①原発を再稼働する政策を打ち出し、
②集団的自衛権の行使に踏み切り、
③秘密保護法を制定してきた。
した がって、この政権を支持する人間は、次のような大罪を問われる。
分からない時には原則どおりに考える |
2014/11/25
突然の解散で、一体何のための解散でどう判断してよいか分からない…という疑問が世間にあふれている。
私は、判断を求められてどうしたらよいか分からない場合には、いったん、立ち止まり、原点に返ってそこから考え直してみることにしている。 まず、衆議院の解散・総選挙は、いわゆる国民投票(特定政策を評価するレファレンダム)ではなく、現政権の評価を行うためのもので、次の政権を選択するものである。 そこで、現政権が国民の負託に十分に応えたか否か?が問題になる。つまり、現政権が政治の任務を十分に果たしたか否か?が問題になる。 言うまでもなく、政治の任務は、国民総体の幸福を増進することである。そして、幸福の要件は、自由と豊かさと平和である。 そこで、安倍政権が過去2年間で、私たち国民大衆の「自由」と「可処分所得」と「平和」を増進したか否か?が問われることになる。 まず、「自由」についてであるが、特定秘密保護法は大いに問題である。外交や防衛に関するわが国の手の内が他国に筒抜けになってよいはずはない。だから、国家が特定の秘密を指定し、それを、厳罰をもって守ろうとするのは当然で、それはどの国でも行っている。しかし同時に、権力者が自らの失政を隠蔽(いんぺい)しようとすることも、多くの先例が示すとおりである。だから、不当な秘密指定を公正かつ秘密裏に点検する手続きは不可欠で、諸国に先例がある。ところが、安倍政権は、そのような安全措置を設計することを拒否した。その結果、主権者・国民の知る権利が軽んじられた…と言われている。 また、「豊かさ」についてであるが、安倍内閣は、アベノミクスと称して、懸命に経済を向上させるべく努力を傾注した。しかし、経済学者が出す数字の話ではなく、ちまたでは明らかに不景気風が吹いている。 さらに、平和の問題であるが、集団的自衛権の解禁は、これまで70年にわたり政府が自らに課してきた海外派兵の禁止を解除すること他ならない。だから、安倍内閣は私たちに降りかかる戦争の可能性を増大させたことになる。 以上が私の判断であるが、このように自らに不利な条件の下で、700億円もの税金を使って総選挙を行う首相の気が知れない。 (慶大名誉教授・弁護士) ※小林節一刀両断コラムより「転載」
☣小林節名誉教授の言う通り、原則どおりに考えると、安倍政権を、国民はどうしても選ぶことができない
はずであるが、日本国民は、今までどおり、「飛んで火にいる夏の虫」になる可能性があるが、
そうなってからでは、遅いということをじっくりと考えるべきであろう
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日本一新の会 メルマガ配信
━━【日本一新】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
通巻第241号・2014/11/27
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
顧問:戸田 邦司
発行:平野 貞夫
編集:大島 楯臣
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆既報の通り、平野代表は、生活の党・東北ブロック単独比例で
立候補することになりました。急なことで対応が遅れましたこ
とをお詫びいたします。追報は臨時号で配信しますのでご寛恕
ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎「日本一新運動」の原点―241
日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観
「アベノミクス失敗解散」で12月14日の衆議院総選挙が本決
まりとなった。自民党の再増税派の怒りは収まらず、総選挙後の
党内抗争が本格化するだろう。野党では選挙協力や政策の調整で
ゴタゴタを続けている。
「自暴自棄解散」とはいえ総選挙ともなれば何はともあれ政策だ。
実は、メルマガで論じようと思っていた問題がふたつあった。
「地域の活性化」と「異常気象対策」である。是非総選挙の論点
として議論してもらいたい。
1)地域の活性化問題
次に提示する小論文は6月初旬にまとめたものである。
5月30日に、小沢さんと菅原文太夫妻が会食し「「故郷を大事
にしよう」と盛り上がった。そこで、地方の活性化政策で新しい
政治を展開しようということになり、私が基本方針(案)として
まとめたものである。ところがこの直後、安倍政権が「地方版ア
ベノミクス」で、世間を騒がせ始めたので様子を見ていた。「地
方版アベノミクス」と何が違うか、総選挙を直前にして議論の参
考にされたい。
「里山・里海フロンティアの活性化による列島改造構想」の
基本的考え方―戦後70年の光と影―(案)
終戦から70年の歳月が流れようとしている。国土は焦土と化
し、すべての国民が打ちひしがれた惨状の中で、日本人は懸命に
生き抜き、復興に、国土再建に努力してきた。その成果は経済の
発展として、世界にも比類なき高度経済成長を実現し、世界から
その奇跡を注目される豊かな国づくりに成功した。
しかし、豊かな経済大国となるに従い、私たちは「人間の絆」
を失い、環境は破壊され、病める文明国となった。多くの国民が
「金さえあれば何でも手に入る」という錯覚に陥り、金権文化に
酔いしれた丁度その頃、資源ナショナリズムという予期せぬ事態
に遭遇し、石油ショックという難題に直面する。さらに深刻な悲
劇は、偏に経済の効率のみを価値観とする、高度経済成長政策が
見捨てた、地域の格差、人間の格差に加え、故郷の里山や里海の
荒廃である。
(21世紀の国難)
資源ナショナリズムは過激な金融資本の投機対象となり、世界
経済を混乱させていく。また、グローバル化とITを始めとする
先端技術の発展は、資本主義の主軸を実態経済からマネーゲーム
経済に移行させた。こうして、国家の格差、地域の格差、企業の
格差、人間の格差は拡散し、地球を覆っている。
さらに、エネルギー産業は化石燃料がもたらす環境問題により、
原子力の開発に集中し原発神話が生まれた。核分裂をエネルギー
源とすることを選んだ人類には、破滅しかないこと証明したのが
「3・11」福島第一原発事故であった。本来、近代文明の血液
ともいえるエネルギーは国民のものである。その管理と活用は、
