MAKIKYUのページ

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ときがわ町営バスの豪華車両~中型車ながらもリクライニングシートは…

2008-06-29 | バス[首都圏]

  

先日「MAKIKYUのページ」では、日影終点~武蔵嵐山駅間を走るイーグルバスに関して取り上げましたが、今日はこの記事の中でも触れた明覚駅~日影終点間を走るときがわ町営バスに関して取り上げたいと思います。

ときがわ町は、かつての都幾川村と玉川村が合併して誕生した自治体で、都幾川村は廃止代替で独自に村内や越生(おごせ)駅へ乗り入れる村営バスを運行しており、その末期はイーグルバスに運行を委託する形態となっていました。

玉川村の方は村営バスこそなかったものの、小川町駅~明覚駅間で武蔵観光に委託して廃止代替バスを運行しており、この廃止代替バスは昨年、旧都幾川村営バスの路線と統合して小川町駅~日影~明覚駅~竹の谷間(区間運行の便もあり)を運行する一本の路線に再編されています。

これは市町村合併で運行主体となる自治体が、ときがわ町に一本化された事で実現したとも言え、ローカル路線の効率的な維持・運営という観点でも評価できる取り組みと言えますが、MAKIKYUが明覚駅~日影終点間で先日乗車したときがわ町営バスは、この系統の一部分に該当し、現在この系統はときがわ町営バスの他系統と同様に、イーグルバスが運行を受託する路線となっています。

ただイーグルバスが運行を受託しているとはいえ、乗車券類などはイーグルバスの一般路線とは異なり、運賃支払い方法もイーグルバスをはじめ、この地域の一般路線では一般的な整理券方式による運賃後払い方式ではなく、前乗り前払いの信用方式(区間によって運賃は異なり、乗車時に降車停留所を申告して該当区間の運賃を支払い)となっているなどの違いが見られます。

車両も路線再編に伴って移籍車両が発生しており、MAKIKYUが明覚駅~日影終点間で乗車した車両は、かつて武蔵観光で使用していた車両の様でしたが、主にこの路線で運用される模様(他の車両が充当される事もある様です)の側面にラッピングの付いた日野製中型車は、車内の座席も2人がけのリクライニングシートがずらりと並び、比較的短距離の生活路線にしては極めて高級と感じるものでした。

またこの車両はグレードが極めて高いだけでなく、信用方式では使う機会のない整理券発行機が中ドア付近(MAKIKYUの近所でも、使う機会のない整理券発行機が前ドア付近に付いている車両をよく見かけますが…)に取り付けられており、その上元々の降車ブザー設置数が少ない事もあるのか、降車ブザーも増設しているのですが、増設したブザーは配線が剥き出しになっているのも非常に特徴的でした。

MAKIKYUのときがわ町営バスへの乗車は、旧都幾川村営バスの頃を含めてもまだ2回目で、乗車した事がある路線も極一部ですが、他にもこの一体の一般路線でよく見られる車両とは異なるバスが幾つも走っている様です。

それに都心からもときがわ町は、東武東上線などを使って1時間強程度で訪問できるエリアですので、機会があればまた再訪して、まだ乗車していない路線や車両にも…と感じたものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非ときがわ町営バスに乗車してみては如何でしょうか?


辺境の地・北総監獄を走り始めた深夜急行バス~設備や運賃を考えるとかなりの利用価値が…

2008-06-28 | 北総監獄

  
  
(写真は左上から順に、有楽町駅発車待ちの北総監獄中央駅行深夜急行バス、北総監獄中央駅到着時の様子、有楽町駅マリオン前乗り場の北総監獄中央駅行案内が標記されたポール、北総監獄中央駅方面と表示された深夜急行バスの字幕、深夜急行バス使用車両の同形車両[写真は昼間に成田空港~柏駅系統に充当されたもの]、北総監獄中央駅にある深夜急行バスの魅力を宣伝する写真付きポールです。深夜急行バスの特性上、写真撮影も深夜帯に及んでいますので、一部見苦しい写真もありますがご了承下さい)

今日MAKIKYUは首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)へ出向く所用があったのですが、その際には横浜市内を日が変わる頃に出発した事から、当然ながらこんな時間では終電でも北総監獄まで辿り着く事は出来ず、都心を抜けられれば上等といった状況でした。

ただ16日から辺境の地・北総監獄にも深夜急行バスが走り始めましたので、急用ではなく夜が明けてからの出発でも良かったものの、せっかくの機会という事で、まだ辺境の地を走り始めたばかりの深夜急行バスに乗車してみましたので、今日取り上げたいと思います。

このバスは有楽町駅を1時(朝)に発車し、その後経由する京成上野駅も1時20分発と運行時刻は極めて遅く、京浜東北線の北行上野行終電でも間に合う程の時間帯を走っているのですが、今まで平日夜に有楽町駅・上野駅~松戸・五香(ごこう)駅間を運行していた深夜急行バス(土休日や年末年始などは運休となります)を、16日から北総監獄まで延長運行したもので、今までの終点であった五香駅以降、新たに六実駅・新鎌ヶ谷駅・白井駅に停車し、北総監獄中央駅が新たな終点となっています。

これは五香行深夜急行バスの運行会社が2月に、京成バスから京成グループの成田空港交通に移管となっており、移管後は五香駅到着後に北総監獄を通り抜け、延々と成田方面まで回送していた様ですので、それなら回送区間の一部を実車運行として延長して、少しでも新たな顧客の確保を…と考えた様で、そうでなければさほど大きな需要が存在するとは考えられない辺境の地・北総監獄への深夜急行バス運行は実現していなかった可能性が大きそうです。

北総監獄まで乗車する人間はさほどいないにしろ、乗車日は給料日後の金曜日という事もあり、途中の松戸市内までの乗客で定員超過になってしまうと…という万一の事も考え、MAKIKYUは未明に始発の有楽町駅から乗車したのですが、やはり金曜日(正確には土曜未明ですが…)だけあって普段より乗客は多かった様で、座席も有楽町始発時点で半数強が埋まりましたが、MAKIKYUを含め27名の乗車があった模様です。

他方面への深夜急行バスもほぼ同時刻に発着する有楽町駅では、同じ乗り場に京成バスの千葉行きも発着しており、こちらは北総監獄中央駅行の後ろに着車していましたが、この行先名は千葉市内の千葉中央駅と紛らく(鉄道でも実際に千葉中央駅と間違って「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)に乗車してしまう乗客や、その逆に北総監獄を目指す乗客が千葉中央に行ってしまう事がある様です)、また成田空港交通のバスも京成バスと同じKanac塗装という事もあって、千葉方面の乗客が何人も千葉方面へ行くのか訪ねている状況でした。

北総監獄中央駅行深夜急行バスの使用車両は、昼間北総監獄を発着する成田空港・京成成田駅~北総監獄中央駅・柏駅(一部便は更に松戸まで)や、成田空港~千葉市内などを走るリムジンバスなどで使用される車両で、座席は一般的な横4列のリクライニングシートながらも、トイレ付き(少々狭いですが…)となっている点は有難いものです。

これは発車後に有楽町駅の少々離れた乗り場からほぼ同時刻に発車し、やはり京成上野駅を経由する事から、今日は北総監獄中央駅行の前を走っていた東武バスイーストの柏行(ミッドナイトアロー柏号)で使用していた路線タイプ車両(いすゞERGA・観光バス塗装の深夜高速バス仕様)と比べると、結構見栄えのするものでした。

また有楽町駅を発車すると、本来であれば最初に京成上野駅に停車(乗車のみ)するのですが、金曜日で多数の乗客が見込まれる事があって、上野駅に臨時の増便が出ており、こちらもパッと見た印象は有楽町駅発と同程度の乗車率という感じでしたが、上野からの乗客は増便だけで足りる事もあって、有楽町発の便は京成上野駅を通過し、最初の停車は京成金町駅でした。

金町駅と松戸本町(松戸駅から徒歩3~4分程度)は、五香行深夜急行バスが北総監獄中央駅まで延伸になると共に、降車だけでなく乗車も可能になった停留所で、双方共に降車客の姿が散見される状況でしたが、この2停留所から乗車する乗客の姿は見られませんでした。

その後の各停留所では降車のみの扱いとなり北松戸駅入口・新松戸駅・八柱駅入口・常盤平駅などを経由し、パラパラと降車する乗客の姿が散見されましたが、既存区間の終点である五香駅では4名が下車、新たに延伸となった区間への乗客はMAKIKYUを含め6名でしたが、六実駅での降車客はいなかったものの、新鎌ヶ谷駅でまず1名、そしてよくこんな辺境に深夜急行バスが…と感じてしまう「開発を止めた某鉄道」に沿う国道464号を走り、北総監獄に入った白井駅でも1名が降車、そして3時過ぎに到着となる辺境の終点・北総監獄中央駅まで乗り通す乗客も、MAKIKYU以外に3名もいたのは意外(他に上野発の増便利用客も居たかもしれません)でした。

