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MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

仁川メトロ 1000系電車(2次車)

2010-01-30 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

  

昨日「MAKIKYUのページ」では、仁川メトロの1000形電車に関して取り上げましたが、仁川メトロ1号線は近年松島(Songdo)新都市方面などへの延伸が行われ、これに伴っての車両増備も行われています。

近年増備された車両は同じ1000系を名乗り、編成両数は同一で規格も同様ながら、近年のKORAIL広域電鉄車両(通称マティズ)に類似した形状をしており、前面も銀色となっています。

そのため一目見ただけで容易に識別する事ができ、車内の様相も異なっているのですが、デザイン面では独自色の強い1次車に比べると、随分標準化された印象を受けるものです。

ちなみに写真の1000系2次車は、昨年仁川メトロが延伸開業した松島新都市地区で、昨年の8月~10月にかけて開催された博覧会(2009仁川世界都市祝典)の開催に合わせて運行した文化列車と呼ばれるラッピング車です。

この列車は基本的に時刻限定で運行され、その時刻表(当然韓国語のみですが…)も駅構内に張り出される程でしたので、仁川メトロの力の入れようを感じたものでした。

ただ橘峴(Gyulhyeon)駅ホームからも見渡せる車両基地には、2次車は何本も停車している姿が見受けられたものの、10月の仁川メトロ乗車時には車庫に何本も止まっている割には、稼動している姿が少なく感じたのは気になったもので、捕まえるのも限定運用の文化列車でようやくといった状況だったのは気になったものでした。


仁川メトロ 1000系電車(1次車)~この電車も登場から早くも10年が…

2010-01-29 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]
 

昨年10月にMAKIKYUが韓国を訪問し、その際に乗車した交通機関に関しては、日本国内関連の記事掲載や、多忙による更新頻度の低下などもあって、まだまだ取り上げていないモノが沢山あるのですが、今日はその一つでもある仁川(Incheon)メトロの1000系電車に関して取り上げたいと思います。

この車両は1999年の仁川広域市地下鉄公社(現仁川メトロ)1号線開業に合わせて導入され、現在に至るまで1号線1路線のみの仁川メトロを走り続けており、MAKIKYUも韓国を初めて訪れた2002年以来、何度か仁川を訪問する度に、この車両には乗車しています。

韓国では大邱(Daegu)で発生した地下鉄火災以降、各地の地下鉄で大規模な内装交換が行われ、大邱での火災事故以前に製造されたこの車両も、化粧板や座席の交換が行われていますが、斬新なデザインはもう10年も前に導入された車両とは思えない程です。

それに加え首都圏(ソウル都市圏)を走る都市鉄道の車両は、ソウル市内を走る各路線は近年開通したメトロ9(9号線)を除くと、各路線共に車体幅3mを超える広幅車で、ややのっぺりとした印象を受けるのですが、この車両の車体幅は地方の地下鉄車両や日本のJR在来線や私鉄・地下鉄とほぼ同等の2.8m程度である事も、優れたデザインとあいまってスマートな印象を受ける一因と感じるもので、MAKIKYUとしても韓国内を走る通勤電車の中ではかなり好感度の高い車両です。

ただ仁川メトロは近年延伸された区間を含め、殆どの区間が地下区間となっており、地上区間は空港鉄道と接続する桂陽(Gyeyang)駅から、その隣に位置する車庫所在駅の橘峴(Gyulhyeon)駅先までの1km程度しかない上に、桂陽駅はホームドアが設置されて撮影にも難ありですので、地上でマトモに車両を撮影できるのは橘峴駅に限られてしまうのは惜しい限りです。
(この記事の写真も当然ながら橘峴駅で撮影しています)

とはいえ地下区間でも近年延伸された区間を除くと、昨年10月に乗車した際には
韓国では急速に設置が進むホームドアの設置や、その工事が行われていない駅が多く、乗車記念に車両の姿を撮影するのは比較的容易な雰囲気でした。

しかし仁川メトロ1号線をはじめ、大半の路線で車両規格が統一されている韓国では、日本に比べるとホームドアや柵の設置に対する障害が少なく、いつまで撮影が容易な状況が続くかは未知数ですので、興味のある方は早めに記録を済ませた方が良いかと思います。