民主的手続によって国民の福寿のために、分散型、あるいは地産
地消で行われるべきものである。その反省もなく、原発資本主義
を続けようとすることは、基本的人権である国民の生存権に関わ
る国難といえる。
わが国にはもうひとつの国難がある。グローバル化を口実にし
て、国民の生活を限りなく犠牲とし、国際化した大企業を支援す
る政策を続ける政治である。そこからは、弱者からの収奪で崩壊
する資本主義を支えようとする意図が見えてくる。その結果、何
が起こっているのか、きわめて厳しい人間の格差であり、深刻な
地域の格差である。全国各地に見られる「限界集落」の悲劇は、
「限界自治体」へと拡大している。これは「故郷の喪失」であり、
日本人の心を空洞にし、民族や国家の崩壊に至る国難といえる。
私たちはエネルギーや資源、そして食糧を浪費して自然を破壊
し、マネーゲーム経済で人間の格差を再生産する文明から決別し
て自然と共生し調和する新しい文明を創造しなければならない。
(新しい文明は〝里山・里海のフロンティア〟の活性化から)
終戦後、本格的な国土開発構想が策定されたのは昭和35年に
池田内閣の『国民所得倍増計画』を契機として、第1次全国総合
開発(昭和37年)、第2次(同44年)、第3次(同53年)、
第4次(同63年)と計画された。
いずれも、過疎と過密の解決と地方の振興を念仏のように唱え
ていたが、あくまでも高度経済成長を前提としたもので、そこに
残されたものは環境破壊と深刻な地方の疲弊であった。唯一特異
な発想で注目されたのは、昭和47年に田中角栄首相が提起した
『日本列島改造論』であったが、そこには「日本経済の高度成長
によって、巨大都市は過密のるつぼに病み、あえぎ、いらだって
いる反面、農山漁村は若者が流出して高齢化し、成長のエネルギ
ーを失おうとしている。」(序文)と、これまでの経済成長の弊
害や民衆の苦悩を解決しようと構想したことである。残念なこと
にこの構想は土地バブルを引き起こし、翌48年の石油ショック
と狂乱物価などで挫折する。以後田中政治の負の部分のみが利用
され、民衆の救済という、本来の政治信条は生かされることはな
かった。
2度にわたる石油ショックを乗り切ったわが国は、1980年
代から土地・住宅投機を中心に空前のバブル期が続く。1990
年(平成2年)のバブル崩壊がわが国の好況期と不況期の分岐点
であった。ここ20数年近く続く長期不況の原因はグローバル化
したマネーゲーム投機経済に、資本主義が変質したことが要因で
ある。
私たちが求めるのはエネルギーや資源を浪費する科学技術から
脱却し、古代から守り育ててきた自然の回復と再生、そして自然
と共生・調和する智恵に充ちた新しい21世紀文明である。
わが国には、高度経済成長という発想からは見棄てられた里山・
里海のフロンティアが全国に残されている。急峻とはいえ、豊か
な森に覆われた山々、そこに降り注ぐ大量の雨、山々に蓄えられ
た天然のダム、ここには「森の文化」があり、「水の文化」が残
されている。太陽も風も資源である。
加えて、わが国は小さな島々を加えれば世界最長ともいわれる
海岸線を持つ。これらは里海という視点で見れば、これまで経済
成長という呪文で葬られていた資源が眠っている。これらは同時
に自然・再生エネルギーの宝庫でもあり食糧資源も溢れている。
故里の山や海にこそ、日本人を幸せにする場所と時間があるの
だ。新しい技術と共生の智恵で活性化することで日本列島を民衆
のために改造できる。新しい文明を共に考え、共に創ろうではな
いか。
○超異常気象対策は『気象庁』の整備強化にあり!
日本列島では高度成長を成功させた昭和40年代から集中豪雨・
豪雪・大震災・津波・噴火・竜巻などが頻繁に襲来するようにな
り、「異常気象の時代」といわれた。その時期、私は衆議院事務
局で国会運営の業務をやりながら、災害対策委員会の運営と調査
の仕事を兼務していた。
当時の集中豪雨や豪雪の原因は、石油タンカーから漏れた油膜
が日本近海の海上を覆って水蒸気の発生を不調にしていたことを
知り、自然災害の見方を学んだ。
3・11東日本大震災は千年単位の歴史的大災害であり、福島
原発事故、さらにその後の気象・海象状況は「異常気象」ならず、
「超異常気象」否、「天変地異」ともいえる。その原因は、地球
温暖化を主たる原因とし、原発事故などは科学を過信する人間の
驕りにあるといえる。多くの自然災害を、人為を超えた自然のせ
いにしているが、人間が自然に抗ってつくった、文明への「神―
自然」の戒めといえる。
政治や行政の最大の役割は国民の生命と安全を護ることである。
その第一歩は大災害から国民を護ることであり、安全保障ももち
ろん大事だが、災害の方が日常的なため優先されるといえる。
そのためには災害の原因や予報の研究・調査がきわめて重要で
ある。それを司る役所が『気象庁』である。ここには優秀な研究
者が、少ない予算で頑張っている。ところが、学者さんばかりな
ので世俗的なことが不得手であり、財政削減といえばここが真っ
先に対象となる。御嶽山の噴火も、観測のための予算を付けてお
けば予測できたと関係者は残念がる。
私は昭和40年代の災害対策委員会担当の経験から、機会ある
たびに主張しているのは『気象庁』を国交省の外局官庁に置くべ
きでない。内閣総理大臣直属の重要官庁にするべきとの意見であ
る。歴史を見ても、『気象庁』は明治20年に文部省の所管で、
「中央気象台」として発足し、昭和31年に運輸省の外局として
『気象庁』に改組されたのである。その延長で、現在も国交省の
外局である。この「気象庁体制」では、とても現在の地球規模的
異常事態に対応できない。ましてや「呪われた日本列島」の現状
は深刻である。地球は、天気・気象・地象・海象など、さまざま
な仕組みで生きている。さらに、人間の文明がその活動を不調に
していることに気づかなければならない。
異常事態に対応する防災、発生時への救援機関と一体化した、
予測や原因などを調査・研究する『非常事態対応機関』を整備
すべきである。そして何よりも、人間が私利私欲に走らず、自然
に対する〝祈り〟を忘れないことである。 (了)
「植草一秀の『知られざる真実』」
2014/11/26
悪徳の消費税率10%を主権者が断固阻止する
第1018号
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安倍首相が
「アベノミクス解散」
と発言しているようだが何かの間違いだろう。
正しくは
「アベコベノミクス解散」
である。
昨日夜、IWJのインタビュー番組に出演させていただいた。
