マックンのメモ日記

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大富豪はどうやって戦艦「武蔵」を発見したか!

2015-03-13 17:36:57 | 芸術(音楽など)・文化・歴史
米マイクロソフト社の共同創業者である大富豪ポール・アレン氏率いる探査チームが、フィリピンの海で水深1000メートルの海底に沈んでいた戦艦武蔵を発見しました。武蔵と言えば、姉妹艦大和とともに当時としては世界最大の戦艦。しかし1944年10月24日、レイテ沖海戦で連合国軍との戦いに敗れて沈没、乗組員2399人のうち半数近くが命を落としました。この戦いは、第2次世界大戦中最大の海戦とされています。

実は、捜索海域を絞り込む作業が始まったのは8年以上前のことです。探査チームが主な資料を当たったところ、シブヤン海の沈没位置には4カ所の候補がありました。日本と米海軍それぞれの発表地点、乗組員救助に当たった日本の駆逐艦に残されていた記録、そして日本人の生存者が描いた地図です。探査チームはそれらの証言を基にさらに膨大な資料を集め、捜索エリアを1200平方キロほどの範囲に絞ったのです。

探査チームはアレン氏の所有する大型船「オクトパス号」に乗り込み、ソナーと音響測深機を使って調査しました。サイドスキャンソナーは音波を使って海底の地形や物体を探知する装置で、沈没船の捜索によく使われます。マルチビーム音響測深機は捜索海域の深さを測るもので、ソナーによる調査対象物も検知することができます。

ところが、対象エリアには巨大な海底火山の頂上部が広がっていたために、場所によって水深が異なり、ごくわずかな範囲でも150メートルから2000メートルの高低差があることが珍しくありませんでした。これでは、マルチビーム測深器も船で牽引するタイプの従来のサイドスキャンソナーもあまり役に立ちません。そこで今度は、自律型無人探査機(AUV)を投入することにしたのです。これならロープで引く必要もないし、不規則な地形であっても安定的にソナー調査を行えるからです。

表向きには、武蔵の発見はあっけなく成功したかに見えるかもしれませんが、探査範囲を絞り込むまでには何年もの長い期間を要していたとオハロラン氏は強調しています。アレン氏のチームは実に根気強く研究を続け、そこから得られた確かな情報を基に捜索開始地点を決定したのです。その結果は見ての通り、いったん狙いを定めたら、発見まではあっという間でした。

アレン氏は声明の中で、今回の発見がレイテ沖海戦に関していまだ分かっていない部分を明らかにしてくれることを期待すると語りました。また、この戦いで命を落とした兵士たちの遺族にも、終止符を打つ助けになればと願っています。

ある武蔵の生存者は、アレン氏が世界へ発信した画像や動画を見て、記憶の中にある武蔵と一致すると証言しました。そしてアレン氏の声明に同意して、武蔵沈没から70年となる今年、戦艦とともに海へ散った1023人の乗組員たちが、あの出来事を忘れないよう現代に訴えているのではないかと、AP通信へ語りました。