乗車した感想としては、北総監獄中央駅まで乗車する場合に有楽町駅から2500円、京成上野駅から2200円という運賃設定は、鉄道利用の2倍強ですので、頻繁に使う交通機関とは言えませんが、タクシー利用(MAKIKYUはJR発行のタクシー伝票で、東松戸~北総監獄中央駅間をタクシーで深夜帯に移動した事がありますが、この程度の区間でもメーターは深夜割増で7000円を越えており、都心からでは20000円程度になる様です)などに比べれば遥かに安価で、知っていると夜遅くなった時などは随分便利なものでは…と感じました。

ただ各停留所のポールで乗車場所の写真・発車時刻を大きく掲載し、深夜急行バスの魅力を宣伝しているにも関わらず、まだ北総監獄へ延伸されて間もない事もあってか、今日会った北総監獄服役囚(千葉ニュータウン住民)も、横浜から訪れたMAKIKYUがこの深夜急行バスに乗車した話を聞いた事で、初めてこのバスの存在を知った有様でした。

また松戸本町からは北総監獄中央駅まで1000円で乗車でき、特に松戸~北総監獄中央駅間は普通に電車で移動した場合でも、「開発を止めた某鉄道」が法外に高い事もあって760円(新鎌ヶ谷乗り換え)を要する事を考えると、運行時間や車両グレードの割には随分乗り得な印象があり、松戸本町の発車時刻も1時57分とかなり遅く、都心方面からの終電が結構遅い松戸行のJR終電からでも充分に余裕を持って乗り換えできて利用価値は相当ありそうです(MAKIKYUは時折北総監獄へ出向く所用がありますので、機会があれば今後松戸本町からの深夜急行バス利用も…と考えています)が、松戸本町からの乗客が見られなかった事も、北総監獄が車社会で、公共交通への関心度が低い地域である事も影響しているとはいえ、知名度はまだまだなのでは…と感じたものです。

それにしても印西という辺境の町では、既にJR成田線終電後に我孫子駅~竜角寺台間で、ニュー東豊による深夜バス(MAKIKYUはこれも一度乗車した事がありますが…)が運行されており、これも市役所に近い木下駅まで我孫子から1000円で乗車でき、JR常磐線我孫子行終電接続という極めて遅い時間に運行(最終便は印西市内を2時台に走行します)していますので、これだけでも土地柄を考えると上等過ぎると言えますが、北総監獄にも深夜バスが運行される事で、印西市内に極めて遅い時間帯の深夜バスが2系統も走る事になります。

果たしてこんな辺境の町に、複数の深夜バス系統が必要なのか?という疑問もありますが、今回の深夜急行バスは回送の有効活用と言う事も考えると、北総監獄延伸はなかなかの英断であると言え、土地柄や運行時間帯を考えると満員御礼とは行かないと思いますが、今後知名度が向上して乗客が増加する事にも期待したいもので、現在横浜にいる身とは言え、時折所用で北総監獄を訪れる機会がある人間の一人としては、今後この形態での運行が継続される事に期待したいと感じたものです。

追記:印西市内では一時期2系統もの深夜バスが走り回る状況になっていましたが、さすがに辺境の地に2系統の深夜バスは過剰だったのか、2008年後半にニュー東豊によるJR成田線終電後の深夜バスは運行取り止めとなり、印西市内を走る深夜バスは北総監獄中央駅行の成田空港交通による深夜急行バスのみとなっています。


武蔵嵐山駅~ときがわ町方面を走るイーグルバス

2008-06-27 | バス[首都圏]



今月開業した東京メトロ副都心線にMAKIKYUが乗車した際には、同線から西武線直通電車に乗車して埼玉方面へ向かい、その後東武東上線の座席定員製列車「TJライナー」でも使用される新型車両50090系を使用した新種別・快速急行に始発駅の森林公園から乗車して都内へ戻る行程を組んだのですが、東飯能で西武線からJR八高線に乗り換え、その後東上線に…という行程でこの方面へ行かれた方は何人も居るかと思います。

この様な行程を組んだ場合、最も一般的な方法としては、小川町で八高線から東上線に乗り換えるルートが考えられ、それ以外にも寄居まで一旦足を伸ばして…と考える方も居られるかと思いますが、MAKIKYUはそれではあまりに一般的過ぎるという事で、八高線を小川町の一つ手前の明覚駅で下車し、そこから武蔵嵐山駅へバスで抜けるという方法を使いました。

明覚駅~武蔵嵐山駅間は、ときがわ町第二庁舎前を発着するイーグルバスによる路線が経由(一部は明覚駅発着)していますが、MAKIKYUが明覚駅に到着する時間には適当な便がなく、その代わり明覚駅から日影終点へ向かうときがわ町営バス(これに関しては近日中に別記事で取り上げたいと思います)と、武蔵嵐山駅からときがわ町方面へ向かうもう一つの路線である日影終点発着の路線を乗り継ぐ行程としました。
(日影で丁度良く乗り継ぎ出来る便は、明覚~武蔵嵐山間の直通便よりずっと本数は少なく、運賃面でも不利ですので、こんな事を考える者は極少数か思いますが…)

その際に日影終点→武蔵嵐山駅間で乗車した車両が、写真の日野製マイクロバス(LIESSE)で、コミュニティバスや地方の路線バスなどでは一般的な車両ですが、都心から1時間程度、それも池袋から10両編成もの電車が毎時数本運転される駅を発着する路線にも関わらずこの車両というのは、東上線とのギャップを感じてしまう方も居られるかと思います。

ちなみにこの車両はスモークガラスを採用し、メタリックのイーグルバス塗装も比較的洗練された印象を受けますが、車両は車椅子対応リフト付きとはいえ、車内の座席はビニール張りとなっているなど、設備的には最低限といった感を受けるものでした。

ただ武蔵嵐山駅~ときがわ町方面への路線自体が比較的近年開設されたもので、路線自体もそう長いものではありませんので、現状の乗客数などを考えると相応の車両と捉える事もできますし、この様な路線の存在自体が有り難いものですが、MAKIKYUが日影終点から乗車した便の折り返しは明覚駅行きとなっていましたので、ときがわ町方面へ向かう路線2系統では、この様な車両が共通して使用されている感じでした。

またこの記事を見て是非乗車を…という方も居られるかと思いますが、武蔵嵐山駅~ときがわ町方面の路線は時刻はイーグルバスHPなどに掲載されているものの、2系統合わせても本数は八高線より少なく、バス共通カードやPASMOなどのICカード乗車券も使用できませんし、日曜・祝祭日は全面運休となりますので、この点は要注意です。


西武鉄道 30000系電車「Smile Train」~新生西武の象徴的存在として走り始めた新型車両

2008-06-26 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

  

先日MAKIKYUが都心方面へ出向いた際には、西武新宿線で今年春から走り始めた新型車両・30000系電車にようやく乗車する機会がありましたので、今日はこの車両に関して取り上げたいと思います。

この車両はアルミ合金製車体を採用した片側4扉の通勤型車両で、最新型だけあって首都圏他者における大半の最新形車両と同様に、フルカラーLEDによる行先案内表示装置や、LCDモニターによる車内案内(スマイルビジョンと称している様ですが…)などを採用しており、先代の新型車両・20000系と同様に、アルミ合金製の車両製作で知られる日立製作所の新標準車両とも言える「A-Train」の一員ですが、車体幅を拡張してすそ絞りとなった形状は、今までの西武線通勤車両では見られなかったもので、同形の特徴の一つと言えます。

西武鉄道は近年社会問題化する不祥事もあった事から、これらの体制を改め、新体制として生まれ変わる事をPRする事もあるのか、女性社員を車両構想のプロジェクトチームに含め、従来とは異なった発想を取り入れるように尽力したのが特徴で、新生西武の新しいシンボルとして「Smile Train」という愛称が付けられています。

このSmile Trainは「生まれたてのたまごのようなやさしく、やわらかなふくらみ」をデザインの特徴としており、前面形状をはじめ、車内の天井なども丸みを帯びた独特なものとなっています。

それどころかつり革の吊り輪に至るまで、たまごをイメージした丸みを帯びた特注品を使用し、特徴的なガラス製の車両間貫通路にまで、たまごをイメージしたデザインのステッカーを貼り付けていますし、座席形状や袖仕切りも丸みを帯びた独特なものを用い、優先席部分の座席モケットではハートマークを描くなど、車内外の随所でその特徴を徹底させたものとなっており、他車両とは一線を画した存在である事を、一般客にも強くアピールするものとなっています。

