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MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
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筑豊電気鉄道2000形~「黄電」の姿は見納めに

2007-10-30 | 鉄道[九州・私鉄等]

九州ではJR九州が2009年春以降に福岡、北九州の両都市圏で導入するICカード乗車券の名称を九州弁の「すごか」とかけたという「SUGOCA(スゴカ/Smart Urban Going Cardの略)」にするという発表があって話題になっていますが、九州の交通関連事業者のHPを色々見ていた所、北九州市の黒崎を基点に、直方までの間を走る西鉄系の私鉄・筑豊電気鉄道(筑鉄)において車両の塗装を順次変更していくという情報が…

これは筑鉄で現在走っている2車種のうち、2000形と呼ばれる旧型車両(もう1種類の3000形と呼ばれる車両も、車体を更新しただけで下回りは旧式ですが…)の導入30周年(西鉄から転籍:それ以前から筑鉄の路線は存在していましたが、現在は全廃となった西鉄北九州市内線からの乗り入れで賄っていました)を記念し、7編成が在籍するこの車両を1編成ずつ異なる塗装に塗り替えるというもので、既に1編成が新塗装に衣替えしてデビューしています。

7種類の塗装は虹色を構成する色を1種類ずつ用いる事から「レインボー電車」と称し、白に各編成毎の帯色を入れた塗装となりますが、2年程度で2000形全編成の塗装をこの新塗装に変更するとの事で、「黄電(きなでん)」と呼ばれる西鉄天神大牟田線の2000形や貝塚線(旧宮地岳線)各車両と同じ黄色に赤帯の塗装は見納めとなります。

この新塗装は見るからに旧型の2000形よりも、見た目はそれなりに洗練された印象の3000形(それでも下回りは昔ながらの釣掛式というのが魅力ですが…)に施した方が良さそうな気がしますし、後者の方が稼働率も高い様に見受けられ、乗客へのPRという観点でも効果がありそうですので、2000形のみ塗装変更というのは少々奇妙な感もあります。

ただこの塗装変更は2000形を今後も車体更新(載せ変え)などを行わず、現状のまま暫く使い続けるという意志の表れなのかもしれませんし、西鉄の福岡・北九州両市内線(路面電車)が全廃となった今日でも、両線の様相を色濃く残すこの車両の末永い活躍に期待したいものです。

またこの塗装変更の反響を見ながら、3000形にも同様の塗装を導入するか否かを模索するのかもしれませんが、現在の2000形「黄電」塗装を見たい、この塗装の電車に乗りたいと思われている方は早めに筑鉄を訪問された方が良さそうで、また同線は路面電車形の車両がそれなりに整備された専用軌道を快調に飛ばし、釣り掛け駆動の車両ばかりという路線は全国的にも他に類がありませんので、派手なデザインが特徴のJR九州などに比べると地味な印象があるとはいえ、なかなか面白い路線です。

とはいっても北九州は遠く、首都圏どころか京阪神よりも韓国の方が遥かに近い地ですので、MAKIKYUも筑鉄電車にはまだ一度しか乗車した事がなく、余り馴染みのない路線ですので乗車の機会もなかなかないですが、またその内機会があれば乗車したいと思っていますし、その時にはこの「レインボー電車」の姿も是非目にしたいものです。

なおこの情報に関しては筑鉄HPにも詳細が掲載されていますので、興味のある方はこちらも合わせてご覧になられると良いかと思います。

写真は以前九州を訪問した際に撮影した「黄電」です。


みなとみらい号の回送に遭遇~運行区間の更なる延長にも期待したいもので…

2007-10-29 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

 

昨日MAKIKYUは私用で都心方面へ出かけており、その際には横浜駅から都心方面へは安さと車両の快適さ(一部の例外を除く)では他の追随を許さない東横線の特急電車を利用したのですが、菊名駅を過ぎてからノロノロ運転に…

どうした事かと気になったMAKIKYUですが、すると特急は元住吉駅で日比谷線直通用車両1000系の回送を追い抜き、よく見るとこの列車の前面窓ガラスには「みなとみらい号」のサボが…

不勉強なMAKIKYUだけあって、この様な列車の存在は知っていても、具体的な運転日や運行時間などは詳細にチェックしていませんので、こんな列車が運転されているのか…という感じでしたが、元住吉で追い抜いた列車は元町・中華街駅(東横線と直通運転を行っているみなとみらい線の終着駅)から回送で元住吉の車庫に入庫する車両でした。

日頃菊名以東では営業運転でも運用されますので、前面窓ガラスのサボ以外はさほど珍しいものではないのですが、それでも何人かの方が撮影しているシーンが車中からも目撃でき、MAKIKYUも昨日は急ぎの用事ではありませんでしたし、せっかくの機会に偶然遭遇したという事で、東横特急を武蔵小杉で下車し、武蔵小杉駅入線時と停車中にホームで撮影したのが写真のシーンです。
(この列車はその後方向を変えて、地平にある元住吉の車庫へ入庫)

ちなみにみなとみらい号とは、東横線と直通運転を行っている地下鉄線などの駅を起点に、東横線を経てみなとみらい線の終点、元町・中華街駅まで直通運行を行う臨時列車の事で、土休日などに時折運転される臨時列車の事で、日比谷線からの直通列車と、目黒線を経て南北線などから直通する列車が存在しており、今回目撃したのは日比谷線北千住発着列車の方ですが、この列車は通常地下鉄直通列車や、その運用車両が乗り入れない区間を走行し、営業運転を行う点が大きな注目点(この車両の場合は菊名以西)と言えます。

とはいえ使用車両が東急の車両(1000系)で、東武線への直通には対応していない事もあってか、日比谷線を介して線路が繋がっており、日比谷線とも直通運転を行っている東武伊勢崎線までは乗り入れ運転を行っていない事は惜しまれる限りで、これも東急・東武の双方に直通対応可能(現状では日比谷線を介して3線を直通する列車の設定はなし)な東京メトロ日比谷線の車両(03系)を運用すれば、東武動物公園や更にその先(日比谷線車両の営業運用はありませんが…)を始発に運行する事も可能でしょうし、この様な直通列車を運行する事で横浜方面には不慣れな東武線沿線の行楽客への便宜を図ると共に、東武線と横浜が繋がっている事をPRし、久喜や栗橋などから横浜まで乗り換えなしで行ける電車に対抗する観点でも効果ありという気がします。

定期列車で日常的にこの様な列車を設定する事は、様々な制約から難しい面もあるでしょうし、定期的に東京の南北を直通運転しているとはいえ、多数の線区を跨いで運行する特性もあって、遅延や運休が日常茶飯事となっている路線の様になっては困りますが、車両数やダイヤに余裕がある土休日などに、時折東武線方面からみなとみらい線までを直通する列車が設定されても良いのでは…とMAKIKYUは感じますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は如何でしょうか?


