曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

「安保法案阻止し、安倍政権を退陣に追い込む」8・30国会10万人集会、小沢代表

2015年08月31日 10時08分41秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

小沢一郎代表は8月30日、国会正門前で行われた「戦争法案廃案!安倍政権退陣 !  8.30国会10万人・全国100万人大行動」に参加し、「いい加減でバカげた安保法案を阻止し、皆で力を合わせて安倍政権を退陣に追い込みましょう」と訴えました。 

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主権者の鉄則その1-民主党悪徳10人衆を許さない

2015年08月31日 10時07分54秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                   

              「植草一秀の『知られざる真実』」

                             2015/08/30

 主権者の鉄則その1-民主党悪徳10人衆を許さない

            第1232号

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政治において一番大事なことは何か。

それは、

「言葉に対する責任」

である。

「言葉に対する責任」

を取らないとは、

「ペテン」

「詐欺」

である。

日本政治の劣化は、こうした、

「詐欺師政治屋」

「ペテン師政治屋」

が横行していることに主因がある。

「安全性が確認された原発を稼働させる」

「集団的自衛権行使容認は合憲である」

「ISD条項が盛り込まれたTPPに参加する」

はすべて

「詐欺」

である。

詐欺師が政治のトップに居座る。

これで政治が劣化しないわけがない。



「市長の任期まではやるが、それ以降は政治家はやらない」

と電波に乗せて発言した人物がいる。

本年5月17日夜のNHKニュース。

「大阪維新の会の代表を務める大阪市の橋下市長は、いわゆる「大阪都構想」
の賛否を問う住民投票で反対多数となったことを受けて、17日夜、記者会見
し、

「市長の任期まではやるが、それ以降は政治家はやらない」

と述べ、年内に予定されている次の市長選挙には立候補せず、政界を引退する
意向を表明しました。

大阪維新の会の代表を務める大阪市の橋下市長は、17日に投票が行われた、
いわゆる「大阪都構想」の賛否を問う住民投票で、反対多数となったことを受
けて、幹事長を務める大阪府の松井知事と共に記者会見しました。」

わずか3ヵ月前のことだ。

橋下徹氏は、大阪都構想を掲げて住民投票を実施した。

その住民投票で大阪都構想が否決された。

住民投票の前に橋下徹氏は、住民投票で否決されれば「政治家をやめる」と宣
言していた。

そして、現実に住民投票で否決され、「政治家をやめる」ことを公式に発表し
た。



ならば、政治家を辞めるべきである。

当たり前のことだ。

その橋下徹氏が新党を結成する方針を明示したとメディアが伝えている。

うそつきの橋下氏が何を言おうが、それは橋下氏の勝手だが、それを伝書鳩の
ように右から左に垂れ流すメディアは汚物のようなものだ。

住民投票で否決されて「政治家をやめる」と宣言したのは、たったの3ヵ月前
のことなのだ。

このことに触れずに新党結成発言をニュースとして報道するメディアは、ゴミ
を超えている。

汚物である。

ここまで劣化している日本に多数の主権者が絶望するのはやむを得ない。

しかし、絶望を絶望に終わらせたら、明日はない。

「絶望の山に分け入り、希望の石を切り出さ」ない限り、

明るい明日はやってこない。



2008年秋に、小沢一郎氏が民主党代表に三選されたとき、

複数候補による代表選実施を執拗に要請し続けたのは、どこの誰だったか。

連日連夜、

「民主党代表戦で党の活力を示せ」

などの社説などが掲載され続けた。

ところが、今度の自民党総裁選はどうか。

無投票再選になることを批判するメディアなど存在しない。

救いは、すべての主権者が腐っているわけではないことだ。

現状を憂い、現状を打破することを決意し、行動を起こし始めた主権者が少な
からず存在することだ。

この人々が、これから、大きなうねりを作り始める。

今日、8月30日の行動はその第一歩になる。

「戦争法案廃案!安倍政権退陣!
 8・30国会10万人・全国100万人大行動」

http://sogakari.com/?p=633



権力とメディアは表裏一体。

要するに、米国のパシリなのだ。

本当に残念なことだ。

残念な人があまりに多いことが残念なことだ。

東大の鈴木宣弘教授が日本記者クラブの会見でこう述べた。

「日本が、あるいは政権の一部が、どうしてここまで、米国の利益のために日
本国民の利益を損なう行動を推し進めるのかという疑問について、

端的に言うならば、

2020年のオリンピックが開催されるときまで、総理でいたいと言っていた
人がいるようですが、

つまりそういうことだと思います。」

https://www.youtube.com/watch?v=4SmdlUJd9t0

(1時間19分38秒から1時間22分までの部分)



鈴木宣弘教授は

「三だけ主義」

を指摘する。

「いまだけ、金だけ、自分だけ」

この思想が蔓延している。

その際たる存在が、いまの政権である。

自分の利益しか考えていない。

そんな人々が政治をやっていたら、国は悪くなるしかない。

そして、その一翼を担っているのが、

汚物のメディアである。

メディアのごく一部に、清冽な地下水が流れているが、そんな清冽な地下水を
流しているメディアは、メジャーなメディアではない。

マイナーである。



しかし、このマイナーの清冽な地下水がわき出るところこそ

希望の石

のありかなのだ。

「いまだけ、金だけ、自分だけ」

の巣窟が、悪徳政治家集団である。

2009年の鳩山由紀夫政権を破壊したA級戦犯が誰であったのかを、私たち
は決して忘れるべきでない。

それは、自民党や公明党ではないのだ。

背後に米国がいたことは紛れもない事実だが、その米国に操られたA級戦犯
は、実は民主党の内部に潜んでいた。

それが、民主党悪徳10人衆だ。

渡部恒三、藤井裕久、仙谷由人、菅直人、

野田佳彦、岡田克也、前原誠司、安住淳

枝野幸男、玄葉光一郎

この10名を、私たちは決して忘れてはならない。

リメンバー 政権クーデター

である。



次の国政選挙で大事なことは、

政党区分でものを考えないことだ。

政党ではなく

政策で考える。

野党再編

というのは、

政党を軸にする発想だが、

いま存在する野党の大どころが、

維新と民主

なのだから、これらを軸にする選択肢はない。



政党ではなく、

政策を軸にして、

人物本位で選別しなければならない。

何よりも重要なことは、

民主党悪徳10人衆と、これに連なる人脈を排除することだ。

そして、党派に関係なく

原発再稼働

集団的自衛権行使容認

TPP参加

に、

はっきりと NO を言い切る政治家

だけを選別して、主権者がその候補者を国会に送り込む。

主権者が選び、主権者が国会に送り込む議員を、

議会過半数にすれば、主権者が権力を握ることになる。

ゆくゆくは、この勢力が一つの勢力にまとまればよいだけだ。

「いまの民主や維新を軸に再編を考える」

という発想そのものに根本的な誤りがあるということを、確実に認識しておか
なければならない

 
 
 

日本人の預金・税金が米軍の爆弾に変わっている!?

2015年08月30日 10時39分41秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

日本人の預金・税金が米軍の爆弾に変わっている!?

 

日本銀行

日本銀行

「私たちの銀行預金や税金は、回りまわって米軍の爆弾となり、今もイラクに降り注いでいます」と指摘するのは、九州国際大学の藤井大輔准教授。

「ゆうちょ銀行を含む大手銀行は、“安全運用”という名のもとに日本国債を購入します。それを原資に、政府は米国債を大量に買い付けます。それを元手にして、莫大な戦費に苦しんでいるアメリカは武器・弾薬を買い、戦争に使うというわけです。銀行だけでなく、かんぽ生命や国民年金なども同様。昨年からの日銀の“異次元緩和”で、大量に米ドルが買われました。それでダブついたドルを運用するため、米国債を大量に購入しています。つまり日本はアメリカの戦費を買い支えているようなものなのです」(藤井准教授)

⇒【画像】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=699942

日本人のカネがアメリカの爆弾に変わるまで 昨年度の日本の米国債保有残高は1兆1000億ドル(110兆円)以上。2007年度に6109億ドルだったのに比べると、2倍近くに増えている。恵泉女学園大学の高橋清貴教授は「ODA(政府開発援助)も軍事に使われる可能性が広がる」と危惧する。

「現在、政府はODA大綱の改訂作業をしています。これまで民生用に限ってきたODAの使い道を軍需にも広げる方向が打ち出されています」

 ただ、これまでも“例外”として軍需に流れてきた例はあるという。

財務省

財務省

「’06年、安倍首相が官房長官時代、その“例外”を認める官房長官談話を発表しています。その後、インドネシアに巡視艇を3隻供与したのをはじめ、複数の“例外”がこれまでも認められてきました。今後はそれが“例外”でなくなるだけではありません。外務省は、『誰が使うか』ではなく『何の目的で使うか』で供与を判断すると言います。例えばある国の軍隊に災害救助目的で強襲揚陸艇を供与したところ、それが戦闘時に上陸作戦に転用されるなど、懸念は尽きません」

 では自分のおカネが戦争に使われないようにするには、どうすればよいのか。複数の識者は、“社会責任投資”という考え方がカギだと指摘する。

「ベルギーでは、人道的兵器に加担しない金融システム構築のため、地雷やクラスター爆弾などの生産に関わる企業への投資を法律で禁じました。その結果、国内の大手銀行が兵器製造企業への直接的な金融をやめています」(藤井氏)

 オランダでは、同じ考え方から「バンクワイザー」(賢い預金)というウェブサイトが作られている。このサイトは、自分が解決したい社会問題と、投資したいと思う業種を選ぶことで、自分の社会的関心にあった銀行をマッチングしくれるものだ。日本でも、「A SEED JAPAN」というNGOが同様の仕組みを作ろうしている。

 ODA改革ネットワーク世話人の神田浩史氏は、預金先についてこうアドバイスする。

「例えば労働金庫(ろうきん)は、国債を買わず、地域におカネが回るような運用をしています。そういう金融機関に預金すれば、自分のおカネは戦争には使われず、むしろ地域の活性化につながります。NPOバンクなど、使い方がはっきりしている組織に投資するのも有効です」

 8月19日発売の週刊SPA!「『戦争とカネ』を読み解く世界地図」では、イスラエル、アメリカ、ロシア、中国がからんだ戦争・紛争の陰にある「カネと資源」の問題、“戦争経済”から抜け出せないアメリカの実態、武器輸出三原則を変更した日本製兵器が世界を席巻する!? 等々、「戦争とカネ」の深い結びつきを多角的に検証しました!! <取材・文/週刊SPA!編集部><iframe class="hatena-bookmark-button-frame" style="height: 20px; width: 50px;" title="このエントリーをはてなブックマークに追加" src="javascript:false" frameborder="0" scrolling="no" width="50" height="20"></iframe>

主権者の政治実現を妨げる元凶は政党エゴだ

2015年08月30日 10時38分58秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                  

              「植草一秀の『知られざる真実』」

                             2015/08/29

主権者の政治実現を妨げる元凶は政党エゴだ

            第1231号

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【オールジャパン:平和と共生】

ALL JAPAN 4PAC

https://www.alljapan25.com/

は、来たる

10月8日(木)午後6時より、

東京永田町の憲政記念館で

総決起集会を開催する。

https://goo.gl/1bSMvY

日本政治を

「戦争と弱肉強食」

から

「平和と共生」

に刷新するための市民連帯運動である。

一人でも多くの主権者に参集賜りたいと考える。



そのプレイベントとして、

9月3日(木)午後6時より

衆議院第一議員会館大会議室において

【オールジャパン:平和と共生】

ALL JAPAN 4PAC

テーマ別勉強会vol.1 「TPP反対!」

講 師 孫崎 亨 氏(元外務省国際情報局長)
    三雲 崇正 氏(弁護士・TPP交渉差止・違憲訴訟の会代理人)
    山根 香織 氏(主婦連合会前会長)

を開催する。

原発、憲法、TPPが日本政治がいま直面する最大重要課題であるが、私たち
主権者国民の生活の根幹を破壊してしまう恐れがもっとも高いのがTPPであ
る。

TPP交渉の内容は主権者国民にも知らされていない。

政府と御用メディアは、TPPがあたかも自由貿易を推進する制度であるかの
ように伝えるが、TPPの本質はまったく違うところにある。

この問題を主権者国民は正しく理解して、日本のTPP参加を必ず阻止しなけ
ればならない。

テーマ別勉強会の第1回としてTPPを取り上げる。

多くの主権者の参加を期待したい。



さらに、

9月10日(木)午後6時より

衆議院第一議員会館多目的ホールにおいて

【オールジャパン:平和と共生】

ALL JAPAN 4PAC

テーマ別勉強会vol.2 「戦争法案を許さない!」

講 師 伊藤 真 氏(弁護士・伊藤塾塾長)
    小林 節 氏(慶應義塾大学名誉教授)

を開催する。

安倍政権は戦争法案を9月中旬にも、参議院で強行採決する方針を固めたと伝
えられている。

日本を

平和国家

から

戦争国家

に変質させてしまう、憲法破壊の戦争法制の制定を、必ず阻止しなければなら
ない。

いまこそ、主権者が立ち上がり、行動するべき時機(とき)だ。

議員会館に足を運び、戦争法案強行採決阻止に向けて行動しなければならな
い。



【オールジャパン:平和と共生】

https://www.alljapan25.com/

では、一人でも多くの主権者の賛同を求めている。

賛同はウェブサイトから随時可能である。

https://www.alljapan25.com/approval/

実名で賛同人になることは避けたいと思う人には、ニックネームでの登録をぜ
ひご検討いただきたい。

主権者の連帯によって、日本政治を一新することは十分可能である。

いまこそ、主権者が主権者としての行動力を示すときだ。

賛同者フォームにはメッセージ欄を設けているので、ぜひメッセージを送信賜
りたい。



すでに、多くの主権者からさまざまな賛同の声をいただいている。

https://www.alljapan25.com/approvallist/voice/

そのメッセージのなかに、次の言葉があった。

「誰かが変えてくれるから、自分たちで変えるに自ら改めます」

これこそが、国民主権の考え方であると痛感した。

「誰かが変えてくれる」

ではなく

「自分たちで変える」

これが国民主権の政治である。

8月30日、戦争法案を粉砕するために、

主権者は総がかり行動に積極的に参加する必要がある。

「戦争法案廃案!安倍政権退陣!
 8・30国会10万人・全国100万人大行動」

http://sogakari.com/?p=633



政治の核心は何か。

それは政策である。

主権者の生活に影響を与えるのは政策である。

主権者にとって大事なのは「政策」であって「政党」ではない。

主権者が求める政策が実現するなら、それを誰がやっても違いはない。

選挙の際に争点とされるべきは、政策であって、政党ではない。

【オールジャパン:平和と共生】

は、

「戦争と弱肉強食」=NO!