あと仁川1号線では近年、この車両とは形状の異なる1000系2次車も登場しており、こちらに関しても近日中に別記事で取り上げたいと思います。

写真は仁川メトロ1000系1次車の外観と車内の様子です。

江ノ島電鉄1000形(登場時塗装)~一時消滅した装いが再び

2010-01-26 | 小田急グループ

昨日MAKIKYUは、今年に入ってから初めて江ノ島電鉄(江ノ電)に乗車する機会があったのですが、その際には1000形の登場時塗装を施した編成に遭遇する事が出来ました。

1000形は最新型の車両には及ばないとはいえ、見るからに古めかしい電車がゴロゴロしていた一昔前の江ノ電では「新車」の印象が強く、今日でもさほど古い電車という印象は受けませんが、最初の編成は1979年製ですので、製造から早くも30年が経過しています。

また次々と進む車両入れ替えによって、江ノ電で同形より古い車両は1編成のみ(300形305編成)となっていますので、今日ではベテラン車両の部類に入り、今日では路面電車を除くと数少ない釣掛式駆動を採用する車両(江ノ電の車両は小型で路面走行区間もありますが、法令上は路面電車ではなく一般の鉄道扱いです)としても注目を集めています。

同形は時折広告電車などになる事で装いが変わる事もあるとはいえ、それ以外は比較的近年まで登場当時からの緑濃淡2色の装いで活躍しており、旧型車との差別化が図られていましたが、近年は逆に旧型車の装いをベースにした緑と黄色の装いに改められ、緑濃淡2色という装いは消滅していました。

緑濃淡2色という塗装自体は、1000形の後に登場した2000形で今もこの塗装のまま活躍している編成が存在しますので、そういえば最近緑濃淡2色の1000形は見ないな…という程度にしか感じない方も居られるかと思いますが、1500形でサンライン号(クリームとオレンジ色:同形登場当時の装い)が復活した後は、1000形の緑濃淡2色編成も是非と感じていたものでした。

この様な事を感じるのはMAKIKYUだけではないハズで、多くの人が1000形の緑濃淡2色の再来を待ちわびていたと思いますが、昨年末には1000形30周年を記念して1編成をこの装いに戻しており、昨日遭遇したのはこの1編成でした。

一時期途絶えていた登場時塗装が復活した1000形が、30周年のヘッドマークも付けて走る様は、ただでさえ様々な形態や装いの車両が活躍し、それらが混成される事も多い江ノ電の車両バラエティを、更に面白いものにしていると感じたものです。

登場時塗装が復活した編成は、1500番台のカルダン駆動車ではなく釣掛式駆動を採用した編成、それもトップナンバー編成が抜擢されたのも評価できる点で、見ても乗っても楽しめるこの車両は、レトロ電車の様な華やかさはなくとも、個人的には大当りと感じたもので、来る事ならずっとこの装いのまま活躍してくれれば…と感じたものでした。


西日本車体工業・会社解散へ

2010-01-24 | バス[九州本土]

  

先日日本国内バス事業最大手でもある西日本鉄道(西鉄)のHPにアクセスした所、ニュースリリースに「バス路線の見直しについて」といった告知(燃料代高騰や高速道路ETC1000円の影響などによる乗客減→赤字増大のため、一部路線の減便や廃止を行うというものです)と共に、「子会社の解散に関するお知らせ」が発表されていました。

記事タイトルだけ見るとさほど大事でもなさそうな雰囲気とはいえ、気になったので詳細を見ると、8月31日付けでの西日本車体工業の会社解散という衝撃的な内容です。

西日本車体工業は北九州市内に工場を構え、親会社の西鉄をはじめとするバス車両の車体製造を手がけるメーカーで、NSKや西工といった略称で呼ばれる事も多いですが、同社の車体を載せたバスは、関西以西では非常にポピュラーな存在です。

また近年では富士重工のバス車体製造撤退に関連し、富士重工に代わって日産ディーゼル製バスの標準車体になった事もあり、比較的新しい車両に限っては、首都圏や東北などの東日本でもポピュラーな存在になっていますので、お馴染みという方も多いかと思います。