小田急3000形電車(SE車)~先日久々に姿を現した不朽の名車

2007-10-28 | 小田急グループ

  
  

小田急3000形電車といえば、現在では小田急線で通勤車両の半数を占めているシンプルな印象の車両(でも見た目の割に中身は意外と良いです)がこの形式を名乗っていますが、かつて活躍した名車・SE(Super Express)も3000形を名乗っており、小田急線の歴史を語る上では欠かせない不朽の名車と言える存在です。

この車両は1957年(昭和32年)に登場した特急専用車両で、イモムシの様な流線型の先頭形状が特徴ですが、一般車への格下げを行わない事を前提に設計された点はそれまでの小田急特急車両と大きく異なり、高速運転に備えて連接車体や低重心構造を採用した事も大きな特徴で、この当時小田急が高速化に意気込んでいた事を強く感じさせられますが、高速運転を行う為に徹底的な軽量化を行ったため、回転式クロスシートの座席はリクライニング機構が省略され、登場当時は冷房装置を搭載していなかった程で、冷房装置は後に改造で取り付けられる事になります。

連接車体や低重心構造は以後登場する3100形(NSE・これも現在は全廃)や7000形(LSE・現在も活躍中)にも受け継がれ、この車両で採用したバーミリオンオレンジとグレーの塗装もこれらの車両に受け継がれています(LSEは後に更新工事と合わせて塗装変更→最近になってロマンスカー50周年を記念してバーミリオンオレンジの塗装が復活)ので、ロマンスカーの原点を築きあげた車両とも言えます。

またこの当時の狭軌最高速度記録を樹立するという輝かしい記録を残し、当時としては斬新なデザインもあって反響は絶大だった事もあり、鉄道友の会が優秀な鉄道車両を表彰しようとブルーリボン賞を創設(以後毎年各地で登場した新型車両の中で、投票で最多票数を獲得した車両が受賞)する程でした。

編成は当初8車体連接で4編成が製造されましたが、製造から10年少々を経過した際に5車体連接6編成に組み替えとなり、2編成併結での運用も行われる様になりましたが、前面形状も優美な流線型からヘッドマークが目立つ形状に変わり、連結器が目立つ顔立ちとなって、塗装も塗り分けが大きく変わる姿となって晩年まで活躍しました。

この形態のSE車はSSEと呼ばれる事もあり、小田急線内の特急運用に用いられるほか、「連絡急行」(小田急線内では特急とほぼ同等・国鉄→JR線内では急行扱い)として御殿場線直通のあさぎり号にも専用車両として用いられていましたが、連絡急行に運用される車両がSSEに限られていた事が幸いしてか、90年代前半に20000形(RSE)が登場するまで活躍していました。

MAKIKYUも晩年のSSE車には乗車した記憶がありますが、その頃は展望席のないロマンスカーという事で、展望席付きの車両を期待していた幼い身としては、古めかしいハズレ車両がやって来たとガッカリしていましたが、今となってはこれも良き思い出です。

90年代に入って現役を退いた後も、小田急線の歴史を語る上では欠かせない不朽の名車という事で1編成(5車体連接)は静態保存され、その内の新宿寄り2両はかつてのSE時代の姿を復元した姿になりましたが、海老名の車庫内に専用の格納庫を建設し、ここで大事に保管される状況がずっと続き、時折イベント時などにこの格納庫が公開される事がある程度でした。

しかし今年(2007年)のファミリー鉄道展では、小田急線開業80周年&ロマンスカー運行開始50周年の節目の年という事もあって、退役後はずっと格納庫の中に保存されていたSE車が公の場に姿を現し、それも同じくバーミリオンオレンジの塗装を纏ったNSE(これも保存車両)・LSE(復活旧塗装編成)と並び、しかもその脇には納入されたばかりの最新型ロマンスカー・60000形(MSE)も並ぶという、今後再び実現する事があるのか…という程の素晴らしい顔合わせが実現しています。

また野外で公開されたSE車は車内も公開され、低重心構造を採用した為に客室車端部で通路部分だけがスロープ状にやや高くなっている事(車端の座席に座ろうとした際には、一瞬転びそうに…)や、年代物という事もあってかさほど大柄でもないMAKIKYUでさえも窮屈に感じてしまう乗務員室扉(ここが車内見学の出口・運転席も見学可能でした)など、同車の特徴を堪能できました。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にはファミリー鉄道展には参加したものの、車内見学(こちらの列はかなりのものでした)は混雑の余り断念した方も居られるかと思いますし、ファミリー鉄道展自体に参加できなかった方も大勢居られるかと思いますので、今年のファミリー鉄道展で公開されたSE車の外観をはじめ、車内見学の際に公開された車内の様子も取り上げ、往時を知る方は懐かしんで頂き、知らない方も過去に想いを馳せて頂ければ…と思いますが、今後も再び野外でSE車が公開される機会がある事を願いたいものです。

写真は3000形の外観(晩年の姿を先頭にした編成全体の姿と、登場当時の姿を復元した新宿方前面)と車内の様子(運転席・車号プレート他・車内・座席)です。


リンク先サイト追加のお知らせ(071025)

2007-10-25 | Weblog

皆様、いつも「MAKIKYUのページ」にアクセスありがとうございます。

本日より「always ─永遠を駆け抜ける一瞬の僕ら─」(国仲 涼太様)とのリンクを開始致しましたのでご案内致します。(相互リンクです)

このブログは総武線や相鉄線を中心とした鉄道の話題をはじめ、音楽関連の話題なども取り扱ったブログで、URLは以下の通りです。
http://blog.livedoor.jp/kuninaka_mai_k/

また「THE 総武線」 (http://blue-blue-moon.dip.jp/members/sobu/index.htm)と称する総武線と行き先表示器(方向幕)に関するHPも開設されています。

リンク集(1)から随時リンク可能な他、新着ページとしてトップページのBOOKMARKにも周知期間として1週間~10日程度の間掲載致します。

なお「MAKIKYUのページ」では鉄道・バス関連サイトや韓国・中国関連サイトをはじめ、それ以外の内容を取り扱ったサイトを含めてリンク先サイト様を引き続き募集しておりますので、「MAKIKYUのページ」へのリンクを希望される方はコメント欄或いはメール(連絡先は「このページについて」の項目に記しています)にてお知らせ下さい。


JR北海道 キハ160形気動車~1両だけの異端車はMAハイブリッド駆動の試験車両に…

2007-10-25 | 鉄道[北海道]

  

ここ最近は北の台地・北海道に足を伸ばしていないMAKIKYUですが、3年程前に彼の地を訪れた際にはフェリーで苫小牧に上陸した後にバスで苫小牧駅に移動し、南千歳経由で石勝線に乗車して道東方面へ向かう計画をしていました。

しかしその際苫小牧駅で停車していた列車を見ると、室蘭本線追分行きの普通列車(休日運休)は日高本線用の車両が充当される運用なのですが、この列車に1両だけの珍しい車両が運用されていた事もあり、急遽予定を変更してこの車両に乗車したもので、今日はその1両だけの珍車・キハ160形に関して取り上げたいと思います。