「平和と共生」=YES!

を明示するとともに、

三つの政策を明確に示している。

1.原発=NO!

2.戦争法制=NO!

3.TPP=NO!

そして、

4.格差=NO!

を明示している。

原発・憲法破壊・TPPを阻止し、

格差を是正する

格差の是正には「沖縄に基地を造らせない」ということも入る。

この4つの政策パックのためのオールジャパンの連帯運動であるから

ALL JAPAN 4PAC

とも表現している。



この政策を実現することが重要なのであって、誰がそれをやるのかは本質的な
問題ではない。

この基本政策公約を必ず守る人であるなら、どの党に所属しようとも、どの党
にも所属していなくても、まったく問題にならない。

重大な問題は、同じ政策公約を掲げる候補者が、一つの選挙区に複数立候補す
ることである。

これをやられると、主権者の投票が分散してしまい、安倍暴政を助けることに
なる。

だから、

一選挙区一候補者

の態勢を、必ず実現しなければならない。



この

「一選挙区一候補者」

の態勢確立に、最大の障害になるのは何か。

それは、恐らく

「政党エゴ」

だろう。

「政党エゴ」

とは、

「政党が主権者の利益よりも自党の利益を優先すること」

である。

このような「政党エゴ」を主権者は打破しなければならない。

それを実現できるのは誰か。

それを実現できるのは、

主権者を措いて他にない。



「政策を基軸に」

「党派を超えて」

「主権者が主導して」

「一選挙区一候補者」

の態勢を構築する。

これを必ず実現しなければならない。



政党間の話し合いで候補者調整を実現することは極めて難しい。

「政党エゴ」と「政党エゴ」がぶつかるからだ。

これを調整できるのは、主権者を措いて他にない。

主権者にとってベストの人物を各選挙区ごとに選定するのだ。

選定したら、その候補者に主権者投票を集中させる。

ベストではない候補者には立候補を辞退してもらうように働きかける。

「政党を基軸にした候補者調整」

ではなく

「政策を基軸にした候補者調整」

をしなければならない。

とりわけ、民主党と維新の党の過半は、主権者が国政を託すことのできない人
々であるから、このような政党連合を、主権者は決して支援できないのであ
る。

 
🔣、民主と維新の議員は自民党よりまたは同じ考えの議員がいるので、いくら
うまいことを言ってもその口車に乗せられないことである。それと共産党は何時も
厳しく自民党政権を攻撃しているが、それは所詮国民のうわべの支持を得るため
のもので、自党のためなのである。所謂政党エゴしたがって国民のためにならずに、
選挙の度に自公を利して、国民の側の政党の敗北を招く手助けをしているのである。



8月30日(日)8.30国会10万人集会への小沢代表の参加決定

2015年08月30日 10時38分03秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

8月30日(日)8.30国会10万人集会への小沢代表の参加決定
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こんにちは、生活の党と山本太郎となかまたちです。
小沢一郎代表が8月30日、8.30国会10万人行動に参加します。
詳細は下記の通りです。ぜひご参加ください。

日 時: 8月30日午後2時~
場 所: 国会正門前ステージ(小沢代表が挨拶します)
集会名: 戦争法案廃案!安倍政権退陣 !
     8.30国会10万人・全国100万人大行動

集会の詳細はこちらから。
http://www.peace-forum.com/top-rank/20150821.html

 
(*_*)コメント、全国民戦争法案廃案、安倍政権退陣を目指して立ち上がろう必ず実現!
 

<第9回>一度に10万人が官邸を取り囲めば流れが変わる、小沢代表

2015年08月29日 21時01分33秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

<第9回>一度に10万人が官邸を取り囲めば流れが変わる

 

 
 安保法案を阻止しようとしている方々と会ってお話しをしましたが、法案が衆議院を通ってしまったので、「法案成立は仕方ない」「勝負は来年の参院選だ」という方もいます。

 私は「何を言っているんですか。今が勝負どころなんです」と言っています。今週は26日に安保法案の廃案を訴える学者と法曹関係者が大同団結する記者会見がありました。30日には安保法制反対の10万人デモが呼びかけられています。

 本当に10万人以上が集まって、「安保法案反対」の声を上げれば、このうねりはますます大きくなります。10万人という規模を想像してください。10万人がさみだれ式にではなく、一度に永田町に集結すれば、国会周辺、首相官邸の周りを取り囲むことができます。

 安倍首相はこれまで、安保法制反対の国民の声を無視してきました。そんな声は聴く必要がない。そういう考え方なんです、安倍首相は。しかし、10万人のデモが首相官邸を囲めば、違ってくる。目の前でやられたら、もう従来のような態度はとれません。

「安保法を作っても国民を守れない」朝鮮半島情勢を受けて、小沢代表

2015年08月29日 10時15分07秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

「安保法を作っても国民を守れない」朝鮮半島情勢を受けて、小沢代表

小沢一郎代表 定例記者会見(2015年8月25日)

小沢一郎代表は8月25日、国会内で記者会見を行い、朝鮮半島情勢、自民党総裁選、維新の党、日米地位協定、ロッキード事件などに関する質問に答えました。記者会見概要は以下の通りです。

【 質疑要旨 】


朝鮮半島情勢について

Q.小沢一郎 代表A.
現在の朝鮮半島問題に関する安倍政権の対応について、日米安保も絡めて小沢代表がどのようにお考えでしょうか。
 朝鮮半島の南北のことについては、ちょくちょくとあのような状況が起きるので、今すぐ熱い戦争になるということではないと思います。安倍政権は中国とか朝鮮半島有事とかいうことをしきりと例にとりながら言っているようです。中国にしろ、朝鮮半島のことにしろ、私は非常に心配しております。
 だからといって安倍さんの言う今の安保法制さえ作りさえすれば、より安全で国民の生命と暮らしを守ることができるというのは全く当たらないと思います。その意味で何度も申し上げているとおり、きちんとした論理的説明のないままに、ただ何となく海外派兵ができるようにしたいという願望を法律、制度の中に作ることを求めています。
(朝鮮)半島有事、あるいは中国で、どういう形で起こるかということですが、全面戦争的な紛争にするなどということは考えられませんので、国内の混乱とか難民とかいろんな問題があると思います。半島については、冷戦ではなくしてホットな紛争になる可能性を思っております。
 その時にどうすればいいのか。日本はどうするのか。(日米)安保はどうするのか。今出されているようないい加減な法律があったって、なくったって、そんな問題ではなくして、日本国政府がどういうふうに対応できるかと。その判断と国民の信頼をきちんと得てどういう対応できるかということにかかっているのだろうと思います。
 もちろん日米安保であれ、何であれ、最終的な行動のための状況判断は、政府が行うわけです。どのように法律を作ろうが何しようが、最終的な判断は時の政府が行うわけです。ですから法制度をいじくり回して、それで事足れりというのは全くの意味のないことです。
 政府、政治家、とくにトップリーダーがそういう状況について、きちんと判断し、腹を決めて対応できるかどうかということにかかっているのだろうと思います。その点、今の政府と政府提案の法案を見ても大変心もとない危うさのみを感じているということに尽きます。
 朝鮮半島の有事については、現実にどうなるかということは想像の話だから分かりません。ただ、北ではかなりの貧富の差と国民の大多数の貧困状況があり、中国の援助等で何とかやってきているし、また中国のコントロールで暴発をせずにいます。今度のことを見ても、半分脅し冗談で、半分本気な面があるような気がしております。
 中国の経済がいかれ、バブルが弾けて大混乱ということは考えられます。中国か半島のどちらで有事的な状況が起きるかと言えば、私は半島だろうと思います。ただ、どこまでどうなるかわかりません。朝鮮動乱は、北が一気に攻め入って南と米軍の拠点は釜山だけになってしまったわけです。そういう状況になるのか、あるいはどうなのか。そこは想像ですから事態、状況については分かりません。

著名人擁立の秘策について

Q.小沢一郎 代表 A. Q.小沢一郎 代表A.
自民党は来年の参院選挙に向けて、首長経験者や元スポーツ選手の擁立などを模索しているようです。安倍政権の支持率低下を受けて、政界転身を目指す著名人の自民党離れ、出馬への慎重姿勢ということを観測できるでしょうか。
 選挙ということになれば、やはり知名度が決定的に大きな要因になります。自民党だけでなく、知名度の高い人を擁立したいという思いはそれぞれ各政党にあると思います。自民党の場合は、特に支持が低落していて、例えば岩手県でも、(知事選)直前で敵前逃亡みたいに辞めてしまうという前代未聞の事態がありましたし、埼玉県知事選も問題にならないし、あらゆるところで今、安倍政権に陰りが出てきているのではないでしょうか。
 中国の経済が最大の要因だと思いますが、今日は兜町で(株価が)1万8千円割れになりました。日本も決してアベノミクスなるものが国民生活をきちんと守ってくれるものではないということの一つのあらわれだと思います。どんどん支持が低下してきているということ、一時の安倍人気のメッキがはがれて、国民の心がどんどん政権、自民党から離れているということは事実だと思います。
 それが本来ならもっともっと加速してもいいのですが、やはりその対抗馬、受け皿がないので、何とはなしに政権も維持されています。しかしながらそろそろ(安倍政権の)先が見えたような感じではないでしょうか。
小沢代表は選挙の度に、谷(亮子)さんをはじめ、著名人の政界転身をサポートしてきた実績があります。政界転身を目指す人たちに対して、政党が信頼される秘訣は何かあるでしょか。
 職業は何だっていいのです。選挙を有利にするためには知名度が高い方がいいに決まっています。問題は、本人の政治に対する取り組み、本気、今までの生活を捨てて皆のために頑張るという決意があるかどうかです。これは何の職業でも同じです。ただ、どの職業であれ、選挙であれば知名度が非常に重要だから、知名度が高い人の方がいいと選挙する者としては思います。

岩手県議選への対応について


Q.小沢一郎 代表A.
今週金曜日から岩手県議選が告示されスタートします。小沢代表が告示日以降に岩手入りするのかどうかと党としてどう戦うのかについてお伺いします。
 有権者の信頼を得るように日常から活動していることが大事です。信頼関係がなければ政策の実行、実現ができません。やはり一人ひとりの有権者との信頼関係をどうやって築き上げていくのか。これは選挙の時だけではできませんから、毎日毎日の活動以外にないと思います。
 私自身は、県議選で選挙になるところは、大概複数区です。そこに行くとなれば、皆のところに行かなければなりません。皆に行くとなると行った効果があまりない。状況を見て最終的に判断しなければならないと思います。入り方が難しいので、情勢が分かったら知らせてください。それで判断します。

自民党総裁選、野党政権のあり方について

Q.小沢一郎 代表A.
(無風状態にある)自民党の総裁選についてと、仮に野党が結集し政権を取った場合、かつての自民党のように議論を活発に行いながらも、決まったら一致団結して行動できる組織に作れるかどうかについてお考えを伺います。
 自民党は、かつてのような党内議論が全くなくなってしまった。いつもお通夜みたいだと言うのですが、そういう現実が政治の活性化と公正さを失わせています。トップリーダーが自分の思いで勝手にあっちに走ったり、こっちに走ったりする。今の安倍内閣もそういう結果だろうと思います。それが非常に私としては残念に思います。
 野党も似たようなものですが、政権与党は、現実の政治を行うわけですから、それだけ国民に対する責任が大きいのです。もう少しこれでいいのか、あれでいいのかという議論があっていいと思います。
 ただ昨今、安倍さんからの国民離れがどんどん加速しています。そうなると何かを言いたい人がいるかもしれないし、これはよく分かりません。支持率云々という以前に、今言ったように政権与党内部でもう少しお互いに議論しあうという形が本来あってしかるべきだろうと思います。
 それから野党の方ですが、まだ一つの皿にもなっていないので、何とも言えません。例えば、安倍内閣のやり方に反対と、それをどういう言葉でお互いに旗印にするかは別として、基本のところは共有できると私は思っています。枝葉のところは何議論があったっていいのではないですか。国民も寛容に受け止めていいのではないかと思います。
 安全保障論になると、共産党や社民党と食い違うところがあるかもしれませんが、現実に政権となれば、(変わる可能性があります。)村山さんが自衛隊は違憲だと言っていて、総理になったら合憲だと言いました。それもどうかと思いますが、しかし政治は現実ということですから、万年野党では民主主義において意味がありません。
 私は、自由党の時から党議拘束をしないとしてきました。アメリカやイギリスもそうです。一応党で決まったという意識はあっても、いざとなると自分はこうだとバラバラになります。そういうことがあっていいのではないかと思って、党議拘束しないことにしました。
 野党で仮に受け皿ができても、基本の二つ三つの原則は別にして、後は党議拘束しないことにすれば、議論も当然活発になるし、党に反して自分の意思を通そうとするならそれだけ議論をしなければならないし、自分も考えなければいけないですからそれだけ議論も活発になると思います。私はそれでいいと思っております。

日米地位協定のあり方について

Q.玉城デニー 幹事長 A.小沢一郎 代表A.
先日、相模原市で米軍基地の爆発がありましたが、日米地位協定に阻まれて原因が明らかになりません。このような協定をどのようにしていくべきか玉城幹事長、小沢代表にお伺いしたい。
 沖縄県民はかねてから国政選挙や県知事選では、日米地位協定の抜本的な改定、運用の改善ではなく、根本的に内容を変えるべきという主張をしてきました。この間、環境に関する事前調査や基地返還前の立ち入り調査ができるようになりました。それもあくまでも米軍の考慮に配慮してという文言になっていて全く役に立たないと思います。あくまでも補足協定ですので、調べたいところが調べられる仕組みになっていない。そういうことを考えると、米軍が本当に真剣に日米安保の安定性を考えるのであれば、基地所在市町村、渉外知事会からの要望、要請をしっかり受け止めるべきだと思います。
 先日のヘリの墜落事故にしても、情報が沖縄県、あるいは沖縄防衛局に伝わるのが遅すぎます。つまり(事故の)全容が解明して、その対応が決まってから小出しに情報を出してくる。いざ何かあった時、米軍の飛行機が墜落しそうである、あるいは墜落するかもしれないという情報すらもたらせない中で、もしそのヘリが地上に落ちた場合、2004年の沖国大に普天間基地所属の大型ヘリが墜落した時も、いち早く米軍が来て警察、消防を一切いれなかったのです。自分たちの権利を主張して場所を確保して、機体も土も全て持ち去っていった。こういう状況が何ら変わっていないので、そこを日本政府がしっかりと日米安保の根幹をなす住民、国民の安全性を一番に考えるという立場からもっとしっかり議論していかねばならないと思います。
 今玉城君が言った通りですが、人間社会では何だかんだトラブルはあります。ましてや外国人、軍隊が現実にいる。日米安保体制を否定するという前提に立つと別だけれども、ある以上は、トラブルはあるのです。その時にきちんと対等の立場で、公正に原因究明であれ、その結果の対応であれ、できないということが問題なのです。
 日本の政府、外務省はアメリカの軍や国務省と対等に話ができない。そこが非常におかしなところなのです。これを変えていかないと、日米同盟は成り立たなくなってしまいます。私はむしろそのことを心配します。主従の関係では本当のつながり、信頼関係ができない。そういう意味で大変心配しております。
 話は別ですが、こういう時に米軍の爆発が起きたりするのは、段々安倍さんのツキがなくなってきている証拠です。いい時は何をやってもいい。人間の人生はみなそうです。悪くなると何をやってもダメになる。米軍のところで爆発が起きる必要ないでしょう。こんな時にヘリの事故が起きたり、爆発したりということは、本当に段々行き着く先が見えているような気がします。

