森羅万象、政治・経済・思想を一寸観察 by これお・ぷてら
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ガソリン税の前に-企業の税負担に着手せよ。
ガソリン税上乗せ、民主は「撤廃」 党税制大綱に明記へ(朝日新聞)
国民にはよくみえない道路特定財源の揮発油税(ガソリン税)を一般財源化することは賛成ですし、その上乗せ分をどのようにするのか、そこは論点の一つで決着をつけなければなりません。
一方で思うのは、税の論議で避けてとおっている重要な論点があるということです。当ブログで繰り返しのべている、企業減税に一度メスを入れるべきだということです。
企業減税は聖域ではありません。今朝の「サンデーモーニング」でも、この間の企業減税がつづき、企業が一方で膨大な利益をあげ、国民の中でも年収が1000万円以上の層と年収200万円以下の層がともに増えている格差の広がりに言及していました。メディアもこのように指摘する企業減税。税負担の面で、企業の負担をもっと強めてよいと思うのです。
ところが、日本経団連は、以下にみるようにさまざまな企業優遇が税制度上もあり負担が軽減されているのに、いっそうの法人減税を要求してきました。その一方で経団連は、消費税増税を要求しつづけ、国民に負担を強いてきたのです。結果的に庶民への増税分がほとんど法人減税に匹敵する規模でした。
その際、財界がもちだすのは、日本の法人税が外国とくらべて高いという理由です。けれど、これは実際どうなのでしょうか。
日本の税率は、地方税をふくむ実効税率をみると、アメリカやドイツと同程度です。日本が異常に高いということではありません(上表、数字は%)。その上、ヨーロッパ諸国は、社会保険料の事業主負担が日本より高いところが多いのです(下表)。経団連は、法人税率をもちだだして、それが高いと「国際的競争力がなくなる」と宣伝しましたが、根拠がないのではないでしょうか。
法人所得課税 | 事業主負担 | |
---|---|---|
日本 | 3.8 | 4.5 |
アメリカ | 2.2 | 3.4 |
イギリス | 2.9 | 3.7 |
ドイツ | 1.6 | 6.9 |
フランス | 2.8 | 11.0 |
税制度上は、たとえば、2003年度から導入された研究開発減税というものがあります。売上に占める研究開発費の比率に応じて、研究開発費の8~10%を法人税から税額控除するものです。大企業ほど限度額いっぱいまで控除を受けているといわれています。そのほか、外国税額控除や配当益金不算入などもあって、これらは大企業の実際の税負担を大きく引き下げているのが実情です。だから、上表では実効税率が39.54%とありますが、実際はこれを大きく下回っています。
根拠もなく他国とくらべ法人負担が高いと大企業がいい、法人税減税を要求し国民に負担を転嫁している実態は、ゆがんだ税制といえるでしょう。むしろ競争力を弱めているのは、大企業の権益のみを追求し、国民の生活を疲弊させることにこそあると私は思います。企業に社会的責任というものがあるのなら、それにふさわしい税負担をすべきです。
道路特定財源問題もむろん解決しなければならない課題にちがいはありません。その際にも、大企業の負担、税優遇を聖域とはせず、まず歪みをただし、応分の負担を求めていくことを欠いてはなりません。
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注;表は『経済』07年4月号をもとに改変した。
PS;自民税調の津島氏は以下のように、社会保障目的で消費税増税を導入すべきと繰り返しのべています。
消費税は社会保障税とすべき=津島自民党税調会長
自民党税制調査会の津島雄二会長は9日の民放テレビ番組で「消費税は社会保障税としてはっきり性格を決めるべきだ」と述べ、社会保障財源として目的税化すべきとの考えを示した。
番組終了後、津島会長は記者団に対し、消費税の目的税化を与党税制改正大綱で明記するかどうかは「思案のしどころ」と述べ、明記する方向性に含みを持たせた。
