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MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
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昆明軌道交通1・2号線~市内南北を結ぶ都市鉄道

2018-03-13 | 鉄道[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国雲南省の省都・昆明市内を走るメーターゲージ(軌道幅1000㎜)路線に関して取り上げましたが、現在昆明の市内交通として運行している軌道系交通機関は、このメーターゲージ路線以外に地鉄(昆明軌道交通)も存在しています。

昆明軌道交通は運行開始から日が浅く、ここ数年各地で開業が相次ぐ中国都市鉄道の典型とも言える路線の一つですが、昨夏MAKIKYUが混迷を訪問した時には1・2号線のみが運行を行っていました。

1号線は市内中心部の環城南路から南方へ向かい春融路で2方向に分岐、大学城南と昆明南站の2箇所が終端駅となっており、2号線は環城南路から北方へ向かい、北部汽車が終端駅となっています。


1号線~2号線は直通運転を実施、実質的には両者合わせて1路線と言っても過言ではない状況で、列車は北部汽車~昆明南と北部汽車~大学城南の2系統交互運行となっています。

1号線は途中に南部汽車・昆明火車も存在、2号線は途中に昆明北も存在し、1・2号線を使えば市内の主要火車(鉄道)各駅をはじめ、南北の汽車(バスターミナル)間を乗換なしで移動する事も出来ますので、市内交通は専ら市内公共汽車(路線バス)頼みだった数年前と比べると、市内移動の利便性は飛躍的に向上したと言っても過言ではないと思います。


駅設備は近年開業した路線という事もあり、地下にある各駅にはスクリーン式ホームドアが設けられています。


地上駅も成人の首辺りまでの高さがあるホームドアが設けられ、駅構造などは最近の中国都市鉄道における標準的なものいう印象です。

 
乗車券は繰り返し利用するICタイプ、中国では トークン式とカード式の双方が出回っていますが、昆明軌道交通で用いられているのはカード式となっています。


1・2号線の車両は4扉車6両編成、塗装は白と赤(ラインカラー)の2色となっており、非貫通型の前面やプラグドアを採用した乗降扉などは、中国の地鉄では採用事例も多いですが、日本の地下鉄では見る事が出来ないものです。


車内も天井が低く簡素な内装、プラスチックの硬い座席で荷棚がなく、車両間の貫通路は仕切扉無しの広幅タイプとなっており、これも日本の地下鉄や都市鉄道とは大違いですが、中国では標準的なものです。


運転席背後も前面展望は望めない構造で、乗り鉄を楽しむ車両という雰囲気ではありませんが、2号線の終端付近と1号線の南部汽車駅周辺は地上区間となっています。


そのため車内から発展途上ながら急速に開発が進む昆明の街並みを眺めたり、地上駅に入線する列車の姿を撮影できる点は、中国の地鉄では幾つも存在する全線地下路線では叶わない楽しみと言えます。

またMAKIKYUが昆明を訪問した際は、運行している地鉄は1・2号線のみでしたが、現在は他に市内東部にある長水機場(空港)を発着する6号線と、東部汽車で6号線と接続、途中駅で2号線とも接続する3号線も載客試運営という形で運行しています。

昆明市内でバスに乗車した際には、車中から6号線の車両を眺める機会もあり、こちらは白と青の2色を纏った車両が途中駅に留置されている姿を目撃しています。

昆明では他にも1・2号線の延伸計画をはじめ、4号線や5号線の建設計画などもあり、今後足を運ぶ機会があるか否かも分からない街ですが、もしまた数年後に昆明へ足を運ぶ機会があるなら、その際は軌道交通(地鉄)も大きく変貌しているだろうな…と感じたものでした。

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中国鉄路・昆明市内を走る米軌路線~残念ながら現在は…

2018-03-09 | 鉄道[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国~ベトナム間を結ぶ国際列車(南寧~Gia Lam)に関して取り上げましたが、以前は中国~ベトナム間を結ぶ国際列車として、この路線以外に昆明~Ha Noi間を結ぶ国際列車も運行していました。

南寧~Gia Lam間は標準軌(軌道幅1435㎜)の車両が用いられているのに対し、昆明~Ha Noi間はベトナムの鉄道では標準的なメーターゲージ(軌道幅1000㎜)の車両が用いられており、両都市間を丸1日かけて運行する国際列車も設定されていました。

現在でもベトナム方は中国と国境を接する街・Lao Caiまで旅客列車が運行しており、鉄路は中国へ続いていますが、中国方は大半の区間で旅客列車運行が休止となっています。

中国雲南省のベトナムと国境を接する街・河口は、近年街外れに河口北站が開業、標準軌新線を運行する列車が昆明~河口北間で4往復設定されており、国境の街をタクシーなどで移動する事を除けば、今日でも昆明~Ha Noiを鉄路乗継で移動する事も可能です。

また中国側も標準軌新線が開業したものの、昆明市内の一部区間では少し前まで米軌(メーターゲージ)路線の旅客営業を行っており、昨夏昆明へ足を運んだ際には、MAKIKYUもこの米軌路線に乗車機会がありました。


米軌路線は昆明北を起終点としており、標準軌路線の基幹駅・昆明站や高速鉄道新駅・昆明南站とは離れた場所にありますが、近年は地鉄でこの3駅間を乗換なしで移動する事が出来る様になり、各駅間の移動自体は比較的容易でした。
(昆明站~昆明北站なら、他に市内公交汽車も頻発しています)

 
昆明北站を発着する列車は、河口・Ha Noiへ向かう途中に位置する王家営との間を結ぶ列車が2往復、他に石咀との間を結ぶ列車が1往復設定されていましたが、両者合わせても3往復しか旅客列車設定がない事もあり、大勢の旅客で賑わう昆明站や昆明南站とは大違いで非常に閑散としていました。


中国鉄路乗車となると、まず火車票(乗車券)購入だけでも少々難儀する事が多いですが、この駅では無札入場し列車乗車後に車内で乗車券を購入、それも手書き発券となっているなど、他の中国鉄路各線とは随分様相が異なっていました。

 
旅客列車自体も他路線とは規格が異なる事もあり、専用のディーゼル機関車と客車による運行となっており、客車は車幅が狭い事もあってか、硬座車座席は2+2列配置。

現在中国鉄路の普速(客車列車)は、昔の装いに回帰するかの如く濃い緑色+黄帯塗装への変更が進み、列車種別毎に異なっていた新空調車塗装が、数を減らしている旧来の非空調車(緑皮車)と同等の装いに改められていますが、この米軌路線の客車は新空調特快塗装を堅持。

 
客車内は車両の大きさこそ日本の在来線車両を連想する小柄なものながら、設備的には旧来の緑皮車(非空調車)硬座車と大差なく、薄いクッションの入ったビニール張り直角座席は質素な印象を受けますが、これでもベトナム国鉄のハードシート(木のベンチ)に比べれば遥かに快適と感じたものでした。

客窓も開閉可能、ベトナム国鉄非空調車両の様なアクリル製穴開き窓もない上に、南方ながら標高が高い事もあり、常春とも言われる昆明では窓を開けて外の風が入る状況であれば、車内も空いており短時間乗車なら質素な車両でもそこそこ快適と感じたものでした。

ちなみにMAKIKYUが昆明で乗車した米軌路線は、昆明北~王家営間を夕方に運行する列車で、片道1時間強の道程でした。

    
車窓は標準軌線との並行区間やマンション建設が進む開発途上の風景、高速鉄道新線の高架橋下に畑の拡がる農村風景など変化に富んでおり、途中幾つかの駅に停車しながらの道程はあっという間と感じたものでした。

 
現在旅客列車の終点となっている王家営站は貨物駅の脇に旅客用のホームと駅舎を設けた所という印象で、站前は閑散とした印象でした。

乗客の大半は来た道を戻る状況、MAKIKYUもその一員でしたが、王家営站での折返時間には記念撮影に興じる人物の姿も散見され、移動手段というよりもアトラクションやクルージングの感覚で乗車している乗客が多いのでは…とも感じる程でした。

ちなみに昆明の米軌線は、残念ながら最近旅客輸送が停運(運休)になってしまったという情報もあり、MAKIKYUは良い時期に乗車したものと感じています。

また米軌路線の起終点站となっている昆明北站は、雲南鉄路博物館を併設しています。

ここでは米軌路線は勿論、近年急速に路線網を拡大している動車組列車に関する展示も多数あるなど、かなり内容の充実した博物館と感じたもので、こちらに関しても機会があれば別記事で追って取り上げられれば…と思っています。

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ベトナム-中国を結ぶ国際列車~利便性は難ありですが…

2018-02-21 | 鉄道[中華人民共和国]

昨夏MAKIKYUが東南アジア方面へ足を延ばした際、ベトナムでは国内の鉄道を利用しただけでなく、ベトナム~中国を運行する国際列車にも乗車機会がありました。


この国際列車はHa Noi郊外のGia Lam~中国国境のDong Dang間でベトナム国鉄の路線を走行、国境を超えた後は凭祥(Pingxiang)~南寧(Nanning)間で中国鉄路を走行します。

 
Gia Lam駅は基幹駅のHa Noi駅に比べると遥かに小規模、市内中心部からも少々離れており、駅前の通りは車通りも少ない路地ですので、国際列車発着駅という雰囲気とは程遠く、日本の亜幹線駅レベルと言っても過言ではないと思います。


Gia Lam
駅から南へ78分程度歩いた所にバスターミナルがあり、このターミナルと市内各地を結ぶバスは頻発していますので、市内バスを乗りこなせるなら少々不便という程度ですが、バス乗車が苦手な方にとってはかなり使い難いと感じるかもしれません。
(Gia Lam
Ha Noi間はメーターゲージ(軌道幅1000)車両しか走行できませんので、Ha Noi発着は物理的に不可能ですが、シャトル列車でも設定できれば外国人向け利便性は大きく向上する気もします)

この国際列車の運行距離は両国合わせても400㎞程度、4桁㎞を走る列車も当たり前の中国はおろか、ベトナムの2大都市間を結ぶ統一鉄道と比べても、運行距離や所要時間は遥かに短いものです。