塗装も今までの西武線のイメージとも言える「黄色」や「ブルー」ではなく、無塗装のアルミ車体に青~緑色のグラデーションの様なカラーテープ(この青色は従来の青色とは別物)となっているのも特徴的ですが、最近の新型車でよく見られるドア部分の黄色いラインを、車内側だけでなく外側にも施している事も、一つの特徴と言えます。

またメーカー標準設計を広く取り入れ、近隣事業者などで既に導入されている「A-Train」を参考にしつつ設計された車両ながらも、「A-Train」の最大の弱点とも言われ、評判の思わしくない座席(直角形状で薄くて硬く、一部では「極悪岩座席」などとも言われており、西武以外でも高速運転で知られる某エクスプレスなどで脱却の動きがある様ですすが…)や、ドア脇の装飾を施した柱の様な持ち手(これは持ち難く、首都圏の混雑線区では厳しいです)などは採用していない点などは、様々な他社車両を吟味して開発された車両だけあって、評価すべき点と言えます。

ただ特徴的な丸みを帯びた天井はやや素っ気無い印象(これは小田急の最新特急車などと比べてしまうからなのかもしれませんが…)を感じてしまい、その一部分(概ね冷房装置の下部)は決して美しいデザインとはいえない排気口の様なモノが目立って事などは、デザイン的には少々…と感じてしまいました。



全体的な評価としては決して悪くない車両であるだけに、この様な点は今後改善される事に期待したいもので、また斬新な印象が強い車両ながらも、前照灯が白い光を放つHIDでない辺りは意外な感じがしたものです。

この「Smile Train」、現段階では新宿線に2本、池袋線に1本の8両編成が走るのみで、合計3本(24両)だけですので、まだまだ容易に乗れる状況ではありませんが、今後3扉車の取替えなどで増備が見込まれており、その際には増結用の2両編成も登場する予定となっています。

「Smile Train」は新生西武の象徴として今後の活躍が大いに期待できる車両ですが、その際に増結用の2両編成が他形式との併結(その気になれば20000系との併結は比較的容易かと思いますし、そうすれば運用の柔軟性も格段に向上します)が行われる様になるのか否かも気になる所ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非従来の西武線とは一風変わった、この新型車両「Smile Train」に乗車されてみては如何でしょうか?


祝・東急目黒線日吉延伸

2008-06-24 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

一昨日東急目黒線は従来武蔵小杉までだった定期列車の運行が、日吉まで延伸され、初日に乗車された方も居られるかと思いますが、MAKIKYUも一昨日は私用で都心方面へ出向いていた事もあって、その帰りに渋谷から東横線で帰宅する際、今回新規開業した区間を含む東横線並行区間(田園調布~日吉間)のみながら、せっかくの機会という事で目黒線に乗車して来ましたので、少々取り上げたいと思います。

 
田園調布駅で下り方面の列車案内を見た際も、多摩川・日吉方面と案内されている事や、先発・次発共に「日吉」の行先が並ぶ様は今までと異なり、次々とやって来る目黒線電車の行先も日吉ばかり、そして車両内外の案内も…という事で、遂に目黒線が横浜市内まで伸びたと実感したものです。

この開業と共に見る機会が…と言われていた武蔵小杉行きも、平日の朝ラッシュが終わった頃を中心にそれなりに走っており、時間帯次第では急行でも同駅止めに容易に遭遇できる状況ですので、目黒線乗車時に武蔵小杉行き電車に当たってしまうと、意外と日吉延伸を実感する事はないかもしれません。

目黒線延伸区間に乗車した際は、武蔵小杉を出てから車庫線接続の関係で、東横線はずっと高架を走る所を、目黒線は一旦地上に降りて再度高架に上がる事が特徴で、地上区間では踏切を渡る箇所もあるなど、ATO(自動運転)によるワンマン運転を行っており、VVVF車ばかりが走る近代的イメージの強い線区にも関わらず、少々ギャップを感じてしまう部分は興味深く、また近年様変わりした元住吉駅に発着する目黒線電車の姿などは、新時代の到来を感じさせられます。

ただ元住吉~日吉間は東横線と完全並行しており、目黒線の既存東横線並行区間と同様に、東横線を複々線化しただけという印象ですし、駅などは既存のモノ(元住吉駅は最近様変わりしているとはいえ)ですので、新鮮味は今一歩といった感を受けました。

またMAKIKYUが目黒線延伸区間に乗車した際は、目黒線直通各線区の車両の中でMAKIKYUが最も気に入っている車両という事で、都営6300系に乗車したのですが、この車両が定期的に日吉へ乗り入れる事によって、日吉駅は前代未聞とも言える東京メトロ・都営・横浜市営の首都圏3地下鉄の車両が発着する駅にもなっています。
(横浜市営は規格が大きく異なり、東京メトロや都営車両が発着する東急線とは別ホームですので、直接3者が顔合わせする機会はないですが…)

東京メトロや都営からの横浜市内への直通運転は、既に他路線で幾つか行われていますが、埼玉高速鉄道(SR)車両の定期列車における横浜市内進出は、今回の日吉延伸で晴れて実現した事になります。
(写真は延伸区間ではなく、田園調布駅で撮影したSR車両使用の日吉行急行です)

武蔵小杉以西ではまだMAKIKYUは乗車していないSR車両の横浜市内進出も、横浜市民の一員として歓迎したいものですが、今回の目黒線日吉延伸は、先日開業した東京メトロ副都心線の様な強いインパクトはなく、一昨日日吉駅でも開業記念のイベントなどは一応行われた様ですが、夜にMAKIKYUが見た限りでは、目黒線の案内が普通に出ているだけで、特に祝賀ムードなどは感じられる情況でなかっただけに、目黒線日吉延伸は新線というよりも線増的な要素が強い事もあるのかもしれませんが、この点でも少々物足りない気もしたものです。



あと今回の目黒線日吉延伸は、先日開業した副都心線の様な派手さはありませんが、東急では港北NT~都心方面への新ルートとして、目黒線と横浜市営グリーンラインを日吉駅で乗り継ぐ経路を宣伝しており、その広告があちこちで見受けられる情況でした。

今後この目黒線~グリーンラインルートが普及して、近年6ドア車導入や朝ラッシュ時間帯急行の準急格下げといった、他線では考えられない様な施策を講じても、殺人的混雑を呈している田園都市線の混雑緩和に貢献する事にも期待したいものですが、既にこの延伸区間に乗車された方は、如何感じられたでしょうか?


東武鉄道 50090系電車~クロス・ロング可変座席を採用した有料列車では異例の4扉通勤型車両

2008-06-22 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

 

MAKIKYUが先日開業した東京メトロ副都心線に乗車した際には、その後直通する西武池袋線に乗車して埼玉県内まで足を伸ばしたのですが、その帰りには西武線と共に副都心線・有楽町線に相互乗り入れを行っている東武東上線に乗車し、その際には先日のダイヤ改正と共に本格稼動した東武鉄道の新型車両・50090系に乗車する事が出来ましたので、今日はこの車両に関して少々取り上げたいと思います。

50090系は、東武鉄道の最新型通勤型車両50000系列の一員で、現段階では東上線用に10両編成4本が導入されており、メーカー標準仕様のアルミ製車体を採用し、窓周りにオレンジ色のカラーテープを配したデザインは、他の50000系列各車両と同様ながら、外観は窓下に青帯が入っており、これは他の50000系列との外観上の大きな違いとなっていますが、これはMAKIKYUとしても引き締まった感じで良いのでは…と感じたものです。

先日のダイヤ改正で新設された座席定員制の有料列車・TJライナーでも使用される事は、片側4扉の通勤型車両では他社を含めて定期列車では前例がない(不定期列車では秩父鉄道の1000系リバイバル塗装編成による臨時急行などがあり、これは旧型であるばかりでなく、非冷房車も組み込まれていますので随分騒がれましたが…)と思われ、異色の存在となっています。

ただ4扉通勤型車両とはいえ、一応有料列車に使用するに相応しい設備を備える事もあってか、座席は車端部分を除いて近鉄のL/Cカーなどで見られるクロス・ロング可変座席を用いています。

  

車端部分のロングシート(優先席を含む)も、50000系列他形式と同等のタイプ(一部では極悪岩座席などとも呼ばれている様で、MAKIKYUとしては高速運転に拘る標準軌の首都圏某大手私鉄で良く見られる、「ブカブカ」した異様な感触の好みが大きく分かれる座席程ではないにしろ、メーカー標準のこの座席はあまり好感の持てるものではありません)ではなく、L/Cカーなどと同様に窓の下部が隠れてしまう程の、背もたれが大きい特別仕様となっているのも特徴です。

