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トランス脂肪酸、米が使用禁止。 これにより「心臓発作を予防」、冠動脈性心疾患も減少!

2013-11-12 16:24:39 | 健康・医療・スポーツ
米食品医薬品局(FDA)は7日、一部の菓子類やマーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸の成分は「一般的に安全とはみなされなくなった」と加工食品への使用は禁止されることになりました。FDAのハンバーグ局長は今回の措置について、「トランス脂肪酸の潜在的危険からより多くの米国人を守るための重要な1歩」と位置付け、FDA当局者も「健康への影響を考えると、できるだけ迅速に対応したい」と表明しました。

冷凍ピザやマーガリン、コーヒー用クリームなどに含まれるトランス脂肪酸は、心疾患のリスク増大との関連が指摘されています。主成分の部分水素化油脂は、マーガリンやショートニングなどの固形油脂を製造するために液状の油脂に水素を添加して人工的につくられるものです。なお、一部の食肉や乳製品に天然に含まれるトランス脂肪酸は今回の規制対象には含まれません。

米国では加工食品からトランス脂肪酸を締め出す動きが進んでおり、例えばファストフード大手マクドナルドのウェブサイトには、揚げ油にトランス脂肪酸は使われていないと明記している。米食品業界団体によると、メーカー各社の自主的な取り組みで、食品に使われるトランス脂肪酸は2005年以来、73%以上減ったと言います。

FDAによると、米国の消費者が1日に摂取するトランス脂肪酸の量は、2003年の4.6グラムから、2012年には約1グラムに減ったそうですが、「現在の摂取量であっても、健康上の重大な不安が残る」としています。トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させることが分かっており、摂取しても安全という基準は存在しないと同局長は強調しました。

米心臓協会や医学界などもFDAの方針を歓迎し、「トランス脂肪酸を含む食品を食べると心疾患のリスク要因である悪玉コレステロールが増えることは、科学的に実証されている」とコメントしています。世界保健機関(WHO)も世界で供給される食品からトランス脂肪酸をなくすよう呼びかけています。過去20年でトランス脂肪酸の規制に乗り出した米国やブラジル、デンマーク、韓国などの各国では、効果が実証されていると言います。

米疾病対策センターの試算によると、人工的に精製されたトランス脂肪酸を含む食品を避ければ、年間1万~2万人の心臓発作が予防でき、冠動脈性心疾患による死者は3000~7000人減少するとしています。

トランス脂肪酸を多く含む食品の代表的なものにマーガリンやファットスプレッド(油脂含有率が80%を超えるものがマーガリン、80%未満がファットスプレッドです。)やショートニング(ファーストフード店での揚げ物にはからっとした食感が得られ、長持ちするショートニングが使われている場合がある)などがあり、トランス脂肪酸の含有比率はデンマークでの2%以下など一部の国では規制がなされています。

日本では特に規制はなく、日本のマーガリン類には脂質の8%程度のトランス脂肪酸が含まれていると言います。しかし、諸外国と比較して食生活におけるトランス脂肪酸の平均摂取量は少なく、相対的に健康への影響は少ないと主張する説もあります。食品安全委員会の調査報告では、日本人が1日に摂取するトランス脂肪酸は全カロリー中0.3%(食用加工油脂の国内の生産量からの推計で0.6%)で、米国では2.6%です。これはWHO勧告にある1%未満をクリアしています。ただしこれは日本人として平均的な食生活を営んでいる場合のことで、食の嗜好の多様化により望ましくないレベルのトランス脂肪酸を摂取してしまう人が存在する可能性はあるということです。