しかしながら日産ディーゼルは近年、三菱ふそうバス製造との業務提携を行っている事はご存知の方も多いかと思いますが、業務提携の進展と共に今後西日本車体工業への車体発注を取り止める事となり、これによって西工の事業存続が困難になった事が解散理由として発表されています。

西日本車体工業が解散となれば、他に類を見ない独特な車両を次々と送り出してきた同社の車両が今後見られなくなり、ただでさえ車種整理や標準化が進み、最近車両面での面白みがなくなってきていると感じる日本国内のバスが尚更…という事になってしまいます。

今後の日本国内のバス事情は、西工の工場から海を隔てた隣国の様に、路線バス車両に関しては2強体制となってしまうのか、それとも観光バス車両などで進出している外国勢が、特殊用途(神奈中の連接バスTwin Linerなど)以外の路線車などにも進出してくるのかも気になる所ですが、時代の流れもあるとはいえ、日本中何処へ行っても同じ様なバスばかり…というのでは余りに寂しいものです。

写真は西日本車体工業製のバス(既公開記事で使用)です。


数日前風邪をこじらせ…

2010-01-24 | Weblog

数日前MAKIKYUは風邪をこじらせ、その上遠出や仕事などが続いた事もあって、ここ数日PCへ向かう機会が少なくなっていましたので、「MAKIKYUのページ」更新も暫く滞っていました。
(もう現在では風邪の症状も収まっていますが…)

今回の風邪は発熱こそさほど激しくなく、微熱程度とはいえ、極度の食欲不振に襲われると共に、一旦直りかけたと思ってもまた症状がぶり返し、吐き気を催すなどタチの悪いもの(MAKIKYUは体調不良の時も極度に食欲が失せる事は稀です)で、電車に乗る際、敢えて一本見送ってトイレ付き車両が充当される列車を選んで乗る事もあった程でした。

今回の風邪は、青春18きっぷの残使用を兼ねた遠出とも重なってしまったとはいえ、丁度公休が挟まっていた事もあり、仕事への影響は欠勤1日だけで済んだのは不幸中の幸いでした。

最近インフルエンザ(これも昨年かかってしまい、非常に厄介でした)などと共に、この種の風邪が結構流行している様ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も体調管理には気をつけて頂ければと思います。


小田急7000形・LSE全編成が運用離脱~現時点では他車種代走で対応していますが…

2010-01-16 | 小田急グループ

最近小田急では特急ロマンスカー最古参の7000形(LSE)の一編成が廃車となり、この事はネット上でも大きく騒がれていますが、これに加え残る3編成も運用離脱となっています。

この件は小田急電鉄公式HPでも昨日付けで告知されており、LSE残存3編成の運用離脱要因は、「車両不具合が発見されたため」と発表されています。

LSEを充当する列車は、今の所他形式車両に車種を変更して運転している様ですが、今後事態が長期化した場合に車両の都合が付かず、一部列車の運休といった事態が生じないことを願いたいばかりです。
(分割併合可能な30000形EXE6両と4両の2編成を併合し、10両で運転するする列車をどちらか片方の編成のみとする事で、減車で対応する方法も考えられなくはないですが…)

また車両不具合の原因も長期使用による老朽化に起因するものなのか、それとも設計上の欠陥が要因なのか分かりませんが、LSEの中でも特定の編成だけでなく、残存する全編成が運用離脱しているのは非常に気になるもので、早期の原因究明と運用復帰に期待したいものです。


南海6200系電車(VVVF改造車)~首都圏では流行の改造も関西では…

2010-01-14 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

 

先月MAKIKYUが関西を訪問した際には、観光列車「天空」乗車も兼ねて高野山を訪問した後、南海高野線の電車を乗り継いでなんばへ向かったのですが、その際には登場してからまだ日が浅く、現地では大きな注目を集めている6200系VVVF改造車にも遭遇したものでした。

6200系は1970年代~80年代にかけて製造され、車体長約20m・片側4扉ステンレス車体の高野線平坦区間向け通勤車両の中堅的存在です。

南海電車他形式の大半と同様に、ステンレス車両製造で定評のある某首都圏大手私鉄系列の車両製造メーカーで製造された事もあって、見た目の印象は何となく首都圏の私鉄電車を連想させる雰囲気があり、この事はほぼ同時期に類似した仕様で製造され、南海高野線と相互直通運転を行う泉北高速鉄道の3000系電車にも当てはまります。

