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メトロパス各券種が値下げ発表~24時間券導入や他事業者との競合も影響?

2016-02-26 | Weblog


昨日東京メトロと相互直通運転を実施しており、各社の往復+東京メトロ1日フリー乗車を組み合わせた企画乗車券(メトロパス)を発売している小田急・東急・西武・東武・埼玉高速(SR)と、相互直通運転こそ実施していないものの、メトロ線接続駅までの自社線往復+東京メトロ1日フリー乗車を組み合わせた同種乗車券を設定しているつくばエクスプレス(TX)が、概ね100円(小児50円)程度の設定価格値下げを発表しており、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、ご存知の方も少なくないと思います。
(写真はメトロパス各種を発売している各事業者車両の代表例・既存記事で公開した画像の再掲です)

また今日付けで同種乗車券を設定している東葉高速鉄道も同種リリースを公式発表し、首都圏郊外を運行する私鉄各社のメトロパスシリーズ各種が新年度(4月1日)から一斉値下げとなります。

現在横浜市内某所に身を置くMAKIKYUは、都心方面へ足を運ぶ際に東急東京メトロパスを利用する事もしばしばで、他に小田急東京メトロパスも何度か利用した事がありますが、ただでさえお得感のあるメトロパスシリーズが更に値下げとなれば、都心各地へ出向く際をはじめ、都心を通過して埼玉県内や千葉県内などへ日帰りで足を運ぶ際にも、私鉄+メトロの組み合わせ利用となる事が多くなりそうです。

この値下げは東京メトロが自社2日乗車券を24時間乗車券に変更するものの、メトロパスシリーズ各種はこの適用から除外される事も影響しているかもしれませんが、小田急や東急などは部分的ながらも他社線との競合区間を抱え、この区間で他社線に比べて優位な企画乗車券を設定する事で、メトロと共に「選ばれる路線」を目指している事の表れなのでは…とも感じています。

こうなると東京都心の鉄軌道系交通機関の中では、メトロと並び御三家と言っても過言ではないJR東日本と東京都交通局(都営)なども、今後メトロに負けないサービス提供に向けた動きが生じるのか、それとも東京メトロや、メトロと共同でメトロパスシリーズを発売している各事業者への顧客流出をある程度許容してでも、現状の運賃設定を維持する方向性で進むのかも気になる所です。

ちなみにMAKIKYUは横浜市内~都心方面などへ日帰りで所用に出向く際には、目的地次第では京急往復+都営各交通機関フリーの「東京1DAYきっぷ」もたまに利用機会がありますが、横浜市内~東京都内と都内の交通機関としてはただでさえ割高感のある京急+都営の組み合わせで現状の設定価格維持となると、こちらの利用機会は今までよりも減りそうな気がします。
(東急東京メトロパス新価格だと横浜~押上間の往復利用だけでも結構割安になりますが、東京1DAYきっぷ現価格では使い方次第では有用性もある乗車券ながら、同種の使い方では見劣りが否めない気がします)

それでも京急と相互直通運転を行っている路線ながらも、ただでさえ悪評名高い超高額運賃に加え、現状では企画乗車券類の設定に関しても消極的と言わざるを得ない首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)は論外で、これに比べればまだマシという声も出るかもしれませんが…


山東省・済南市内を走る市内公共汽車(2)~BRT以外の路線バス

2016-02-25 | バス[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国山東省・済南(Jinan)市内を走る快速公交系統(BRT)に関する記事を取り上げましたが、済南市内ではBRT以外にも多数の市内公共汽車(路線バス)が運行、その内の幾つかに乗車機会もありました。

済南市内では一般的なディーゼル車だけでなく、日本では現在市内バスでの活躍が見られない無軌電車(トロリーバス)も4系統運行、その内の一つはMAKIKYUも乗車機会があり、MAKIKYUが中国のトロリーバスに乗車した都市は、済南で8都市目となります。
(その中でも江西省・南昌(Nanchang)は現在運行廃止となっていますので、現存都市に限定すると7都市目(トランスロールを除く)になります)


乗車した車両は近代的なデザインで、同デザインのディーゼル車も多数見受けられる状況でしたが、一部で架線の設けられていない区間を運行し、この区間での運行に対応するために蓄電池を装備しているのも大きな特徴と感じたものでした。


