M・吉田のブログ

はじめてお越しの方は、左側「カテゴリー」の「おすすめ過去記事リンク集」などからどうぞ。

ピュアプレイ的任天堂神話2

2005-01-30 22:29:48 | ピュアでもない日々
はじめて来た方は、左側のCategoryリンクから
「FF2ピュアプレイ日記」や「METAL MAX Rピュアプレイ日記」などをどうぞ。
ブログランキング順位を上げてくださる場合はこちらのクリックをお願いします。



~~~~


第4回 任天堂・紋章の炎は消えてしまったのか


 前回に引き続きファイアーエムブレムの話題です。
 前回、とにかくキャラクターに思い入れが出来る、ゲームだと言いました(原画が最近ようやく平均点に…とか書いたけど、今あらためて最新作「聖魔の光石」を見てみたら、そうでもなかった)。それはゲーム性と密接に絡み合った、いわゆるキャラゲーとは一線を画した、奇跡的なバランスでした。
 しかし、それもやはり、時代の流れには逆らえないのか、一人一人のキャラクターに対してもっと製作者側から手出しをしたかったのか、変遷していくことになっていきます。もちろん、変化は良いことだと思っているのですが(むしろ、前々回のSNKのように毎回同じゲームばかり出すほうが良くない)、その「変化」を十分に味わうには、これまで語ってきた、私がこのゲームの良さだと思う、シミュレーションRPG部分の戦略性・成長・アイテム獲得と、キャラ愛の一致というスタイルからは外れたものになってしまったわけです。
 
 「エムブレム」には「支援効果」という要素があります。
 これは、関わりがある…恋人とか、家族とか…キャラクターを近くのマスに配置すると、戦闘時に、キャラクターの命中率やクリティカルヒット率が上がったりとパワーアップするシステムで、これまでは隠しフィーチャー気味に入れられていました。隠しフィーチャーとはいえ、それなりにそのシステムに気づくことができます(戦闘中に表示される数値が上がりますし)。
 これもまた、意外なキャラクター関係を知ることができたり、片方にしか支援効果が及ばないキャラは片想いしているんだな、ということを知ることが出来たりと、会話がない部分でのキャラクターの特徴付けに成功しているシステムでもあります。
 それが、最近になると公式にシステム化されました。
 関係があるキャラ(時には無いキャラの場合も)を隣接させて、ゲームのターン数を進めると、そのキャラクター同士で「会話」することが出来るのです。会話をして「支援レベル」を高めると、先に言った「支援効果」が得られるようになります。
 支援効果を狙った戦略性もあるのですが、なによりもポイントなのは、その会話の内容です。これは、プレイヤーの配置しだいで「いつ」発生するかわからないので、殆どがストーリーとは関係の無い、キャラクターの味わいを深めるための会話なのです。恋愛あり、仲間意識あり、お笑いありと、非常に楽しくさせてくれるシステムであります。
 さらに、会話には3段階(親密度C~Aまで)あり、どんどん会話していくと、内容が密になったり、同じ話題を引き継いで展開したり、また下らないネタを言ったりと、思わず先が見たくなるものが多いです。
 雑談と言ってよいような会話、(エムブレムのストーリーのような)RPGであれば、挿入するのが難しくなりがちですが、もともとキャラクターが多く、それでいてキャラクターたちの会話が少ない「エムブレム」には、まさにうってつけのシステムと言えるかもしれません。自分で書いていてちょっとわかりにくい表現ですね…たとえば、音楽ゲームのクリップは面白いですが、他のジャンルのゲームでやろうとしたら場違いなものになる、みたいな感じでしょうか。あれは、(もともとにミュージッククリップがあると言うことも歩けど)音楽にあわせて勝手に流れていくものであるからこそ、あの形で面白いものでしょう。表現を変えるなら、(第一回で話したような少し昔の)シューティングゲームは、強制的に進むからこそ、画面、ステージで、時にはRPGなどよりも、わかりやすく効果的にストーリーを展開させることができる…といったことです。それが、「エムブレム」の新しい支援効果システムなのです。

 しかし…
 
 ここまでベタ褒めしていますが、M・吉田にとっては致命的な欠点があるのです。
 それは、「ターン数がかかりすぎる」ということです。
 
 キャラクター同士、仲良くなりやすいキャラ、なりにくいキャラがいて、支援会話ができるようになるターン数が違います。
 仲良くなりやすいキャラ同士は、普通に戦略を立てながら進めるだけでも、会話が発生していきますが、なにぶん会話が無難すぎて面白くないものが多い(というか、エムブレムのマトモな会話、必ず聞かされるであろう類の会話、文章は、センスが感じられないものが多いです)。となると、やはり、仲良くなりにくいキャラを狙っていくわけです。