しかし同じ線路を走る酷似した車両ながらも、泉北3000系は新形式導入によって代替廃車が進んでいるのに対し、南海6200系には新型車両導入や余剰による廃車が発生していないどころか、それよりもずっと古い1960年代製で片開き扉の6000系すら代替の気配がないなど、相互直通運転を行う南海と泉北両社車両の運命は対照的ですが、6200系はまだまだ使い続ける気がある様で、昨年になって大規模な更新工事を施行した編成が登場しています。

大規模な更新工事が施行されたのは6511編成(4両)で、車内は南海線を走る最新型の8000系レベルに改められると共に、ドア上のLED表示器や南海電車らしさを感じる独特な音色のドアチャイムの取り付けなど、近年各地の鉄道で行われているバリアフリー対応と共に、下回りを最新鋭のVVVFインバーター制御(IGBT)に取り替えているのが大きな特徴ですが、外観を見ると行先表示は既存の幕式のままであるなど、意外と識別し難い車両である点は要注意です。

近年更新工事と共に、下回りをVVVFインバーター制御に取り替える動きは、首都圏大手私鉄の中堅車両で良く見られるのですが、その一方で関西の他大手私鉄では内装更新をはじめ、座席配置や前面デザインなどを変えるほどの大規模な更新にも関わらず、下回りは既存のままという事例が多く、関西私鉄の更新車両にしては異色の存在と言えます。
(関西でも大手私鉄と異なり、大阪・神戸の地下鉄車両では下回りの取替えを伴う更新工事を施行した車両が多く走っているのですが…)

また南海電車は最新型の8000系が、車内に足を踏み入れるとどう見てもその雰囲気は首都圏の最新型を…という事で有名ですが、6200系も元々蛍光灯カバーが設けられていない上に、無地の質素な印象を受ける化粧板(日頃首都圏のコストダウン型電車に乗り慣れたMAKIKYUですら、貧相に感じてしまったものです)などを見ると、元々首都圏の電車に類似した雰囲気を受ける車両ですので、首都圏の電車に乗っている様な錯覚を感じたものでした。

ちなみにMAKIKYUがこの6200系VVVF改造車に乗車した際は、ブレーキ装置は既存のままという事もあり、橋本方に片開き扉の古参車6000系を2両従えた6両で運用されており、如何にも古めかしい車両という雰囲気を放つ車両と連結して走る姿は、非常にアンバランスなものでしたが、内装だけは質素な印象が否めない6200系VVVF改造車よりも、古参6000系(この車両も更新工事は以前に施行しており、ステンレス車体と共にこの事も長寿命の一因です)の方が…と感じてしまったのは皮肉なものです。
(それでも座席は無理に最新型と同様のモノに交換せず、既存のままなのは幸いで、この車両の製造メーカー近くを走る標準軌の関東某大手私鉄などとは大違いです)

今後もVVVF改造の進行やバリアフリー対応といった、時代のニーズに合わせた改造を経て6200系を使い続ける事自体は歓迎ですが、最新型と同レベルにするが故にグレードダウンと感じてしまう内装(化粧板)の交換だけは、何とかならないものかと感じてしまったものでした。

写真は6200系VVVF改造編成と、その車内の様子です。


南海2200系電車「天空」~大改造を経て高野線山岳区間に戻ってきた角ズーム

2010-01-12 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

  
  

MAKIKYUが先月末に関西へ出向いた際には、先日取り上げた「たま電車」などが走る和歌山電鐵貴志川線に乗車した後、橋本へ向かい高野山を目指したものでした。

橋本~高野山方面へ向かう際には、公共交通機関を利用する場合、南海高野線に乗車して極楽橋駅を目指し、そこからケーブルカーに乗車して高野山駅へ向かい、更にバス専用道路を経由する南海りんかんバスに乗車する道程に限られます。

その内南海高野線の橋本~極楽橋間は、日本の鉄道では屈指の山岳線区で、最大50‰の急勾配や半径の小さな曲線が相次ぐ区間ですので、同区間に充当可能な車両は1両の車体長が17m程度の小柄な車両に限られ、更に山岳線区向けに特別装備を施した車両を限定充当している状況です。