「大義なき解散総選挙」シリーズの第9弾とのことだった。
大義のない、権力濫用解散であるが、主権者はこのチャンスを生かさねばなら
ない。
最大の問題は、主権者の意思を正面から捉える主権者政党が不在であること
だ。
「選択肢なき選挙」
の感想を持つ主権者が多いだろう。
しかし、だからと言って参政権を放棄してしまっては、敵の思うつぼである。
参政権を放棄することなく、現在の制約条件の下で、最善を尽くすことが求め
られる。
選挙前に政界の大再編が不可能なら、その課題を選挙後に先送りすることも考
えなければならない。
2012年12月にスタートした第二次安倍政権。
スタート直後に円安と株高が実現したために、安倍政権はこれを懸命にアピー
ルする。
株高が実現したのは、安倍政権の前任である菅直人政権、野田佳彦政権が財務
省路線の財政再建原理主義に走っていたために、日本の株価が不当に低い水準
に誘導されていたからである。
安倍政権は政権発足直後に、景気浮揚優先の経済政策を実行した。
この対応は間違っていなかったが、当たり前のことを当たり前に実行しただけ
のことである。
政策を適正化しただけで株価の大幅上昇が生じた。
米国金利が上昇し、これが円安をもたらす主原因になり、この円安が日本株価
を引き上げる重要な要因になったことも事実である。
政権発足直後の円安・株高は、米国の経済動向の影響が大きいが、安倍政権の
政策対応が寄与したのも事実であり、この部分は評価に値する。
この事態改善を生み出した安倍政権の政策対応が「アベノミクス」と呼ばれて
いるが、その内容は、
金融緩和
財政出動
成長戦略
の三つとされる。
しかし、成長戦略はまだ動いていない。
要するに、アベノミクスと呼ばれるものは、単純な「財政金融政策の発動」と
いうことなのである。
金融緩和と財政出動を同時に実行して円安・株高が実現した。
これが「アベノミクスの成果」とされているが、この政策路線はその後に大転
換されてしまった。
具体的には、財政出動が超緊縮財政政策に大転換されてしまったのである。
それが、2014年4月の消費税大増税である。
消費税増税で9兆円の負担増。
さらに補正予算規模が13兆円から5.5兆円規模に圧縮された。
合計、16.5兆円の史上空前の財政急ブレーキが踏み込まれたのである。
私は、このような超緊縮財政を実行すれば、せっかく浮上しかけた日本経済が
再墜落してしまうことを警告した。
政策逆噴射による日本経済撃墜を回避するべきだと強く主張した。
『日本経済撃墜』(ビジネス社)。
http://goo.gl/lgZ9ky
しかし、安倍政権は制止を振り切って、「日本版財政の絶壁」を飛び降りたの
である。
その結果、警告通り、日本経済は政策逆噴射によって撃墜された。
そして、2015年10月の消費税再増税実施が経済運営上、不可能になった
のである。
つまり、「アベノミクス」の主軸であった財政出動を、超緊縮財政に転換して
しまったために、日本経済を破壊し、増税先送りについて国民の判断を仰ぐ事
態に追い込まれたのである。
安倍首相は「アベノミクス」をひっくり返して、これを「アベコベノミクス」
にした。
その結果、日本経済を破壊してしまった。
そして、増税先送りについて国民にお伺いを立てなければならなくなった。
これが今回解散の意味である。
したがって、「アベノミクス解散」は命名上の誤りであって、正しくは「アベ
コベノミクス解散」なのである。
安倍政権は「アベノミクス」の成果を強調し、御用メディアがこれに呼応す
る。
2012年12月と比較して株価が上がった、円安が進行した、有効求人倍率
が上昇した、ことなどを並べ立てる。
しかし、これらは遠い昔のわずか半年限りの出来事である。
しかも、これらは「アベノミクス」に付随するもので、「アベコベノミクス」
に付随するものではない。
アベノミクスの金融緩和と財政拡張の路線によって事態改善を引き出したの
ち、財政政策を中立で推移させていれば、日本経済の改善は持続し、順調な飛
行を続けているはずである。
ところが、安倍政権は「アベノミクス」路線を、突如「アベコベノミクス」路
線に大転換してしまった。
その結果、日本経済が急転直下転落し、日本経済が不況に逆戻りしてしまった
のである。
今回総選挙では、この政策大逆転、アベコベノミクスについて、主権者が審判
を下さなければならないのである。
消費税の大増税は正当性のかけらもない悪魔の税制改革である。
第一に、増税実施の前提条件が何ひとつ満たされていない。
増税の前に「シロアリ退治」と「議員定数の大幅削減」を実行することになっ
ていたのではないのか。
財務省の天下り利権はいま急拡大を遂げている。
これを容認しているのが安倍政権なのである。
国民に重税=酷税を押し付けておいて、自分たちの天下り利権の急拡大を追求
する。
これが、悪徳財務省の基本行動なのだ。
このような身勝手極まりない財務省が主導する大増税を国民が受け入れられる
わけがない。
第二に、過去20年間に日本の税制は根本的に改悪された。
所得税が2分の1になり、法人税は3分の1に減少した。このなかで、消費税
だけが3倍の規模に大増税されてきたのである
25年前に所得税の10分の1の規模だった消費税が、ついに所得税収を上回
り、最大の税収税目になった。
そして、いま安倍政権が推進しているのは、この3倍に増大した消費税をさら
に倍増させることである。
その一方で、3分の1に減った法人税をさらに減税しようとしている。
つまり、大企業をさらに潤わせて、一般庶民を踏みつけて抹殺しようというの
である
このような弱肉強食税制を容認するわけにはいかない。
第三に、日本財政が破たんするという、ウソの情報が流布されていることであ
る。
その象徴が、日本の政府債務1000兆円というプロパガンダである。
確かに日本政府の負債は1000兆円を超えている
しかし、一方で、日本政府の資産も1000兆円を超えていることを、政府は
一切説明しない。
借金1000兆円という話と、資産・負債がともに1000兆円という話は、
まったく別の話である。
主権者は、日本財政が危機とはまったく無縁であるという「真実」をまったく
知らされずに、財務省が流布する「政府債務1000兆円=日本は財政危機」
という虚偽情報に踊らされて、庶民大増税を押し付けられているのだ。
消費税率8%で日本経済は墜落してしまった。
2015年10月の10%など、論外であるが、2017年4月の消費税率1
0%を確定してしまうと、日本経済の再浮上は展望できなくなる。
上記のように、消費税率の8%引き上げは政策の失敗であった。
この政策を修復するには、まずは、現在予定されている再増税を、白紙に戻す