この車両は1997年に新潟鉄工所(現新潟トランシス)で1両だけ製造された気動車(ディーゼルカー)で、導入当時は専らキハ130形と呼ばれる軽快気動車(現在は全廃)が運用されていた日高本線において、同車の事故廃車が発生してその代替として導入されたもので、北海道という土地柄も影響してか、車内の様子を見る限りでは冷房車の様な感じを受けるものの、冷房車もどきとも言える非冷房車となっている事が特徴です。(その事もあって、客室窓は上部が内側に開く構造となっています)

この時期には苫小牧周辺でも既にキハ150形と呼ばれる新型気動車が活躍(専ら室蘭本線苫小牧以南で使用)していましたので、敢えてキハ150形とは取り扱いが異なる別個の新形式を1両だけ導入したのかは不思議でなりませんが、その後の日高本線車両代替(キハ130形の代替)は国鉄時代から走り続けている既存の気動車・キハ40形で行われた事から、増備などは行われず1両のみという状態が続き、なかなか遭遇できない珍車となっていました。

しかも1両だけの異端車的存在という事で、使い勝手の面でも問題があるのか稼働率も低かった様で、せっかくの新型車両で既存のキハ40系列などに比べてグレードの高い車両でありながら最近は保留車になるなど、不遇の車両とも言える状況になっていました。

ところがつい最近JR北海道がモータ・アシスト式ハイブリッド(MAハイブリッド)と呼ばれ、JR東日本が今年夏に運行開始したばかりの新型気動車・キハE200形『こうみ』(以前「MAKIKYUのページ」内でも記事として掲載)とはまた異なる方式を用いたハイブリッド車両の試験車両に改造されて今後営業線での試験運行に供され、試験車両として新たな活躍の場が与えられた事は歓迎できる反面、MAKIKYUが北海道では数少ない未踏路線である日高本線(他は富良野~新得間と千歳線盲腸区間程度ですので…)を乗車する機会があれば是非キハ160形に…と思っていた願望は残念ながら叶わずに終わってしまいそうです。

それでもMAKIKYUは内地(北海道では道外の本州などをこの様に呼称します)の人間で、ふらりと何度か旅行で北の大地を訪問した事があるだけですが、その際に遭遇できただけでも幸運なのかと思いますし、ハイブリッド車両への改造前の同形に乗車した事は今となっては貴重な思い出の1コマですが、今後ハイブリッド車両に改造されたキハ160形が試験運行だけでなく営業運行に投入され、再び日高本線で活躍する姿に期待したいものです。(これは夢物語でしょうか?)

またこのMAハイブリッドシステムは既存車両にも割合容易に改造で採用可能な様ですので、今後JR北海道をはじめ、各地の気動車において普及していくのか否かも気になる所です。

写真は3年程前に乗車したキハ160形の外観と車内の様子で、試験車転用と共に外観は塗装が改められてしまいましたので、現在この姿を見る事は出来ません。

あとMAハイブリッド車両に関するニュースリリースがJR北海道HPに掲載されており、試験車両やこの新種のハイブリッドシステムの概要などが取り上げられていますので、興味のある方はこちらも参照されると良いかと思います。


神奈川中央交通・三太号~イベントなどに登場する希少な代燃車

2007-10-23 | 小田急グループ

  

先日海老名で開催された小田急の「ファミリー鉄道展」は、小田急線開業80周年&ロマンスカー運行開始50周年にあたる節目の年という事もあって、内容はかなり豪華なものとなりましたが、今回は小田急グループのバス事業者の内4社(神奈中・東海・箱根登山・立川)のバスが1台ずつ展示されたの注目すべき点で、その中でもMAKIKYUが最も注目すべき存在であると感じた車両が、今日取り上げる神奈川中央交通(神奈中)の「三太号」で、実際に目にするのは今回のファミリー鉄道展が初めてでした。

MAKIKYUが最も注目すべき存在と感じたのは、他の展示車両は日頃営業運行で使用される車両で、各々が運行しているエリアへ赴けば乗車や撮影も可能ですし、それも箱根登山バスや立川バスの展示車両は塗装を別とすれば、日本国内各地で見られるありふれたタイプの車両ですが、この三太号は営業で使用される車両ではない事が大きな要因として挙げられます。

その上三太号は昭和56年(1981年:この年式のバスでも充分希少ですが…)に神奈中60周年を記念して復元したものとはいえ、戦時中~終戦直後の極度に燃料が不足した際に活躍した代燃車(燃料に石油や天然ガスなどではなく、木炭や薪などを代用した車両)という点では、国内で現存するバスでは他に類を見ない貴重なものですし、昭和25年製の見るからに古めかしい風貌の車両というだけでも相当な価値のあるものです。

三太号は一応物理的には自力走行も可能(とりあえず動くという程度で、現代における営業使用には程遠い状況ですが…)ですが、走行可能な状況になるまでに相当な時間を要する事や、排ガス規制の関係などで現在公道を走行するのは難しい事もあって、日頃収蔵されている厚木営業所から、ファミリー鉄道展の会場(海老名)までの間もさほど距離は離れていないにも関わらず、自力走行ではなくトラックに載せて輸送した模様ですので、薪を用いて蒸気を発生させるシーンなどは見れなかったのは残念でしたが、それでも車内の公開も行われ、現代のバスとは大きく異なる様子なども観察できたのは嬉しいものでした。

車内は座席がロングシートと最後部座席の組み合わせ、俗に「三方シート」と呼ばれる座席配置でそれもビニール張り、床は黒い油が塗られた板張りとなっており、復元車とはいえ如何にも昔のバスといった感じはなかなかのもので、全線通して乗っても35円などという金額(今でも金額表示を10円単位としており、「35」などの金額表示が見られる事業者は山梨などにありますが…)が出ている随分昔の運賃表(三角表:今でも神奈中のバス車内には掲示がありますが…)の掲示なども良い感じです。

また客席だけでなく運転席に座る事も出来たのも嬉しい点で、MAKIKYUもせっかくの機会という事で運転席にも座り、見るからに簡素な印象を受ける運転席はサイドブレーキの位置などが特徴的でしたが、運転席の座席位置は調節できませんし、車体長が短い事もあってか左右のミラーは随分小さいなど、現代のバスに比べるとかなり扱い難そうな感を受けました。

この三太号は通常、厚木営業所に収蔵されて非公開となっており、時折イベントなどで姿を現すだけですのでなかなか目にする機会もない車両ですが、かなり希少な車両ですのでファミリー鉄道展における来年以降の再登場をはじめ、様々なイベントでの登場に期待すると共に、機会があればMAKIKYUも自走する場面を是非見てみたいものです。

写真はファミリー鉄道展会場に展示された三太号と特徴ある蒸気発生装置、簡素な印象を受ける運転席の様子です。


2007年小田急ファミリー鉄道展~開業80周年&ロマンスカー50周年の今年は…

2007-10-20 | 小田急グループ

   

