ドナルド・トランプ氏は、米大統領選の共和党候補者討論会(21日にユタ州で予定)への参加を拒否しましたが、ツイッターでは議論を続けるようです。同氏は17日、ツイッターで「WSJ論説委員会のまぬけども」とわれわれを名指しし、民主党候補指名争いで首位に立つヒラリー・クリントン前国務長官の得票数がトランプ氏を約100万票上回っているとわれわれが正確に指摘したことについて、謝罪を要求しました。真実を受け入れるのはつらいでしょうが、トランプ氏の非難はお門違いです。
トランプ氏は、自分の得票数とクリントン氏の得票数は比較できないとし、その理由として「彼女はライバルがたった3人だったが、私には16人いた」と説明しました。実際、トランプ氏の台頭は大勢の乱立する共和党候補者によって可能となっているのです。共和党予備選で現在までに投じられた2035万票のうち、トランプ氏が獲得したのは754万票、全体のわずか37%です。その勢いは止めようがないと盛んに報じられていますが、トランプ氏は1976年のジェラルド・フォード氏以来、最弱の共和党筆頭候補なのです。
レーガン氏以降、1988年のジョージ・H・W・ブッシュ氏も、1996年のボブ・ドール氏も、2000年のジョージ・W・ブッシュ氏も、序盤にちょっとした後退があっただけで圧倒的な強さで指名を勝ち取っています。ミット・ロムニー氏とジョン・マケイン氏は、トランプ氏のようにスーパーチューズデー以降に苦しい局面が続きました。しかし、予備選の日程や代議員の配分方法は選挙サイクルによって異なるとはいえ、ロムニー氏もマケイン氏も選挙戦の現段階でトランプ氏よりもはるかに健闘していました。
2012年、ロムニー氏はリック・サントラム氏、ニュート・ギングリッチ氏と三つどもえのレースを演じました。ほかにロン・ポール氏も票を集めていました。しかし、われわれの計算によれば、ロムニー氏は3月半ばまでに21州の予備選・党員集会で勝利し、代議員の57%を獲得していました。トランプ氏は18州で勝利し、47%の代議員を獲得しています。ロムニー氏は残りの予備選を納得のいく得票差で制しました。トランプ氏はどの州でも得票率が50%を割っているのです。
2008年に出馬したマケイン氏は、ロムニー氏よりもさらに強い支持を得て指名を受けており、その年にロムニー氏にも勝っています。現段階でマケイン氏は24州で勝利し、59%の代議員を獲得していました。
トランプ氏には熱心な支持者がいますが、共和党員も含めて、同じくらい熱心に反対している人たちもいます。世論調査会社ギャラップが3月10日~16日に行った調査によると、共和党員の中でトランプ氏を好意的に見ている人の割合から否定的に見ている割合を差し引いた「純好感度」は22%でした。激戦の場合、いっときは好感度が押し下げられることが多いのですが、現時点のロムニー氏の純好感度は28%、マケイン氏は30%でした。
米政治専門サイト、リアル・クリア・ポリティクスの世論調査の平均によると、トランプ氏を否定的に見ている成人の割合(61%)は、好意的に見ている人の割合(32.5%)の2倍に上ります。また、ギャラップはリポートで次のように指摘しています。「われわれが現在の形で好感度調査を開始した1992年の大統領選以降で、トランプ氏は米2大政党の指名を勝ち取ったどの候補よりも好感度が低い」と。
トランプ氏は17日、ツイッターでさらに「有り難いことに、彼らが論説で何を言おうと誰も気にしない。特に私は!」とつぶやきました。彼がこんなに忠実なWSJの読者だったとは喜ばしいことです。われわれはトランプ氏が11月の本選で確実に負けるとも考えていません。クリントン氏の好感度も過去最低水準にあるためです。