車内の化粧板もシンプルな印象ながら、他の50000系列で見られる無地の素っ気無いものではなく、柄入りになっていましたので、化粧板に関しては他の50000系列でも、今後50090系タイプのものが採用される事に期待したいと感じたものでした。

ちなみにMAKIKYUは夕方の帰宅時間帯に下り方面で運転されるTJライナーへの車両送り込みを兼ねて、車庫のある森林公園から池袋方面に運転される新種別の「快速急行」(原則として50090系が充当されます)でこの新型車両に乗車し、この列車は従前の急行などに比べて停車駅が削減され、特別料金も不要な上に、森林公園~池袋間で所要時間も10分以上短縮されているのですが、その際はクロス・ロング可変座席もクロスシート状態で運用されていましたので、非常に乗り得感のあるものでした。

MAKIKYUは森林公園始発で乗車した事もあって、この車両のウリとも言えるクロスシートに池袋までずっと座っていました(森林公園始発時点では席が埋まる程ではありませんが、途中で急行列車などを追い抜く事もあって、立席客も出る程の混雑となります)が、クロスシートの座り心地も特別料金不要な列車としてはかなり良く、この点は大いに評価出来るものでしたが、車両構造上の関係で外が見え難い座席(戸袋部分にかかる座席)が多い上に、比較的車窓を眺めるのに適している真ん中(ドア間に座席は3列あります)の座席も、他の50000系列と異なり窓の真ん中に窓柱が設けられている事もあって、これが少々邪魔に感じられたのは難点と言えます。

TJライナーでの使用が主に夜間帯になる事もあって、展望性に関しては割り切ったのかもしれませんが、他の50000系列と同等の一枚窓に出来なかったものなのかと感じたもので、それと森林公園発車前に試しに座ってみた車端部のロングシートは、他の50000系列程ではないにしろ、前にせり出す様な感覚がどうも馴染めず、TJライナーの乗車整理券を買って、他の座席が全て埋まってここだけが空いていたら…と感じさせられるものでした。

ただ快速急行に乗車している際には、偶然この電車に乗車したと思われる女子高生など(どう見てもレールファンではなさそうな感じでした)が歓声を上げていましたし、「毎日この電車なら…」という声も聞こえた程ですので、車両自体は比較的シンプルなメーカー標準仕様でありながらも、一般乗客からの評判もかなり良いと感じられ、当初和光市で副都心線に乗り換えようと思っていたMAKIKYUも、池袋まで乗り通してしまった程(運賃面ではその後他線に乗り換えて都心方面へ向かう場合、概ね割高になります)で、この車両であれば他路線との競合にも力を発揮しそうと感じたものですが、かつて東上線を定期券で利用していた身としては、もっと早くにこの様な車両が登場していれば…とも感じたものです。

先日の副都心線開業に伴う同線関連各線のダイヤ改正も、肝心の副都心線でトラブルが相次いだ事や、東上線のダイヤが分かりにくくなった事もあって、評判は今ひとつという面も多い様ですが、そういった中でも同系を用いて運転される有料列車・TJライナーはMAKIKYUが池袋駅で見た際には満席御礼となっており、この50090系の車両自体の評判も極めて良い様ですので、同系の今後の活躍や更なる増備にも期待したいものです。

50090系やTJライナーの運転は、今まで地味な印象が強かった東上線のイメージ向上にも大きく向上しそうですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も東上線に乗車する機会がありましたら、是非この新型車両・50090系に乗車してみては如何でしょうか?
(「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様の中には、この車両に既に乗車された方も居られると思いますが、その際の感想などがありましたら、是非コメントもどうぞ)


箱根登山鉄道1000形(リバイバル塗装)~編成など当時と異なる点もありますが…

2008-06-19 | 小田急グループ

 

MAKIKYUは少し前に「箱根フリーパス」を用いて箱根エリアへ出向き、その際に
乗車した小田急箱根高速バスの新型車「エアロエース」に関する記事を既に取り上げていますが、箱根エリアへ出向いた最大の理由は、登山電車に最近登場したリバイバル塗装車両への乗車が目当てで、MAKIKYUが訪問した日にもこの車両は稼動しており、乗車機会もありましたので、今日取り上げたいと思います。

1000形は1980年代前半に2両2編成が新造され、姉妹鉄道のスイスを走る路線の名称にちなんで「ベルニナ号」という呼称が付けられています。

日本国内では唯一の本格的登山鉄道という路線条件の特殊性なども影響しているとはいえ、登山電車の新造車は同形式が戦後初となっており、久々の新車として導入されただけあって、外観から内装、下回りに至るまで、戦前から走り続けている旧型車両(一部は今でも活躍しています)とは大きく異なる車両となっていますが、登場当時かた比較的近年まで非冷房車(旧型車は今でも非冷房です)となっていました。

現在ではその後に2000系「サンモリッツ号」も登場していますので、中堅的存在とも言えますが、近年では冷房化改造をはじめ、行先表示機のLED化や車内座席の交換(転換式クロスシート→固定クロスシートへの変更)、自動放送装置やドアチャイムの取り付けなどが行われていますが、冷房化改造の際には電源確保の関係もあって、2000系中間車を組み込んだ3両編成になっているのも特徴です。

2度に渡って塗装変更も行われていますので、登場当時とは様相が異なっていますが、現在設備的には2000系とほぼ同等(細部に色々違いはあるのですが…)となっており、メカニズム的にも1000系の中間に2000系を組み込んだ編成が出てくる程ですので、2000系と比べても遜色ない車両となっています。

現在の塗装はスイスの登山鉄道を模した赤色の塗装になっており、これは2000系も同様ですが、箱根登山鉄道の120周年を記念し、最近になって1編成は今流行のリバイバル塗装とも言える、白とオレンジの登場当時の塗装を復元したものに改められており、この編成は非常に注目を集める存在となっていますが、車内は特に装飾などは施されれず、至って普通なのは意外でした。
(この手のリバイバル塗装編成、まして会社の節目の年を記念して走らせているともなれば、ギャラリー列車などの類になる事が多いのですが…)

あとリバイバル塗装とは言ってもドア部分の塗装などは当時と異なっており、また中間に組み込まれた2000系にもこの塗装が施されている点など、雰囲気は出ていても登場当時とは異なる点が色々見られるのも興味深い点ですが、登山鉄道では旧型車両にも大昔の塗装(水色とクリーム色)を復元させた車両1両を、評判が良いのか今でも走らせている状況ですので、この編成もリバイバル塗装でずっと走らせるのか気になるものです。

また現在箱根登山鉄道に乗り入れる小田急ロマンスカーでも、1000形とほぼ同時期に登場した7000形(LSE)1編成が小田急電鉄80周年を記念し、登場当時の塗装を復元したものとなっていますので、MAKIKYUは両者の並びを見た事はないものの、是非その姿も見てみたいものです。
(ただ現在小田急車両が乗り入れる小田原~箱根湯本間は、入生田~箱根湯本の1駅間を除いて現在は登山鉄道車両の運行そのものが物理的に不可能となっていますし、両者が顔を並べる可能性がある入生田へ登山車両が姿を表すのは入出庫に限られ、リバイバル塗装編成は共に1本のみですので、両者の並びに遭遇できる可能性は極めて低いですが…)

それと冷房を使用せずに済み、閑散期となる冬季などに、2000系中間車を外した登場当時と同じ2両編成でのリバイバル塗装編成運行も行ったら面白いのでは…と感じさせられたものです。

箱根登山線は3月のダイヤ改正で風祭駅改良の関係もあり、小田急車両乗り入れ区間の一般車両が4両編成による運行に変更となり、小田原駅なども随分様相を変えて今までとは一風変わった状況になっていますので、リバイバル塗装編成も走る今、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非箱根を訪問され、登山鉄道に乗車してみては如何でしょうか?

