★クラシック音楽LPレコードファン倶楽部(LPC)★ クラシック音楽研究者 蔵 志津久

嘗てのクラシック音楽の名演奏家達の貴重な演奏がぎっしりと収録されたLPレコードから私の愛聴盤を紹介します。

◇クラシック音楽LP◇「聖母の宝石」~ 楽しいオーケストラ・コンサート

2022-10-24 09:51:49 | 管弦楽曲


~「聖母の宝石」 楽しいオーケストラ・コンサート~

ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「聖母の宝石」間奏曲第1番
ヴェルディ:歌劇「椿姫」第1幕への前奏曲
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
メンデルスゾーン:劇音楽「真夏の夜の夢」から「結婚行進曲」
ケテルビー:管弦楽曲「ペルシャの市場にて」
グリーグ:劇音楽「ペール・ギュント」から「ソルヴェイグの歌」
ウェーバー:歌劇「魔弾に射手」から「舞踏へのお誘い」
シベリウス:交響詩「フィンランディア」
ムソログスキー:管弦楽曲「はげ山の一夜」

指揮:パウル・ワルター/アンタール・ドラティ/ウィレム・ファン・オッテルロー

管弦楽:ウィーン交響楽団ほか

発売:1974年

LP:日本フォノグラム(フォンタナレコード) FG-209

 クラシック音楽の中心をなすのは、交響曲とか協奏曲、それにピアノやヴァイオリンなどのソナタ、さらに室内楽、声楽、オペラなどが挙げられる。これらの曲には多くの名曲があり、聴く度に堪能させられるが、軽い曲や小品について、クラシック音楽界はどうも冷たい気がする。そんな日頃の鬱憤を晴らすのに最適な一枚が今回のLPレコードである。ここに収められた曲は、誰もが一度は聴いたことのある曲ではあるが、コンサートなどでそうしょっちゅう聴くことはできない。一昔前のラジオ放送は、これらの珠玉の小品をしょっちゅう流していたが、最近のFM放送からはあまり聴くことがない。つまり愛すべき小品の愛好家が、日頃のうっ憤を晴らし、満足できるのがこのLPレコードなのである。小品愛好家の一人として言わせて貰うと、今の状況は「何とも寂しい限り」ということになる。各曲の概要は次の通り。ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「聖母の宝石」は、ナポリを舞台に若者の悲恋を描いた悲劇で、この間奏曲第1番は特に有名。ヴェルディ:歌劇「椿姫」は、デュマ・フィス(小デュマ)の同名の小説をもとにした悲劇。この前奏曲は、ヒロインの悲しい宿命を暗示するかのような感傷的な美しい旋律をもった音楽。マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、シシリーを舞台に愛欲のもつれを描いた悲劇。この間奏曲は、静かな中にも劇的な緊張感を持った美しい曲。メンデルスゾーン:劇音楽「真夏の夜の夢」は、シェークスピの5幕からなる喜劇「真夏の夜の夢」の付随音楽。この「結婚行進曲」は、必ず結婚式で聴かれるといっていいほど有名な音楽。ケテルビー:管弦楽曲「ペルシャの市場にて」は、ペルシャ(現在のイラン)の首都テヘランの旧市街の市場を描写したもので、エキゾティックな雰囲気が印象的。グリーグ:劇音楽「ペール・ギュント」は、同国の文豪イプセンの依頼で戯曲「ペール・ギュント」に23曲からなる曲を作曲したもの。「ソルヴェイグの歌」は、ペール・ギュントを待ち続ける純真な女性ソルヴェイグの愛の歌。ウェーバー:歌劇「魔弾に射手」は、ドイツ・ロマン派の始祖と位置づけられる名作。この「舞踏へのお誘い」はもともとピアノ曲であった。シベリウス:交響詩「フィンランディア」は、フィンランドの国民讃歌として今でも圧倒的な人気を誇る名曲。ムソログスキー:管弦楽曲「はげ山の一夜」は、最初はオペラの一場面として予定されていたが、最終的には管弦楽曲としてまとめられたムソルグスキーの代表的作品。(LPC)

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