与党は13日に2008年度税制改正大綱をまとめる。08年度改正での消費税引き上げは見送る方針を固めているが、大綱では、将来の税率引き上げに向けた道筋を示す方向で調整している。
(追記・12月10日)
日米関係は地代不払いにも反映。
10年間も地代を滞納していて、そのまま居座り続けることができるなんて、そのこと自体が異常です。世間では、家賃を1カ月でも滞納したら、矢のような催促があとに続くはず。それを10年も情状酌量するとは何たること、そう思っても不思議ではない。
ともあれ米国側が支払うことになったようですが、それにしても法外に安い地代ではないでしょうか。1万3000平方メートルもあるのに、年額700万円ということです。平米あたり年額600円にもあたりません。
米側の滞納が伝えられたとき、当ブログでは、米大使館の滞納にみる日米関係(10・29)を公開し、その背景に、卑屈なまでの日本の米国追随があることを指摘しました。なぜなら、国民にむかっては国の財政事情にかんがみ、消費税増税は避けられないなどと、社会保障目的税にするなどと口実をつけながら負担を強いるのに、一方の盟主米国にたしてはこの温情ぶり。誰がみても、その対応の落差に驚くでしょう。日本政府は国民のほうを向かず、米国・ブッシュ政権の顔色をいつもうかがっているのです。
その米国との関係でいえば、一国の首相を辞任に追い込むほどの主従の関係ができあがっているのです。国民には、唐突にも思える安倍辞任劇でしたが、イラク特措法の延長が事実上、不可能になって安倍晋三氏はにっちもさっちもいかず辞任することを選んだのでした。
安倍氏ばかりではありません。米国は、「最大野党」の民主党をも簡単に動かしうる。そのことを示したのが大連立劇でした。
日本と米国の間にはこんな日本かrあみた従属的関係が厳然としてある。私は、この滞納問題もその一例だと考えるのです。
記事がのべるように、当面の新テロ特措法の成立が両国関係をこれまでのように維持していくには、滞納分を支払うという形式もまた必要だったというこでしょう。
一方で、日米の不平等な主従の関係はもちろん依然としてつづいていて、福田首相が何はさておき、どんなことをしてでも新テロ特措法成立に執着していることを繰り返し言明していることにそれは表れています。
世間ではとても通用しない「ルール」が存在する。それが日米の関係にほかなりません。ルールは、ささいなようにみえる地代の問題、そんなところにも日米の力関係が如実に表現される、逆にそのことに日米関係のいびつさを感じるのです。
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「無党派」は保守だった-高村薫の見立て

氏が言及しているのは2005年の総選挙である。小泉自民党の圧勝だった、あの選挙。
冒頭、こんな調子ではじまっている。
昨夜、私はぽかんとして開票結果を見ていた。そして初めて気づいた。今まで投票に行かなかった「無党派層」は保守だったんだと。おそらく世間はこれまで、無党派層はリベラルだとみなしていたのではないか。それが大いなる勘違いだということが証明された。
この見立てはあながち的外れだとはいえまい。無党派を自認する人のなかには、これに立腹される方もおられるかもしれない。けれど、私は高村氏を支持する。
もともと無党派層の定義など最終的にできないと私は思っているが、それは措くとして、それをリベラルだと見る立場よりも保守だとしてこそ筋がとおるというものだ。
この小泉圧勝の選挙から、ほぼ2年後の今年の参院選では、民主党が大勝した。高村氏の文脈で考えると、この結果も理解しやすい。もともと民主党がリベラルだという意見には大いに疑問を持つ立場からすると、2年前と今回とは基本線で同じということになる。
そして、ここ数回の選挙で得票率という数字上で、自民、民主の累計が概ね一定していることはこの高村氏の見立てを支持するだろう。
むろん自民・民主以外を支持していた人が民主党に投票したり、自民党に投票した結果も含めた得票率の推移なのだけれど、自民、民主のいずれかに投票するという行動が繰り返されていると推測されるわけだ。