しかし、トランプ氏にはクリントン氏と合同で取りかかるべき大掛かりな修復作業があります。同氏が気にすべきは、15日の出口調査でトランプ氏とクリントン氏が指名を受けた場合、第3政党の候補者支持を検討すると答えた39%の共和党有権者と、11月の本選でトランプ氏には投票しないと答えた44%の非トランプ派の共和党有権者の意見です。トランプ氏がツイッターで好んでつぶやく言葉を借りるならば、「気をつけた方がいいだろう」というわけです。(ソースWSJ)
トランプ氏は、自分の得票数とクリントン氏の得票数は比較できないとし、その理由として「彼女はライバルがたった3人だったが、私には16人いた」と説明しました。実際、トランプ氏の台頭は大勢の乱立する共和党候補者によって可能となっているのです。共和党予備選で現在までに投じられた2035万票のうち、トランプ氏が獲得したのは754万票、全体のわずか37%です。その勢いは止めようがないと盛んに報じられていますが、トランプ氏は1976年のジェラルド・フォード氏以来、最弱の共和党筆頭候補なのです。
レーガン氏以降、1988年のジョージ・H・W・ブッシュ氏も、1996年のボブ・ドール氏も、2000年のジョージ・W・ブッシュ氏も、序盤にちょっとした後退があっただけで圧倒的な強さで指名を勝ち取っています。ミット・ロムニー氏とジョン・マケイン氏は、トランプ氏のようにスーパーチューズデー以降に苦しい局面が続きました。しかし、予備選の日程や代議員の配分方法は選挙サイクルによって異なるとはいえ、ロムニー氏もマケイン氏も選挙戦の現段階でトランプ氏よりもはるかに健闘していました。
2012年、ロムニー氏はリック・サントラム氏、ニュート・ギングリッチ氏と三つどもえのレースを演じました。ほかにロン・ポール氏も票を集めていました。しかし、われわれの計算によれば、ロムニー氏は3月半ばまでに21州の予備選・党員集会で勝利し、代議員の57%を獲得していました。トランプ氏は18州で勝利し、47%の代議員を獲得しています。ロムニー氏は残りの予備選を納得のいく得票差で制しました。トランプ氏はどの州でも得票率が50%を割っているのです。
2008年に出馬したマケイン氏は、ロムニー氏よりもさらに強い支持を得て指名を受けており、その年にロムニー氏にも勝っています。現段階でマケイン氏は24州で勝利し、59%の代議員を獲得していました。
トランプ氏には熱心な支持者がいますが、共和党員も含めて、同じくらい熱心に反対している人たちもいます。世論調査会社ギャラップが3月10日~16日に行った調査によると、共和党員の中でトランプ氏を好意的に見ている人の割合から否定的に見ている割合を差し引いた「純好感度」は22%でした。激戦の場合、いっときは好感度が押し下げられることが多いのですが、現時点のロムニー氏の純好感度は28%、マケイン氏は30%でした。
米政治専門サイト、リアル・クリア・ポリティクスの世論調査の平均によると、トランプ氏を否定的に見ている成人の割合(61%)は、好意的に見ている人の割合(32.5%)の2倍に上ります。また、ギャラップはリポートで次のように指摘しています。「われわれが現在の形で好感度調査を開始した1992年の大統領選以降で、トランプ氏は米2大政党の指名を勝ち取ったどの候補よりも好感度が低い」と。
トランプ氏は17日、ツイッターでさらに「有り難いことに、彼らが論説で何を言おうと誰も気にしない。特に私は!」とつぶやきました。彼がこんなに忠実なWSJの読者だったとは喜ばしいことです。われわれはトランプ氏が11月の本選で確実に負けるとも考えていません。クリントン氏の好感度も過去最低水準にあるためです。
しかし、トランプ氏にはクリントン氏と合同で取りかかるべき大掛かりな修復作業があります。同氏が気にすべきは、15日の出口調査でトランプ氏とクリントン氏が指名を受けた場合、第3政党の候補者支持を検討すると答えた39%の共和党有権者と、11月の本選でトランプ氏には投票しないと答えた44%の非トランプ派の共和党有権者の意見です。トランプ氏がツイッターで好んでつぶやく言葉を借りるならば、「気をつけた方がいいだろう」というわけです。(ソースWSJ)