他系統で活躍する車両の中には、比較的古参と見受けられる車両も混在していましたが、系統数が少ない上に済南駅や済南西駅に乗り入れる路線は皆無ですので、外国人旅行者が済南を訪問しても、トロリーバスに乗車する機会は少ないだろうとも感じたものでした。


また大多数を占める一般的なディーゼル車での運行路線は、路線数が多過ぎて極めて複雑、外国人旅行者には少々使い難い面もあると思いますが、市内の鉄道主要駅となっている済南駅(一般列車主体で昔から存在する駅)~済南西駅(高速鉄道駅として近年開業した駅)間を結ぶ156路は最も有用な存在かと思います。

MAKIKYUがこの路線に乗車した際には、ハイブリッド車に当たり、中国でも各地でハイブリッド車が普及している事を実感させられたものでした。


大型ディーゼル車は2軸前中扉の車両が主流を占めているものの、近年日本で活躍する低床市内バスでは見かける機会のない3扉3軸車の姿も散見、こちらへの乗車機会はなく何度か見かける程度でしたが、前中扉間が低床構造となっています。


後扉部分は複数段のステップが設けられている状況で、最後部座席~後扉との間の段数は4段程度存在、こんな構造のバスは日本ではまず考えられない代物と言っても過言ではない気がしますが、BRTやトロリーバスと並び、非常にインパクトのある車両の一つと感じたものでした。


この他にも日本の東京都内中心部で運行する無料循環バス(日の丸自動車興業が運行・丸の内シャトルなど)向けに導入されたニュージーランド(デザインライン)製電気バスによく似たデザインが特徴的な車体の車両なども散見し、これも結構印象に残る車両の一つと感じたものでした。


フォークリフト技能講習受講~一応大特所持ながらも…

2016-02-21 | Weblog

今月MAKIKYUは神奈川県内某所(小田急線沿線)でフォークリフト技能講習を受講したものでした。

フォークリフトの操作に必要な資格は、フォークリフト特別教育とフォークリフト技能講習の2種類が存在しており、特別教育受講者は最大積載量1t未満のフォークリフトのみ操作可能、技能講習受講者は最大積載量制限なしとなっています。
(荷物積載量が900㎏などでも、フォークリフトの最大積載量が1t以上の場合は、フォークリフト技能講習受講者でないと操作不可です)

MAKIKYUが受講したのは「フォークリフト技能講習」で、資格の有無(大型特殊免許・普通免許など)によって講習受講時間などが異なっています。

一応大型特殊免許を所持しているMAKIKYUは、講習時間や受講料金が割安な大特免許所持者向けの技能講習受講も可能な状況でしたが、大特は試験場一発試験で取得しただけで実務歴皆無、取得からの年数もかなり経過しておりペーパー状態という事もあり、教習所側の勧めもあって普通免許所持者向けの技能講習を受講したものでした。

大特免許所持者向けの技能講習と普通車免許所持者向けの技能講習では、学科に関しては同様の内容・講習時間となっており、MAKIKYUが参加した普通免許所持者向けの講習では、1日目は教習所が用意したテキストを基にビデオなどを交えた学科座学、そして最後に試験でした。

MAKIKYUがフォークリフト技能講習に出向いた教習所は、日本語以外に英語やスペイン語などによる用語の多言語説明を実施、テキストや試験問題も外国人向けに用意された外国語問題も用意されているのが大きな特徴でした。

受講料金も他施設の同種講習より割安な事もあり、神奈川県内だけでなく東京都内から受講に出向いた人物もおり、外国語テキストの用意やパワーポイントによる多言語表示、外国語で記された学科試験問題を用意するなど、外国人向け教習に力を入れている特色故にバングラデシュ・ペルーなどの海外出身者(どの方も日本語日常会話は無問題の方ばかりでした)が見受けられ、また美術大学の女子学生も参加(学内にある資材の運搬で使うとの事でした)し異色の存在として注目されるなど、総勢9名(初日の学科のみ10名)の受講者はかなり多彩な顔触れとも感じたものでした。

