★クラシック音楽LPレコードファン倶楽部(LPC)★ クラシック音楽研究者 蔵 志津久

嘗てのクラシック音楽の名演奏家達の貴重な演奏がぎっしりと収録されたLPレコードから私の愛聴盤を紹介します。

◇クラシック音楽LP◇フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のシューマン:交響曲第1番「春」/第2番

2023-05-08 09:38:44 | 交響曲(シューマン)


シューマン:交響曲第1番「春」/第2番

指揮:フランツ・コンヴィチュニー

管弦楽:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

発売:1975年

LP:日本フォノグラム(フォンタナ・レコード)FG‐291

 このシューマンの交響曲第1番「春」/第2番で演奏しているのが、フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の往年の名コンビである。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の設立は、1737年で世界最古のオーケストラとして伝統を誇っている。1835年にメンデルスゾーンが指揮者という名称で初めて率い、一大飛躍期を迎えることになる。そして1895年にアルトゥール・ニキシュが指揮者に就任し、ヨーロッパ屈指のオーケストラとして黄金時代を迎える。その後、フルトヴェングラー、ワルター、アーベントロートと引き継がれ、1949年に指揮者に就任したのがフランツ・コンヴィチュニーである。フランツ・コンヴィチュニーの指揮ぶりは、無骨にまで伝統的なスタイルに拘るものであり、現在ではこのようなスタイルをとる指揮者はいない。それだけにベートーヴェンやブルックナー、さらにシューマンの交響曲を指揮させたら、その曲の本質を前面に出した名演を聴かせてくれる。このLPレコードでもその特徴は遺憾なく発揮されており、実に堂々として、一つの曖昧な表現がないと同時に、ロマンの香りが馥郁と香り出すようでもある。そして一時、リスナーは、古きよき時代にタイムスリップしたような雰囲気に包まれることになる。シューマンの交響曲は、4曲中3曲までライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が初演した深い繋がりを持つ。フランツ・コンヴィチュニー(1901年―1962年)は、オーストリア=ハンガリー帝国支配下のモラヴィア北部のフルネク出身で、冷戦開始後は東ドイツを中心に東側諸国で活動した指揮者。チェコスロバキア共和国時代にブルノの楽友協会音楽院でヴァイオリンのレッスンを受けた後、ライプツィヒ音楽院で学んだ。その後、フルトヴェングラー時代のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団でヴィオラ奏者として活動を開始したが、自ら指揮者になることを決意し、1927年にシュトゥットガルト歌劇場の練習指揮者からスタートし、3年後には首席指揮者となる。第二次世界大戦後は、1949年から亡くなるまで、ゲヴァントハウス管弦楽団の首席指揮者を務めた。また、1953年から1955年までシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者も兼務し、1955年以降はベルリン国立歌劇場の首席指揮者も務めた。なお、このLPレコードジャケットの写真は、ボンにあるシューマンの墓である。(LPC)


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