現に投票の対象となる自民、民主の両党がここにきて大連立を一度は協議したという事実は、選ばれる側が、選ぶ側の実態、つまり保守というくくりで纏められることをも見抜いている結果ともいえなくはない。別の言葉でいえば、高村氏が他から切り分ける保守という選ぶ側は、自民でも民主でもどちらでもよいのだ。

少なくとも新聞は、投票日直前まで「一歩立ち止まり冷静に考えよう」とよびかけていた。だが、言論は無力だった。一部政治家とテレビが作り出すムード無党派層が乗るという21世紀の政治のかたちを分かりやすく提示したという意味で、「9・11選挙」は文字通り歴史的だった。
9・11選挙後、この無力さを反省するメディア関係者、言論人の発言をいくつか目にしたことがある。私の理解では、今、さらに言論は力をなくしているようにみえてならない。ダイナミクスを読者に提示できなくなっている。
言論が力をなくすとき、人の眼は極端な場合、英雄やカリスマを求め、フィクサーや「悪の親分」の動向に関心を集中・特化させるという具合に。
たとえば、大連合ではナベツネが動いたといわれ、頭にのって当の本人が(党首会談の)内幕をあとで書くみたいなことをしゃべり、メディアがまた動く。
重要なのは、ナベツネの動向の一々ではなく、ナベツネをそのように動かす、あるいは動かざるをえない背後の構造に着目することだろう。その構造とは60年余つづく自民党政治という、保守政治を支えてきたそれであり、それが今、社会の変動のなかで従来と同じ形では立ち行かなくなっているということではないか。保守政治を保持するためにしかけられたのが小選挙区制であり、二大政党制のプロパガンダと推進であった。
このゆきづまりから変化を求めるかどうか、それは近々予想されている総選挙で一つは試されるということだろう。高村氏のいう「多くは無意識に保守」の日本人もまた、この意味で変化を迫られている。
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*1;この文章は、「朝日新聞」(2005年9月12日、大阪夕刊)に掲載されたものです。
「日米平和・文化交流協会」の不正-民間なのに税金で訪米
今朝のしんぶん赤旗はもちろん、毎日新聞(12・6)が上記のように、社団法人「日米平和・文化交流協会」(*1)主催の「日米安全保障戦略会議」に額賀福志郎財務相や民主党の前原誠司前代表ら与野党の国会議員延べ21人が参加していることを伝えています。
しかも、訪米の費用を助成金でまかない、渡米費用に国民の税金が使われたことになるものです。共産党・大門実紀史参院議員によれば、1人あたり100万円の助成金を参加した議員が受け取ったことになる。
冒頭の毎日新聞はこうのべています。
大門議員によると、同協会は「各議員から参加費として20万円集めた」と話しているという。不足分は助成金などで賄われており、大門議員は「自費で行くべきだ」と批判している。額賀財務相は先月6日の参院財政金融委員会で、「参加費は負担した。極めて公共的な事業なので参加した」と答弁した。
「日米安全保障戦略会議」は、毎年東京と米ワシントンで交互に開催される「日米安全保障戦略会議」です。同会議は、日米の軍事戦略や日本の軍拡の方向を相談する場となっており、日米の国会議員や防衛省、米国防総省関係者が参加、両国の軍需産業が後援しています。
すでに11月、大門氏は、同じ参院財政金融委員会で、額賀氏らが参加した際、国から補助金を受けている上記「交流協会」(会長・瓦力元防衛庁長官)が宿泊費などの大部分を負担していた疑惑を明らかにしていました。今回、その内容が秋山直紀・同常任理事の報告によってあらたに明らかにされたものです。
軍需産業から資金を受け、(社団法人として)税金の助成も受けている団体から事実上の接待を受けていることが判明したわけです。これは、一企業のゴルフ接待とは性格が異なる問題だといわざるをえません。一方の「交流協会」は国民の税金を助成金という形でうけとりながら、それを自由に使う、流用にほかなりません。