しかしながらベトナム・中国両国の出入国手続などがある関係で、出入国手続き実施駅での長停車時間を含めた所要時間は12時間以上を要しており、移動手段としては余り使い勝手が良いとは言えないのが実情です。

 
充当車両は中国鉄路の軟臥車4両、他に中国国内のみ硬座車を連結しての運行となっており、一応中国国内では「特快」として運行する列車ながらも、専ら快速以下の列車で用いられる最高速度120/h25G形客車(以前は朱色とグレーの装いで「紅皮車」とも呼ばれていましたが、近年は緑色と黄帯の装いに塗替えが進み、他形式との識別がし難くなっています)が用いられているのも大きな特徴です。


中国鉄路車両での運行に加え、客室乗務員も中国(南寧鉄路局)担当となっており、発車直後の車内改札で乗車券と引き換えに換車票を交付(到着直前に回収:乗車券を返還)されるなど、列車に乗ってしまえばベトナム国内運行時でも中国内にいる様な錯覚に陥る状況でした。

南寧行の列車だと2時台にベトナム出国手続、5時頃に中国入国手続を実施するために列車から下車しイミグレに出向く事になりますので、寝台車での運行ながらも一夜をゆっくりと過ごせる状況ではなく、結構疲れると感じたものです。

   
ちなみにMAKIKYUHa Noi駅で国際列車乗車券を購入しましたが、この乗車券もレシートの様な味気ないベトナム国鉄が運行する国内列車の乗車券とは大違い、手書きの複写式で漢字(中国語)とアルファベット(ベトナム語)に加え、キリル文字(ロシア語)の記載もある独特なもので、この点でも注目と感じたものでした。

移動手段としての有用性という点で見れば、Ha Noi~南寧間は昼行都市間バス利用の方が至便とも感じ、深夜早朝に出入国手続時間を行わなければならない現状の改善に期待したいと感じたものです。

ただ汽車マーク入りのスタンプ(ベトナムは出入国スタンプに、出入国で用いた乗物を示すイラストが入ります)が押印される事をはじめ、ベトナム国内ではメーターゲージと標準軌双方の列車が走行可能な3線区間を運行するなど、趣味的には非常に注目点の多い列車です。

またHa Noi~昆明間の国際列車が休止となり、他にベトナムと国境を接するラオス・カンボジア両国との間は鉄路がない状況ですので、現在のベトナムでは唯一の国際列車として、他国と鉄路がつながっている事を示すシンボルとしても重要な存在になっています。

高速鉄道開業が相次ぐ中国国内の鉄道事情と対比すると、まだまだ改善余地は大いにあると感じ、今後どの様な動きが出て来るのかも気になる所ですが、運行形態や充当車両などが変更されるとしても、中越2国間で国際列車が走り続ける事に期待したいと感じたものでした。


(
お断り)この国際列車は中華人民共和国と東南アジア(ベトナム)に跨って運行していますが、中国車両による運行である事も考慮し、鉄道[中華人民共和国]カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。

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MTR南港島線~昨年末に開業した無人運転の新路線

2017-09-17 | 鉄道[中華人民共和国]

7月後半~8月中、MAKIKYUはシンガポールまで出向いていましたが、復路の道中では香港にも立ち寄っており、その際には近年開業した地下鉄の延伸区間にも乗車したものでした。

昨年後半に新しく開業した区間は、10月の観塘線(Kwun Tong Line)・油麻地(Yau Ma Tei)~黄埔(Whampoa)間と12月の南港島線(South Island Line)・金鐘(Admiralty)~海怡半島(South Horizons)間の2区間。

両区間合わせても10㎞ですので、次々と新路線が開業し既設地鉄路線の延伸も進む大陸本土に比べると、香港の地鉄延伸は微々たるものと言う気もしますが、発展途上で急速なインフラ整備が進む地域と、インフラ整備がある程度完成し成熟した地域の差異が現れていると言っても過言ではない気がします。

香港で新たに開業した2区間の中でも、観塘線はMTR(香港鉄路有限公司)の中でも割合古参の路線で、今まで終点だった油麻地から既存路線が2駅延伸したのみ、それも延伸区間は全区間地下ですので、乗車した際の楽しみという点では今一歩と言う印象を受けたものでした。
(黄埔~何文田の1駅間は単線になっているなど、特徴的な面もありますが…)

これに対し年末の12月後半に開業した南港島線は、路線自体が昨年末に開業したばかりの路線で、車両も既存路線とは異なる南港島線専用の車両が運行しています。

  
長い車体で片側5扉という輸送力の大きい車両規格はMTR既存路線と同様で、ステンレス製の座席などもMTRでは標準的なものですが、香港島の中心部にある金鐘を起点としていながらも、短い3両編成での運行となっています。


ホームも1両増結した4両編成での運行には対応しているものの、それ以上の編成増は厳しそうと感じたもので、8両編成が次々とやって来てもピーク時には積残客を多数出す路線もある香港にしては…とも感じたものでした。


新規開業路線と言う事もあってか、無人運転を行っているのも大きな特徴で、列車先頭部からの前面展望も楽しめます。


南港島線は両端駅こそ地下駅ながら、途中に地上区間が存在しており、途中駅に一部も地上駅となっていますので、トンネルだけでなく外の景色も楽しめ、車内最前部からすれ違う列車の車両撮影ができるのも魅力的と感じたものでした。

香港MTRの新規開業2区間でどちらに乗ろうか迷った時は、南港島線の方が断然おススメとも感じ、また今まで公共交通機関はバスのみだった香港島南部への利便性向上という点でも大きな役割を果たしていると感じたものでした。

南港島線は今後更なる路線延伸計画もあるなど、今後の展開にも注目したい路線と感じたものでした。

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中国・天津市内を走るトランスロール&リンク先サイト追加のお知らせ

2017-03-22 | 鉄道[中華人民共和国]

MAKIKYUは最近所用が立て込んでいる事もあり、今年の遠出(首都圏外への遠征)は1月の東北方面のみ、普段よりも遠出の頻度が下がっており、海外ともなると昨年は韓国1回のみ、今年はまだ予定すら…という状況です。

長期休みが確保できれば、船でまた中国辺りへも足を運びたいと感じる位ですが、日中国際航路でも片道40時間以上を要する遠方(船便での訪中は他に韓国経由という方法もあり、こちらの方が航路数や就航便数は充実しています)ですので、現状では中国再訪が実現するのかどうか…という程です。

中国は遠くてなかなか頻繁に足を運ぶ事が出来ない土地ながらも、目覚ましい発展と共に交通機関の整備も凄まじい勢いで進み、とても追いかけきれない状況は、停滞どころか衰退傾向にある島国とは大違いで羨ましい限りですが、以前乗車したもののブログ記事化できずに月日が経過…というものは無数にあり、その一つが天津市内を走るトランスロールです。


トランスロールはフランスで開発されたゴムタイヤ式トラムの一種で、日本では営業路線での導入事例は皆無ですが、開発国フランスをはじめ、中国やイタリアなどでも導入事例が幾つか存在しており、中国の中でも最初に営業運行を開始した路線は天津市内に存在します。

天津市内を走るトランスロールは2007年開業、開業からまもなく10年となりますが、MAKIKYUも以前一度乗車した事があり、市内中心部からは40㎞程度離れた天津経済技術開発区(以下開発区と記します)内を運行しています。

外国人観光客が頻繁に訪問する地域ではないものの、天津市内中心部からも津浜軽軌(地下鉄9号線)と呼ばれる電車で容易に足を運ぶ事ができ、開発区内にある津浜軽軌の途中駅・泰達駅がトランスロールの起点駅になっています。
(北京~天津も高速列車が頻発しており、短時間で容易に移動できますので、北京からの日帰り訪問も容易です)

トランスロールはここから8㎞程度の区間を運行、開発途上の真新しい街並みを駆け抜け、学院区北駅までの間を運行しています。

近年目覚ましい発展を続けている中国の状況を知らず、何十年も前の印象しか思い浮かばない人物がトランスロールに乗車するものなら、イメージと余りに違う現状に驚くのでは…と感じる程で、今日の中国はまだまだ発展途上で遅れている面もあるものの、進んでいる部分は日本を遥かに仰臥していると感じます。

 
このトランスロールは日本でもお馴染みの路面電車とは異なり、レールが2本ではなく1本だけ、そしてゴムタイヤ駆動となっているのが大きな特徴です。

ライトレールと新交通システムを掛け合わせた雰囲気の交通機関と言っても過言ではなく、遠目で見る限りは一般の路面電車と大差ないものの、軌道などを見ると別物である事が一目瞭然です。


車内も窓が大きく近代的な雰囲気なのは、新しい路線・車両ならではとも言えますが、その一方で座席の硬さなどは中国の都市交通機関の典型ともいえ、この辺りは日本の都市交通を利用し慣れた人物が乗車した際、どの様に評価するのかの判断が大きく分かれる所かと思います。


またトランスロール自体をはじめ、開発区内の沿線も近代的な雰囲気ながら、MAKIKYUが乗車した際には終点駅(学院区北)周辺に移動式販売車による露店が幾つも出店していました。

この移動式販売車も近年の日本では滅多に見る機会のないオート三輪が多数という状況、トランスロールとオート三輪の移動式販売車が並ぶ、新旧混在の姿は如何にも今日の中国を象徴する風景の一つとも感じたものでした。


この移動式販売車で販売している刀削麺を求めた際には、訪問当時の金額で6元(日本円換算で100円程度)だったと記憶しており、廉価な中国の庶民料理を堪能しながら、近代的なトランスロールが行き交う姿を眺めるのも悪くないと感じたものでした。

中国のトランスロールは天津以外に上海でも運行、こちらも乗車した事があり、これ以外にも各地で路面電車の新設も相次ぐ状況、その中には無架線トラムなども存在し、機会があればこれらの新路線も色々乗車したいと思っています。

ただ瀋陽・蘇州など広大な国土の各地に新路線が点在する状況では、一挙に各地の路線を乗車するのは至難の業で、中国各地の新路線乗車記を見る度に、羨ましいと感じる位です。


