MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

印西市のツアーバス・関越道で大事故~乗客に死者も多数発生する大惨事に…

2012-04-30 | 北総監獄

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、ニュース等での報道によりご存知の方も多いと思いますが、昨日早朝に群馬県内の関越自動車道で観光バスの大事故が発生し、不幸にも亡くなられた方も多数発生する大惨事になっています。

亡くなられた方の中には、MAKIKYUよりもずっと若い方も含まれており、余りに気の毒としか言い様がなく、この場でご冥福をお祈りしたいと思います。

この事故では負傷者も多数発生し、重症・重体の方も多数含まれている事が報道されていますが、負傷された方が一刻も早く回復される事を願うばかりです。


ちなみに今回事故を怠起したバスは、陸援隊という観光バス専業事業者が運行し、同社では針生エキスプレスという名称も用いていますが、本社(事業所)所在地は千葉県印西市本埜小林、旧印旛郡本埜村の印西市境界付近となります。
(写真は記事公開後に追加:陸援隊・針生エキスプレスの事故車両と同じ塗装の車両ですが、車両タイプは異なります)

近年の市町村合併で印西市に統合された地域で、余りに高額な運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道(元○○開発鉄道)」の沿線地域としても知られる首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)からも至近に位置しています。

MAKIKYUは以前不本意ながらも北総監獄に収監されていた時期があり、今でも監獄内に幽閉されている知人が居る程ですので、印西市内やその周辺地域にはある程度の土地勘もあり、横浜市内に身を置く今日でも、時折所用で北総監獄へ足を運ぶ機会がある程です。

日本国内のバスに関しても、足を踏み入れた事がある46都道府県全て(離島の1県だけは未踏です)で、各都道府県に本拠を置く事業者のバスに最低1者は乗車している他、隣国・大韓民国の路線バスにも100回以上乗車しており、日本国内でバスの営業運転に必要な第2種大型自動車運転免許も所持しています。

そのため世間一般の人間よりは、印西市やバス事情には詳しいと思っていますが、それでも陸援隊・針生エキスプレスの存在自体が、今回の事故報道で初めて知った程で、監督官庁や一部の業界関係者、取引先などを除けば、殆どの方が初めて名前を聞く事業者かと思います。

この陸援隊・針生エキスプレスは、過去にも無許可営業(白バス)などで摘発を受けていた様で、事故報道でも過労運転が必然的になる勤務割が組まれるなど、印西には悪評名高い「開発を止めた某鉄道」よりもずっとタチが悪い交通事業者が存在していたのか…と感じる状況です。

ちなみに今回の事故では、「高速バス事故」と盛んに報道されていますが、今回の針生エキスプレス→陸援隊が運行していたバスは、全国的に有名なJRバスグループや、今回の事故を怠起したバスの起点となった石川県金沢市周辺で路線・高速バスなどを幅広く運行する北陸鉄道グループ、途中経由地の富山県高岡市周辺で路線・高速バスを運行する加越能鉄道(今回の事故では、この会社の従業員の方も乗客として乗車して犠牲になっています)の様な大手事業者が、正規の路線バスとして運行している高速バスではなく、大阪の「ハーヴェストホールディングス」が陸援隊・針生エキスプレスのバスを貸切運行したものです。

俗に「ツアーバス」とも呼ばれ、本来団体旅行などでの貸切運行で運行するバスを、路線バスの様なスケジュールで設定し、法の抜け穴を利用して一部区間だけバラ売りし、路線バスまがいの運行を行っているものです。

大手バス事業者が正規の路線バスとして運行している高速バスに比べると、同等設備で運賃は若干割安に設定されているものの、車両・乗務員の労務管理・労働条件など様々な面で「安かろう悪かろう」と言わざるを得ない代物で、関越道で高速バス事故と聞いた際も、「事故を怠起したのはやはりツアーバスか…」と感じたものでした。
(特に今回事故を怠起したバスは、金沢~東京間を3500円という値段で狭い空間に多数の乗客を乗せて運行しており、運行距離などを考えると青春18きっぷ等の1回当り単価や、閑散期限定の利用促進キャンペーン割引運賃以外では余りに安過ぎです)

またMAKIKYUも過去に信号待ち停車中、停止線から少し前に出た状態で停車していた際、陸援隊・針生エキスプレスとは別の福岡県内某中小事業者が運行する首都圏~九州方面を運行するツアーバスが、車体をこちらのミラーに接触して破損させた時にも、「ぶつけられる所に居るあんたらが悪い」などと居直る始末、とんでもない連中が運転していると感じたもので、バス好きのMAKIKYUでも「こんなバスには絶対乗りたくない」と感じたものでした。
(ましてや比較的低速で走る街中の下道ではなく、高速道路を長時間走行するともなれば尚更です)

ツアーバスも陸援隊・針生エキスプレスや福岡県内某中小事業者だけでなく、大小様々な事業者が運行に関わっており、各運行事業者の乗務員も個人差があるかと思いますので、一概に全て「悪」とは言えませんが、もし利用する場合には、運賃が安い裏にはカラクリが…と認識した上で乗車した方が良いかと思います。

