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モノのインターネット、実は「閉じた世界」!

2016-05-21 18:48:46 | ネット、ビジネス、IT
「モノのインターネット(IoT)」はハイテク業界で流行語の一つだが、名が体を表しておらず、それがハイテク業界の大きな問題となっています。

 IoTは、アルファベット(GOOGL)のスマートホーム用基盤技術である「Nest(ネスト)」、アップル(AAPL)の腕時計型端末である「アップル・ウオッチ」、安価なものではフィットビット(FIT)のブレスレット型活動量計といったさまざまなガジェット(小道具)で構成される。しかし、「相互に接続する」というインターネット本来の意味では、IoTはインターネットの一部とは言えません。

 インターネットは多数の異なるコンピューター・ネットワークを接続させて相互に通信できるようにするための手段です。さまざまな活動がインターネットで統合されることで大きな力が生まれます。一方、現在の形のIoTは、本当の意味では接続されていない電子機器の寄せ集めであり、「閉じた世界」にすぎません。

•顧客囲い込みの手段

 IoTはインターネットの反語とも言えるものえす。というのも、IoTはインターネットが登場する前の1960年代に出たコンピューター・システムと似通っているからです。インターネットの父と呼ばれる、コンピューター科学者でカリフォルニア大学ロサンゼルス校のレオナルド・クラインロック教授が、後にインターネットに進化するネットワークを通じてメッセージを送信したのは1969年10月29日のことです。この独創的な取り組みが、そこから数十年に及ぶワールド・ワイド・ウエブ(WWW)や電子商取引、フェイスブック、スマートフォン・アプリといった電子コミュニケーションの発展につながったのです。

 それとは対照的に、IoTのような閉じた世界はパーソナル・コンピューティングの発展を阻害するかもしれません。理由の一つは、フィットビットの活動量計やアップル・ウオッチがパソコン(PC)やスマートフォンのような普遍的な魅力を持たないことです。もう一つの理由は、それらが独立した接続機器ではないことです。スマートフォンの付属品として販売され、所有する喜びをそいでしまっています。インターネットと異なり、全てのものに対して開放されているわけでもありません。これらの機器は、ユーザーを「エコシステム」(この言葉は、フィットビットやアップル、グーグルが経常的収益を目的としたユーザーの囲い込みを形容する言葉として流行している)に吸い上げるための手段となっています。

•必要なのは強力な公的機関の関与

 こうしたガジェットを相互にコミュニケーションさせるための取り組みはありますが、こうした取り組みそのものが分断されたネットワークによるものです。こうしたネットワークには、グーグルの「Brillo(ブリロ)」、アップルの「HomeKit(ホームキット)」、半導体メーカーでIoT機器の開発に力を入れているクアルコム(QCOM)の「AllJoyn(オールジョイン)」などがああります。こうしたさまざまな当事者が、おそらくは善意からIoTを「開かれた世界」に戻そうとしていますが、うまくはいかないでしょう。

 はるかに大きな取り組みが求められています。それはインターネット・コンピューティングの第2の波であり、クラインロック氏が47年前に追求したのと同じように野心的なものでなければなりません。

 産業界が忘れがちなのは、クラインロック氏のプロジェクトが公的機関である米国防高等研究計画局(DARPA)の支援を受けていたことです。アップルやグーグルなどのIT企業は自らの機器に依拠しているため、極めて複雑なシステムを構築しようとしています。こうした混乱からわれわれを救い出すには、真に強力な公的機関による取り組みが必要となるでしょう。(ソースWSJ)

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