その上沿線人口も限られた険しい山中を走りますので、近年は観光向けに走る特急「こうや」号を除くと、専ら同区間内のみを走る列車が大半を占めており、この運用には主に2300系と呼ばれる新型車両が充当されていますが、比較的近年まで大阪のなんばから極楽橋まで直通運転を行う急行系列車(通称大運転)がほぼ毎時設定されていました。
(今日でもなんば~極楽橋間を直通運転する快速急行が設定されていますが、運転本数は僅少です)

この大運転がほぼ毎時設定されていた時期でも、末期は専らステンレス製VVVFインバーター制御車の2000系(大運転の大幅削減以後は持て余し気味で、一時は休車車両が多数発生する有様でしたが、今日では一部が南海線普通車用に転用されています)が用いられていましたが、同系の増備が進んで数が揃うまでは他形式も充当されており、その一つが通称「角ズーム」と呼ばれる22000系と呼ばれる車両でした。

22000系は1970年前後に大運転用に導入され、他形式との併結も含めた多彩な編成を構成出来る様に、各編成が2両という短い編成となっており、専ら複数の編成を繋いで運用されていました。

しかし2000系の増備が進み、大運転の運用から外れた後は、一部が廃車になった他、形式を改めて支線用に転用される車両が相次ぎ、その一部は今でも支線区で活躍する姿が見られます。

また熊本電気鉄道に譲渡された車両や、貴志川線用に転用された後、和歌山電鐵移管と共に譲渡された車両の中には、大運転で用いられていた時とは大きく様変わりした車両が存在するなど、多彩な活躍ぶりが見られるのも大きな特徴で、これらの他社移籍組に比べると、南海に残存している車両は地味な印象が否めませんでした。

しかしながら2200系に形式を改め、支線区で活躍している車両の一編成は昨年、観光列車「天空」に改造され、2300系が導入されて2000系ですら影の薄い存在になっていた高野線山岳区間に、奇跡とも言える返り咲きを果たしており、2000系などと併結して山岳区間を走る姿は、大きな注目を浴びる存在となっています。

「天空」に改造された車両は、塗装を緑と赤の派手な装いに改めるだけでなく、観光列車向けに窓割を変えるなど、車体形状も大きく変化しているのが特徴で、同じ和歌山県内を走る「角ズーム」の中でも、塗装や内装を大きく変えながらも、車体形状は余り変化していない和歌山電鐵の各種改造車(南海時代の貴志川線転用改造で、車体形状はかなり変化していますが…)とは対照的です。

また天空は2両共に乗降用の扉が極楽橋方のみに限定されており、極楽橋方の車両はなんば方のドアを埋めているのですが、これによって元々2ドア車として製造された「角ズーム」は、熊本向けに改造されて3ドア車となった車両と合わせ、1・2・3ドア車の各種が勢揃いした事になります。

なんば方の車両はドアこそ2ドアのままながらも、なんば方は展望デッキとして、通常はドアを開けたまま運行(荒天時などに締切可能)しており、車両端ではなくドアを利用した展望デッキは、他に類を見ないユニークなものです。

車内に足を踏み入れると、こちらも観光列車だけあって大幅に改装されており、木目などを多用した内装に加え、段差を設けて展望性に考慮した座席や、極楽橋方先頭車の前面展望に配慮した座席など、かなり創意工夫したものとなっており、外観の派手さに劣らないものとなっています。

しかしながら拡大された窓に面する座席が、改造車の制約故に足元が狭くなっている辺りは、近年廃車となったJR東日本の201系電車を改造した展望電車「四季彩」に通ずるものがあり、ドア付近の座席配列なども如何にも改造車である事を感じてしまい、苦心の痕跡が感じられます。

それでも普通列車扱いとして走るのであれば、全く問題なしと言えるのですが、高野線山岳区間は特殊な山岳線区で、輸送人員も限られる実情を踏まえると普通運賃は比較的安価とはいえ、同区間には2300系という比較的ハイレベルな設備を誇る車両が普通列車として運行している事や、比較的至近を走る「たま電車」などの和歌山電鐵における各種改造車が普通運賃のみで乗車可能な事などを考えると、「天空」乗車には橋本~極楽橋間で500円もの特別料金を要するには、グレード的にはやや不充分なのでは…と感じたものでした。