額賀氏ら参加した議員の責任が厳しく問われなければなりません。
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*1;外務省所管の社団法人。久間章生元防衛相が理事、石破茂防衛相も今年九月まで理事を務め、防衛族議員が多数参加しています。軍需商社山田洋行の米津佳彦・現社長のほか、三菱重工や川崎重工などの役員もメンバーで、これらの軍需産業が寄付金を拠出しています。
橋下弁護士擁立か-大阪府知事選今昔
大阪市立大学教授であった黒田了一が左藤義栓に挑んだのは、もう35年以上も前のこと。亀田得治(社会党大阪府本部委員長・当時)と村上弘(日本共産党大阪府委員長・同)が最終的に手を携え、彼らとともに黒田が出馬表明したのは、告示日だった。公害対策を徹底して訴え大阪府知事に当選、大阪府ではじめての革新知事が誕生した。劇的とはこんなことをいうのだろう。当時の強い印象が今も残像として脳裏に浮かぶ。
以後、たとえば同和問題に端を発する社会党と共産党の間の亀裂が深まり、社会党が対立候補をたてたりするという曲折があって、最終的には政党では共産党のみが推薦し黒田は2選を果たした。が、1979年の選挙で自民・新自ク、社公民・社会民主連合の推す岸昌に敗れた。
そして岸のあと、岸知事時代の副知事であった中川和雄が一期務めるが、その後、横山フック、そして太田房江と続いた。横山はタレントとしての知名度もあり、無党派をウリにした当選だった。太田は女性初の知事として注目されたが、仕事ぶりと実績ににたいする評価はけっして芳しくはなかった。
注目したいのは、かつぎあげられた経過はそれぞれ異なるにしても、横山も、太田も就任後の時間がたつにつれて中央の与野党が入り乱れて推してきたという事実だ。
そしてこの二人とも、隙がありすぎた。横山はセクハラで訴えられ、知事の椅子を失ったし、太田は太田で、横山の後をついだが、自らの「政治のカネ」にまつわる数々の問題が命とりになった。この2人の、世間との感覚の極端な隔たりを正直感じる。
大阪府知事選をめぐる政党の構図は、黒田が破れて後、表面上はともかく、非共産対共産の基本的構図となっている。その意味では、自民も民主も公明も、社民もまた、太田を推してきたのだから、太田与党としての辞任の責任がともなうだろう。
そして、太田の3選出馬を断念する旨表明して以後、自民党が橋下徹弁護士に出馬を要請したことが伝えられている。
橋下がほんとうに出馬するかどうかは今の段階ではまったく不明だ。
彼のこれまでの言動から判断して、はたして大阪府民全体を視野に入れたものになるのかどうか疑わしいと思う。彼の思想・信条と同じであろうと異なろうと、府民は府民であって、地方自治体の首長は住民の生命と健康をまもるという地方自治法をまさに体現する第一線にたつことが求められるだろう。
私には、ちょうど石原慎太郎と同じようにみえる。この二人は、大衆蔑視と表裏の大衆煽動をわが意とする「手法」もまた共通しているように思える。
橋下の名を自民党があげるのは、理由がある。
自民党の退潮がまず基底にあって、自民党を名乗る知事は限られ、党公認の知事はすでに見込めないこと。そのために、中央とともに地方でも、従来の自民党政治を継続していくためのしかけが、二大政党制であり、地方でのオール与党政治だと私は思う。
自民党政治の継続を願う勢力からみると、知名度を先行させる以外にはない。自ら推した知事が「不祥事」で辞める経過があれば、なおさらだろう。テレビが幅を利かせ、メディアの合唱がものをいう時代に、橋下の登場は願ってもないことなのだろう。
横山が当選して13年目をむかえようとしている。この12年間、大阪人の株があがったとは到底、私には思えないのだが。大阪府民は同じ物差しでまた知事を選ぶのだろうか。実感するのは知名度と首長の技量との著しい乖離である。
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地球温暖化;「化石賞」受賞は笑える?