学科の試験は座学の最後の実施、制限時間は1時間となっていますが、普通免許の学科試験などに比べると問題数は少なく、途中退出も可能となっていましたので、試験開始から10分程度での退出者も複数見受けられる状況でした。

学科の試験内容は座学を聞いていれば、日本語が理解できるならまず不合格となる事はない内容と感じ、MAKIKYUが受講した教習所では3択での選択式だったものの、教習所教官から伺った話では、2択で問題数がもう少し多い教習所なども存在しているとの事でした。

そして講習の核となる技能講習の乗車時間は、大特所持者向けだと半日・普通免許所持者向けだと3日間と大きく異なる状況で、技能講習の最後に行われる試験での合格点(100点満点からの減点方式で大特免許所持者向けは85点以上・普通免許所持者向けは70点以上)も異なっています。


MAKIKYUが受講した普通免許所持者向けの技能講習では、技能講習の初日となる2日目の最初に内燃機関(エンジン)駆動フォークリフトに乗車、その後はカウンター式の蓄電池(バッテリー)駆動フォークリフト(写真・最大積載量1.5t)での講習が大半でしたが、このフォークリフトでの講習は屋外で実施ですので、悪天候時などは少々厄介と感じたものでした。

技能試験もカウンター式の蓄電池駆動フォークリフトで実施でしたが、3日目の午前中は主に狭い倉庫内などで用いられるリーチフォークリフト(蓄電池式)に乗車しての屋内講習で、こちらは小回りが利く反面運転操作が難しく、慣れない状況では非常に厄介と感じたものでした。


技能講習のメインとなるカウンター式の蓄電池駆動フォークリフトでの教習は、最初は直進・後退→八の字走行→荷役を前提にしたコースでの走行→積荷のないパレットを載せての積込み・走行と積下ろし→1t強のコンクリートブロックを積載したパレットを載せての積込み・走行と積下ろしと徐々にレベルアップして行き、1t強のコンクリート片を積載しているか否かでも、荷役時や走行時の感覚は随分異なります。

技能講習の最後に行われる試験では、概ね10分以内(10分超過だと減点)で1t強のコンクリートブロックを積載したパレットを載せての積込み・走行と積下ろしができ、荷役時に指定枠内へパレットを収める事を求められるのにに加え、発進時の安全確認忘れや荷役操作時のサイドブレーキ引き忘れなどが減点項目、フォークのパレット接触やコース間違い場合・脱輪などは特に大きな減点項目(5点)となっています。

それでも技能講習受講者の98%程度が合格と言われるだけあり、最終日(4日目)の試験では総勢9名の受講者全員が合格、MAKIKYUも無事フォークリフト運転技能講習終了証を手にする事ができましたが、運転技能に関してはどの教習でも上達が遅い不器用な部類である上に、MAKIKYUが参加した講習の受講者は上手い人物が多かった事もあり、「一番良い免許を持っていながら一番遅い」と言われる有様でした。
(基本的には普通免許所持で大特未所持者を前提とした講習で大特所持(ペーパー状態)である事に加え、大型2種免許所持者もいなかった様ですので…)


試験終了後に授与された「フォークリフト運転技能講習修了証」はサイズは自動車運転免許証と同一で、動力車操縦者運転免許証(該当記事をご覧になりたい方はこちらをクリック)などよりも随分立派な雰囲気と感じたものでした。

動力車操縦者運転免許証などと同様に更新制度はなく一生涯有効、氏名や本籍地などの記載事項が変更となる際のみ書き換えとなります。

ただ「フォークリフト運転技能講習修了証」は運転免許ではありませんので、フォークリフトの運転や荷役が出来るのは構内作業などに限られ、荷物を積載せず移動などで公道上を走行(保安基準を満たした登録番号取得車両に限る)する際には、別途大型特殊免許などが必要となります。

ちなみに講習受講や修了証取得は18歳未満でも可能なものの、フォークリフトを用いての就労は18歳にならないとできない事や、動力を用いてフォークなどのアタッチメントを装備し、動力を用いて上下させる荷役運搬機械でも、マストではなくアームを用いたもの(フォークローダー)などの取扱いは不可能な事は要注意です。