小田急では毎年10月に海老名で「ファミリー鉄道展」を開催しており、今年は今日(20日)と明日(21日)の2日間に渡って開催されています。

毎年恒例のイベントとも言えるファミリー鉄道展には、雑踏はあまり好みでなく、相当な混雑が予想されるイベントには参加する機会が少ないMAKIKYUも、ごひいきの小田急線という事で今までも何度か参加しているのですが、今回はMAKIKYUが横浜市内某所へ移り住んだ事もあって、以前幽閉されていた首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)に比べれば会場の海老名は格段に近く(交通費も大幅に安いです!)、また今日1日は日程の確保が可能でしたし、今年は小田急線の開業80周年&ロマンスカー50周年という節目の年で例年以上の内容になってなど、絶好の機会という事もあってこのイベントに参加して来ました。
(勿論ファミリー鉄道展に参加された方も、ファミリー鉄道展自体やこの記事に感想等がありましたらコメントもどうぞ。またファミリー鉄道展に関する記事を掲載しているブログからのTBも歓迎します)

「MAKIKYUのページ」をご覧の方々の中には、既に今日このイベントに参加されたという方も居られるかと思いますし、今回のファミリー鉄道展は2日間に渡って開催されますので、明日参加される予定の方も居られるかと思います(他事業者で今日1日のみイベント開催の所もありますので…)が、遠方に居られる方や、日程の都合がつかず参加できない方も大勢居られるかと思いますので、今日の「ファミリー鉄道展」の様子を少し取り上げたいと思います。

1枚目の写真は会場(第1会場)の入口(撮影は昼下がりです)で、今年も会場は賑わっており、朝10時の開場(実際はそのい少し前に入場開始)の際には、第1会場で行われている写真撮影の列が小田急線海老名駅を越えてJR相模線へ続く陸橋の上に繋がり、JR海老名駅まで達する程の盛況振りでした。

また今回は小田急グループの4つのバス事業者(立川バス・箱根登山・東海・神奈中)がそれぞれ1台ずつ車両を公開(うち神奈中以外は実際に営業で使用されている車両)している事もあってか、小田急電鉄やグループ会社をはじめとする参加各事業者の物販コーナーなどは通りを挟んだ第2会場で実施されているのも特徴です。

「ファミリー鉄道展」の目玉とも言える公開車両の写真撮影は、毎年恒例の撮影エリア(三脚使用可)と、公開車両の車内見学も兼ねた家族優先撮影ポイント(三脚使用不可)に分かれており、今回はロマンスカー4車種(旧3000形SSE・3100形NSE・7000形LSE復活旧塗装・60000形MSE:うち前2車種は現役を引退した保存車両・MSEはメーカーから到着したばかりで今後営業予定の地下鉄千代田線直通特急などで使用される最新鋭車両)の並びでしたが、他にMSEの脇には公式発表はなかったものの、先月営業運転を開始したばかりの最新鋭通勤型車両・4000形が停車していました。

これら5車種が顔を並べる機会は今後まず考えられないだけに、これは非常に貴重なシーンになりそうで、2枚目の写真は車両見学の列に並んで待っている際に撮影(勿論コンデジです)したもの、3枚目はファミリー鉄道展から帰る際に小田急線海老名駅ホームから会場内を撮影したものですが、懐かしのバーミリオンオレンジを纏ったロマンスカー(SSE・NSE・LSE)が並ぶ姿を見ると20年程前を連想させるものの、これらと共に千代田線乗り入れの最新鋭コンビ(60000形MSE・4000形)が並んでいる姿を見ると現代を意識させられ、またSSEやNSEとMSEが並ぶ姿は、ロマンスカーの進化・発展を感じさせられるものです。

そして4枚目の写真は逆光でかなり見苦しいですが、ファミリー鉄道展から帰る際に小田急線海老名駅ホームから普段旧3000形SSE車が格納・保存されている車庫内にある保管庫を撮影したもので、この保管庫自体が通常は非公開で、今までのファミリー鉄道展などで時折保管庫内に保存されているSSE車が公開される程度でしたが、今年は開業80周年&ロマンスカー50周年という特別な節目の年と言う事で、引退以来久々に野外で公開されるために保管庫からファミリー鉄道展会場に引っ張り出されており、保管庫の扉が開いている事や、通常は車庫内の他線路とは繋がっていないものが、特別に繋がれた状態(写真ではやや分かり難いですが、その代わりに車庫内の1線が他線路と切り離された状態になっています)となっている、普段では見られないシーンです。

また今回の「ファミリー鉄道展」に関しては、この他に公開された車両の幾つかなどに関しても、追って取り上げて行きたいと思っています。


廃止の優先席、復活へ ~携帯電話電源OFF車両の設定も変更に

2007-10-19 | Weblog

ネット上のニュースを色々見ていた所、「全席優先席」制を取り入れていた阪急電鉄(グループ会社の能勢電鉄、神戸電鉄も含む)で10月29日から優先席が復活するという情報が、幾つかのニュース記事をはじめ、阪急の公式HPでも公開されています。

これは8年前に全国で初めて車内の優先席を廃止し、乗客同士の譲り合いの精神に期待して「全席が高齢者や障害者優先」としていたものの、お年寄りの利用者らから「譲ってもらえない」「優先席があった方が譲ってもらいやすい」などの声が寄せられ、現実の前に理想が挫折したのが実情の様ですが、この問題はなかなか難しいモノと感じさせられます。

また同時に阪急系ならではの独特な取り組みである「携帯電話電源OFF車両」に関しても、さすがに梅田寄り最前部車両(最混雑車両)での携帯電話OFFは厳しいのか設定車両の変更が行われ、設定車両数も減少していますが、他社で一般的な「優先席付近での携帯電話電源OFF」は行われず、この独特な取り組みは引き続き行われます。

今回のこの2点の変更は、現実を踏まえるとMAKIKYUは妥当な判断なのかと思いますが(判断は大きく分かれるかと思いますが…)、こうなると気になるのが阪急に追随して近年「全席優先席」制を導入している首都圏の某交通局(地下鉄)で、こちらは他の首都圏鉄道と同じく優先席付近では携帯電話OFF(=即ち全車携帯電話電源OFF車両)としている事から、一部の利用者からは車内でのメール使用なども出来ずに難儀しているという話も聞きます。

またこの事業者では路線バスも運行していますが、こちらも近年ベビーカーを折り畳まずに乗車できる様になっており、これも同じエリアを走る他事業者とは扱いが異なる事から、こちらも問題が生じていますが、今後他事業者の動向を見ながら、これらの施策に何か変化があるのかどうかも気になる所です。

写真は首都圏某交通局(地下鉄)車両の窓ガラスに貼られている「全席優先席」案内のステッカーです。
MAKIKYUは英語に疎いのですが、詳しい方によるとこのステッカーの英語標記の表現も難ありの様で・・


自動改札機の色々・韓国編~海を渡っただけで、日本では見られないモノが…

2007-10-18 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

  