ことが必要だ。
「消費税再増税中止」と表現してもよいし、「消費税再増税無期限延期」と表
現してもよいだろう。
表現の仕方は何通りか考えられるが、重要なことは、消費税再増税をいったん
白紙に戻すことである。
今回の総選挙では、自公が連携して選挙に臨む。
その基本には2017年4月の消費税率10%が置かれる。
総選挙を通じて、この2017年4月消費税率10%案をつぶさなければなら
ない。
そのために、295の選挙区で、自公に対峙する、消費税率10%阻止の候補
を一人に絞り、主権者がこの候補を全面支援することが求められる。
この大きな目標を実現するためには、党派を超えた主権者の大同団結が必要で
ある
主権者が主導して、2017年4月の消費税率10%を阻止する。
この一点に力を結集して総選挙に臨むべきである。
原発、憲法、TPP,辺野古、格差
など、極めて重大な争点が存在し、これらを無視することはできないが、「二
兎を追求して一兎も得ず」という事態を回避しなければならない。
野党第1党の民主党には、消費税増税推進候補と消費税増税否定候補が混在し
ている。
候補者を分類して、選別支援をしなければならない。
各政党、政治勢力には、自公勢力に対峙する勢力の拡大を実現するために強力
な選挙協力態勢の構築を求める必要がある。
安倍政権の暴走にブレーキをかけて、安倍政権の暴政を止めなければ、この国
は主権者にとって最低、最悪の国に転落してしまうだろう。
「植草一秀の『知られざる真実』」
2014/11/25
消費税再増税中止明示候補者を主権者が支援
第1017号
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11月25日(火)午後9時過ぎから、
IWJのインタビュー番組に出演する。
1.GDP成長率 衝撃の2四半期連続マイナス成長
2.「アベノミクス解散」ではなく「増税による日本経済撃墜解散」
3.総選挙争点は消費税再増税の「延期か」それとも「中止か」
について話をする予定である。
IWJ
http://iwj.co.jp/
で、ぜひご高覧賜りたい。
12月21日には
「饗宴Ⅴ」
http://iwj.co.jp/feature/symposion5/
が開催される。
これにも出席予定である。
今回は、目前に迫る衆議院総選挙。
この選挙を前に、日本経済の現況、総選挙の争点について私見を提示する。
私は、
2013年3月に
『金利・為替・株価大躍動』(ビジネス社)
http://goo.gl/hmhyc
を上梓した。
安倍政権の下で日本の株価が16000円水準にまで上昇するとの見通しを示
した。
同年7月には、
『アベノリスク』(講談社)
http://goo.gl/xu3Us
を上梓した。
アベノミクスの裏側に潜む7つの巨大リスクを提示した。
インフレ誘導、消費税大増税不況、TPP、シロアリ増殖、原発再稼働、戦争
推進、憲法改悪
の7つの巨大リスクが差し迫っていることを訴えたのである。
2013年11月には、
『日本経済撃墜-恐怖の政策逆噴射-』(ビジネス社)
http://goo.gl/lgZ9ky
を上梓した。
安倍政権が予定する消費税大増税により、日本経済が撃墜されるとの見通しを
示したのである。
世の中がアベノミクス礼賛の嵐に染まるなかでの警告の書であった。
そして、本年7月に、
『日本の真実-安倍政権に危うさを感じる人のための十一章-』
(飛鳥新社)
http://goo.gl/8hNVAo
を上梓した。
日本の進路を「戦争と弱肉強食」の方向に定めるのか。
それとも、「平和と共生」の方向に定めるのか。
主権者が判断するべきことを説いた。
さらに、この11月に、
『日本の奈落-年率マイナス17%GDP成長率衝撃の真実-』
(ビジネス社)
http://goo.gl/48NaoQ
を上梓した。
安倍政権が消費税再増税に突き進めば、日本経済が奈落の底に突き落とされる
ことを警告した書である。
安倍首相は2015年10月に予定していた消費税再増税を先送りすることを
発表し、衆議院の解散・総選挙に踏み切った。
消費税再増税を先送りしたことは間違いではないが、このことで、安倍政権を
衆院選で勝利させてはならない。
日本の進路が、大きく歪められる。
とはいえ、主権者の意思を吸い上げる受け皿がない。
ここに危機の本質がある。
しかし、私たちは、現実のなかから解を見出すしかない。
与えらえた条件のなかでのベストしか、選択肢はない。
そこで、この選挙にどう臨むか。
日本の未来、子や孫の未来がかかっている。
結論を述べれば、野党に問題が山積しているが、安倍自民党を敗北させねばな
らないだろう。
野党では、個別の候補者を選別して支援する必要がある。
最大のポイントは、消費税再増税の中止=白紙撤回を明示する候補者を支援す
ることだ。
野党第一党の民主党は、消費税再増税の無期限延期を提示した。
「中止」にまでは踏み込んでいないが、幅のある公約である。
そこで、民主党から立候補を予定する候補者に、個別アンケートを実施し、消
費税再増税中止を求める候補者を選別して支援することとするべきだろう。
295の選挙区について、消費税再増税中止を公約に掲げる候補者をただ一人
に絞り込み、この候補者を支援するのである。
民主党の候補者でも、消費税再増税中止を目指すことを明言しない候補者が存
在するだろう。
このような候補者が立候補する選挙区では、消費税再増税中止を目指す共産党
の候補者を支援するということになる。
安倍政権の議席数を削減し、消費税再増税中止を求める議員を一人でも多く生
み出すことを、主権者が主導するべきである。
そのための主権者運動として、
「消費税再増税中止国民会議」
のようなものを創設して、主権者に295選挙区の推薦候補リストを流布して
ゆくことが必要だと考える。
共産党以外の候補が消費税再増税中止を明確に公約に掲げる場合で、この候補
者の方が当選可能性が高い場合には、共産党にこの候補者の支援を求める。
その代り、共産党候補が当選可能性を持つ選挙区では、他の野党が共産党候補
の支援に回る。
この種の選挙協力を効果的に展開できるのかどうかが勝敗のカギを握ることに
なる。
メディアは
「アベノミクス解散」
と呼ぶが、偏向報道も甚だしい。
円安・株高が進行したのは2012年11月から2013年5月のことだ。
もう、遠い昔の出来事なのだ。
しかも、この円安・株高の原動力は米国だった。
米国長期金利が上昇し、連動してドルが上昇。これに連動して日本株価が上昇
しただけである。
アベノミクスの成果ではない。