また今日付けで「railbus' photo album」(railbus様)へのリンクを設定致しました。
アドレスは
http://www7b.biglobe.ne.jp/~railbus/
です。

こちらのリンク先サイトでも今日取り上げた天津のトランスロールをはじめ、中国各地の都市交通機関や列車、中国以外の海外交通機関などの内容を多数取り扱われています。

海外関連だけでなく昔の名古屋市電など、MAKIKYUは生まれる前で見た事もない日本国内の懐かしい画像なども多数公開、かなり見応えのあるサイトと感じたものです。

主内容が海外(中国)関連となりますので、リンク集(0)にリンクを掲載すると共に、暫くの間(概ね1~2ヶ月)は新規リンク告知も兼ねて、トップページのブックマークにもリンクを掲載致しますので、興味のある方はアクセス頂けると幸いです。

なお「MAKIKYUのページ」では引き続きリンク先サイトを募集しておりますので、HPやブログをお持ちでリンク希望される方が居られましたら、各記事(コメント不可設定としている一部の告知記事など以外)へのコメント欄、あるいは「このページについて(ご案内と注意事項)」の項にあるメールアドレス宛に一報お願い致します。

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香港・ライトレールで脱線事故~死者発生の報を聞かないのが不幸中の幸いですが…

2013-05-18 | 鉄道[中華人民共和国]

昨日夕方、中華人民共和国・香港特別行政区(以下香港と記します)の路面電車で脱線事故が発生し、多数の負傷者が発生したニュースは、ネット上などでも盛んに報じられ、海外の事故とは言えども、ご存知の方も多いかと思います。

香港の路線電車と言うと、香港島内を走る2階建て電車が有名で、香港へ足を運んだ事がない方でも、香港中で走り回る2階建ての路線バス(平屋車を探す方が苦労する位、凄まじい数が活躍しています)と共に、香港の交通機関と聞いて真っ先に想像される方も多いかと思います。

香港ではこの香港島内を走る2階建て電車の他に、新界と呼ばれる九龍半島側の郊外西方でも、軽軌(ライトレール)と呼ばれる電車が走っており、今回脱線事故が発生した路面電車は、香港島内を走る2階建て電車ではなく、新界を走る軽軌の方になります。

中華人民共和国(中国)自体が、日本国内各地や韓国の様に、列車や船などで簡単に足を運べる地ではなく、日韓とは時差も存在し、船での訪問では船中泊を余儀なくされます。

その中でも香港や近隣の広東省は遠方ですので、MAKIKYUが足を運んだのはまだ2回、その内新界を訪れたのは2006年に1回だけという有様ですが、新界訪問時にはこの軽軌にも乗車しています。
(以下の写真は全て2006年夏に撮影したもので、現在も路線形態や使用車両などは同様ながら、車両の装いなどが改められている様です)

新界を走る軽軌は、団地群の中にバス並みの緻密な路線網を築いており、地域内交通として重要な役割を果たしている他、西鐵(West Rail)と呼ばれる都心~新界を結ぶ郊外電車の、屯門・元朗など新界エリア各駅と団地群の間を結ぶフィーダー路線的存在にもなっており、ICカード・八達通(オクトパス)での西鐵~軽軌乗継優恵も実施されています。

新界を走る軽軌は都心内や都市中心部~郊外間の路線ではなく、郊外に立地する団地群の中だけを走る路面電車という点でも異色の存在ですが、長い歴史を誇る香港島内の2階建て電車とは異なり、営業開始は1980年代と、比較的歴史の浅い路線です。


主に専用軌道を運行し、車両もステップなしの高床車、電停も地鉄や郊外電車程ではないにしても高床ホームであるなど、日本の電車に例えるなら都電荒川線や江ノ島電鉄(江ノ電)を思わせる雰囲気があり、今流行のLRTで大多数を占める超低床ノンステップ連接車が走る路線とは異なった趣があります。

比較的歴史の浅い路線という事もあり、複線区間や高架区間も多く存在し、電停や電車の姿を見なければ、郊外電車と錯覚してしまいそうになる所も多いのですが、狭い地域内に高密度な路線網を築いている事から、一方通行の単線区間や分岐箇所での三角線なども多数存在するのが大きな特徴で、系統も複雑多岐です。


元英国領という土地柄も影響してか、車両も路線バスの如く、ドアや運転席が片側にしか存在しない欧州スタイル(有名な香港島の2階建て電車も同様です)となっており、終点駅ではラケット状になったループ線で折り返す形態となっているのは、日本や中国大陸本土の路面電車とは大きく異なる特徴の一つです。
(中国大陸本土で2本のレール上を走る営業用の路面電車は東北の大連・長春のみ、他にトランスロールと呼ばれる1本のガイド用レール+ゴムタイヤのガイドウェイ式トロリーバスと言っても過言ではない低床電車が、天津と上海の郊外で運行中です)

この様な路線ですので、分岐箇所の三角線や終点駅でのループ線箇所を中心に、急曲線も至る所に介在しており、乗客として乗車するとなかなか乗り応えはあります。

とはいえ比較的低速での運行とは言えども、完全専用軌道の都市鉄道ではなく、システム的には路線バスなどと同様に、乗務員の注意力に頼る部分が多い路面電車ですので、一部で報じられている速度超過も有り得なくはなく、三角線やループ線などの箇所で減速が遅れた(或いはしなかった)事が要因で事故が発生した可能性も充分考えられる気がします。


ちなみに新界の軽軌は、路面電車にしては異色の両開き3扉の単車ですが、車内での運賃収受を行わない信用乗車制を取り入れている事から、輸送力を確保するために2両連結での運行(車両間の通り抜けは不可)となる事も多くなっています。

今回の事故もニュース記事の写真などを見ると、2両編成の列車で発生している様で、結構な数の乗客が乗車していた事から負傷者数も70名以上、中には重傷者も発生している事が報じられています。

現段階では死者発生の報を聞かない事が不幸中の幸いですが、負傷者の早期回復と詳細な事故原因の究明、そして同種事故の再発がない事を願うばかりです。

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大連快軌・金州支線~中国では珍しく2両編成で運行

2012-10-20 | 鉄道[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた大連軽軌ですが、今日は先日の続編として、2008年末に開業した金州支線に関して取り上げたいと思います。

金州支線は現在延長14km程、基本的には支線内のみの運行(僅かに大連駅前まだ直通する列車の設定もあり)で、開発区駅では階段を昇降しての乗換となる不便さは頂けない気がします。

軽軌の本線は4両編成の電車で運行しており、設備的には支線内も4両編成の運行が可能になっていますが、現在支線内の電車は2両編成となっています。


日本のJRや私鉄であれば、支線区や地方での電車による2両編成での運行は多数存在し、特に物珍しいものではありませんが、国鉄(中国鉄路)はCRH(高速列車)を除くと専ら機関車牽引の客車列車、地鉄などの都市鉄道も4~6両程度での運行が大半を占めている中国大陸本土にしては、珍しい編成と言えます。
(地鉄は逆に長い方でもせいぜい8両、需要が多い割に日韓の様な10両編成やそれ以上の編成での運行を行っていないのは、少々不思議な感じもするのですが…)

支線内運行の電車は、デザイン的には本線の電車に類似しているものの、前面を真っ赤に塗った派手な装いが特徴で、遠目で見ても一目で識別できる程ですが、短編成という事も影響してか、中国の都市鉄道では珍しい前パン(先頭車前部にパンタグラフ設置)となっているのも大きな特徴です。


設備的にも、短い支線内を運行する車両と言う事もあってか、本線のセミクロスシートとは異なる3扉ロングシートとなっており、混雑対策を考えるのであれば、本線もこの様な車両を入れた方が…という気がします。


ちなみに金州支線は、始発駅の開発区駅周辺自体も割合最近になって開発が進んだエリアと言う雰囲気があり、沿線もこれから開発が進んで大変貌を…という印象を受けたものです。


終点九里駅近くなどは、如何にも東北地方といった景観が広がり、新路線の新しい駅の目の前には3輪のタクシーなどが待ち構える様も、中国らしい雰囲気です。


今後九里駅から更に延伸予定もあり、同駅先の引き上げ線なども延伸に対応した構造となっていますので、今後路線の延伸が行われた際にも、中国では珍しい短編成による運行が続くのかも気になる所で、今後の展開にも注目したいものです。

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大連快軌3号線~地方都市では少数派の郊外電車

2012-10-16 | 鉄道[中華人民共和国]

MAKIKYUが7月に久々に中国へ足を運び、まず最初に入国した大連は、6年ぶりの訪問となり、「MAKIKYUのページ」でも既に大連站前で分断されていた路線が繋がって直通運転が行われるようになった有軌電車(路面電車)旧203・201系統→(新)201系統や、興工街から郊外へ向かうBRT(快速公交)などを取り上げています。

大連は都市規模の割に、乗り物の種類が豊富で、最近増えているBRTや中国では数少ない有軌電車だけでなく、軽軌と呼ばれる郊外電車も大連站前から発着しており、これも中国の地方都市では比較的少ない乗り物です。


この大連軽軌は、大連站前から開発区を経て金石灘までの間を結ぶ路線が本線で、この路線だけでも約50km程の距離があり、専ら地上区間を走りますので、郊外電車にしてはそこそこの乗り応えがあります。

この路線にはMAKIKYUが以前大連を訪問した際に乗車しているのですが、他に2008年末には途中の開発区站から九里へ向かう金州支線が開通しており、こちらは初めて乗車したものでした。


本線で活躍する電車は4両編成で、開業からまだ10年も…という路線だけあって車種は1種類のみ、最近の中国ではありふれた雰囲気の電車という印象ですが、先頭車が2扉・中間車が3扉と車両によって扉数・配置が異なるのが特徴的です。


設備面でも、全線を乗り通すと1時間程度を要する事も影響してか、ボックス席も設けられているのが特徴で、座席にカバーがかかっているのは如何にも中国的ですが、4両程度の編成では混雑時には…という状況ですので、この設備を維持したまま運行するのであれば、増発か増結を望みたいと感じるものです。
(車両数を増やし、金州支線の電車も大連站前まで延伸するのが、MAKIKYUとしては現状では最も妥当な施策と感じているのですが…)

