マックンのメモ日記

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円の独歩高、株は歴史的な安値が相次ぐ!

2012-06-02 18:07:16 | 経済・金融・投資
1日の米株式市場でダウ工業株30種平均が大幅に続落し、今年の安値をつけ、ダウ平均の終値は前日に比べ274ドル88セント(2,2%)安の1万2118ドル57セントとなり、下げ幅は今年最大で、ほぼ5ヶ月ぶりの安値になりました。その要因として、5月の米雇用統計が市場の予想を大きく下回り、米景気が減速に向うとの懸念が強まったためです。中国や欧州でも景況感が悪化し、世界経済の先行き不安から株が売られたものです。スペインの金融不安もくすぶり、マネーが米国やドイツなど一部の主要国の国債に逃げこむ「質への逃避」が加速しています。

米景気が減速するとの予想になったのは、5月の雇用統計の非農業部門の雇用者数が前月比で6万9000人増と、エコノミストの事前予想の下限を下回ったからです。これにより「今年後半にかけ、米景気の一段の減速が避けられない」との見方が広がったのです。ダウは今年初めから1万300ドルを超えるほどの上昇をしていたのですが、今回の下落で元に戻ったというか、それすら下回ってしまったのです。そして中国も製造業の景況感を示す指数が、5月は約半年ぶりに前月比で下がったことで、世界的な景気減速になると失望売りが出たと言う事です。リーマンショクのときは、ブリックスと呼ばれる発展途上国、とりわけ中国が世界経済を引っ張ったこともあり、その後はV字回復したのですが、今回は、中国も製造業の景況感を示す指数が、5月は約半年ぶりに前月比で下がったことから、前回のような景気の牽引役となる国がないと言うことで、5月から世界経済は急速に下向いていると警戒ムードが浮上したのです。

しかし振り返ってみれば、そもそも米国の希望的観測によりダウは上がったのであって、決して欧州問題が解決したわけではなかったのです。そこへ中国も景気が減速となったものだから、ダウはあっけなく今年最安値になってしまいました。世界の主要株価指数が週間でどれだけ下がったかを見ると、スペイン(7,3%)、ドイツ(4,6%)、米国(2,7%)と欧米市場の低迷が目立っています。欧州ではスペイン大手銀行バンキアの救済を巡る混乱で、金融システム不安が台頭し金融株が下げを主導する形で全面安になっています。景気が相対的に底堅いと言われてきた米国でも、雇用の伸び悩みが鮮明になり投資家の失望売りが広がったのです。その一方で、株式市場から逃避した資金が米国債市場に流入する動きは加速したのです。長期金利の指標となる米10年国債利回りは1日、1,45%と過去最低を記録しました。

こうした動きを受け円の独歩高が鮮明となってきました。投資家がユーロとドルから円に資金を移す動きが広がり、円はユーロに対して11年ぶりとなる1ユーロ95円台に上昇。対ドルでも一時、1ドル=77円台と昨秋に政府・日銀が円売り介入した水準に近づいたことで、市場では「政府・日銀が介入に動く」との観測が浮上しています。さらに円高を受け日経平均株価は4ヵ月半振りの安値をつけたのです。今までは欧州不安を背景に「ユーロより値下がりリスクが小さい通貨」と見て投資家が円とドルに資金を移して来たのです。ところが米の雇用悪化を見て「ドルも安心して買えない」との懸念が広がり、円の独歩高となったのです。米経済の減速を受け、FRBが追加の金融緩和に踏み切れば、米国の金利は一段と低下することになります。

急激な円高進行を受け、日経平均株価は4ヶ月ぶりに8500円を下回り、週間ベースでは20年ぶりに9週連続の下落を記録したのです。今回の円高が収益を圧迫するとの懸念からソニーもパナソニックも32年振りの歴史的な安値をつけるなどしています。中でもソニー株は一時1008円と1000円割れに近づいたのです。株式分割を考慮すれば1980年以来の安値ということになります。この年はウォークマンを発売した翌年にあたり、世界企業として成長する前の水準に逆戻りした形になったのです。この他にもマツダやフジフィルムなど欧州売上げ比率の高い銘柄も歴史的な安値に沈んでいます。

このため株価が1株当たり自己資本の何倍あるかを示す株価純資産倍率(PBR)が1日時点で、0,87倍とリーマンショック後の2009年3月以来、ほぼ3年ぶりの水準に低下しています。通常は1倍を下回ると割安と判断され、買いが入ることも多いのですが、1倍を割った5月以降も低下傾向が続いています。米国株の平均PBRが約1,5倍なので割安感は強いのですが、それでも下げ止まらないのは、欧州の先行き不安などを背景に投資家の不安が一段と強まっている証拠で、すぐ買いが入る状況ではないようです。