安倍首相が解散に打って出るのは、消費税再増税を先送りするからである。
なぜ、消費税再増税を先送りせざるを得なくなったのか。
それは、消費税増税で日本経済を撃墜してしまったからである。
選挙で国民が審判を下すのは、2年も前の米国長期金利上昇の影響ではない。
今年の春以降に発生した、消費税増税に伴う日本経済撃墜について、日本の主
権者が安倍政権に評点をつける。
これが今回の解散・総選挙の意味である。
消費税大増税を実施していなければ、日本経済は順調に浮上を続けたはずであ
る。
ところが、安倍政権は財務省に押し切られて、巨大増税に突き進み、日本経済
を撃墜してしまった。
この失敗について、主権者の審判を受けるのが今回の総選挙であって、2年も
前の米国発の円安・株高を論じる意味は皆無である。
消費税を増税しないと、日本財政が破綻すると思っている人が多いのかも知れ
ないが、財務省に洗脳されているだけだ。
日本財政が悪化している主因は、官僚利権支出と政治屋利権支出が膨張してい
るからだ。
財政を健全化するには、官僚利権支出と政治屋利権支出を根絶することが第一
である。
これを実行し、他方で、経済の安定成長実現を誘導する。
この二つで、財政収支は大幅に改善するはずである。
増税を検討するべきは、その先である。
順序を逆にして増税を先行させれば、官僚利権排除、政治屋利権排除はまった
く進まないだろう。
消費税を増税したのに社会保障は拡充されず、官僚利権と政治屋利権だけが拡
大の一途を辿ることは明白である。
財政健全化は、一旦仕切り直しするべきなのだ。
だから、まずは、消費税再増税を「延期」ではなく「中止」する。
「中止」という表現を使わなくても、「期限のない先送り」でもいいだろう。
要するに、「2017年4月に必ず上げる」という安倍政権の基本路線を否定
できるかどうかが勝負になる。
主権者を裏切った民主党など、顔も見たくないという国民が多数だろう。
しかし、選挙に行かず、自公勢力を大勝させると、日本は完全なる闇の時代に
突入してしまう。
だから、ここは、百万歩譲った対応が必要になる。
そこで、「消費税再増税中止国民会議」のようなものを創設して、消費税再増
税中止の方針を示す候補者を主権者が支援する。
安倍政権の暴走に待ったをかける。
これが今回総選挙の最大テーマであると考える。
「植草一秀の『知られざる真実』」
2014/11/24
日本政治破壊主犯民主党が野党中軸という矛盾
第1016号
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総選挙が行われるが危機的な状況が生じている。
主権者の意思を代表する政党が存在しないのである。
自公を支持する人はいいだろう。
自公に投票すればよい。
自公が推進する政策は
原発再稼働
憲法破壊
TPP参加
沖縄基地建設強行
消費税増税推進
そして、
格差拡大の推進
である。
消費税増税で日本経済を破壊したのに、さらに2017年に税率を引き上げる
ことを強行する。
この安倍政権の政策方針に反対の主権者が多数である。
上記の各政策に反対する主権者は、各種調査が示すところによれば過半数を超
えている。
したがって、自公政権の推進する政策に対峙する政策を掲げる主権者政党が登
場して、主権者の意思を吸い上げなければならない。
ところが、この主権者政党が消滅の危機に瀕している。
現在の民主党は諸悪の根源と言ってもよい勢力である。
2009年8月総選挙を通じて、日本の主権者が主権者勢力による政権を日本
の政治史上初めて樹立した。
ところが、この主権者政権を破壊した者がいた。
それがいまの民主党なのである。
2010年6月に、菅直人氏が突然、消費税率を10%に引き上げる方針を提
示した。
ここから主権者政権の破壊が始まった。
「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」
と叫んだ野田佳彦氏は、財務省と取引して首相の椅子を掴むと、主権者を裏
切って消費税増税法を制定した。
2012年に野田政権が法定化した消費税増税が本年4月に実施された。
その結果、日本経済は撃墜された。
経済が撃墜されたから、消費税再増税を延期せざるを得なくなった。
その結果として実施されるのが今回の総選挙だ。
日本経済撃墜解散なのである。
メディアは安倍政権発足後の2年間を評価する選挙などと喧伝しているが、そ
れは違う。
安倍政権は「アベノミクス」で浮上の兆しを示した日本経済を、「アベコベノ
ミクス」で破壊した。
このマッチポンプ政策を主権者がどう評価するのかが今回の総選挙である。
メディアは、株価上昇と円安進行を安倍政権の成果であるかのように喧伝する
が、まったく違う。
たしかに、2012年11月から2013年5月にかけて円安と株高が進行し
た。
しかし、円安はアベノミクスによるものではなく、米国金利上昇によるもの
だった。
日本経済の外部環境が変化して影響を受けただけのことだ。
問題は2014年の日本経済墜落である。
これは、安倍政権が巨大増税を強行した結果生じたもので、安倍政権が責任を
負うべきものである。
そして、民主党がこの経済撃墜に責任を負っている。
主権者は、自公にNO、民主党にNO、の心境である。
ところが、主権者の意思を吸収する政党がほとんど存在しない。
ここに最大の問題がある。
対処法として二つ提示できる。
第一は、いまからでも遅くない。主権者政党を立ち上げて、少数議席でもよい
から議席を獲得する運動を実行する。
第二は、取りあえず、自公に対峙する勢力の議席を拡大させて、選挙後に政界
再編に動く。
この対応くらいしか浮上しないことは悲しことだが、残念ながら、これが現状
である。
民主党が消費税再増税中止を公約に掲げるなら、選挙戦を戦う図式を描ける。
しかし、民主党が消費税再増税肯定なら、自公と変わりがない。
国民を欺いていない点では、自公の方がまだましとも言える。
まさに危機的な状況が生まれているのである。
メディアが第三極とはやし立てた勢力が常温下のシャーベットのようにメルト
ダウンしている。
安倍政権が経済失政で窮地に追い込まれているのに、政治権力を取って代わる
べき存在が浮上しない。
岡田克也氏などが我が物顔でテレビで主張を展開すると、虫唾が走ると感じる
主権者が圧倒的多数だろう。
日本政治が崩壊した主因は、民主党内の悪徳分子が、鳩山政権の政権公約を踏
みにじって、消費税大増税に突き進んだことにある。
2012年8月、野田政権は、この「シロアリ退治なき消費税増税法」を国会
で強行成立させた。
だからこそ、民主党は2012年総選挙で大敗し、政権交代は木端微塵に破壊