またMAKIKYUが乗車した際は敢えて閑散期の乗車率が悪そうな列車を選んだ事もあって、ガラガラで空席へ移る事も出来たのですが、予約方法も事前に電話で予約し、グループ客に配慮してか当日にならないと座席が確定せず、希望を出す事も出来ないシステムも考え物(空席がある場合は橋本駅などで、当日乗車前に直接購入も可能ですが、極楽橋駅での購入が出来ない点は要注意です)で、車両自体はなかなか独創的でユニークな存在ながらも、運用面の工夫がもう少し欲しいと感じたものです。

高野山観光客向けに確実に座席を確保する事も、「天空」運転目的の一つと言う事を踏まえると、さすがに「天空」を繁忙期に一般の普通列車扱いで運転するのは難しいと思いますが、閑散期のみ普通運賃で乗車可能な扱いにするか、なんば~極楽橋間を「天空」と特急「りんかん」号を乗り継いだ場合に、特急「こうや」号乗り通しと同額程度になる様な料金設定(「天空」の特別料金を値下げするか、「りんかん」との乗継割引を設定)程度はあっても良いのでは…と感じたものでした。


高尾登山電鉄のケーブルカー~最新型ながら外観は…

2010-01-09 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

  

MAKIKYUは一月程前に東京の高尾山へ出向く機会があり、その際には高尾登山電鉄のケーブルカーに乗車する機会がありました。

ただ他にも取り上げたい事が多数ある上に、年末年始の多忙やPCトラブルなどで更新が遅くなっている事もあり、未だに取り上げていない状況でしたので、忘れない内に…という事で、今日取り上げたいと思います。

高尾登山電鉄のケーブルカーは、京王線高尾山口駅近くの海抜201mに位置する清滝駅を起点に、標高472mの高尾山駅までの間を結ぶ約1kmの路線を運行しています。

高尾山はそれほど標高の高い山ではなく、その気になればケーブルカーを使わずに自力で歩く事も可能で、都心から近い立地もあって比較的手頃なハイキングコースとしても有名ですので、さほど険しい山という印象はありません。

しかし高尾登山電鉄は意外にも日本のケーブルカーで最も傾斜角度が急な勾配が存在する路線として知られており、その一方で起点の清滝駅周辺は勾配がケーブルカーにしてはかなり緩く、傾斜角度の変化が激しい路線である事も大きな特徴で、ケーブルカーに乗車しているだけでも、その事が実感できる程です。

車両は一昨年(2008年)の12月に取替えが行われ、車両取替えからまだ1年程度しか経過していない事もあって、路線自体はそれなりに歴史あるものの、車両は日本各地を走るケーブルカーの中でも、最新型の部類に入ります。

2008年に導入された車両は4代目に当たり、高尾登山電鉄は京王グループでないとは言え京王との結びつきが強い会社という事もあってか、車両も京王重機製となっていますが、この事もあってか車内の化粧板も京王線の電車を連想させる雰囲気があるのも特徴です。

また車両は中間地点で上下列車がすれ違う典型的な交走式ケーブルカーだけあって、2両が在籍しており、それぞれ「あおば」「もみじ」の名称が付けられています。

この2両は敢えて先代車両のイメージを残す事を意図したのか、外観は最新型にも関わらずややスマートさに欠ける印象を受け、今流行のモダンなイメージとは異なる雰囲気も特徴ですが、このデザインが逆に高尾山のケーブルらしさを放っている様にも感じられます。

ちなみにMAKIKYUがケーブルカーを利用したのは片道だけでしたので、乗車したのは「あおば」だけでしたが、車両形状はぱっと見て「もみじ」も異なる点は見受けられないものの、2両の車両それぞれで外観や内装の装いを変えているのも、高尾登山電鉄に限らず各地のケーブルカーで良く見られる特徴と言えます。

この高尾登山電鉄は、都心からも比較的アクセスしやすい立地だけあり、いつでも行けるという感覚からなかなか訪問機会がなく、MAKIKYUは先月が初乗車という有様でしたが、京王が発売している「高尾山往復割引乗車券」などを使うと、東京都心からも比較的手頃に訪問できますので、機会があればまた再訪しても…と感じたものでした。