「バリ会議」進展に消極的と、日本「化石賞」上位独占(読売新聞)
気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)の会場では、世界中の民間活動団体の連合体「CAN」が、その日の会議の進展に最も後ろ向きだった国に与える「化石賞」を毎日発表している。
4日は日本が1~3位を総なめにした。
1位となった理由は、ポスト京都議定書の枠組みで削減目標を明らかにしていないこと。2位以下は他の国が選ばれることが多いが、この日は2、3位にも日本を選出。2位の理由は、京都議定書を深めて広げるべきなのに逆に葬ろうとしていること、米国、カナダとともに受賞した3位は、途上国への技術移転に消極的なことが理由だった 。
この会議の中で日本のイニシャチブも期待をされたのでしょうが、記事によるかぎり、そうではなかったということでしょう。「化石賞」とはなんとも皮肉っぽく、温暖化防止への努力を惜しむ国々への最大の批判ともいえそうです。
ことに日本は上位を独占したのですから、これ以上の不名誉はないのかもしれません。日本が受賞対象となった理由は、記事のとおり、①削減目標を明らかにしていない、つまり不作為や、②京都議定書にたいする後ろ向きな姿勢、③技術移転に消極的、など、当初から締結国として温暖化防止へ努力しようとする姿勢そのものが欠如しているとしか思えないような理由でした。
関連して、いくつかのことが頭をめぐりました。一つは、この日本の姿勢とはほとんど対照的だと思えますが、オーストラリアが当日、京都議定書に批准したことです。むろん同国が労働党政権に移ったことによるものですが、前ハワード保守政権が米国に追随して批准拒否の姿勢をとってきたことをあらためる、明確な方針転換でした。「新政権としての初仕事。気候変動問題に取り組むわが政権の熱意を示すもの」とコメントを残し、ラッド首相は排出目標達成のためにあらゆる努力を惜しまないことを表明したのです。
たいして厳しい評価を受けた日本政府の対応には、いぜん京都議定書の批准拒否の姿勢をとっている盟主米国への「思いやり」が反映しているのでしょうか。私にはそのように思えるのです。

そして、事務局長談話で以下のとおりのべていました。
行動はいま可能であり、それは経済的にも意味を持つ。行動しないことのコストは、速やかな行動のコストをはるかに上回る。
長期目標という概念が提起され、多くの国が法的に拘束力のある目標を求めた。2050年までに排出量を半減し、気温上昇を2度に抑える必要性について、何度も言及があった。この問題はバリ会議以降の交渉課題で重要になるだろう。いかなる解決策も、公平で共通だが差異のある責任という原則に基づき、いかなる行動要件もそれぞれの能力にふさわしいものでなければならない。
間違いなく、先進諸国がいっそう大きな排出量削減をする必要がある。同諸国は引き続き、この面で指導性を発揮しなければならない。
ことあるごとに日本政府は国際貢献や国際協調を口にしますが、この分野でこそ先進国にふさわしい役割を発揮すべきです。
地球温暖化、温室効果ガスの排出抑制は、地球全体の課題です。けれど、とりわけ重い責任を負っているのは、先進工業国と産業・企業です。現に世界の人口では2割にすぎない先進国は温室効果ガスの排出では6割を占めるといわれています。その大半が産業用やエネルギー用のものです。
1997年、京都で開かれた気候変動枠組み条約の締約国会議(COP3)は、「京都議定書」でまず先進国が2008年から12年までに排出量を6%削減するときめたのでした。
削減どころかその後も排出量が増えている日本政府の責任は、いよいよ重大だと指摘せざるをえません。
「化石賞」は受賞すべくして受賞したといえそうです。
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ベネズエラは漸進、ロシアは何を選んだのか。

一つは、ロシアの下院選の結果です。与党の統一ロシアが64%を獲得する圧勝でした。これは、単独で憲法改正が可能な3分の2以上を上回るもので、同党はすでに「プーチン路線にたいする事実上の信任投票」とのべ、勝利宣言しました。米・独などからは、「自由な意思表示ができない」と、選挙のあり方について懸念が表明されています。政権強化の地歩がさらに築かれたというのが大方の見方でしょうか。
