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  共和主義=コミュニタリアニズムを考える

2019年10月28日 08時59分49秒 | 政治

                                

                                 

                       「植草一秀の『知られざる真実』」
                                  2019/10/27
            共和主義=コミュニタリアニズムを考える
            第2466号
   ウェブで読む:https://foomii.com/00050/2019102719000059761 ──────────────────────────────────── 鳩山友紀夫元首相が10月25日、新たな政治団体「共和党」の結成に向けた 初の準備会を東京都内で開かれた。
同党では鳩山氏が代表を意味する「棟梁(とうりょう)」に、首藤信彦元衆院 議員が党首を指すという「物差(ものさし)」に就く見込みである。
鳩山首相は首藤信彦氏と共著
『次の日本へ-共和主義宣言-』(詩想社新書) https://amzn.to/2ojxi3k
を刊行された。
鳩山氏は、本ブログ、メルマガでも紹介させていただいた
『脱大日本主義』(平凡社新書) https://amzn.to/2RokgOq
を2017年に刊行されている。
この書のなかで鳩山元首相は、
「「大国への夢」が幻になろうとしている今、日本はいかにあるべきか」
を説いている。
鳩山氏はリージョナリズムで自立と共生の道を模索すべきであると述べる。
そして、その後、政治哲学についての考察を深め、「共和主義宣言」を発する に至った。
10月25日の会合で鳩山氏が講演し、いまなぜ共和主義宣言なのかを熱く語 られた。

上掲書『明日の日本へ』あとがきで鳩山氏は次のように述べる。
「私たちが教科書で習った三権分立はいまや存在していない。
安倍首相自ら、自分は立法府の長と何度も申したように、議会は形骸化し、官 邸の意のままに動く、熟議とはほど遠い状況となっている。
行政は内閣人事局の悪用により、官邸に戦々恐々で官邸を向いて行われてい る。
司法は砂川裁判を重視して国家の重要案件ほど最高裁は違憲性を判断しなく なっている。
たとえば、安保に関する国家対地方(沖縄)の裁判では必ず国家に軍配が上が ることになってしまっている。」
「安倍長期政権が続くなかで、この国は全体主義国家化しつつあるのではない かとの不安を覚える。
安倍政権がメディアの首根っこを押さえているので、批判しないメディアがそ れを助長させている。
さらには学界も官邸を忖度して、たとえば、福島で多発してしまった子どもた ちの甲状腺がんは、原発事故によるものとは言えないとしている。
鯛は頭から腐ると言うが、日本は政治、行政、司法、メディア、学界などの中 枢が腐りかけていると思えてならない。
その原因を突き詰めていくと、この国は真の意味で独立国ではないことに気づ く。」
私は拙著『日本の独立』(2010年、飛鳥新社) https://amzn.to/2Pw8y3h
副題を「主権者国民と「米・官・業・政・電」利権複合体の死闘」としたが、 この出版記念講演会に駆けつけて挨拶をしてくださった鳩山元首相が、「米・ 官・業・政・電」の五者に「学」が加わるのではないかと話されたことを鮮明 に覚えている。

もちろん、鳩山元首相は2009年の政権交代による日本刷新を完遂できな かったことに対して痛切な反省を示されている。
「このような日本になってしまった責任を私は痛感している。
既得権益層の癒着に憤慨して、新しい政治を興せとの大きなうねりに乗って、 2009年、国民の選挙による政権交代が実現した。
民主党政権は対米従属からより自立した日本へ、さらに政治、行政、メデ ィアのあり方などを根本から変えようとしたが、私はアメリカへの依存の象徴 である普天間の海兵隊の辺野古への移設を最低でも県外へと求めて失敗し、改 革は頓挫した。
私の失敗を目の当たりにした後継の政権が、アメリカへの歩み寄りを強めて、 アメリカという国体の下で全体主義的な色彩を濃くしてきたというのが事実で あると考える。
本来ならば、そのような人間は政治の世界から足を洗うべきであるかと思う。 そのつもりでもいた。
しかし私が政治から離れた7年間の政治の推移を見て、それに責任がある者と して、居ても立ってもいられなくなったというのが正直な気持ちである。」
「かつて小渕首相は富国有徳を掲げておられたが、早世されてしまわれた。
いまこそ日本は、経済的にも政治的軍事的にも強い大日本主義を目指すのでは なく、ミドルパワーの国として、人間にも自然にも愛をもって接する徳のある 国を目指すべきではないか。
文字通り、あらゆるものと共に和する、しかしながら和して同ぜずの自立と共 生の社会のリード役を日本が演じるのだ。」
鳩山氏と首藤氏による新著をぜひご高覧賜りたい。

