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日本の安保政策は「変革」ではなく「進化」?

2015-07-23 10:58:28 | 政治(国内・海外)
先週16日、日本の安全保障政策にとって歴史的な転換点になりかねない安保関連2法案が衆議院を通過しました。これを受けて、日本が数十年続いた平和主義政策から逸脱しようとしているとの批判が声高に叫ばれたのです。しかし、こうした批判は日本の過去の平和主義と、最近の動きの外見上の攻撃性を共に誇張し過ぎていると言います。

 この2法案は多国間で安全保障のための協力を行うことに法的根拠を与えるでしょう。これまで「集団的自衛権」は憲法違反と考えられてきましたが、この法案が参議院で可決されれば(または「60日ルール」を適用して衆議院で再可決されれば)、この法案は成立し、自衛隊が同盟国を支援するために戦闘に関与することが可能となります。例えば、日本を防衛している米国を支援したり、日本の安全が脅かされている状況で他の安全保障上のパートナーを支援したりすることが可能になるのです。

 こうした防衛の役割拡大を受け、日本が戦後の平和主義的な安全保障戦略から逸脱しようとしているという批判の声が強まっています。ただ、日本政府がこれまで実際に平和主義を追求したことは一度もない。そうなっていた可能性はありましたが。第2次世界大戦後の数年間、日本の左派の多くは平和主義的スタンスを強力に主張しました。日本の革新主義者は日本が米国の軍事的冒険に巻き込まれることを恐れたほか、中国や旧ソ連を敵に回す必要がないと主張し、日米同盟に反対しました。

 日本の革新主義者は再武装を非難しました。彼らは憲法9条で戦力不保持が定められていると指摘し、憲法を再解釈して政府が専守防衛のための部隊を創設することに異議を唱えました。20世紀の日本の帝国主義について、多くの人は軍に外交政策が「乗っ取られた」と非難し、軍の影響を縮小する最良の方法が平和主義だと信じました。

 このように、平和主義は国内外で熱烈な支持を受け、強力な政治論理となったのです。しかし、日本政府は限定的再軍備と米国との同盟という大きな戦略を採用することで平和主義を決定的に捨て去ったのです。

 この戦略の下、日本政府は米国政府に「責任を転嫁」したのです。つまり、米国が日本の防衛負担を背負う一方、日本は経済再建に集中したのです。確かに日本も防衛に貢献しました。日本国民(特に沖縄の人々)は米軍基地という侵略的な足跡を感じています。日本の納税者はこれら基地への補助金を負担しました。また、朝鮮戦争やベトナム戦争の際には、日本が重要な軍事的後方支援を提供することもありました。

 ただ、この責任転嫁戦略では、直接的な脅威に直面して初めて日本が軍事力や軍事的役割を拡大するはずだったのです。つまり、戦後数十年間、日本はほとんど軍事力を構築してこなかったのです。

 しかし、1970年代半ばから、旧ソ連が東アジアで軍備を増強し始めました。日本はこれに対し、後に世界水準となる海軍力を構築したほか、日米同盟で新たな役割を担うことで応じたのです。

 同様に、今日の東アジアが一段と危険になる中、保守的な指導者らは日本がこれに対応すべきだと主張しています。現在、日本は台頭する中国に直面しているのです。つまり、中国の富や軍事力の急成長、中国の海軍力増強、日本への憤りや敵意を抱かせる(戦争関係の)記念行事や教育政策、日本が保有していると信じる島々に対する強引な領有権の主張、その他の(特に南シナ海での)領土紛争でも妥協しない姿勢――に直面しているのです。

 こうした脅威の高まりを考えると、日本の軍事活動が拡大するのは驚きではないし、戦後政策を破棄したことにもなりません。新たな安全保障法案は、単に政府が最近行った大戦略の調整にすぎないのです。この大戦略において、日本はそれが可能なときにはあまり行動せず、必要となればより積極的に行動するのです。

 安全保障関連法が成立したとしても、日本が世界の超大国の中で最も平和主義的であることに変わりはありません。日本の防衛費は国内総生産(GDP)の1%です(その3倍の割合を持つ中国とは対照的です)。日本政府は経済の再活性化や人口減少への対応といった国内問題に忙殺されています。日本の「タカ派」が支持する国家安全保障政策はカナダの政策より左寄りです。そして、国会議事堂の前で安全保障関連法案に抗議する群衆が証明しているように、日本人は最も抑制された軍事力行使に対してさえ深い疑念を持ち続けています。

 日本の安全保障関連法案は確かに歴史的な事柄ですが、従来の戦略を突然うち捨てたとは言えません。これは拡大する脅威に直面している、平和的でかつ非常に責任を重んじる国が、長期的な展開の中で踏み出した一歩なのです。このように、今回の動きには日本の安全保障政策における変化というよりも、むしろ継続性が示されているのです。(ソース WSJ)

こうしてみるといかにもアメリカ人らしい考えで、日本の事情を考慮しているとは思えませんが・・・。

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