MAKIKYUは今回事故を怠起した陸援隊・針生エキスプレスに限らず、路線バスまがいとも言える運行を行っている「ツアーバス」自体が、様々な問題点を抱え、正規の路線バスとして運行する高速バスなどを侵食する存在になっている事などを知る身としては、とても利用する気にはなれません。
(個人的には安全面を別としても、青春18きっぷが出回っている時期ならば、18きっぷ普通列車乗継+ネットカフェナイトパック利用などの方が、安かろう悪かろうと言える横4列席ツアーバスと同程度の値段でも、ずっと良いのでは…と感じています)

今までも様々な所で問題点が指摘されている「ツアーバス」で、実質的に路線バス並みの運行を行っているケースでは、今回の事故を契機に、多少運賃が上がっても正規の路線バスとしての規制が適用される高速バスとして運行する方向に改められると共に、同種事故が今後2度と発生しない事を願いたいものです。

(お断り)今回の事故はバスの運行区間が金沢・高岡~東京・舞浜に跨り、事故発生箇所は群馬県内と様々な地域が関連していますが、事故を怠起したバス事業者である陸援隊・針生エキスプレスの本社(事業所)所在地が千葉県印西市に存在する事から、今回の事故に関連した記事は原則的に「北総監獄」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。


JR東日本・長野地区の観光列車「リゾートビューふるさと」(2)

2012-04-26 | 鉄道[甲信越]

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げ、大糸線などを走る長野地区の観光列車「リゾートビューふるさと」ですが、今日は続編として車内の様子などを取り上げたいと思います。

「リゾートビューふるさと」で用いられるHB-E300系は、観光列車用に特化した車両だけあり、指定席としての運用ながらも、特急料金などの優等料金や、グリーン料金などの特別料金を必要とせず、指定席券さえ購入すれば普通乗車券をはじめ、割安な「青春18きっぷ」などでも乗車可能です。

しなしながら設備的には特急車両や、首都圏普通列車のグリーン車などと遜色ない回転式リクライニングシートを装備しており、車内設備面では、一般車両にしては極めて豪華な部類に入ります。


回転式リクライニングシートは、座席自体は特急普通車と同レベルながらも、向かい合わせでの利用でも窮屈さを感じない1200mmピッチで配置され、特急グリーン車に匹敵するスペックを誇ります。

HB-E300系登場以前に運転開始し、既存一般気動車を改造した仙台地区の観光列車用気動車「リゾートみのり」などのJR東日本における観光列車でも、全般的に座席空間のゆとりを重視し、長時間座席に座ったままでも快適に過ごせるように配慮されています。

観光列車の運行で定評あるJR九州では、観光列車の座席間隔こそさほど広くないものの、車内を某デザイナーが「魅せる空間」として徹底的にアレンジし、フリースペースなどを多く確保する傾向にあるのとは対照的ですが、今後もJRグループにおける観光列車運転実績ではJR九州と双璧をなすJR東日本では、この傾向が続くのか気になります。

 
フリースペースも「リゾートビューふるさと」ではJR九州の観光列車の様に、車内に本棚などを設置するといった変り種こそないものの、運転席背後はミニロビーや車内イベント開催スペースを兼ねた展望席となっており、前方or後方の車窓を楽しめる固定座席の他に、JR東日本ではJR他社と異なり、クロスシートでは余り好んで採用しないものの、観光列車では定番になりつつある「転換式ロングシート」も用意されています。


一方のフリースペースには乗車記念のスタンプと、列車の写真入りとなった押印用台紙が用意されている辺りも観光列車らしく、これもJR東日本の観光列車では定番になっていますが、南小谷行き列車では途中の穂高駅で観光列車らしく、長時間停車(30分弱)を利用した穂高神社への参拝案内もあり、観光列車の乗客が参拝に出向くと、菓子のサービス(スタンプ台紙の左側)があるのは意外でした。

 
他にも観光列車らしく、記念撮影用の日付入りボードや景色の良好な箇所での徐行運転(写真は徐行区間での車窓です)、車掌などによる放送案内や沿線観光協会など外部人による車内での催しは、JR東日本における観光列車の定番になっているものの、MAKIKYUの個人的な印象としては、今までJR東日本の観光列車はトップダウン型の傾向が強く、現場の乗務員によるソフト面でのサービスはイマイチ…という印象がありました。

 
しかしながら「リゾートビューふるさと」では「リゾートアテンダント」と称する客室乗務員が、状況に応じた観光案内などを行う他、専用紙製シートを手回しで回す事で、様々な楽曲を流せる特殊なオルゴールを用い、列車名にちなんで「ふるさと」の演奏を行うなど、現場側の乗務員自らが観光列車ならではの旅を盛り立てていたのも評価できる点で、今までのJR東日本における観光列車でソフト面での物足りなさを感じていたMAKIKYUとしては、JR東日本の観光列車も随分進化したと感じたものでした。
(ちなみにMAKIKYUが「リゾートアテンダント」の方から伺った話では、オルゴール演奏は外部人による車内イベントを行った際に、演奏者からの勧めで取り入れ、オルゴールを固定し、マイクに接続する木枠は手製との事です。)

また乗務されていた「リゾートアテンダント」の方は、観光列車の運転実績で定評あるJR九州の観光列車にも、乗客として乗車した事があり、JR九州における客室乗務員のサービスも高く評価していましたが、JR東日本の観光列車はJR九州の観光列車程の派手さはないものの、ハード面では座席のゆとりなどが大きく評価できるだけに、今後「リゾートビューふるさと」以外の観光列車でも現場の創意工夫により、ソフト面でも観光列車運転でJR九州と双璧をなす存在になる事に期待したいと感じたものでした。


