いたものでした。

ところでこの関鉄グリーンバスが運行する「かしてつバス」ですが、使用車両は関鉄グリーンバスの石岡・鉾田両営業所に所属する一般路線車が充当されており、新旧様々な車種の活躍が見られます。

MAKIKYUがかしてつバスに乗車した際には、一日乗車券を用いて幾つものバスに乗車したため、様々な車種に乗車したのですが、最新型のいすゞ中型車・ERGAMIOノンステップ車にも当たったものでした。

ERGAMIOと言うと大都市圏から地方に至るまで、国内各地でありふれた存在の新鋭で、個人的には古参車も多数活躍する地方でこの車両に当たると余り嬉しくない存在です。

しかしながらかしてつバスで活躍するERGAMIOの中には、水色を基調とした関東鉄道塗装の車両も存在するものの、MAKIKYUが乗車した石岡営業所所属のERGAMIOは、白とグレーの塗装に「か」の字をデザインしたかしてつバス独自塗装の車両で、関鉄グループで独自塗装の一般路線車自体が比較的少数と言う事(他には龍ヶ崎NTで活躍する車両が思い浮かびますが…)も考えると、かしてつバスならではの車両として注目の存在と言えます。

ちなみにMAKIKYUがかしてつバス独自塗装のERGAMIOに乗車した際は、航空機出発時間に近い時間帯の茨城空港行きに充当されており、大きな荷物を持った航空旅客などで非常に混雑している有様で、いくら新しくバリアフリー対応で看板役には適任の車両といえども、中型車故に混雑時の収容力に課題ありと感じたものでした。

至近時間帯の鉾田行きが大型車使用にも関わらず、貸切状態でガラガラだった状況も踏まえると、もし茨城空港発着便の混雑が常態化しているのであれば、大型車を優先充当するなど車両運用を見直すなどの施策にも期待したいと感じたものでした。

またかしてつバス独自塗装の車両はERGAMIO以外にも、比較的最近導入された中型中古車の一部にも施されています。

MAKIKYUが中型中古車のかしてつバス独自塗装車を見かけた時は、残念ながら日没後だった事もあり、写真は撮影できていませんが、関鉄グループでは最近中古でも古さを感じさせない低床大型車が、京成グループ内から多数移籍して活躍する姿も見かけますので、新車とまではいかないにしても、今後かしてつバス独自塗装の低床大型路線車が登場する事にも期待したいものです。


水島臨海鉄道 キハ200形気動車~ラッシュ時のみ稼動する古参車両

2011-01-19 | 鉄道[中国]

   

もう一月近く前の事になりますが、MAKIKYUが先月岡山・広島方面に出向いた際には、倉敷市内を走る水島臨海鉄道にも乗車する機会がありました。

同鉄道は非電化単線ながらも、旅客列車は昼間でも毎時2本程度設定され、地方私鉄にしては比較的至便な路線ですが、この旅客列車の大半は単行運転可能なワンマン運転対応の新型軽快気動車によって運行され、1両ワンマンの列車も多数存在しています。

しかしながら沿線が工業地帯という土地柄もあって、平日の朝夕には車両の増結も行われ、軽快気動車だけでは数が不足する事から、この時間限定で古参車両も稼動しています。

MAKIKYUが水島臨海鉄道に乗車したのは平日朝だった事もあり、この古参車両にも乗車したものでしたが、キハ200形と呼ばれる古参車は元国鉄→JRのキハ20形で、同形式は随分前にJR線上からは姿を消しています。

JR以外の鉄道に譲渡された車両も、数年前までは長崎県の島原鉄道で結構まとまった数が稼動していたものの、こちらも南目線廃止と運命を共にしており、現在では水島臨海鉄道と茨城県のひたちなか海浜鉄道(旧茨城交通)の2路線のみとなっていますので、非常に希少な存在です。

そのためこの様な車両に乗れる事自体が有り難く、その上水島臨海鉄道ではラッシュ時の輸送力確保列車への充当を目的としているために、ひたちなか海浜鉄道の車両とは異なり、単行運転可能な気動車にも関わらず、ワンマン運転対応改造が施されていない事も大きな特徴です。