この選挙結果を朝日新聞電子版(12・3)はつぎのように伝えています。
統一ロシアの圧勝は、プーチン氏が今後も政策継続の保証人として振る舞うことに正当性を与える形になった。統一ロシアは17日にも党大会を開き、プーチン氏が指名する後継者を同党公認の候補として来年3月の大統領選に擁立する方針。同氏が誰を後継者に据えるかが当面の焦点となる。

それだけではなく、今回の憲法改正案が「21世紀への社会主義」への前進をかかげていたわけで、ベネズエラ国民がこれをどう判断をするのか、きわめて興味深いものがあったからです。
結果は、チャベス大統領が提案した改憲案は小差へ否決されました。同大統領はこの結果を受けいるとただちに語りました。
国のゆくえ、あり方を決めるのは国民です。そもそも国民投票そのものが国民の意思を問うものであって、同大統領が結果にしたがう旨、のべたことは当然といえるでしょう。
テレビでは結果が小差であることを同大統領が身振りを交え強調していましたが、国民の意思は、社会主義化に慎重な態度をとることを求めたわけです。一面では、半数近い国民が社会主義への変革を望んだともいえるわけです。が、今後、社会主義化へのむけた議論は拙速にすすめるものではなく、国民の意思を常に確かめながら国民の意思で進んでいくことを選んだという点こそ国民の判断だといってよいでしょう。
ベネズエラでも、70年代のチリ・アジェンデ左翼政権を転覆したピノチェトと同様に、すでに米国からの資金援助を受けて、団体「スマチ」が活動、反政府宣伝を強めていましたし、米国はもちろん、スペイン政府筋も選挙に干渉してきました。
こんないきさつから、投票結果をうけて、反政府干渉がいっそう強まることも懸念されます。
ただし、ロシアの選挙で野党側から不正だと指摘する声がでていることと対比して考えるのはつぎのことです。今回の国民投票のように、チャベス大統領が選挙をつうじて国民の意思がどこにあるのか確認して変革を訴えていく手法を今後もとることが、国民の支持を広げ、国内世論ばかりでなく、国際的な世論を動かすことにつながるのではないでしょうか。
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戦争司令部できる。米軍基地再編はどこまできたか。
集会での井原勝介・岩国市長の発言を一部紹介します。
岩国市は基地を撤去しようとまではいっておりません。国にも国政にも協力しないといけないという考えで、基地に強力してきています。
しかし、地域住民の生活、安心を守ることは基本的な問題です。今回の空母艦載機部隊移転だけは我慢できない。これが市民の痛切な思いだったと思います。それを端的に示したのが、あの住民投票です。岩国は圧倒的な意思を示しました。
本来、民意は政治の場では重いものです。でも、なかなか市民の声が届かないのが現実です。その後も一方的に再編が進められようとしています。
これは岩国だけの問題ではありません。全国どこでも起こりうる問題です。そうした観点で一緒に岩国とともに行動してほしいのです
。米軍基地再編の現状は、再編の最終合意から一年半がすでに経過していますが、地元自治体・住民の合意をもとに進んでいる主要な計画はひとつもないといわれています。その上に、米軍基地再編をめぐって、政官財の癒着と軍事利権疑惑が国民の前に明らかにされて、広がっているのですから、怒りが沸々と湧き出てくるのは当然ともいえるでしょう。
自らが軍事予算に群がり私利私欲で動いていながら、住民に犠牲を押しつけ、安全にたいする不安をもかきたてる政府与党。しかも自治体への補助金をカットしてまでも再編への協力を強いる政府に、憤りを禁じえない人は少なくないでしょう。井原市長の発言にあるように、岩国だけの問題ではない、これは当該自治体の問題だとスルーしてしまうわけにいかないのです。
一方で、米軍横田基地に昨年2月、「共同統合作戦調整センター」という機関が創設されていたことをしんぶん赤旗(12・1)が伝えています。名前だけでは何なのかも分からない、その実体が判断しづらいのですが、同センターは、日米両国政府の在日米軍再編合意にもとづいた日米共同の戦争司令部といわれています。この機関の設置はすなわち自衛隊が米軍の指揮下におかれ、事実上の集団的自衛権の行使につながる重大な事態だといえるものだといえるのではないでしょうか。