先日「MAKIKYUのページ」では、日本国内でよく見られる自動改札機に関して取り上げましたが、今日はその記事の最後で海外の自動改札機に関しても…と触れた事もありますので、今日は久々に韓国関連の記事として、お隣の国・大韓民国(韓国)で使われている自動改札機に関して3つほど取り上げたいと思います。

韓国でも日本と同様、様々な機種の自動改札機が使われているのですが、地下鉄などの都市鉄道では日本の鉄道の様に普通乗車券とサイズが大きめの定期券の様に、大きさの異なる複数種類の券種を扱うのではなく、日本の普通乗車券程度の大きさの乗車券と、IC乗車券のみを扱うことが多い事もあって、乗車券投入口は概ね小さくなっているのが一つの特徴と言えます。

1枚目の写真は釜山の地下鉄で使用されている自動改札機で、同種のものはソウルでもソウルメトロの駅などで多数見かける事ができ、入場時にバーを押し開けて通るスタイルは日本の都市鉄道ではまず見られませんので物珍しい気がしますが、この改札機を見ると福岡から僅か200km程度しか離れていない釜山でも異国の地にいる事を実感させられる反面、入出場に時間を要しますし、大きな手荷物がある際などは厄介ですので、実用面では今一つという感があります。

また改札機の入出場方向もバー回転方向の関係もあるのか、入場か出場の何れかに限られ、日本の自動改札機の様に入出場両用ではありませんし、乗車券投入時も表側を上にしておかないと通れない(日本でも仙台の地下鉄などは、乗車券の表面を上にして投入しないと駄目ですが…)など、機能面でも難ありといった感があります。

あと余談ながら改札機下部に張られた黄色いステッカーは、ハングルで「入口[EN]」と「オ ソ オ シプ シ オ(いらっしゃいませ)」と記されており、封鎖されている機械は故障かメンテナンスなのか、設置された看板には「危険」「出入禁止」と書かれています。

2枚目の写真はソウル近郊を走る広域電鉄でよく見られる自動改札機で、写真はKORAILの駅で撮影したものですが、こちらは日本で見られる自動改札機とは若干形状が異なるものの、改札機フレームや扉形状、それに無札・小児検知用のバー形状などが日本の鉄道でよく見られるタイプを連想させられます。

この改札機を通った後に乗車する電車まで何処となく日本の鉄道を連想させられるともなれば、何となく日本とは異なる雰囲気があるとはいえ、日頃日本の鉄道を使い慣れている身としては親近感を感じるもので、日本から見ればまだやや遅れが見られるとはいえ、幅広の改札機が設置されている点もバリアフリーの観点から評価でき、また乗客の立場からしてもこちらの方が良い気がします。

そして3枚目の写真は大邱の地下鉄で使用されている新型の自動改札機で、無札検知用のバーがないすっきりとした感じが如何にも新型機という印象ですが、大邱の地下鉄は路線網も限られて他路線とは完全に独立しており、運賃も2段階しかない事もあってか、普通乗車券はコイン型のICチップ内蔵トークン(大邱では開業当初は磁気券を用いていましたが、後にこのタイプへ変更:トークンタイプの乗車券は日本では流行りませんが、韓国や中国の都市鉄道では近年採用事例が多いです)を用いており、乗車券は非接触式のみとなっている事から、入場口には乗車券投入口が存在していません。

この改札機では普通乗車券(トークン)のみ出場時に回収する事から、こちらのみにトークン投入口が設置されているのが大きな特徴となっていて、この様に海を超えただけで九州辺りからは至近距離にある地(福岡~釜山間は約200km:高速船で片道約3時間です)とはいえ、日本とは随分異なる点が多数見受けられる点は興味深いものがあります。


東京都交通局 9000形電車~今年登場したばかりのレトロ調新型車両は一般客の注目度も…

2007-10-16 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

 

数日前MAKIKYUは都心を通り抜けて千葉方面へ向かう所用があったのですが、その際は少々時間に余裕があった事もあり、数ヶ月ぶりに都電荒川線に乗車して来ました。

都電荒川線はかつて隆盛を誇った都電の中が次々と廃止されていく中で、専用軌道(路面上を走る区間を併用軌道と称しますが、その逆で電車専用の区間の事)が大半を占めていた事も幸いして現在まで生き延びた唯一の路線で、東京の都心部を走る路面電車という点でも希少な存在となっています。

路面電車といえばLRTと呼ばれる最新の都市交通機関も注目されていますが、日本国内、それも特に東京では今でも「過去の交通機関」「懐かしさ」といった印象を持つ方が多いのが現状で、郷愁を求めて観光も兼ねて乗車するケースが非常に多く見られます。

これは都電荒川線の沿線が下町然としたエリアという事もありますが、荒川線自体がホーム嵩上げという路面電車では異色の方法で完全なバリアフリーを実現しているものの、使用車両自体は近年日本国内の路面電車でも導入事例が相次いでいる最新の低床車両(荒川線で低床車は必要ありませんが…)とは程遠い旧型の改装車が殆どを占めており、この様な車両が大きな走行音を奏でながら走る状況が、郷愁を求めて乗車する交通機関となる大きな要因を占めているのは確かです。

この様な状況は郷愁を求めて乗車する分には良いのですが、やはり都市交通機関としては決して望ましいとはいえませんので、新型車導入による車両代替などでサービス面での改善が必要となる訳ですが、荒川線では今年春に9000形と呼ばれる新型車両が走り始めていまして、現在はまだ1両だけの存在ですが、今後の増備も計画されています。

MAKIKYUは最近荒川線を利用する機会が極めて少なく、まして1両のみの車両ともなれば、乗車する機会そのものがなかなかありませんが、数日前に荒川線を利用した際には、数本待てば9000形がやって来る状況でしたので、絶好の機会という事でこの新型車両に乗車して来ました。

9000形の特徴としては、荒川線は先述の通りホーム嵩上げが行われている事もあって、低床車とする必要がない事から、路面電車における近年の純新車(路面電車では下回りを旧型から転用し、車体のみを新造する事例が数多くあります)にしては珍しく、他の荒川線現存各車両と同様に高床車となっているのが大きな特徴ですが、この構造ですとデッドスペースは生じないですし、ステップなしでも車内に段差がない点は大いに評価できるものです。

外観や内装をレトロ調にしている事も大きな特徴で、2重屋根や独特な窓形状の外観、それに従来車両とは大きく異なる塗装は目を引きますし、内装も木材や木目を多用し、照明も黄色味を帯びた間接照明となっていて天井の構造も独特ですので、なかなか独自色が強く高級感も感じられ、近年質素で没個性的な車両が増えている首都圏においては、かなり好感が持てる車両では…と感じます。

座席はロングシートが主体ですが、一部を一方向きのクロスシートとしているのが特徴で、乗客層を考慮してか、最近の車両にしては詰め物の材質が比較的軟らかめな感じがしますが、クロスシートは乗車時間の割合短い荒川線においては余り問題ない事とはいえ足元がかなり狭く感じられますので、この部分の座席はどちらかというと小柄な方向けという感じがします。