 しかし、ここで問題なのは、仲良くなりにくいキャラと言うのは、普通にプレイしていてはまず無理といえるターン数。
 仲良くなりやすいキャラというのは、だいたい10~30ターンくらいで支援レベルがあがるのですが、なりにくいキャラは、なんと80ターン。1ステージクリアするのに、中盤でだいたい15ターン程度、時にはターン数一桁ということもあります。慣れればもっと縮まります。
 じっくり進めていっても、中々にそうターン数は増えません。まして、キャラクター同士を隣接させないと支援会話ができるようになる親密度が上がらないのですから…。ステージクリア式のゲームである「エムブレム」、特に後半面に出てくるキャラは、まず会話ができない方向なのです。
 たとえ、ステージでやることをやった後であっても、なにもせずに80ターンは長いです(あくまで1ステージでやろうとしたら、ですが)…クリアに15ターンかかったとしても、65ターン、「ターン終了」を選び続ける…という動作をするのに、我々は何度もあくびを噛み殺さなくてはならないだろう(英語的表現)。
 このターン数問題が無ければ、非常に良いと思うシステムなのですが。
 しかし、その長いターン数を誤魔化せる、ある困ったシステムが、これは大昔からあります。それは…。
 
 普通のエムブレムファンなら、往々にして肯定要素、しかし、M・吉田としては好まざる要素として、「闘技場」、そして「買えるパワーアップアイテム」です。
 後者は、ほとんど裏技的で、見つからないことが(攻略本見なければ)しばしばありますし、非常に高価なので、通常のプレイではそうそう買えません。ので、影響は小さいです。
 しかし、前者の「闘技場」は…。
 このゲームは、限られた数しか敵がいない(配置された敵+増援部隊)ので、手に入る経験値の量が限られ、自然とレベルアップ数に影響するのですが、闘技場を使うと、延々とレベルアップができ、また、お金が手に入るのです。お金が手に入ると、先に述べた「買えるパワーアップアイテム」を山と買うことができ、いくらでもキャラクターを強く出来てしまいます。最近では、それを防止するためか、パワーアップアイテムを買えなくなったようですが、しかし、いくらでもレベルアップ出来ることには変わらず、序盤ステージで最高レベルということも十分にありえるのです。
 このゲームの面白さの一つとしては、べらぼうに強くなったキャラクターを敵陣の中に置いて、一人で全滅させてしまう、みたいなシーンもありますが、それがステージ攻略の中核になるようになると…。だんだんシミュレーションRPGとしての破綻、もといゲームをプレイしていて、(まずいことに継続的に)ダレてきます。それが、はじめの方のステージだと…。
 往々に、そういうことをする場合、好きな全てのキャラクターを育てようとするでしょうから、攻略の中核になることは、全ステージというほどは多くないでしょうが、ひたすら何十ターン、100ターン以上かけて闘技場で戦わせるというのは、楽しいプレイ、楽しいゲーム、(そして初心者や、やり込まないプレイヤーに語るための楽しいゲーム会話の成立)とは、ほど遠いでしょう。
 これを書いているM・吉田自身、上記のようなプレイをしていた時期もありました。だからこそ、その虚しさがわかるわけです。
 
 先ほどの支援効果の話に戻りますが、ともあれ、支援会話にしても、延々レベルアップにしても、なにぶん時間…ターン数のかかることばかりになってしまいました。
 冗長なレベルアップはせず、戦略を駆使して疾風の如き(大袈裟)進軍をするのをよしとするプレイスタイルになった身としては、いつの間にか、エムブレムのプレイスタイルは、新システムを楽しむには、限られたことしか出来なくなったなあ、と思うわけです。
 
 最新作「聖魔の光石」では、なんでも、何回も突入してレベル上げができるようなステージ(?)があるそうで、個人的にはそれだけで興ざめなわけです。プレイヤー任せの禁止ルールは、ゲームから感じるセンスまでも覆い隠すことはできませんし、そこにしかない要素を楽しむ上では阻害ばかりになります。だんだん、キャラクターイメージはありがち、あるいは流用ばかりになってきた感もありますし…。
 そんなわけで、ずっとプレイし続けたエムブレムシリーズですが、これは買っていません。
 実はそんなことない、ということであればいいんですが。
 ずっと、弱いままでは、それはそれで嫌になりますが、試行錯誤している時期が一番面白いと思うのです。
 
 任天堂本体は、そうならないと思いますが、このまま行ったらエムブレムはSNKの二の舞になりそうな気がして恐ろしい限りです。好きなシリーズであるだけに。
