ユーロ圏の債券市場にとって、これは見覚えのある光景です。10年物のドイツ国債利回りは2月29日、過去最低水準まで約0.05%に迫りました。3月1日はやや持ち直しましたが、それでもわずか0.13%となっています。
ドイツ10年債利回りは今年に入り、2015年序盤の動きを繰り返すように容赦なく低下しています。今年は昨年よりやや高い水準から下げ始めた一方、低下ペースは一段と速くなっています。昨年は利回りが0.1%に達したのは4月だったのですが、今年は2月末でした。
利回りがさらに低下する余地はあるのでしょうか。シティグループのアナリストによると、前回過去最低をつけた時、欧州中央銀行(ECB)の預金金利はマイナス0.2%でした。預金金利は現在マイナス0.3%に設定されており、市場では今月10日の理事会で一段の引き下げがあると予想されています。ピクテ・ウェルス・マネジメントのデータによれば、ECBの買い入れ対象となり得る債券の実に48%がマイナス0.3%より低い利回りで取引されており、量的緩和の対象から外れています。
実際、2年債利回りは昨年のこの時期の水準を大幅に下回っており、利回り曲線が2015年よりも0.3%スティープ化しています。この観点からすれば、ドイツ10年債利回りはさらに低下する余地があります。マイナス利回りは絶対価値に基づく投資に障害となるかもしれませんが、利回り曲線の形状や債券の相対価値に基づく取引では何の問題もありません。
しかし利回りがほぼゼロの10年債は極めて割高に見えるほか、国債市場は異例の金融政策によって明らかにゆがめられています。昨年の繰り返しとなっていることも、慎重姿勢を取る理由となっているでしょう。2015年に学んだように、ひとたび売り相場となれば、急速で猛烈な下げとなりかねないのです。(ソースWSJ)
ドイツ10年債利回りは今年に入り、2015年序盤の動きを繰り返すように容赦なく低下しています。今年は昨年よりやや高い水準から下げ始めた一方、低下ペースは一段と速くなっています。昨年は利回りが0.1%に達したのは4月だったのですが、今年は2月末でした。
利回りがさらに低下する余地はあるのでしょうか。シティグループのアナリストによると、前回過去最低をつけた時、欧州中央銀行(ECB)の預金金利はマイナス0.2%でした。預金金利は現在マイナス0.3%に設定されており、市場では今月10日の理事会で一段の引き下げがあると予想されています。ピクテ・ウェルス・マネジメントのデータによれば、ECBの買い入れ対象となり得る債券の実に48%がマイナス0.3%より低い利回りで取引されており、量的緩和の対象から外れています。
実際、2年債利回りは昨年のこの時期の水準を大幅に下回っており、利回り曲線が2015年よりも0.3%スティープ化しています。この観点からすれば、ドイツ10年債利回りはさらに低下する余地があります。マイナス利回りは絶対価値に基づく投資に障害となるかもしれませんが、利回り曲線の形状や債券の相対価値に基づく取引では何の問題もありません。
しかし利回りがほぼゼロの10年債は極めて割高に見えるほか、国債市場は異例の金融政策によって明らかにゆがめられています。昨年の繰り返しとなっていることも、慎重姿勢を取る理由となっているでしょう。2015年に学んだように、ひとたび売り相場となれば、急速で猛烈な下げとなりかねないのです。(ソースWSJ)