JR東日本・長野地区の観光列車「リゾートビューふるさと」(1)

2012-04-24 | 鉄道[甲信越]

今月初めにMAKIKYUが青春18きっぷを利用し、新潟へ足を運んだ際には、往路は大回りして大糸線を利用したものでした。

現在は全線平常運行となっている同線も、通称大糸北線と呼ばれ、JR西日本が運行する南小谷以遠の非電化区間は、今月初めは「雪崩の恐れがあるため」という事でバス代行になっていました。

この代行バスに関しては、「MAKIKYUのページ」でも少し前に取り上げていますが、JR東日本が運行する南小谷以南の電化区間では「リゾートビューふるさと」と呼ばれる観光列車を利用し、今日はこの列車に関して取り上げたいと思います。


「リゾートビューふるさと」はHB-E300系と呼ばれるシリーズ式ハイブリッド気動車で運行しており、メカニズム的には小海線で運行しているキハE200形「こうみ」と同種の車両で、気動車と言うよりも発電エンジンと蓄電池を装備した電車と言った方が良い車両です。

お陰で騒音や振動面などの居住性は一般的な気動車よりはるかに優れていますが、重量や製造コスト面で難があり、観光列車用に居住性を重視した車両としてはベストな選択かと思いますが、高速性能が求められる特急用や、経済性・汎用性が重視される一般用としての普及にはまだ暫くの時間を要しそうです。

このHB-E300系は長野地区に配置され、「リゾートビューふるさと」と称された車両以外にも、北東北に色違いの兄弟分車両が存在し、
「リゾートしらかみ」の一部と「リゾートあすなろ」で活躍していますが、MAKIKYUは北東北のHB-E300系にはまだ乗車した事がありませんので、「リゾートビューふるさと」で初めて同系に乗車したものでした。

「リゾートあすなろ」は「リゾートビューふるさと」と同じ片運転台の先頭車を背中合わせにした2両編成で、設備的にも大差ない様ですが、「リゾートしらかみ」用は中間車を組み込んだ4両編成で、こちらはボックス席も設定されるなど、やや趣が異なったものになっています。

ちなみに長野地区に配置されたHB-E300系は、主に車両名と同名で、MAKIKYUが乗車した座席指定制の臨時快速列車「リゾートビューふるさと」に用いられ、時折飯山線などで他の臨時列車として運転される事もあります。


「リゾートビューふるさと」として運転する場合は長野~松本経由~南小谷間の運行となり、「リゾートアテンダント」と称する客室乗務員が乗務する代わりにワンマン運転となるのは、JR九州の観光列車を連想させられます。

とはいえ「リゾートアテンダント」は車内検札や乗車券発券を行わない事もあってか、側面のLEDによる種別・行先案内でワンマンと表示しながらも、一部区間で車掌が乗務して検札を行い、JR東日本お得意の「一部区間ワンマン」となっているのも大きな特徴と言え、今後もこの方式が続くのか気になる所です。

また「リゾートビューふるさと」として運転する場合、全区間が電化区間での運行となり、非電化区間への乗り入れが可能な気動車ならではの特性を生かしておらず、おまけに運行本数が少ない南小谷以遠の大糸北線接続も芳しくない状況です。

そのため今後大糸北線にも乗り入れ、糸魚川までの延伸運転を検討する余地もあると感じ、おまけに長野発着で大糸線方面へ運行するとなると、以前開催された長野五輪に関連して整備された道路を通行し、長野~信濃大町間や長野~白馬間を1時間強で結ぶ特急バスが所要時間や運賃面(青春18きっぷなどで往復利用する場合は別ですが…)でJRを圧倒しています。

「リゾートビューふるさと」は首都圏や名古屋方面から松本で乗り継ぎ、大糸線内の観光地へ向かう観光客利用が多い輸送実態も考えると、今後運転区間の見直しが行われても…と感じたものでした。

車内や乗車中の様子に関しては、近日中に別記事として追って取り上げたいと思います。


伊豆箱根鉄道 1100系電車~リバイバルカラーで最後の活躍中

2012-04-21 | 鉄道[東海]

今月MAKIKYUが青春18きっぷを利用し、静岡へ足を運んだ際には、途中の三島で途中下車し、伊豆箱根鉄道の駿豆線電車にも乗車する機会がありました。
(駿豆線はJR線ではありませんので、当然ながら青春18きっぷは通用対象外で、別途乗車券を購入して乗車しています)

駿豆線は地方私鉄の中では優等生的存在の路線で、運転本数などの利便性に加え、車両面でも自社発注車両が過半数を占めているのですが、西武グループと言う事もあってか、親会社の西武鉄道から譲受した車両も何本か活躍しています。

親会社の西武鉄道から譲受した車両も、最近では元新101系→1300系が運行開始した事で話題になりましたが、同系に置き換えられる形で廃車が進んだ元701系→1100系も一編成だけ残存しています。