ロッキード事件について

Q.小沢一郎 代表A.
『週刊新潮』の別冊で田中角栄さんについて語っている中で、興味深かったのがロッキード事件についてのお話しでした。司法行政の政治への介入、政権交代が可能な政治環境を作るというのは今にもつながるテーマだと思います。改めてロッキード事件とはどういう事件で、その対応についてどう考えるかお伺いします。
 ロッキード事件については、本当の意味で事実の解明は全くできていません。分かり易く言えば、5億円と言うけれど、そのお金を見た者はいないのです。その意味でアメリカ側に免責させて、お金を渡したと証言させましたけれども、私は不可解な捜査、裁判のやり方だったと思っております。
 政治的に言うと、完全に三木さんの指揮権発動なのです。アメリカに対して文書をやったり、何だりして、やってくれということです。止めろではなくて、やれという指揮権。指揮権はどちらでもいいわけです。
 それから最高裁判事が集まって、相手方の証人に罪を免責させるという措置を講じたわけです。そんなのは日本の裁判制度にないことです。これは誰でもいいですけれども、免責して何を言ったって責任を問われないから好きなこと言いなさいと言われたら、何だってしゃべってしまう。こんなことは司法の自殺だと私は思います。あの時の裁判官の頭を疑います。
 私は田中先生との私情のことは当然あります。それとは別に日本の司法制度、時の政府の指揮権のあり方に非常に疑問を持ちました。私も何の因縁か知りませんが、事実上の指揮権発動的なことで、何の証拠もないのに強制捜査の対象になりました。
 二度も親子して、権力の濫用にさらされたわけですが、田中先生、私という個人的なこととは別にして、民主主義は、きちんとした法律の適正な手続き、デュー・プロセス・オブ・ロウという言葉がありますが、それと証拠に基づく裁判、そして公明正大な決定ということが確保されないと全く権力による暗黒社会になってしまいます。そういう意味で田中先生の捜査と逮捕と裁判という一連の行為に大変疑問を感じましたので、裁判をずっと傍聴させてもらいました。

維新の党の現状について


Q.小沢一郎 代表 A. Q.小沢一郎 代表A.
維新の党で柿沢幹事長が山形市長選の特定候補を応援しに行ったとして、大阪派と言われる議員たちが辞任を要求し、維新の党は分裂含みの状態になっています。この現状についてどういう見方をされていますか。
 メディアでは分裂したり、別れたりすること自体を取り上げるが、そういう現象よりも本質を考えなければいけない。みんなの党は何で分裂したのか。渡辺喜美さんは与党と一緒にやりたかったが、大多数の人は野党として自公と対決していこうとした。その基本的な姿勢で分かれたわけです。
 今度もそういう傾向があるのではないですか。松野さんらは、野党として野党の再編をやって新しい受け皿を作って政権交代をしようという主張です。それに対してもっと自民党と協力していこうという考え方もあるやに聞いています。そういうところの基本的なスタンス、本質論をきちんと考えれば、単なる離合集散だけに焦点をあわせて捉えるのは、私は必ずしも正当でないと思います。
 さっきの話にもあったように考えが違うなら、維新の党の中で議論したらいいではないですか。その中でこうしようということを決めればいいのではないでしょうか。どうしても俺はその方向性は嫌だと言う人がいるかもしれない。それはそれで仕方がない。私はそこのところに焦点を当てるべきだと思います。
その結果、分裂するのも仕方がないとお考えですか?
 基本の方向が違う。右行く人と左行く人と一緒にと言ったら進まない。分裂とかという問題ではなくて、維新の党としての基本的な姿勢をきちんと決めていこうということで、皆で議論すればいい。

盛岡市長選の結果について


 
 
 
Q.小沢一郎 代表 A. Q.小沢一郎 代表A.
岩手県知事選では勝ちましたが、盛岡市長選は小沢さんたちが負けたという理解でよろしいでしょうか。
 その理解は正しくありません。民主党が候補者を選んで持ってきたのですが、民主党の支持母体が最初から一体ではなかったです。具体的に言えば連合は、そうではなかったです。連合だけではないです。ただ大きな塊だから例に挙げました。そういう点で必ずしも皆で一緒になってこれをやろうという候補者ではなかったと思います。
 それから我々も直前になって推薦をしてくれということでした。岡田代表からも依頼がありましたので、それはよろしいでしょうということで推薦いたしました。これは、政令市ではないから県連の立場での推薦です。県連の立場で推薦を決めたようですけれども、それも直前の話でしたので、そういう支持母体がしっかりと固まっていなかったということ、中央政治で言えば、野党の受け皿がしっかりしていなかったということだろうと思います。
やはりそれは原発関係というものがあって、原発の再稼働、東北電力をひかえているということで連合が一本化しないということですか。
 そんな問題ではない。岩手県には原発がない。原発が直接問題になったということでは全く違う。選挙で皆を一体としてやっていくためには、皆のコンセンサスを得て、そしてこれでいこうということにならないと、本当に選挙の戦いはできません。そういう最初からしっかりした合意でもってやり始めた選挙でなかったということに負けてしまった原因があるのではないでしょうか。
 
 

自民党の終焉!?総裁選、9月8日告示、無投票再選へ!?

2015年08月29日 10時14分02秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

       

 現在審議中の安保法制は、今や大部分の法律専門家、知識人、

多くの国民、若い人、学生が大反対の声をあげている。それにも関
わらずに国民のための政治を行っているのならば、踏みとどますべきが、国民的政党であるが、国会で多数を擁していることから、国民が反対
しようが何が何でも法案を成立させるべくの考えを、自民党は変えよう
としないで、党内からも異論がなく、総裁選は無投票で決まるという。
まさしく、国民無視の政党に他ならないのである。このような政党が再び
無知な国民をだましとおして、政権を何時までも維持していけるとすれば、
日本は終わりなのである。日本が終わりになる前に、自民党の終焉が望ましいしいのだ。!
※下記は、J-cAsTニュース記事の「転載」
 
自民党は2015年8月28日、安倍晋三首相の9月末の任期切れによる総裁選を9月8日告示、20日投開票とする日程を決めた。同日行われる総務会で正式決定する。
   安倍首相以外に立候補する動きはなく、無投票で再選される見通しだ。

なぜ、メルトダウン事故は、半世紀以上「マル秘」にされたか?

2015年08月29日 10時13分13秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

         

なぜ、メルトダウン事故は、半世紀以上「マル秘」にされたか?――広瀬隆×堀潤対談<前篇>

 

 2015/8/27 14:00

        
 
 
 
 『原子炉時限爆弾』で、福島第一原発事故を半年前に予言した、ノンフィクション作家の広瀬隆氏。
壮大な史実とデータで暴かれる戦後70年の不都合な真実を描いた『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』が第4刷となった。
本連載シリーズ記事も累計145万ページビューを突破し、大きな話題となっている。
このたび、新著で「タイムリミットはあと1年しかない」とおそるべき予言をした著者が、「8bitNews」主宰者で元NHKアナウンサーの堀潤氏と初対談。
なぜ、アメリカのメルトダウン事故は、半世紀以上「マル秘」にされたか? 
知られざる報道の真実に耳を傾けてみたい。
(構成:橋本淳司)

● じつに事故50年後に明らかになった 高濃度放射能とは? 

 広瀬 堀さんは2012年にアメリカで原子力の取材をされていたそうですね。

 堀 2012~2013年までの1年間、ぼくはNHKに籍を置きながらUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に留学していました。ソーシャルメディアと放送の融合を研究しながら、原子力について取材していました。

 広瀬 そうでしたか。知りませんでした。

 堀 ロサンゼルスの北、車で50分くらい走ったところにあるシミバレーという山あいの町に、1959年にメルトダウン事故を起こした実験用原子炉がありました。その実験用原子炉の影響については、半世紀に渡って公開されてきませんでした。

 広瀬 2012年に公聴会が開かれたサンタスザーナの野外実験用原子炉の事故ですね。

 堀 そうです。地下に設置された原子炉が事故で空焚きになり、燃料棒十数本がメルトダウンし、そのまま放射性物質が拡散されました。

 1980年代に入って、ガン患者や体調不良の人が多いので、「ここで何かあったんじゃないか」と疑念を抱いた女性たちが運動を始め、いろいろな妨害を受けながらロビー活動を続けた結果、2009年、カリフォルニア州議会で問題の原因解明を図ることが決議されました。
 そして、EPA(米国環境保護局)が3年間調査を行い、その結果が、2012年に住民向けに公表されました。

 広瀬 事故から50年以上経過してようやく、というニュースに私は驚きました。

● 自由に事実を伝えたい!  それでNHKを退職した

 堀 米国環境保護局によると、サンタスザーナ野外原子炉実験所跡地では、最大でバックグラウンドレベルの1000倍を超えるセシウム137が検出されました。セシウム137は、291ヵ所から検出されており、影響は広範囲にわたりました。

 さらにストロンチウム90が1グラム当たり最大788ベクレルで通常の284倍。プルトニウム239/240は約7ベクレルで、通常の10倍という値が検出されました。
 50年以上たっての数値ですから、非常に深刻な事故だったとわかります。

 広瀬 一帯の住民にどのような影響があったか、教えてください。

 堀 シミバレーは周辺域の水源にもなっていました。住民は、放射能の汚染が河川や地下水にどの程度影響を与えるのか、飲み水や農業用水への汚染がどの程度高まっているのかなど説明を求めていましたが、米国環境保護局は「汚染実態の調査の説明会なので健康へのリスクに関して応えるデータを持っていない」と繰り返していました。

 広瀬 私は日本でも水への影響がいちばん心配です。80万ページビュー(サイトの閲覧数)を突破した本連載第4回でも触れましたが、フクシマ原発から出たトリチウムの放出総量はまったく明らかにされていません。でも、これから多くの人の健康に影響を与えるはずです。

 堀 ぼくはサンタスザーナのことを、日本の50年後を考えるうえで重要なモデルケースになるし、大事なテーマだと思って企画しました。
 しかし日本では、因果関係をアメリカ政府が認めないと、なかなかむずかしいことです。

 広瀬 そんな因果関係をアメリカ政府が認めるわけがない。それでも警告を出すのがジャーナリストの責任ですよね。

 堀 50年後の日本で健康被害が出ないことを願ってやみませんが、もし仮に何かあったときに「補償してほしい」と言っても、「原発事故が原因とは判断できない」と断られるのが関の山でしょう。だからサンタスザーナの教訓を学ぶべきと取材を重ねたのですが、結局、無理でした。
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栗原康 (くりはらやすし)著 『現代暴力論』

2015年08月29日 10時12分23秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

「1551」番 栗原康 (くりはらやすし)著 『現代暴力論』 という新刊書 がすばらしいので、私が書評して強く推薦します。 副島隆彦  2015年8月25日 

副島隆彦です。 今日は、2015年8月25日(火)です。

 昨日、日本の株価(東証の平均株価)が、895円 暴落しました。先週末(金曜日)の600円下落を引き続いたものだ。 NYの株価も落ち続けている。 昨夜、10時半に、「NYダウ 取引開始直後、1000ドル下げ」というニューズがあった。終り値は、400ドルぐらいの下げだろう。 

 この動きが今週、ずっと続くようだと、世界経済はいよいよ停滞し、大不況に突入する。この動きをなんとか阻止しようとして、現在、米・欧・日の先進国3地域で、深刻に連携、談合をやっているだろう。

 計画的な “株価吊り上げ” を、このあとも、政府資金の投入でやって乗り切ろうとするだろう。株価の大暴落をを喰い止めようという必死の弥縫策(びほうさく)だが、この 統制経済(コントロールド・エコノミー)の弥縫策(びほうさく)、市場操作 に失敗するようだと、今の動きは、確実に「ドル覇権の崩壊」に繋(つな)がる。


 副島隆彦です。今日は、私が、読んでびっくりした一冊の新刊本を紹介し、強く推薦します。その評論文を載せます。

 その本は、 栗原康(くりはらやすし)著 『現代暴力論(げんだいぼうりょくろん)  「あばれる力」を取り戻す』 (角川新書 2015年8月刊)です。




 私は、この本を読んだ驚きを すぐに 知人の編集者にメールで伝えました。以下に、私が書いた4日前(8月21日)にそのメールの文を載せます。この文は、この本に対する最大限の 評価、賞賛の 書評文(ブックレヴュー)でもあります。

(転載貼り付け始め)
 
**書店 編集部
****さまへ

2015年8月21日

副島隆彦から

 私は、3日前(8月18日)に、品川駅の 新幹線乗り場の構内の 書店で、出たばかりの 『現代暴力論「あばれる力」 を取り戻す」(角川新書 、栗原康 著  2015年8月10日 刊)という本を 買いました。 そして、その日と一昨日で 読み終わりました。

 私は、この 「暴力 を取りもせ」 「あばれてゆく力、暴力だ」(13ページの文) という本を書いた栗原康氏 を最大限に評価し共感し賞賛します。 私は、アナキストの大杉栄(おおすぎさかえ)の研究者で、大学の非常勤講師の36歳で、なよなよした 感じの若手学者 と これから 会って、いろいろ と真剣に話したいと思います。