米軍基地再編のねらいがどこにあるのかは、この横田基地のセンター設置に象徴的なように、米軍と自衛隊の一体化がねらいです。なし崩し的に憲法違反の体制に組み込もうとする政府与党の動きをそのまま容認することはできません。
米軍の再編は基地のある街のこと、こうとらえたままでいると、いつのまにか日本全体がすでに戦争体制のもとにあるという事態も現実にものになりかねません。井原市長の言葉にまつまでもなく、米軍基地再編は関係する自治体だけに照準をあてたものではない。岩国の集会は、あらためて基地再編の意味を考えようとよびかけているような気がしてなりません。
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日米関係は変わるか。
日米関係「良好でない」、初の2割超 内閣府世論調査(朝日新聞)
日中、日韓関係を「良好だと思う」人が1年前に比べて増える一方、日米関係については「良好だと思う」人が減ったことが、内閣府が1日付で発表した「外交に関する世論調査」でわかった。日米関係では「良好だと思わない」人が急増し、98年に質問を始めてから初めて2割を超えた。
日米関係が「良好だと思う」は、昨年10月の83%から76%に減り、逆に「良好だと思わない」は12%から20%に増えた。 韓国との関係については「良好だと思わない」が昨年、過去最高の57%に達していたが、今回は45%に減り、「良好だと思う」も34%から50%に増えて持ち直した。中国との関係についても「良好だと思う」が昨年の22%から26%に増えた。
それでも数字は、「良好だと思わない」と答えた人は全体の2割に過ぎません。そして、「良好だと思う」と答えた人が減少したとはいえ8割に近いという結果は、米国との関係は相対的に良好だと日本人が依然としてとらえていることの反映だと思うのです。それはもっと日本にとって近い国であるはずの中国や韓国との関係を、「良好」だととらえる人の割合が3割にも達していないことと対照的です。
このように、若干でも日米関係の受け止め方に変化がみられるのは、いうまでもなくテロ特措法をめぐる一連の政治状況によるものです。日本にとっては、戦後60年以上も米国との関係をぬきに考えることはできませんでした。占領をへて、日米安保条約の締結が両国関係を縛ってきました。それが今も続いているのはいうまでもありません。その意味では、今、日米の関係は従来にはない緊張した関係だともいえるでしょう。同時に、国会会期をさらに延長してまで新テロ特措法を成立させようと政府が手を尽くそうとするのも、この60年以上にわたる米国に対する日本の関係とその関係の深さを物語っています。
毎年、米側から提出される年次改革要望書。岩国で「1万人集会」が昨日開催されましたが、補助金をちらつかせてまで自治体に合意を迫る米軍基地再編。そして、市場開放を要求する米国と同保険会社の意向をくんだ混合診療全面解禁のアピールなどの規制緩和…。
大げさにいえば、日本の政治・経済問題はどこで切っても必ず米国との関係にいきつくのです。
この関係がしかも、対等・平等ではない。一言でいえば、日本の米国への従属ということでしょう。この従属という概念で、日本と米国の関係はよくとらえることができるし、実際の日本の政治、戦後ずっとつづく自民党政権はあらゆる機会に米国いいなりの政策をとってきたと私は思うのです。
戦後60年以上も、およそ私には不問にしてきたとしか考えようのない、米国との関係を、反米ということではなく、あらためて今、考えてみてもよいのではないかと思うのです。
私には、すでに多くの日本人がイラク戦争を忘れかけているようにしか思えません。イラクでは民間軍事会社に雇われていた日本人が行方不明になったことが以前に伝えられました。事態は、国家の軍隊が戦争をするとは限らず、効率性や採算性を重視したビジネスとして戦争がおこなわれているのです。イラクの戦闘状況を考えると、日本での国会の論議はあまりにも滑稽だと思えるのです。専守防衛や集団的自衛権ということが「大真面目に」語られる日本の状況は、こうした戦争を民間会社が担う現実とどれほど乖離しているのでしょう。