 
一編成が残存している1100系も、今年6月で退役する事が発表されており、昨年夏頃からベージュと赤色の西武旧塗装(伊豆箱根鉄道でも以前採用)に戻され、リバイバルカラー+「ありがとう1100系」ヘッドマークを掲げて最後の活躍をしています。

このリバイバルカラーとなった1100系は、土休日の運転予定時刻が公式HPでも公開され、MAKIKYUが静岡へ向かう途中で丁度良い時間にも、1100系で運転される列車があり、途中下車して駿豆線へ足を運んだ次第です。

リバイバルカラーになってからは初めて1100系に乗車する事にもなったのですが、MAKIKYUがこの装いの電車に乗車するのは、西武多摩湖線の国分寺~萩山間で351系電車が最後の活躍をしていた時以来で、如何にも今日の電車と言った趣があり、フルカラーLEDの側面行先表示となったJRのステンレス製電車から乗り継いだ事もあり、タイムスリップしたかの様な錯覚を受けたものでした。

ちなみに現在活躍している1100系は昭和42年製、カルダン駆動の冷房車という事もあってか、地方私鉄の車両にしてはそこそこのレベルと感じ、この程度の車両でも退役する一方で、一部の大手私鉄では未だに昭和30年代製車両が本線でもゴロゴロ走っている状況では、もう退役という気もしますが、親会社では個人的にはさほど古くない車両と言う印象がある新101系の退役→地方私鉄譲渡が進んで伊豆箱根鉄道にも一部が移籍し、老朽車の維持コストなども考えると、致し方ないのかもしれません。

また元西武701系は西武グループの伊豆箱根鉄道だけでなく、輸送力削減による減車が行われた流山電鉄でも既に退役車がある一方、現在上信電鉄や三岐鉄道に譲渡された車両や、同系の下回りを装備した車両が現在も活躍中ですが、これらの車両もあとどの位の間活躍を続けるのか気になるものです。


しずてつジャストラインで活躍するエアロスターK~年式の割に見た目は…

2012-04-19 | バス[東海]

今月に入ってからMAKIKYUが静岡へ出向き、静岡鉄道グループの一日乗車券を利用した際には、静鉄電車の他に、しずてつジャストラインの路線バスに乗車する機会がありました。
(静鉄電車は1路線しかなく、むしろバス乗車の方がメインだったのですが…)

しずてつジャストラインの路線バスは近年低床車両の導入が進み、比較的新しい車両も多く走る反面、大都市圏排ガス規制の規制対象地域ではなく、車両使用年数が長い事もあってか、首都圏などの排ガス規制対象地域ではもう何年も前に見られなくなった古参の旧年式車も活躍しており、車両のバラエティが豊富なのは魅力的で、特に古参大型路線車が好きなMAKIKYUにとっては、この様な車両に当たると非常に喜ばしいものです。

しずてつジャストラインは様々なメーカーの車両を導入しているため、古参大型路線車も様々な車種が存在するのですが、その中でもMAKIKYUが先日乗車したのは三菱エアロスターKで、この車両は新しくても平成3~4年頃の車両ですので、大都市圏ではもう姿を見なくなって久しい車両ですが、しずてつジャストラインではまだ新型低床車などに混じり、そこそこまとまった数が活躍しています。

またしずてつジャストラインの古参大型路線車は、前後扉配置で2段窓の車両が大半を占めているのですが、エアロスターKの一部は引き違い窓・中4枚扉で車内もやや豪華な仕様になるなど、年式の割には近代的に見える車両が鳥坂営業所を中心に配置されています。
(勿論エアロスターKの中には前後扉2段窓の車両もあり、藤枝へ向かう中部国道線などで活躍する姿も目撃しています)

 
MAKIKYUが乗車した車両は、鳥坂営業所に配属の中4枚扉車で、他にも複数台の稼動(リア画像は乗車した車両とは同型の番号違いです)を目撃していますが、そこそこ手入れがされているのか極度の古さこそ感じないものの、年式プレートを見ると平成1年製、おまけにシフトレバーはロッド式(三菱製大型路線車は古参車でもフィンガーコントロール採用例が他メーカーに比べて多く、また三菱製のロッド式は他メーカーに比べて硬くて厄介です)でしたので、運転するのは少々大変そうな車両です。

MAKIKYUがこの車両に乗車した路線は、静岡駅から北東へ向かう鳥坂営業所管轄の水梨東高線で、30分程乗車した瀬名新田が終点となりますが、静岡駅から瀬名新田へ向かう路線はもう1路線(竜爪山線)もあり、両者共に毎時2~3本程度の便があるほか、草薙から瀬名新田へ向かう便も毎時3本程度あります。


瀬名新田はバス折り返し場になっており、典型的な郊外の住宅地の一角といった場所ですが、昼間は山間部がデマンド運行となる竜爪山線末端区間用のワゴン車が留置されている姿も目撃出来ました。


また近くの丘陵には茶畑が広がり、この光景は如何にも静岡らしいと感じると共に、しずてつジャストラインの複数路線を容易に乗り比べる事も出来ますので、静岡市内で路線バスを利用した小旅行を楽しむにも絶好の路線と感じたものでした。


高知市内を走る「MY遊バス」~割安運賃も魅力の観光周遊バス

2012-04-16 | バス[四国]

