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アップル、新戦略によって株価は50%上昇の可能性!

2015-09-16 06:38:12 | 経済・金融・投資
アップル(AAPL)は新製品に関して消費者にあれこれ予想させるのが好きですが、投資家がアップルの発表に驚くことはめったにありません。しかし、今回は事情が少し違うようです。同社は、最新のiPhoneを間もなく32ドルからの月払いのリースで提供すると発表しました。消費者は12カ月ごとに無償でアップグレードを受けることができるのです。iPhoneが昨年の同社の売上高の56%を占めていることを考えると、このニュースは同時に発表された他の新製品がかすむほど強力なものでありました。

 スライベント・アセット・マネジメントのシニア・エクイティ・アナリストのピーター・カラゼリス氏は、「新製品発表は『(うわさで買い)ニュースで売る』というネガティブなイベントになる可能性があったが、この発表によって潜在的にポジティブになった」と述べています。実際、同社の株価は先週4.5%上昇し、114.21ドルで引けています。このリース・プログラム(同社の公式名称は「iPhoneアップグレード・プログラム」)が成功すれば、同社の株価は今後1年間で50%上昇する可能性があります。

•利益率に大幅にプラス

今後12カ月の予想株価収益率(PER)は11.8倍、1500億ドルの正味現金保有高を減じると予想PERは9.1倍になります。ウォール街では、今月終了の当年度の同社の1株当たり利益(EPS)は前年比34%増の9.12ドルと予想されていますが、2016年度に関してはわずか6.5%増の9.71ドルと予想されています。前述の予想PERはこの予想成長率に沿ったものです。しかし、今回発表されたリース・プログラムによって、形勢は一変する可能性があります。マシュー25ファンド(MXXVX)のポートフォリオマネジャーのマーク・マルホランド氏は、同社株は現在の水準を49%上回る170ドルの価値があるとみています。これは2015年の予想税引き前利益に対して11倍の企業価値(EV)に基づいたものです。

 リース・プログラムは、iPhoneの成長鈍化というアップルに関する弱気の主な根拠を打ち消すものであります。RBCキャピタル・マーケッツのアナリストであるアミット・ダーヤナニ氏の推定では、iPhoneのアップグレードサイクルは2013年の22カ月から26カ月に伸びています。アナリストはiPhoneの販売台数が2016年の2億3500万台で横ばいになると予想していますが、リース・プログラムはこのトレンドを覆す可能性があります。ダーヤナニ氏は「このプログラムは実質的に、12カ月のアップグレードサイクルのユーザーのグループを創り出すものだ」と述べています。問題は、このグループの規模がどの程度になるかということですが、アップルのプログラムは、携帯電話会社の割賦販売プランと直接競合するものでありますが、同社の全米266カ所の直営店は、携帯電話会社の販売店よりも優れたサービスを提供しており、アップルのプログラムで提供されるiPhoneはSIMロックがかかっておらず、消費者は理論的には通信事業者を自由に変えることが可能です。また、アップルは将来的に新製品やiCloud(アイクラウド)ストレージの優先的な提供などの特典を加える可能性もあります。ダーヤナニ氏は「同社は、携帯電話会社による囲い込みを取り上げ、それを自社のエコシステムに取り込もうとしている。これは目を見張るようなことだ」と述べています。

ダーヤナニ氏によると、このプログラムは同社の粗利利率にとって大幅にプラスであると言います。一般的なiPhoneは700ドルで販売されていて、製造原価は350ドルであり粗利率は50%になります。リース・プログラムの初年度において、新型iPhoneの売上高は384ドル(32ドル×12カ月)になります。原価を2年リースの各年に分けると1年で175ドルとなり、粗利率は55%と現在から5%ポイントの上昇となります。1年後にはリース顧客は旧モデルを返却し、新モデルを受け取り、アップルは旧モデルを整備し約500ドルで販売することができます。2年目も原価は同様に175ドルですが粗利率は65%になります。従って、2年間で考えると、各々のiPhoneは884ドルの売上高を生み出し粗利率は60%となるのです。

•3~4年後には200~250ドルの可能性も

 高い粗利率で販売されるiPhoneが増えれば、アップルの投資家にとっては良いニュースになります。また、整備品によって安価な在庫が増えるため、同社にとっては新興国への製品提供の極めて良い方法にもなります。しかし、これによって中古品市場が供給過剰になり整備品の値崩れが起こるリスクもありますが、同社はブランド価値の保護の達人であり、それが変わると考える理由はありません。マルホランド氏はリース・プログラムに対して強気であり、「同社は携帯電話会社がコストを引き受けなくなるリスクを完全に解消した」と述べています。

 新型のiPhone 6sは9月12日に予約開始となり、9月25日には発売されます。従って投資家は、今後数週間でプログラムの成否に関する手掛かりを得ることができます。リース・プログラムに関するポジティブなニュースがあれば、それは株価にとってのカタリストになる可能性があります。マルホランド氏は「アップルの適正株価は170ドル以上だ。3~4年後には軽く200~250ドルになる。そして、これは大げさな数字ではない」と述べています。(ソース WSJ)