金州支線に関しては、近日中に続編記事として追って取り上げたいと思います。

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大連を走る新型路面電車~この車両も中国では…

2012-10-06 | 鉄道[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国・大連市内を走る旧型の有軌電車(路面電車)に関して取り上げましたが、大連の201路では現在、古参車と共に新型の低床連接車も活躍しています。

興工街で201路と接続して郊外へ向かう202路も、基本的にこの新型低床車での運行となっており、大連の有軌電車の主力的存在と言っても過言ではない状況です。


デザイン的には広島電鉄の「グリーンムーバー」や、ヨーロッパの各地で活躍し、この車両とほぼ同種のジーメンス製低床連接車(MAKIKYUは見た事もないのですが…)とよく似た印象を受けますが、一応地元・大連で製造された車両で、全低床車ではなく部分低床車になっているのも特徴です。

 
MAKIKYUが何年も前に大連を訪問した際にも、202路でこの電車に乗車しているのですが、その後201路の改修・車両入れ替えに伴って増備された車両も多数あり、この車両は初期に導入された車両とは異なる装いになっていますので、運行開始当初に比べるとカラーバリエーションが充実しています。

また座席こそ中国の公共交通機関らしい「硬座」ですが、旧型の路面電車や、大連市内を走るBRT以外の公交汽車(路線バス)の大半とは異なり、空調が装備されている点も、居住性の面では大いに評価できるものです。


ただ見た目は近代的な車両を走らせながらも、運行面では車掌乗務となっている上に、折り返し地点でのポイント転換は未だに自動化されておらず、車掌が電車から一旦降りてポイント設置箇所へ向かい、棒を使ってポイント転換作業を行うなど、LRTらしからぬ光景も見受けられたものです。

新旧の車両が入り乱れて走るだけでなく、運行システム面も…という辺りは、沿線の雰囲気と共に、如何にも中国的と感じたものでした。

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大連市内で今も活躍する古参路面電車~装いなどは変化しているものの…

2012-09-29 | 鉄道[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国遼寧省・大連(Dalian)市内を運行しているBRT(Bus Rapid Transit)に関して取り上げましたが、今日はこの記事中でも触れた有軌電車(路面電車)に関して取り上げたいと思います。

大連の有軌電車は、少し前は大連火車站から東西各方面へ向かう路線(201路・203路)と、郊外の興工街から南へ向かう路線(202路)の3系統が存在していました。

その内大連火車站を発着する2路線は、比較的近年になって統合され、201路という1つの系統として運行しており、建前上は興工街~大連火車站~華楽広場間の区間車と、更に先の東海公園まで至る系統の2系統が存在しています。

MAKIKYUが7月に訪問した際には、運行している電車は区間車ばかりで、東海公園方面へは華楽広場~東海公園間をピストン運行する電車に乗り換えという状況になっていましたが、停留所などにこの旨を示す掲示等は見当たらず、華楽広場以遠ピストン運行の電車も、201路区間車の案内を掲出している辺りは、日本では考えられない事です。

この201路では現在、新型の低床連接車と旧型単車の2種類が混用されており、旧型単車は旧203路(大連火車站から東へ向かう路線)で活躍していた車両です。

この車両は満州国時代に製造された年代物の古参車で、その出自故に日本の路面電車に良く似た雰囲気を漂わせており、日本の路面電車に乗り慣れた身としては、何処となく親近感を感じる車両ですが、近年まで長春などで活躍していた同形車が退役した今日では、乗車できるのは大連の201路のみとなっています。

 
この古参電車は相当な経年車と言う事もあってか、外観や内装などは随分改められており、車内に製造年代を示すプレートなどが見当たらないのも惜しい限りですが、昔ながらの吊り掛け駆動の下回りなどはそのままで、冷房化改造なども施されていません。


座席が相当硬いのは余り感心できないと感じる方も多いかと思いますが、都市内における軌道系交通機関は、歴史の浅い路線が大半を占める中国大陸本土内においては、昔ながらの電車という点でも非常に希少な存在です。


この電車も少し前は青系統と緑系統の2種類の装いを纏った車両が存在していたのですが、現在青系統の装いは見かけなくなり、変わって赤系統の装いを纏った車両が散見される状況でした。

 
装いが複数存在するだけでなく、似たような車両も良く見ると窓割に差異(ドア間の窓が4枚の車両と、5枚の車両が存在します)が見受けられるのも興味深い所で、車両の差異によって装いを分けているのではなく、同じ装いでも2両並んだ車両を良く見ると…という状況になっているのも注目です。

低床の新型連接車に比べると、居住性の面ではお世辞にも良好とは言い難く、おまけに非空調車にも関わらず新型車と運賃も同一に設定されています。
(中国では路線バスなどで、同一系統でも空調車は割高な運賃を設定している事が多いです)

都市交通のサービスレベルに大きな格差が生じるという点では、この旧型単車は余り歓迎できない車両かもしれませんが、新型低床車に混じって活躍する姿は興味深く、趣味的には非常に面白い存在と言えます。

広大な中国といえども、有軌電車自体が数少ない状況ですので、こんな光景は大連以外で見る事は叶わず、旧型単車はかなりの経年車ですので、大連でも何時までこの様な光景が見られるのか…とも感じますが、末永い活躍に期待したいと感じたものです。

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広州地鉄4号線~地上区間を走るリニア地下鉄

2012-08-19 | 鉄道[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国・広州を走る新交通システム「珠光新城旅客自動輸送系統(APM)」に関して取り上げましたが、広州では中国の他都市と同様に、ここ数年で市内を運行する軌道交通の新路線開業や路線延伸が続出しています。

MAKIKYUは6年前にも広州を訪問した事があり、その当時に運行していた地鉄各路線・区間は一通り乗車していたのですが、その後開業した新路線・区間が余りに多過ぎ、限られた日程で全ては…という状況でしたので、広州を初めて訪問して地鉄各路線への乗車を堪能したいともなれば、各方面に伸びる路線の何処から乗るのが…と迷われるかと思います。

その様な方に、MAKIKYUが個人的におススメと感じるのは、広州市の南西方面を走る地鉄4号線で、この路線は中国初のリニア地下鉄としても知られています。

現在中国のリニア地下鉄は、この4号線と後に開業した広州地鉄5号線の2路線のみで、中国の他都市では乗車できないリニア地下鉄と言う点でも注目の存在で、4・5号線の車両は路線毎に装いが大きく異なります。


とはいえ車両自体はほぼ同型と見受けられ、日本の地下鉄ではありえない非貫通車になっている事に加え、第3軌条集電用の集電靴を台車に装備している車両にも関わらず、パンタグラフも装備しているのは非常に特徴的です。

リニア地下鉄というと、小柄な車両が活躍する印象が強く、23m級の5扉車が活躍する路線もある広州では、4・5号線の車両は小柄な部類に入りますが、それでも3扉18m級の車体は、車内に足を踏み入れると窮屈な印象が否めない日本のリニア地下鉄に比べると大柄で、ゆったりとした印象を受けます。


車内の座席が中国では多数派のプラスチック製ではなく、ステンレス製となっており、他路線と共に香港の影響を受けている様にも感じられ、そこそこ大柄な車体でも荷棚を装備していないのも、中国ではごく当り前の仕様です。


またMAKIKYUが広州地鉄の中でも、4号線がおススメと感じる理由として、地鉄は地下を走る路線・区間が多く、中には全線地下でホームドア完備、車窓も楽しめず写真撮影も…という路線もしばしば存在する中で、郊外の地上区間が長く、南方に来た事を実感させられる車窓を存分に堪能できる事が挙げられます。
(もう1つのリニア地下鉄となっている5号線も、一応地上区間が存在する様ですが、大半が地下区間となっている様で、MAKIKYUが一度一部区間を乗車した際は地下区間のみの乗車でした)

日本のリニア地下鉄は、横浜市営グリーンラインで一部に地上区間が存在する以外は、営業線では専ら地下区間のみを走る路線で、構造上郊外を走る鉄道との相互直通運転も当然不可能ですので、東京都内でラケット状の路線を展開する都営大江戸線を除くと、路線長も比較的短い路線ばかりです。


そのためリニア地下鉄が郊外で地上を30分以上も走るのは、なかなか興味深いもの(4号線の路線長は40kmを越えており、その半分以上は地上区間です)で、中国の地下鉄車両は前面展望が望めない車両も数多く走る中で、一応前面展望が楽しめるという点も注目です。

この4号線の終点・金州(Jinzhou)近くは、まだこれから開発が進むと見込まれる郊外の光景が広がっており、また再び4号線に乗車する機会があれば、その際にどれだけの変貌を遂げているのか…とも感じます。

広州に足を伸ばす外国人、それも特に観光となると、この様な所に足を伸ばす機会は少ないかと思いますので、土地の日常を垣間見るという点でも4号線乗車はおススメで、広州を訪問する機会がありましたら、是非乗車してみては如何でしょうか?