1月にMAKIKYUが四国へ足を運んだ際には、高知市内で「MY遊バス」と呼ばれる観光周遊バスにも乗車する機会がありました。

このバスはJR高知駅を起点に、五台山を経て桂浜に向かうルートを往復運行しており、高知市内を走る土佐電鉄グループの土佐電ドリームサービスと、高知県交通の2社共同運行となっています。

全区間乗り放題で車内発売もあり、沿線観光施設の割引特典などもある1日乗車券が1000円となっており、特典として土電市内電車の市内均一区間も乗り放題になっていますが、単純に市内中心部のはりまや橋~桂浜間を一般路線バスで往復するだけでも1000円を超える事を考えると、割安でお得感のある価格設定と言えます。

この「MY遊バス」一日乗車券は、「MY遊バス」や市内電車への乗車だけでなく、桂浜方面の高知県交通一般路線バスも、片道1回だけ利用可能になっており、桂浜への往復で「MY遊バス」と一般路線バスを乗り比べ、往復で異なるルートを利用できるのも魅力です。

ただ一般路線バスは乗降停留所が限定されており、高知市内側は南はりまや橋までとなっていますので、「MY遊バス」一日乗車券で高知駅まで行きたい場合は、はりまや橋~高知駅間の運賃を別途現金等で支払うか、並行する市内電車に乗り換えないといけないのは少々難点で、遠方からの旅行者は高知駅で列車やバスに乗り換える事も多い事を考えると、桂浜方面一般路線バスの通用範囲を、せめて高知駅まで拡大してくれれば…と感じる所です。


ちなみに「MY遊バス」の充当車両は、運行2社の一般路線車が用いられ、MAKIKYUが目撃した限りではどちらも日野製、五台山周辺の道路条件の関係(写真は五台山周辺を走行中の様子です)もあってか、高知では主力となっている中型車が用いられていますが、「MY遊バス」専用にラッピングが施され、運賃箱も撤去されるなど、充当車両は基本的に限定されています。

 
遠方から訪問する観光客が利用する事が多い観光循環バスとなると、観光タイプや比較的新しい車両を使う事例も多い中、土佐電ドリームサービスの車両は高知ではまだまだ走っているとはいえ、全国的には今や少数派となったライト片側1灯のRainbowを用い、昭和製の床が板張りの車両に乗車できるのも、古参路線車が好きなMAKIKYUにとっては嬉しい限りで、観光循環バスとしての利便性だけでなく、車両面での楽しみもあります。


もう一方の高知県交通は、乗車した車両こそ一応平成製の車両で、土佐電ドリームサービスに比べれば新しい車両とはいえ、MAKIKYUがこちらに乗車した時も、既に大都市圏の排ガス規制区域では車検更新が叶わない年式の2段ステップ車が充当され、個人的にはこれでも充分「当たり」の部類に入るほか、土佐電ドリームサービスの車両と乗り比べる楽しみもあります。

 
また「MY遊バス」は一般路線とは異なり、停留所のポールも専用のモノが用いられ、不慣れな遠方の観光客が利用する場合にも、他のバス停と容易に識別できる様になっていますが、バスの時間表に通過案内が設けられているのもユニークで、手動式故に乗務員の方がわざわざ札を付け替えているのも大きな特徴と言えます。

この「MY遊バス」は公共交通のアクセス手段が限られ、牧野植物園などもある五台山へのアクセスには必須と言える他、桂浜周辺へのアクセスにも有用で、比較的割安に高知観光を楽しむにも絶好かと思いますし、バスと市内電車への乗車だけでも充分楽しめるかと思いますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も高知を訪問する機会がありましたら、是非利用を検討してみては如何でしょうか?


落出を発着する久万高原町営バス~小規模ながら縁起物乗車券も…

2012-04-13 | バス[中国]

1月にMAKIKYUが四国を訪問し、松山から路線バスを乗り継いで高知方面へ向かった際には、愛媛・高知県境に近い久万高原町の落出で、JR四国バスと黒岩観光バスを乗り継いだものでした。

落出は旧柳谷村の役場所在地でもあり、現在も久万高原町の柳谷支所が存在する他、JR四国バスと黒岩観光バスに加え、旧柳谷村営バスを引き継いだ久万高原町営バスも発着しており、久万高原町の中では、交通の要衝の一つと言えます。


しかしながら山間の過疎地だけあって、一応待合室を備えた駅舎(?)も存在するとはいえ、周囲は非常に寂しく、コンビニも…といった状況で、発着する路線バスも、最も便数が多い松山方面発着のJR四国バスですら1桁と言う状況です。

そのため他のバスは更に便数が少なく、おまけに休日運休と言う有様ですが、MAKIKYUが落出でJRバスと黒岩観光バスを乗り継ぐ際には、1時間程度の待ち時間の間に、丁度町営バスの便もありましたので、乗車こそ叶わなかったものの、姿を目撃して写真に収める事も出来ました。

久万高原町営バスは一応岩川線と古味線の2路線があり、両線共に落出を起終点として運行しているかの如く案内されていますが、実態は両線を直通運行している便もあり、岩川~落出~古味の1路線と言っても過言ではありません。

ただ1台の車両で運行を賄えるダイヤになっているものの、途中の落出で一旦運行を打ち切り、長時間全くバスが走らない時間もある事から、落出を境に各方面が別路線として案内されており、岩川方面は町営バスの他に佐川方面への黒岩観光バスも並行していますが、両者で運賃が異なるのも大きな特徴と言えます。


また久万高原町営バスの使用車両は、一応「路線バス」標記を掲げているものの、実質的には定時制の乗り合いタクシーに近く、車両の装いもメーカー仕様そのままといった感があります。

そのため山間部集落で自家用車などを使えない住民向けに、自治体が最小限の公共交通手段を確保していると言っても過言ではありませんが、それでも途中に「ごうかく(郷角)」や「大成」といった停留所が存在する事から、これらの停留所名が表記された硬券乗車券が発売
されているのも大きな特徴です。


この乗車券は久万高原町役場の柳谷支所(MAKIKYUが訪問したのは土曜日で閉庁でした)をはじめ、近隣のガソリンスタンド(JR四国バスで落出に到着する一つ前のバス停付近にあります)でも発売しています。

乗車券のみの発売に加え、合格祈願の台紙付き2枚セットや、更に破魔矢セットも用意されているなど、過疎地の町営バスにしてはかなり力を入れた内容となっており、MAKIKYUも近隣のガソリンスタンドで台紙付き2枚セットを1つ購入したものでしたが、実際にこの乗車券を使用して町営バスに乗車する乗客がどれだけいるのかも気になる所です。


静岡鉄道の急行列車~普段は平日朝のみの運転ながら…

2012-04-11 | 鉄道[東海]

今年春の青春18きっぷ有効期間は昨日で終了となりましたが、MAKIKYUは最後の1回分を8日に利用し、この日は日帰りで静岡まで
足を運んでいました。

その際には往復のJR利用で青春18きっぷを利用した他に、静岡市とその近郊で鉄道とバスを運行する静岡鉄道(静鉄)グループの1日乗車券を別途購入し、静鉄グループの電車・バスにも乗車したものでした。

静岡鉄道の電車は現在、新静岡~新清水の1路線のみで、車両形式も1000系1形式に統一されていますので、趣味的には余り注目されない地味な存在ですが、昨年秋には急行列車の運転が久々に再開された事でも注目されています。

現在運転されている急行列車は、基本的には平日朝ラッシュ時のみの運転で、新静岡方面は通勤急行・新清水方面は急行と種別呼称が異なり、上下列車で停車駅が異なるのも大きな特徴で、この列車の運行開始と共に、新静岡方の区間列車(普通)も多数設定される様になっていますが、これらの列車は運転時間帯が限られる事もあって、余所者には非常に乗り難い存在と言えます。


しかしながら今月の7・8日には新静岡駅周辺などの静岡市中心部において、静岡まつりが開催された事に伴って、両日に限り昼間時間帯に臨時列車として急行列車の運転が行われ、この列車は通常の新静岡行き通勤急行・新清水行き急行と同様の停車駅で運転されました。


MAKIKYUは新静岡行きの臨時急行に乗車する機会があり、初めて静岡鉄道の優等列車に乗車する事にもなったのですが、前面の行先表示は通常の急行や通勤急行ではなく、しっかりと「臨時急行」と表示していたのは大きな注目点と言えます。

途中通過駅入線時には、盛大にミュージックホーンを鳴らしていたのも注目点と感じたものでしたが、地方私鉄では屈指の高頻度運転で
知られる定期普通列車の合間を縫って走らせており、通過追い抜きを行わない事もあってか、ノロノロ運転となっていたのは、臨時列車故に致し方ないと感じたものでした。


また側面種別表示も見慣れたワンマン表示に加え、急行表示が点灯している姿を初めて見る事が出来た他、車内自動放送は通勤急行と案内していたのも印象的でしたが、臨時列車として昼間時間帯に急行列車を運行すれば、余所者でも比較的容易に乗車できるだけに、今後も時折臨時急行が運転される事に期待したいと感じたものでした。


JR西日本・大糸線の列車代行バス~代行輸送でも利便性は…

2012-04-06 | バス[甲信越]

数日前MAKIKYUは青春18きっぷを利用し、新潟県内へ足を運ぶ機会があったのですが、その際には長野県と新潟県に跨り、松本~信濃大町~南小谷(Minami-Otari)~糸魚川間を結ぶJR大糸線にも乗車したものでした。

大糸線は県境近くの南小谷駅を境に、北側がJR西日本が運行する非電化区間、南側がJR東日本が運行する電化区間となっている事は、ご存知の方も多いかと思います。

南小谷駅構内では一応線路こそ繋がっており、過去には気動車列車などがJR東日本区間に直通運転を行っていた事もありますが、今日では南小谷駅を境に全く別の路線と言っても良い状況になっており、輸送量も桁違いと言う有様です。

大糸線のJR西日本管轄区間は一部で大糸北線とも呼ばれ、特に県境を跨ぐ区間は険しい山が迫る山間部で、人口も希薄な地域だけあって列車本数が僅少ですので、なかなか乗り難い路線の一つで、同区間は先月末にJR東日本が岩泉線廃止に関する資料をリリースした際にも、利用人員の少ない路線として名前が挙がっていた程でした。

また1995年に大規模災害に見舞われ、長期不通となった際には、一部では復旧せずに路線廃止になってしまうのではないか…と懸念された程ですが、この時には2年以上もの長期に渡る不通期間を経た後、復旧して今日に至っています。