写真はMAKIKYUが乗車した「あおば」とその車内、清滝駅停車中の「もみじ」です。


和歌山電鐵2270系「たま電車」~内外共に大きく変化した更新車両第3弾

2010-01-07 | 鉄道[近畿・その他私鉄等]

   
   

MAKIKYUは昨年夏に和歌山電鐵へ乗車した際、リニューアル車の第1弾「いちご電車」と第2弾「おもちゃ電車」に乗車する機会があったものの、その際には昨年登場した第3弾「たま電車」は運休日で乗車機会がなく、非常に気になっていたものでした。

そのため昨年夏の和歌山電鐵訪問時以来、機会があれば是非…と思っていたのですが、年末に和歌山を訪問して晴れて乗車する機会がありましたので、取り上げたいと思います。
(新年のご挨拶でも、この電車内の広告を載せていましたので、記事の登場を心待ちにしていた方も多かったと思います)

「たま」は和歌山電鐵貴志川線の終点・貴志駅に住み着いた三毛猫の事で、和歌山電鐵発足後は貴志駅長に任命されると共に、最近では乗客増に多大な貢献をしたとの事で、相次ぐ昇格人事ならぬ昇格猫事(?)が話題になるなど、鉄道に詳しくない和歌山周辺以外の方でも多くの人々に親しまれる有名な存在となっており、たま駅長の存在で和歌山電鐵という鉄道会社の存在を知ったという話もある程です。

「たま電車」はこの三毛猫・たまの様々な格好をしたイラスト(1編成2両で計101種類になる様です)が描かれ、内外のデザインは和歌山電鐵第1弾・第2弾のリニューアル電車をはじめ、両備グループ他社やJR九州グループなどのデザインでもお馴染みの某デザイナーが手がけていますが。

「たま」を車体の至る所に散りばめた装いの外観は、鉄道に興味を持っていない人でも、見れば気を引く程の存在ですが、その一方で車体形状自体は一部の窓が埋められている他は概ね原型を保っているのが特徴で、極力種車のデザインを生かしながら大胆なリニューアルを施す某デザイナーが手がけた近年の改装車両の傾向が強く現れています。

車内はあまりの強烈振りに驚いた第2弾の「おもちゃ電車」並み、或いはそれ以上と言っても良いほど大胆にリニューアルされており、木材を多用した内装や、和風の中にもモダンさを感じさせる雰囲気は某デザイナーならではと感じるものです。

座席は「おもちゃ電車」と同様に様々な形状をしたモノが設置され、2両それぞれで異なるなど、その凝り様は半端ではないですが、至る所に「たま」が描かれている事は勿論、猫の足をイメージした椅子の足などは、猫(たま)をイメージした列車らしいと感じたものです。

それに加え窓際に猫型のライトを設置したり、車端部分に「たま文庫」と称する猫関連の本を集めた本棚を設ける辺りなどは、一般的な鉄道車両では考えられない事で、挙句の果てにはベビーサークルに隣接して「たま駅長」の乗車スペース(ケージ)まで用意されるなど、その奇想天外ぶりは相当で、よく元南海電車の古参車をここまで…と感じたものです。

こんな電車ですので、MAKIKYUが和歌山→伊太祈曽(Idakiso)間(乗車した「たま電車」は終点貴志まで行かない伊太祈曽止めでした)で乗車した際には、余りに凄まじい車内の様子を観察している間に終点に到着してしまい、貴志まで乗り通してもあっという間では…と感じた程です。

しかもこれだけの車両にも関わらず、和歌山電鐵では観光向けの特別列車や優等列車などは全く運行しておらず、全列車が乗車券のみで利用可能な普通列車だけあり、「たま電車」は「いちご電車」「おもちゃ電車」といった他のリニューアル車両、それに南海時代の形態をほぼそのまま踏襲している車両などと共に、普通列車で乗車できる事も大いに評価できる事です。

また和歌山電鐵ではリニューアル車3種の運行予定をHPで公開すると共に、遠方からの訪問客向けにこれらのリニューアル車を土休日は優先的に運用する方針としているのも評価できる事で、その上和歌山は大阪市内から南海電車やJR(阪和線)で片道1時間程度と、その気になれば訪問も比較的容易(それでも首都圏にいるMAKIKYUにとっては、決して近場ではないのですが…)ですので、今後も貴志駅改装など話題が続く和歌山電鐵は再訪したいと感じたものですが、興味のある方は「たま電車」にも乗車してみては如何でしょうか?