されたのである。
国民を欺き、日本政治を破壊した民主党の悪徳10人衆は以下の者たちだ。
渡部恒三
藤井裕久、
菅直人、
仙谷由人、
野田佳彦、
岡田克也、
前原誠司、
枝野幸男、
安住淳
玄葉光一郎
これらの者が日本政治を破壊した主犯である。
この悪徳10人衆のうち、3人が引退し、菅直人氏以外の6名が6人衆などと
呼ばれて、民主党に残存している。
第三極がメルトダウンして、悪徳民主党が焼け太る図式が広がっている。
このまま総選挙になだれ込む。
消費税再増税の「延期か中止か」で、与野党が全面対決して総選挙を戦うなら
意味があるだろう。
そうでないなら、自公も野党の大差がなくなる。
米国が誘導している、対米隷属の二大政党体制に移行する可能性が一段と高
まってしまう。
だからこそ、主権者の意思を代表する主権者政党を樹立することが必要なので
ある。
今回の選挙に新党を立ち上げ、政界再編の手がかりを作っておくべきである。
限られた時間のなかで、対応することができるのかどうか。
消費税率が8%に引き上げられたこと自体、許し難いことである。
したがって、本来は消費税率の5%への引下げを求めるべき局面だ。
しかし、現実の政治で現実を具体的に変えるには、国会過半数議席が必要にな
る。
いま、税率5%への引下げを主張しても、国会過半数議席獲得の見通しが立た
ない。
そこで、ハードルを下げて、国会過半数議席確保の可能性のあるシナリオを描
く必要がある。
それが、「消費税再増税中止」の提案である。
「消費税再増税中止」を求める政治勢力、主権者が大同団結して、「消費税再
増税中止」の旗の下に結集し、295の選挙区に一人ずつ候補者を擁立して統
一戦線を形成すれば、政権交代すら実現可能になるだろう。
この運動を展開しなければならないのだ。
12月2日の公示まで、わずかに時間がある。
この問題をクリアして、主権者のための政治実現に前進しなければならない。
選挙戦がはじまっている。政党ごとに国民に党の政策を訴えて、国民の共鳴を
アベノミクスで富裕層と超富裕層が増加した事が判明!2011年から2年で
24%も増える!富裕層の純金融資産額は241兆円に!
アベノミクスの影響で富裕層が急増していることが判明しました。野村総合研究所によると、資産が1億円以上の富裕層が2013年の時点で計100.7万世帯に増え、過去数十年のピークだった2007年を10万世帯も超えたとのことです。富裕層と超富裕層の保有する純金融資産総額は前回比28.2%増の241兆円で、これはアベノミクスで富裕層が激増したことを示していると言えるでしょう。 アベノミクスで貧富の差が広がっていることは感じていましたが、ここまで露骨に増えているとは思いませんでした。日本の経済規模は中国に抜かれて3位になってしまいましたが、富裕層の数はドイツや中国、イギリスを抑えて世界2位のままです。 経済規模が縮小しているのに富裕層が増えているということは、明らかに格差が拡大しています。日本の貧困層はドンドン増え、今では子供の6人に1人が貧困となっていました。アベノミクスは日本全体を豊かにする政策ではなく、富裕層に富を集中させるための政策です。様々な統計がそれを示唆しており、来月の総選挙で国民がシッカリと民意を示さなければ、今後も同じことが続く事になります。 ☆アベノミクスで恩恵を受けたのは…"富裕層"と"超富裕層"が100万世帯超える URL http://news.mynavi.jp/news/2014/11/18/308/ 引用: 野村総合研究所は18日、2013年の純金融資産保有額別世帯数と資産規模の推計結果を発表した。それによると、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」および同5億円以上の「超富裕層」の世帯数は計100.7万世帯となり、2000年以降のピークである2007年を10.4万世帯上回った。 内訳は、富裕層が95.3万世帯、超富裕層が5.4万世帯。前回調査の2011年と比べると、富裕層は25.4%増、超富裕層は8.0%増、合計では24.3%増となった。増加した理由としては、2011年時点では純金融資産が5,000万円以上1億円未満だった「準富裕層」268.7万世帯のうち、多くがこの2年間に資産を増やして富裕層になったためと推測している。 :引用終了 ☆日本の富裕層ビジネス ☆2013.08.18 NHKスペシャル「新富裕層 vs 国家~富をめぐる攻防」
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この国のマスメディアや言論界は「小沢一郎」に謝罪し、借りを返したのか。
(日々雑感)2014/11/21
転載元: 真実の報道
消費税増税を、平成27年10月から2%引き上げて、10%にすべき法律が成立して
植草一秀の『知られざる真実』」
2014/11/22
消費増税中止で大同団結できなければ危機は拡大
第1015号
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衆議院が解散され、12月14日に総選挙が実施される。
安倍首相は
「アベノミクス解散」
と称しているが、納得する主権者はゼロだろう。
「日本経済撃墜解散」
である。
4月に消費税大増税を実行した。
いま消費税大増税に突き進めば、
『日本経済撃墜』(ビジネス社)
http://urx.nu/efEq
になると警告を発した。
そして、その通りになった。
4-6月期のマイナス7.3%成長に続き、7-9月期はマイナス1.6%。
2四半期連続のマイナス成長になった。
4-6月期のマイナス成長の数値は、売れ残りの大量生産を含んだもの。
在庫と外需を取り除く、国内最終需要で測る経済成長率はマイナス17.1%
だった。
日本経済は撃墜され、日本経済は景気後退局面に突入した。
この状況で消費税再増税に突き進めば、日本は奈落の底に突き落とされる。
『日本の奈落』(ビジネス社)
http://goo.gl/48NaoQ
消費税再増税を予定通り実施することは不可能になった。
安倍首相は消費税再増税の実施を先送りする方針を決めた。
理由は何か。
日本経済を破壊してしまったからである。
だから、
「日本経済撃墜解散」
なのだ。
このことは、
「アベノミクス」の失敗を意味する。
安倍政権の経済政策が失敗し、再増税を先送りせざるを得なくなった。
経済政策運営に失敗し、白旗を上げて、その上で総選挙を実施するのだと言
う。
安倍晋三氏は2007年に無責任に政権を投げ出しておいて、平然と首相の椅
子に再び奪取した。
