マックンのメモ日記

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心不全の心臓再生実用化にテルモが申請!

2014-11-03 15:56:30 | 健康・医療・スポーツ
心不全とは、心臓のポンプ機能が低下して、肺や全身に必要な量の血液を送り出せなくなった状態を言い、原因は心臓弁膜症・心筋梗塞・高血圧・慢性肺疾患などです。その中でもよく聞くのは心筋梗塞ですが、心臓は1日に約10万回も収縮・拡張を繰り返し、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。この収縮・拡張する心臓の筋肉(心筋)に、酸素や栄養を含む血液を送り込んでいるのが、心臓のまわりを通っている冠動脈という血管です。現在日本の心不全患者数は約20万人いるそうで、特に高齢の患者さんが年々増えています。

この冠動脈が、動脈硬化などが原因で狭くなると、心筋に送り込まれる血液が不足して胸が痛くなります。これが狭心症です。さらに動脈硬化が進んだり、何かの原因で血管内のプラークと呼ばれる脂肪などの固まりが破れて血栓ができ、冠動脈が完全に詰まって心筋に血液が行かなくなった状態を心筋梗塞と呼びます。心筋に血液が行かないと、その部分が壊死してしまい、壊死の部分が大きくなると心臓の収縮・拡張ができなくなるため、命にかかわる危険な状態となり、緊急の治療が必要です。

狭心症も心筋梗塞も、冠動脈の狭窄や閉塞により心筋に血液が行かないことが原因であることから、虚血性心疾患あるいは虚血性心臓病と呼ばれます。また最近は、狭心症の中でも心筋梗塞に移行しやすい不安定狭心症と、心筋梗塞を合わせ、急性冠症候群と呼んで原因や病態、治療について研究されています。これらの疾患は、高血圧や高脂血症による動脈硬化から進展することが多いため、生活習慣病の一つとして、生活習慣の改善による予防が重要視されています。

ところが今回テルモと言う会社が、心不全患者の心臓の再生医療を事業化するというニュースがありました。安全性などの審査を約1年間受け、承認されれば世界で初めての事となります。患者自身の細胞を培養して使うため、拒否反応の危険性が低いという事が言えます。心臓の再生はこれまで研究段階でしたが、テルモの事業化で多くの患者さんが、心臓移植など身体負担が重い手術を避けられるようになると言います。

心臓の再生には患者さんの細胞をシート状にした治療用品を使います。その流れは1、足の筋肉組織を採取する。2、筋肉のもととなる細胞を抽出。3、これを1か月かけて培養する。4、そして細胞を直径5センチ程度の薄い円形のシート状になった細胞を取り出す。5、手術でシートを心臓の傷んだ部分に張り付ける。すると細胞が心臓に働きかけて新たな血管が作られ、機能が回復するというものです。これまで国内で実用化された再生医療の対象はやけどなどにとどまっていました。それが重症疾患に対応できる段階まで高度化してきたことを示すものです。