また古風な感が漂う部分もある一方で、座席間にポールが立っていたり、つり革は優先席付近をオレンジ色で区分してその他の部分も一部の高さを低くするなど、バリアフリーを考慮した点や、下回りはレトロな外観と裏腹に最新型のVVVFインバーター制御を採用し、非常に静かで快適な乗り心地を誇る点は、やはり現代の最新型車両であると感じさせられますが、最新型の路面電車にしては珍しく、運転台が2ハンドルとなっている点も特徴的です。

快適過ぎる乗り心地は、旧型群の大きな走行音や振動に比べると少々物足りない感があります(こんな事を考えるMAKIKYUの様な人間は酔狂以外の何者でもなく、一般客の立場からすれば歓迎できる話ですが…)が、サービス面での向上は明白で大いに評価できる事ですし、この新型車両9000形は一般客の注目度も絶大で、MAKIKYUが乗車した際も沿線でこの車両が走る姿を見て、カメラを向ける人々が後を絶たないのは印象的でした。

9000形は評判もかなり良い様ですし、荒川線の路線特性にも見合った車両かと思いますので、今後の活躍にも期待すると共に、この車両の導入を機に荒川線への注目度が高まり、路線の活性化にもつながる事を願いたいもので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も9000形に遭遇する機会がありましたら、是非乗車されてみては如何でしょうか?
(ちなみに9000形の運用は一部が都交通局HPで公開されていますし、それ以外でも当日の運用であれば、荒川電車営業所では電話での問い合わせにも対応していますので、事前に問い合わせてから出掛けられるのも良いかと思います)

写真は9000系の外観と車内の様子(車外から撮影)です。


小田急バーチャル鉄道博物館・今日OPEN!!~MAKIKYUも早速訪問してきました

2007-10-14 | 小田急グループ

    

今日(10月14日)は「鉄道の日」、これは日本で初めての鉄道(新橋~横浜:共に現在の両駅とは別の場所)が開通した日にちなむもので、近年はこの日に合わせて催しも多数開催される状況ですので、ご存知の方も多いかと思いますが、今年はこの記念日に新たに2つも鉄道博物館がOPENするという、鉄道好きにとっては何とも嬉しい状況となっています。

今日OPENする鉄道博物館というと、かつて東京の神田~御茶ノ水間にあった「交通博物館」が移転・大幅に展示内容を増やしてリニューアルした大宮(現在はさいたま市)の「鉄道博物館」(最寄駅は大宮駅ではなく、大宮からニューシャトルという新交通システムに少々乗車する必要があり、また地図上で見た限りでは、東武野田線北大宮駅からでも徒歩で行けそうな感じです)が話題になっていますが、もう一つは何処?と思われる方が多いかと思います。

今日OPENするもう一つの鉄道博物館とは「小田急バーチャル鉄道博物館」で、こちらは小田急電鉄HPには事前に告知が出ていたものの、全国的に大々的な告知が行われている訳ではありませんし、現実世界にOPENするものではなくインターネット上で公開されるものですので、前者に比べると知名度は今一つかもしれません。

ただ前者(大宮の鉄道博物館)は今日のOPEN初日をはじめ、開館後暫くの間は土休日などに大変な混雑が予想され、じっくりと見学できる状況ではないかと思います(MAKIKYUは少々落ち着いた頃の平日に訪問できればと思っています)し、開館時間も10時~18時(年内は12月28日まで無休・来年以降は火曜日休館の予定)と限られ、内容もかなりのものであると予想されるとはいえ、鉄道系の博物館としてはかなり高額な部類に入る1000円もの入館料を要する状況ですが、こちら(小田急バーチャル鉄道博物館)はネット上に存在するという事もあって、年中無休・24時間営業で入場料無料というのは非常に有難く、また首都圏以外の遠方に居られる方でもネット接続環境のあるPC一つさえあれば、いつでも手軽に見学できる事も大きな魅力ですので、MAKIKYUも早速この博物館を訪問してみました。

この「小田急バーチャル鉄道博物館」ですが、これはネット上の仮想世界に属するとはいえ、きちんと3階建ての優美な外観の建物が用意されており、エントランスを入ると各方面へ進む仕組みとなっています。

1階には車両展示室が設けられ、開業当初の車両から最新型に至るまでの車両の内10形式(通勤型車両はモハ1形・2600形・9000形・1000形・3000形・4000形、特急ロマンスカーは3000形SE車・3100形NSE車・30000形EXE・50000形VSE)が展示されています。

これは仮想世界のものですので、実際に手で触る様な事は出来ないものの、3Dでの動画や走行シーンも楽しめ、まだ登場したばかりの千代田線直通用車両4000形なども収蔵されている点や、一方で開業当初に使用されたモハ1形が小田急で最も新しい駅(はるひ野駅)を通過する動画シーンなどは、現実世界ではまず有り得ず、仮想現実の博物館ならではと言えます。

展示車両は10車種だけ…と思われる方も居られるかと思いますが、この博物館の2階には「小田急資料室」が設けられ、ここでは開業当初から現代に至るまでの各種車両の写真などが解説つきで公開されており、車両の形態別と年代別で参照できますし、気動車・モノレールといった歴代の小田急においてはかなり異色の存在であった車両や、期間限定で運行された特殊運行・塗装車まで公開されているなど、内容も相当なものとなっています。

車両以外にも現在は記念乗車券が幾つか公開されていますが、こちらも今後の更なる内容の充実が期待されますし、また博物館2階に通っている線路は、時折小田急の各種車両が通過して行くなど、これもまた注目です。

そして博物館の3階は現在も成長を続ける小田急沿線のフォトヒストリーを楽しめる様になっており、館外には全問正解すると壁紙などの景品がもらえるクイズ館「クイズ・ザ・オダキュー」(MAKIKYUも早速初級編に1度挑戦し、3000形SE車の壁紙をGETしました)があるなど、鉄道通・小田急通だけでなく沿線在住の小田急ユーザーなども楽しめる内容となっており、鉄道事業者の公式HPで公開されている内容としては、他に類を見ないハイレベルなものという気がしますし、ミュージアムショップとして小田急が新宿駅と和泉多摩川駅で運営している直営の鉄道グッズ店「TRAINS」のオンラインショップへリンクしている点も、遠方からアクセスされている方には有難い点かと思います。

ただこの記事を執筆している段階でMAKIKYUは他所へ出向いており、使用しているPCスペックの関係でかなり重たくなってしまい、全てのコンテンツをまだ充分に楽しめてはいないのですが、後日また日を改めて訪問したいと思っていますし、クイズ館の景品(クイズは何度でも挑戦でき、初級編の壁紙も複数用意されています)などももっとGETしたいと思っていますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も是非この「小田急バーチャル鉄道博物館」を訪問されてみては如何でしょうか?
(ちなみに「小田急バーチャル鉄道博物館」へは、小田急電鉄HPトップからリンクがあります)

また仮想現実の世界ではなくやはり現物が…という方も居られるかと思いますが、来る10月20日(土)・21日(日)には海老名で「ファミリー鉄道展」が開催され、「小田急バーチャル鉄道博物館」にも収蔵されている3000形SE車や3100形NSE車をはじめ、千代田線直通対応の新型ロマンスカー60000形・MSEなども公開予定となっていますので、「小田急バーチャル鉄道博物館」だけでは物足りないと思われた方は、こちらへも足を運ばれてみては如何でしょうか?