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珠光新城旅客自動輸送系統(APM)~全線地下区間の新交通システム

2012-08-11 | 鉄道[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、韓国・議政府(Uijeongbu)市で開業したばかりの「議政府軽電鉄」に関して取り上げましたが、先月MAKIKYUが韓国~中国へ足を運んだ際には、他に珠光新城旅客自動輸送系統(APM)と呼ばれる新交通システムにも初めて乗車する機会がありました。
(先月の旅行での新交通システム乗車は、この他に神戸新交通の「ポートライナー」にも乗車しているのですが…)

珠光新城旅客自動輸送系統は、英文名がZhujiang New Town Automated People Mover Systemとなっており、この頭文字を取ってAPMとも呼ばれていますが、中国の大陸本土では現在他に類を見ない新交通システムの営業路線となっているのも大きな特徴です。

APMの運行している区間は、大陸本土南部にある広東省の省都・広州(Guangzhou)市の中心部、林和西(Linhexi)駅~赤崗塔(Chigang Pagoda)駅までの約4km、全線が地下区間になっています。

林和西站は広州東站(香港行列車や、深セン行城際列車が多数発着する駅です)から地鉄1駅、その気になれば広州東站から徒歩でも移動出来る所に位置しており、赤崗塔站は広州塔の目の前に位置しており、両端の駅で地鉄3号線に接続しています。

路線は地鉄3号線に並行しているといっても過言ではなく、専ら港湾地区や郊外のフィーダー路線として運行する交通機関と言う印象が強い新交通システムにしては、意外な路線設定と言う気がしますが、林和西~赤崗塔間で地鉄3号線は途中に2駅しかない所に、途中駅が7駅も設けられているために、駅間はかなり短くなっています。

運営事業者は市内で地鉄を運営する広州地鉄で、市内・近郊の交通機関で通用するICカード「羊城通」も通用しますが、林和西・赤崗塔両站で地鉄3号線から乗り換える場合でも、一旦改札口を出場しての乗換となる上に、通し運賃ではなく別途運賃(APM1乗車2元均一)となっている点は、運賃制度上は地下鉄と同様の取り扱いで運行している日本の大阪(ニュートラム)や、韓国の釜山(4号線)などとは異なりますので要注意です。


このAPMは全線地下区間である上に、各駅もガラス貼りのホームドア完備となっていますので、まともな写真を撮影する事は厳しく、せいぜい赤崗塔站停車中の車中から、奥の留置線に停車している車両をズームで撮影するのがせいぜいといった状況です。


車両は前面非貫通1枚窓で、1両のみでの運行も出来そうな雰囲気の車両を2両連結で運行しており、車両間の通り抜けは不可能な構造となっていますが、設備的にはもう1両連結して3両で運行する事も出来そうに見受けられ、旅客数の増加と共に増結される機会があるのか気になる所です。


車内に足を踏み入れると、比較的小型の車両で運行する新交通システムだけあって、両開き2ドアの客ドアがやたらと大きく感じられ、その割に座席は少なく、つり革ばかりで立席主体となった客室内は、短距離を運行する路線ならではの感があり、ロープウェイの搬機を連想させられます。

無人運転の新交通システムだけあって、当然ながら最前部の展望は抜群で、特に中国ではまだ物珍しい乗り物と言う事もあってか、この区画は常に乗客の姿が…という状況で、MAKIKYUも勿論この区画を選んで乗車したものでした。


またAPMは全線2元均一運賃を採用しており、乗車時に自動改札機から入場するだけで運賃収受が完了する事もあってか、下車時は感応式ゲートを通るだけになっているのも大きな特徴で、なかなかユニークなものと感じたものでした。

APMは全線地下区間で写真撮影や車窓を楽しむのには難がある事に加え、広州東站から中途半端に離れた所を起点としているのは、少々残念な気もしますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も広州市を訪問する機会がありましたら、是非一度乗車してみては如何でしょうか?

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中国高速鉄道(CRH)の概要

2012-07-28 | 鉄道[中華人民共和国]

今月MAKIKYUが中国へ足を運ぶ最大の動機となった中国高鉄(CRH)乗車ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、中国へ足を運んだ事がない方や、中国へ足を運んだ事はあってもCRHの状況は…という方も居られるかと思いますので、如何に現段階におけるCRHの概要や、MAKIKYUが乗車した際の印象などを記したいと思います。
(中国在住の方や、CRHを幾度も利用している方には当り前過ぎる事かもしれませんが、ご了承下さい)

また中国鉄路関係のリンクサイトには、更に詳細な案内などが出ていますので、興味のある方は合わせてご覧頂くと共に、比較的最近刊行された「中国鉄道大全」という書籍(「MAKIKYUのページ」リンク先サイト管理人のborgen氏&はいらーある氏の共著です)にも記されていますので、こちらをご覧頂くのも良いかと思います。


・車両面

日本の新幹線タイプ(東北新幹線E2系タイプ=CRH2)をはじめ、ドイツICE3タイプ(CRH3/CRH380B)など大きく分けて5タイプが存在し、北京南や上海虹橋などの大ターミナルでは、様々な車両が肩を並べるのは魅力的です。

新幹線とICEが同じホームで並ぶ事などは、各車両の本家・日本やドイツでは考えられない事で、日本の新幹線の様な完全に独立した高速鉄道ではないだけに、既存客車列車とCRH2が肩を並べるシーンも一見の価値があります。

CRH各種は概ね白に青帯の装いとなっており、某島国の高速鉄道を意識している様にも感じられるものの、どの種類の車両にも似合う装いで、CRH2の装いは本家E2系よりも見栄えがするのでは…と感じる程で、CRHのロゴも個人的には好印象を受けます。

車両の出来栄えとしては、CRH2とCRH3/CRH380Bが双璧をなす感があり、一度ICE3に乗車してみたかったMAKIKYUとしては、SIEMENSの車両を大量導入し、念願を叶えてくれた中国鉄路に「謝謝!」

独自開発を大いに謳っているCRH380Aも、新幹線とICEの美味しい所を寄せ集めた雰囲気があってか、如何にも中国的な印象を受ける前面スタイルとは裏腹に、乗車した印象はまあまあという感があります。

アルストームのペンドリーノタイプ(CRH5・同種車両はイタリアなどで使用)は余り期待していなかったものの、思ったより良い車両と言う印象があり、酷寒地や低床ホームに対応している点でも有用な車両です。

ボンバルディア(CRH1)は様々な面で他の車両に比べて…という印象があり、高速鉄道車両の実績と言う点でもまだまだの車両ですので、今後の改良に期待したい所で、各車種共に8両編成か16両編成、或いは同種車両の8両2編成を併結した16両で運行しています。

独自開発を大いに謳っている中国オリジナル車両・CRH380A以外の各国で活躍している各車種も、本国で製造された車両はごく僅かで、大半は部品輸入や技術移転による中国の国内製造となっています。


・設備面

開業から日が浅い路線ばかりで、外国の技術に依存する部分も大きいとはいえ、設備面は全体的に新しい事もあってか、高速列車専用線を走る列車に乗車すれば、新幹線と遜色ないレベルという印象があります。

高速列車専用線だけでなく、従来の客車列車や貨物列車が走る線路を運行する列車や、両者に跨って運行する列車も存在します。

また北京や上海、広州などの大都市では、既存ターミナル駅ではなく、CRH専用に新設・改装されたターミナル駅(北京南・上海虹橋・広州南など)を発着する列車が大半を占めており、これらの駅の規模の大きさも圧巻です。

路線長も既に1国の高速鉄道においては世界最長となっており、列車本数も1400本を越えるなど、短期間でここまでの高速鉄道網を造り上げたのは大したもので、北京~天津・上海~南京・広州~深セン間では、複線の高速列車専用線を2路線建設しているのも驚異的です。

ただ今後の更なる発展を見越した先行投資的意味合いも推測されるとはいえども、駅の規模が大き過ぎる上に、基本的に駅構内は従来通り一方通行で改札や出口の場所が限られていますので、乗車車両や利用駅によっては、乗下車の際に駅構内を歩く距離や移動時間だけでも馬鹿にならない有様で、移動だけでもかなり疲れます。

この点日本の新幹線は限られた設備をフルに活用し、多数の列車を捌いている事は大したものという感があり、駅構造も利用客本位に作られていると感じます。


・乗車券

全席指定席制となっており、一部列車では列車指定の無座(立席)券発売も行っているものの、自由席の設定はなく、列車番号が「G~次」「D~次」(「G~次」の方が格上ですが、運賃も割高に設定されています)、或いは「C~次」(「G~次」とほぼ同等:現在は北京南~天津方面のみ運行)となる列車がCRHです。
(その他の「T~次」(特快)、「K~次」(快速)、「~次」(列車番号の前にアルファベットなし:普快など)は、殆どが客車列車での運行となる一般列車です)

「G~次」と「D~次」の運賃格差は、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」と「こだま」の実勢価格(=「のぞみ」の回数券バラ売り価格と、「こだま」の「ぷらっとこだま」利用)以上に開く事もあり、その代わり「G~次」列車が多数走る区間における「D~次」列車では、長時間運行となる列車での大幅遅延リスクなどもあります。
(上海虹橋~南京南間を利用した場合、「G~次」の2等座では140元程度となりますが、「D~次」では100元で若干のお釣りが出ます)

また中国では日本や韓国とは異なり、改札近くで乗車券を購入できず、基本的には駅舎に隣接、或いは駅舎入口付近に設けられた乗車券売場で乗車券を購入してから駅構内に足を運ぶ事になります。
(街中にある乗車券発売所で購入する事も可能ですが、その場合は若干の手数料を要し、旅行会社に購入を依頼する場合、結構な金額の手数料がかかります)

そして乗車券を持って駅構内へ足を踏み入れると、金属探知機等による所持品チェックなどが行われ、列車毎に指定された改札から入場して乗車する事が殆ど、それも発車3分前位に検票(改札)締切となる仕組みは、一般列車と相変わらずで、JRやKORAIL(韓国鉄道)に乗り慣れた身としては、列車に乗るまでが随分面倒に感じます。

改札はCRH発着駅を中心に自動改札化が進み、薄緑色の乗車券は自動改札に対応していますが、ピンク色の乗車券は自動改札に対応しておらず、係員対応となりますので要注意です。

おまけに最近、ダフ屋による転売などを防ぐために乗車券が実名制(要身分証明書・外国人の場合はパスポートを提示し、氏名は印字されずにパスポート番号が乗車券に印字)となり、乗車券購入時に提示が必須となっている上に、検票の際にも本人確認で再度身分証拝見となる事もあります。

乗車券売り場の窓口も大勢の旅客が列を作り、購入まで結構な時間を要する事もしばしばで、基本的に中国語以外はまず通じません。
(北京駅や上海駅などの主要駅では、英語対応窓口が設けられているものの、日本語対応を期待する事は絶望的で、中国語会話が出来ない場合、乗車日や乗車区間・列車番号や乗車車両を記したメモを、係員に手渡すのが最も妥当な方法かと思います)