 私は、この 本に感動した、と書くだけでなく、「非常によく書けている」と、年長者(ねんちょうしゃ)の 知識人が若い後進(こうしん)の 知識人に対して 高い評価を与えるときに 使うコトバを 使いたいと思います。

 ですから、まず**さんは、私が今からずっとこのまま書くこのメールを、 あなたと同じ****書店の編集部にいる同僚の編集者の****氏に、プリントアウトして届けてください。

 私はこの日この本を手にして、このあと****社の****氏と会って自分の本の打ち合わせをしたのですが、買って、そのあとも電車の中で途中まで読んだばかりの この本のことを冒頭で、ずっと 彼に話したら、 「私は彼を知っています。 私たちの編集者たちの集まりで、栗原くんに賞をあげようと話したことがあります。**くんは、佐藤優(さとうまさる)さんの担当で、副島さんにも会ったことがあるんじゃないかな」 との ことでした。それで、あなたにこのメールを託します。

この本の はじめの方(12ページ)に、こう書かれている。 
 「でも、今の世の中では、この力(引用者注。=民衆の側の暴力)がなかなか行使できなくなってきている。 支配のための暴力とでもいえばいいのだろうか。 ひとにぎりの人間が暴力を独占し( 引用者注。=権力者たちによる暴力の独占)、それ以外の暴力をみとめようとしない。

 はじめから(人間は)こう考えるべきだとか、こうふるまうべきだとか、そういうのがぜんぶ決められていて、さからえば犯罪者あつかいされて取り締まられる( 引用者注。 =もし暴力行為を行えば、すぐに逮捕されて刑罰を与えられる)。

 それがあたりまえになってくると、いわれたとおりにしないことが、倫理的にわるいことであるかのようにおもわされ、自分からいうことをきくようになってしまう。暴力(の国家、権力者による)簒奪、(民衆の側の暴力の )自己放棄だ。

 それは、生きるよろこびを失うことであり、とても息苦しいことだ。私たちは、、こういう暴力をしりぞけるために、いまいちど(引用者加筆。ふつうの人々、民衆が持つ)暴力の力 を 手にすることができるだろうか 」

と、栗原 君は、書いている。 私、副島隆彦は、この考えに同感です。「・・・手にすることができるだろう」で、とめないで、「か」と疑問文にしているあたりの躊躇い(ためら)
いと自己疑問の深さも、私はよく分かります。

 同ページのその前の方に、 大杉栄の 「むだ花 」という評論文からの一節で、 「闘え。 闘いは生の花である。 みのり多き生の花である。 」 を引用している。


大杉栄(おおすぎさかえ)と伊藤野枝(いとうのえ)

 36歳の若い政治学者である栗原康の 学問上の最大業績は、 すでに出版している 『大杉栄伝 ー 永遠のアナキズム 』 (夜光社、2013年刊)で、きっと展開し始めたであろう、 「 現代国家がやっていることは ・・・・ 対テロ戦争(引用者注。ウォー・アゲインスト・テロリズム) という名 の (引用者注。国家の側の)テロリズムである」という 大発見だ。 この 国家による 「テロリズム反対という名による 国家によるテロリズム」を 栗原康は、徹底的に暴き立て、その 悪辣(あくらつ)で 愚劣な 本性を 満天下に 証明し続けている。

 これは、この国の 他の 若い 政治学者、社会学者、評論家には、できない仕事だ。

 たとえば 古市憲寿(ふるいち・のりとし、1985年生、30歳)のように、『誰も(ボクたちに)戦争をおしえてくれなかった』(講談社刊、2013年)のように、軽やかな新しい世代のリベラル派の書き手とみせかけながら、 アウシュビッツや 広島やらをたくさん論じるくせに、 政治なるもの本当のおそろしい 悪 を 糾弾することをしない。 誰も敵に回さない。彼は、私たちの 中田安彦(アルル)君が、一瞬で鋭くその正体を見破ったとおり、 「 御用学者(ごようがくしゃ)ならぬ 御用大学院生(ごようだいがくいんせい) 」だ。

 自民党の勉強会でも、テレビでも、それから 文部科学省の 審議会の委員でも ホイホイ引き受けるズルい、ワルい 若者だ。この古市くんと 栗原くん は、その生き方が全く違う。 古市憲寿 をホメた 上野千鶴子(うえのちずこ)も、加藤典洋(かとうてんよう)目が節穴だ。 自分たち自身が、すでに鈍感リベラルの おいぼれロートルなのだ。 

 古市憲寿とはちがって、栗原康を 自民党も官僚たちもメディア(テレビ、新聞)も 利用することはできない。 ここまで過激だと、権力側・体制側は、栗原康を自分たちのいいように手懐(てな)ずけ 飼育することはできない。   
 
 今のアメリカがすべての音頭を取っている 「テロとの戦争」、「テロリズムを撲滅するための世界的な共同行動 」という「 対テロ戦争」こそを、私たちは深く疑うべきだ。 

 アメリカは、自分たちがやった イラク侵略戦争(アメリカによるイラクへの侵略戦争 )を、「アメリカ・イラク戦争」と正しく表記することを世界に禁じた。イラク戦争(2003-2012年)を   War in Iraq (ウォー・イン・イラク) 、War against Terrorism (ウォー・アゲインスト・イラク) と 呼び続けて、世界中の新聞、テレビ(メディア)にもそのように書かせ続けた。

栗原康は、このことの欺瞞をしっかりと見抜いている。 「対テロ」と言う名の 国家(政府)によるテロリズム」が陰湿に、民衆=国民を 自分たちの下に押さえ付けて、国家のいうことをなんでも聞かせ続ける態勢と体制、を 彼は糾弾している。それをものすごく 自分の身体からにじみ出る柔らかい文体と正直な生き方で、表現している。

 栗原康は、 西暦2000年ごろからの 世界体制である、「対テロリズム と言う名の 国家テロリズム」 の本性をしっかりと見抜いて、私たちに この本で明瞭に明確に提示した。 すばらしい本である。

 国家なる支配秩序が、暴力を独占する(警察と軍隊は国家だけのものである)という 本質をはっきりと抉(えぐ)り出した。 そして、「国家が行う“テロリズム反対”というテロリズム 」を 日本で明確にしたことで、 栗原康は、この研究で高い評価を受けるだろう。

 彼がすでに書いている 他の本である、『学生に賃金を』(新評社、2015年)も、『はたらかないで、たらふく食べたい ― 「生の負債」からの解放宣言』 ( タバブックス刊、・・・年) も 明らかに、今の 恵まれない、働きたいのに いい職がない若者たちの知的な部分に強く訴えかける。ブラック企業での 奴隷労働のような仕事しかない。このことへの怒りが今の日本に充満している。だからこれらの本は、 多くの真剣に生きる、何の特権も、コネもないかわいそうな若者たち の胸と脳にズシリと響くだろう。

 今の日本で、 一番、かわいそうなのは、大学を出ても、介護の職( 障害者や老人のウンコの世話) 以外に ろくな職がない 知能の高い若者たちだ。 それにくらべて、昔から居るのだが、 親や一族のコネで、当然の特権階級として、公務員とか、特殊法人とか、大企業に ”裏口入学” している 生来、腐敗した若者たちだ。同じ若者でも、互いに 一生涯の敵だ。だが、社会の表面にはこの深刻な事実は、出てこない。

 老人のばばあたちを甘やかして、「もっと生きたい、もっと生きたい 」「もっと生きさせろ、100歳まで生きさせろ」を扇動して、 国民ダマシをやっている自民党と、 それら 厚かましい高高齢(こうこうれい)者婆さんたちを相手に、『おのれの分際(ぶんざい)を知りなさい』のような 保守反動(ほしゅはんどう)の本を書いて、まだのさばっている曽野綾子(そのあやこ。 本名、町田智寿子=まちだちずこ=、1931年生。笹川良一の実娘)  たちこそは、日本国の 悪の根源だ。


栗原康氏の他の著書

 高高齢(90歳以上)老人は、大半は、「もう死にたい、死にたいよー。あちこち体が痛いよう」と言っているのだから、さっさと 死なせるべきだ。 

かわいそうなのはまともな職がない若者たちなのだ。

 栗原康の掲げる主題(命題、テーゼ)は、P211に書かれている「 テロ対策の名のもとに、市民の監視でも 暴力の行使でも、警察はなんでもやりたいほうだいだ。これ、いまでは一般化しているように思われるが、テロ対策というのは、言ってしまえば国家による テロリズムなのである。あらゆる国家の根っこには、恐怖による統治がある」である。

 本当に、今や、世界中の大都市で、警察による本当に物凄い数の監視カメラがすべての都市のいたるところに据え付けられている。この「カメラとコンピュータによる国民監視」の動きはロンドン市からはじまった。

 私、副島隆彦が、書店でこの本を手に取って、ぱらぱらとめくって読み始めたのは、うしろの方の、217ページから223ページの バクーニンの 生き方 を描いた部分だ。 ここで、私は、大きくピンと 来た。

「 1840年 (引用者注。バクーニン26歳。ロシア人) 、ベルリンで、 ・・おもしろそうな そして あたらしい思想が みちあふれていた。・・・ドイツ をはなれて、スイス やフランスをまわり、いろいろなアナキストや共産主義者と親交をもつ。プルードンやマルクスにもあっている。・・・・バクーニンはロシアで欠席裁判にかけられ、シベリア追放の判決をうけた。 こりゃあ、逃げるしかない。  

 そうこうしているうちに、1848年。ヨーロッパ各地で民衆蜂起(みんしゅうほうき)がまきおこった。 いわゆる(全ヨーロッパでの)1848年革命である。 バクーニンは、1849年5月におこったドイツのドレスデン蜂起(ほうき)にくわわっている」 

 ここで副島隆彦による引用者注記。 このドレスデン蜂起に、偉大なるドイツ・オペラ(楽劇)の大成者のリヒャルト・ヴァーグナーも参加している。多くの 革新思想をもった知識人が参加した。 ヴァーグナーは、このあと命からがらスイスに逃げて、その後苦労を重ねて、ヨーロッパ全体で 音楽家、劇作者として成功してゆく。この頃、偉大なる哲学者の若いニーチェとの長い親交が始まる 。そして二人は決裂する(1876年)。

 「(バクーニンは)我を忘れて、夢中になってプロイセン軍とたたかった。バリケードをはり、必死に応戦するも、あえなく敗北。数名の生存者とともに、逃げのびようとしていたところを 逮捕された。 バクーニンは、その地で死刑判決をうけるが、いちおうロシア人ということもあって、本国に移送されることになった」

 「・・・しかし、(バクーニンが送られた)シベリアの流刑地(るけいち)は、獄中にいるというかんじではなく、けっこう自由にふるまうことができたらしくて、フランス語をおしえてポーランド人の商人の娘と結婚したりしている。なんかたのしそうだ。その後、1861年

 ( 引用者注。 ドレスデン蜂起から 12年後) 、バクーニンはシベリアを脱出。ウソにウソをかさねて( 引用者注。 バクーニンのような職業的革命家は、天性の楽天家であり、人をだますことの天才でもある。何があっても、天性、陽気で無責任であり、 どのようにでも 人の懐(ふところ)にはいってゆける。そして資金を出させる ) 、(シベリアの日本海に面した)ニコライエフスク港からアメリカ船にのり、日本を経由してアメリカにわたった。そこからロンドンにゆき、ふたたびヨーロッパにおもむいて、革命運動に奔走する」

引用者注。 このあと、共同行動を取っていたカール・マルクスたちと大喧嘩になって、やがて「第一インターナショナル」(国際労働者委員会)の組織は大分裂。それが、1863年から1868年までのことだ。

「このあと、フランスが、1870年9月に ナポレオン三世ひきいるフランスがプロイセンと戦争して完膚(かんぷ)なきまで敗北し、皇帝自身も捕虜になったことがきっかけである」

 引用者注記。 1871年の普墺(ふおう)戦争(プロシアとフランスの戦争)に負けて、ヨーロッパ全体の皇帝を、ナポレオンの甥だと称して、ナポレオンから継いで勝手に名乗っていたフランス国王ルイ・ナポレオン=ナポレオン三世が敗北して失脚する。そして 戦勝国の プロイセン軍がパリに入城する。この講和会議 の最中に、パリの労働者が蜂起いわゆる パリ・コンミューン という 「百日天下」の 労働者政府をつくる。 

 それに敗北して、バクーニンも、誰も彼も、社会主義者たちも、銃殺刑になった指導者たち以外は、皆、パリから逃げた。 このあと、1872年に、第一インターナショナル(国際労働者協会)から、マルクスたちは、バクーニン派 を除名した。第一インターナショナルも やがて潰れてゆく。

 このあとも バクーニンは、北イタリアのボローニャでの、1874年ボローニャ武装蜂起をしようとした。が、他の活動家たちが逃げて、誰も集まらず、ひとりで憔悴する。

 (本書223ページ) 「・・・バクーニンは、ひとり武器庫を襲撃しようと思っていたのだが、だれもこない。しばらくして、計画中止のしらせをうけて絶望する。 マジかよ。自殺しようとおもったが、まわりにとめられて、とりあえず逃げることにする。・・・・歳をとった牧師のかっこうをして、タマゴの入ったカゴをかかえながら、ヨボヨボ歩きをして、街を脱出した。散々だ、かわいそうに。それからスイスにいき、1876年7月、ベルンの病院で亡くなった(引用者注。 バクーニン 62歳で死)。・・・」

 私 は、この部分を立ち読みして、この本をただちに読む、と決めた。そして、このあと新幹線から乗り換えた電車の中で半分ぐらい読んだ。 おもしろい。 この なよなよした、36歳の 自覚的なアナキズムの研究者で、「大杉栄論」の本と、他に数冊、すでに書いている 若い知識人に、私、副島隆彦は、全面的に賛同する。 君たち、頑張りなさい。なんでもいいから、やりなさい。しかし十分に気をつけなさい。この世には悪魔たちがいることを急いで知ってほしい。  

 年長者のジジイ(私、副島隆彦も62歳になった)たちで、若い人たちの邪魔ばかりしたがるのがたくさんいる。そういう威張りたがり屋で、過去の怨念を背負った ジジイ活動家たちを、私、副島隆彦が制止します。彼らのいいようにはさせない。その上で きみたち、若い人の ハツラツとした、元気な運動をまわりから応援します。 