キハ20系列の大きな特徴とも言える勿論手動のプレスドアなども健在で、簡易型冷房装置の設置やトイレ撤去などの改造が行われているとはいえ、ひたちなか海浜鉄道で活躍中の車両以上に、昔ながらの国鉄気動車の雰囲気を非常に強く感じるところも注目点です。

また水島臨海鉄道では現在4両が健在で、その内の2両が平日に稼動する運用のため、所要両数に比べて車両数に余裕があるのですが、現在この内の2両が水島オリジナルの白と青の装い、残る2両が国鉄旧塗装の朱色とクリーム色の装いになっています。

運用時にはどちらか一方の装いで統一された2両で走る事が多い様で、国鉄旧塗装の方が圧倒的人気を誇りますが、MAKIKYUが先月乗車した際には各塗装1両ずつの混成編成となっており、どちらの装いも見てみたいMAKIKYUには最高の組み合わせと感じたものでした。

あともう一つのキハ20形が活躍する路線として知られるひたちなか海浜鉄道では、新型の軽快気動車との組み合わせも見られ、この様な編成も趣味的には非常に面白いものですが、水島では見た目はひたちなか海浜鉄道とよく似た軽快気動車も、ブレーキに電気指令式を採用しています。

そのため両者が併結して運転する姿が見られない点は少々残念で、運用上も平日の限定運用のみで乗車し難いのは難点ですが、古参気動車だけにいつまで活躍が見られるのか気になるものの、暫くの活躍に期待すると共に、イベント等で休日にも稼動する事に期待したいと感じたものでした。


岡山市内を走る「たま」電車~本家和歌山電鐵程の派手さはないものの…

2011-01-14 | 鉄道[中国]

 

昨年末にMAKIKYUが岡山・広島方面へ出向いた際には、岡山市内で両備グループの注目的存在として知られる岡山電気軌道の路面電車「MOMO」と、創立100周年を記念して登場させた両備バスの未来型バス「SOLARVE」に乗車し、これらは既に「MAKIKYUのページ」でも取り上げていますが、他に乗車機会はなかったものの、岡山電気軌道の市内電車で活躍する「たま」電車の姿を見る事も出来ました。

「たま」といえば両備バスや岡山電気軌道と同じ両備グループの和歌山電鐵で、貴志川線の終着駅・貴志駅の駅長を勤めている事で有名で、今や日本一有名な駅長(さらに役員にまで出世していますが…)であると共に、猫としての知名度でも恐らく国内トップクラス、海外にまでその存在が知れ渡っている程ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、ご存知の方が多いかと思います。

和歌山電鐵ではこの「たま」をデザインした「たま電車」を走らせており、車両自体は南海電車のお古ながらも徹底した改装で内外共に非常に個性的な車両となっており、この電車に関しても以前「MAKIKYUのページ」で取り上げた事がありますが、昨年同電鐵の「いちご電車」と共に発売されたNゲージサイズ(150分の1スケール)のディスプレイモデルも、「たま電車」の方はあっという間に店頭から姿を消した事などからも、相当な人気振りが伺えます。

両備グループの本拠と言える岡山でも、「たま」の人気にあやかって「たま電車」登場後に同種デザインの路面電車を登場させていますが、こちらは「たま」と名乗っているものの「たま電車」とは標記しておらず、同種デザインながらも本家和歌山電鐵で活躍する「たま電車」とは差別化が図られています。

また先月MAKIKYUが初めて「たま」電車に遭遇した際には、乗車機会こそなかったものの、起点となる岡山駅停車中に車内の様子も伺うことができたのですが、車内は座席モケットが「たま電車」でも見られる独特なものに改められ、天井などに「たま」のイラストが貼られるなどの特徴が見られたものでした。

ただ「たま電車」の様な大規模な改装は行なっておらず、岡山電気軌道でもモダンなデザインの新型低床車「MOMO」や、非冷房の旧型車両を大改装した「KURO」などに比べると、同社では一般的な旧型車下回りを転用した車体更新車だけあって、インパクトは薄い印象もあります。

