マックンのメモ日記

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数字のマジック!

2011-11-14 20:58:42 | その他
今日、新聞のコラム欄を見ていたら、興味深い数字が載っていたので書いて見ました。特に統計数字などはいろいろな数字が出ていますが、これらなどは数字のマジックという言葉があるように、同じ数字でも取りようによって数字の中身は変わってきます。というわけで必ずしもその統計数字が実態を正確に表わしているかといえばそうではない時もあるのです。要はその数字をどのように読むかによって中身が違って見えてくるのです。そのため数字のマジックといわれるように、官僚がよく使う手は、自分たちに都合の良いような数字を導き出し、それで政治家などに報告することで、官僚の導きたい方向に政治家の考えをその方向へ持って行こうとするのです。

わかりやすい例を挙げるなら、最近、米国の所得格差が問題になって来ていますが、そのときに使われるデータ数字は人口の何パーセントが何割占めているかで示されることがあります。その際、注意することはそれが所得なのか資産なのかということで、その数字が違ってくるのです。例えば、米国で言うと、所得の上位1%が全体の25%を稼いでいると言いますが、資産では1%の人が富の全体の4割を保有しているというようになります。こうして見るとちょっと同じような言い方をしていても、その受けるニュアンスはだいぶ違って聞こえませんか?同じ1割の人でも所得と資産とではその割合がこんなふうに違い、それから受ける印象はだいぶ違うと言う事に気がつきます。

もっと身近な例を挙げると、年間所得という言葉がありますが、この平均がいくらか新聞などにもよく出てきます。」しかしこれも誤解を招く恐れがあるのです。米国の場合、平均所得は6万8000ドルですが、平均ということは高額所得者から低額所得者まで全部ひっくるめた平均ですのでどうしても数字が高くなりがちです。これは日本でも当然同じことが言えるわけで、実は中間値、つまり一番多い所得値というのは平均値とは違うのです。一番、多くの人がもらっている所得の金額は4万9000ドルなのです。

日本では、平均所得は550万円ですが、中間値は438万円なのです。つまり平均値は中間値よりも25~40%高く、実態的な平均値としては中間値のほうが実態に近い数字と言うわけです。これ以外にも平均貯蓄額と言うのもありますが、これも平均所得と同じことが言えるわけです。だから平均貯蓄額を聞くと、えぇーみんなそんなに預金を持っているのと思ってしまいますが、実は一番多いのはその中間値と呼ばれる数字が実態数字なのです。

最近の欧米でのデモの多さが話題になっていますが、その原因は若者の失業率が多いことから来ていると言う事です。先進国の場合、失業率全体平均値の倍くらいの高さが若者の失業率なのです。若年層の失業率は日本の場合、7,8%、米国では17,3%、EUでは20,5%にもなるのです。米国の黒人の失業率の場合には、平均の2倍と高くなっています。これでは若者のデモが増えても不思議はないと思います。働きたくても働けないのですから。

昨年、中国のGDPが日本を抜いたことが注目されましたが、中国は過去10年間、平均10%の成長で実質は2,7倍だったのですが、インフレと元高によって5倍超になっていたのです。これで10年間横ばいだった日本を抜いたのです。日本が1968年に西ドイツをGDPで抜いたときも、世界第2位になったことがピンとこなかったというか、実感はなかった思いますが、10数年たってその実感が湧いてきたのです。実際、世界第2位の経済大国になったと言っても日本人はウサギ小屋に住んでいると揶揄されたものです。それほど数字と実態はかけ離れていたから実感が湧かなかったのも無理はないと思います。

とこのように数字は物事を理解する上で大変重要であり便利ですが、全てを表わしているわけではありません。だからその数字の前提を知った上で数字を見ないと実態を見逃してしまい誤った認識を持ってしまうのです。