写真は「小田急バーチャル鉄道博物館」に収蔵されている車両群の一部(イメージ・全て既公開記事で使用した画像)です。


自動改札機も色々と違いが~先日のトラブルで随分騒がれていますが…

2007-10-13 | ニュース記事講評

先日首都圏のJRや私鉄各線(全てではなく、影響のなかった路線もありますが)では、自動改札機の使用が出来なくなるトラブルが相次ぎ、これは日本信号と呼ばれるメーカーが製造した機種に集中しているという事は、ニュースなどでも大々的に取り上げられましたので、ご存知の方も多いかと思います。

日頃首都圏をはじめ、現代の大都市圏を走る鉄道を利用するとなると欠かせない自動改札機、今回のトラブルはその便利さの反面、ICカード乗車券システムの導入などに伴う広域ネットワーク化の思わぬ落とし穴が現れてしまったという所ですが、今後の原因究明と再たるトラブルの発生がない事を願うばかりです。

また今回のトラブルで随分と世間の関心も集めてしまった自動改札機、これは日本国内でよく使用されている機種はオムロン・東芝と今回問題のあった日本信号製の3種となっており、鉄道事業者や改札機メーカーと関連のある方を除けば日頃これらを意識される方は少ないかと思いますが、この3種は首都圏をはじめ全国各地で広く見られますし、今回問題のあった日本信号製の自動改札機は海外にも進出しており、MAKIKYUが中国の首都・北京を走る地鉄13号線の駅で使用されている姿も目撃しています。
(残念ながらMAKIKYUはこの写真は撮り忘れていますが、現在は使われていない様です。(dazhao様情報ありがとうございます)
またこれを撮影された方がブログ記事などを公開されていましたら、勿論トラックバックも歓迎致します)

ところでこれら3社の自動改札機はよく見ると、JR東日本などの一部事業者で用いられているモノ(メーカーに関わらず、外観は統一されています)を除けば素人目(MAKIKYUは改札機メーカーや鉄道事業者の人間ではありませんので、詳しい機能や機器構造などは分かりませんが…)にも外観に若干の違いがあり、鉄道事業者や駅によっては製造メーカーのプレートが貼られている事もありますし、乗車券などを改札機に投入した際の感触や機器作動音、それにSFカード(パスネット・スルッとKANSAIなど)利用時に印字される字体の違いなどでで判別できる事もあります(この様な特徴は、新型機ではない機種の方が顕著な気がします)ので、MAKIKYUが電車を利用する際にも少々気になるものです。

とはいえMAKIKYUも各駅毎にどの機種が使用されているのかを丹念に調べている訳ではありませんので、さほど事情に詳しい訳でもなく、まして写真ともなれば大した数もないのですが、過去に撮影した写真を色々見返していたら、とりあえず3社の改札機を撮影した写真はありましたので、今首都圏で最もよく出回っている新型自動改札機の画像を以下に公開したいと思います。
(新型でない機種に関しても、3社の自動改札機を比べれば差異はあります)

  

ちなみにこの画像は左から順にオムロン・東芝と今回問題の発生した日本信号製で、これらを比較すると改札機フレーム部分などに差異が見られる事が分かるかと思います(日本信号製はフレームの造形がやや特徴的で、東芝製は改札機下部にルーバーの様なモノが見えるなど…)が、各鉄道事業者では概ね駅毎に自動改札機のメーカーを振り分けている様です。
(例えば小田急線の場合、新宿近郊などでは主にオムロン製が使用されており、小田原線の小田原周辺や江ノ島線になると日本信号製、小田急線での東芝製自動改札機の使用はなし)

そのため同じ駅の改札口で新旧の改札機が並んでいる事はよくあり、以下に「MAKIKYUのページ」でも時折取り上げる北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)の北総監獄中央駅に並ぶ日本信号製の新旧自動改札機の写真も掲載しますが、別メーカーの機種が隣同士で並ぶという事は余りない(京急で見かけた事があり、皆無ではありませんが…)ですので、これも意外と自動改札機の差異に気づきにくい要因かもしれません。



また余談ながら写真の自動改札機における色の違いは事業者毎、或いは用途毎(2枚投入対応の有無や乗継可否など)で分けていますので、改札機メーカーとの関係はありません。

なおこの様な事は自動改札機に限らず、自動券売機や自動精算機にも見られますので、MAKIKYUもさほど詳しくはありませんが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も日頃電車を利用される際は、これらの差異を観察されると面白いかもしれません。
(とはいっても、首都圏や関西などの多数の鉄道事業者が集まるエリア以外に居られる方の場合は、日頃利用する路線だけでは少々厳しいかもしれませんが…)

あと海外に足を向ければ、日本ではまず見かける事がない自動改札機を見かける事もありますので、これに関してもその内機会があれば追って取り上げたいと思います。


熊本市電・今日から運賃を均一制に~短距離利用での運賃値上げは気になる所ですが…

2007-10-12 | 鉄道[九州・私鉄等]

今日12日から、九州の熊本市内を走る熊本市交通局の路面電車(市電)の運賃が改定され、今までは初乗り130円の区間制運賃(整理券方式:最高金額200円)だったものが、150円均一に変更されます。

これは分かり易さという点では大いに評価でき、区間制運賃→均一運賃への変更事例は、近年でもカードシステム導入に伴って阪神電気鉄道の路線バスや京福電車(嵐電)などで行われていますが、今回の運賃改定は比較的乗車距離の長い利用者からすれば歓迎できる話であるものの、一方で短距離(2km以下)の利用客からすれば値上げになりますので、そのため全体としてはやや値下げになるとはいえ、今回の運賃改定に対する評価は大きく分かれそうです。

また初乗り100円・熊本駅~交通センター(市内中心部に立地しており、近くに市電の停留所もあります)まで乗車しても130円と、近距離では割安な運賃設定としており、九州産業交通(産交バス)や熊本電気鉄道(電鉄バス)をはじめ、交通局自体も同区間を運行している路線バスに比べて運賃が高くなってしまうのも気になる所です。

これは敢えて近距離客を分離する施策であれば理解できなくもない話なのですが、市電と市内を走る各事業者路線バスのいずれも熊本県内共通バスカード(To熊カード)が利用可能な状況ですし、短距離利用客の逸走が生じないのかも気になる所です。