とはいえ岡山電気軌道は日本全国の路面電車の中では極めて小規模であるにも関わらず、様々な種類の電車が走り回る様は非常に興味深いもので、機会があれば「たま」電車にも乗車してみたいと思ったものでした。


JR西日本 225系電車(5000番台)~昨年末に運行開始した最新鋭車両

2011-01-10 | 鉄道[近畿・JR]

  

先日「MAKIKYUのページ」では、昨年運行開始したばかりの東京メトロ千代田線の最新型車両・16000系に関して取り上げ、同系は首都圏で大きな注目を集めています。

これに対し関西でも昨年末、JR西日本で225系と呼ばれる新型電車が運行を開始し、こちらも大きな注目を集めていますが、MAKIKYUは昨年末に青春18きっぷで岡山・広島方面へ出向く際、途中で少し寄り道して乗車する機会がありましたので、今日はこの225系に関して取り上げたいと思います。

225系は現在新快速などで活躍中の223系の後継版に当たる車両で、東海道・山陽本線向けの0番台と、阪和・紀勢本線向けの5000番台の2種類が存在しています。

まだ走り始めて日が浅い事もあり、さほど数が多くない上に、東海道・山陽本線向けの車両は運用範囲が極めて広く、余所者がふらりと訪れて捕まえるのは容易ではなく、こちらに関しては一度すれ違った他は、車庫に停車している編成を目撃しただけと言う状況でした。

一方阪和・紀勢本線向けに導入された5000番台は、運用範囲がある程度限られる事もあり、暫定運用の状況でも阪和線内では比較的容易に捕まえられる状況で、MAKIKYUが先月乗車したのはこの阪和線向けの225系でした。

阪和線向けの225系は、窓下の帯色が青系統の特徴的なモノとなっており、座席配列も航空旅客対応として片側1列配置とするなど、同線の223系と同様の特徴が見られるのが特徴です。

また225系自体は、設備的に223系を踏襲しつつも、その後登場した新鋭通勤型車両・321系に類似した部分も多く見られ、メカニズム的にも0.5Mシステム採用によって全電動車(321系の場合は付随車も存在)となるなど、両者を足して2で割った車両という雰囲気も感じたものでした。

これに加え225系の大きな特徴として、JR西日本で以前発生した大事故を踏まえ、安全対策を強化している事が挙げられます。

これによって外観も、前面形状は今までに比べるとお世辞にもスマートとは…という雰囲気になっており、高運転台構造が影響して客室からの前面展望も、非情に見晴らしの良い先代223系に比べると、やや劣っています。

側面もドア間5列の座席に対し、両端の座席に対応して開閉可能な窓が設けられ、中央の3列に対応する窓が大きな固定窓、この固定窓は各窓に対応するブラインド用のレールが設けられるという、他に類を見ない特徴的な窓割となっており、余りスマートな印象ではありませんが、見た目よりも車体強度の強化を優先した事が容易に見受けられます。

車内に足を踏み入れると、つり革が随分増設されて首都圏並みといっても過言ではない状況になっており、その長さも223系などに比べると短めであるなど、やや関西の電車らしくない雰囲気もあります。

大きく目立ちやすいオレンジ色のつり革は好みが分かれそうで、MAKIKYUとしては数を増やす程度で…とも感じてしまいますが、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の総本家で最近増殖しており、好みが大きく分かれる黒いつり革などに比べれば、まだ良いのでは…と感じたものです。

また車内は窓割りやつり革配列などを除くと、JR西日本の通勤・近郊型車両の集大成といった雰囲気となっていますが、座席モケットが退色の目立つ223系に比べて濃い色になり、化粧板も座席モケットと違和感ない色彩になるなど、見るからにちぐはぐな雰囲気が否めなかった阪和線用223系の増備車(2500番台)などに比べると、色彩の面では随分良くなっている様に感じたものです。