写真は小涌谷駅停車中のリバイバル塗装となった1000形と、この編成の中間に組み込まれた2000系(窓割の違いにも注目)です。


東京メトロ7000系(副都心線用)~副都心線開業と共に走り始めた改造車両

2008-06-17 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

14日に開業した東京の渋谷~池袋~小竹向原~和光市間を結ぶ東京メトロ副都心線(新規開通区間は渋谷~池袋、池袋~小竹向原間は有楽町線(新線)と呼ばれていた区間、また小竹向原~和光市間は従前の有楽町線と共用ながら、これも案内上は副都心線に含めています)は、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、開業初日をはじめ、数日間の間に既に乗車された方も居られるかと思いますが、MAKIKYUは開業当日こそ都合が付かず乗車できなかったものの、昨日ようやく乗車する事が出来ました。

その際に乗車した車両が、有楽町線用に導入された7000系を副都心線対応に改造した車両で、ラインカラーを新鋭10000系と同じ茶色(副都心線ラインカラー)と黄色(有楽町線ラインカラー)の組み合わせに改めているのが、外観上の大きな特徴となっています。

この車両は同年代の他線使用車両(千代田線6000系など)とほぼ同等の更新工事が行われ、下回りのVVVFインバーター制御化や内装の更新(副都心線対応改造以前にこれらを施工した編成もあり)が行われると共に、ワンマン自動運転に対応する設備を設けるなどの改造が行われているのも特徴です。

ドア上に2段式のLEDによる案内表示装置が設けられている点や、ドアチャイムが営団時代から用いられているタイプとは異なるもの(10000系とも異なります)になっている事などは、他線で活躍する同年代の更新車両と異なる点で、ドアチャイムに関しては別タイプが用いられるとは思っていませんでしたので、乗車した際は意外な感じがしたものです。

また副都心線は将来渋谷で東急東横線とも乗り入れを開始する予定となっており、その際は急行系列車こそ10両編成で運転される予定(現在の東横線は最大8両)になっているものの、各駅停車は8両で運行される予定になっている事もあって、現段階でも副都心線内発着や東上線志木発着、西武線保谷・清瀬発着などの各駅停車で、比較的運転距離の短い列車では、8両編成が充当されるダイヤが多くなっているのも特徴です。

これに対応する為に、副都心線対応の7000系は10両(7000系の元の編成)から中間2両を抜き取った8両編成になっている編成が多数存在している事も特徴で、この編成は副都心線開業と共に稼動開始していますが、8両編成である事を示す「8CARS」というステッカーが貼られているのも特徴です。

ちなみに8両編成へ短縮する際に抜き取られた2両は、物持ちの良さで定評がある営団~東京メトロにしては珍しく廃車(副都心線未対応で残存する7000系の一部は、今後編成単位で廃車する計画もある様で、東京メトロになって営団とは車両に関する方針が変わったのかもしれませんが…)となっていますが、こんな事をする位なら副都心線用に新製した10000系の一部を8両で製造し、7000系は10両のままでも…と感じてしまいます。
(ただ現在10000系の一部は中間2両を抜き取って暫定的に8両で運行しており、今後方針が変わって8両で新製される同系が出てくるかもしれませんが…)

また副都心線用に短縮された7000系改造車は、MAKIKYUが乗車した写真の編成(この編成は7000系の中でも割合後期の車両です)だけでなく、元は非冷房・2段窓の比較的古い車両も含まれており、この様な編成では編成内で製造年次が大きく異なり、外観も素人目に見て一目瞭然と言える程違う車両が組み込まれていますので、非常に複雑怪奇な印象があります。

この様は複雑極まりない副都心線のダイヤに劣らない程で、洗練された高級感のある新鋭10000系とは対照的ですし、8両編成は専ら各駅停車専門となりますので、地味な役回りとなりますが、晴れて開業した副都心線の裏方を支える車両として、今後新鋭10000系と共に末永く活躍する事に期待したいものです。

あと副都心線は、開業当日の見物客による「お客様混雑」による遅延は止むを得ないとはいえ、その後もトラブルが続いており、昨日MAKIKYUが乗車した際は昼過ぎの閑散帯にも関わらず朝ラッシュ時間帯の「お客様混雑」によるダイヤ乱れ(複雑過ぎる運行パターンや車両運用、小竹向原駅の配線なども影響しているのでしょうが…)が続いていました。

写真の保谷行きも、元々清瀬行きとして運行していた列車が、急遽行先変更となったもので、それも渋谷から乗車した列車は、小竹向原駅と練馬駅の到着直前で駅構内に入れず、何分も運転停車する有様でした。

昨日はその後も急行列車の退避を行う東新宿駅で、各駅停車が通過線に入ってしまうトラブルなども発生し、一時渋谷~池袋間で折り返し運転&他社線への振替輸送実施となるなど、一日中大きくダイヤが乱れ、競合路線の車内案内モニター(以下の写真)でも大々的に告知されてしまい、そのお詫びがHPに掲載されるなど、決して順調とはいえない滑り出しは、複雑な運行系統などが起因してダイヤ乱れや運休が勃発する事で有名な競合線区(○○新宿ライン)に劣らず…という状況で、少々残念なものです。

その後も停電事故などが発生し、連日ダイヤ乱れが続いてしまっていますが、早期にこの様な問題が解決し、日々定時運行が行われる状況となって、副都心線が首都圏の新たな大動脈の一つとして親しまれると共に、混雑の激しい都心部他路線の混雑緩和にも寄与する事を願いたいものです。


小田急箱根高速バスのAero Ace~ここでは最新型車両にも手頃に…

2008-06-15 | 小田急グループ

 

先日MAKIKYUが日帰りで箱根へ出向いた際には、箱根エリアの小田急グループ交通機関が乗り放題となる「箱根フリーパス」を使用して動き回ったのですが、その際には小田急箱根高速バスにも乗車し、同社の最新型車両・Aero Aceにも乗車する機会がありましたので、少々取り上げたいと思います。

小田急箱根高速バスは、かつての小田急電鉄高速自動車課を近年分社化して発足した事業者で、電鉄直営時代は大手私鉄のバス部門にしては珍しく、高速・貸切バスのみの運営で、一般路線を持たないのが他の電鉄直営バスとは異なる大きな特徴でしたが、現行の社名は路線が専ら箱根方面に限られる事や、高速バスに特化している事業者である事を考えると、一般にも分かりやすく、下手に「小田急電鉄バス」などと名乗るよりも、案内上も有効と言えます。
(首都圏の某大手私鉄では、○○バス(○○は電鉄の名称が入ります)と称する分社
(これもその後更に細分化・社名変更が行われています)を設立した後、電鉄本体直営のバス部門を切り離して○○電鉄バスなどと名乗る事業者を設立した事例もありますが、こうなると非常に紛らわしく、一般客にはなかなか理解し難いものですので…)

箱根方面へ向かう路線のメインは新宿~御殿場~箱根桃源台(時間帯によっては御殿場までの便もあり)となっており、その一部は更に箱根園や山のホテルまで足を伸ばしていますが、近年ではそれ以外にも羽田空港・横浜駅~御殿場・箱根桃源台間を結ぶ路線なども運行しています。

一応座席指定制の高速バスとなっているのも特徴(予約済乗車券を持って乗車する乗客は意外と少ない気がしますが…)ですが、箱根フリーパス通用エリアにもなっており、一般道路走行区間となる東名御殿場IC・御殿場駅~箱根桃源台~山のホテル間は、仙石~箱根桃源台間を除いて一般路線の本数が極めて限られ、一部は一般路線が全く走らない区間になる事もあって、実態はこの区間内での地域内輸送を兼ねています。

定員に達しない限りは予約がなくても予約席(前の方から順に埋まっていく様です)を除く任意の座席に座れ、箱根桃源台まではそこそこの本数が運行されていますので、箱根フリーパスを所持していれば、静岡・神奈川県境の乙女峠を越える区間などは、一般の路線バス感覚で手頃に高速バス乗車を堪能出来ますが、三菱ふそう製バスが大勢を占める同社においては、最新鋭の三菱ふそう製観光・高速用バス「Aero Ace」(エアロエース)も既に数台導入されています。

Aero Aceは昨年発売開始されたばかりの三菱ふそう製最新型観光・高速バス用車両で、同社の先代モデル(デザインの事で、その間にエンジンなどの下回りは改良が加えられていますが…)は10年以上続いただけあって、それなりに完成度も高い車両でしたが、最近はいすゞ・日野の両ブランドでインパクトの強い外観が特徴の「GALA/SELEGA」(前者はいすゞ・後者は日野のブランド名ですが、どちらも車両自体はほぼ同等で、この両者を合わせてSELEGALA(これは正式な名称ではありません)などと呼ぶ人も居る様です)が登場した事等にも触発されたのか、久々のフルモデルチェンジとなっています。

この車両のデザインはリアの窓形状などはかなり特徴的ながらも、割合重厚な印象が強かった先代や、極めて特徴的な外観で好みが大きく分かれそうな新型GALA/SELEGAとは趣が異なり、外観は意外とシンプルな印象の車両ですが、実車を見ると構想図(これを最初見た時は、先代に比べてという気もしたのですが…)よりもずっと見栄えがする車両と感じ、Aero Aceに小田急グループ観光バス塗装の組み合わせもよく似合っていると感じたものです。

