マックンのメモ日記

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建築ドクターの夢。救える家は救いたい。そして1000年の家を作りたい!

2012-06-24 22:29:51 | 宇宙・サイエンス・科学技術
本日の主人公は建築家の今川憲英さんです。16年前、彼は急性心筋梗塞になり一命を取りとめたことがありました。一度これになると、心臓の筋肉全体の45%が治療しないと、再び心筋梗塞になるそうで、彼の場合も心臓の機能が悪くなる状態だったそうです。それを聞いて落胆するとともに絶望に襲われたそうです。しかし先生が「明日どこかで特効薬が開発されるかもしれません。まず今日一日を生き抜くことを考えて下さい」と言われたことで、絶望が希望へと変わったのです。一時は強制的に殺されるように感じたそうですが、建物も強制的に壊されるということは、つまり「解体とは死」を意味すると考えるようになったのです。そしてこれが今までの考えた方を変えるきっかけとなって立ち直ったのです。こうして救える建物は救いたいと考えるようになったのです。つまり建築のドクターになろうと決めたのです。

高度経済成長期に建てたインフラや建物が寿命を迎えようとしています。そして高速道路の橋脚の綻びた姿を見て、長寿命の素材を作りたいと考えました。コンクリートは約2000年前、ローマで発明されたと言われています。だからこそパンテオンなどの教会のドームなどが作られるようになったのです。日本で初めてコンクリートの建物が作られたのはご存知の方も多いと思いますが、長崎市の軍艦島に建てられた労働者向けの鉄筋コンクリートのアパート群だったのです。その当時は最先端のアパートでテレビも洗濯機もないころにそこにはあったのです。小さな島でまるで軍艦のように見えたことからその名前がついたのですが、石炭を掘って大変栄えたのです。しかし石炭が掘れなくなると無人島と化してしまったのです。鉄筋コンクリートの寿命は50年と言われており、今では廃墟と化しています。

というわけで、建物には寿命があり、鉄筋コンクリートで50年と言われています。コンクリートの亀裂から雨が染み込みそこから鉄筋も錆びていきます。だから寿命が持って50年と言われているのです。そこで建物の寿命を延ばすために鉄筋の入らない丈夫な未来の新素材のコンクリートを作ろうとしたのです。それが建築ドクターの挑む1000年住宅です。それを思いついたのは鋳物を作って壊すとき意外と硬いということが、高校時代に作ったことがあって、それが頭に残っていたのです。鋳物の型枠は酸化珪砂に炭酸ガスを注入し、化学反応により固めて形成されます。そこで東京電機大学の今川研究室の協力で、酸化珪砂と水ガラスをどのような比率で混ぜたら一番硬いものができるか依頼したのです。その結果酸化珪砂と水ガラスを9:1の割合で混ぜると強度が高まることがわかったのです。強度の試験をしたところコンクリートは約5,5トンでひび割れしました。ところが新素材は驚異の数字を出したのです。約9,6トンの力までもったのです。新素材が高強度までもったということは鉄が要らない可能性があると言い、この「CO2エコストラクチャー」が完成したのです。

彼の修復した建造物の代表的なものは、横浜の赤レンガ倉庫です。そのとき取った方法は、レンガの目地や亀裂に硬化剤を注入し、内側にもう一枚のレンガの壁を建てて、補強したのです。これにより50年の延命処置ができたのです。これまでの日本の住宅と言うと寿命がきたものは壊して立て直すと言うのが常識だったのですが、今川さんは建築ドクターとして寿命を伸ばし、建物に新たな命を吹き込んだのです。このほかにも光明院幼稚園と言うのがあるのですが、この場合、耐震壁を一枚入れただけで建物の強度を高め寿命を延ばしたのです。さらに岩手県大船渡市の大船渡市民文化会館は今回の地震にもビクともしなかったそうです。

そしてついにこの「CO2エコストラクチャー」で作る1000年の住宅の挑戦が始まったのです。目標は阪神淡路大震災のときの70%の揺れに耐えると言う事です。これは壁や窓が入った場合の震度7に相当するものです。模型を使っての実験では阪神淡路大震災の80%の揺れをクリアしたのです。これからも救えるもの救いたいと言っていました。凄いですね。こうした人が次から次へと出てくれば、日本もまだ復活できるのではと思います。