この様に225系はデザインよりも車体強度向上などの安全対策を優先し、実用性重視といった雰囲気を受けたものですが、それでも車内に足を踏み入れると設備的にはハイレベルで、走行時の騒音や振動などの面でも、貧相極まりない「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の総本家の車両に乗り慣れた身としては、同じJR在来線20m級近郊型電車の最新型で、東西でここまで格差が出るのかと感じたものです。

ただ最近は関西でも阪和線の競合線区とも言える大手私鉄路線(概ね数km海側を走っており、直接競合する区間は限られますが…)でも、貧相な印象が否めない「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」が増殖しており、ご存知の方も多いかと思います。
(この車両に関しては「MAKIKYUのページ」でも以前取り上げた事がありますので、興味のある方はこちらをクリックして下さい)

こちらは老朽車両がゴロゴロしている事を考えると、低コストで新車調達を行う事が急務なのかもしれませんが、今後225系の増備と本格稼動により、阪和間ではJR快速列車(紀州路快速)の増発やサービスレベル向上が図られる中で、果たしてJRと互角のサービスを提供できるのかも気になる所です。

関西でも阪和間の路線は、安価で高レベルの輸送サービスを提供する路線が集まる事で定評ある京阪間などに比べ、現状では見劣りが否めませんが、225系の大量導入による阪和線快速のサービスレベル向上に対し、競合私鉄も今後どの様な対抗策を打ち出して行くのかも気になる所です。


東京メトロ・16000系電車に初乗車~シンプルながらも車内の雰囲気は…

2011-01-06 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

 
昨年11月に運行を開始したばかりの東京メトロ千代田線用の最新型車両・16000系は、昨年MAKIKYUは姿を見ただけで乗車する機会がなかったのですが、3日にようやく乗車機会に恵まれ、今年初の幸運を手にした様にも感じたものでした。

この16000系は試運転の姿を「MAKIKYUのページ」でも一度取り上げた他、元旦の記事でも今月限りで6両編成は全て引退となる小田急5000形と共に、記事中の写真でも取り上げるなど、車両の外観に関しては既に「MAKIKYUのページ」でも2回程登場していますので、今日は乗車した車内の様子を取り上げたいと思います。

16000系はJR線にも直通運転を行う地下鉄車両だけあり、20m4ドア・ロングシートの一般的な通勤型仕様の車内となっており、車内案内表示装置としてLCDモニターを装備するといった点は、如何にも最近の通勤型車両といった様相です。

また最近の首都圏における通勤車両では、比較的低コストでシンプルな構造の車両が導入される事が多く、外観をはじめ、車内も割合質素な雰囲気を感じる車両が多くなっています。

16000系も日立製作所アルミ製標準仕様車両の一派と言える車両ですので、この傾向は強く見られ、関西の一部鉄道で導入されている新型車両の様な豪華さは感じられず、首都圏では比較的高級感のある車両を導入していた旧営団地下鉄の様な雰囲気もありませんので、新生東京メトロが旧営団とは車両方針が変わった事を意識させられるものです。

特に車内側面の化粧板を見渡すと、形式毎によって異なる凝った印象の化粧板を採用していた営団地下鉄時代の各車両に比べ、白系無地の化粧板などは対照的で、随分シンプルな印象を受けます。

天井の蛍光灯もグローブ(カバー)はなく、勿論間接照明でもありませんので、これは首都圏では一般的とはいえ、関西の車両などに比べると…といった所ですが、天井を見渡すと蛍光灯の配列や取り付け部、空調吹出口などが上手くデザインされ、シンプルながらも千代田線に乗り入れる他社最新型車をはじめとする「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の様な貧相な印象を受けない辺りは好印象が持てます。

そして車端部の貫通路や、座席脇の仕切りなどにガラスを多用しているのも大きな特徴で、ガラスを多用した車両間貫通路の脇は、16000系の内装で基調としている濃い青色のラインがデザインされ、化粧板自体は非常にシンプルな雰囲気ながらも、このラインが良いアクセントになっている様に感じられたものです。

座席脇の仕切りも、他車両ではなかなか見かけない独特なモノとなっており、標準仕様車をベースとしたシンプルな造りながらも、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の大半の如く「何処へ行っても同じ様な車両ばかり」といった雰囲気ではなく、16000系ならではの独自性が感じられる点は高評価できる所です。

