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自公に対峙する主権者と政治勢力の結集が第一

2017年09月04日 13時23分06秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                                

                           「植草一秀の『知られざる真実』」

                                         2017/09/04

             自公に対峙する主権者と政治勢力の結集が第一

               第1837号

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野党再編が論議の対象になるが、焦点は

「保保二大勢力体制」

か、それとも

「保革二大勢力体制」

かということになる。

「保保」というのは、現在の自公政権の基本政策と類似した基本政策を掲げる
政治勢力が、自公勢力と類似した規模に拡大する状況である。

米国の共和・民主二大政党体制と類似した政治状況である。

「日本の支配者」が目指しているのがこの政治状況である。

これに対して「保革」は、現在の自公政権が示す基本政策方針と対峙する基本
政策方針を明示する政治勢力が二大政党体制の一翼を担う体制である。

かつての英国の保守党・労働党の二大政党体制がひとつの類型である。

韓国では1988年以降、保守政権と革新政権が、ほぼ10年ごとに入れ替わ
る保革二大勢力による政権交代を実現してきている。

1988年 盧泰愚(ノ・テウ)政権
1993年 金泳三(キム・ヨンサム)政権

1998年 金大中(キム・デジュン)政権
2003年 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権

2008年 李明博(イ・ミョンバク)政権
2013年 朴槿恵(パク・クネ)政権

2017年 文在寅(ムン・ジェイン)政権



日本では2009年に鳩山由紀夫民主党が政権を樹立した。

鳩山政権は既存の政権の基本政策路線と明確に対峙する政策方針を明示した。

その基本政策方針の転換とは、

対米隷属 VS 対米自立

官僚支配 VS 官僚利権廃絶

大資本支配 VS 大資本支配排除

というものだった。

この基本路線転換を象徴する具体的な政策提言が

普天間基地の県外・国外移設方針

官僚天下りの根絶

企業団体献金の全面禁止

の三つであった。

1948年に芦田内閣が破壊されて以来、初めて樹立された本格的な革新政権
が、この鳩山政権であった。

「日本の支配者」が本格的な「革新政権」をいかに恐れているのかは、鳩山政
権の命運をたどれば鮮明に浮かび上がる。

鳩山政権を誕生させた主役は、小沢一郎氏と鳩山友紀夫氏(名前表記を首相辞
任後に変更)の二人である。

この二人の盟友に対して「日本の支配者」が苛烈で卑劣な人物破壊工作を仕掛
けたことは周知の事実である。



小沢一郎氏に対する攻撃は2006年4月に小沢一郎氏が民主党代表に就任し
た時点から本格化した。

このことを私は、本ブログ開設直後に掲載した2008年5月29日付記事

「自民党が恐れる最大の存在は小沢一郎民主党代表である」

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_4d0a.html

に記述した。

「日本の支配者」は、なぜ、これほどまでに小沢-鳩山民主党を警戒したの
か。

その理由は単純明快である。

この二人が主導する政治が、日本の既得権政治を根底から破壊する惧れが高
かったからだ。

「日本の支配者」は小沢-鳩山民主党を破壊するための激しい工作活動を展開
するとともに、これと並行して、「害のない」もうひとつの政治勢力を構築す
るための工作活動を展開してきた。