 しかし、君たちの運動も ずぐに腐(くさ)ってゆく。 あれこれ、なんやかや有って、 内部にヘンなのが潜り込んできて、内紛を起こさせ、さらに公安警察たちも潜り込んできて、それで運動を大きく変質させられ、自滅させられる。 私、副島隆彦は、こういうことばかり考えて生きてきた。そのことで、栗原くんと、今度、会って、いろいろ話をしたい。

 栗原くんは36歳で、私は62歳で26歳の違いだ。 私の弟子たちも君と同じ世代で“親子の差”だ。 私は近年、シラガ(白髪)になって、腰と方が痛くなって目も眼精疲労できつい。 両手も痺(しび)れている。 もの書き業 (=言論商売人)の 仕事の し過ぎだ。前述した通り、暴力主義的な破壊活動家で、国家・体制の否定主義者の アナキスト思想家のバクーニンが62歳で死んでいる。ヨーロッパ革命の同志だったのに やがて宿敵となったカール・マルクス(1818-1883年)は64歳で死んでいる。

 マルクスは、「暴力闘争だけ、ではどうにもならない。労働者の世界的な団結と、戦争反対、労働者に祖国はないという活動を重視すべきだ 」と 考えた。このマルクスたちとバクーニンは考えが合わなくなって分裂した。 

 私は、自分が若いころに読んで勉強した、マルクスと同時代人で、革命家(そんな職業がヨーロッパにはあったのだ)のプルードン、バクーニン、クロポトキン、ブランキーたち のことがずっと気になっていた。


プルードン

 社会主義や 左翼の思想運動は、全部 敗北してこの地上から消滅したのだと、右翼たちは考えたいのだろう。日本の反共右翼たちおよび体制派はそのように思っている。 そういうわけにゆくかよ、だ。

 私、副島隆彦は、栗原くんのような、しっかりした、そしてきちんとした文章を書いて、分かりやすく、多くの人々を説得できる若い知識人 が出現していることを 本当に嬉しく思う。

 栗原くんは、 きっと貧乏私立大学のビンボー非常勤講師だから、たいした収入はない。この本のどこかに年収100万円だと書いてあった。私、副島隆彦も29歳の時に、年収40万円から評論業を始めた。彼は、埼玉の実家で両親と暮らしていて、いつまでも、自立しないで、だらだらと家にいるようだ。女と同棲生活をすることもしていないようだ。それは分からないが、このように見える。

 この本の 第一章は、「国家の暴力」 「我々は奴隷精神を植えつけられた」 である。 冒頭から、「国家は、収奪(しゅうだつ)とカツアゲ (=恐喝)をする」 である。 私も、全く同じ考えだ。 これが、カール・マルクスの思想でもある。 佐藤優氏も、いつもはっきりと この考えを書く。 

国家は、「有無をいわさずに、税金をむしりとる。まちがいない、それが国家だ」(28ページ)

「東京にでて、街をぶらぶらしていると、警官に声をかけられる。「ちょっとカバンのなかをみせてください」。職務質問だ。 ・・・ブタのようにうんと腹のでた警官二人組にとめられた。・・・・巨大なブタ二匹がとうせんぼしている。・・・・わたしはカツアゲにあったことがなかった・・・ブルブルふるえがとまらない。どうしよう。わたしは、「これって、任意ですよね」と聞いてみたが、警官は、「はい」というだけでピクリともしない。

 ・・・警官は・・・バシッと 肩をぶつけてきた。私はぶっとばされて、ふらふらしてしまったが、警官が、・・・「あなたは なにか やましいこと でもあるんですか」。 道ゆく人たちが私をみる。恥ずかしい。これじゃまるで犯罪者じゃないか。・・・・警官というか、国家というか、いったいなんなんだろう。 ひとに恐怖と恥辱(ちじょく)をあたえ、むりやりいうことをきかせようとする。 収奪とカツアゲだ。 ・・・・肥えたブタはかならず食われる」

 30ページ 「 (大杉栄は) どんな支配にも、どんな統治にも反対する。ガバメントなんていらない。アナキズムが「無政府主義」と訳されるのはそういうわけだ。・・・大杉は、最終的には、国家に血祭りにあげられてしまうわけだが・・・・」

この大杉栄の血祭りのことは後述する。

 アナ(―)キズム anarchism の アナーキー anarch  , anarchic というのは、 「無秩序」のことで、ギリシャ語およびラテン語(ローマ語)の アン・アルケー an - arche が語源(ごげん、etymology エチモロジー)である。 きちんとした型 正しい秩序(と ローマ教会とかが決めたもの)に 嵌(はま)らないこと、入らないこと。ある場合は、その正しい秩序 に 激しく逆らって、破壊してしまおう、という 態度のことだ。  

 これを、権力者や支配者の側が、力、すなわち国家の暴力で 取り締まり、弾圧(クラックダウン)しようとする。 だから、アナーキズム、アナーキスト には、 始めから「破壊活動主義者」、「体制への暴力的な反抗者」 の 意味が、ヨーロッパで、この200年の間に作られた。

 日本では、大杉栄、と その先輩の 幸徳秋水(こうとくしゅうすい)が、導入、輸入して体現した。 ふたりは、(すいへいしゃ)の先輩・後輩で、「当時 (1905年) 、幸徳が30代後半だったのにたいして、大杉は、14歳年下で、まだ20代前半だった」 (本書、p56) 


幸徳秋水

 「幸徳さん、なにをいっているんですか、暴力はいけないでしょう。ここはやはり議会をつうじて社会政策をひきだし、ちょっとずつ労働者の境遇を改善していきましょうよと。 そういう人たちは、 議会政策派 とよばれていた。 これにたいして、幸徳のまわりには、直接行動 ときいて、よしとおもった若いゴロツキが集まって来る。 その筆頭というか、あばれん坊だったのが大杉だ」(p55)

 1908年6月18日、 赤旗事件。  ・・・これは、刑期を終えて出獄してきた同志を、上野まで 迎えにいって、30人ぐらいで (P56)「 ・・・テンションがあがって、 赤旗をかかげて、わいわいいいながら街をねりあるき、デモみたいになった。・・・赤旗をふってさわいでいた荒畑寒村(あらはたかんそん) が警察につかまり、交番にもっていかれた。すかさず大杉は 若い衆をつれて 交番になぐりこんだ。荒畑を奪還し、意気揚々とひきかえす。 これで警察がほんきでキレてしまう・・・・・」 


荒畑寒村

 「 4日後、・・出獄記念集会が、・・・ 14名がつかまってしまった。 警察署では、とりしらべの名のもとに、ひどい暴行がくわえられ、大杉などは、素っ裸にされたあげく、革靴でわきばらをなんどもけられ、髪をつかまれてコンクリートの壁になんどもアタマをぶつけられたそうだ。 社会主義者はひとではない、なにをしたっていいんだといわんばかりだ。・・・

 大杉は一番おもたい2年半の禁錮刑をくらった。 赤旗をもって、外を2,3歩あるいただけである。 ・・・・弾圧はいっきに大逆事件(たいぎゃくじけん、1910年 )までエスカレートしてゆくことになる」(p56)

「 大杉たち 東京にいた・・・メンバーが のきなみ つかまってしまった。 外にいたのは、病気療養のために地元高知県( 引用者注。高知県の西の 四万十川のそばの 中村市。 ここに、私、副島隆彦は 15年ぐらい前に行った時、地元の市会議員の立派な人が、「地元出身 の 幸徳を、国体に逆らった人間だから、と 今でも、銅像が立てられない 」 と 言っていた。)に帰っていた幸徳秋水だけである。 サカイ(引用者注記。堺利彦=さかいとしひこ=。 のちに1922年の 日本共産党の創立ンバーの筆頭 となる人 )ヤラレタ、スグカエレ。・・・・」(p57)


堺利彦

 「 東京に入った幸徳は、(1910年 )8月15日、赤旗事件の鋼板の傍聴にいった。 幸徳がはいった瞬間、場内がどよめき、すさまじい歓声があがったという。 これで気分が高揚した大杉は、証拠品であった赤旗を 本物かどうかたしかめさせてくれといって手にとり、うりゃあ といって、おもいきりひろげたそうだ。 幸徳のほうをむいて、ニッコリと笑ってみせる。 バカだけど、ちょっとほほえましいはなし(話)だ」(p58)

「 ・・・・ 1910年(明治43年) 「6月1日には、湯河原にいた幸徳がつかまった。 ・・・・合計26名が大逆罪(=国家反逆罪)で起訴された。 ・・・・1911年1月18日、24名に死刑判決がでて、・・・・(翌年の1912年) 1月24日、幸徳は処刑される。享年40歳。ただ、社会主義者であるというだけで、ひとの首がつるされた。とりわけアナキストは・・・・」 (p61)
 
 引用者注記。 そして、 その11年後の、関東大震災(1923年9月1日。死者14・3万人。全焼家屋58万戸) の 直後の、9月16日に、大杉栄 と伊藤野枝(いとうのえ) とその甥っ子は、憲兵大尉 の甘粕正彦(あまかすまさひこ)たちに、憲兵隊本部に連行され、首を絞められ殺されたあと死体を井戸に投げ込まれた。


甘粕正彦


 甘粕正彦は、このあと、満洲国政府の高官待遇で、日本の国策会社の満州映画社の総支配人となった。そして、映画「支那(シナ)の夜」などの名作( 主演、山口淑子=やまぐちよしこ=李香蘭=りこうらん)をプロデユースする。「支那の夜」が出来た背景には、日本人との合いの子で上海で2重スパイのようになったテンピンルーという 悲劇の女性の 話だ。この話は数年前に、ここの今日のぼやきの 「982」番に 私が詳しく書いた。

 甘粕正彦は、 終戦(敗戦)の日8月15日に、長春(当時は、日本支配下の満州国の首都の新京=しんきょう=)の満州映画社でピストル自殺した。その部屋を遠くに望む 長春の満州映画社の 正門のゲートまで、私は5年ぐらい前に尋ねた。

 殺される前の 1916年11月に、大杉栄は、「 葉山(はやま)日陰茶屋(ひかげちゃや)事件 」というのを起こしている。 (P170)「大胆な自由恋愛(フリーラブ)をかかげて、3人の女性と同時につきあった。でも、結果はさんざん。大杉は 痴情のもつれから喉元を刺され、瀕死の重傷をおってしまう。 ( 引用者注。当事者は、堀保子(ほりやすこ)、神近市子(かみちかいちこ、東京日日新聞の記者)たちである。皆、裁判にかけられた。) その後、3人のなかのひとりであった 伊藤野枝(いとうのえ)と同棲して・・・」 子供も生んでいる。 

 伊藤野枝は、『青鞜(ブルーストッキング)』誌の 主宰者の 平塚雷蝶(ひらつからいちょう)から文才を認められて、跡を託されて編集長を引き継いだ。自分でも文を書いた。 従来のおしきせの結婚と、女性の忍従への「 習俗打破! 、習俗打破! 」である。

 この 自由恋愛の 男女の 痴情の縺(もつ)れの事件が新聞で大きく騒がれて、これも、日本の権力者、支配者層の重低音の怒りをかっただろう。 彼らは、皆、自分は 半ば、堂々と 妾(めかけ)を囲っていた。 それを、一般大衆に、西洋の新式の 自由恋愛の思想でやられたら、「道徳、社会風俗が乱れる」と、生来の 支配者、管理者の思考で怒った。彼ら偽善者たちである支配者たちの怒りは アナキストの大杉栄に対して頂点に達する。 それで、甘粕正彦憲兵大尉に現れた「国体(こくたいごじ)護持」の思想で、大杉と伊藤野枝は、その7年後の関東大震災のさなかに、「暴動を起こそうとしている朝鮮人を殺せ」(多くの朝鮮人が殺された。すべて虚偽の扇動によるものだった)の殺気だった雰囲気の中で、憲兵隊に捕まり絞殺された。



 (p198) 伊藤野枝は、「・・・どんなに男にぶんなぐられても、どんなにマスコミにたたかれても、みずからの力を手ばなすことをしなかった。大杉との 奔放な生活がはじまっても、自分が家庭に囲い込まれてしまうことに(彼女は)敏感でありつづけている。伊藤、すごすぎだ。でも、これってなかなかできることではない。・・・・なんどでも 家庭をたたきこわそうとしてみるのかもしれないが、・・・・」

 伊藤野枝は書いてる。「 自由恋愛が 罪悪のように思われるのは、従来の結婚の手続きが他人すなわち媒介人や双方の両親・・・・彼らが(言うところの)真の恋愛が邪魔をする場合が多いからでございます。ゆえに世間の多数者は、その不都合な結婚の形式を破ることをせずに自分たちの利害関係から・・・ 自由恋愛を 罪悪視したのです」  (伊藤野枝 「矛盾恋愛論」 全集第二巻) (p181)

 栗原くんに、急いで、副島隆彦から 教えておきます。 君の本の P212 の 「 デモのあと、知らない人も含めて大勢で飲みに行ったときに、・・・・(見知らぬ)中高年の活動家にからまれて、「アナキズムをやっているということは、君はテロリストなんですね」 とか、意味の分からないことを言われた・・・・私はへらへらと笑ってなにもこたえようとしないのだが、・・・・・「ほら、やっぱりきみはテロリストなんですね」とからかわれたりする。 」

  の 場面に出てくる この 中高年の 活動家を装っている見知らぬ男は、公安警察官(=政治警察) です。 栗原くん。私は、こういうことを 急いで、君と真剣に話したい。これはこれからの政治思想の研究と日本の政治運動の実践の場面における極めて重要な焦眉の課題だからです。

 最後に、私が この栗原康著『現代暴力論』(角川新書、出たばっかり)の書評(ブック・レヴュー)として 書いておきたいことは、 

 P54にある 「・・・おおきくうごきはじめたのが、日露戦争前後。1903年、もともと『万朝報(よろずちょうほう)』の記者であった幸徳と堺利彦(さかいとしひこ) が社を辞職し、新たに平民社(へいみんしゃ。引用者注。今の JR王子の駅のそば )を結成した。 (『万朝報』が) 世間の圧力にまけて、主戦派(引用者注。=戦争支持)にまわってしまったからだ。幸徳と堺は、週刊『平民新聞』を 発刊し、戦争に反対するとともに、社会主義の宣伝を始めた。ここに続々とあたらしい人材があつまりはじめ、当時、まだ、10代だった大杉も、このころからいっしょに動きはじめている」 

の部分です。  
 私、副島隆彦は、この万朝報(よろずちょうほう)の創立者で社主、主筆(編集長)だった 蔑称” まむしの周六(しゅうろく)” 、黒岩涙香(くろいわ・るいこう) の ような人間になりたいと、ずっと考えてきて、私の弟子たちにこのように言ってきた。