一部駅に設置された自動券売機も、ICカードになっている人民身分証が必須で、観光で訪れた非居住外国人が利用できないのは痛手です。
(この機械は乗車券購入だけでなく、空席照会にも活用でき、この機会で空席のある列車を見つけてから窓口へ足を運べば、長い行列に並んでようやく自分の番が訪れ、乗車列車を伝えたら「没有」と言われて追い返されるリスクが軽減できるメリットはあるのですが…)

CRHは一般列車に比べて運賃が割高(それでも2等座(普通車相当)であれば、日本のJR普通運賃より割安です)な上に、CRH運行区間では列車本数がそこそこ確保されている事が多く、乗車前日や当日でも空席のある列車が多数存在しますので、CRH運行開始前の中国鉄路の状況を知る身としては、中国の列車にしては随分乗車券が買い易い印象があります。
(長距離寝台列車などは、乗車券売場にある乗車券発売状況を示す電光表示で、発売開始当日でも寝台車は「無」のオンパレードになっている事が当り前の状況で、当日の列車などは硬座の無座すら「無」になっている事もあります)

CRHがなければ、今回の旅行自体が成立しなかったと感じる程で、中国鉄路も随分便利で快適になったと感じますが、それでも日本の新幹線の様に思い立ったら「すぐ買ってすぐ乗れる」状況ではありません。

最高速度こそCRHの方が上ですが、乗り易さ・正確さの面では、日本の新幹線には遠く及ばない印象があり、ハード面で幾ら最先端の技術や設備を導入しても、それだけでは便利な高速鉄道とは言えず、ソフト面での改善が今後の課題と感じます。


・座席

新幹線タイプ(CRH2)は、座席はおろかモケットまでE2系そのものを採用しており、2等座では座面スライド機能も装備しています。

他の車両では座面スライド機能こそないものの、CRH2の座席は評判が良好で、中国鉄路も気に入ったのか、1等座・2等座共に他車種でも一部を除き、ほぼ同レベルの回転式リクライニングシートを装備しています。

そのため日本の新幹線やJR在来線特急と遜色ないレベルと感じる車両が大半で、ほぼフランスTGVそのものの車両を走らせ、一般席(普通車相当)では狭い上に、方向転換不能な座席で不評を買っているKORAILのKTXと比べると、居住性の面ではCRHに軍配が上がります。

ただCRH2がE2系ベースである事や、輸送力確保が至上命題と言う事もあってか、CRH2やほぼ同等の座席を装備する他車種2等座のシートピッチは、東海道・山陽新幹線普通車よりはやや狭く感じます。

またMAKIKYUが広東省の広州~深センで乗車したボンバルディアタイプ(CRH1)は、硬座車より若干マシといった雰囲気の方向転換・リクライニング機能なし座席となっており、この車両の座席は他車両に比べて見劣りが否めません。
(見た限りでは、1等座でも他車種の2等座より見劣りする雰囲気でした)

各車両共に1等座(グリーン車相当)もあり、こちらは2+2列配置で2等座よりゆったりとしているものの、MAKIKYUが乗車した限りでは物凄く豪華な印象とは言い難く、新幹線N700系の山陽~九州新幹線直通用車両や、山陽新幹線の700系「レールスター」指定席車によりやや上等と感じる程度です。

とはいえ在来線区間を走る区間が長い列車も多く、「D~次」の列車番号が付与されているCRHの中では格下の列車(列車によっては、途中駅で「G~次」の列車に追い抜かれる事もあります)では、1等座と2等座の価格差が少ない列車・区間もあり、この場合は結構値頃感があります。


一部の列車には1等座の更に上を行く「商務座」も連結されており、MAKIKYUは乗車していないものの、こちらは東北新幹線E5系の「グランクラス」並みのシェルタイプ1+2人席が並んでいます。

物価の割にはかなり高額な事(日本の新幹線普通車利用に匹敵するレベルです)もあって、見た限りではガラガラ、乗りたい列車の2等座や1等座が満席の時や、資金に余裕があって極上の旅をしたい方などは、こちらに乗車されるのも悪くないかと思います。


・車内設備と食事情

車内設備は概ね日本の新幹線レベルといった印象があり、MAKIKYUが乗車した限りでは、各列車でワゴンによる車内販売も行っていましたが、日本と同様に飲料水などは市価より割高な価格設定です。

在来客車と同様に、CRHでも各車種共に給湯設備を備えている辺りは中国的で、お茶を飲んだり、方便面(カップラーメン)を食べる為に利用する乗客の姿をよく見かけます。

またブッフェや食堂などの設備を備えている辺りは、日本の新幹線と比べると羨ましい限りで、8両編成のCRH2でも、半室・テーブル4机と
カウンターを設けた空間が設けられています。

車内では弁当の販売も行っているものの、長距離客車列車の様に車内で調理した弁当を販売するのではなく、予め調製した弁当を積み込むか、レンジで加熱するタイプの弁当となっています。

販売価格も概ね25~40元程度(写真の弁当は35元)と、客層を見越してか長距離客車列車より割高に設定されており、列車の乗り心地だけでなく、車内の物販価格まで日本に近い印象があるものの、それでも結構弁当を買い求めている旅客の姿を見かけました。

またMAKIKYUは乗車機会がなかったものの、CRH1とCRH2の一部は、両先頭車を除いて寝台車(軟臥・2段ベッド)となっている編成も存在しており、以前温州南駅付近で発生した追突事故の際に損傷し、事故廃車となったCRH2はこのタイプです。

MAKIKYUが乗車した各列車の乗車記や、車両毎の詳細に関しては、追って別記事で取り上げたいと思います。

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中国鉄路乗車記:D3027次(乗車日:2012年7月13日/CRH2A・新幹線E2系タイプ)

2012-07-13 | 鉄道[中華人民共和国]

(この記事は記事投稿日を列車乗車日に合わせた過去ログ投稿です)

北京~武漢間で、硬座以外の直通列車乗車券が手配できなかった事もあり、南京南站乗り継ぎで高速列車を駆使して移動する事になった今回の旅行、列車遅延を見越し、乗継駅の南京南站で約2時間程度の余裕を確保していました。

しかし北京南~南京南間で乗車したG117次はほぼ定時運行、この心配は杞憂に終わりましたが、同区間でも運賃がやや安いD~次(
動車組列車)の場合は、優先順位が低く結構遅れる事もあり、日本の様に接続列車遅れの接続待ちはありませんので、ギリギリの乗り継ぎは避けるに越した事はありません。

空いた時間にはじっくりと南京南站の様子を観察すると共に、開業当初は南京南站にも達していなかった南京地鉄1号線が、更に南郊の中国薬科大学(CPU)まで延伸されており、列車待ちの空き時間を活用し、末端で地上区間もあるこの延伸区間乗車に出向きます。


地鉄でCPUまで往復し、南京南站へ戻るとD3027次の発車時間が近づいており、既に改札中と言う状況でした。


南京南站は途中駅ながらもホームが20番線を越える程あり、日韓の高速鉄道駅でこれだけの大きさを誇る駅はないだけに、CRHの凄まじさを実感させられます。

そしてホームに降りると、列車は既にホームに待機しており、CRH2Aには走り始めたばかりの2007年以来久々の乗車、そして列車に乗り込むと程なく発車となります。

列車は南京南站を出発すると、暫くは北京南から乗車してきたG117次で通った経路を折り返す格好となりますが、北京~上海間高速鉄道の線路と合肥・武漢方面の線路が並行する形で、南京南站からずっと複々線となっています。

長大な長江を跨ぐ区間は複線、その後分岐と言う形でない辺りは、随分設備的に贅沢で、将来の発展を見越して大々的な設備を造り上げていると感じます。

ちなみにD3027次は8両編成、車両は武漢鉄路局所属車両で、CRH2の中でも最も初期に導入され、日本の新幹線に最も近い仕様のCRH2Aで、D~次(動車組列車)はG~次(高速動車)とは異なり、1等座(グリーン車相当)と2等座(普通車相当)の価格差が小さい事もあり、瀋陽~北京間で乗車したD12次(CRH5)と同様に、少々奮発して1等座を利用したものでした。

南京南~漢口間は高速列車専用線ではなく、在来線区を高速運転するために、最高速度は200km/hに押さえられており、一般の客車列車や貨物列車と同じ線路を、フル規格新幹線車両で駆け抜けるのは、日本の新幹線に乗り慣れている身としては、新鮮に感じます。

在来線でも標準軌(軌道幅1435mm)で200km運転できるのは、改軌してもミニ新幹線用の小柄な在来線規格車両で、最高速度も在来線区間では130km/h程度の島国と比べると、羨ましい限りです。

在来線区間を走る事もあって、500km程度の南京南~漢口間を、途中駅の停車時間を含めて約4時間と、高速動車に比べると、随分遅い道程になりますが、その分車両の乗り心地を堪能するには絶好のチャンスです。

1等座と2等座の価格差は40元程度、日本の指定席料金(普通車)程度の金額にしかなりませんので、現地物価を考えると決して安い出費ではないものの、この程度の追加でE2系グリーン席を試せるのは絶好の機会とも言えます。


特にCRH2Aではせいぜいシートカバーに「和諧号」ロゴが印刷されている程度で、座席自体はおろか、1・2等座共にモケットまで全く同じ柄を使っており、2等座(写真)では座面スライド機能も装備しています。

ほぼ同グレードの座席を用いており、車内の構造などが大きく異なるCRHシリーズ他車両と比べ、一層「グリーン車」に乗車しているという雰囲気が堪能できます。

MAKIKYUは日本では運賃・料金が高い事もあって、E2系は普通車しか乗車した事がなく、E2系グリーン車の座席には大陸で初乗車という事になりましたが、乗車券購入時に6号車で指定されていたのは、乗車券を手にした時から少々気になっていたものでした。

というのも、E2系8両編成では7号車1両がグリーン車となっており、CRH2も確か同様の編成だったはず…と思っていたからで、実際にCRH2Aも過半数の編成は半室の食堂車が設置されている事を除くと、本家E2系と同様の編成になっています。

しかしCRH2は後に寝台車など様々な派生形が登場しているだけでなく、初期型のCRH2Aでも編成構成が異なる編成が混在しており、MAKIKYUがD3027次で乗車したCRH2Aは、6・7号車の2両が1等座になっていました。