そのため16000系は豪華さこそなくシンプルな印象を受け、天井回りなどに過剰な装飾をした感のある同社副都心線用10000系程の様な凝り様(これは評価が大きく分かれるかと思いますが、MAKIKYUとしてはイマイチと感じています)も見られませんが、近年の低コスト車両では貧相な印象が否めない車両も多い中で、独自色を打ち出しつつ機能美を考えた車両と言う印象を受けたものでした。

それに加えデザイン面などでは評判は悪くないものの、座席の評判が芳しくなく、早くも座席交換を行う事になった副都心線用10000系の失敗を踏まえてか、座席も固めながらクッションの厚みがあり、不自然な着座体制を余儀なくされる事がない点も評価すべきと感じています。

この16000系はメカニズム面でも、起動時などに独特な音を発する全密閉型同期電動機を採用し、台車も敢えてボルスタ付きとしているなど、この記事で言及している事だけに留まらず、内装や外観だけに留まらない様々な特徴が見られるのも特徴で、旧営団とは随分異なる東京メトロの車両設計も、この16000系で完成形に大分近づいたのでは…と感じたものでした。

最近の首都圏では「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」などの低コスト型車両が多く導入され、最新型車両よりもそれ以前の車両や、路線によっては代替対象となる古参車両の方が良いのでは…と感じる事も少なくなく、内外共に貧相な印象が否めない車両の増殖にはウンザリしていますが、この16000系は豪華さこそなくてもコスト面と共にデザイン性なども考慮されており、最近の首都圏通勤車両にしてはかなりの完成度を誇ると感じたものです。

この日は千代田線内で16000系の他に、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の総本家とも言うべき会社の最新型車両にも乗車したのですが、同年代の車両ながらも出来栄えの差は非常に大きく感じ、この事は千代田線の東側を走る他社線とは直通運転開始時点から相変わらずの様です。
(しかも陳腐極まりない千代田線直通開始時の車両が、地下鉄乗り入れ離脱から25年以上を経た今日でも、一部は様々な改造を経てJR他線区でまだ走り続け、先月MAKIKYUもこの車両に乗車機会がありましたが、新型導入で203系ですら淘汰される今日でもまだ走り続けるのは皮肉なもので、そろそろこの車両の代替話が出てこないのかも気になるものです)

時代の趨勢や通勤型車両に求められる特性などを考えると、特に首都圏においては低コスト型車両の導入が進むと思いますが、首都圏では16000系が直通運行を行う千代田線の乗り入れ事業者をはじめ、各事業者において16000系に刺激され、低コスト型車両でももう少しデザイン性を考慮した車両を導入して頂ければ…と感じたものでした。


2011年・新年あけましておめでとうございます

2011-01-01 | Weblog



新年あけましておめでとうございます。

今年は「小田急線と言えばこの顔」とも言え、少し前ならありふれた車両だった5000形電車(写真右側)が、今月のさよなら運転を最後に6両編成は姿を消す事が昨年末に発表されるなど、残念な話題もありますが、良い年になる事を願いたいものです。

5000形も増結用途を主体とした4両編成は、まだ少しの間残存するのはせめてもの救いですが、小田急沿線に生まれ、物心付いた頃の「電車」といえばこの「顔」ですので、5000形などの慣れ親しんだスタイルの電車が次々と姿を消すのは寂しいもので、今後実車には…という事になると、模型の世界で5000形を楽しむ事が多くなりそうです。
(MAKIKYUの手元にはNゲージの1段下降窓6両編成と2段窓4両編成双方があり、実車乗車程の頻度ではありませんが、時々これらを走らせて楽しんでいます)

また昨年末の記事でも触れた事ですが、昨年は海外へ出国する機会がなく、また韓国では
KTX東大邱~釜山間高速新線をはじめとする新線開業が相次いでいますので、機会があればまた「BEETLE」に乗って韓国まで足を運べれば…と思っています。

2011年、今年も「MAKIKYUのページ」を宜しくお願い致します。