マックンのメモ日記

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観光立国の競争力をそぎ、おもてなしを阻む障壁!

2014-07-16 20:35:01 | 政治(国内・海外)
通訳案内士と言う言葉を聞いたことがありますか。これは外国人観光客をガイドするために必要な国家試験です。日本は東京オリンピックまでに外国人観光客を2000万人に増やす計画をしていますが、通訳案内士の免許がなければツアーなどができないのです。そのためには通訳案内士の免許を持っている人を増やさなければならないのですが、この試験は合格率25%という超難関試験なのです。

政府の方針で観光客を増やさなければならないと言うのに、こうした資格を持っている人が増えないとツアーも組めないという事もあり得るのです。どんな問題が出ているかと言うと、例えば、「振替休日」を英語で説明せよとか、教養問題には「日銀の最高意思決定機関は何か」と言った具合に、ガイド通訳するのにこんな難しい問題が解けなければ観光客のガイドができないのでしょうか、と感じてしまいます。

毎年こんな調子で受験生を苦しめていると言うのですが、通訳する人が少なくてはいくら観光客を増やせと言っても掛け声倒れになってしまわないのでしょうか。現に岐阜県の白川郷などでも通訳者が少ないため、欧米の旅行者からの依頼をたびたび断っていると言うのです。地元にいる通訳案内士は10人足らずで、人数の都合がつかなくてツアーが開けないこともあると言います。

高いハードルに受験生もしり込みし、昨年の受験者数は5年前から半減したそうです。ニュージーランドで英語のガイドを務めた人も資格取得に3年かかったそうですが、「こんなに難しくする必要があるのか」と言っています。訪日外国人は24%も増えたのに、受け入れ態勢が万全とは言い難い状況にあるのです。試験に受からなければ仕事に付けない「独占資格」は、医師やパイロット、弁護士など命や財産にかかわる資格がほとんどです。にもかかわらず通訳案内士にそこまで望む必要があるのでしょうか。

この制度は、通訳案内士が1949年に始まった時は英語を話す人が少なく、交通標識も日本語だけといった状態だったので、訪日観光客を安全に観光してもらうためにできたと言います。ところが65年が過ぎ時代が変わっても資格による「独占」が続いているのです。17000人弱の登録者の6割は首都圏で、地方は通訳が足りないのです。それでも案内士団体は「ガイドの質が落ちる」と資格の見直しに反対するのです。

これでは既得権を守るために反対しているようであり、ガイド不足を和らげるための規制緩和も考えないと、東京オリンピック前に外国人観光客2000万人体制に、ガイド不足で観光客に不便を強いることにもなりかねないかもしれません。もっと規制緩和を考えても良いのではないでしょうか。

こうした規制以外にもまだ細かな規制がたくさんあり、例えば、「トイレを4つ設置しないと宿泊施設と認めない」とか、古民家などは外国人客に人気だそうですが、宿泊施設は「適当な数の大便器と小便器」や「玄関の帳場」が必要だと言い、古民家は大掛かりな改修が必要となるのです。厚労省は衛生管理には熱心なのですが、観光への関心は薄いと言います。最近、国家戦略特区に限り古民家を宿泊施設と認めたのですが、泊まれるのは1週間以上連泊する人だけと厳しい条件を付けています。

送迎バスも自由に走れると客も喜ぶのですが、旅館の送迎バスが観光地に立ち寄りたくても送迎ルートを外れると道路運送法違反となるのです。2種運転免許と緑ナンバーを取得し、国に運航計画を出す必要があるのです。とこのようにまだまだいろいろ細かな規制があって観光客の要望に沿えるような体制にはなっていないのです。こんな状態で20年に2000万の外国人観光客を迎えると言っても看板倒れになりそうです。