黒岩涙香

 私は、黒岩涙香のような生き方をしたい、とずっと 思ってきた。彼は、フランスの文豪のデュマの 『岩窟王』(原題「モンテ・クリスト伯」) や ビクトール・ユゴーの 『嗚呼(ああ)、無情』 を訳して出版して評判をとってたくさん売れて資金を作った。 彼は、自由民権運動の生き残りの言論人である。笈(きゅう)を背負って、一管の筆(いっかんのふで)の力(おのれの文章力、知能、博識)だけで、世を渡った人のひとりだ。黒岩涙香は、権力者たちからは、人の私生活を暴く ”羽織(はおり)ゴロ” と 呼ばれた。  黒岩涙香の何がすごかったかと言って。
  
 自分が発行する新聞『万朝報』(当時、新聞は裏表で、たったの一枚。皆、隅々まで読んだ)で、華族さまや、財閥や、権力者(高官)たちの 私生活を暴いたからだ。

 毎週、毎週、8人の富裕層、権力者たちの弱点を暴いて載せて、「なになに男爵、 入谷(いりや)三軒下、入る に 蓄妾(ちくしょう。 妾を囲っている )しおり。 女児五歳 」と、このように、懲りることなく毎週毎週、載せた。その欄だけを特別に赤字( 赤刷り)にして載せた。ここから「赤(アカ)新聞」という言葉が生まれた。 これで爆発的に売れた。一時期は売れに売れた。この欄「肖像画報」では、華族さまたちだけでなく、森鴎外や永井荷風も私生活を書かれている。

 この萬朝報(よろずちょうほう)の赤刷り欄は、今は、黒岩涙香著『蓄妾の実例』( 社会思想社の文庫、1992年刊)で読むことができる。 

 だから、私は、黒岩涙香 ”まむしの周六”を 出版業者、新聞報道人、言論人として 深く尊敬している。 人々と時代が欲するもの、需要するものを、世に出す。これこそは、言論商売人の 鑑(かかみ)、お手本だ。 言論や 学問や 知識売り が商売にならないようでは、一体、何のために存在するのか。支配側や権力者の手先になるために、言論人、知識人、ジャーナリストをやっているのか。違う。断じて違う。

 だから、この万朝報社で、のちの 幸徳や大杉や、堺利彦、荒畑寒村(あらはたかんそん)たちがいっぱしの言論人、社会活動家たちが育った。彼らを育てたのは、黒岩涙香だ。  黒岩涙香の この エロでも、スキャンダルものでもやって 出版業、新聞業で生きてゆく、という精神がすばらしい。  

きっと 日露戦争(1904-5年)をめぐって、社長の 黒岩涙香と 従業員の 幸徳秋水 たちは大喧嘩になった。怒鳴り合いのケンカをしただろう。 「それなら、出てゆけ」 「ああ、出てゆくよ」 という ことで、それでを、支援者のパトロンたちからの資金で、印刷機を買って始めた。日露戦争に反対した 彼らのことは、日本の小学校の社会科の教科書にも載っている。しかし万朝報のことはどこにも載っていない。おそらく高校の歴史教科書の副読本に名前が載っているぐらいだろう。 

 そう言えば、私は荒畑寒村の顔を見ている。1975年だったか。私が、早稲田大学の学生だった頃、たまたま荒畑寒村が、どこかの学生サークルの主催で( 大学当局が呼ぶはずがない)、大隈講堂で講演していた。 このジイさんが、ぶるぶる全身、身を震わせながら、激しい口調で、「なんで、学生同士で、内ゲバとか称して、殺し合いをスルのか」と 怒鳴っていた。 

 あのころの早稲田大学は、日本の内ゲバの 総本山というか、たくさんの 極左学生活動家が、殺し合いをして死んだ。全国の大学が、散発的にこういう犯罪事件の舞台になった。私は、かなり それらの近いところにいたので、いろいろなことを目撃している。私はまだ20歳で、生き延びた。私自身は、殺し合いには参加していない。 だから犯罪者ではないし犯罪歴はない。  あの 心底、殺伐とした時代(19070年代前半)を、冷酷に見切りながら、自分が生き延びることを考えた。 

 最後に書く。私が、この栗原康の『現代暴力論』(帯は、「気分はもう、焼き討ち 」となっている)を読んで、一番、衝撃を受けたのは、以下の箇所だ。 ここだけは、本気で、私は、スゲーと思った。 あとは、知識と教養だから、私の方が、彼よりも知っていることが多い。長生きしてる分だけ本を読んでいる。

 166ページ  「 此の前、気になっている女子に声をかけて、お酒にさそってみた。結果は惨敗で、・・・・そのとき( 相手の女子から) ほんきで説教というか、罵声(ばせい)を(私は)あびせかけられた・・・・『 おまえが私を好きだということは、私の自尊心を傷つけるということがなぜわからないんだ! くそ、きもちわるいんだよ、おまえの存在が。(私の)視界に入るな、消えていなくなれ、死ね、死ね』  あれ、わたしはまたなにか やましいこと でもやらかして しまったんだろうか? 

 さいしょは、もしかしたらいいかげんな気持ちでさそったと誤解されて、それで怒鳴られているのかとおもい、・・・・相手の怒りはおさまらない。 その後もくりかえし くりかえし罵声をあびせかけられた。 やばい、これは よっぽどだとおもい、よくよく聴いてみてわかったのだが、責め立てられているのは、私の存在自体だということであった」  

副島隆彦です。この箇所が、鋭く今の時代を表している。 なぜ、この女子 (私の世代は、「この女性」としか書けない ) が、怒ったのか。私は、このあとの 栗原くんの解説で満足だ。 

 「・・・カネ(引用者注。堅実な定収入のこと だろう )がないのにそれでいいんだといって、イケシャアシャアと(私が)楽しそうに生きていることが(この女子には)ゆるせないのだ。 ・・・・恋愛というのは仕事とおなじで、生きのびるためにするものだ。恋愛は仕事の原型みたいなもので、将来の安定した経済生活をいとなむためにするものである。・・・・そんなときに、よりによって、わたしのようなクズというか、かせごうともしない人間から、好きだと言われたわけである。 おそらく そういうふうにクズから口説けると(自分が)おもわれてしまったこと自体が、かの女にとっての屈辱だったのだろう。 そりゃあ自尊心も損ねてしまう 」

私、副島隆彦のようなジジイがびっくりしたのは、 この女子が、完全に 男女の性別(ジェンダー gender ) を踏み越えて、「くそ、きもちがわるいんだよ、おまえの存在が」 と 言っている、この コトバ遣(づか)いに びっくりした。 これが、2010年代の日本なんだ、と分かった。 

 それから、この本の巻末の 「おわりに」 で、栗原康は、2007年に、ドイツのハイリゲンダム・サミット(G8)の反対運動を、見学しに、ドイツまで行ったときの体験記を書いている。 ここで、全ヨーロッパから集まった ブラックブロック black bloc という 黒いパーカーを着ている アナキストの2万人もの若者たちに合流している。 警官隊に石を投げ、ぶつかる場面とかの、このときの体験を、さらさらと書いている。 

 私は、石川啄木(いちかわたくぼく)の 『時代閉塞(じだいへいそく)の現状』が、幸徳秋水たちが大逆事件で、首を吊られたことへの 悲憤慷慨で書かれたことを思い出した。 世の中の現状の、自分たちへのあまりもの苛酷さに、絶望した若者たちの 真剣な 問いかけが、どんなに苦しいものであっても、それが時代を切り開いてゆく。 

ここまでで、おしまいにします。  

 私は、このメールを 書いている途中で、決めたのだが、私のこの文をこのあと少し書き直して、「学問道場の 今日のぼやき」に載せます。 そうすれば、数十部は、栗原くんのこの本が 売れるでしょう。 また打ち合わせしましょう。

副島隆彦拝
 
※副島隆彦学問道場ブログより「転載」
 

政策基軸一選挙区一候補者体制で安倍政権を打倒

2015年08月28日 10時13分27秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                   

  「          植草一秀の『知られざる真実』」

                             2015/08/27

政策基軸一選挙区一候補者体制で安倍政権を打倒

           第1230号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2015082717400428358
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-28989.epub
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昨日、8月26日(水)午後4時から、東京永田町の憲政記念館で

「緊急集会 『ぶっ壊せ!アベ安保法制』」

が開催された。

平野貞夫氏が主宰する日本一新の会によるイベントであった。

オールジャパン:平和と共生=AJPaC

も参加団体のひとつとして、広く主権者に参加を呼びかけた。

平日の昼間の時間にもかかわらず、500席の会場が、主権者によって埋め尽
くされた。

小沢一郎氏の支持者だけでなく、アベ安保法制をぶっ壊したいと思う主権者が
多数参集したのである。

本ブログ、メルマガ、

【オールジャパン平和と共生】サイト
https://www.alljapan25.com/

をご覧いただきご参集下さったすべての主権者のみなさまに深く感謝を申し上
げたい。

集会は実行委員会の共同代表である二見伸明元衆議院議員のあいさつで幕を開
けた。

第一部は、同じく実行委員会の共同代表である平野貞夫元参議院議員が、「生
活の党と山本太郎となかまたち」共同代表の小沢一郎衆議院議員に対する質疑
のかたちで進められた。

第二部は、集会に参集した主権者が質問に立ち、これに小沢一郎氏が答えると
いう形で進められた。

平野貞夫氏は、壇上で小沢一郎氏と対談をする形式の講演は初めてのことだと
述べたが、この方式が非常に効果的であったと思われる。

さまざまな問題について、さまざまな角度から質問が投げかけられて、その質
問に対して小沢一郎氏が持論を展開する形式であったから、小沢氏の考え方が
非常に分かりやすく参加者に伝わったと思われる。



冒頭、あいさつに立った二見伸明氏は、

「自分は公明党を除名されたが、創価学会からは除名されていない」

と告白した。

そして、安倍政権が推進する安保法制=戦争法制制定反対の考えを表明した。

もともと公明党は、平和と福祉を看板に掲げて、創価学会を設立母体として創
設された政党である。

この政党がいま、安倍政権と一緒になって戦争法制を推進している。

この行動に、多数の創価学会員が怒りの声を上げ始めているのだ。

すべての創価学会員が「平和と福祉」の基本理念に立ち帰るなら、戦争法案は
間違いなく廃案に追い込まれることになる。



平野氏と小沢氏による対談で取り上げられた特筆事項は次の三つであろう。

第一は、安倍政権の行動が米国の指令に基くものであること。

本来は憲法があり、憲法の下に法律が制定され、その法律に則って行政権が行
使される。

ところが、安倍政権の手法は完全に逆なのだ。

行政権の行使である日米ガイドラインがまずあって、これに合わせて法律が制
定される。そして、その法律が憲法に違反していても押し通す。

すべての根源に日米ガイドラインが置かれるということになるが、この日米ガ
イドラインは日米で決めたものではない。

米国が決めたものなのだ。

だから、「日米ガイドライン」と表現するのはミスリーディングで、米国ガイ
ドラインとするべきである。

米国が自衛隊の行動基準を定めて、それに合わせて安倍政権に法律制定を命令
している。

そして、その法律が日本国憲法に違反しようと、構わない、としているのが米
国で、安倍政権は、単に言いなりになっているだけなのだ。

この本末転倒が第一の問題だ。



第二は、この新ガイドラインとガイドラインを後付けする戦争法制のなかに、
地理的制約が取り払われたことである。

周辺事態法には、地理的な制限が設けられていたが、アベ安保法制では、地理
的概念が取り払われている。

存立危機事態でも重要影響事態でも、地理的制約が取り払われている。

つまり、地球上のどこへでも自衛隊が出動し、武力行使するということにな
る。

小沢氏は、安倍晋三氏の本音は、日本を軍事大国にして世界中で戦争を行える
国にすることにあるのではないか、日米同盟をその口実として使っているので
はないかと指摘した。

これまでの法制とはまったく異なる次元に突入することになる。



第三は、こうした憲法破壊行為が繰り広げられる背景に、日本人特有の

「流れに身を任せてしまう」

行動様式があるのではないかという指摘だ。

日本が危機に突入する原因になっているのは、こうした行動様式で、取り分
け、現在の局面に当てはめると、

「対米従属しょうがない症候群」

が、最大の問題であると小沢氏が指摘した。

日本は敗戦国である。

米国が上から威圧的に命令すると、日本の官僚、政治家は、がたがたに崩れ
て、何もものを言えない。

押しに押されて、結局のところ、宗主国の米国さまがこう言っているんだか
ら、こんな法律がつくられてしまっても、

「しょうがないよなあ」

で締め括ってしまう。

この「事なかれ主義」が日本を奈落の底に突き落とすのだと小沢氏は警鐘を鳴
らした。

この「対米従属しょうがない症候群」に罹患しているのは、官僚や政治屋だけ
ではない。

多数の日本国民が罹患してしまっている。

これが危機の本質であると、小沢氏は訴えた。

事態を打開するには、主権者が立ち上がり、行動するしかない。

「戦争法案廃案!安倍政権退陣!
 8・30国会10万人・全国100万人大行動」

http://sogakari.com/?p=633

に、どれだけ多くの主権者が参集して、行動を示すかが、アベ安保法制をぶっ
壊すカギを握ることを小沢一郎氏が強調して集会は幕を閉じた。



平野貞夫氏は、小沢一郎氏の持論である、国連中心主義、国連を軸とする集団
安全保障の論理を強調した。

これに呼応して、小沢一郎氏は1991年の湾岸紛争時の日本の対応について
説明した。

小沢氏は日本国憲法には、国連中心主義の精神が盛り込まれているとして、国
連を中心とする集団安全保障=国際安全保障には、日本が積極的に参加できる
との考え方を強調した。

この考え方から、湾岸紛争、湾岸戦争の際の日本の対応についても、後方支援
は可能であるし、実行するべきだと主張したことを説明した。

しかし、現時点でこうした見解を強調することに対しては、私は疑問を感じて
いる。

たしかに、日本国憲法が起案された1946年の時期においては、世界平和を
守る機能が国連に期待されていたし、また、米国の対日占領政策も、一種の理
想主義に裏打ちされていた。