またAero Ace自体は小田急箱根高速バス以外にも、各地で導入が進んでおり、MAKIKYUも既にJRバス関東や東京空港交通、観光バス事業者の車両が走る姿を何度か目撃していますが、御殿場駅~東名御殿場ICという短区間ながら、先日小田急箱根高速バスで初めて乗車する事が出来ました。
(これだけ乗れば充分と言う方も居られるかと思いますが…)

これは御殿場駅で箱根方面へ向かうバス(山のホテル行きに乗車する前に、一本前の箱根桃源台行きにAero Aceが来ればと思っていたのですが…)を待っている際に、御殿場駅でほぼ同時刻に反対方向の新宿行きでやって来た車両に、箱根フリーパスで飛び乗ったもので、写真は東名御殿場IC(停車するのは高速を出入りするバスのみで、箱根方面へ向かうバス(箱根方面から御殿場を目指すバスも)はすぐそばを通過していきますので要注意です)でバスを下車した際に撮影したものですが、車内も蛍光灯が中央にずらりと一列に並んだ様子(写真はありませんが…)が特徴的でした。

ちなみに小田急箱根高速バスは高速バスとは言っても、先に触れた通り新宿~御殿場~箱根桃源台・山のホテル間の路線では、一部区間の実態は一般路線に近いものがあり、箱根フリーパスなどを所持していれば、通用区間内ではやって来たバスに一般の路線バス感覚でふらりと乗車する事も可能です。
(PASMOなども利用可能ですが、一般路線バスや一部の短距離高速バスなどとは異なり、運賃箱に直接現金を投入するのでなく、乗車券を発券するシステムは高速バスならではですが…)

この様にふらりとやって来たAero Aceに、手頃に乗車できる路線はまだ限られますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も箱根エリアを廻る際にAero Aceを見かける機会がありましたら、是非一度乗車してみては如何でしょうか?
(ただAero Aceは新宿発着路線だけではなく、羽田空港発着路線にも充当される模様で、MAKIKYUが先日乗車した車両(同ナンバー)が同線に運用された際の様子が、リンク先サイト様の「八草きよぴ非公式モリゾー愛ブログ」でも取り上げられていますが、こちらは路線バス感覚でふらりと短距離乗車する事は出来ませんので要注意です)


京急110年記念の歴史ギャラリー・電車編

2008-06-14 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

   

先日取り上げた京急電鉄1000形「京急110年記念の歴史ギャラリー号」ですが、この列車のラッピングは出来栄えの評価が大きく分かれそうなモノ(京急で最近流行している「ブカブカ」した感触の座席程ではありませんが…)とはいえ、車内の広告枠を飾るギャラリー作品はなかなかのモノと感じたもので、今日はそれらの作品の中でも、京急の電車に関するものを幾つか取り上げたいと思います。

まず1枚目の写真は「京急110年記念の歴史ギャラリー号」の概要などを紹介する広告で、ラッピングのモデルにもなった車両の写真と共に、この列車の概要なども記されていますが、内容は同等ながら、サイズの異なるものも車内では散見される状況で、また車端の広告枠部分に掲げられている写真の案内は、紙質も一般の吊り広告などに比べるとかなり厚手で高級感のあるものが使われているのも印象的でした。

2枚目はこのギャラリー列車にもなっている1000形の登場当時の姿で、同形は当初前面の貫通扉なしのスタイルで登場したものの、数年で地下鉄直通に対応するために貫通路付きのスタイルに改められ、このスタイルで永年走り続けていますので、この姿を見ても予備知識がなければ1000形という印象は感じられず、快速特急で活躍した2扉クロスシート車の旧600形(この車両も20年程前に京急線からは退いていますが、冷房付きカルダン駆動車という事もあって、かなりの経年車で随分改造されているとはいえ、今でも一部は高松琴平電気鉄道で活躍しています)を連想してしまう方も多いかと思います。

3枚目は昭和56年(1981年)の通勤快特登場を取り上げたもので、今もこのギャラリー列車をはじめ一部が活躍する1000形で、写真の分散型クーラーを載せた比較的初期の1000形は、既に京急線上からは全廃(高松琴平電気鉄道に譲渡された車両の中には現役車両もあり)となっていますが、白地に黒文字の字幕(比較的最近の英文字入りタイプ除く)も今では見られなくなっています。

少し前の京急の典型的イメージとも言えるこのシーンは、今ではもう見られなくなっており、それどころか一時期隆盛を誇った1000形の12両運転自体がもうそろそろ…という状況ですので、時代の流れを感じさせられます。

4枚目は昭和63年(1988年)の創立90周年記念列車「ファンタジックトレインみらい号」で、今110周年記念列車を走らせている京急が、20年前にもやはり特別塗装の列車を走らせていたのかと感じるシーン(MAKIKYUはこの列車の記憶はありませんが…)ですが、車両も今は3扉ロングシート車に改造(車端部のみボックス席を存置)され、ラッシュ用などの影の薄い存在となっている同形が、快特として第1線で大活躍していたシーンでもあり、この様な写真を見ると、今ではラッシュ主体の地味な車両という感が強く、ダイヤ遅延の大要因ともなっている2000形(これは高速向けとなっている同形の4両編成を、当初想定外だった高加速が求められる普通車にも運用している事に原因があり、車両よりも運用面での問題ですが…)も、なかなか華やかな車両だったと感じさせられるものです。
(これは2扉クロスシート車時代の2000形に何度も乗車しているが故に連想させられ、この頃を知らない方にはイマイチ感触が湧かない話かもしれませんが…)

また電車に関してはこれ以外にも様々なものが取り上げられており(興味のある方は是非この110年記念の歴史ギャラリー列車に乗車してみて下さい!)、それ以外にバスや沿線に関する作品なども多数取り上げられていましたが、バスに関しては追って別記事で取り上げたいと思います。


こんな所にもペンギンの罠が…小田原~菊名・新横浜間でのICカード利用は要注意

2008-06-11 | ニュース記事講評

昨日MAKIKYUは日帰りで箱根へ出向いており、その際に乗車した交通機関などは追って取り上げたいと思っていますが、帰りに小田原駅からJR線を利用した際には、随分気になる掲示が出ており、今日ここで取り上げたいと思います。

気になる掲示とは、「小田原~菊名・新横浜間をICカード利用で移動する際の運賃」に関してで、MAKIKYUは日頃これらの駅を利用する頻度は少なく、さほど影響ない話なのですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、小田原駅や新横浜駅を頻繁に利用されている方も居られるかと思いますので、注意喚起も兼ねて少々取り上げておきたいと思います。

具体的な内容は写真を見ても分かるかと思いますが、ICカード(PASMO・ICOCA・Suicaなど)で小田原~菊名・新横浜間(JR線)を利用した場合、そのまま自動改札機にICカードをタッチして利用すると、自動券売機で乗車券に引き換えて利用した場合に比べて割高になるというものです。

この様な事例は他にも西日暮里乗換え(JR線の間に地下鉄千代田線を挟むパターン)などがあり、これはICカード利用時の運賃計算方法が一般の運賃計算方法と異なり、区間によって割高になったり、逆に割安になったりするというものですが、小田原駅に出ているこの写真の事例では、ICカードを直接利用する事で運賃上のメリットを得られるケースはなく、西日暮里の事例よりも更にタチが悪いと言えます。

しかも小田原~菊名・新横浜間でのICカード直接利用時に、損する金額は数十円程度の金額ではなく、片道だけでも結構大きな金額ですので、改札機にカードをかざすだけで乗れる便利さの代償としては、あまりに高過ぎると言えます。

ちなみにこの告知は券売機上にあったものですが、さほど大々的に告知されていない様に思えるのは、ペンギン(Suicaイメージキャラクター)が仕掛けた罠を敢えて目立たせない様にした上で、ICカード利用の促進にブレーキを掛けたくないからなのかもしれませんが、ICカードの利用が進む事で事業者側にも改札機メンテナンス費用(IC専用機はメンテナンス費用も割安)や、乗車券用紙代の削減(これは環境の面でもプラスです)、またICカード利用者が増加すれば券売機の設置台数も減らせる事等を考えると、敢えてデポジット(預かり金)を払ってまでICカードを利用しているユーザーに、寧ろその一部を還元して欲しいと感じるものです。

具体的にはICカード利用時に普通乗車券利用より若干安い運賃を適用する事(韓国・ソウルのT-Moneyなどで実例あり)や、一旦改札を出る事例も含めての最安経路の適用などが考えられますが、現状ではクレジット会員への僅かなポイント還元などに留まっており、それ以外ではきっぷを買わずに乗り降りできる便利さ以外はメリットに乏しい状況ですので、せめて「恩を仇で返す」とでも言うべきこの小田原~菊名・新横浜間の様な事例だけでも、特定運賃を設定するなどを策を講じ、何とか改善して欲しいと感じたものです。