厚顔無恥の神様のような存在だから、常識は通用しない。
経済政策に失敗して増税を先送りすると言うなら、解散・総選挙ではなく内閣
総辞職を選択するのが筋だろう。
規律とか、筋を通すとか、約束を守るというような、一般的な価値観とは無縁
の存在なのである。
安倍氏は日本の労働者の賃金が物価上昇に追いつきつつあると述べたが、事実
無根である。
安倍晋三氏は総務省が発表している家計調査のデータすら知らないようだ。
総務省発表家計調査
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.htm
最新のデータは、10月31日に発表されたもの。
ここに家計の収支が明確に記載されている。
勤労者世帯の実収入は、前年同月比 実質6.0%の減少
消費支出は、前年同月比 実質5.6%の減少
(いずれも二人以上の世帯)なのだ。
この数値のどこをどう読むと、
「所得の伸びがインフレに追いつきつつある」
との認識になるのか。
国民にウソをついてはいけない。
日本経済を立て直すには、消費税再増税を中止するしかない。
延期では不十分である。
総選挙の最大争点に、
「消費税再増税を延期するのか、それとも中止するのか」
を置くべきである。
11月21日(金)に東京・四谷で
「再度の政権交代を実現する」集い
が開催された。
告知から時間がなかったにもかかわらず、会場に入りきれないほどの主権者が
参集してくれた。
鳩山友紀夫元首相、
辻恵前衆議院議員
森田実氏、
白井聡氏、
そして私が発言をさせていただいた。
しかし、残念ながら、現時点ではまだ、主権者勢力による政権奪還の姿が見え
てこない。
その最大の理由は、大きな規模の真の主権者政党が不在だからである。
野党勢力では民主党と維新の議席数が多いが、真の主権者政党を呼ぶことがで
きない。
日本の支配者である米国は、日本に対米隷属の二大政党体制を構築しようとし
ている。
現在は自公が政権を握っている。
自公が下野しても、やはり対米隷属の勢力が権力を握るように仕向けているの
である。
今回の選挙で、野党が
「消費税再増税中止」
で結束して、自公勢力と全面対決するなら、政権交代の実現すら視界に入る。
失敗の本質は、
「シロアリ退治なき消費税増税」
にある。
御用放送に徹する日本偏向協会=NHKは、この選挙を
アベノミクスに対する審判
として、2012年12月と現在の経済指標を比較して、安倍政権を称賛する
報道だけを展開する。
北朝鮮の放送局とほとんど変わらない。
問題の本質は、「シロアリ退治なき消費税増税」で日本経済を破壊したことに
ある。
そして、「アベノミクス」それ自体にも、本質的な重大欠陥がある。
「アベノミクス」は大資本の利益だけを拡大させるものである。
そして、その大資本の利益増大は、一般庶民の犠牲の上に成り立つものなので
ある。
その象徴が法人税減税と消費税増税の組合せである。
そして、非正規労働拡大の推進と労働者所得の圧縮促進である。
法人の利益は労働者の所得を削減することによって増大する。
格差を拡大させ、弱肉強食を推進する。
これが「アベノミクス」の正体である。
主権者はメディアの御用報道に惑わされてはならない。
主権者は、日本を
「戦争と弱肉強食の国」
にするのか、
それとも、
「平和と共生の国」
にするのかを考えなければならない。
その上で、総選挙に臨むべきである。
総選挙に際して、安倍政権に対峙する政治勢力は、
「消費税再増税の中止」
で足並みを揃えるべきである。
その上で、候補者調整を行う。
これが主権者のための政治を実現するための方策である。
政党エゴを抑制し、主権者のための征治実現に向けて力を注ぐべきである。
昨年7月に
『アベノリスク』(講談社)
http://goo.gl/xu3Us
を上梓した。
本年7月には、
『日本の真実』(飛鳥新社)
http://goo.gl/8hNVAo
を上梓した。
ここで安倍政権にストップをかけなければ、日本は本当の意味の危機に突入す
る。
「ストップ安倍政権」
が今回の総選挙の主題である。
「植草一秀の『知られざる真実』」
2014/11/19
消費増税中止候補を295人に絞り総選挙に勝利する
第1013号
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横暴政治の安倍政権が横暴な解散を断行する。
総選挙では主権者がこの横暴政治・横暴解散に対して審判を下さねばならな
い。
横暴な政治、横暴な解散に主権者は鉄槌を下す必要がある。
それが教育的配慮というものである。
横暴な政治、横暴な解散を容認してしまっては、日本の子供たちが、横暴な行
動を是としてしまうだろう
日本の子供たちに、横暴な行動、自分勝手な振る舞い、自己中心主義による行
動が厳しく制裁されるという現実をしっかりと示してゆく必要がある。
日本の矜持が問われる選挙と言い換えてもよいだろう。
安倍首相は衆議院解散の方針を示した11月18日に、民放テレビ放送に生出
演するなどして自己主張を展開したが、ほとんど支離滅裂、意味不明な内容で
あった。
「キレやすい」子供の増加が問題になっているが、安倍首相のキレやすさに
は、どこかに体調の深刻な悪さの気配が漂うと感じるのは私だけではないだろ
う。
9月の内閣改造の失敗もあり、安倍晋三氏が精神的に追い詰められている状況
が浮かび上がってくる。
安倍首相が提示する、
1.消費税増税の延期
2.国民の信を問う総選挙
3.再増税の際に景気弾力条項を削除すること
の三つの方針には根本的な矛盾がある。
第一に、「消費税増税の延期の是非を問う」と言うが、消費税増税の延期に反
対する政治勢力が存在しない。
これでは争点になりようがない。
消費税増税の延期をめぐって、国民を二分する論争が存在するなら、争点にな
り得るがそうではないのだ。
それにもかかわらず、この年末の忙しい時期に、国費を600億円も投じて総
選挙を実施するのは、横暴、暴挙としか言いようがない。
第二に、安倍氏は消費税増税延期で国民に信を問う理由について次のように述
べた。
「2009年の選挙で民主党は消費税増税をやらないと言ったのに消費税を増
税した。
税制の抜本改革のような問題は、国民の判断を踏まえて行うのが議会制民主主
義国の取るべき態度であって、消費税増税を行ったことはこの原則に反してい
る。
私は消費税増税をやることになっている状況を変更して、これを先送りするの
で、国民の判断を仰ぐ必要がある。」
このような趣旨の説明をした。
安倍氏がこう考えるなら、本年4月の増税実施の前に総選挙を行うべきという
ことになる。