しかし、1947年初頭に、冷戦の激化を背景に、米国の外交基本政策が

「ソ連封じ込め」

に転換して以来、米国の外交基本路線は、冷戦への対応に大転換し、連動して
対日占領政策も「民主化」から「反共化」に大転換した。



爾来、「冷戦」が世界秩序の根幹に置かれるようになった。

このために、国連は世界平和を守るという、本来目指された存在とは異なる、
東西陣営の緩衝地帯としての意味を有することになったのである。

したがって、戦争放棄を定めた日本が進むべき道は、国連軍への積極参加では
なく、国際紛争の平和解決、対話による解決、非軍事的解決に向けての徹底し
た尽力ということになると考えられる。

国連軍への参加をも含めて、自衛隊の海外派兵、自衛隊による海外での武力行
使を認めるべきでない、と判断する主権者が多いのではないかと思われる。



小沢一郎氏は、安倍政権が憲法改定を国民に訴えかけて、憲法改定を通じて安
保法制を整備すると言うのであれば、それはひとつの道であるかも知れないと
論じたが、まさにその通りである。

安倍政権の手法は、憲法破壊行為そのものであり、立憲主義の全面否定、法の
支配の全面否定に他ならない。

憲法破壊は許されない。

そして、

「国際紛争を解決するための手段としての武力行使」

は憲法上許されない、

というのが、

「アベ安保法制をぶっ壊せ!」

と考える主権者多数の判断であろう。

この基本判断の部分で、一人でも多くの主権者と政治勢力が見解を共有するこ
とが、いま一番求められている。

国連が世界平和を守る絶対権力としては確立されていないという現実を踏まえ
るなら、国連を軸とする集団安全保障による日本の平和と安全確保も、現時点
では、十分に説得力を持つものにはなっておらず、この点を現時点で強調する
ことは、誤解を生みやすい原因になってしまうことを危惧する。



政治を変えるには、国会の議員構成を変えなければならない。

小沢一郎氏は、その目的を実現するために、政党が協力して、統一名簿を作成
することの必要性を訴えた。

しかしながら、現在の野党勢力を見ると、議席の多い野党である民主党と維新
の党には、自公政権と変わらぬ政策基本路線を掲げる議員が多数存在する。

これらの議員勢力をこのまま放置して、統一名簿を作成しても、主権者は清き
一票を投じる判断には傾かないだろう。

だからこそ、政党の結集ではなく、政策を基軸にした結集が必要であり、これ
を実行できるのは、主権者以外にいない、と考えるのである。

安倍政権と対峙する政策基本路線を明確に打ち出している政党の協力を得て、

オールジャパン:平和と共生

https://www.alljapan25.com/

の連帯運動を構築し、

主権者が主導して、

一選挙区一候補者

の体制を構築する。

小沢一郎氏や山本太郎氏などには、この運動の全面的な牽引者になっていただ
きたいと考えている。

まずは、8月30日、主権者は国会を全面的に包囲しなければならない。

 


2015.8.25安保特「原爆投下や空襲は戦争犯罪・国際法違反か?」の質問に、答弁回避の安倍総理

2015年08月27日 10時30分17秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                    

2015.8.25安保特「原爆投下や空襲は戦争犯罪・国際法違反か?」の質問に、答弁回避の安倍総理

2015年08月26日

カテゴリ

Web-900
 
資料①⇒ジュネーブ諸条約、国際人道法違反の国に対して
資料②⇒パスラの子どもの墓で13歳の少年の死を嘆く母親
資料③⇒ナジャフのアジーズの家では、8歳の子どもを含む4人が犠牲になった
資料④⇒パスラの子ども専用墓地

○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたちのお時間がやってまいりました。共同代表の山本太郎と申します。よろしくお願いいたします。
本日の質疑は十七分しかありません。中谷大臣、岸田大臣、御安心ください。本日は総理との一騎打ちであります。後ろの方、是非助太刀はおやめください。よろしくお願いいたします。(資料提示)

以前、7月30日、本委員会での私と安倍総理との質疑の中で、戦争にもルールがあるというお話になりました。民間人の殺害、軍事施設以外への攻撃、捕虜への拷問などの禁止、これは完全な国際法違反です。それらを禁止したものがジュネーブ諸条約、国際人道法などであり、日本はこれらの条約を批准しています。我が国はルール違反を許さない立場であります。
総理、我が国は、ジュネーブ諸条約、国際人道法など国際法に違反する他国への支援、協力は行わないということを総理のお言葉で確認していただけますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊が活動をするに当たって、国際法を遵守し、国際法上違法な行為に対する支援を行わないことは当然なことであります。
ある国がジュネーブ諸条約を始めとする国際人道法に違反する行為を行っている場合、そのような行為に対して我が国が支援や協力を行うことはございません。

○山本太郎君 ありがとうございます。
続きまして、安倍総理、日本が支援、協力を決めた同盟国が民間人の殺害を繰り返すような戦争犯罪を起こし、自衛隊員がその共犯者になることがあってはならないと考えます。総理ももちろん同じ考えですよね。同じ考えであるかないかだけでお答えいただけますか。ありがとうございます。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 仮にある国が国際人道法上の原則に違反する行為を行った場合、我が国がそのような行為を支援することがないのは当然であって、自衛隊が御指摘のような共犯者になることはございません。

○山本太郎君 ありがとうございます。
総理、米軍がジュネーブ諸条約を始めとする国際人道法違反を行った場合は、たとえ米軍でも、米軍であっても、支援、協力はしないということでよろしいでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、自衛隊が活動するに当たっては国際法を遵守し国際人道法に違反する行為に対する支援を行わないことは当然のことでありまして、これは支援対象国のいかんにより変わることはありません。

○山本太郎君 ありがとうございます。
少し安心しました。ルールにのっとって物事を進めていくんだという安倍総理の理念、お聞きすることができたと思います。

では、何が戦争犯罪なのか、どこが国際法違反なのか、その線引き、どんな感覚で行われるのかという、幾つかのケースをもって最高責任者である安倍総理にお聞きしようと思います。

イラクの戦場にも足を運ばれましたフリージャーナリスト志葉玲さんの資料では、2006年3月15日、イラク中部のイシャキ村で起きた一家惨殺事件の例が挙げられています。ウィキリークスによって流出した米軍の内部文書、現地報道などによると、手錠を掛けられ無抵抗な状態で家にいた11人を米軍は銃殺。この事件、地元テレビでも報道され、その映像はBBC、CNNなど欧米メディアも伝えましたが、日本のメディアはこれらの映像を全く使わなかったそうです。

この事件について、米軍はメディアに対し、イラクのアルカイダネットワークの支援者を捕まえるために民家を攻撃したんだ、敵から銃撃を受け、兵士たちは応戦した、そのように主張しました。
そう聞くと、一瞬、ああ、なるほど、テロリストの掃討作戦だったのねって思っちゃいますよね。でも、米軍が踏み込んだのは、そして殺害に及んだのは、地元小学校の教師であった当時28歳、ファイズ・ハラットさんの家でした。米兵に殺された中には、生後5か月、3歳、5歳のファイズさんの子供たち、そして3歳のおいっ子、五歳のめいっ子も無慈悲にも殺害されました。被害者の中には、家を訪ねてきていた若い男女もいました。この二人は婚約者同士、次の週に結婚する予定だったそうです。
地元の警察の報告によれば、子供や女性たちも手首を縛られ、目隠しをされた状態で殺害されていた。また、米兵たちは、ファイズさんらを殺害後、家を爆破した上、家畜までも殺していったそうです。
総理、これ戦争犯罪ですよね。国際法違反ですよね。いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、山本議員から御紹介した事案について私は承知をしておりませんので、今ここで論評することは差し控えたいと思います。

○山本太郎君 当時、小泉内閣の官房長官であった安倍総理なんですけれども、これ一般論で答えてくださいよ。今のケースで分かるでしょう。後ろ手に縛られて無抵抗の状態です。頭にも布を掛けられていた。11人殺された。子供も含まれている。この状態、普通に言って戦争犯罪じゃないですか。国際法違反じゃないですか。いかがでしょう。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 実際そういう行為が行われていたかどうか、今私は、私自身確認のしようがございませんので、米軍の行為として今例として挙げられたわけでございますので、それについて確認しないでお答えすることは差し控えたいと思います。

○山本太郎君 なるほど。二つ考えられると思います。一つは逃げた。そしてもう一つは、本当にその事件を知らなかったから答えようがない。その二つのいずれかだということだと思います。
では、パネルお願いいたします。
本日この時点から使用するパネルの全ての写真は、デイズジャパン、フォトジャーナリスト広河隆一さんが撮影されたものです。

先ほどお伝えしたエピソード、イラクでは特別珍しいお話ではないそうです。イラク全土、罪のない子供や身内、友人を米軍に虐殺された人々が大勢いらっしゃいます。米軍は、イラク戦争、アフガン戦争、テロとの闘いという名の下に国際人道法に違反する数多くの戦争犯罪行為を行う戦争犯罪常習国です

次のパネルをお願いします。

米軍による民間人が暮らす地域への空爆、市民への殺害など度重なる非人道的行為にイラクの人々は疑問を持ちます。モスク、礼拝場ですよね、モスクに対する攻撃、子供たちの学校を占拠し、その正面に戦車を置いて米兵が駐留したことに憤りを感じたファルージャのお父さん、お母さんたちは、学校の占拠はやめてくれとデモを行います。そのデモ隊に対し、治安の安定化と称し、米軍は鎮静化に動きます。米兵の威嚇発砲にデモ参加者が驚き、民家の中に逃げ込み、その後を数人の米兵が追いかけて、家の中でデモ参加者を射殺。民主的な行動で訴えを起こす人々に対して乱暴ろうぜきの限りを尽くす米軍への反発で日に日にデモの規模、膨れ上がっていきます。すると、米軍は直接参加者を銃で撃つようになっていったそうです。米軍は占拠した学校の屋上に土のうを積み上げ、住民を狙撃する拠点をつくったそうです。
そして、2004年4月に続き、米軍は大規模な作戦を展開。ファルージャ総攻撃、御存じですよね、皆さん。報道陣は町からシャットアウトされます。米軍は町を完全に包囲します。人々が町から出れないようにし、食料や医薬品も外から供給できない兵糧攻めの状態をつくりました。完全に遮断された状況にしびれを切らせた四十名を超えるイラク人、医療関係者が医薬品を持ってバグダッドから駆け付け、ファルージャ総合病院を目指しましたけれども、十七名の医療関係者は米軍に射殺されました。
2004年11月、完全包囲されたファルージャの町に激しい空爆、砲撃始まります。ファルージャ総合病院は米軍に占拠されました。市内にあった二つの診療所は米軍が空爆しました。米軍の空爆によって火事が起きた場所、そこで消火活動をしていた地元の消防士、警官までも米兵は攻撃しました。夜間外出禁止という理由からです。

この頃のイラク、米軍の上層部から各兵士に命令される交戦規定、戦場のルールですよね、交戦規定は毎日のように、下着を着替えるように、振り向くたびに、次々とこの交戦規定が変わっていったといいます。攻撃されていなくても不審な人物と思ったら発砲してよし。不安を感じたら発砲してよし。目が合えば発砲してよし。イスラム教徒の衣装の者は敵対しているとみなして撃ってよい。路上にいる者は全て敵の戦闘員とみなせ。息をしている者は全て撃て。

冬の兵士、良心の告白というDVDで証言するファルージャ攻撃に参加していた元海兵隊員は、空爆、砲撃が続いていたある時期、ファルージャの住民に対し、米軍は、14歳以上の男子を戦闘可能年齢とし、町から出ることは許さず、それ以外の子供や女性を外に出そうとしたといいます。男性の家族と別れるか、若しくは死を覚悟して一緒に残るか、究極の選択を米軍は迫りました。14歳以上の男子、戦闘可能年齢として避難をすることを米軍は許しません。米軍から確実に攻撃を受ける場所に中学生、高校生くらいの息子を置いて母親が避難できますか。少年や男性だけを残して避難できなかった、そんな人々がたくさんその場にとどまり、実際に町から出たのは僅かな老齢の女性たちだけでした。

2004年の最初のファルージャ攻撃では700人以上が殺害され、2回目の11月、ファルージャ総攻撃では行方不明者は3千人に及び、6千人もの住民が殺されたと言われます。中には白旗を握り締めたままで発見された少年の遺体もあったそうです。

次のパネルをお願いします。

このような一般市民に対する虐殺、イラクのあちこちで起こっていた現実。このパネル、子供専用墓地だそうです。戦争前から存在するものでしたけれども、戦争が始まってからは埋葬する場所もないぐらいになっているのが見て、御覧いただけると思います。
安倍総理、これ、米軍が行ったこと、紛れもない国際法違反、戦争犯罪ですよね。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま山本議員がるるお話をされたわけでございますが、私は今それが、その中身について検証する材料を持っていないわけでございますので、コメントは差し控えたいと思います。

○山本太郎君 総理の師匠筋に当たりますかね、小泉元総理、ファルージャ総攻撃に対して、2004年11月9日、首相官邸で、ファルージャ総攻撃に対して、成功させなきゃいけないとコメントされています。安倍総理、当時幹事長代理でしたか。当時、総理、反対しましたか、ファルージャ総攻撃。住民殺されまくっていますよ。米軍の戦争犯罪に対して異議唱えたんですか、お願いします

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまの山本議員の述べられたこと自体がどの程度事実に基づいているかどうかということについて私も今承知をしていないわけでもございますし、当時はもちろんそういう事実を承知をしていなかったわけでございます

○山本太郎君 なるほど、事実かどうかが分からないから、私が確認できていないから、それを判断するのは難しいと。確かにそういう部分もあるでしょう。でも、そのような事態があったとしたら、これは紛れもない国際法違反であり、戦争犯罪だと思います。
では、分かりました。じゃ、何が戦争犯罪かということをもっと分かりやすい例え、総理には必要だなということを今感じたので、お聞きしたいと思います。

米軍による爆撃、我が国も受けております。広島、長崎、それだけじゃない、東京大空襲、そして日本中が空爆、爆撃をされた。それによって50万人以上の方々が亡くなっていますよ。この50万人の中に、そのほとんどを占めるのが一般市民じゃないですか。子供、女性、民間人への無差別攻撃、アメリカによる広島、長崎の原爆投下、それだけじゃなく、東京大空襲を含む日本全国の空襲、民間人の大虐殺、これは戦争犯罪ですよね、国際法違反ですよね、いかがですか。

○国務大臣(岸田文雄君) 広島、長崎への原爆投下等が国際法違反かという御質問でありました。
これは、こうした行為は絶大な破壊力あるいは殺傷力ゆえに国際法の思想的基盤にあります人道主義の精神に合致しない、このように我が国は理解をしております。国際司法裁判所等においてもそうした議論が行われていると承知をしております

