マックンのメモ日記

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ソニー復活なるか?それともラストチャンスか?

2011-11-19 18:17:59 | 経済・金融・投資
いま東南アジアやヨーロッパ、米国などでソニーとサムスン電子とどっちが良いかと聞くと、ほとんどの人がサムスンのほうがクールだと言うそうです。これは世界的な傾向で、かつてのソニーブランドはサムスンに取って代わられたかのようです。そこまでソニーは追い詰められているのかというより、ソニーだけでなく日本の家電業界自体、地位の低下に苦しんでいるほど不振に喘いでいるのです。

それを端的に表わしているのは2011年4月から9月の直近の業績を見てもわかります。部門別の営業損益がでているのですが、ソニーの部門は家電部門に、デバイス、映画、音楽、金融に分かれているのですが、映画(大体250億円くらい?)、音楽(大体100億くらい?)、金融(大体550億円)は黒字で、中でも金融は映画や音楽などよりグラフを見た感じでは倍くらい稼いでいます。しかし肝心の家電部門は金融の三分の二ほどの赤字になっているのです。ということで家電部門はかなり赤字でお荷物(大体300億円少々かな?)になっているのです。それとデバイス部門(パソコンに接続する周辺機器)も家電の三分の二程度の赤字、金額で大体(グラフのため)100億円までいっていないが感じです。これがいまのソニーの実態です。

となるとソニーとは家電メーカーなのか金融それも保険や銀行なのかわからないほど、家電メーカーのイメージからは離れているのが現状です。家電部門の中の音楽部門として考えてもまだそれでも赤字になってしまうほどで、実態は金融、映画配給会社のような感じになってしまっているのです。これではかつての「世界のソニー」というイメージはすっかりなくなっていても不思議はありません。それを端的に表わしているのが、冒頭にあったサムスンのほうがクールだという世界の声なのです。何でこんな悲惨な状況になってしまったのでしょう?

そう言うと、そうではなくソニーは音楽、映画、金融、ゲームと家電部門以外にも果敢に挑戦して来たのだと言うかもしれません。だからこそいま家電部門が赤字でもこうして黒字を維持しているのだという言い方もできるでしょう。しかしそれではソニーは一体何の会社なのかと言いたくなります。ソニーと言えば、今を代表するアップルのような創造的な商品を次から次へと生み出すことで最先端企業としてのブランドを築き上げてきた会社であって、今度はどんな新商品を出してくれるのかという期待感があったはずです。それが今ではアップルに取って代わられたかのようで、ソニーブランドのイメージがぼやけてきているのです。それが圧倒的なブランドだった「ソニーブランド」の低下に繋がっている原因なのかもしれません。

ソニーの特徴は既成概念を打ち破る力であったはずですが、最近はそれを感じさせる圧倒的な商品というものがなくなってしまいました。本業の柱であった家電部門の不振で、優秀な技術者を多くリストラしたり、縮小してしまったりしたことで、そこに勤めていた人たちをサムスンなどが雇って、あっという間にソニーに迫って来たと言うよりあっという間に抜き去ってしまったのです。ただ家電部門が全てダメというわけではなくテレビ部門がかつての勢いがなく足を引っ張っているのですが、デジタルカメラやその基幹部品のCMOSセンサーは競争力を持っていて2桁の利益率を保っているようです。がしかしシェアはたいしたことないのでいくら利益率が高かろうが、利益に大きく結びつくことはないのです。

ソニーはここ数年キャッシュフローの改善を進めてきたそうで、金融部門を除いた純有利子負債は前期で1017億円と、01年3月期の8460億円から88%減ったのです。そしてなるべく自前の組立工場を持たないアセットライト戦略で、設備の減損リスクも小さくなってきたそうです。しかし自社工場を持たない戦略で心配なのは、ソニーの物作りの力が落ちてしまい、ソニーの力の源泉である製造力が衰えてしまえば、結局は製造業以外の金融や映画などに主力が移ってしまい、魅力ある想像性豊かな商品を生み出す力がなくなってしまいはしないかと言う事です。創造性ある商品は物作りの現場から出てくるもので、それをファブレス企業に生産を任せてしまえば、いずれソニーによる物作りは他の会社と変わらぬ特長のない商品しかできなくなってしまわないでしょうか?

新たな成長戦略として4スクリーン戦略を取りまとめたそうですが、世界シェアが最も高いものでもテレビで約10%、それも赤字部門ですよ。他は3%に満たないものしかないと言うのに、収益への貢献は疑問という声があるそうですが、まさにその通りだと思うし、ソニーのシェアで最大のものが10%しかないと言うのにはちょっとビックリしてしまいます。そこまでソニーの商品力がなくなっているのかと考えると、連続赤字濃厚ということもあり、今後、復活できるのか心配するのは私だけなのでしょうか?