「共和」とは何か。
『次の日本へ』は次のように解説する。
「現在、民主主義的な政治制度を表すものとして民主制と共和制がある。
いずれもギリシア・ローマ時代の政体に起源を持つ伝統的な政治システムであ る。
ギリシアは何よりも専制君主を打倒するために民衆(demos)が支配する (cratia)という原則=民主主義をつくり出したが、その後、選挙はたちまち 有力者に悪用され、票の買収が行われ、ふさわしくない政治家が指導者として 選ばれるようになった。
そこで、それを是正すべく、悪質な指導者を追放するために陶片にその名を書 いて投票箱に入れ、それが一定数になればその政治家を追放する制度(オスト ラシズム)が登場したが、それもたちまち買収や煽情的な非難などによって、 優れた政治家が逆に追放される事態をまねいた。
民主主義は衆愚政治に陥り易いシステムであり、この時期以後、フランス革命 まで主張され採用されることはなかった。」
「古代ローマではギリシアの教訓から、民主制の代わりに、指導者と自律的国 民が皆で公共を支えよう(res publica)と考えて共和制が採用された。
そして前述のごとくローマは皇帝を抱きながら共和国であり、版図を拡大し、 諸民族を吸収しながら拡大したが、大規模な民族大移動によってローマは分 裂、崩壊し、共和国も失われた。」

米国に民主党と共和党が存在することについては、
「アメリカでも18世紀中葉に南部で奴隷を使って大規模農場で綿花栽培を行っ ていた南部の支配層中心政党である民主党に対し、北部のいまだ発展途上の工 業地域で、奴隷制度反対をかかげてエブラハム・リンカーン等市民勢力は共和 党を創設し、リンカーンはみずから共和党の大統領候補となり勝利した。
その結果、南北戦争が起こった。
ところがこの北部勝利の結果、南部の豊かな農民層は土地を追われ、西部で無 産の開拓民となり、その結果、民主党はより社会弱者に目を向け、その一方で 勝利した北部は工業化が進み、軍需もあり、富裕層が共和党の支持基盤となる という逆転現象が発生し、それが今日の共和党は保守、民主党はリベラルのイ メージにつながっている。」
と指摘する。

「共和主義」について上掲書は、
「正確に対応する日本語がないため、この20世紀末に起こった政治思想をとり あえずコミュニタリアニズムと標記するが、現代社会において、国家や地方自 治体という制度的単位だけでなく、経済単位組織である企業ではなくまた国民 の最小単位である個人ではなく、それらの中間形態としてのコミュニティに着 目する必要がある。」
と記述する。
鳩山氏は10月25日の講演で
「勉強会を2年あまり続けていく中で、コミュニタリアニズムというものの良 さ、コミュニティというものを大事にするということが1つの答えとしてあり 得るなということになった。」
「さらに勉強を進めていくなかで、今日、共和主義という考え方を、これは重 要ではないかという思いに至ったわけだ」
と述べた。
著書では、
「どこかに人々が「幸福だ」と実感できる水準があり、政治はそこに至る条件 を整える。」
とする。これが、共和党が目指す「次の日本」である。

鳩山氏は講演でこう述べた。
「私は共和主義が4つの公準というものを大事にしなければならないというこ とに気付いた。
日本の政治、行政、経済に最も欠けているのはこの「正義」だ。
正義の面からみて政策をどう作るのかが、真っ先に求められることではない か。
「美徳」という考え方も重要で、徳を持った者が、それなりの力というものが 備わっているわけだ。
いまの政治、行政に致命的に欠如しているのが美徳ではないか。
また「卓越」という考え方、よりすぐれたものをつくる必要性、より高いもの を求めていくという姿勢は常に必要なのではないか。
富国強兵から富国有徳に行こうとしている中で、日本の信用や技術、評価を取 り戻すのは、よりすぐれたもの、日本はこれが卓越しているぞというものを求 めていく必要があるのではないか。
「友愛」という考え方は最も重視したい。
自由が行きすぎても弱肉強食になる。
平等が行きすぎてしまうと無気力な社会になる。
働いても働かなくても同じだけ所得が得られるというような社会になると、や る気がどこまで呼び起こされるかということが怪しくなる。
この自由と平等という2つの違う理念を結びつける発想に「友愛」、人間同士 の愛情が大変重要だ。
自立と共生。一人一人が自立する心を持つということ、自己の尊厳を尊重する ということと同時に、他者の尊厳を尊重する友愛精神、自立と共生の考え方が 大変重要だ。」
と述べた(講演録は産経デジタル掲載記事による)。
日本政治刷新のために、鳩山元首相が本格的に再始動されることになる。


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2 コメント

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Unknown (山川欣司)
2019-10-28 20:03:32
昔から貴方の支持者です。共和という言葉は中国古代史に初めて使われたと思います。その引用も必要です。
山川様コメントありがとう (曲学阿世)
2019-11-22 12:27:58
政治は家柄また学歴世襲などはなんの関係がない、国家、国民の為の政治を目指している山本太郎のような政治家がふさわしいのです。

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