磐梯東都バス・森のくまさん号~BDFを用いる環境に考慮したボンネットバス

2008-06-10 | バス[東北]

   
 

先月会津方面を訪問した際は、会津ぐるっとカードと呼ばれる、会津エリアの鉄道・路線バスが乗り放題になる乗車券を用いて動き回っていたのですが、その際には裏磐梯を走るボンネットバス・森のくまさん号に乗車する機会もあり、今日はこのバスに関して取り上げたいと思います。

森のくまさん号は、北塩原村がこのエリアで現在路線バスを運行する東都観光系列の磐梯東都バスに運行委託しているバスで、可愛らしいくまさんのマークが描かれたこのバスは、冬場と火・水曜日以外の日に運行しています。
(ただ車両整備の関係などで、時折一般車両が代走する事もある様です)

車両は他でも幾つかのボンネットバスで使われているいすゞ製のBXD30型で、森のくまさん号で現在使用している車両も、元は滋賀県の江若(こうじゃく)交通が昭和42年(1967年)に導入した車両です。

板張りの床となっている車内をはじめ、跳ね上げ式のウインカーなどを見ると、相当な年代者の車両である事を実感させられ、ギアが1速~4速までしかないのも大きな特徴(今の路線バスは、通常1~5速まで、車両によっては更に6速まであります)で、乗り心地も今のバスとは大きく異なるものなっていますが、それでも中国で走っているボロバスなどに比べれば、これでも意外と快適なのでは…と感じるものでした。
(彼の地を走る路線バスは座席が硬いプラスチックや板で、道路状況に加えて大気の悪さや、燃料の揮発する様な異臭を放っている事も大きいかと思います)

路線は高原周遊コース(3本)と桧原湖周遊コースの1種類があり、どちらも裏磐梯高原駅を起終点とする循環運行となっていますが、高原周遊コースは実質的に桧原湖周遊コースの途中で折り返して運行する路線と言っても良い状況になっています。

その事もあってか高原周遊コースは所要30分程度となっているのに対し、桧原湖周遊コースでは乗り通すと所要約1時間半を要しますが、後者は桧原湖畔の狭路も存在するかなり景色の良い箇所(ボンネットバスは元々悪路走行を想定した車両ですので、その点でもこの車両の充当は妥当と言えます)を走り、乗車しているだけでも充分楽しめますので、時間に余裕があるならこちらがおススメですが、高原周遊コースは手頃にボンネットバス乗車が楽しめますので、時間が限られる状況で希少なボンネットバスに少しでも…というならば、こちらへ乗車するのも良いかと思います。

運賃も一応対キロ運賃(初乗り160円)となっており、現金乗車であれば一般路線バスとの並行区間に関しては、一般路線と同額での乗車も可能ですが、森のくまさん号にのみ乗車可能な桧原湖フリー周遊券(森のくまさん号全線に乗車可能・大人1000円)と高原フリー乗車券(高原周遊コースが走る裏磐梯高原駅~休暇村裏磐梯間で利用可能・大人500円)も用意されていますので、裏磐梯エリアへ自家用車などでアクセスし、森のくまさん号に乗車して桧原湖周遊を楽しむ場合などは、フリー乗車券も利用価値はありそうです。

あと森のくまさん号ではワンマン運転を行っておらず、車掌乗務となっている点も、レトロバスの雰囲気を更に盛り上げるものとなっていますが、その一方で近隣のホテルなどで発生した天ぷら油を精製したバイオディーゼル燃料(BDF)を用いているのも大きな特徴で、古い車両というと黒煙をモクモク・環境面でも…という印象をお持ちの方も居られるかと思いますが、この車両はレトロ調の新型車ではなく本物のレトロバスを用いていながらも、周囲の環境保全に考慮している事も、大いに評価できる点であると言えます。

またMAKIKYUはぐるっとカードを利用して森のくまさん号に乗車したのですが、猪苗代や喜多方から磐梯東都バスの路線バスで裏磐梯高原駅などへアクセスし、森のくまさん号に乗車した後でまた猪苗代や喜多方へ抜ける路線バスに乗車する行程を組んだ場合は、会津ぐるっとカードの利用がおススメで、ぐるっとカードを使うと思いのほか手頃にレトロバスを楽しむ事が出来ますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も会津を訪れる機会がありましたら、是非森のくまさん号にも乗車されてみては如何でしょうか?

写真は森のくまさん号使用車両とその車内、運転席の様子と今のバスには見られない特徴的なウインカー、桧原湖畔の狭路を走行中のワンシーンです。


京急電鉄1000形「京急110年の歴史ギャラリー号」~ラッピングの出来栄えは…

2008-06-07 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

 

先日京急電鉄(最近この呼び方が多用されています)に乗車した際は、今注目されている110周年記念列車の一つで、先日の記事で取り上げた「ありがとうギャラリー号」の他に、もう一編成の110周年記念列車「京急110周年記念の歴史ギャラリー号」にも乗車する機会がありましたので、今日はこの列車に関して取り上げたいと思います。

「京急110年記念の歴史ギャラリー号」は、「ありがとうギャラリー号」と同じ1000形車両の一編成にラッピングを施したもので、こちらは4両編成となっている事もあって、主に大師線で活躍しており、MAKIKYUが先日この列車に乗車したのも大師線内でした。

本線で活躍する姿を見る機会は少ないです(ただ本線での運行も皆無ではなく、朝の快特に今や少なくなった8両編成の同形と併結して走る姿を目撃した事もあります)が、大師線は路線長も短く、稼動編成が短区間をピストン運行する形態となっていますので、同線を訪れれば割合容易にこの編成に遭遇する事が出来ます。
(ただ昼間は10分間隔運転で稼動本数が少なく、5分間隔となるラッシュ時間帯のみ稼動する運用に入る場合などもありますので要注意ですが…)

車内は「歴史ギャラリー号」と名乗るだけあって、創業当時から現代、更には未来の構想に至るまでの沿線風景や歴代車両、京浜急行グループの路線バスの写真などを広告掲載スペースにズラリと並べており、特別京急に愛着を持つ人間でなくても、これらの写真などを見ているとなかなか楽しめるもので、大師線の短い区間内ではなく、快特などの優等列車に次々と抜かされ、所要時間が非常に長い本線普通車での活躍を期待したいと感じる程(そうすればゆっくりとギャラリー見物が出来ますので…)でした。
(ギャラリーの掲載作品に関しては、別記事で近日中に取り上げたいと思います)

ただ外観の関しては、昭和初期の旧型車両をイメージしたマルーンの塗装に木製ドアの組み合わせを、塗装では表現し難い車体リベットやドア木目に至るまで再現しており、これはラッピングの特性を生かしたそれなりのアイディアとも言えるものの、平滑な車体にリベットの印刷フィルムなどは異様な感があります。

またマルーンのラッピングが中途半端な部分で切れて車体上部に原色の赤色が覘いているなど、昭和20年代頃の辛子を連想させられる塗装(?)を再現し、なかなかの出来栄えと感じさせられた「ありがとうギャラリー号」に比べると…と感じてしまうのは少々残念な所で、車内を飾るギャラリーの内容も素晴らしいだけに、せめて車体上部の赤色が覘く様(特に先頭部などは非常に目立ってしまいますので…)だけでも、何とかならなかったものかと思ってしまうものでした。

それでも鋼製車体にも関わらず、偽ステンレス車とでも言うべく不似合いな銀色に塗装して青帯を纏い、挙句の果てに途中でカラードアなどと称して各ドア毎に異なる塗装を施した醜態となり、奇抜極まりなく京急1000形(他社譲渡車両も含めて)の歴史史上は勿論、近年の首都圏を走る鉄道車両全体の中でも最悪の部類に入る車両となった、北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)への譲渡車両(現在の社名になる前の話で、7150形と名乗ったこの車両は既に退役しています)などに比べれば、遥かに良いと感じるのは言うまでもない事ですが…
(しかもみっともない装いの7150形は現役時代に京急線内にまで顔を出す事も良くあり、京急や相互乗り入れ各線沿線では原色で走る車両とのあまりの違いに、唖然とする方も多かったと思います)