しかしながら外見上は、7号車1両が1等座となっている編成と大差なく、6号車の窓割は大窓の真ん中に、ブラインド用レールが挟まる普通車タイプとなっており、この窓割に合わせて座席を設置しているために、前後の座席間隔は2等座(普通車)と同じ、定員も7号車より20名近く多いハズレ車両になっています。

そのため1等座で6号車の乗車券が発券されると、7号車に比べて見劣りが否めず、少々損した気分になりますが、それでも任意の車両・座席を選べるシステムはなく、料金的にも同一と言うのは如何にも中国的な話で、それどころか6号車は内装の壁面まで2等座と同じと言う有様でした。

 
それでも中国にしては短い8両と言う編成で、合肥辺りまでは列車自体が混雑しており、無座(立席)客も多数と言う有様では、1等座で座れるのはかなり上等な話で、新幹線グリーン車に乗車しているというよりは、山陽・九州新幹線直通N700系などの普通車指定席車両(横4列席)に乗車している様な気分でも、料金差やE2系の座席を堪能できるというメリットなどを考えれば、一度試乗する位なら…といった所です。

南京南から1時間程走ると、安徽省の省都・合肥に到着し、ここで結構な数の乗客が降りますので、合肥から乗り込む乗客も居るものの、車内は幾分空いてきます。


その後は列車はその後更に六安・金寨・麻城北に停車し、漢口へ向かいますが、赤土やレンガ造りの建物が散見される平野や、なだらかな丘陵地帯が延々と続く大陸の車窓は、日本とは異なる遠い異国に来た事を感じさせられます。


途中停車駅の麻城北は、複線の通過線+両側線に相対式ホームの新幹線途中駅スタイルとも言える駅で、ここではCRH2充当のD~次(動車組)列車同士の退避が行われ、D3027次列車は後続列車の通過待ちとなるために、暫くの間停車します。

列車内は一応全て禁煙となっており、喫煙人口の多い中国だけあって、この停車時間に車内からホームへ出て、喫煙する乗客の姿も多数見られる状況です。

MAKIKYUも乗車記念を兼ね、写真の撮影に出向きますが、相対式ホームの反対側ホームへ行こうとしたら、係員の制止指示が出てアウト!というのは如何にも中国的で、日韓であればこの程度の事は…と感じます。

麻城北を出発すると、現地時間でも既に19時頃(日本時間20時)だけあって、そろそろ外は暗くなり、車窓を楽しむのは…という状況に
なります。


丁度腹が減った事もあり、日本の新幹線では姿を消してしまった餐車(食堂車)へ出向き、カウンターで発売している車内販売の弁当を購入して夕食とします。

本格的な調理設備を備えていない事もあり、客車列車の食堂車の様に、車内で調製した弁当ではなく、長期保存可能(パッケージによると、常温遮光保存 保質期 90天)な弁当をレンジ加熱して提供するスタイルで、購入した弁当は35元、他にインスタントのカップスープ(5元)と合わせて40元でした。

この弁当を販売している係員は、日本語こそ全く使えないものの、簡単な英語(中国ではそれすら通じない事もザラです)が使える事もあり、弁当の注文などで漢字の筆談と共に簡単な英単語を並べ、意志の疎通をしていました。

MAKIKYUはまともに中国語を勉強した事もない有様で、単に漢字を並べているだけですので、一応それでもある程度意味は理解しながらも「Your Chinese is poor.」と言われてしまう始末で、この列車に日本人が乗車する事は?と尋ねると、「殆どない」との事でした。

中国の大陸本土を走る高速鉄道はおろか、わざわざ離島の高鉄に乗りに行く日本人もしばしば…という状況ですので、上海発着の比較的乗り易い列車にしては少々意外な気もしますが、乗っていても見た目では現地人と識別がつきにくく、食堂車を利用する頻度が余り高くない事も影響しているのかも…と感じたものです。
(一応この列車の始発となっている上海は、日本との間を直結するフェリーも発着する街で、東海道新幹線で活躍する新幹線車両をベースとした高鉄車両を走らせている離島などに比べれば、日本人にとっては遥かに足を運び易く、メジャーな都市と言う印象があり、高鉄に関しても同様と言う気がするのですが…)


肝心の弁当は、パッケージに「方便 美味 安全」などと書かれており、上海市内で調製したものですが、内容は白米や牛肉の煮込みなどのおかずとなっています。


衛生面での安全性は、街中で売っている弁当などよりずっと上と言う印象を受けたもので、ネット上でもこの弁当の評価に関しての情報が流れていますが、肝心の味は個人的にはまあまあといった印象を受けたものでした。

ただ中国の街中では、1回の食事で35~40元を支出するとなれば、結構良いモノが食べれる気がしますし、物凄く高級な弁当と言う印象ではない気がします。

そのため弁当の価格は「列車の乗り心地と同様に日本並み」と言っても過言ではなく、CRHに乗車する客層を見込んで強気の商売をしている印象がありますが、それでも結構この弁当を買い求める乗客の姿が見受けられたものでした。


この弁当を食べ終えて少しすると、暗闇の中に街明かりがボチボチと見え始め、まもなく終点の漢口站到着となりますが、一般の客車列車
も発着するドーム上屋根のホームに、新幹線型車両が発着する様は、システムを含めて日本スタイルそのままの在来路線とは独立した高速鉄道ではなく、新幹線型車両を独自の方法で活用する中国鉄路流運行スタイルを象徴している光景の様に思えたものです。

D3027次をはじめ、上海虹橋~南京南~合肥~漢口間などを運行するD~次(動車組)列車は多数運行しており、大半がCRH2Aでの運行となっていますので、初めての中国旅行で是非「新幹線車両」に乗りたいと考える方にもおススメです。

また数日後には上海から日帰りで南京へ出向き、その帰りにも武漢~上海虹橋間を運行するD~次列車を利用したものでした。

列車本数が頻発している上海~南京間(両都市共に発着駅が複数あります)でも、G~次列車(高速動車)に比べると停車駅が多く、最高速度が低い事もあってか、運賃はG~次列車に比べてかなり割安に設定されています。

安い事もあってか無座(立席)客が多く見られ、車内環境は若干…といった状況でしたが、設備的にはG~次列車と遜色なく、運賃格差も新幹線「のぞみ」と「こだま」の実勢価格(前者がバラ売り回数券やEX-IC割引・後者がぷらっとこだま利用など)を上回る程です。

そのためこの列車は上海~武漢間を移動するだけでなく、上海~南京間を少し安く高速鉄道で移動したい場合や、北京~武漢間を南京南乗り継ぎで移動する際などにも活用でき、色々な使い方が出来る有用な列車と感じたものです。

(その後12月末には北京~武漢間で高速鉄道が開業し、早くもこんな乗り方をする必要性が薄れているのは、著しい発展と共に次々と新線が開業する中国らしい話です)

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中国鉄路乗車記:G117次(乗車日:2012年7月13日/CRH380A)

2012-07-13 | 鉄道[中華人民共和国]

(この記事は列車乗車日を記事投稿日扱いとして、後日公開したものです)

MAKIKYUは7月に久々に中国を訪問した際には、出来れば北京到着後に列車で武漢へ抜け、その後武漢~広州間高速鉄道に乗車して華南へ向かい、その後華南から列車で上海周辺へ…という大まかな計画を立てており、ダメなら北京から上海まで、本数が多く、乗車券も買い易い高速列車で直接…と考えていました。

この計画だと北京~武漢と、華南~上海間の火車票(列車乗車券)手配が問題となるのですが、北京到着日に華南~上海間は乗車券手配に成功し、後は武漢への火車票をどうするのか…という状況でした。

北京~武漢間は北京西站から漢口站や武昌站へ向かう夜行列車(寝台+座席や全車寝台)が何本か運行しており、他に武漢以遠へ向かう列車も多数存在するのですが、各列車の寝台は数日先まで「没有」の嵐が吹き荒れる状況でした。

発売当日で全列車完売と言う程ではないにしても、乗りたいと思った時に乗れない程、この区間では需要に対して供給が追いついていないのが現状で、それどころか在来線を走る昼行CRH(D~次の動車組)ですら、数日先の列車で空席がようやくという有様でした。

こんな状況であれば、一般の中国人民なら諦めて硬座で10~12時間程度我慢して…という所で、多数の火車票購入希望者がひしめく乗車券売り場では少しでも安く目的地へ行きたいがために、1000km以上の距離を移動する際にも、最初から硬座の火車票を求める人民も多数見受けられる程で、当日の無座票などを買い求める人民の姿を見ると、MAKIKYUはとても…と感じてしまいます。

日本人でも硬座乗車こそが中国鉄道旅行の醍醐味と感じていたり、運賃の安さに魅力を感じて、他列車・車両に空席があっても、長距離の列車移動で敢えて硬座・無座を選んで乗車する人物も存在しますが、長時間の硬座乗車は車両の居住性や車内環境など、特快空調車でも日本の青春18きっぷによる普通列車乗り継ぎなどとは比べ物にならない程劣り、非常に疲れます。
(MAKIKYUが帰国の際に乗船したフェリー内では、昆明~上海間を硬座で移動したという方や、成都~ウルムチ間を硬座で移動したという方(共に日本人女性の一人旅)も居られ、どちらも全然平気と言ってましたので、相当な猛者と感じたものですが、中国鉄路に関する書籍を出版される様な事情通の方を除き、日本人一般には硬座での長時間乗車はおススメできません)

日韓の快適な鉄道旅行に慣れきったMAKIKYUにとって、空を飛ぶ(=航空機に搭乗する)位ならまだ無座でも…とは感じるものの、出来れば北京~武漢間を硬座で移動するのは避けたいと感じ、他に妥当な方法はないのだろうか…と感じたものでした。

そこで鉄道旅行のバイブルとも言える時刻表とご相談になるのですが、上海(上海虹橋)~武漢(主に漢口站発着)の動車組列車(D~次)はそこそこの本数が運転されており、乗車券も比較的買い易そうな気がしましたので、北京南駅の乗車券売り場でこの列車の空席状況を尋ねると、2日前の段階で空席ありとの事でしたので、北京南~上海虹橋間の高速動車(G~次)と、上海虹橋~漢口間の動車組列車(D~次)を、途中の南京(南京南站)で乗り継ぎ、武漢へ移動する事にしたものでした。
(北京南~南京南間の高速動車組乗車券購入は、列車が頻発している事もあって楽勝、特に運賃が割高な上級席ともなれば、余程の事がない限り当日購入でも大丈夫かと思います)

南京を経由して武漢へ向かうとなると、直接京広線を南下して武漢へ向かうよりは、距離にして300km程遠回りとなり、まして運賃面でも割高な高速動車などを利用するとなると、かなり割高(新空調硬臥の直通列車利用と比較し、高速動車+動車組2等座乗車でも2.5倍程)になりますので、普通の人民が移動手段として鉄道を利用するのであれば、まず考えられない経路になります。

とはいえCRH視察を最大の目的として訪中したMAKIKYUにとっては絶好の方法で、現地物価を考えると高過ぎるものの、日本の物価に比べれば激安な運賃設定(1500km強を移動しても、日本円に換算した金額は4桁で収まります)もあり、北京~武漢間で硬座や航空機利用は避けたいけれども、寝台が満席で買えない…という時には、鉄路迷(レールファン)以外の日本人旅行者一般にもおススメの方法かと思います。

そして乗車当日、上海虹橋行き高速動車の発着する北京南駅へ向かうと、駅構内に入場する際に金属探知機による荷物のセキュリティチェックがあり、その後列車別に指定された改札から入場する際には、係員から実名制(外国人の場合は旅券番号)が記された乗車券と身分証(外国人の場合は旅券)を提示する様に求められ、本人確認を行ってから自動改札機に乗車券を投入(改札)と、日韓の高速列車に比べて随分面倒で不便な印象が否めません。


改札を経てホームに向かうと、既に乗車するG117次は入場しており、北京~上海間の高速列車は主に2形式(CRH380A/CRH380B)が用いられているのですが、MAKIKYUが乗車するG117次はCRH380Aの方でした。
(高速動車(G~次)ではなく、運賃は安いものの所要時間が長い動車組列車(D~次)を利用した場合などは、別形式に当たります)

CRH380Aは新幹線タイプのCRH(CRH2)の改良増備版とも言える車両で、CRH380B(ドイツICE3タイプ・CRH3の改良増備版)と混用されています(一応運用は決まっている様ですが、同一路線・区間を走る列車でも、乗車列車によって車型が異なります)ので、1本前の上海虹橋行きはCRH380Bが充当されており、天津へ足を運ぶ際にCRH3に乗車した事もありますので、CRH380Aの方に当たれば…と思っていたMAKIKYUとしては念願通りの巡り合わせです。

このCRH380Aは新幹線タイプの改良版だけあって、見た目は何となく日本の新幹線を連想するものの、CRH3と大差ない外観のCRH380Bとは異なり、塗装や前面デザインなどがCRH2とは大きく異なっているのが大きな特徴です。

前面デザインや塗装は、抜群の高性能とデザインを誇りながらも、座席数や乗降口位置などが他車両と異なる事で運用し難く、近年東海道~山陽新幹線直通のぞみ号という花形からは退役を余儀なくされ、現在は編成を短縮して山陽新幹線内で細々と活躍している車両を連想させるものがあります。


ただ車体断面は丸っこいこの車両特有のものではなく、CRH2(=E2系)に近い形状となっている事もあって、複数種の新幹線を継ぎ接ぎした様な奇妙な雰囲気となっており、個人的にはデザイン面で余り格好良い車両とは感じないのですが、これに中国ならではとも言える釣り目形のヘッドライトが配されています。

他国の技術や実績をふんだんに用いながらも、数本はベース車の開発国から直接輸入したCRH2やCRH3・CRH5などの動車組列車用車両や、ほぼドイツ風の雰囲気が漂うCRH380Bとは異なり、一応中国ならではの車両という事になっており、中国側も独自開発車両である事を盛んに謳っています。
(実際にホームに入線しているこの車両を目にすれば、何処かの島国で活躍している高速列車の2番煎じ的な印象が否めないのですが…)


車内に足を踏み入れると、客ドアやデッキ周辺などはCRH3やCRH5、韓国KTXなどの欧州系高速車両の雰囲気ではなく、これまた何処かの新幹線と錯覚してしまいそうな雰囲気が漂っています。


客室もMAKIKYUが乗車する2等座(普通車相当)は2人がけと3人がけの、背面テーブル付き回転式リクライニングシートがズラリと並び、CRH2の進化系車両ならではといった感がありますが、座席モケットはベース車そのもののCRH2とは異なり、座面スライド機能は廃され、モケットも新幹線N700系普通車の色彩を濃くした様な印象を受けます。

ただ天井や半透明ガラスを用いた荷棚の造作、ミラー仕上げで装置本体が目立たない様になっている車内LED文字案内装置などは、CRH3(ドイツICE3タイプ)に類似しており、様々な高速車両の美味しい所を寄せ集めた雰囲気があります。

しかし側面窓は2席で1つの大窓、そしてブラインドは各窓毎に上げるか下げるかしかできない構造は頂けないもので、後発だけに様々な車両の利点を寄せ集めるチャンスがあるにも関わらず、大窓の中央にブラインドレールがあり、各席毎にブランドを任意の位置で下ろせる構造とする事で、様々な旅客のニーズに細やかに対応できる構造を採用しなかった点は、少々に残念に感じます。

この2等座席は結構盛況で、見た限りでは8割以上の座席が埋まり、3人がけの中間席でも埋まっている箇所が多く見られるなど、北京~上海間の高速鉄道は結構な本数・両数で運行している事も考えると、高速鉄道開業前は需要に対して供給が大幅に不足していた事が露呈されているとも言えます。


その一方で上級席に関しては運賃の高さもあってか、比較的空席が目立つ状況で、日韓の物価よりは安いとは言っても、MAKIKYUが乗車券を購入する場合でも決して安くは…と感じてしまう程、まして高速動車(G~次)では1等座と2等座の価格差(日本の普通車とグリーン車の様な感覚です)が結構大きく、2等座でもJRの新幹線・特急普通車レベルの設備を有する事(客車列車の軟座でも、日本の普通列車レベルかそれ以下と感じる事が多いです)を踏まえると、2等座をもう少し増やした方が…と感じてしまいます。

この1等座は、座席が新幹線グリーン車レベルのモケット違いと言った印象があるのですが、CRH380Aではただでさえ乗車率の振るわない1等座に加え、更に上級の「商務座」と呼ばれる車両も連結されており、しかも中間の1両全室がこの商務座となっているのは、資本主義国の民営鉄道ならまず考えられないと言っても過言ではない気がします。


商務座は革張り・バックシェル付きの2+1列座席が並び、東北新幹線E5系「グランクラス」の中国版とも言うべき存在ですが、設備・運賃共に破格で、日韓に比べて大幅に物価が安い中国といえども、北京南~上海虹橋間をこの座席で乗り通せば、日本の新幹線普通車で首都圏~九州間を移動出来てしまう程、物価が高い日本に住む人間の感覚でも決して安い金額ではありません。

まして中国の物価を考えると、北京南~上海虹橋間で商務座の乗車券を片道分購入するだけでも、一般労働者の月給かそれ以上という有様で、日本のグランクラスの様に少し奮発して一度(それでも結構高いですが…)と言うレベルの金額ではないだけに、利用出来る客層は極めて限られています。
(当然ながらこの車両の乗車券購入は、余程の事がない限りは当日でも楽勝かと思います)

1等座でも空席が目立つ状況でしたので、こんな車両はほぼ空気輸送状態と言っても過言ではなく、今後の経済発展で上級席需要が高まる事を見越した先行投資的要素があるのかもしれませんが、需要に対して供給が追いついていない中国鉄路の現状を踏まえると、こんな座席はJR九州787系電車のDXグリーン車の如く、せいぜい先頭車両の一部区画程度で…と感じてしまいます。


そして列車が北京南站を出発すると、MAKIKYUが降車する南京南站までは約4時間の道程、そして終点の上海虹橋站までは所要約5時間となりますが、車両・軌道共に真新しいだけあって、最高速度は温州の事故以来若干引き下げられ、所要時間が増大しているとは言っても300km/hを少々超える程度を出しており、車内に設置されたLED表示でもその運行速度が表示されます。

日本の新幹線は、大動脈の東海道新幹線は設備が古く、今日の超高速運転を見越していない設備が災いし、最高速度270km/hに押さえられ、それも車体傾斜などを駆使して最高速度で走れる区間を…という状況を踏まえると、何とも羨ましい話です。

北京~南京間は1000kmを越えており、高速鉄道開業前は列車の手配、移動共に結構な労力を要していたものの、CRHで移動する両都市間は、日本の新幹線で東京~広島間を往復する程度の手軽さで、中国鉄路の旅も随分変わったものと実感させられます。


ただ中国ならではの発車時間直前のホーム別改札のお陰で、途中各駅も列車入線時刻が迫っていないと人影が見当たらず、駅のつくりがやたらと大きいのは、日本の新幹線とは大きな違いで、軌道設備も柵等はやや簡素な印象を受けたものでした。


また日本の新幹線と同レベルの最新鋭高速列車でありながらも、給湯設備は客車列車と同様にしっかりと設置されている辺りは中国らしく、MAKIKYUも車内で方便面(カップラーメン)を食すために利用したものでした。

列車内では車内販売は勿論、食堂車の連結もありますので、食事情は新幹線やKTXといった日韓の高速列車より優れており、ブッフェなどを連結するとまではいかないにしても、日本の新幹線も車内に給湯設備のサービス位はあっても…と感じます。

そしてCRH380Aの約4時間の列車旅は、異国の車窓が広がる非日常の世界と言う事もあってあっという間、多少の遅延は見込んでいたものの、ほぼ定刻で南京南站に到着、今度は約2時間後の漢口行き列車へ乗り継ぎ、目的地の武漢を目指します。

南京南~漢口間で乗車したD3027次に関しては、別記事で取り上げたいと思います。

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