これがいわゆる「第三極」と称された新政治勢力創出の試みである。

結論を急ぐ。

「日本の支配者」は自公と類似した政策方針を示す、もうひとつの政治勢力を
創出しようとしているが、これは日本の体制を固定化するためのものである。

日本の主権者の多数が「安倍政治を許さない!」との判断を保持する以上、二
大勢力の一翼を担う政治勢力を「革新勢力」にする必要がある。

この「革新勢力」が政権を奪還して初めて、日本政治の刷新が実現する。

「保保二大政党体制」ではなく、「保革二大政党体制」を目指すこと。

これが当面の野党再編論議で認識しておくべき最重要事項である。



「日本の支配者」

と表記してきたが、具体的に言えば、米国を支配する巨大資本のことである。

米国政治、米国政府を支配しているのも、この巨大資本である。

この「支配者」が米国の政治経済金融制度を構築した。

政治制度における共和・民主両党による二大政党体制は、どちらに転んでも巨
大資本の利益が損なわれない制度であり、事実上、政治路線は固定されてい
る。

これを私は「二党独裁制」と呼んでいる。

二つの大政党があり、政権交代も生じるから、自由な選択が実現しているよう
に見えるがそうではない。

どちらに転んでも、根幹の部分は変わらない。

巨大資本の利益は確実に守られる。



「日本の支配者」は日本の政治制度を、米国と類似した二つの保守勢力による
二大政党体制に移行させようとしている。

革新政権が誕生して、日本の諸制度を根底から改変してしまうことを阻止する
ためである。

「日本の支配者」が日本政治に介入する際、その実行部隊の中核を担ってきた
のがCIAである。

CIAは大統領の指揮下にあると思われやすいが、そうではない。

米国を支配する巨大資本の支配下に位置している。

2009年に鳩山政権が誕生したとき、NHKや日本の検察組織はどう動いい
たのか。

彼らは鳩山首相の指揮に従って動いたのではなく、「日本の支配者」すなわち
米国を支配する巨大資本の指揮によって動いたのである。

その指揮に従って、鳩山由紀夫氏と小沢一郎氏に対して苛烈で卑劣な人物破壊
工作を展開した。

日本で人物破壊工作の標的とされた者は他にも存在する。

彼らに共通するのは、そのほぼすべてが、CIAによる工作であるということ
だ。



彼らにとって、2009年の小沢‐鳩山体制ほどの脅威は存在しなかった。

そのために、文字通り「目的のためには手段を選ばない」苛烈で卑劣な人物破
壊工作が展開された。

日本の既得権、日本支配権を破壊してしまいかねない真正の改革を実行しよう
としたからである。

米国による日本支配、官僚による日本支配、大資本による日本支配

という日本支配の基本構造を破壊しようとした。

このために史上空前の激しい攻撃が加えられたのである。



彼らは小沢-鳩山両氏に対する人物破壊工作を展開すると同時に、二つの工作
活動を展開した。

ひとつは既述した人為的な「第三極」創出である。

いまひとつは、民主党を内部から転覆することである。

2010年6月の政変は民主党内部からの転覆工作であった。

この転覆工作により菅直人政権、野田佳彦政権という二つの「日本の支配者」
による傀儡政権が創出された。

この転覆工作により、真正の改革を目指した小沢一郎氏は「国民の生活が第
一」という新政党に避難せざるを得なくなった。

「日本の支配者」はこの小沢新党「国民の生活が第一」をせん滅するために総
力を結集した。



そして、民主党が再び真正の革新政党に転じることがないよう、力を注ぎ続け
てきた。

その延長線上に今回の民進党代表選がある。

彼らの狙いは民進党を自公と類似した二大政党体制の構築に向かわせることに
ある。

彼らが創出してきた「渡辺喜美みんなの党」、「橋下徹維新の党」、「小池百
合子都民ファースト」と民進党を連携させて、自公と類似した第二自公勢力を
創設させる。

これが彼らの目標である。



これを阻止するには、小池国政新党との連携ではなく、

「共産党を含む野党共闘路線堅持」

に民進党を進ませなければならない。

本来は、今回の代表選を契機に、民進党を二分割して、一方の部分は第二自公
を目指す再編へ、一方の部分は共産党を含む野党共闘の継続路線に向かうべき
であった。

早晩、この変化が顕在化することになると思われるが、まずは、民進党を野党
共闘路線堅持に進ませなければならない。



この意味での試金石になるのが、10月22日の三つの衆院補選と宮城県知事
選である。

この四つの選挙に野党が統一野党共闘候補を擁立する。

そして、

「安倍政治を許さない!」

の是非を争点に選挙戦を展開するのである。

民進党が煮え切らない対応を示す場合には、日本の主権者が直接動き、主導し
て闘いを展開しなければならない。

主権者に強く訴えるには主権者にとってもっとも切実な問題について明確な公
約を示すことが重要だ。

その最重要政策として

原発廃炉



消費税廃止

を打ち出す。

「大資本のための政治」を象徴する政策が原発推進であり、

「格差核再推進」を象徴尾する政策が消費税増税路線である。



主権者が求める方向は

反戦・反核・反貧困

であり、その具体策として、原発廃炉、消費税廃止を公約として訴えるのだ。

そして、この公約を明示する候補者をすべての衆議院小選挙区にただ一人主権
者が主導して絞り込む。

そして、この当選者による政権樹立を目指すのだ。

まずは、10月22日選挙に向けて、野党共闘候補擁立が求められるが、これ
と並行して次期総選挙に向けての「政策連合」構築が求められている。




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