写真は鈴木町駅を発車する「京急110年の歴史ギャラリー号」と、ドア付近のラッピングの様子(ドア部分の木目とリベットの印刷、車体上部に覗く赤色の原色に注目)です。


京急電鉄1000形「ありがとうギャラリー号」~この編成の更新年度は…

2008-06-05 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

昨日MAKIKYUは近場を動き回っており、その際には京急電鉄(この呼び方は少々違和感を感じますが、最近は略称でこの呼び名が多用されています)にも乗車したのですが、その際には今まで何度か遠巻きに走る姿は目撃していたものの、乗車する機会がなかった「ありがとうギャラリー号」と呼ばれる編成に乗車する事が出来ましたので、今日はこの車両に関して取り上げたいと思います。

「ありがとうギャラリー号」とは、かつては主力車両として活躍し、大分勢力を減らしつつもまだ走り続けている1000形車両の6両1編成を、京急電鉄110周年を記念して昭和20~30年代にかけて京急で採用していた朱色と黄色の塗装(個人的にこの色は、どちらも辛子を連想させられる気がしてならないのですが…)に装いを改めたリバイバル塗装列車です。

リバイバル塗装はラッピングで再現しているのが特徴で、塗装に比べると簡便な反面、下にある塗装の塗り分けなどが…という問題がありますが、それでもこの編成のリバイバル塗装は割合出来栄えも良いのでは…と感じさせられました。

「ありがとうギャラリー号」と名乗るだけあって、外観の装いを改めただけでなく、車内も広告枠を用いて一般公募で選ばれた絵などを展示したギャラリー列車となっているのが特徴で、ギャラリーとなっている車内の様は、昨年80周年を迎えた小田急線のラッピングトレインに乗車した際の事を連想させられました。

この列車は一般乗客に広く京急電鉄110周年を告知する観点でも大いに評価できるもので、6両編成で主に本線普通車に用いられる事から、この車両の運行で普通車の魅力を向上させ、普通車に乗り通す乗客を増やす事で、快特偏重に手を焼く状況(普通車の魅力を取り上げ、普通車への乗車を訴える広告を見かけた事もあります)が少しでも改善される事にも期待したいものです。


またこの編成に乗車して少々驚かされたのは、この編成の両端先頭車の車両更新年を表すプレートの年次表記が「昭和64年」(中間車は別年次)となっており、長かった昭和時代を締めくくる昭和64年は僅か1週間で終わってしまった事から、様々な場面でこの年次表記は注目(小銭などが代表格で、MAKIKYUは電車でも以前、京急とは別の私鉄で昭和64年武庫川車両製という車両(乗車した車両は現在残念ながら廃車になっていますが…)に遭遇した事があります)されますが、この事もあって敢えてこの編成を「ありがとうギャラリー号」に抜擢したのか否かも気になる所です。

あと他形式も含めて多数が普通車で走り回る6両編成の中で、1編成しか存在しないこの「ありがとうギャラリー号」に乗車した後には、某駅(JR某駅とも徒歩3~4分程度しか離れていない駅で、京急に詳しい方は写真を見ただけで何処か分かるかと思います)で折り返して来るこの列車を待ち構えて撮影したのですが、その後走り去って行く際には、偶然にも並行して走るJR線で今かなり注目を浴びている列車が走っており、狙ってもなかなか遭遇できないであろう珍車同士の併走劇を目撃する事(昨日は知人1名が同行していましたが、これには知人も驚いていました)も出来ましたので、こちらは慌てて撮影した事もあって架線柱などが邪魔して見難いものの、このシーンも一緒に取り上げておきます。


秩父鉄道・1000形リバイバル塗装の数々~一日で並びだけでなくそれぞれの姿も…

2008-06-03 | 交通関連イベント等

   

先月17日に秩父鉄道では広瀬川原車両基地(一日限りで臨時列車による旅客営業も実施)で「2008わくわく鉄道フェスタ」が開催され、昨年から今年にかけて一本ずつが旧国鉄時代の塗装に改められたリバイバル塗装1000形(旧国鉄101系)による臨時列車が運転され、会場内でオレンジ・スカイブルー・カナリアの3色が並んだシーンや、更にその脇を通った関西線色(鶯色に黄色の警戒帯)と並んだ4色並びシーンも見られました。

「MAKIKYUのページ」でもこれらのシーンを取り上げており、このイベントに参加された方の中にはこれらのシーンを目撃された方も居られるかと思いますが、先月このイベントへ足を運んだ際には、リバイバル塗装編成の並びだけでなく、幸運にも一日で各色1編成・計4編成が存在するリバイバル編成全てに遭遇する事が出来ましたので、今日はこれらの各編成に関して取り上げたいと思います。

まずMAKIKYUが熊谷駅に到着した際に目撃したリバイバル編成は、熊谷から2本が運転された臨時広瀬川原行1本目(熊谷9時40分発・広瀬川原まではノンストップ)に充当されたカナリア色編成、MAKIKYUはこの列車の発車時刻の少し前に熊谷に到着したのですが、この列車は撮影するだけで見送り、2本目の臨時列車に乗車する事にしました。

写真は熊谷駅の改札階から南口へ続く陸橋上から撮影したものですが、上から見上げると秩父鉄道移籍後に両先頭車だけ改造で取り付けられた冷房装置や、三峰口方先頭に追設されたパンタグラフ、未だ非冷房のままで残る中間車の様子などが良く分かります。

そして熊谷駅にはリバイバル塗装編成による1本目の臨時列車発車前から、今年に入って関西線色に塗り替えられたリバイバル塗装編成が停車しており、2本目の臨時列車待ちの間にホームから撮影したもので、2本目の臨時列車はこの編成?という感じもしましたが、この編成はわくわく鉄道フェスタの看板こそ掲げているものの、イベント会場への臨時列車やイベント会場での公開には充当されず、その後一般の定期列車に充当されていました。

熊谷駅発2本目の臨時列車(熊谷10時25分発)は羽生発普通列車(熊谷着10時24分)と接続と案内されていましたので、発車時刻より前に入線してくるものとも思っていたのですが、MAKIKYUも乗車した2本目の臨時列車は、羽生発熊谷行普通列車にスカイブルー塗装の編成が充当され、熊谷からそのまま広瀬川原まで延長運転されて会場内での公開に供され、写真は会場(広瀬川原駅)内で臨時列車を降りた後に撮影したものです。

こうなると後はオレンジ色の編成が来ればリバイバル塗装4編成が全て捕獲できる事になり、オレンジ色の編成は熊谷発臨時列車2本が広瀬川原駅(イベント会場)に到着した後に寄居から運転された臨時列車(途中武川停車)に充当され、これで日頃は運用が特定されておらず、全編成の捕獲は難しいリバイバル塗装4編成全てが、あっさりと捕獲できたものでした。

オレンジ色の編成は3本のリバイバル塗装編成が並んだ会場内でも、最も本線寄りに停車した事もあって、会場内で編成全体も写しやすく、その上この編成だけはわくわく鉄道フェスタ看板の代わりに、かつての101系中央特快の雰囲気を演出しながらも、秩父鉄道ならではのオリジナリティを感じさせられる「秩父路特別快速」(通常この様な列車は運転されません)というヘッドマークが掲出されたのも大きな特徴で、MAKIKYUも最初このヘッドマークを付けた姿で寄居発臨時列車が広瀬川原駅(イベント会場)に入線した際は、随分驚かされたものです。

会場内で公開に供された1000形リバイバル塗装各編成は、最初にオレンジ色の編成が1本目の広瀬川原発羽生行臨時列車(広瀬川原14時9分発)に充当され、MAKIKYUもこの列車に乗車してイベント会場を離れたのですが、この列車は途中熊谷・行田市のみに停車する快速(?)運転ながら「秩父路特別快速」のヘッドマーク掲出はなく、種別幕も臨時を掲出した状態での運行でした。

また羽生行2本目の臨時列車(広瀬川原14時34分発)はスカイブルー編成、影森行臨時列車(広瀬川原14時54分発・この列車のみ各駅停車)はカナリア編成が充当された模様で、熊谷・羽生方/寄居・秩父方それぞれで、往復で異なる塗装のリバイバル塗装編成に乗車できる様になっていました。

あと今回のイベントでは臨時列車や会場内での公開に供されなかった関西線色編成が、10時頃に過半数のイベント参加者が会場へのアクセスで用いたと思われる熊谷駅に停車していた事も、その後関西線色編成が一般の定期列車に運用された際に、イベント会場付近で敢えて徐行していた事、この編成を含めたリバイバル塗装各編成に特製ヘッドマークを掲出していた事などを考えると、4編成をうまく捕獲できたのは偶然というよりも、多数が集まるイベントに向けて敢えて車両運用をやり繰りしたと考えた方が良さそうな状況でした。

今後も現在は現役車両は秩父鉄道のみしか存在しておらず、希少な存在(秩父鉄道では最もありふれた存在ですが…)とも言える旧国鉄101系を活用したイベントなどが開催される事にも期待したいものです。