マックンのメモ日記

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「クモの糸」を人工合成 世界が注目するバイオベンチャー!

2014-11-21 17:53:44 | 経済・金融・投資
クモの糸を人工的に作る―。そんな、世界の科学者たちが驚愕する技術を山形県鶴岡市の大学発ベンチャー・スパイバーが実現した。同社の「タンパク質の産業化」という構想は、世界の未来を変えるかもしれません。

強度は鉄鋼の4倍、伸縮性はナイロンを上回り、耐熱性は300度を超える。そんな驚異的なクモ糸の特性を活かした新素材「QMONOS®」が、山形県鶴岡市に拠点を置く慶應義塾大学先端生命科学研究所発のベンチャー企業から誕生したのです。2015年には、自動車部品メーカー・小島プレス工業との協業により、量産プラントが稼働する見込みです。

米軍やNASAをはじめ、世界中の研究者たちが人工クモ糸の生産を目指したが、いずれも実用化に至りませんでした。そんな前人未踏の領域に踏み込み、世界初の偉業を達成したスパイバー株式会社の関山和秀氏。化石燃料の枯渇が懸念される中、「人工クモ糸の産業化は、地球規模の課題を解決するカギになる」と言います。

「タンパク質でできたクモ糸は、化学繊維のように石油を使うことなく、低エネルギーで生産できます。既存のさまざまな化学製品と置き換えることができるはずです」。産業分野では自動車や飛行機などの輸送機器や電子機器、医療分野では手術用の縫合糸や人工血管など、用途は無限に広がっているのです。

当初は何から手を付けていいかわからなかったのですが、地上最強の虫は何かと友人の素朴な疑問を火種に、研究室メンバーとの議論が白熱しました。さまざまな意見が出る中、「猛毒を持つスズメバチ」で決着したかに見えたのですが、最後に出た「それを食べてしまうのはクモ」という意見に、一同がはっと息を飲む。自分よりもはるかに大きな虫ですら、強靭かつしなやかな巣で捕らえてしまう。そんなクモが作り出す糸は、世界最強の天然繊維に違いない。「これなら人生を懸けられる」。求め続けたテーマに出会った瞬間でした。話の流れから、その場で会社名も決まりました。スパイダー(クモ)とファイバー(繊維)で、スパイバー。

早速、関山氏は図書館に向かい、「クモ」にヒットした文献を全て読み漁った。するとクモを家畜化し蚕のように均一の糸を作らせるという事は不可能だということが見えてきたのです。そこで、関山氏はクモ糸の遺伝子を抽出し、それを微生物に組み込むことで、大量に生産させる方法を思いついたのです。その研究で着目したのが遺伝子配列です。すべての生物の細胞にはDNAがあり、その中には遺伝子情報、つまりタンパク質の設計図が書き込まれています。関山氏らは量産化に最適なクモ糸遺伝子の配列を突きとめ、それを微生物に組み入れることで、短時間で低コストな人工合成クモ糸の生産技術を開発したのです。このアプローチは、世界のどの研究グループもまだ着目していなかったのです。こうしてクモの糸は人工合成できることになったのです。