写真は「たま電車」の外観と車内の様子です。

それにしてもこれだけ凄まじい車両を登場させてしまうと、残る非リニューアル車両を改装した際に、この車両に匹敵、或いはそれ以上の車両を登場させられるのかも気になってしまいます。

あと和歌山電鐵の「いちご電車」「おもちゃ電車」に関しては、以前「MAKIKYUのページ」で取り上げた記事もありますので、宜しかったらこちらも合わせてご覧頂けると幸いです。


PCの不調は…

2010-01-06 | Weblog
皆様、いつも「MAKIKYUのページ」をご覧頂きありがとうございます。

年末に告知したPCトラブルの件ですが、年が明けて数日経過し、少々落ち着いた際にPCと格闘していたら、今回のトラブルは無事解決できましたので、明日辺りから更新を再開したいと思います。

それにしても年末はPCトラブルに加え、業務上でも昨年の仕事納めとなった30日の夜にトラブルも発生するなど、随分慌しい年末を迎えてしまったと感じたものでした。

今回のPCトラブルは、Windowsのスタート時点ではノートPCからケーブルで接続しているモニターが起動するものの、ログオン画面に入る際に信号が送信されず、モニター表示が不能となるもので一昨年のノートPCモニター破損以降、破損して上部1割ほどしか映らないノートPCモニターの代わりに、別途用意したモニターを使用しているMAKIKYUには致命傷でした。

他にも酷使でPC自体様々なガタが来ている状況も踏まえると、PC自体の買い替えも止む無しと考え、PC内データのバックアップを行っていた程でしたので、トラブルを解決して当面継続使用できる様になった事で一安心していますが、今後の事も考えると年内にはPC自体を取り替えた方が…と感じているのが現状です。

ちなみに今回のPCトラブルは、年末のWindows Vista自動更新後にモニター送信の不具合が発生したものの、セーフモード起動時はモニターが起動した事から、ハード面ではなくソフト面での異常を疑い、セーフモード起動状態でPCを少し前の状態に戻して再起動した事で解決できたものでした。

それにしても専らPCを私用で用い、業務上でPCを使用する機会は皆無に等しいMAKIKYUはこんな事に遭遇するのは初めてで、異常現象が生じた際は随分慌ててしまいましたが、もうこんなトラブルは散々と感じたものでした。

新年あけましておめでとうございます

2010-01-01 | Weblog
 

新年あけましておめでとうございます。

昨年MAKIKYUは今流行の新型インフルエンザにより、1週間ほど仕事を休業せざるを得ない事態に見舞われたものの、それ以外は大きな問題もなく無事に過ごせたと感じています。

また国内各地への旅行をはじめ、久々に海外(韓国)へ出向く機会にも恵まれ、充実した1年だったと感じていますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方はどんな1年だったでしょうか?

現在の世相は厳しく、余り宜しくない話題も聞かれる今日ですが、今年は良い1年になる事を願いたいものです。

写真は先月末に乗車した某地方私鉄車内の車内掲示で、車内は早くも正月ムードになっていましたが、この鉄道の他の電車に乗車した際は、また異なる車内掲示をしており、なかなか凝った車内掲示に感心させられたものでした。
(車内掲示だけでなく、電車自体も相当なものでしたが…)

この地方私鉄に関しては、なるべく近日中に取り上げたいと思っていますが、まだ10月の韓国旅行に関連した記事も取り上げたい事柄の半分も…という状況で、日本国内関連も取り上げたい記事が沢山ありますので、取り上げるのは少々先になるかもしれません。

また今月も多忙な状況が見込まれる上に、先月末にPCトラブルに見舞われ、現在自宅PCの使用が困難な事(様々な面で支障が出てきていますので、新年早々買い替えを余儀なくされそうです)もあり、今月は更新頻度もやや低下する見込みで、コメントへの返答等が遅れる事も予想されますが、悪しからずご了承頂きたいと思います。

今年も「MAKIKYUのページ」を宜しくお願い致します。