安倍氏は「民主党は2009年の選挙での国民の判断と異なる増税をやった」
と述べるが、増税を実施したのは安倍自民党であって野田民主党ではない。
2012年12月の総選挙の際も、増税実施を争点にする行動は示されなかっ
た。
「民主党政権を維持するのか」、
「新しい経済政策(=アベノミクス)を実行するのか」
などの言葉だけが踊り、2014年4月の消費税増税の是非について国民の審
判を仰ぐ姿勢は存在しなかった。
国民の判断を受けて税制改革を行うと言うなら、2012年8月に強引に消費
税増税法を制定することに加担した自民党の行動は是認されない。
消費税増税法を制定する前に解散総選挙を求める行動を取るべきであった。
2012年の増税を決めた、いわゆる「三党合意」では、「近いうちに国民の
信を問う」とされたが、その肝心の選挙で、消費税増税の是非を問う態度は
まったく示されなかったのだ。
第三に、安倍氏が2017年4月の消費税増税については、景気弾力条項をつ
けないと表明していることの矛盾である。
現在の消費税法では2015年10月に消費税再増税を行うことになってい
る。
これを、衆議院を解散してまで変更して、増税を延期する方針を表明した。
増税を延期する理由について、安倍氏は日本経済の回復を重視するからだと説
明している。
増税実施が法律に定められているが、経済の状況が思わしくないから増税実施
を延期する。
この判断と対応を是とするなら、2017年4月の増税に関しても、同じ条件
を附則に盛り込むのは当然のことだろう。
これを安倍氏は、2017年4月の増税については、景気弾力条項を付さない
との考えを示している。
それは、景気循環の局面で増税実施がふさわしくないという局面でも増税を実
施することを意味するのであって、その対応を取るなら、今回、増税を延期す
ることを正当化することができなくなる。
完全に支離滅裂なのである。
しかし、主権者はこの機会を最大限に活用するべきである。
選挙争点を消費税再増税の
「延期」対「中止」
とするのである。
「中止」勢力が295の選挙区に一人ずつ候補者を立てる。
そして、安倍政権と全面対決するのである。
主権者を味方につければ、政権交代を実現することも可能になる。
11月21日午後6時から、東京の四谷駅すぐそばのプラザエフ(旧主婦会
館)8階で、
「再度の政権交代を実現する」集い
が開催される。
発言者 辻 恵 (前衆議院議員)
白井 聡 (政治学者)
植草 一秀 (経済評論家)
森田 実 (政治評論家)
特別ゲスト 鳩山由紀夫 (元内閣総理大臣)
が登壇予定である。
参加希望者は、辻恵前衆議院議員事務所まで、氏名とご連絡先住所、電話番号
を明記のうえ、FAXでご連絡を賜りたいとのことである。
FAX 03-3573-7189
消費税再増税の「中止」実現に向けて、主権者が行動を積極的に起こすべきと
きが到来した。
安倍晋三氏は消費税増税の「延期」を安倍政権の「成果」であるかのようにア
ピールして選挙に突入しようと考えているのだろうが、とんでもない勘違いで
ある。
もともと、主権者は消費税増税に反対している。
2009年の総選挙、2010年の参院選で、消費税増税ははっきりと国民か
ら拒絶されている。
この公約を破壊した悪徳政治家が菅直人氏と野田佳彦氏である。
渡部恒三、藤井裕久、仙谷由人、菅直人、岡田克也、野田佳彦、前原誠司、安
住淳、枝野幸男、玄葉光一郎
の10名が民主党悪徳10人衆である。
この悪徳10人衆が民主党政権と主権者国民との契約を一方的に破壊し、日本
政治を破壊したA級戦犯である。
安倍晋三氏が民主党が国民との約束を破って増税を決めたと批判することは正
しい。
しかし、安倍氏がそのように、ものごとの筋道をきちんと通すと考えるなら、
解散総選挙の前に消費税増税を国会で決めてしまうことは避けるべきであっ
た。
百歩譲って国会で先に決めてしまったのなら、その次の国政選挙で、明確にこ
の問題を提示して、国民の判断を仰ぐべきだった。
しかし、2012年12月の総選挙で、消費税増税の是非を問う姿勢は存在し
なかった。
安倍政権は政権発足後に「アベノミクス」と呼ばれる景気回復策を提示した。
金融緩和、財政政策、構造政策の三つが提唱された。
目新しいものではないが、野田政権の財政再建原理主義を排し、景気回復優先
の路線を提示したことは正しかった。
ただし、ミクロの視点では、弱肉強食推進=弱者切捨ての側面があまりにも強
く、日本を間違った方向に誘導しようとするものであった。
マクロでは正しかったが、ミクロでは間違っていたというのがアベノミクスの
適正な評価である。
ところが、この正しかったマクロの政策を大逆転させた。
それが、消費税大増税を中心とする、超緊縮財政政策だったのだ。
私は、財政政策の方向を180度転換し、極度の財政緊縮政策を実行すれば、
日本経済は撃墜されることを強く警告した。
『日本経済撃墜』(ビジネス社)
http://urx.nu/efEq
しかし、安倍政権は財務省路線に乗ってしまい、超緊縮財政政策に突き進ん
だ。
私はこれを、
「日本版財政の崖」=「財政の絶壁」
と表現して、その中止を求めた。
しかし、制止を振り切り、安倍政権は大増税に突き進んだ。
日本経済新聞は「消費税増税の影響軽微」の大キャンペーンを展開したが、現
実は、
「消費税増税の影響激烈」
だったのだ。
この状況で2015年10月に消費税の再増税を実施することはあり得ない選
択になった。
安倍政権は消費税再増税延期に追い込まれたのである。
これを「アベノミクスの失敗」と言わずして、何と表現できるのか。
「アベノミクスに失敗」
して対応を取るのだから、適正な対応は、衆院解散ではなく、内閣総辞職であ
る。
消費税再増税延期を表明して内閣総辞職を選択するなら、筋が通る。
安倍氏は都合の良いところだけ、筋を通し、都合の悪いところは、筋を曲げる
という行動様式を持っている。
「わがままなお坊ちゃん」
の行動様式だと批判されてもやむを得ないだろう。
しかし、世の中の変化はすでに、次の流れに向かい始めている。
それは、この選挙を消費税増税の
「延期」対「中止」
の戦いとすることである。
もちろん、原発、憲法、TPP、基地、格差の問題は、極めて重要である。
しかし、この五つの重要問題と、消費税再増税の「延期」対「中止」の対立
は、相当程度リンク、重なり合っている。
選挙は分かりやすくないと勝てない。
その意味で、今回の選挙を
消費税再増税の
「延期」対「中止」
の選挙にするべきだ。
「中止」の陣営が295選挙区に一人ずつ候補を立てて、総力戦を展開すれ
ば、政権交代実現も夢ではなくなるはずだ。