とはいえ驚異的な安さとも言える長崎(長崎電気軌道)の100円均一には適わないものの、同じ九州の鹿児島(鹿児島市交通局)の市電運賃は160円均一となっている事などを考えると、運賃水準自体は妥当な所だと思いますし、また冷房車両やVVVFインバーター制御車、超低床路面電車などの導入で日本全国の路面電車の中では先駆け的な存在で、今後も更なる超低床車の導入や、JR豊肥本線新水前寺駅から約130m程離れた水前寺駅通電停を同駅付近に移設するなどの計画もある様ですので、MAKIKYUは遠方という事もあってまだ数度しか乗車した事がない熊本市電ですが、今後のサービスや利便性の向上にも期待したいものです。

写真は熊本市電の最新形式で象徴的存在ともいえ、ヨーロッパのLRTで普及しているタイプの車両(彼の地でも様々なタイプが存在しており、この車両はアドトランツ(現ボンバルディア)製)を日本(新潟鉄工(現新潟トランシス))でライセンス生産を行った日本初の超低床路面電車でもある9700形です。

MAKIKYUも従来車とは大きく異なり、モダンな外観と真っ白な車体が特徴的なこの形式には2回程乗車した事がありますが、導入時期により行先表示(字幕/LED)や下回りなどに差異(走行音も編成によって異なります)が見られるのが特徴ですが、外来品の車両という事もあるのか、座席の硬さが少々気になった事を記憶しています。


四川省・沙湾を走る軽便鉄道(1)~客車の座席は…

2007-10-10 | 鉄道[中華人民共和国]

  

「MAKIKYUのページ」では先月に一度、中国の「四川省・沙湾を走る市内公共汽車」という記事を公開したものの、記事中で取り上げたバスの終点・草*具を起点に走る鉄道に関しては、近日中に別途取り上げたいと…と記事中で記しながら、なかなか取り上げる事が出来ませんでしたので、今日取り上げたいと思います。

この鉄道は沙湾という四川省の省都・成都から200km程離れた田舎町の外れ、街の中心部から川を隔てた草*具という所を基点に、老鉱線と向陽線の2路線が運行されている通称ナローゲージと呼ばれる軌道幅762mmの軽便鉄道で、MAKIKYUは昨年夏に四川省を訪問した際に乗車したのですが、沿線に炭鉱が存在し、この貨物輸送が主体の鉄道ながら、旅客列車も運行されています。

小規模な鉄道ながら路線は両路線共に電化されており、旅客列車も凸形の電気機関車が客車を牽引して運行されますが、客車は窓も座席も全くない非常に質素な2軸車が使われているのが大きな特徴で、車両によっては出入口が全く設けられていないなどかなり特徴的ですが、2軸車だけあって居住性はお世辞にも褒められるものではなく、某国のとある路線で走っている平日朝10時までの一部車両(異様に扉数の多い車両)どころか、一日中全車両が無座というのも、極めて異例と言えます。

その上軌道状態も見るからに貧弱な感がありますし、おまけに走行中は電気機関車のパンタグラフから青白い火花と異音を放ちながらという有様でしたので、こんな鉄道は現代の日本では絶対に考えられませんし、広大な中国といえどもこの様な鉄道はあまり事例がないかと思いますので、印象はなかなか強烈で快適とは程遠く、自転車並みの鈍足ながらもダイナミック過ぎる乗り心地は、とても21世紀の現代を走る鉄道とは思えませんが、乗車時間も短いだけあって、なかなか面白いものでした。

また沙湾からさほど遠くない石渓という所(沙湾からはバスを乗り継いで、3~4時間程で行けます)を走り、軽便SLが牽引する旅客列車が走る事で有名な芭石鉄路(「MAKIKYUのページ」でも以前、この鉄道に関する記事を何度か取り上げています)などと異なり、余り観光客が入り込まない事もあってか、路線や沿線の雰囲気も余り観光化されていない点も魅力ですが、運賃は1乗車5角(0.5元:昨年乗車時の値段です)と割安ながら、外国人だと分かると6倍の3元(といっても、専用の乗車券が用意されている訳ではなく、単に乗車券を6枚渡されるだけです)を徴収される点は要注意です。

写真は始発駅である草*具駅の様子と乗車中のワンシーン(この写真のみ昨年夏の旅行記記事にて既公開)、停車中の客車外観と車内の様子です。

あと沙湾の軽便鉄道に関しては、近日中に続編も公開したいと思います。

*具=「土」へんに「具」です。


阪神1000系電車~ようやく営業運行を開始した模様で…

2007-10-08 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

関西の大阪(梅田)~神戸(三宮・元町)間をはじめ、2路線の支線を持つ大手私鉄・阪神電気鉄道は近年阪急グループ入り(阪急阪神HDとして再出発)した事でも話題になりましたが、今後現在支線に甘んじている西大阪線をミナミの中心・なんばまで延伸し、近鉄と直通運転する予定となっています。

その近鉄直通運転に使用される予定の車両が1000系と呼ばれる新型車両で、MAKIKYUも以前何度か姿を見かけ、いつから営業運転に入るのかと気になっていたのですが、つい最近ようやく営業運行を開始した模様で、6両編成は本線で活躍し、2両編成は2編成併結の4両で西大阪線普通として走っている様です。

MAKIKYUは関西の人間ではありませんし、現時点では関西へ出向く予定はありませんので、残念ながら暫く乗車の機会はなさそうですが、MAKIKYUがこの車両の姿を初めて見たのは昨年末の事で、写真もその時に尼崎で撮影したものですが、その後今年春に阪神電車を利用した際にも尼崎の車庫に停車しており、編成が一部切り離された状態でしたので、一体何時から運行開始するのかという感がありました。

その後本線上で白昼に試運転を行っている姿が目撃され、幾つかのリンク先サイト様でもその事が取り上げられていましたので、もうそろそろ営業運行を開始しても…と感じていましたが、ようやく営業運行開始とは随分と時間を要したものです。

車両が搬入されてから一体どれ位の日数が経過したのかも気になる所ですが、営業開始までかなりの時間を要しているだけに、相当入念な試運転も行われているかと思いますし、首都圏の某車両の如く鳴り物入りで登場しながら、不具合が生じてあっという間に運行中止となったり、やはり不具合が生じて暫くの間運用区間が制限される様な状況にならない事を願うばかりです。

またこの車両は阪神で初めて、また近年新型車両の導入ペースが鈍化している関西においてはまだ少ないフルカラーLEDを行先表示に採用した車両であると共に、ビードなしのステンレス車体や、グローブを省略し、代わりに配列や取り付け部分のデザインを工夫した客室内の蛍光灯などは随分シンプルな印象を感じさせられ、阪神電車の中では異色の存在ですが、黒を中心にまとめた前面や、扉部分にオレンジを配した配色などは特徴的で、同じグループに属しながらも車両のイメージを統一している阪急電車とは対照的ですが、没個性的な車両も多い今日において、それなりの個性が感じられる点は評価に値する気がします。

今後も近鉄乗り入れが近づくにつれて順次増備が見込まれ、老朽車の取替えも兼ねてそれなりの数が出揃う様ですので、この車両もゆくゆくは珍しい存在ではなくなるかと思いますが、機会があればMAKIKYUも乗車してみたいと思いますし、末永い活躍に期待したいものです。