○山本太郎君 本当に奥歯に何かが挟まったような物の言い方なんです
はっきりしているんですよ。当時はジュネーブ諸条約なんかなかったけれども、ハーグ陸戦条約があったじゃないですか。民間人への攻撃、無差別攻撃は禁止されていましたよ。これは完全なる国際法違反であり、戦争犯罪じゃないですか。これに対してどうしてはっきり言えないんですか、総理。総理、このことを知っているじゃないですか。それでも答えようとしないんですか、代わりに外務大臣に答えてもらって。おかしな話ですね。言えないんですね、宗主国様のことははっきりとは。過去の米軍の過ちを認められない者がどうやって戦争犯罪常習国である米国の行動をこの先ジャッジできるんですか。
この先、米軍が戦争犯罪を行った場合、総理が我が国の最高責任者として米軍の行動を止めるんですよね。自衛隊、撤退させられるんですよね。大丈夫ですか、総理。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど答弁を行ったように、自衛隊が活動をするに当たって、国際法を遵守し、国際人道法に違反する行為に対する支援は行わないことは当然のことであり、これは支援対象国いかんにより変わることはない、これはもう明確にしておきたいと思います。

○山本太郎君 総理、1776年にアメリカって建国されて239年近くたっているわけでしょう。そのうちの93%戦争し続けたという話があるぐらい戦争続いている国なんですよ。戦争で経済を回しているような国なんですよ。その国に対して一体化、いろんなものを運んであげるよって、このファルージャに運んだかもしれない、そのような米兵もいたかもしれない、武器弾薬もひょっとしたら届いていたかもしれない、中身チェックできないですもん。当時、石破さん、そんなコメントしていなかったですか、当時、イラク戦争のときに。

今回のルール改正、戦争法案では、自衛隊に死者が出るだけでなく、後方支援という名の一体化で米軍とともに加害者側になる可能性大なんですよ。イラク戦争時、政権中枢にいたばかりでなく総理までやっていらっしゃるんですよね。米軍の戦争犯罪である非戦闘員の虐殺、民間人大虐殺、化学兵器、そうですよ、化学兵器。先ほども出ていました、白燐弾も使った。大量破壊兵器を持っている、化学兵器を持っていると言いながらイラクに入っていったけれども、結局それは何も見付からなかった。当たり前です。700回、700回500か所、それを捜索したのに出てこなかった。これ、国連憲章違反ですよ、完全な。なのに、大量破壊兵器そして化学兵器を使ったのはアメリカ、イギリスじゃないですか。白燐弾、劣化ウラン弾、クラスター爆弾、大量破壊兵器を持っている、化学兵器を使っていると言いながら、自分たちがそれでイラクに住む人々を傷つけたわけですよね。これ、検証が必要だと思います。

総理に言いたいんですけれども、第三者の検証委員会をつくっていただきたいんです。アナン国連事務総長も言っていますよ。イラク戦争は違法であると、国連のトップが。それ、検証する必要があるでしょう、イギリスやオランダのように。公開性の高いものをつくっていただきたい、戦地へ行ったジャーナリスト、現地で支援をしているNGOを入れて
この検証委員会、当たり前でしょう、自衛隊を外に出すのに、過去に出した、それに関しては検証なしですか。あり得ませんよね。第三者検証委員会の設立を求めます。総理、いかがでしょう。

○国務大臣(岸田文雄君) 我が国の支援、協力についての御質問ですが、我が国は、ジュネーブ諸条約、国際人道法に反する行為、これに支援、協力することは全くありません。そして、これからも、我が国が支援する行為の中にこうした国際法違反があったとしたならば、我々は支援することはありません。そして、直接支援していない行為以外の部分において仮に国際法違反がもし確認されたとしたならば、それが国家として組織的に行われているものなのか、あるいは一部の兵士の命令違反によって行われているものなのか、これを具体的に判断することによって我が国の対応を考えていく、これが基本的な方針であります
これからもこうした方針をしっかり守っていくのが我が国の協力、支援のありようであります。

○山本太郎君 総理ってお願いしたんですよ。しかも過去、お手伝いしているじゃないですか、ちゃんと。(発言する者あり)時間じゃないですよ。求めた答弁者が出てこなかったんですから、当然じゃないですか。
はっきり言いますよ。自衛隊は米軍の二軍ではないんですよ過去に出した自衛隊のその検証ができていないなら、自衛隊の活動を拡大させるわけにいかないんです。
第三者による検証委員会、立ち上げてください。
以上で質問を終わります。

 

 

 

 

 


8月だけで3人死亡・・・福島原発作業員を次々と襲う「死の病」 日刊ゲンダイ

2015年08月27日 10時29分00秒 | 脱原発!原発のない社会の実現を目指せ

                  

8月だけで3人死亡・・・福島原発作業員を次々と襲う「死の病」                                                      

                           
2015年8月26日

 

 
 福島原発に「恐ろしい病」が蔓延しているのか。東京電力は24日、60代の男性作業員が死亡したと発表した。

 今月21日、1号機タービン建屋に機材を運び入れた際に突然意識を失い、救急車で病院に運ばれ、死亡が確認されたという。

 福島原発では1日と8日にも男性作業員が死亡している。今月だけで、3人も亡くなったことになる。

 東電広報が言う。

「プライバシーに関わる問題なので、死因の詳細については回答を差し控えます。ただし、1日と21日に亡くなった方はケガや作業中の事故など外傷ではなく、病気などの内部疾患が原因と、元請け会社から報告を受けています」

 昨年度、福島原発で死傷した作業員は64人。ベテランが減り、経験の浅い作業員が増えたため、タンクから転落して死亡したり、機械に手足を挟まれて重傷を負うケースが急増した。あの事故から4年5カ月が過ぎ、事態は新たな局面を迎えているようだ。

市場混乱主因はブロック経済化&通貨切下げ競争

2015年08月27日 10時28分19秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                   

                 「植草一秀の『知られざる真実』」

                             2015/08/26

 市場混乱主因はブロック経済化&通貨切下げ競争

            第1229号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2015082611300028321
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-28951.epub
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安倍晋三政権の基本政策路線は

新自由主義

と言われている以外に、

反知性主義

とも言われている。

8月1日付中日新聞に元東大総長の佐々木毅氏が『時代を読む』という論評欄
に寄稿した文章で、安倍政権の反知性主義を厳しく論断した。

佐々木氏は、安倍政権が国立大学の人文社会科学系の学部・大学院に対し、組
織の「廃止」に言及した形で見直しを求めた通知について、

「「社会的要請」を金科玉条のように掲げているが、政策担当者の知的水準の
劣化が漂う。」

「大学という組織は「人間の知的可能性に対する社会の畏敬」に基礎を置くと
いうのが私の見解である。

その強みは現実を次々に知的に乗り越えていくところにあり、政府が「社会的
要請」という枠組みで封じ込めようとするのは不遜な話である。

その限界をわきまえず組織の「廃止」に言及するのは、先進国の政府のすべき
ことではない。」

安倍政権は文系学部の「廃止」を求める通知を出した。

「社会的要請」に合致しない学問は排除するとしているわけだが、この姿勢そ
のものが、まさに反知性主義なのである。

安倍政権にとって「知性」は最大の脅威、敵なのであると思われる。



麻生太郎氏が漢字をあまり読めないことが発覚して話題を呼んだが、安倍晋三
氏も漢字を正しく書けないと揶揄されてことがあった。

文書作成がキーボード操作によることが多くなり、漢字を正確に書くことがで
きない人が増えているのは事実で、この程度の問題をとやかくあげつらうこと
は、あまり意味のあることではないだろう。

しかし、国の重要な職責を担う人々が、その職責に関わる事項について無知で
あったり、事実関係を正確に把握していないとなると話は別だ。

内外の株式市場で株価が急落して、適切な政策対応が求められている。

8月25日の東京市場では、日経平均株価が前日比733円下落して、178
06円で引けた。

8月10日からの15日間で、日経平均株価は3002円、率にして14.4
%も下落した。

中国の株価が急落して、その影響がグローバルに広がっている状況にある。

この事態に直面して、財務相の麻生太郎氏が、内外市場での株価急落について
記者会見で見解を求められた。

報道によると、麻生氏は、

「中国の景気減速懸念に端を発した世界同時株安について「リーマンショック
の時とはまったく質が違う」との見方を示した。

かつての米リーマン・ブラザーズの破綻は市場で予想がされておらず、大きな
ショックとなったが、中国バブルについては「何年も前から言われており、つ
いに来たかという感じで、みんな驚くことはなかったと思う」とを話した。」

と伝えられている。



中国株価急落に関連して、麻生氏は、中国バブルについて

「何年も前から言われており、ついに来たかという感じで、みんな驚くことは
なかったと思う」

と発言したが、この発言は、現実とまったく符合しない。

上海総合指数を見ると、同指数は2007年10月に6124ポイントの史上
最高値を記録したのちに、2008年10月に1664ポイントにまで暴落し
たのち、2009年8月に3478ポイントまで反発したが、、それ以来、2
014年7月に2000ポイント水準に到達するまで、丸5年間の長期株価低
迷相場を続けてきた。

その2000ポイントの株価が、昨年10月ころから急騰し、本年6月に51
78ポイントの高値を記録した。

その大暴騰した上海総合指数が、その後急落し、8月25日には3000ポイ
ントを割り込んだのである。

どういうことか。

中国株価の「バブル」と呼べる状況は、2015年に入って初めて発生したも
のなのである。

2009年8月から2014年7月までの丸5年間、中国株価は長期低迷、右
肩下がりの停滞を続けてきたのである。

これに対して、麻生太郎氏は、

「(中国バブルは)何年も前から言われており、ついに来たかという感じで、
みんな驚くことはなかったと思う」

と述べている。

財務大臣の職にある者が、事実をまったく把握せずに、会見でこのようなでた
らめを、得意顔で話していることについて、事実を知る者は、みんな驚いてい
るのだ。

漢字を読めなくても実害は多くはないが、経済財政政策を所管する財務大臣
が、金融情勢について、事実をまったく把握していないのは、あまりにもマズ
イことだと痛感する。



世界経済の変調は、経済のブロック化と通貨切下げ競争の弊害として表れ始め
ているのだ。

TPPは、米国が21世紀の成長センターであるアジアにおける覇権を中国に
握られることを恐れて、日本を強引に巻き込んで展開されている、経済ブロッ
ク化の典型的な施策である。

日本はアジアの一国として、アジアに軸足を置いた自由貿易体制の枠組み作り
に進むべきであるのに、菅・野田・安倍の三政権は、ただひたすら、米国にひ
れ伏す政策運営を続けてきている。

日本の国家主権を失うことになるTPPに、日本は参加できない。

安倍晋三自民党は選挙公約に

「国家主権を損なうISD条項に合意しない」

と明示した。

現在交渉が行われているTPPには、ISD条項が盛り込まれているから、日
本のTPP参加は論理的にあり得ない。

ところが、安倍晋三政権は、公約を一方的に破棄して、TPP参加に突き進ん
でいる。

TPPはグローバル強欲巨大資本の利益極大化のための施策であり、日本の主
権者にとっては「百害あって一利なし」の施策である。

これを安倍政権が熱烈推進している。



中国がこのタイミングで人民元切下げに動いた、本当の理由は、TPPに対す
る揺さぶりである。

米国議会には、TPP参加に対する反対論が根強い。

米国労働者にとって、TPPが有益でなく有害であるとの認識が強く、労働者
の利害を代表する民主党で反対意見が根強いのである。

そして、民主党のTPP反対勢力は、TPPに為替条項を盛り込むことを強く
求めている。

他国が自国通貨切下げの政策対応を取ることを禁じる規定を盛り込むことを米
政府に強く求めている。

ところが、TPP交渉参加国の多くは、為替条項設定に強く反対している。

この問題が、TPP妥結のひとつのカギを握るファクターなのだ。

中国人民銀行は、この点を踏まえて人民元切下げ実施に踏み切ったのだと思わ
れる。

人民元切下げが、米国内の為替条項設置を求める勢力に、より強い要請を行わ
せる原動力になる。

米国議会が為替条項設定を強く求めれば、TPP交渉妥結が困難になる。

この点を狙って人民元切下げに進んだものと思われる。



しかし、この措置が中国株価急落の引き金を引いた。

人民元切下げで、人民元の上昇神話が崩壊した。

外資の安定的な流入をもたらす基本背景を、人民銀行自身が壊してしまったこ
とになる。

これが、中国株価急反落の主因であると言えるだろう。

全体の図式を俯瞰(ふかん)すると、要するに、経済のブロック化と通貨切下
げ競争が金融市場の混乱と世界経済の停滞を招く原因になり始めていることが
浮き彫りになるのである。

1929年のNY株式市場の株価大暴落を契機とする、世界経済の長期低迷お
よび第二次世界大戦への移行が、経済のブロック化と通貨切下げ競争によって
引き起こされたとの指摘を、いまほど再検証するべきときはないだろう。



21世紀の成長センターであるアジアを軸に自由貿易の枠組みを検討するので
あれば、

ASEAN+3(=日本、韓国、中国)

ASEAN+6(=3+印・豪・NZ)

を基本にすることが正道である。

中国、韓国という、日本の隣国との友好関係構築に全力を注がないことが、そ
もそもの誤りなのだ。

中国、韓国と友好関係を築かず、ただひたすら、米国にひれ伏す外交は、日本
の主権者の利益を損なう、売国の行為である。

そして、米、日、欧が、身勝手極まりない自国通貨切下げ政策を実行しておき
ながら、中国が通貨切下げを実施すると、これを非難するというのも、正当性
を欠く行為である。



そもそも、2008~2009年のサブプライム金融危機は、米国を軸とする
欧米資本が、想像を絶するほど巨大なデリバティブバブルを創り出したことの
副作用として発生したものである。

そして、事態の収拾に苦慮したあげく、強引な超金融緩和政策と自国通貨切下
げ政策で危機を回避した副作用として、世界経済の過度の変動、金融市場の過
度の混乱が生じているのである。

内外株式市場の株価水準は、企業収益水準を踏まえれば、著しく割高な水準に
は位置していない。

短期的な混乱が収束すれば、事態の好転を期待することも不可能ではないと思
われる。

しかし、中長期の問題として、経済のブロック化、通貨切下げ競争の構造が維
持され続けるなら、金融市場は再び動揺し、世界経済が長期停滞に陥ってしま
う可能性が高まるだろう。

国際的な政策協調、弱肉強食から共生への、経済政策目標のコペルニクス的な
転換が強く求められているのだ。