イラク戦争は私たちに、戦争というものは大義がなく嘘であってもはじめられること、最新鋭の戦争技術であってもテロやゲリラには有効でないことを教えてくれました。
大義がなくても米国の意向を基準にして政治をおこなう日本。今、そのおおもとにある日米関係のいびつなあり方を大いに議論する格好の機会のように思えます。
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この判決は、トヨタの工場労働者が残業中に倒れたのは過労が原因として労働基準監督署長を相手どって「業務外決定」の取り消しを求めていた裁判で、原告側の請求を全面的に認めました。
遺族年金不支給取り消す=トヨタ社員過労死訴訟-名古屋地裁((時事通信)
裁判では、労基署長の時間外労働時間の認定方法の是非、無償労働(QCサークル活動や提案活動)の業務性の判断などが争点になったものです。裁判長は、QC活動について「事業者の支配下による業務」と明確に認定し、死亡した労働者の労働の質や夜勤の疲労度などについて踏み込んで判断しています。
実際にTQC活動(*1。total quality control。総合的品質管理や全社的品質管理と訳される)やあるいはドラッガーが提唱したとされるMBO(Managemennt by objectives。日本では「目標による管理」と訳される)などに参加された方も多いのではないでしょうか。
これらは、いずれも本人の自主性に任せることで、主体性が発揮されて結果として大きな成果が得られるという人間観にもとづく労働管理の手法といえるでしょう。企業であれば、これらがいずれも企業という組織の中でおこなわれる以上、品質や目標を管理するのは最終的に事業者であって、その成果も企業の利益となって「結実」する性格のものでしょう。これらの管理手法は、自主性を尊重、評価するようなしくみのようでありながら、実は当の労働者にとっては、たとえば具体的な数値目標にむけて進行が管理され、あるいは品質が問われることにたいする肉体的、精神的疲労はけっして少なくないはずです。こうした管理手法の研修・指導や実践で常々感じるのはこういうことでした。
この意味で、名古屋地裁の判断はまったく妥当だと思うのです。
トヨタはいうまでもなく、世界有数の自動車メーカー。経常利益も法外な規模のものです(*2)。
今回の裁判で争われた事例は、おそらくトヨタで働く労働者の労働実態のごく一部が表出したにすぎないでしょう。けれど、訴訟は、一人の労働者の死という過酷な実態の上にトヨタの利益が成り立っていることもまた明らかにしました。
被告の国が控訴せず判決を確定することが望まれますが、トヨタという世界企業での事件だけに予断は許しません。
原告である、死亡した労働者の妻の言葉が印象的です。
トヨタは利益以外のことで世界に認められる会社になってほしい。
他言は要しません。
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*1;JIS(日本工業規格)用語では、以下のように定義されています。
品質管理を効果的に実施するためには、市場の調査、研究・開発・製品の企画、設計、生産準備、購買・外注、製造、検査、販売及びアフターサービス並びに財務、人事、教育など企業活動の全段階にわたり経営者を始め管理者、監督者、作業者などの企業の全員の参加と協力が必要である。このようにして実施される品質管理を全社的品質管理(company-wide quality control、略してCWQC)、または総合的品質管理(total quality control、略してTQC)という。
*2;トヨタの営業利益が年2兆円を超えたと伝えられたのは記憶に新しいことでしょう。
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トヨタ元社員は「過労死」、遺族側勝訴 名古屋地裁(朝日新聞電子版12・1)
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