ただ一時期運行されたシュプール号などの臨時列車設定も近年はなく、基本的に1両のワンマン列車が走るだけになっていますが、それでも近年まで古参のキハ52形気動車が健闘していたこの区間も、車両の老朽化進行に伴う代替で、昨年春に岡山地区から転属したステンレス製気動車に置き換えられるなどの動きがあります。

とはいえ過去に災害によって長期不通になった事がある急峻な山岳部では、2月から雪崩の恐れがあるためとして列車の運休が続き、列車代行バスによる運行となっており、MAKIKYUがこの区間を利用した際にもステンレス製気動車ではなく、列車代行バスに乗車したものでした。

MAKIKYUが今年になってから列車代行バスを利用するのは、先月復旧した身延線に続いて2回目、またJR西日本の列車代行バス利用も、随分前に芸備線備後落合~備後西城間で乗車したのに続いて2回目となります。

個人的には鉄道だけでなくバスも好きで、代行バスとなると狙ってもなかなか乗れない代物、大糸北線自体も過去にキハ52形で2回程利用した事がありますので、代行バスに乗るのも鉄路を走る列車とはまた異なった楽しみもあります。

JRの列車代行バスは、グループのJRバス各社が運行を担う事もありますが、至近にJRバスの営業所等がない場合や、運行台数が多くJRバスで賄えない場合などは、地場の民間事業者などのバスを動員する事も多く、状況次第で一般路線車から貸切車両まで様々な車両が充当されますので、どんな車両がやってくるかは乗る時のお楽しみといった状況です。

大糸線代行バスでは、MAKIKYUが乗車した際には新潟県上越地方に広く路線を持つ頚城自動車(マルケー)グループで、糸魚川に拠点を持ち大糸線の一部区間に並行路線バスも運行する糸魚川バスの一般路線車が充当され、ネット上で大糸線代行バスに関する記事などを見ても、大抵糸魚川バスの一般路線車が充当されている様です。


乗車した車両はラッシュ時間帯の積み残しなどを懸念してか、マルケーグループでは数多く活躍する大型ショート車(車体長約9m:一昔前の大型2種試験車サイズ)ではなく、収容力の大きい大型路線車が動員され、途中ですれ違った車両も同型の車両でした。


大都市圏では最近見かける機会が少なくなった前後扉の2段ステップ車ながらも、平成10年式のいすゞV8エンジンを搭載した車両でしたので、新潟県内では中堅格の部類に入り、さほど古い車両ではありませんが、2+1人がけの座席は、2人がけの座席形状が少々特徴的に感じたものです。

日頃旧年式車に乗りたくても至近のバスは新しい車両ばかり…と言う状況のMAKIKYUとしては、割安な青春18きっぷで大都市圏では退役が続出する年式の車両に約1時間も乗車できる上に、糸魚川バスへの初乗車(その後市内循環線のバスにも乗車したのですが…)も果たせたのは大収穫と感じたものです。

またこのバスはJRグループではない地場の事業者に所属し、行先表示も字幕式であるにも関わらず、方向幕は臨時や貸切、社名表示などではなく「JR代行バス」としっかり表示され、運賃箱も硬貨投入口を塞ぐ形状の乗車券回収箱が設置されるなど、代行バス運行の常態化を見越している雰囲気も感じられたものでした。

MAKIKYUが乗車した大糸線代行バスは、南小谷駅を出発すると各駅に停車して糸魚川を目指しますが、急峻な地形で有名な黒部峡谷とも数十km程度しか離れていない土地だけあり、険しい山中を駆け抜けて行き、バスが進む道路や並行する大糸線の鉄路の至る所にスノーシェッドが見受けられるのは、雪崩多発地帯でもある事を実感させられます。


所々で幹線道路から離れて余所者が通る機会はまずない道や、通常であれば列車で駆け抜ける鉄路を眺めながら並行道路を走るのも、趣味的には代行バスならではの注目点ですが、乗車したバスは途中駅での乗降0、南小谷~糸魚川の全区間を乗り通す乗客が11名だけで、それも旅行者と見受けられる割安な青春18きっぷ利用者が大半を占めており、大糸北線における昼間時間帯の流動が極めて少ない事を実感させられたものでした。

また代行バスは基本的に列車ダイヤで運行するため、バス故に多少の時分変動(遅れ)が発生するとはいえ、大糸線の線路規格やJR西日本名物とも言える徐行運転などが影響してか、列車の運行速度が非常に遅く、途中駅での乗降がない事もあってか、ほぼ定刻と言っても良い状況で運行し、大糸北線では唯一の交換駅になっている根知駅では、2分の時間調整を行う有様でした。


時間調整を行っている間には駅舎併設のトイレに出向きながら、通常の鉄道利用では通り過ぎるだけの根知駅(駅舎外だけですが…)に立ち寄れたのも貴重な機会で、除雪用と見られるディーゼル機関車がホームに停車しているのも目撃でき、代行バスから眺める大糸線の鉄路も除雪が行き届いている雰囲気でしたので、安全が確保できればいつでも運行再開を…という印象を受けたものでした。

