★クラシック音楽LPレコードファン倶楽部(LPC)★ クラシック音楽研究者 蔵 志津久

嘗てのクラシック音楽の名演奏家達の貴重な演奏がぎっしりと収録されたLPレコードから私の愛聴盤を紹介します。

◇クラシック音楽LP◇シュワルツコップ&ギーゼキングのモーツァルト歌曲集

2023-10-26 09:45:47 | 歌曲(女声)


~モーツァルト歌曲集~

モーツァルト:静けさがほほえみながら K.152
       鳥よ、年ごとに K.307
       さびしい森で K.303
       かわいい紡ぎ娘 K.531
       ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時 K.520
       夕べの想い K.523
       子供の遊び K.598
       老婆 K.517
       隠しごと K518
       すみれ K.476
       魔法使い K.472
       春のはじめに K.597
       満足 K.349
       夢のすがた K.530
       別れの歌 K.519
       クローエに K.524
       春へのあこがれ K.596

ソプラノ:エリザベート・シュワルツコップ

ピアノ:ワルター・ギーゼキング

発売:1967年

LP:東芝音楽工業 AA‐8109

 ドイツの名ソプラノ歌手、エリーザベト・シュヴァルツコップ(1915年―2006年)は、ベルリン音楽大学で学んだ後、1938年、ベルリン・ドイツ・オペラでデビューを果す。1943年にカール・ベームに認められ、ウィーン国立歌劇場と契約し、コロラトゥーラ・ソプラノとして活躍を開始。第二次世界大戦後は、 バイロイト音楽祭やザルツブルク音楽祭にも出演し、カラヤンやフルトヴェングラーとも共演。イギリスのコヴェント・ガーデン王立歌劇場、ミラノ・スカラ座に、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場などでデビューし、名声を得る。1952年にはスカラ座において、R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」の元帥夫人役をカラヤンの指揮で歌い、成功を収め、以来、この役は彼女を代表する役柄として知られるようになった。一方、リートのリサイタルでも定評があり、LPレコードにも数々のリート集を録音している。中でもこのLPレコード「モーツァルト歌曲集」は、エドウィン・フィッシャーがピアノ伴奏をした「シューベルト歌曲集」と共に名盤として知られている。このLPレコードでは、名ピアニストのワルター・ギーゼキングが伴奏し、「静けさがほほえみながら」(K.152)から「春へのあこがれ」(K.596)まで、モーツァルトの歌曲が全部で17曲を収めてある。モーツァルトの歌曲は、実にシンプルでありながら、それぞれの曲の主題を的確に表現したものに仕上がっており、愛好家も少なくない。ここでのエリザベート・シュワルツコップの歌声は、誠に麗しく、そのコロラトゥーラ・ソプラノの歌声は、ため息がでるほどの美しさに彩られている。そして、全ての曲で、その気品ある歌声を聴き取ることができる。一曲一曲を実に丁寧に歌っており、モーツァルトの歌曲の特徴を最大限に引き出すことに成功している。これらは、ピアノ伴奏のギーゼキングの存在抜きには到底考えられないことは、言うまでも無いことだ。ピアノのワルター・ギーゼキング(1895年-1956年)は、ドイツ人の両親のもと、フランスのリヨンに生まれた。ハノーファー音楽院で学ぶ。そのピアノ奏法は、“新即物主義”と言われ、当時の主流だった恣意的な奏法とは異なり、楽譜に忠実に演奏されたものであった。卓越した演奏技巧と抜群の暗譜力を持ち、新曲も軽く目を通しただけで演奏ができたという。レパートリーはドイツの作曲家やフランスの作曲家で、ベートーヴェンやモーツァルト、ラヴェルやドビュッシーを得意としていた。(LPC)


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