フォークリフトの運転や荷役作業自体は、慣れればさほど難しくないと思いますが、自動車運転などと同様に一歩間違えれば大事故にも繋がるだけに、慣れから来る安全不確認や漫然操作などには充分注意しなければ…と感じたものでした。

フォークリフト運転技能講習は、講習参加者の合格率(修了証取得率)はかなり高い部類に入る資格ですが、教習所教官の方から伺った話では、技能講習時間が短く、技能試験での合格点数も高く設定されている大型特殊免許所持者向け講習では、ここ2カ月で3名の不合格者(不合格時は1度だけ再検定を受験可)が出たとの事で、そのため大特所持者でもMAKIKYUの様なペーパー状態であれば、普通免許所持者向けの技能講習を受講するのも…と感じたものでした。

また4日間のフォークリフト運転技能講習で指導頂いた教官の方をはじめ、共に受講した方々にも色々と世話になる事があり、無事修了証取得に至った事に関しては、この場からも御礼を申し上げたいと思います。

(掲載画像の教習施設名と氏名や顔写真が含まれる部分に関しては画像修正で消去しています。当該施設での講習に興味のある方は直接MAKIKYU宛にメール(「このページについて」の項にアドレス記載があります)へお知らせ下さい。
なお記事中赤文字で記載した部分は、フォークリフト技能講習の学科試験で出題される可能性の高い事項ですので、今後フォークリフト技能講習を受講する予定のある方は、参考にして頂けると幸いです)


中国山東省・済南市内を走るBRT(快速公交系統)~扉配置にも注目

2016-02-19 | バス[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国山東省・青島(Qingdao)市内を走る市内公共汽車(路線バス)に関して取り上げましたが、山東省内の各都市は青島の他に、省都の済南(Jinan)市にも足を運んだ事があります。

済南市では地下鉄や軽軌など、市内軌道系交通機関の整備は行われていませんので、市内交通は専ら路線バスという中国の地方都市では典型的な状況となっています。

市内交通が専ら路線バスという状況ですので、地元住民にとっては勿論、外国人旅行者にとっても市内移動には欠かせない存在となっており、MAKIKYUも済南へ足を運んだ際には、何度か市内移動で路線バスに乗車しています。

済南市内を走る路線バスは、一般的な単車によるディーゼル車での運行が主体となっていますが、近年中国でも整備が進んでいるBRT(Bus Rapid Transit:快速公交系統)も7運行しており、BRTでは2両連接車による運行が主体となっています。


MAKIKYUが済南へ足を運んだ際には、済南火車站(済南駅)近くのホテルに宿泊しましたが、駅前でBRTの2両連接車を見た時には、他のバスとは異なる際立った存在と感じ、列車で済南を離れる前に時間が確保できた事もあり、このBRTに乗車したものでした。

済南市内を走るBRT各系統の中でも、済南火車站を発着する系統はBRT-5路で、市内中心部を経て東南の郊外に位置する全運媒体村までを運行、BRT車庫は終点・全運媒体村バス停のすぐ近くに設けられています。

済南站周辺はBRTと他系統の市内バス各系統が錯綜し、駅周辺も雑然とした雰囲気、駅周辺の数百mを移動する所要時間も、混雑時は徒歩以下と言う有様でしたが、郊外の一部では道路中央にBRT専用レーンが設けられた区間も存在しています。


BRT専用レーン設定区間では、バス停も軽軌站の如く改札が設けられており、この区間でBRTが複数系統発着している停留所であれば、追加運賃なしでBRT他系統へも乗継可能な状況になっています。
(一般道区間で乗車した際は運賃前払いで車内精算)


この区間の停留所ではホームドアも設けられており、BRTも上手く整備すれば下手な軌道系交通機関よりもずっと有用と言う事をPRしている様にも感じましたが、済南のBRT専用レーン設定区間にある停留所は。ホームが島式となっているのが大きな特徴となっています。
(他都市のBRTでは、上下線でホームが分かれる相対式が大半です)

そのため一般道区間とBRT専用レーンに跨って運行し、双方の区間にある停留場で乗降扱いを行うとなると、一般的なバス車両を用いる場合にはBRT専用レーン区間だけ通行方式を変える必要が生じます。
(中国大陸本土の道路は右側通行ですので、片側にしか乗降扉がないバスでBRT専用レーンでの乗降にも対応させる場合、BRT専用レーンを左側通行で運行する必要が生じます)


しかしながら済南のBRTは、BRT専用レーン区間も含めて右側通行で運行していますので、専用レーン区間での乗降にも対応させる為に運転席側にもドアを設けた特別仕様車となっているのが大きな特徴で、この独特な仕様を意識せずに乗車したMAKIKYUは、乗車後にビックリと言う有様でした。


運転席側の扉はBRT専用レーン区間での使用→運賃収受なしという事もあり、反対側の扉とは位置が対照になっていないのも特徴で、こんなバスはなかなかないと思いますので、一度見たら忘れられない強烈な車両と言っても過言ではないと感じたものです。

 
またBRT各系統では2両連接車が主流ながらも、一部便は単車でも運行しており、こちらもBRT専用レーン区間での乗降に対応するために、運転席側にも乗降扉が設けられた特別仕様車が限定充当されています。

済南市は山東省の省都と言う事もあり、中国内での知名度はそこそこあるものの、日本国内での知名度は余り高くなく、ネットで済南に関する情報を検索しても日本語で記された情報は数少なく、市内を走るバス情報ともなれば殆ど…という状況ですが、BRTはかなりインパクトのある乗り物かと思います。

移動区間次第では市内移動にも有用な存在ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も済南市へ足を運ぶ機会がありましたら、是非乗車してみては如何でしょうか?


熊本電気鉄道5000形電車~永年の営業運行も遂に終焉

2016-02-14 | 鉄道[九州・私鉄等]

今日はバレンタインデーという事で、チョコレートを楽しみにしているという方も居られるかと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、興味対象は「チョコより電車」という方も少なくないと思います。

そんな方の中には、今日限りで営業運行終焉となる熊本電気鉄道(以下電鉄と記します)の旧型車両・5000形電車のラストランへ足を運ばれている方や、現地まで足を運ぶ事はなくても、この話題に注目している方は少なくないと思われ、MAKIKYUも後者の一員です。

同車は元々昭和30年前後に東急線で導入、後に電鉄へ移籍した車両で、電鉄以外にも長野県内の地方私鉄などに多数が移籍していますが、老朽化で次々と引退し、近年の稼働車両は電鉄のみという状況になっていました。

東急線時代は中間車も挟んだ長編成で運行する事も多かったものの、熊本では最大でも先頭車同士を連結した2両、片運転台だった先頭車を両運転台車に改造した車両も存在しています。


近年は上熊本支線(上熊本~北熊本)で運用される両運転台車のみが健在という状況で、片側は5000系の原型そのものながらも、後に増設した運転台側は機能一辺倒と言っても過言ではない貫通型スタイルで、前後で対照的な姿をしているのも面白いものです。


同車は一時期水色を基調とした独自塗装を纏った事もありますが、近年は往年の東急線時代と同様の緑色1色塗装で活躍しており、この装いで活躍する事で、希少な存在の車両が更に際立ったのでは…と感じています。


ただ移籍各社でも離脱車両が相次ぎ、幾ら短距離の支線運用ながらも今日まで活躍し続けたのが奇跡的と感じる車両だけに、MAKIKYUが最後に乗車した2年前でも、相当老朽化が進行していると感じる状況でした。

その際に乗車したのは昨年退役した5102A号車、今日まで活躍し続けた5101号車に限れば、最後に乗車したのは約4年前になります。


電鉄移籍後に設置された幕式の運賃表示器(これはICカード導入に伴って取り替えられたようです)などもレトロ感を演出するアイテムと化しており、夏場に乗車した際には、非冷房車である事に対するお詫びまで見受けられた位でした。


趣味的には非常に注目される存在である反面、旅客サービスや現業従事者の乗務・整備と言う点では、5000形の末期は非常に問題の多かった車両と言わざるを得ない状況でした。

そのため東京メトロ銀座線で活躍した01系の改造車が昨年電鉄で稼働開始してからは稼働機会も減少、予備車的な活躍で最後を迎える事になり、状況を考慮すると当然と言えますが、最後まで残存した1両は非常に希少な車両という事もあり、営業運転離脱後も解体せず動態保存するという話が出ているのは喜ばしいと感じます。


電鉄では既にモハ71号というこれまた非常に希少な車両(広浜鉄道:現在のJR可部線)が、北熊本工場の入替用として今日でも健在、この車両と共に稼働可能な状態で保存するとなると、2両の非営業用車両を抱える事になり、電鉄の事業規模を考慮するとかなり負担も大きい気がします。

島根県・一畑電車の体験運転用車両の如く、貴重な体験を売りにすると共に沿線への集客にも貢献する車両として活用できれば、かなり有用かと思いますが、5000形営業運転引退後の去就も気になる所です。

個人的には一旦は製造メーカーにおける保存車両として綺麗に整備されたものの、後に生首晒しといっても過言ではない姿で、渋谷駅前に鎮座している同型トップナンバー車の2の舞にならない事を願いたいと思っていますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方は如何お考えでしょうか?


JR東日本・HB-E210形気動車~仙石東北ラインで用いられるハイブリッド車両

2016-02-11 | 鉄道[東北]

先月「MAKIKYUのページ」では、昨年末に開業した仙台市営地下鉄・東西線に関する記事を取り上げましたが、昨年仙台圏ではこの路線以外に「東北仙石ライン」が運行開始した事も大きな話題の一つと感じています。


こちらは純然たる新線ではなく、一部区間での線路移設を含めた仙石線完全復旧に合わせて既存の東北本線と仙石線の間に連絡線(300m程度の単線)を敷設、仙石線快速列車を仙台方で東北本線運行に改めたもので、運行体系的には目新しいものの、実質的には運行体系改編と言っても過言ではない気がします。

しかしながら仙石線完全復旧の際には、野蒜付近の一部区間が高台に移設された新線に切り替えられた上に、交流電化の東北本線と直流電化の仙石線に跨る運行で、両線間の間に設けられた連絡線が非電化と言う事もあり、最新鋭のハイブリッド気動車による運行となっているなど、目新しさを感じる要素が幾つも…という状況です。

東日本大震災以前に仙石線全区間を乗車した事があり、震災後も代行バス(松島海岸~矢本)を挟んで仙石線で仙台市内~石巻間を移動した事があるMAKIKYUとしては、随分変わったと感じ、震災復興象徴の一つでは…と思う程でした。

この新路線「東北仙石ライン」で用いられているハイブリッド気動車は、HB-E210形と称し、システム的には小海線で活躍しているシリーズ式ハイブリッド気動車・キハE200形「こうみ」とほぼ同等ながら、路線特性を考慮して両開き3扉・片運転台車の2両編成となっています。


そのためキハE200形とキハE131・132形を折衷したと言っても過言ではない車両と感じたものですが、路線特性故に車内運賃収受式ワンマン運転に対応した設備が設けられていない事に加え、客ドア内側が黄色1色塗装ではなく金属地剥き出しとなっているのも大きな特徴と感じたものでした。


車両特性故にデッドスペースが多いのは致し方ないにしても、大半の列車が2編成併結した4両編成での運行(2両編成での運行列車が僅かに存在)で全車先頭車、この場合トイレも編成内で2箇所になるなど、ただでさえ少ない客室空間が更に少なくなるのは問題ありで、4両編成(中間2両は運転台無)で導入できなかったのだろうか…とも感じたものでした。


また最新型車両故に自動放送装置なども備えられ、新鋭ハイブリッド車両である事を盛んにPRしたいのか、新システムを案内するモニターも設けられていますが、次駅案内などはドア上に設けられた3色LED文字案内、それもJR東日本ならではとも言える全角6文字分しか表示できない貧相なものですので、モニターの活用法は少々問題ありと感じたものでした。

ちなみにHB-E210形が用いられる仙石東北ラインの列車は、1往復の「特別快速」を除くと各列車が「快速」として運行しているものの、仙台~塩釜間の東北本線内の途中各駅に停車する列車と、この区間の途中各駅を通過する列車の2種類が存在しています。


両者は表示色を使い分けており、赤色の方が東北線内通過駅ありとなっていますが、東急大井町線の各駅停車(緑色は「各停」ながらも通過駅が存在)と類似した紛らわしい案内となっており、一方を「準快速」か「区間快速」に格下げするか、もしくは「新快速」か「通勤快速」に格上げするなど、もう少し分かり易い案内が出来ないのだろうか…とも感じたものでした。

「仙石東北ライン」の運行開始自体は大いに歓迎でき、車両の特性なども考慮すると、今後石巻から更に東進して女川までの延伸運行にも期待できるなど、今後の展開にも注目したいと感じる状況ですが、細かい所を見ていくと少々難ありと感じたものでした。

また概ね1時間間隔の運行ながらも、昼間に運転間隔が2時間開く時間帯があり、しかも運転間隔が開いた時間に短編成(2両)で運行する列車が設定されている事は大問題で、車両数や線路容量面で無理な状況ではないと思いますので、これは早急に改善される事を願いたいと感じたものでした。


中国山東省・青島市内を走る市内公交汽車(2)~青島火車站周辺で見かけた車両の数々

2016-02-07 | バス[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUページ」では、中国・山東省の青島市内を走る市内公交汽車(路線バス)に関して取り上げましたが、青島火車周辺では様々な系統が錯綜している事もあり、駅前の交差点付近に数分程度いただけでも、信号待ちで停車する結構な数の車両を撮影する事が出来る状況でした。


その中には塗装こそ異なるものの、上海訪問時に最もよく見かける上海申沃
(SUNWIN)の車両も散見したものでした。


山東省に拠点を置く中通
(Zhongtong)汽車製の車両も多く活躍、写真の車両はハイブリッドバスの蓄電池、もしくは天然ガスバスのガスタンクと思われる天井のコブが非常に目立つ1台です。


青島港内のシャトルバスで用いられていた車両と同じ宇通(Yutong)製の車両も存在、広告ラッピングを纏った車両も数多く活躍しており、国防教育号と記されたプレートが掲げられている辺りは中国らしさを感じます。


大型車が主体を占めているものの、車長が短い中型車で運行している路線もあり、こちらは小柄故に逆に存在が際立つと感じたものです。


また休航となったオリエントフェリー「ゆうとぴあ」乗船時には、青島火車周辺だけでなく、青島港周辺でも通りがかったバスを何枚か撮影していますが、2度目の青島訪問では最初に足を運んだ時に比べ、バスの世代交代も随分進んだと感じたものでした。


中国山東省・青島市内を走る市内公交汽車(1)~無軌電車も活躍

2016-02-02 | バス[中華人民共和国]

先月「MAKIKYUのページ」ではオリエントフェリー「ゆうとぴあ」乗下船客向けに運行しているシャトルバスに関して取り上げましたが、青島港内を運行するシャトルバス画像を見て、市内を走るバスはどんな車両が活躍しているのだろうか…と感じた方も居られるかと思います。
(
中国のバスには興味ないという方も居られるかと思いますが…)

中国の路線バスは各地に様々なメーカーが乱立している事もあり、日本や韓国の様に指の数に満たない大メーカーの車種が全国で…という状況とは大違いで、一つの街中だけでも結構な数の車種が活躍、また特定地域でしか見られない車両も数大きく存在する状況です。

中国の路線バスに関しては、MAKIKYUはメーカー名すら把握しきれない程ですので、余り詳しい説明などはできないですが、青島市内だけでも結構な数の車種が活躍しており、その一部を以下に取り上げたいと思います。

青島港(国際客運)はターミナル前にはバス停がなく、目の前の通りを西へ進んで34分の所にある「海員」バス停が最寄停留場、ここからは幾つかの系統のバスが発着しています。


その中でも外国人旅行者にとって最も有用な路線は、青島火車
(青島駅)へ向かう系統かと思いますが、海員~青島火車の両停留所間は8路か303路で移動する事が出来ます。

 
また青島火車からは系統数は余り多くないものの、日本の街中では絶滅した無軌電車(トロリーバス)も運行しており、新旧合わせて幾つかの車種が活躍していますが、随分前に「MAKIKYUのページ」で取り上げた旧型車両の姿(興味のある方はこちらをクリック)は既に…という状況でした。

他にも青島市内では多数のバスを撮影していますが、残りは近日中に続編記事として追って取り上げたいと思います。