根知駅で時間調整を行った代行バスは、その後も糸魚川の一つ手前にある姫川駅を定時で出発し、終点の糸魚川駅にも定刻より指の数以内の遅れ(分)で到着しましたので、MAKIKYUが乗車した限りでは代行バスでも鉄道と利便性に大差なく、それどころか朝の平岩→糸魚川間代行バスでは糸魚川駅から更に糸魚川市役所方面への延長運行を行う告知まで見かけた程でしたので、状況次第では代行バスの方が便利なのかも…と感じてしまった程でした。

またJR側が「雪崩の恐れ」があるためと案内し、代行輸送が続いていた大糸北線は、明日から通常の列車運行に戻る見込みですが、現状ではスノーシェッドの増設や除雪の手間を掛けて列車運行を行うよりも、バスによる代行輸送を行った方が費用面で優位な上に、代行輸送でも利便性はさほど低下しないために、長期に渡る代行輸送を行っているのでは…と感じてしまったものです。
(JR西日本では中国山地の陰陽連絡路線でも、近年冬季運休&代行輸送が常態化している線区が存在し、こちらは代行輸送実施の案内で「タクシーなどによる代行輸送」と告知していますので、大糸線のバス代行はこの路線・区間に比べれば、はるかにマシな状況ですが…)

これでは北陸新幹線延伸&北陸本線並行区間の経営分離後に、存続が議論されるのも無理はない気がしますが、JR大糸線はJR東日本管轄区間でハイブリッド気動車による観光列車も走り、沿線に幾つもの観光地などを抱えています。

現在大糸線の観光列車で運行する際には、電化区間のみを走るハイブリッド気動車も、物理的にはJR西日本区間乗り入れが可能な様ですので、この車両を用いた観光列車運行による活性化策などで、生活流動の少ない大糸北線も、現在のインフラを新幹線開業後にも積極的に活用する方向に動く事を期待したいものです。


黒岩観光 佐川・大崎・落出線~休日運休の廃止代替路線

2012-04-03 | バス[四国]

数日前に「MAKIKYUのページ」では、JR四国バスの松山高知急行線に関して取り上げましたが、同線の終点・落出から先はかつて高知まで都市間急行バス(途中乗降可)の「なんごく号」が走っていたものの、現在久万高原町と高知県を跨ぐJR四国バス路線は消滅しています。

ただJR四国バスの路線は廃止されたとはいえ、「なんごく号」の運行経路の一部だった佐川~土佐大崎~落出間と、一部の支線は廃止代替バスとして別事業者による運行が行われています。
(佐川から高知方面は鉄道(JR土讃線)が並行する事もあり、一部区間は廃止代替バスの運行なしで廃止となっています)

その中でも佐川~土佐大崎~落出間の路線は、MAKIKYUが1月に松山高知急行線に乗車した際、その後高知方面へ抜けるのに利用したものでした。

この路線は有限会社黒岩観光が運行しており、今日日本国内の路線バスで「株式会社」ではなく「有限会社」が運行している路線と言う点でも注目ですが、同社は元々佐川周辺で観光バスを運営しており、後に廃止代替バス運行で路線バスに参入しています。


廃止代替バスとして運行する路線ですので、利用状況は言うまでもなく…といった状況で、マイクロバスによる運行もある様ですが、MAKIKYUが落出~佐川間で乗車した際には、日野製中型ワンステップ車が充当され、高知では高知市内でもマイクロバスや古参車による路線バスが多い中、廃止代替バスにしては随分上等な車両と感じたものでした。

ただ廃止代替バスとしての運行である上に、流動の少ない山間部の県境を跨いで運行する事もあってか、佐川方は地方の路線バスにしてはそこそこの本数が確保されているものの、愛媛県に乗り入れて落出まで足を伸ばす便は、1日僅か2便しかないのが現状です。


おまけに僅か2便しかない落出発着便も、休日全便運休となっており、松山方面から路線バスを乗り継ぎ、久万高原町経由で高知県内へ抜けられるのは、休日以外の日に限られてしまいます。

その一方でJR四国が発売しており、松山高知急行線でも通用する「四国再発見早トクきっぷ」(黒岩観光は当然通用対象外です)は、
土休日のみの発売になっており、四国再発見早トクきっぷを利用して松山高知急行線に乗車した後、黒岩観光バスに乗り継ぐ(或いはその逆)となると、土曜日を狙うしかないのは少々厄介です。

とはいえ土曜日に黒岩観光バスの運賃を現金で支払い(落出~佐川間1240円)+四国再発見早トクきっぷの組み合わせで、JR四国バス松山高知急行線・黒岩観光バス・JR土讃線を乗り継いでも3240円ですので、松山駅~高知駅間でJR四国バスの高速バス「なんごくエクスプレス」を利用した場合の片道運賃(3500円)よりやや安くなります。
(「なんごくエクスプレス」往復利用の場合、片道当り3150円相当ですので、これよりは若干割高になってしまうのですが…)

そのためJR四国線を松山や高知から数駅程度利用する場合や、ローカルバスを乗り継いで移動するのが好きな方が、土曜日で時間的余裕がある場合に松山~高知間を移動する場合にもおススメの路線と言えますが、MAKIKYU以外にもJR四国バスと黒岩観光バスを乗り継ぐ乗客の姿が見受けられ、少ないながらも松山方面と仁淀川町などの流動も存在する事を考えると、休日も運休せずに走っていれば…と感じたものでした。