 スタッフの方…このブログをご覧になっていたら、ご考慮願います見てないと思いますが


 さて、マイナスイメージな話題をして終わったために後味が悪い感じですが(プラスイメージ話も、キャラクター話ばかりでゲーム性が本当に面白いのか伝わってない気がしますが)、それでも、エムブレムは非常に良く出来たゲームです。
 ここで、未プレイの方にオススメするエムブレムシリーズをここに紹介したいと思います。

ファイアーエムブレム 紋章の謎 (スーパーファミコン)
 とにかくゲームゲームした感触が気持ちイイ、エムブレムの2作目です。
 ファミコン版の一作目「暗黒竜と光の剣」のリメイクとセットになっているのですが、このスーパーファミコン版に収録された「暗黒竜と光の剣」が、シリーズ中、シミュレーションゲームとして屈指の出来映え!。チュートリアル無しに、基礎的な知識を学び経験しながら、段々と「本気で」難しくなっていく良いバランスです。ついでに、最終面が演出ではないのもポイントです。以後のシリーズ、最終面は演出です…。
 エムブレムと言えば絶対に欠かすことが出来ない「おぐなば」こと、絶対頼れるキャラとして著名なオグマとナバールが出てくるのもこのシリーズです。とりあえず、人と会話する上での基礎的なエムブレムというものも、これを知っていれば、大体OKでしょう。

ファイアーエムブレム 封印の剣 (ゲームボーイアドバンス)
 上のはスーパーファミコンですし、入手も難しいでしょうが、これは今でも簡単に手に入りますし、ゲーム内容も比較的、難しくないです(いや、難しいところもありますが)。しかも、システムや操作性が小慣れたもので、快適な操作でゲームが楽しめます。
 キャラクターに関しても、「体格」という数値があり、これは装備する武器の使いやすさ、また、仲間をかばうために、かつぐ(救出)ことが出来るかどうかに関わるのですが、キャラクターのイメージを作り上げるのに重要なファクターにもなっています。さらに、「属性」というのが設定されており、火、風、氷、雷、理、光、闇…と、FFでも見られそうな属性ながら、キャラクターの性格を表したステータスがあり、よりプレイヤーの想像力をかきたててくれます。
 ちなみに、支援会話があるのはこのシリーズからですね(どのキャラとどのキャラで支援会話できるようになる、というのがわからないので、特に関連のないようなキャラ同士は、偶然で見つけるか、攻略本なり攻略サイトなりを見るしかないのが残念ですが…)。

ファイアーエムブレム トラキア776 (スーパーファミコン)
 これはエムブレム初心者にオススメしないゲームですが、面白さは折り紙付きです。
 ゲーム内容自体、エムブレム史上最高の難易度だと思うのですが、それに拍車をかける要素群。。
 代表的なのが、封印の剣でも書いた「かつぐ(救出)」システムの他に、敵を「捕らえる」というフィーチャーがあり、捕らえた敵から、アイテムをうばう事ができます。しかし、敵を捕らえるのは普通に攻撃するより難しく、さらには他シリーズと違い、仲間や敵をかついだ状態だと全ステータスが激減!でも敵を捕らえれば珍しい強いアイテムが…というイカしたシステムがあります。
 ストーリー的にはこの一つ前に発売された「聖戦の系譜」(微妙)の外伝的作品であり、それをプレイしていた方が良い…というのがありますが、今までの英雄街道路線なエムブレムと比べると、シビアなストーリー展開でもあり、シリーズ全体を通してみても良いスパイスになっています。
 入手困難ですけどね…。シリーズを気に入ったら、是非ともプレイして欲しい一作です。

 ファミコン版は…さすがに操作性に難があるので、あえてオススメしません。
 現代シリーズとの違いや、絵を見てみるのも面白いでしょう。


 と、いうところで、なんかゲーム紹介サイトのようになってしまいましたが、この辺で任天堂編はお開きにさせていただきます。
 なんか書き始めた頃とコンセプトが若干変わったような気が…。
 ともかく、「紋章の謎」くらいのテンションがまた復活して欲しいものだ、と思います。
 それでは。












ところでエムブレムといえば、否応なくエンターブレインの「ティアリングサーガ」を思い出してしまいます。これは、同じ所が開発に携わっていたり、開発中のタイトルがそのものズバリ「エムブレムサーガ」だったり、ロゴもクリソツ(死語)だったりして、任天堂から訴訟があった
ほどのゲームなのです。
友人宅で触れた限りですが、その出来栄えを言い表すなら

(^^;) (^^;) (^^;)

といった感じなので、ご存知ない方は、その辺をご理解いただけると幸いでございます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする