曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

「ジョン万次郎とその時代」(3)(川澄哲夫編著・廣済堂)より

2014年07月30日 09時29分18秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

「ジョン万次郎とその時代」(川澄哲夫編著・廣済堂)より

 ジョン万次郎に学ぶこと            小沢 一郎

第三章 ジョン万次郎に学ぶこと(要旨)

 2001年(平成13年)は、ジョン万次郎が漂流して160
年になります。また、沖縄糸満の摩文仁の浜に帰国して150年
という記念すべき年になります。前章に転載した小論文は、私の
初めてのジョン万次郎論でした。10年前、私はジョン万次郎の
生ぎ方の原点を「恩義を受けた人々や社会に感謝し、礼を尽くす
こと。難儀をしている人々は助けねぱならないこと」にあったと
まとめました。これが「人間愛」であり、現代の日本社会で失わ
れていると思い、これを復活させ生かしていくことを人生の目標
としてきました。

 残念ながらこの10年、日本は「失われた10年」と呼ばれ、
政治は混迷し、経済は長期の停滞を続け、異常な犯罪が続発し、
学校・教育の崩壊は目に余るものがあります。ここで、もう一度
ジョン万次郎の生き方、考え方から何を学べばよいのかを考えて
みました。
 まず、ジョン万次郎について正確な歴史的位置づけから始めま
しょう。

 第1は、幕府をして日本の開国を決断させた中心人物であった
ことです。万次郎は帰国して土佐藩の藩校で西洋事情を教えてい
ました。嘉永6年(1853)八月江戸に呼び出され、ペリーが
率いる米国の四隻の軍艦の浦賀来航におびえる幕臣たちの前で、
ペリーの国書(英文)を読みながら、米国の政治や人々の暮らし
を詳しく説明しています。江戸幕府取調記録は「国民は心が広く
日本に領土を求める心配はない。国交を開くべきだ。日本近海で
外国の船が食料、水、燃料を求めたときには与え、病人が出たと
きには助け、船の修理もやることが国と国のルールだ。これをや
らない日本は外国から嫌われている。このまま鎖国を続けている
と大変なことになる。まず、琉球に捕鯨船が休む港を開くべきだ
・・・」という趣旨のことが記録されています。平民が大統領に
手紙を出すこともでき、自分も大統領を見たことがあるとの記述
もあります。明治3年、万次郎がニューヨークで、ホイットフイ
ールド船長に再会したとき、船長から「ペリー提督の通訳をした
か」と聞かれ、万次郎から「残念ながらできなかった」と答え、
徳川斉昭からスパイの疑いを受けていた話をしたといわれていま
す。万次郎がいなければ開国は遅れ日本は大変なことになったで
しょう。

 第2は西洋のデモクラシーの思想を体験して導入したことです。
幕府の中には知識としての西洋事情を知っている人は多くいまし
たが、体験として熟知していたのは万次郎だけでした。土佐藩の
取調役で長崎に遊学した画家河田小龍という人物が、万次郎が口
述した米国の政治・経済・社会の話を詳細に絵入りで記録した、
『漂巽紀略』は、坂本龍馬の愛読書でした。この本の影響は大き
く、土佐藩だけではなく全国の外国人を排斥する攘夷論者を開国
論に改めさせる役割を果たしました。万次郎は勝海舟にも西洋事
情を教える立場でしたので、坂本龍馬と直接話し合ったのではな
いかと推測されています。万次郎の知識が『漂巽紀略』を通じて、
明治維新の引き金となった「船中八策」、そして「五箇条の御誓
文」の原点になったと思います。坂本龍馬が船中八策の中に「金
銀物質 宣しく外国と平均の法を設くべき事」を入れたのは、万
次郎の影響があったからだと研究者の指摘があります(北小路 
健著「船中八策と漂巽紀略」より)。
 万次郎が米国で暮らしていた頃、友人のアレキサンダー・カー
トライトが近代野球を完成させます。捕鯨船の乗組員として仲間
だったとのことです。近代野球は、米国の立法・行政・司法の三
権分立のデモクラシーをスポーツに移し替えたものです。日本人
で初めて野球をしたのは万次郎ではないかと私は思います。

 第3は、咸臨丸の成功です。これについては前章の小論文で取
り上げましたので、ここでは省略します。

 第4は、幕末や明治時代に活躍する人材の育成です。ジョン万
次郎の影響を受けた人は実に多くにのぽります。幕府の役人とし
て、あるいは土佐藩や薩摩藩の藩校教授として西洋事情や航海術、
造船術、港湾土木術、英学などを教えていますので、その影響は
計り知れません。あまり知られていない話を紹介しますが、吉田
松陰がペリー艦隊の船に乗って密航を企てたのは佐久間象山を通
じてジョン万次郎の影響を受けていたためともいわれています。
幕末外交に活躍した川路聖謨は、ジョン万次郎の英学塾の教え子
で、外交交渉のコツを教わりロシアとの間で北方領土問題の解決
に尽力した人物です。日本陸軍の創始者の一人である大山巌は英
学塾でジョン万次郎に可愛がられ、国際社会の規律、特に戦争の
ルールを教わったといわれています。日露戦争のとき敗れたロシ
ア軍に対する態度が国際的に評価されたのはジョン万次郎の影響
です。新渡戸稲造は、アメリカに渡るとき、日本からの脱出方法
とアメリカでの暮らし方をジョン万次郎から教わっています。
 西周は英学塾の優等生でアメリカの政治の実態を学んでいます。

 その他に、経済産業の近代化への功績は数え切れません。何と
いっても三菱の創始者である岩崎弥太郎がいろんなことを学んで
います。特に、海運、造船、保険などで指導を受けています。ジ
ョン万次郎が帰国の際、様々な物品を意識して持ち帰っています。
特に、ミシン、洋傘、写真の現像機器や薬品などは、日本の技術
に大きな刺激を与えたようです。

 ジョン万次郎の功績を、まとめてみますと、幕府の鎖国政策に
よって近代化かきわめて遅れていた日本に、西洋の文明を導入し
たことになると思います。異文明との接触、そして導入、定着に
大きな役割を果たしたといえます。陸の孤島ともいえる土佐の西
端の漁村で生まれ育ち、14歳のとき漁船で漂流した少年がどう
してこのような役割を行えたのか謎といえましょう。謎を解く鍵
は万次郎の少年時代どのような育ちかた、躾や教育を受けたかを
検証することにあると思います。
 万次郎は、少年時代貧しくとも勤勉で利発で腕白で自由な行動
を求め、進取の気質があり創意工夫が好きで仲間から可愛がられ
て暮らしていました。この万次郎の性格をつくったのは、本人自
身の気質によるものでしょう。しかし、母親汐の躾、中浜村や宇
佐浦の村落共同体の教育といったものが大きく影響しています。
母親は信仰心が厚く、寺子屋に行かず九歳から下働きに出た万次
郎に実語教を教えたといわれています。実語教とは童子教ともい
われ、寺子屋の教材で「山高きが故に貴からず 樹あるをもって
貴しとす」といった教訓がまとめられているものです。こういっ
た人間としてのあり方を幼年期から身につけていたようです。

 また、宇佐浦は土佐南学の発祥地に近く、その影響を強く受け
ています。南学とは明治維新の原動力となった思想で「知行一致」
などで知られているものです。若者は10人が一組で寝泊まりし
社会生活の規律を共同で教わっています。「早寝早起きし稼業に
励み、暇なときは読み書きそろばんを習い、万事倹約し、親には
孝を尽くし、兄弟は仲良くせよ、酒・たばこ・ばくちはしてはな
らない、夜遊び・女狂いをしてはならない……」といった南学の
精神が若者の社会ルールとして確立していました。万次郎の人格
はこれらによってつくられたといえます。

 万次郎が米国で暮らしたフェアヘブンの人たちの先祖は、アイ
ルランドからメイフラワー号に乗って新世界を求めてきた人たち
です。ここでも10人組に似た共同体ルールがあったといわれま
す。東洋人と西洋人という民族の差を超えて、それぞれの地域、
地域にある人間の生き方について普遍的な原理、これを身につけ
ているかどうかが大事なことです。万次郎が故郷土佐で、母親や
地域の人々から教わった教訓の中には、人類普遍の価値に通じる
ものがあったのです。そのおかげで、万次郎は米国の文化の中で
自分を見失わず、勉強に励み、捕鯨船のキャプテンとして活躍で
きたと思います。
 現在の日本国の混迷の原因は、産業社会から情報文化社会への
急激な文明の転換期に適切な対応ができないことにあります。一
人ひとりの生活の中に情報化と国際化という波が押し寄せ、国家
としても個人としても途方に暮れるという状態が続いています。
こんな混迷のときにこそ、ジョン万次郎が西洋異文明に接して、
それを導入したノウハウが何よりも役に立つと思います。万次郎
の生き方の原点は、少年時代の母親からの童子教の教えであり、
宇佐浦の伝統文化である南学の教えでした。それを自己の主体性
として身につけていたことが万次郎の力でした。
 新しい情報文化社会やグローバル化に対応するために大切なこ
とは、その国、その地方の文化の中にある普遍的価値を見つけ出
し、それを国家や、個人の主体性として確立させるという作業が
是非とも必要ではないでしょうか。私の政治信条は「日本人の心
と誇りを取り戻すこと」です。そのためにジョン万次郎から学ぶ
べきことは沢山あります。

注=「ジョン万次郎の会」は、平成4年11月「財団法人ジョン
万次郎ホイットフイールド記念国際草の根交流センター」となり
ました。                      (了)

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「ジョン万次郎とその時代」(2)(川澄哲夫編著・廣済堂)より

2014年07月30日 09時28分47秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

「ジョン万次郎とその時代」(川澄哲夫編著・廣済堂)より

 ジョン万次郎に学ぶこと            小沢 一郎

第二章 ジョン万次郎の会の設立(要旨)

 ジョン万次郎が漂流してから150年目は1991年(平成3
年)でした。この年は太平洋戦争が始まってから50年でもあり
ました。私たちはこの年を記念して「ジョン万次郎の会」を設立
しました。米ソ冷戦が終わった直後、平成2年8月、中東の産油
国クェートがイラクにより武力侵攻を受け、国連の安全保障理事
会の決議により多国籍軍が結成されいわゆる湾岸戦争となります。
激動する国際社会の中で、日本人がどのような生き方をすべきか、
真剣に考えなければならない時期でした。
 「ジョン万次郎の会」の設立趣意書の中に「歴史を振り返り、
今日の私たちが学び、見直さなければならないことは、幕末から
明治にかけ、国際人として生きてきたジョン万次郎の体験、行動、
考え方ではないかと思います」ということがあります。私はこの
考えに基づいて、慶應大学から出版されている『三田評論』に、
「第二の開国」のときに学ぶ―ジョン万次郎の会発足に当たって
―という小論文を掲載しました。10年前の懐かしいジョン万次
郎論ですが、この論文の意義は失われていないと思いますので、
全文を掲載して、改めて、ジョン万次郎の人物像を考えてみたい
と思います。

 「第二の開国」のときに学ぶ
   ―「ジョン万次郎の会」の発足にあたって―

 国会開設100周年記念日の昨年(平成2年)11月29日、
憲政記念館で「ジョン万次郎の会」が発足し、不肖私か会長に選
ばれました。発会式後のレセプションで副会長の川澄哲夫氏(慶
應義塾大学文学部教授)から面白いスピーチがありました。

 もし、咸臨丸に万次郎が乗っていなかったら、歴史はどうなっ
ていたでしょうか。太平洋の真ん中で沈没したでしょう。万次郎
以外に日本人で航海術に長じた人はいませんでした。咸臨丸が沈
没すると勝海舟も福沢諭吉もいません。勝海舟がいなければ西郷
との江戸城明け渡しもなく江戸は灰となったでしょう。福沢先生
がいなければ慶應義塾はありません。従って、今日の小沢幹事長
(平成2年当時、自民党所属)もいません。勿論、私も慶應義塾
の教授ではありません。

 過ぎ去った歴史のワンポイントに「もし」という過程を入れる
ことは先人の功績をきわだたせてわかりやすくします。「ジョン
万次郎の会」の発足を契機に日本は言うにおよばず、アメリカで
も、万次郎に対する関心が高まってきています。慶應義塾におい
てもそのように聞いていますが、ぜひ、大学としても体系的研究
に取り組んでいただきたいと思います。

「何故、ジョン万次郎の会を作ったのか」と、聞かれますので、
設立の動機や経過、どの ような時代認識を私たちが持っている
のか、活動の展望などについて述べてみます。

 東西対立の冷戦構造が解けた今日の世界情勢は、米国ブロック・
EC諸国・日本を中心 とするアジア諸国の相互理解が大切です。
世界の平和や安定はこれによって成り立っていくと思います。日
米関係はその基軸でして、最近ややもすれば誤った観点から評論
されがちなのは、非常に心配なところです。
 昨年(平成2年)6月末、NHKの「歴史誕生―二つの祖国に
生きた男―」というドキュメント番組を見て、万次郎の考え方・
生き方の実像に触れることができました。150年前、14歳の
万次郎は、乗っていた漁船が遭難し、米国の捕鯨船に救助されま
した。彼は日本人として初めて米国に住み、人々の善意で専門教
育を受け、多くの国々の人々が乗り込む捕鯨船という「多国籍社
会」で働き、副船長にまでなった国際人だったわけです。
 幕末、我が国は徹底した鎖国政策をとったため、捕鯨船をはじ
めとする外国の船舶は、給水や病人の救助などで難儀をしていま
した。万次郎は自分の恩義を返すのは、日本に帰国して開国を働
きかけることだと決意し、鎖国の日本に命がけで帰って来ます。

 帰国後時代の変わり目の中で幕吏として活躍し、また文明開化
の先駆けとなります。日本に対しても米国に対しても国際人の常
識を貫いて生きたのであります。この万次郎の生き方こそ、今日
の日本人が学ばなければならないことです。
 昨年(平成2年)7月、欧州各国の選挙制度や政治経済事情を
調査するため、社会党の田辺副委員長、公明党の市川書記長、民
社党の米沢書記長(いずれも平成2年当時の肩書き)ら、各党を
代表する議員と一緒に仏・英・西独・東独を訪問する機会があり
ました。この時、議員団全員で感じたことを「共同見解」として、
ロンドンで記者発表しました。その中に国政に携わる人間が共通
して認識すべき問題として、次のことを明記しました。

 国際的枠組が大きく変わり、国際政治がきわめて流動化し将来
を展望しにくいという状況の下で、日本人と日本国がこれからの
国際社会の中で、どのような生き方をし、どのような役割を果た
していくべきであるか、という問題について、真剣に考えなけれ
ばならない。また「草の根」レベルにおいて、人的、文化的国際
交流を徹底して行うことが日本の安全保障の礎となるものである。

 これらのことを具体的に実現するため、議員団として意見が一
致したのは、「姉妹都市サミット」の開催でした。同時に私個人
としては「ジョン万次郎の会」をつくり、歴史の中に埋もれてい
る万次郎の功績を掘り起こし国民に伝えることが、是非とも必要
だと考えついたわけです。帰国後、イラクによるクウェート侵攻
という事態が発生し、激動する国際情勢の中で漂流する日本丸の
舵をとる一人として、いよいよ「ジョン万次郎の会」を発足させ
る必要性を実感し、志を同じくする仲間の協力を得てスタートさ
せたわけです。

 「ジョン万次郎の会」では、現在の世界情勢をフランス革命、
ロシア革命に次ぐ歴史的変革期だと認識しています。そしてわが
国が国際社会から非難と不信の眼差しを浴びるようになった理由
を、日本人が国際社会の道義と常識について十分な認識を持って
いないことにあると分析しています。さらにその根本原因を、日
本人が国際社会に生きるための「魂の開国」、これがいまだにな
されていないからだと考えています。
 日本人と日本国が、これからの国際社会の中でどのような生き
方をし、どのような役割を果たしていくべきか、日本人こぞって
真剣に考えなければならないことです。「ジョン万次郎の会」は、
まず、このことを訴えたいと思います。これらのことを考える際、
もっとも参考になるのが万次郎の体験、行動、考え方ではないで
しょうか。
 万次郎は、米国での生活や捕鯨船での世界一周体験から「日本
は開国しなければ滅びる」と痛感し、死を覚悟して鎖国の日本に
帰ります。勿論、母親に会いたいという気持ちも強くあったと思
います。国を思う心と母を思う心は本来一つのものです。沖縄の
糸満に上陸し、薩摩から長崎、そして土佐へと鎖国を犯した罪人
として連行され、厳しく取り調べを受けます。
 折しも黒船の来航により世の中が大騒ぎとなり、日本は万次郎
の知識と経験を必要とするようになります。彼は土佐藩校で外国
事情、アメリカンデモクラシー、世界の海での冒険を語ります。
坂本龍馬、後藤象二郎、岩崎弥太郎等に大きな影響を与え、明治
維新の種をまきます。1853年、ペリーが浦賀に来航し開国を
求めるや、幕府は万次郎を呼びだし米国の事情や真意を聞きます。
 老中阿部正弘はじめ幕臣の居並ぶ中で、万次郎は米国の地理、
政治体制、大統領選挙などにもふれ、「大統領といへともいささ
かも国法に違候儀難相成規定に付、政治一定いたし人々法令を重
んし国内能治候」と説明したうえで、「御国(日本)と親睦いた
したいとの義は彼国(米国)積年の宿願」であると訴え、侵略の
意図は米国にはないと伝え、米国の希望は九州の南か琉球に捕鯨
船の憩うことのできる港を日本に開いてもらいたいことにあると
強調し、そして「世界各国之内御国の外は大抵同盟又は通商国々
にて互に船往来いたし、いつれも懇意致さざる国無之」と鎖国日
本の遅れを指摘したと、江戸幕府取調記録に記述されています。
 これら万次郎の米国に対する好意は、生命を救われ教育を受け、
人間として平等に扱ってくれたホイットフィールド船長はじめと
する米国の人々の恩に報いるためでありました。翌1854年、
幕府はペリーと日米和親条約を締結し、58年には日米修好通商
条約を調印していくわけです。後に、第30代大統領となった、
クーリッジ氏は、万次郎について「ジョン・マンの帰国は、アメ
リカが最初の大使を日本に送ったことに等しい。何故ならばジョ
ン・マンが、わが国の本当の姿を当時の日本首脳に理解させてい
たからこそ、われわれの使節ペリーは、あのような友好的な扱い
を受けることができたのである」と語って、日米交渉史の中では、
最初で最重要の人物と評価しています。

 幕府は漂流漁民であった万次郎を直参旗本とし、通訳・翻訳の
傍ら造船、航海、測量、英学などの指導にあたらせます。さらに、
「咸臨丸」に教授通弁主務として乗り込ませます。ところが船長
の勝海舟が航海術を知らないうえに船酔いがひどく、万次郎を事
実上の船長として航海をまかせます。太平洋上荒海の船の中では
身分制度など通用しません。
 福沢先生は軍艦奉行木村摂津守の従僕として咸臨丸に乗るわけ
ですが、木村軍艦奉行が熱心に万次郎から海外事情を聞く傍らで
記録をする役ではなかったかと思います。この万次郎のアメリカ
話は、福沢先生の目を西洋に向けて大きく開かせ、のちに『西洋
事情』を書くきっかけを与えたのではないかと川澄教授は語って
いますが、私も同じ意見です。サンフランシスコで福沢先生と、
万次郎の二人がウェブストルの大辞書を買いに行く話は有名です。
福地桜痴らの話によれば、福沢先生は咸臨丸に乗る以前から万次
郎から英語を学んでいたようです。
 咸臨丸は「万次郎学校」だったという人がいますが、明治にな
って咸臨丸に乗船していた人々の中から国際的に活躍する人物が
続出した事実をみると頷けます。万次郎は咸臨丸での仕事を終わ
った後も、混乱する幕末の外交にあたる幕臣たちに、「国際社会
の常識やルールを尊重したうえで国益を主張すべきである」と説
きますが、理解されることが少なく、だんだん政治から離れてい
きます。そして、万次郎の功績は歴史の中に埋もれてしまい幸運
な漂流民の物語となってしまったのです。
 その原因は、万次郎が身分の低い漁民であったことだけではあ
りません。日本の近代史そのものにあると思います。日本人が国
際社会の中で正しく生き、役割を果たしていくことを自覚せず、
もっぱら一国繁栄主義を追求し、戦後ではこれに一国平和主義が
追加されますが、それを求める限り、万次郎の生き方や考え方は
邪魔であったわけです。

 今年(平成3年)は万次郎が漂流して150年目にあたります。
この150年の間に日本と米国の間にはいろいろなことがありま
した。不幸な戦争があったにもかかわらず、万次郎の子孫である
中浜家と、恩人ホイットフィールド船長の子孫は5代-150年
にわたって「隣人愛」を守り続けてきました。両家が育んだ「隣
人愛」を日本人は学ばなければなりません。
 米国のルーズベルト大統領は、祖母から万次郎少年の話を聞き、
万次郎を手本にして少年時代を過ごしたと語っています。そして
万次郎をめぐる「人間愛」をテコに、日米関係を改善しようと試
み、1933年に、中浜家を米国に招きますが、日本の社会がそ
れを拒み実現しませんでした。
 今や、すべてのことが国際社会との協調を抜きにして存在しえ
なくなりました。日本はあらゆる面で「第二の開国」を求められ
ております。そういう今日だからこそ、万次郎の生き方や考え方
が、これからの日本人の道しるべになるのだと思います。日米交
流の原点であり、草の根国際交流の原点でもあるジョン万次郎を
埋もれた歴史から掘り起こし、国民に伝えるのが、「ジョン万次
郎の会」設立の趣旨です。

 万次郎の精神の原点は、恩義を受けた人々や社会に感謝し、礼
を尽くすことでした。この素朴な「人間愛」が日本の開国を幕臣
に説くという政治行動になるのです。また、万次郎の国際人とし
ての思考も「難儀をしている人々は助けなければならない」とい
う「人間愛」に立脚したものでした。
 「ジョン万次郎の会」の活動は、現代文明社会の中で失われた
「人間愛」の復活・追求をキーワードとします。善意の人々の幅
広い協力を得て、まず、米国の人々との心の絆を強く結べるよう、
いろいろな活動を展開していく予定です。そしてそれを全世界の
国々の人々に広げていきます。そのためには地味な努力の積み上
げが必要です。
 万次郎の「人間愛の精神」を「人類愛の精神」にSoulupさせて、
21世紀の早い機会には、国連を「世界連邦」に発展させていく
ことが、全人類の存亡にかかわる課題であると思います。「ジョ
ン万次郎の会」の役割はその礎となることです。    (続)

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「ジョン万次郎とその時代」(1)(川澄哲夫編著・廣済堂)より

2014年07月30日 09時28分08秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

「ジョン万次郎とその時代」(川澄哲夫編著・廣済堂)より

 ジョン万次郎に学ぶこと            小沢 一郎

第1章 ジョン万次郎の生い立ちと漂流

 2001年(平成13年)3月4日(日)午前九時、私は高知
県土佐市宇佐漁協の船着場にいました。前日の3日の夜、高知市
で開かれた自由党国政報告会が大雨にたたられたのにくらべ夢の
ような快晴でした。その浜は、1841年1月27日(天保12
年、旧暦で1月5日)、160年前、ジョン万次郎ら宇佐の漁師
たちが運命の漂流へと旅立った場所で、〝宇佐浦西浜〟といわれ
たところです。土佐市の森田康生市長をはじめ山崎助役、広瀬教
育長、郷土史研究家の一人である市職員の青野氏らから、ジョン
万次郎の子供の頃の話や、宇佐浦での暮らしぶりや漂流の様子に
ついて詳しい話を聞くことができました。

 ジョン万次郎は1827年(文政10年1月1日)に、土佐の
国中浜村(土佐清水市中浜)で漁師の父悦介と母汐の次男として
生まれています。家族は兄時蔵、二人の姉セキ、シンと妹のウメ
の兄と姉妹と暮らしていました。万次郎が8歳のとき父が亡くな
り、兄時蔵が病身で、その日の暮らしにも事欠くようになり9歳
のときに中浜浦の今津家の下働きに出ました。米つき、子守り、
薪割り、漁船の飯炊きなど重労働を続けていました。母親の汐は
子供ながら下働きで自分を助ける万次郎に感謝しながら、立派な
大人になるよう、厳しい躾をしたと伝えられています。万次郎は、
働き者で弱音を吐かず頑張っていましたが、今津家の主人と衝突
して、中浜村を出て宇佐浦で暮らすことになります。

 万次郎は、仕事にかけては利発で素直な少年でしたが、腕白で
土佐でいう〝いごっそ〟の少年だったようです。中浜村を出て宇
佐浦で暮らすようになった事情に興味深い話があります。米つき
の方法で臼の中に砂礫を混ぜると効率が良いことに気がついて、
それを実行しているところを主人に見つかって叱られ、反発した
ようです。怒って追ってくる主人を避けて、海へ飛び込み隣村の
大浜村まで泳ぎ、停泊中の宇佐浦のカツオ船に逃げ込みました。
村中が大騒ぎとなり、親族も相談し、母親の許しを得て、この船
の飯炊きとなり、宇佐浦で暮らすようになります。この時、万次
郎は満12歳でした。

 中浜村での万次郎の生き方は、これだけでもわかるように封建
時代の狭い村落共同体で、貧しくとも勤勉で進取の気質があり、
創意工夫を楽しみ自由に頑固に、家族を支えて一生懸命に生きて
いたのだと思います。
 宇佐浦でのカツオ漁船というのは、土佐の国高岡郡宇佐浦西浜
(土佐市宇佐)の徳右衛門さんの持ち船で、乗り組み仲間は、船
頭の筆之丞、その弟の重助、五右衛門、同じ宇佐浦の寅右衛門と
万次郎と合わせて5人組でした。万次郎は徳右衛門の家に住み込
み、宇佐浦の土地の人々から躾を受け、漁期には漁に出る暮らし
をするようになります。

 万次郎が満14歳になった5日後の天保12年正月5日、巳の
刻(1841年1月27日午前10時)、5人組を乗せた長さ約
8メートルの小さなカツオ船が、宇佐浦の西浜から黒潮に向かっ
て初漁に出ます。これが運命の船出となるわけです。最年少の万
次郎の仕事は、「魚はずし」(釣った魚を針からはずす役)と、
「かしき」(飯炊き)だったと言われています。

 万次郎は漂流から10年後に帰国して、船出してからの出来事
を、多くの人に詳しく話していますので、記録が残っています。
船出の5日は興津崎の西掛(現窪川町)に、次の6日には伊ノ岬
の白浜(現佐賀町)に泊まっています。当時の漁船と漁師の泊ま
り方は、船を砂浜に揚げて浜辺で夜を明かしていたようです。
 6日の漁の収獲は小魚を14、5尾程度で、獲った魚を煮て、
夕食を食べたという話まで記録されています。

 運命の漂流は、天保12年1月7日に始まります。朝、伊ノ岬
の白浜を出て足摺岬の西南約15里(60キロ)沖の漁場で「ハ
エ縄漁」を始めました。「ハエ縄」とは、日本で古代に発案され
た漁法で、長く大きい幹縄に適当な間をおいて短い枝縄をつけ、
その先に釣り針をしかけるものです。サバ、ヒラメ、マクロ、タ
イなどいろいろな漁に効果があるものです。万次郎は「飯炊き」
が主な仕事でしたが、この日、利発さを仲間から買われ船の櫓を
漕いでいたとのことです。櫓漕ぎは「山合わせ」という、三方の
山々の嶺を船の頭尾に合わせて、船が漁港に入る位置を計ったり
漁場からの距離を知るため古代がらの航海法を知っていなければ
できません。万次郎は少年時代から身につけていたのです。こう
いった才能が漂流から救助された捕鯨船で活躍したり、米国で教
育を受けたときに大きく役立っています。

 「巳ノ刻(午前10時)二至り風西吹来り雲脚殊更二早ケレバ
漁具ヲ収ム」と、その時の様子を帰国後、万次郎が語った記録が
あります。記憶力が抜群であったようです。午の刻(正午)頃に
はその風もおさまり、(エ縄漁を再び始めたところ、今度は魚が
多く獲れ三つの桶に一杯となり、桶が足りなくなった様子も記録
されています。大喜びで「ハエ縄」からの魚を獲りあげていた頃、
再び西風の突風が吹き荒れるようになり、大嵐の中で万次郎らの
漁船の櫓が折れ、帆柱も倒れ船は荒れ狂う潮に流されていきます。
ヤマゼと言われる突風の西風は、冬の1月から2月にかけて台湾
沖で発生する低気圧が日本列島の太平洋側に北上してくる嵐です。
別名「台湾坊主」といわれ、古代から冬期の日本列島太平洋側の
災害として、今日でも日本人を悩ませています。

 漂流して5日目の1月10日には、宇佐浦を船出するときに積
み込んだ糧料米2斗5升(約35キロ)も底をつき飲み水も涸れ、
おまけにみぞれ混じりの天候の中で5人は寒さに震えていた矢先、
船は黒潮の本流の中央部分、土佐では「黒瀬川」と呼ばれる青黒
い急流にはまり込みます。この流れは幅が約2キロで、流れに入
ると容易に脱出できず、西洋船すら当時避けて航海したといわれ
る恐怖の黒潮です。万次郎らは全てを天命にまかせ黒潮の本流に
はまり込んで3日目、1月13日の午の刻(正午)頃、無人島を
見つけました。島影で一夜を過ごした後、翌14日に上陸します
が、黒潮の本流でもまれ壊れる寸前の漁船は、座礁して大破し使
うことができなくなりました。この無人島は「鳥島」という周囲
約4キロの断崖の火山島でした。

 この鳥島に上陸し、魚やアホウドリなどを食べ、飲み水に不自
由しながら約5ヶ月暮らしました。天保12年5月9日(184
1年6月27日)、米国の捕鯨船ジョン・ハウランド号に万次郎
ら5人は救助されます。米国マサチューセッツ州ニュー・ベッド
フォード所属の377トンの巨大な西洋捕鯨船で、船長はウィリ
アム・H・ホイットフィールド氏でした。
 万次郎ら5人は、ジョン・ハウランド号でハワイに移されます
が、5人の中で最年少で利発な万次郎は乗組員から特別に目をか
けられます。ホイットフィールド船長はジョン・マンという米国
人名をつけ、捕鯨船の乗組員とします。そして故郷のマサチュー
セッツ州フェアヘブッに連れ戻り、米国の教育を受けさせました。
ジョン万次郎は日本人最初の米国留学生であり、最初のホームス
テイでした。

 20世紀最後の2000年秋、アメリカの古書店でジョン万次
郎ら土佐の漂流民を救助した「ジョッー「ウランド号」の乗組員
ライマンーホームズという18歳の船員が記録した航海日誌が発
見されました。この航海日誌は〝21世紀に入ったばかりの20
01年2月、東京で開かれた〝世界の古書展〟で展示・販売され
ました。

 ジョン・ハウランド号の公式航海日誌は、ホイットフィールド
家に保存されていますが非公開です。研究者の資料として供用さ
れていますが、記述は簡明なものです。新しく発見されたライマ
ンーホームズの航海日誌は、ジョン・ハウランド号の航海の様子、
寄港した西南太平洋各国の人々の暮らしの実態、日本の鎖国が近
代化した世界の各国から、いかに非難されていたかなどの様子が
詳細に記述されています。最も注目されるのは、万次郎らを救助
した時の状況が詳しく書かれ、公式航海日誌との違った記述もあ
ります。詳しいことは、翻訳と解説を担当した川澄哲夫氏に譲り
ますが、この航海日誌を公開することによって、ジョン万次郎が
生きた時代を理解し、ジョン万次郎が考え、実行したことから何
を学ぶべきかを探したいと思います。

次号では、「第2章 ジョン万次郎の会の設立」を紹介します。

事務局注=ジョン・ハウランド号の公式航海日誌は「ジョン万次
     郎とその時代」(廣済堂)にも簡易版があるが、より
     詳報が、「ライマン・ホームズの航海日誌(ジョン万
     次郎を救った捕鯨船の記録)」(川澄哲夫著・慶應大
     学出版会)として上梓されている。小沢氏はここにも
    「刊行によせて」として一文を書いているので、いずれ
     紹介したい。

「国際草の根交流センター」の資料は、引き続き募集しています
ので、ご関心をおもちの方は事務局まで申しつけて下さい。

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2014年後半に大きなヤマ場を迎える政局!

2014年07月30日 09時27分39秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

安倍政権は政権与党が衆参両院の過半数議席を確保したことを盾にとり、強引
な政治運営を展開している。

「暴走列車」

の様相が示されている。

「決められない政治」



「決められる政治」

に転換したと言うが、実際には、

「勝手に決める政治」

であり、

「決めすぎる政治」

である。

内閣は政治権力であり、この政治権力である内閣と憲法の関係は本来次のもの
である。

政治権力の暴走を防ぐために憲法という砦を設ける。

憲法は政治権力の暴走を防ぐために存在し、政治権力が安易に憲法を改定でき
ないように、改定のハードルは高く設定される。

これが「立憲主義」と呼ばれる考え方であり、現代の法治国家における大原則
である。

憲法第99条は公務員の憲法尊重擁護義務を定めている。

条文には、

第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員
は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

と明記されている。

「国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」と明記されていることに留意
しなければならない。



安倍政権は衆参両院の過半数議席を有することを盾にとり、暴走列車さながら
の政治運営を実行しているが、この暴走に対して、人心が急速に離れ始めてい
る。

安倍政権応援団の一角を占める日本経済新聞の世論調査でも内閣支持率が5割
を切った。

内閣支持率が5割を切ると黄信号が灯り、4割を切ると赤信号に変わると言わ
れている。

安倍政権が「下り坂」に転じたことは間違いない。

とりわけ重要なことは、日本の命運を左右する重大問題において、安倍政権が
独断専行を強めていることだ。

昨年の特定秘密保護法制定、本年の消費税率引上げ強行、そして、なし崩し改
憲強行などが矢継ぎ早に実行されている。

これらの政策遂行が日本の主権者国民に支持されているなら、政権の行動には
一定の正当性が認められる。

しかし、安倍政権の施策については、一番肝要な、この部分が欠落している。

安倍政権が強行推進している政策を、日本の主権者国民の過半数が支持してい
ないのである。

安倍晋三氏は国会の議席数における「数の論理」で強引な政治運営を実行して
いるが、このような横暴、乱暴な政治運営は早晩行き詰まることになるだろ
う。



世論調査で特徴的なことは、政党支持率において、支持政党なしの回答の比率
が急上昇していることだ。

日経新聞が25~27日に実施した調査では、支持政党なしが47%を占め
た。

強引な政権運営を主導する安倍晋三氏が党首を務める自民党が23%、民主党
が6%、維新、公明、共産が3%である。

圧倒的多数の主権者にとって、支持できる政党が存在しないのだ。

政界再編、野党再編のカギがここにある。

永田町では、民主党の悪徳10人衆の残骸、維新、みんな、結いなどが、第二
自民党の創設に向けてうごめいているが、第二自民党はしょせん第二自民党で
ある。

米官業のトライアングル勢力は、日本の政治体制を対米隷属の二大政党体制に
移行させようと考えている。

米国にひれ伏し、官僚利権をも守り、労働者ではなく大資本の利益を追求する
政治勢力によって、日本政治を占拠することが目論まれている。

民主・維新・結い・みんななどによる野党再編は、この目的に沿う動きであ
る。

利権複合体の広報部隊であるマスメディアは、この第二自民党創設を全面的に
支援するだろうが、その先に日本政治の再建はない。



いま求められているのは、主権者の意思に沿う政治勢力の確立である。

なし崩し改憲を阻止し、原発再稼働を阻止し、日本のTPP参加を阻止する。

シロアリ退治なき消費税増税を阻止し、地元住民の賛意なき辺野古基地建設を
阻止する。

この方針を明示する政治勢力を結集するのである。

党名の候補に「人民党」をあげている。

「自民党」と一字違いだから、自民党との二大政党体制に移行するときには、
非常に分かりやすくなるだろう。

人民はPEOPLE=主権者=国民である。

主権者のための政治を実現する政党である。

既存政党に対する支持が激減しているいまが、主権者の側に立つ政党の創設の
絶好機である。



安倍政権の暴走に歯止めをかけるうえで重要な意味を持つのが、本年後半に実
施される三つの知事選である。

7月の滋賀県知事選、10月の福島県知事選、そして、11月の沖縄県知事選
である。

7月の滋賀県知事選では、安倍政権与党圧勝の当初の見通しが覆された。

脱原発を主張する野党候補が勝利を収めた。

安倍政権の動揺は深刻に広がっている。

10月には福島県知事選が実施される。

現職および安倍政権与党候補でない、第三の候補者が求められている。

福島の県民は、原発に対する県民の意思を選挙結果に反映させるべきだ。

原発被害に遭いながら、原発を推進する政党候補者を支持するのでは、福島県
民の意思が疑われる。

原発被害者に対する必要かつ十分な補償、ケア、生活支援が必要不可欠である
一方、あの原発事故の惨禍をすべての日本で再発しないための脱原発を直ちに
実現してゆく必要がある。

福島県民こそ、安倍政権が推進する原発再稼働推進の姿勢に対して、明確にN
Oを突き付けてゆくべきだろう。



沖縄では名護市の辺野古海岸に米軍基地を建設するのかどうかについて、県民
が判断を示さねばならない。

安倍政権は札束で沖縄県民の頬を叩き、札束の前にひざまつかせる行動を強め
ている。

安倍政権の行動は、

「最後は金目でしょ」

の言葉に象徴されるものである。

こうした利益誘導に敢然と立ち向かった人々がいる。

沖縄県名護市民である。

本年1月19日の名護市長選。

自民党はなりふり構わぬ利益誘導選挙を実行した。

これに現職の稲嶺進市長が立ちはだかった。

1月7日に開かれた稲嶺進候補の決起集会で、稲嶺進氏は目の前に金を積まれ
て転んだ仲井眞弘多氏を厳しく批判した

「先ほどもお話しありましたけれども、結局沖縄はお金か。

対するのはその金を引き上げるためにやってるんじゃないの。

こんな誤ったメッセージをいちばん低層な、それをやっちゃったということで
すね。

我々がウチナーンチュとしてとても許されるものではない。

私は沖縄の自立経済ということを言っております。

しかしあの瞬間、私は沖縄の自立は遠のいてしまったと思います。」

そして、名護市民は1月19日、堂々と稲嶺進氏を名護市長に再選させたので
ある。

金を目の前に積まれても転ばない名護市民の矜持が示されたのである。



沖縄振興策を取ることと基地の問題を切り離して考えるべきだ。

沖縄振興策は必要だが、基地建設を受け入れなければ沖縄振興策をやらない、
という姿勢がおかしいのだ。

日本に存在する米軍専用施設の73.8%が沖縄に集中する。

沖縄全体が米軍基地と化しているのだ。

この沖縄の負担軽減を実行するべきなのだ。

普天間を閉鎖しても、辺野古に米軍基地を作れば、沖縄負担率は73.1%に
しか低下しない。

辺野古基地建設は沖縄負担の固定化を意味する暴挙なのだ。

ジュゴンが生息する美しい海岸を破壊して、醜い米軍基地を建設する意味は皆
無である。

基地建設から利益を得る利権亡者だけが基地建設に固執しているのだ。



米国の軍隊再編により、米軍自体が沖縄に基地を必要としていない。

しかし、米国は戦勝国であり、日本を戦利品としてしか見ていないから、日本
政府がタダで提供してくれると約束した基地なら、それは獲得しておけと考え
ているだけなのだ。

沖縄県知事選は、基地問題を軸に、基地建設推進と基地建設阻止を明確な争点
として実施されるべきである。

そして、沖縄県民は、札束で頬を叩く卑劣な投票誘導行動を一蹴するべきであ
る。

そのためには、基地建設阻止を求める県民が結束し、必ず候補者をただ一人に
絞り込むことが必要である。

候補者一本化に反対して、基地建設阻止の県民票を二分する複数候補者擁立に
固執する勢力が存在するなら、その勢力は、基地建設推進勢力の側面支援部隊
ということになる。

候補者は、必ず一人に絞り込むことが必要不可欠だ。



そして、年内に控える最重要政治日程が、原発再稼働と消費税再増税問題に対
する最終判断提示である。

安倍政権は原発再稼働の判断を、原子力規制委員会と電力会社、地元自治体に
委ねるかのような言動を示すが、無責任体質も甚だしい。

これこそ、憲法第13条違反である。

安倍政権が集団的自衛権行使容認で何を盾にしたのか、よく考えるべきだ。

憲法13条の規定に基づき、

国民の生命、自由、幸福を追求する権利に対して、国が立法その他の国政の上
で、最大の尊重を必要とすることを根拠に、集団的自衛権行使容認の詭弁を構
築したのではないか。

地震に対する備えがまったく不十分な原発再稼働を容認することは、明らか
に、

「国民の生命、自由、幸福を追求する権利に対して、国が立法その他の国政の
上で、最大の尊重を必要とする」

という憲法13条の規定に反している。

日本の主権者国民は、安倍政権による原発再稼働容認を、何としても阻止して
ゆかねばならない。



そして、消費税の再増税。

シロアリを一匹も退治しないで消費税増税に突き進めば、消費税収はすべてシ
ロアリのえさになってしまう。

こんな馬鹿げた政策を強行されたのでは国民はたまらない。

消費税再増税の凍結を早期に確定してゆく必要がある

安倍政権が主権者の意思に反する施策を強行し続けるなら、早晩、安倍政権は
退場を強制されることになるだろう。

主権者の意思を受け止める主権者政党を早急に創設して、日本政治の大再編を
実現してゆかねばならない。

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原子力発電所の発電単価が圧倒的に高いということは、もう歴然と分かっているとだと私は思う。

2014年07月28日 15時12分09秒 | 脱原発!原発のない社会の実現を目指せ

 

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主権者が「日本を取り戻す」ための主権者フォーラムが急務

2014年07月28日 09時36分54秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

猛暑が日本列島を襲っている。

熱中症対策に十分な配慮が必要だ。

日本の政治、政局も2014夏の陣を迎える。

内閣改造、野党再編、地方選挙が本番を迎える。

すでに「下り坂」に転じた安倍政権。

「下り坂」を「上り坂」に転換できるのか。

野党再編では、日本の主権者国民の意思に沿う再編が実現するのか。

地方選では安倍政権が与党候補者の当選を実現できるのか。

これらが焦点になる。

日本政治最大の問題は、

「民意と政権のねじれ」

である。

集団的自衛権も原発再稼働も消費税増税も、

民意に反する政策が推進されている。

民主主義の基本は、主権者である国民の意思に沿う政治の実現である。

国会の多数議席を確保する勢力が政権を担うが、多数議席を得ているからと
いって、何をやってもよいということではない。

あくまでも、基本は主権者の意思に沿う政治の実現だ。



安倍内閣が集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を強行したのが7月1日。

この後に共同通信社が世論調査を実施した。

問5 日本と密接な関係にある国が武力攻撃を受けたとき、日本が攻撃された
とみなして一緒に反撃する「集団的自衛権」について、政府はこれまで「憲法
解釈上、行使できない」としてきましたが、安倍内閣は憲法解釈を変更して行
使を容認する閣議決定をしました。あなたはこの行使容認に賛成ですか、反対
ですか。

賛成               34・6%
反対               54.4%
分からない・無回答        11.0%

問6 安倍内閣は集団的自衛権の行使容認にあたり、憲法改正ではなく、憲法
解釈の変更で対応しました。あなたは、この対応が妥当だったと思いますか、
思いませんか。

妥当だったと思う         31.7%
妥当だったとは思わない      60.0%
分からない・無回答        8.3%

また、6月21、22日に実施された世論調査では、原発再稼働と消費税再増
税についても民意が調査されている。

問11 あなたは、政府が「安全性が確認された」とした原発を電力会社が再
稼働することに賛成ですか、反対ですか。

賛成               36.8%
反対               55.2%
分からない・無回答         8.0%

問12 消費税率は来年10月に現在の8%から10%に引き上げられること
になっています。あなたは、この引き上げに賛成ですか、反対ですか。

賛成               36.0%
反対               59.7%
分からない・無回答         4.3%



国民の多数が、「なし崩し改憲」、「原発再稼働」、「消費税再増税」に反対
の意思を示している。

日本の主権者の未来の根幹に関わる三つの重大問題である。

この三つの重大問題について、主権者の意思に反する政策が強行実施されるこ
とは重大な問題である。

安倍政権が民意に反する政策を強行してゆくなら、主権者国民はこの政権を退
場させて、民意に沿う政治を実現する政権を新たに樹立してゆかねばならな
い。

その方向に大きな影響を与える「2014年夏の陣」が始動する。

内閣改造は自民党内の不満の爆発を抑止するための「ニンジン」である。

目の前に「ニンジン」がぶら下がっている間は、自民党内の不協和音がかき消
される。

しかし、内閣改造を実施して「ニンジン」が消滅すれば、かき消されていた不
協和音が再び表に浮上してくる。

野党再編はいまのところ、第二自民党の創設にしかならない見通しである。

民主、維新、結い、みんなに属する9名が中学生チームと野球の試合をしてボ
ロ負けした。

先発した前原誠司氏は1回に6点を失ってノックアウトされた。

この試合が野党再編の前途を象徴している。

主権者国民は第二自民党の創設など望んでいない。

政局に重大な影響を与えるのが、年後半の政治日程である。

10月26日に福島県知事選、11月16日に沖縄県知事選が実施される。

そして、鹿児島県所在の九州電力川内原発の再稼働が検討されている。

さらに、12月には2015年10月の消費税率10%を実施するかどうかの
政府判断が示される。

これらの主要日程を通じて、安倍政権早期退陣の道筋を明確にするとともに、
主権者の意思に沿う政治を実現するための道筋を合わせて明示してゆかねばな
らない。

販売が開始される『日本の真実』(飛鳥新社)にそのための基礎理解が示されて
いるので、ぜひ、ご高読賜りたい。

http://goo.gl/8hNVAo



安倍政権の「下り坂」は2013年末に始動している。

「アベノミクスは来年も買い」

を宣言した瞬間が株価最高値となったことが象徴的だ。

「驕れるもの久しからず」

なのである。

昨年の特定秘密保護法の強行制定、この7月1日の集団的自衛権行使容認の閣
議決定強行。

重大問題を、十分な論議、慎重な論議なく強行決定する。

安倍晋三氏はこれを「決められる政治」だとして肯定するが、

「決められる政治」

ではなく

「勝手に決める政治」

でしかない。



それでも、集団的自衛権行使容認は憲法が破壊する行為であることについての
自覚があったのだろう。

できるだけ、国民の関心を他にそらすなかで閣議決定が主導された。

閣議決定を国会閉会後にずらしたのもそのためである。

閣議決定後の最初の試金石になったのが7月13日の滋賀県知事選であった。

与党候補圧勝の見通しが1ヵ月間で大逆転した。

この間、安倍政権は集団的自衛権問題に国民の関心が集中しないための方策を
練ったと見られる。

歌手の飛鳥氏の麻薬問題が表面化されたのも、この問題と裏腹の関係にあると
見られる。

政権交代が最大の焦点になった2009年の夏に、酒井法子氏の麻薬事件が表
面化されたのと状況が似ている。

6月15日のワールドカップ初戦の試合開始時間が日本時間の日曜朝10時に
変更された裏側にも、政権の思惑が見え隠れする。

初戦に日本が勝利して、日本中をワールドカップ一色に染め抜いてしまうこと
が目論まれていたと見られる。

NHKなどは日曜夜に2時間枠の特番まで用意した周到ぶりを示した。

滋賀県知事選直前には、集団的自衛権問題報道を圧縮するために、台風報道が
報道番組を占拠した。

これまでに何度でも襲来した規模の台風の報道で報道時間を埋め尽くしたので
ある。



しかし、結果は安倍政権の目論見とは異なる方向に進んだ。

ワールドカップ初戦で日本はコートジボアールに敗北した。

滋賀県知事選では野党候補が大逆転勝利を演じた。

2006年4月の千葉7区衆院補選で民主党候補の太田和美氏が小沢一郎民主
党新代表の応援を受けて奇跡の逆転勝利を飾った状況に通じる部分がある。

安倍政権の「下り坂」は明確化し、内閣支持率が50%を下回った。

これが40%を下回ると、完全に転落の方向に陥ることになる。



野党再編をいびつにしているのは、民主党に悪徳10人衆の残骸が残存してい
るためである。

渡部恒三、藤井裕久、仙谷由人、菅直人、岡田克也、野田佳彦、前原誠司、安
住淳、枝野幸男、玄葉光一郎

の10名が悪徳10人衆である。

10人衆からは漏れているが、同類の議員も多数存在する

これらの面々は、既得権益側に立つ者たちである。

対米隷属

官僚利権擁護、

大資本の利益追求

これが、既得権益勢力の基本スタンスである。

2009年9月に樹立された政権は、既得権の側ではなく、主権者の側に立つ
政権であった。

この政権を破壊したのが民主党内の既得権益勢力=悪徳10人衆だったのであ
る。



この悪徳10人衆の残骸、維新、みんな、結いなどが、第二自民党を創設しよ
うとしている。

しかし、主権者国民にとって第二自民党は不要の存在だ。

主権者国民が求めるのは主権者政党なのである。

野党再編の軸は、第二自民党の創設ではなく、主権者政党の確立でなければな
らない。

そのためには、まず、民主党を分党することが必要だ。

民主党が海江田-大畠体制である間に、民主党の分党を実現する必要がある。

玄葉光一郎や岡田克也などが、代表選前倒しを要求しているが、民主党を破壊
したA級戦犯たちが何を言うか、との感が強い。

代表選前倒しを要求する者は、即刻民主党を離党して、自民党を合流するな
り、第二自民党を創設するべきなのだ。

こうした「厚顔無恥」が幅を利かせているようでは、日本の未来は薄暗い。



憲法破壊阻止

原発再稼働阻止

消費税再増税阻止

TPP不参加決定

辺野古基地建設阻止

を明示する政治勢力の結集が必要である。

この方針を明示する「人民党(仮称)」を創設し、主権者勢力の結集を図るべ
きである。

これが野党再編の軸になるべきである。

共産党は新党には加わらないと見られるが、選挙の際に、選挙協力を確立する
ことを目指すべきである。

小異を残して大同につく判断が求められる。



こうした政治の新しいうねりを、市民が主導して支えてゆかねばならない。

「主権者フォーラム」を創設して、考えを共有できる主権者の緩やかな連帯活
動を展開する必要がある。

上記の五つの問題について、熱心な市民運動を展開されてきた重要なグループ
が多数存在する。

こうしたグループが緩い連帯で、大きな輪を作り出すことが重要である。

その大きな輪に支えられて、「人民党(仮称)」の党勢を拡大させ、政権再奪
還を実現するのである。

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[脱原発世界ニュースVO1,27]今や脱原発は世界の流れに!

2014年07月26日 15時44分05秒 | 脱原発!原発のない社会の実現を目指せ

 転送大歓迎!
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Nuclear Free Now 脱原発世界ニュース2014vol.27
http://npfree.jp
2014.7. 19

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 先日、滋賀県知事選では嘉田知事推薦の「卒原発」の三日月氏が当選しました! また、原子力規制委員会が川内原発再稼働を事実上承認する方向性を示したことに対して、「脱原発をめざす首長会議」や原子力市民委員会など諸団体が記者会見を開き、再稼働反対の理由を示しました。原子力規制委員会の審査書案については8月15日までパブリックコメント(意見の募集)が始まっています。この日本の再稼働の動きに対して、英国の有名紙であるフィナンシャルタイムズは、再び日本が「安全神話」へ舞い戻っている危険性を指摘しています。ドイツでは脱原発が進み、原発建設が行われているインドで原発を描いた映画「ハイパワー」が監督と一緒に来日しています。
 このような海外の動きを日本社会でも生かし、私たちの手で再生可能エネルギーを私たちの手で発展させていきましょう!

◆「滋賀県知事選、三日月氏の当選確実『卒原発』引き継ぐ」(7月13日 朝日新聞)
http://urx.nu/agbB
◆「川内原発:田中規制委員長『安全だとは私は言わない』」
http://urx.nu/agcI
◆首長会議や市民委員会などの共同記者会見資料:http://e-shift.org/?p=3070
◆自然エネルギー財団の「ドイツエネルギー便り」:http://jref.or.jp/column_g/index.php

----------Today's Topics------------------------
【1】7/26 川内原発適合性審査にNo! パブコメ・ワークショップ
【2】原発を描いたインド映画「ハイパワー」が上映中!
【3】「脱原発をめざす首長会議」が日独セミナーを開催&会員のイベント情報
【4】「原子力総合年表ー福島原発震災に至る道」が発売開始
【5】●記事要約●「日本が原子力安全神話へ舞い戻ることへの注意」
【6】●記事要約●「インドが核の予算を増加」
【7】●記事要約●「EUが原子力の規制を強化」
【8】●記事要約●「スコットランドを経由し運ばれる核廃棄物」
【9】●記事要約●「安倍総理大臣のオーストラリア訪問はウラン貿易を改訂する機会となるだろう」
【10】●記事要約●「中国は次のチェルノブイリを輸出するのか?」

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
【1】原発を描いたインド映画「ハイパワー」が上映中!
   監督も来日中、全国で上映&監督招聘会場を募集中!
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
老朽化して「世界一危ない」ともいわれるインドのタラプール原発を描いた映画「ハイパワー」の上映会が行われています。監督は現地の原子力研究センターの元職員。作品はブラジルであった国際ウラン映画祭の短編部門で受賞したが、インド国内では「反体制的」としていまだに上映が禁止されています。

「ハイ・パワー 大いなる力」
(ブラディーブ・インドゥルガー監督作品 27分 マラティー語 日本語字幕つき)
<7月の上映>
19日東京都国立市/20日埼玉県新座市/23日東京都世田谷区/24日神奈川県鎌倉市/26日東京都千代田区/27日福島県福島市/30日福島県須賀川市 ※8月も東京、山口などで

◆詳細:http://urx.nu/ag0P
◆紹介記事:「インドの原発めぐる映画とトーク 監督が来日」(7月16日 朝日新聞)http://urx.nu/ag0J

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【2】7/26 川内原発適合性審査にNo! パブコメ・ワークショップ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
先日、原子力規制委員会が川内原発の審査書案を発表しました。現在、その審査書案は8月15日までパブリックコメントにかけられています。
◆パブリックコメント:http://urx.nu/agb3
「原子力規制を監視する市民の会」では、多くの人がパブコメを通じて、審査書案に「ノー」を表明することを呼びかけるため、わかりやすいパブコメ・ワークショップを開催します。

◆日 時:7月26日(土)18:30~20:30
◆場 所:東京しごとセンター(JR飯田橋駅5分)
◆講師:滝谷紘一さん(元原子力安全委員会事務局参与)/阪上 武さん(原子力規制を監視する市民の会)
◆主催:原子力規制を監視する市民の会/090-8116-7155
◆詳細:http://goo.gl/iaUDK9

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【3】「原子力総合年表ー福島原発震災に至る道」が発売開始
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
福島、日本、世界の原発問題を時系列に沿って膨大な情報が整理され、年表となりました。ぜひ、地元の図書館などに購入をお願いしましょう!

「原子力総合年表ー福島原発震災に至る道」原子力総合年表編集委員会編 すいれん舎(2014/06発売)(特価15000円+税)

◆詳細:http://www.sustenaken.hosei.ac.jp/isbn1111/

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【4】「脱原発をめざす首長会議」が日独セミナーを開催
                      &会員のイベント情報
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
<日独セミナーで共同声明を発表!>
先日、脱原発をめざす首長会議とドイツ・ラインラント=プファルツ州代表団との日独セミナーが開催され、共同声明が出されました。また、首長会議は単独で規制委員の人事についての抗議声明を発表しました。
当日の配付資料や動画もHPで見ることができます。
共同声明や抗議声明、登壇者資料など、ぜひ拡散、使用していきましょう!
◆詳細:http://mayors.npfree.jp/?p=2919

<滋賀県の会員3人が住民との討論会へ参加>
「地域から原発のない社会を 7/27住民討論会」
<パネリスト>平尾道雄 米原市長/藤澤直広 日野町長/村西俊雄 前愛荘町長
<コーディネーター>井戸謙一 弁護士

◆日時:2014年7月27日14時~(受付開始 13時30分)
◆会場:ひこね市文化プラザ(滋賀県彦根市野瀬町187-4)※会場連絡先 TEL:0749-26-8601 
◆詳細:http://mayors.npfree.jp/?p=3015

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【5】●記事要約●「日本が原子力安全神話へ舞い戻ることへの注意」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
(7月13日 Financial Times)http://urx.nu/ag49
 核エネルギーの絶対的な安全性を語る「安全神話」は、1960年代に広島と長崎の原爆の被害を知っている日本人に原子力を受け入れてもらうため確立されたものだ。しかしその安全神話も3月11日の福島第一原発の事故後見られた環境汚染、安全性への危機などに完全に打ち壊された。日本国内にある原子炉は現在すべて停止中だが、今安倍総理は原発を再稼働させる方向を示している。その上、原発の再稼働を早めるために原子力規制委員会に原子力推進派の者を登用したことも最近明らかとなった。これから核エネルギーを使用する方針であれば原子力のリスクを承知し、最大限の安全策をとらなければ福島のような事故が再び起こりる可能性がある。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
【6】●記事要約●「中国は次のチェルノブイリを輸出するのか?」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
(6月22日 Forbes)http://urx.nu/afZc
 現在建設が進行中の76基の原子炉のうち、28基を中国が進めている。この中でも代表的な原子炉は香港から80マイル西にある泰山に建設が予定されている。泰山原子炉の作業を進めているフランスが最近建設にあたって、中国側の透明性の欠如と安全対策に対して非協力的な体制であることについて懸念を示した。フランスの原子力安全庁は、「泰山での建設作業の状況などに関しては不透明なことが多い」と話している。現在中国は核エネルギーの輸出国になる段階を踏んでいる。パキスタンにも原子炉を建てる計画があり、さらなる核エネルギーの発展を進める方針を表明している。しかし、安全性についての問題が多数残っており、中国核工業集団公司の前副社長など中国の当局者も今後の経過への懸念を示している。今の段階では安全面を見直さない限り、中国は原子力の輸出国に適していないことが明らかとなった。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
【7】●記事要約●「インドが核の予算を増加」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
(7月11日 world-nuclear-news)http://urx.nu/ag0f
 インド政府は今年2014-2015年度の原子力省への資金として、インドルピーでおよそ170億ドル相当を割り当てた。これは前回の140億ドルの収支予算から27%ほどの増加だという。予算の90%ほどは原子力研究開発に使用される方針で、その他10%が核エネルギー生成のために使われる。研究基金のうちおよそ3.51億ドルは燃料製造と重水生産に使用が予定されている。核エネルギー生産の予算2.85億ドルは現在工事中のKalpakkam発電所の建設費約100万ドルを含むものであり、ウラン製造と抽出作業にも割り当てられる。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
【8】●記事要約●「EUが原子力の規制を強化」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
(7月8日 world-nuclear-news)http://urx.nu/ag1l
7月8日、欧州連合理事会(European Council)は、原子力安全指令(nuclear safety directive)を正式に執行することを決定し、法律化された。これにより、欧州連合の加盟国各国の法制度はこの原子力安全指令を三年以内に取り入れなければならない。この方針は全体的に歓迎されているものの、まだ許認可プロセスや安全制度が欧州連合加盟国の間で標準化されてないことが課題として残っている。しかしこの指令によって、各国当局が選ばれた課題について定期的な報告を(新たに作られる)査読委員会に提示するシステムが設立される。この過程は欧州理事会の行政幹部に当たる欧米委員会がオブザーバーとなり、欧州の原子力安全規制機関グループに規律されることとなる。査読済みの報告書などは一般公開されることとなっている。その一方、原子力安全指令は今後新しく建設される
原発に対して「原子炉建設の安全対策改善のために最新技術の使用を要する」などと方針が極めて曖昧に書かれているとの声も上がっている。当局者は「技術的要求事項を具体的に説明しすぎるのを避けることによってさらなる技術改良も含むようにしている」と説明しているという。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
【9】●記事要約●「スコットランドを経由し運ばれる核廃棄物」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
(7月6日 heraldscotland)http://urx.nu/ag1P
 スコットランドで2つの原子力発電所を運用しているフランスのエネルギー会社(EDF)が、放射性廃棄物をスコットランド経由で陸地運輸する許可を取ろうとしていることが明らかとなり、大きな問題となった。エディンバラのエネルギーコンサルタントは、「放射性廃棄物は運べば運ぶほど危険性が上がる」と話している。スコットランド政府の放射性廃棄物に対する政策事項によると、建設された施設付近に地層処分されることが要されている。North Ayrshire Councilの評議員であるアラン・ヒルさんも「放射性廃棄物の陸地運輸は非常に危険」と懸念を示しており、フランスエネルギー会社(EDF)の方針は地元スコットランド政府の核廃棄物の政策事項に原則として禁止されるはずだ発言している。原子力規制管理所は陸地運輸の方が効率のいい処分法だとその許可を説明している。EDFも今回の運
輸法の変更に関して「陸地の方が合理的だったため」と話している。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
【10】●記事要約●「安倍総理大臣のオーストラリア訪問は
             ウラン貿易を改訂する機会となるだろう」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
(7月7日 SBS)http://urx.nu/ag3l
 日本とオーストラリアの間の軍事協力と貿易関係について討議するため、来週安倍総理大臣はオーストラリアを訪問する予定。この訪問で避けることができない課題に挙げらているのがウラン・トレード。実際2011年福島第一原子力発電所の事故当初に使われていたウランはオーストラリアから輸入してきたものだった上、今もなおオーストラリアはウランを輸出し続けている。福島第一原発の事故後、ウランの大幅な値崩れによって貿易が減少し、数カ所のウラン鉱山が閉鎖されるにまで至ったものの、オーストラリアはインドや北朝鮮など核燃料使用の規制法が安全でないと見なされる国に輸出し続けている。2001年から国の原子力発電所が国際原子力機関(IAEA) の視察を受けていないロシアにも引き続きウランの輸出をしているという。このような取り組みはオーストラリアが世界のウラン輸出量の40%を占めている
ことを背景にしている。



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安倍政権の川内原発再稼働容認は憲法13条違反だ!

2014年07月26日 09時51分42秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

5月21日の福井地方裁判所樋口英明裁判長による、大飯原発運転停止命令判
決の持つ意味を再確認しておく必要がある。

この判決は大飯原発にのみあてはまるものではない。

日本のすべての原発について、同じ基準で考察する必要がある。

結論を先に提示すると、日本では、いずれの場所においても強い地震が発生す
るリスクがあり、原発の設計には、この、起こり得る地震に対して安全性を保
証できる基準をクリアすることが最低限必要であるが、現行基準はこの意味で
の安全性を確保するものにはなっていないということ。

つまり、起こり得る強い地震によって、福島同様の重大放射能事故が発生し得
るということなのだ。

このような基準の下で原発を再稼働させるわけにはいかない。

これが福井地裁判決の内容なのだ。

いま、焦点となっているのは鹿児島県川内市にある九州電力川内原発である。

九州電力は川内原発の耐震基準を620ガルとした。

しかし、この基準では原発の安全性確保はできない。

なぜなら、2008年に発生した岩手宮城内陸地震では、4000ガルの地震
動が観測されているからである。

わずか6年前に、日本国内で4000ガルの地震動が観測されている。

したがって、原発の耐震基準を4000ガルに設定するなら、まだ理解でき
る。

しかし、川内原発の基準はわずか620ガルなのだ。

この基準で「安全」だとは、到底言えない。

重要なことは、この原発の安全基準の核心と言える、基準地震動の規制基準の
内容が、日本の主権者国民にほとんど伝えられていないことなのだ。



メディアが流す情報は、

「世界でもっとも厳しい規制基準を設定して、この基準を満たした原発を再稼
働させる」

というものだ。

この言い回しで、多くの主権者が「誤導」されている。

この言い回しは、主権者を「誤導」するためのものであるから、当然と言えば
当然だ。

似たような例はほかにもある。

「混合診療の解禁は、先端医療を受けようとする患者が、先端医療を受ける際
に、保険を適用できる医療については、保険適用を認める制度だから、患者に
とって利益になる制度である」

の説明だ。

この説明を聞くと、混合診療が主権者にとって有利な制度であるような錯覚が
もたらされてしまう。

しかし、まったく違う。

現行制度には高額療養費制度があり、高額医療を受けた場合でも、本人負担に
は上限が設けられている。

普通の所得の人なら、月額8万円が負担上限になる。

混合診療で、治療費の一部が保険適用とされても、全額自己負担の金額が膨張
すれば、月当たりの本人負担は激増する。

月に数十万円の治療費などが発生することになる。

もちろん、自己資金での支出が難しいから、この費用を賄う、民間の医療保険
商品に加入しておくことが必要になる。

その保険料が高額であるから、普通の人は十分な医療を受けることができなく
なる。

安倍政権は医療費のGDP規模を膨張させようとしている。

しかし、公的医療支出を拡大させる考えはない。

つまり、公的医療支出でカバーされない医療費支出が激増することになる。

医療機関にとっては医療の売上が激増する話であるから、金儲けを優先する医
療関係者にとっては朗報である。

それでも医師会は、これまで混合診療に反対する姿勢を貫いてきた。

医療は営利を軸に考えるべきでなく、「いつでも、どこでも、だれでも十分な
医療を受けることができる日本の公的医療保険制度」を守るべきだと訴えてい
た。

その医師会が、混合診療容認に舵を切った。

医療の社会的使命よりも、医療の営利性を優先する方向に、考え方を転じたと
いうことである。



主権者に真実の情報、問題の核心を知らせず、誤った判断を生み出す説明だけ
を行ない、主権者にとって有利でない、主権者に損失を与える政策を実行して
しまう。

これが、安倍政権の手口である。

「ナチスの手口」

に通じるものである。

「詐欺師の手口」

にも通じる。

これを

「トリック&イリュージョン」



「偽計による幻想」

という。



福井地裁判決の核心部分を改めて提示しておく。

① 我が国において記録された既往最大の震度は、岩手宮城内陸地震における
4022ガルであり、1260ガルという数値は、これをはるかに下回るものである。

② 岩手宮城内陸地震は、大飯でも発生する可能性があるとされる、内陸地殻
内地震である。

③ この地震が起きた東北地方と、大飯原発の位置する北陸地方、ないし隣接
する近畿地方とでは、地震の発生頻度において有意的な違いは認められず、若
狭地方の既知の活断層に限っても、陸海を問わず多数存在する。

④ この既往最大という概念自体が、有史以来世界最大というものではなく、
近時の、我が国において最大というものにすぎないことからすると、1260ガル
を超える地震は、大飯原発に到来する危険がある。



極めて重要な事実が示されている。

本来なら、テレビの情報番組や報道番組が、この数値を徹底的に繰り返して放
送するような部分だ。

4022ガルの地震が2008年に起きているのに、大飯原発の耐震強度は1
260ガル、川内原発の規制基準は620ガル。

この数値が流布されるだけで、主権者国民に問題の核心が伝わる。

これは、特殊な人が掲げる特殊な判断基準ではない。

福井地方裁判所が判決の中核に据えている論議なのだ。

2008年に4022ガルの地震動を記録する地震が発生した。

この規模の地震が発生し得る地域で原発を設置するなら、少なくとも、地震動
についての規制基準は4022ガルをクリアするものでなければならない。

誰が考えたって、当たり前だと思うだろう。

その当たり前のことですら実行されていないのである。



マスメディアが問題の本質を伝える考えを持つなら、この数値を徹底的に流布
するはずである。

そうすると、一般の主権者が、

「4000ガルの地震がつい最近発生しているのに、1260ガルや62ガル
の耐震基準では不十分だ」

などの、本質を衝く判断を示すようになる。

ところが、そのメディアが流布している情報は何か。

それが、

「世界でもっとも厳しい規制基準を設定して、この基準を満たした原発を再稼
働させる」

というフレーズなのである。



安倍政権はマスメディアに対して、

「世界でもっとも厳しい規制基準を設定して、この基準を満たした原発を再稼
働させる」

という情報だけを報道し、

「2008年に国内で4000ガルの地震動が観測されたが、1260ガルや
620ガルの基準地震動で原発を再稼働させようとしている」

という情報は報道しないように、

「指導」しているのだと思われる。

主権者にとって、「世界でもっとも厳しい」かどうかは、基本的にどうでもよ
い話だ。

大事なことは、「発生し得る地震に対して安全が確保される規制が設けられて
いるのか」である。

そして、何よりも重要なことは、

「発生し得る地震に対して安全が確保される規制が設けられていない」

のが現実であるということだ。



「620ガルの規制基準で4000ガルの地震には耐えられない」

という、最重要の事実を日本中に流布して、浸透させる必要がある。

そして、このロジックによって、大飯原発の運転差し止め命令を出したのが、
福井地方裁判所であることを、すべての主権者に伝えなくてはならない。

福井地裁の樋口判決は、岸信介政権にとっての東京地裁の伊達判決に相当する
ものだろう。

1959年3月に東京地裁の伊達判決は砂川事件で駐留米軍に違憲判決を示し
た。

岸信介政権と米国政府は、この伊達判決を葬るために結託して行動した。

米国による内政干渉が実行されたことが、歴史の事実として残されている。

安倍晋三政権は福井地裁樋口判決を闇に葬るための方策をすでに始動させてい
ると思われる。

最高裁は政治権力の支配下に置かれている。

司法権は独立していない。

例外的に樋口判決のような正当な判決が示されるが、上級審でこれを覆す政治
権力を内閣は有しているのである。



しかし、私たちは現実の問題に、妥協なく取り組まねばならない。

4000ガルの地震が、つい6年前に起きているのに、620ガルの耐震基準
で原発を再稼働させて良いわけがない。

国民の生命、自由、幸福を追求する権利が根底から覆される明白な危険があ
り、国はこの危険に対応する責務を負っている。

川内原発の再稼働を認めることは、憲法第13条に反する違憲行為である。

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(第19回国会・衆議院外務委員会議事録第57号を見よ!)

2014年07月25日 12時42分23秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

日本一新運動」の原点―223号に平野代表が書いている、
『これを外務省は隠している。(第19回国会・衆議院外務委員
会議録第57号を見よ!)』の該当部分は以下の通りである。

              (国会会議録より該当部分を抜粋)

第19回国会 外務委員会 第57号 
      昭和29年6月3日(木曜日) 午前11時48分開議

 出席委員
   委員長 上塚  司君
   理事  今村 忠助君 理事 福田 篤泰君
   理事  野田 卯一君 理事 並木 芳雄君
   理事  穗積 七郎君 理事 戸叶 里子君
       北 れい吉君    佐々木盛雄君
       増田甲子七君    須磨彌吉郎君
       河野  密君    西尾 末廣君
 出席政府委員
       外務事務官
         (アジア局長) 中川  融君
       外務事務官
         (条約局長)  下田 武三君
 委員外の出席者
         専  門  員 佐藤 敏人君
         専  門  員 村瀬 忠夫君
    
本日の会議に付した事件  外交に関する件
    
○上塚委員長 これより会議を開きます。(中略)

○穗積委員 一点だけ下田条約局長にお尋ねしておきたいのです
が、それは日本の憲法と、日本が外国との間に共同防衛の体制を
つくる、またはそういう集団的な防衛機構の中に参加することと
の関連について、今までいろいろ法理的に御研究になつておられ
るだろうと推測いたします。またその必要を生じている情勢だと
も思います。そこで政策上のことは総理または外務大臣にお尋ね
いたしたいと思いますが、局長は純法律的の立場からその問題を
どういうふうに御解釈になつておられるか。いろいろな場合が想
定されるかと思います。日本の憲法は、これはさまつたものでご
ざいますが、特にあとの防衛機構から生じます日本が負う軍事的
義務の内容いかんによつていろいろな場合があろうと思います。
今まで多少予想されますいろいろなケースを考えてみて、いろい
ろな場合生じて来るだろうと思いますが、それらについて局長の
法理的な御解釈をこの際承つておきたいと思いますが、いかがな
ものでしようか。

○下田政府委員 現憲法下におきまして、外国と純粋の共同防衛
協定、つまり日本が攻撃されれば、相手国は日本を助ける、相手
国が攻撃されたら、日本は相手国を助ける、救援におもむくとい
う趣旨の共同防衛協定を締結することは、現憲法下におきまして
は不可能であろうと存じております。

○穗積委員 その不可能だといわれる点は、憲法の条章でどこで
さしつかえがございましようか。

○下田政府委員 その理由は、憲法第9条第2項の「国の交戦権
は、これを認めない。」というところにあるわけでございまして、
共同防衛を約束しながら、おれの国は交戦権がないから、お前の
国が攻撃されても、武器をとつて救援におもむいて、交戦権をフ
ルに行使して助けに行くことはできないのだというようなことで
は、どこの国も共同防衛協定を結ぼうとする気づかいがないわけ
でありますから、従いまして交戦権禁止の規定からして不可能で
あるというように存じております。

○穗積委員 交戦権を発動しない事実上の戦闘行為の限界につい
て、今まで政府のお考えは、たんくかわつて来てもおりますし、
人と場所によりましてまた多少の食い違いがあつたと思いますが、
交戦権の発動を伴わない事実上の自衛権の発動または警察行為、
そういう解釈はどういうようにされるといたしましてもいずれに
しても交戦権を発動しない事実上の戦闘行為、そういうものによ
る協力、これはお考えになりませんか。

○下田政府委員 交戦権を発動しない事実上の戦闘行為だけに参
加するということは、現憲法下で許される事実上の戦闘行為の範
囲は、自衛権の限界内でございますので、自衛権の限界内である
ということは、相手国が攻撃されただけではなくて、日本自身に
対して侵略の危険または現実の侵略があつて、初めて自衛権の発
動になるわけであります。これは共同防衛という観念よりも、む
しろ日本自身の自衛権行使の問題になるのでありまして、従つて
共同防衛と観念いたしますよりも、むしろ日本自身の自衛という
問題であるというように考えております。

○穗積委員 そういたしますと、第一に交戦権とか自衛権という
ことが、一体何を交戦権と言い、自衛権の発動というものをどの
程度に解釈するかということが、問題になつて来るわけです。実
は今おつしやいましたように、日本の自衛権というものは、日本
国に対する直接の、つまり日本の領域内に対する直接攻撃以外で
も、日本の自衛を危うくするという解釈が、今まで日本において
も行われましたし、現在自由主義諸国の間においてもそういう拡
大解釈が行われているわけでございますが、そういうことで集団
的自衛権の強化という考え方を政府によつて認めておられます以
上は、そういう自衛権というものは、具体的には一体どういうこ
となのか。自衛権の発動ということは、どこまでの限界の行為を
自衛権の行為として認めるのかということになりますが、その点
はいかがでございましようか。非常に今まで拡大解釈されており
まして、言葉のあやから言いますと、今おつしやつたように、考
えられないというようなお話でございますが、自衛権の発動とい
うものは、何も領域内の行為に限らないわけでございますから、
そういう場合に非常に日本の安全なり、自衛のために協力関係に
ある国の安全が脅かされたときに、日本の自衛なり安全に非常な
脅威を感ずるということで、集団的自衛権という解釈が出て来て
おるわけです。その点はあなたのおつしやる自衛権とは、一体ど
ういう意味で、ございましようか。どの限界を言つておられるの
でございましようか。その点ちよつと明らかにしておいていただ
きたいと思います。

○下田政府委員 平和条約でも、日本国の集団的、個別的の固有
の自衛権というものは認められておるわけでございますが、しか
し日本憲法からの観点から申しますと、憲法が否認してないと解
すべきものは、既存の国際法上一般に認められた固有の自衛権、
つまり自分の国が攻撃された場合の自衛権であると解すべきであ
ると思うのであります。集団的自衛権、これは換言すれば、共同
防衛または相互安全保障条約、あるいは同盟条約ということであ
りまして、つまり自分の国が攻撃されもしないのに、他の締約国
が攻撃された場合に、あたかも自分の国が攻撃されたと同様にみ
なして、自衛の名において行動するということは、一般の国際法
からはただちに出て来る権利ではございません。それぞれの同盟
条約なり共同防衛条約なり、特別の条約があつて、初めて条約上
の権利として生れて来る権利でございます。ところがそういう特
別な権利を生ますための条約を、日本の現憲法下で締結されるか
どうかということは、先ほどお答え申し上げましたようにできな
いのでありますから、結局憲法で認められた範囲というものは、
日本自身に対する直接の攻撃あるいは急迫した攻撃の危険がない
以上は、自衛権の名において発動し得ない、そういうように存じ
ております。

○穗積委員 集団的自衛権という観念は、もうすでに今までに日
本の憲法下においても取入れられておるわけです。そうなると、
今おつしやいましたような論理を厳密に考えて行くと、すでに憲
法のわくを越えるものだというように考えますが、その点はどう
いうふうに理解しておられるのでしようか。

○下田政府委員 集団的自衛というのは、先ほど申しましたよう
に、まだ一般的の確立した国際上の観念ではございません。特別
の説明を要して初めてできる観念でございますから、現憲法のも
とにおいては、集団的自衛ということはなし得ない。国際法上、
たとえば隣の国が攻撃された場合に自国が立つ、そうすると攻撃
国側は、何だ、おれはお前の国を攻撃してわけじやない、なぜ立
つて来るかといつて、これは国際法上、攻撃国側から抗議あるい
は報復的の措置に出られてもいたし方のない問題でありまして、
現行国際法上は、特別のとりきめなくして集団的上自衛権という
ものを確立したものとは認めておらない。従つて憲法は自衛権に
関する何らの規定はないのでありますけれども、自衛権を否定し
ていない以上は、一般国際法の認める自衛権は国家の基本的権利
であるから、憲法が禁止していない以上、持つておると推定され
るわけでありますが、そのような特別の集団的自衛権までも憲法
は禁止していないから持ち得るのだという結論は、これは出し得
ない、そういうように私は考えております。

○穗積委員 大体局長のお考えは、きようのお話や、今までわれ
われが伺いましたものを総合いたしまして、推測ができるわけで
ございます。これ以上は、もう少し具体的な問題が出て参りまし
てからあらためて伺いたいと思います。
 最後に念のためにちよつと伺つておきますが、今のその御解釈
は、これはあなた個人の御意見ではなくて、外務省または政府を
代表する統一された御意見と理解してよろしゆうございますか。

○下田政府委員 穗積委員の御質問の集団的自衛権と憲法との関
係につきましては、政府の確立した見解を樹立するための相談を
いたしたことはまだございません。そういう抽象的の理論として
確立したのでなくして、現実問題として相談いたしたことはあり
ますが、そういう理論を立てるための相談をいたしたことはござ
いません。従いまして先ほど私が申しましたのは、外務省と申し
ますよりは、外務省条約局の研究の段階で得た結論だと申し上げ
る方がよろしいかと思います。

○穗積委員 非常に慎重に御答弁でございますが、条約と憲法と
の関係について、特に国際関係の法理の解釈については、われわ
れとしてやはり条約局のお考えというものは、外務省または政府
を代表する意見として見なければならぬ。ということは、今申し
ましたようなことは、具体的な問題におきまして、さらにもう少
し立ち入つた議論をしなければなりませんが、対外的な国内法の
上に立つて行政を行つておる条約局が、条約と国内法との関係に
ついてはつきりした政府を代表する意見でなければ、外国との条
約上の交渉または協定の交渉または行政措置の交渉というものは
できないはずだと思うのでございまして、これは機構の客観的な
しかも合理的な解釈からいたしまして、条約と国内法との関連に
ついては条約局長の御意見というものは、政治通念からいたしま
して、外務省または日本政府の解釈として見なければならない。
そうでございませんと、条約局たけの行為だということになれば、
今までできました条約と国内法との関連において矛盾しない範囲
において、日日の行政事務を処理して行かなければならぬ条約局
としては、エグゼキユーテイヴ、執行部でございますから、そこ
における解釈が背骨になつていなければ、一つ一つの行政事務は
できないはずです。そういうことになれば、この御解釈というも
のは、もとより政府を代表するものとわれわれは考えざるを得な
いのでございまして、当然なことを念のために念を押したという
だけなのでありますから、ひとつすなおにお答えいただきたいと
思うのです。そういたしますと、あなたのお答えでは、場合によ
れば違つた考えが一部政府の部内にあるかもしれませんが、そう
いうことを無視して、実は黙認されておる以上は、かつてに解釈
して、条約局だけで事務を処理していいのだということになりか
ねない。ほかのことについてもそうなる。ですから当然そういう
ふうにわれわれ考えるわけですが、いかがなものでしようか。

○下田政府委員 私どもも政府のエグゼキユーテイヴの一つのブ
ランチといたしまして、一応のルーテインの処理はいたしており
ます。小さい問題でございましたら私ども内部で処理する案件も
たくさんあるわけでございますが、大きな問題でございましたら、
これはもちろん政府の関係部局と十分の相談をいたしまして、政
府の意見というものを確立する必要があるわけであります。とこ
ろがただいま御提起になりました問題は、まだ現実の問題ではご
ざいませんで、まつたくの仮定に立つた問題であります。共同防
衛と申しますか、集団的自衛の問題になりますと、日本がまずそ
れに加入しえる集団安全保障の一単位といたしまして、カウント
される事態になつて、初めて持ち上る問題であります。ただいま
の自衛力漸増が完成いたしましたあかつきに、やつと日本は集団
完全保障の一つの単位として見られることに相なると思いますか
ら、まだその最初の一歩に入つただけでございますので、現実の
問題ではございません。従いまして、外国から集団防衛機構に入
れというような申込みのあるはずもございません。政府といたし
まして何らかの重要な決定をいたすというのは、現実問題として
起つた場合に行われることでありまして、ただいまのような、た
だ抽象的な理論の問題として政府が見解を先走つてきめるという
必要はないのであります。まつたくの法理上の問題として、条約
局の見解を申し述べた次第でございます。     (以下略

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○『運気』 が落ち始めた安倍政治!!

2014年07月25日 11時25分16秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

◎「日本一新運動」の原点―223

            日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

○ 『運気』が落ち始めた安倍政治!

 ブラジルのW杯では、日本チームは事前予想を裏切り、一勝も
できずに散々な結果に終わった。その時、私が感じたのは「これ
で安倍首相の〝運気〟が落ち始めるな・・・」ということだった。
W杯の期間は日本で「集団的自衛権」の与党協議の最中だ。もし、
日本チームがベスト8にでも残っていれば、七月一日の安倍首相
記者会見の反応も、こうまで評判は落とさなかったと思う。

 政治には「無関係の関係」という法則がある。W杯と集団的自
衛権とは論理的には関係ない。しかし、W杯で日本チームが大活
躍していればテレビや新聞の報道は大騒ぎとなり、集団的自衛権
の危険性を指摘する報道は激減したであろう。七月上旬の報道各
社の世論調査で、安倍内閣の支持率は激減した。多くの調査では
10%近く、NHKという安倍政権擁護メディアでさえ5%ダウ
ンと驚くべき数値であった。

 安倍政権の応援団はNHKだけではなく、読売・産経・日経グ
ループといったマスメディアもあって、圧倒的に世論を誘導する
力を持っている。滋賀県知事選挙では、約42%の人が自公推薦
候補が敗れた理由に「集団的自衛権行使容認の閣議決定」を挙げ
ている。ネット世論では約67%の人が解釈改憲を評価していな
い。それにしても「集団的自衛権」の解釈改憲に反対する国民が
60%を超えた事実は大きい。日本人の政治意識は案外健全であ
る。私の推測では、安倍政権の猿知恵側近たちが企んだ計算は、
W杯の期間中に意図的に「集団的自衛権」の与党論議を続行して
閣議決定を行えば、W杯の騒ぎの中で、批判も減少すると踏んだ
のではないかと思う。この目論見は外れたわけだ。高度な情報社
会というのは、このように情報操作を前提とするもので、余程国
民自身がしっかりと目を見開かないと、権力側に騙されることに
なる。

「集団的自衛権」をめぐる今回の国民世論の結果は、安倍首相に
とっては想定外のことであろう。権力は、W杯の結果を情報操作
に利用できるが、W杯の結果を左右することはできない。それは
人間の力を超えた「天命」のようなものがあるからだ。権力者が
驕り高ぶり、謙虚さが失われたとき「運も実力のうち」という法
則は消える。〝運気〟は墜ちてくるのが宇宙の理(物事の筋道)
である。
 そういえば7月17日に発生した、ウクライナ領域内でのマレ
ーシア航空機事件だが、親ロシア派による撃墜の可能性があると
いわれている。外務省関係者は「タイミングが悪すぎる。日ロの
関係改善がまた滞りかねない」とこぼしているとのこと。これも
「運気の落ち」かもしれないが、この事件の世界経済への影響が
無視できない。株価の世界的急落が始まるだろう。経済の低迷が
続けば、政府や日銀が想定する「景気の夏以降の回復」は難しく
なる。アベノミクスの命取りになる可能性がある。

 もうひとつの「運気の落ち」は、11月に予定されている沖縄
県知事選挙だ。自民党本部と沖縄県連で、仲井真現知事の立候補
をめぐって調整ができなかったが、仲井真氏が事実上立候補表明
をした。一方の翁長雄志那覇市長は普天間米軍基地の県内移設に
反対して幅広く県民に支持がある。一騎打ちとなれば結果はだい
たい読める。安倍政権の沖縄政策の根っ子から打撃を受ける。ど
うやら、お天道さんの堪忍袋の緒が切れたようだ。

(国民の60%超が反対し、国会議員の70%が賛成する
                 安倍解釈改憲政治の危険性)

 7月14・15日の2日間、衆参両議院で「集団的自衛権」の
集中審議が行われた。自民・公明の言動はもとより、野党の論議
について国民の評判はきわめて悪い。国民の多くが心配している
「集団的自衛権」問題と各党が提起する問題にすれ違いというか、
異次元さを感じるのは私だけではないだろう。
 東京新聞の7月16日(朝刊)が、各党論議を総括している。
それを参考にして、どこに国民の気持ちとの捻れがあるのか点検
してみたい。

○民主党 限定的な行使を容認する意見も党内にあり、行使自体
 の是非は明確な判断に踏み込んでいない。ただ閣議決定による
 行使容認には、海江田代表も「国民の声を無視している。大い
 に疑義がある」と反対した。

○共産党 「地理的な限度がなく、海外の武力行使がどこまでも
 拡がる」(小池晃政策委員長)

○生活の党「国民の信を問うべき内容だ」(村上史好衆議院議員)

○社民党「立憲主義を根本から否定する暴挙だ」(吉田忠智党首)

○結いの党 「過去の憲法解釈を簡単に踏み越えるのは暴走と言
 われかねない」(柿沢未途政調会長)

○日本維新の会 解釈改憲により行使容認に「わが党は賛成だ」
(片山虎之助参議院議員)(結いの党とは合流を予定し、統一会
 派として活動しているが見解は別れており、統一見解を模索中)

○次世代の党(維新の会分党予定) 「政府の閣議決定を高く評
 価する」(桜内文城衆議院議員)

○みんなの党 浅尾代表が閣議決定の具体的内容を問うにとどま
 った。

 この東京新聞の総括記事に不満を持つ方もあるだろうが、要約
すればこんな程度だったと思う。安倍首相が「国民の生命を護る
ため」といやに高揚した言い方が気になったが、満州事変も日華
事変も「国家の生命線」とか「邦人の生命擁護」のための武力行
使から始まっている。それに「集団的自衛権」の技術論や運用論
を、いくら議論しても安倍政権の術中に入るだけだ。もっと大事
な問題がある。
 閣議決定後の国会論議といえば、風呂の中の屁と同じ。国民の
胸にストンと落ちてこないようであり、そこら辺の検証が必要で
ある。そこで集団的自衛権の解釈改憲に批判的な大手新聞が特集
している有識者の声を読んでみるとある特長が浮かび上がってく
る。それは70歳代以上の高齢者の心情だ。戦争体験者をはじめ、
戦後焼け跡を記憶している人たちの声だ。戦争や戦争が醸し出す
人間の悲しみを、受けとめる政治家というか、政党がいないとい
うことである。「集団的自衛権」の解釈改憲に反対する立場の政
治家でも、それらの人々の心の叫びが理解できず、憲法の手続論
か、安全保障の技術論でしか問題を捉えていないのだ。考えてみ
れば、衆議院議員480名と参議院議員242名、合計722名
の国会議員のうち、約70%が安倍首相の「集団的自衛権解釈改
憲」の理解者であることが空恐ろしい。


(「集団的自衛権」の本質を知らない最近の外務官僚たち!)

 7月20日(日)の朝日新聞朝刊に、元外務次官の竹内行夫氏
が登場し「今回の行使容認はきわめて抑制的なものだ。朝日の報
道には疑問を感じる」と語っていた。そして問題発言があった。
「従来の政府解釈は他国防衛説であったとみられます。・・・・
今回、自国防衛説に変わったとわたしはみています」と。それは
岸内閣の60年安保改定の第五条で伏線を敷いていたとし「他国
防衛のための集団的自衛権を導入するには、憲法改正が必要だと
考えますが、今回(自国防衛説)は第9条の理念を守り、許され
る範囲で解釈の変更をしたのであって、解釈改憲との批判は当た
らない」と述べている。

 原点―219号で採り上げたが、60年安保改定が岸内閣で行
われ、岸首相が退陣した直後(昭和35年8月10日)、政府の
憲法調査会で元外務省条約局長の西村熊雄氏は、国連加盟の申請
書について次のように述べている。「日本政府はその有するあら
ゆる手段で国連の義務を遵守するが、日本のディスポーザルにな
い手段を必要とする義務(憲法9条関係)は負担しないことをは
っきりさせ、提出しました」と、〝留保〟を明言した。

 さらに西村元条約局長は、60年安保改定の議論に対して証言
の最後に「この点(留保を付したこと)は忘れられていますけれ
ど、この機会に報告しておきます」と、当時の外務官僚の怠慢を
意識して警告を発したものと私は理解している。「集団的自衛権」
について〝他国防衛説〟とか〝自国防衛説〟という議論は、外務
官僚が自分の都合で利用する屁理屈である。要するに事実上他国
で武力行使をすることだ。
 敗戦後、わが国は東西対立、米ソ冷戦や代理戦争の中で生きて
きた。飢餓から脱出して、復興、そして豊かな生活を実現してい
くため吉田保守本流政治が阻止すべき課題がふたつあった。
 ひとつはソ連の指導による日本の武力革命阻止であった。もう
ひとつは米国が要求し、岸保守亜流が企む再軍備の阻止だった。
前者は昭和36年の日本共産党の戦略変更によって、議会主義に
よる政権獲得路線となる。もっともその後共産党はソ連と決別し、
日本社会党がソ連の支援を受けるようになる。

 問題は保守亜流岸派の動きである。米国は講和条約の代償とし
て日本に再軍備を要求したが、吉田首相は拒否する。戦犯岸信介
氏は政界復帰後、再軍備を目指して政権獲得に挑戦する。協力し
たのは米国CIAであった。吉田首相は米国と交渉を重ね、憲法
上の疑義を批判されながら自衛隊の設置まで決断する。吉田首相
にとって「集団的自衛権の容認」は、戦前軍事国家への回帰の峠
であった。退陣の半年前、自衛隊法の制定と同時に「憲法上許さ
れない」との政府見解を出すことになる。これを外務省は隠して
いる。(第19回国会・衆議院外務委員会議録第57号を見よ!)
「集団的自衛権」とは、日本にとって国際法上の権利という次元
の問題ではない。「戦前の軍事国家」に進むかどうかの問題だ。
戦争を知る世代の人たちの心情はここにある。     (了)

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約3週間休んだブログを👀再開

2014年07月25日 11時14分54秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

約3週間休んだ、ブログを今日から再開します。

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公明党をブッた斬る、いまなぜに悪質な組織の欺瞞性を問題にするのか

2014年07月03日 09時49分55秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

 

 今回自民党ファッショ的安倍内閣と連立を組んでいる公明党で、

憲法無視の集団的的自衛権閣議決定を1日に行うようである。創価学会

を母体とする。 公明党については、今から44年前に時の著名な政治学者

であっ藤原弘達氏が、創価学会を斬るという本を出版、ところが執拗な

妨害を受け続けたが、 藤原氏の創価学会への「政教分離」の闘いは続け

られた。その後に出版されたのが書名「創価学会公明党ををブッた斬る」 

いまなぜ悪質な組織の欺瞞性を問題にするのか」である。昭和60年
10月15日発行、その本の中でP226に次のように藤原弘達氏は公明党に
ついて警告的に書いている。  以下引用文。
公明党は国民政党としての資格なし、公明党はファッショの
起爆剤、危険がいっぱい。とし中略 以下引用、
 
 「結成初期の公明党について、私は「公明党が社会党と連立を組
むとか野党連合の中に入ることは、まずありえないと考える。
その意味において、自民党と連立政権を組んだ時、ちょうどナチス・
ヒットラーが出たた時の形と非常によく似て、自民党の中に
ある右翼ファッシズム的要素、公明党の中にある狂信的要素、 
この両者の間に奇妙な癒着関係ができ、保守独裁体制を安定化
する機能を果たしながら、同時にこれを強力なファッシ的
傾向にもっていく起爆剤的役割りとして働く可能性も非常に多く
もっている。そうなった時には日本の議会政治、民主政治もまさに
アウトになる。
そうなってからでは遅い、ということを私は現在の段階において敢え
ていう」 と、前著『創価学会を斬る』 の中に書いた。以上引用。
 
 (^0_0^)公明党をリベラルな政治評論家、政治学者の中では公明党を
穏健に見ているようだが、政治学者であった藤原弘達氏の、公明党の見
方が適格性があるだ。 現状の公明党の本性が正に現れていたのであろう。 
公明党の母体である創価学会はいまや、日本の大企業である。
トヨダ自動車を凌ぐ、総資産10兆円の宗教法人である。年間の収入は
4000億円超、非樺税の寄付金を千億単位で集めている。創価学会の本部
があるJR総武線信濃駅の中央改札を出てすぐ、外苑東通沿って右に曲が
れば、そこはすでにもう、創価王国である。信濃町はほとんどが創価学
会の関連施設で占められているのである。
 
 今回の自公政権による集団自衛権行使の閣議決定の対応を見るにつ
けて、改めて、藤原弘達氏の「創価学会を斬る」「創価学会公明党
ブッた斬る」の著書の警告をまざまざと、見せつけられた感がある。
 公明党の本性と対応を国民は十分と知っておく必要がある。

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憲法破壊政権と闘う政治勢力を結集する!急がねばならない!

2014年07月03日 09時48分50秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

 文字通りの「暴挙」である。

安倍晋三政権が憲法を「なしくずし改定」して、集団的自衛権行使を容認する
閣議決定を行った。

権力の暴走を防ぐために存在する憲法を、権力が破壊するときに、主権者にはどのような手段が残されているのか。

主権者の「力」によって、この政権=政治権力を取り除くしかない。

問われるのは、主権者の「力」である。

メディアの反応は二つに割れた。

最後の良心を残して、安倍政権の暴挙を糾弾するメディアが多数存在する一方で、こうした暴挙にさえ賛意を示す、堕落メディア、腐敗メディア、御用メ
ディアが存在する。

16社体制のなかで、辛うじてメディアの良心を失わずにいるのが、

中日、北海道、西日本の地方ブロック3紙である。

安倍政権の暴挙を明確に批判した。

中日:9条破棄に等しい暴挙 集団的自衛権容認

北海道:集団的自衛権の行使容認 日本を誤った方向に導く

西日本:安倍政治を問う 試される民主主義の底力

西日本のタイトルは安倍政権糾弾とは読み取れないが、本文では、安倍政権の対応を厳しく批判した。



地方紙のなかには、政治権力に対する批判精神を失っていない社がいくつか存在する。

その代表が琉球新報、沖縄タイムズの沖縄2紙である。

琉球新報:解釈改憲閣議決定 日本が「悪魔の島」に
     国民を危険にさらす暴挙

沖縄タイムズ:[集団的自衛権容認]思慮欠いた政権の暴走

ほかにも、河北新報(宮城)、信濃毎日新聞(長野)、京都新聞、徳島新聞、愛媛新聞などが、安倍政権の暴走を厳しく批判した。

河北新報:集団的自衛権/重い選択、あまりに軽く

信濃毎日:安保をただす 閣議決定へ 独断に異議申し立てを

京都:自衛権閣議決定  9条空洞化の責任は重大だ

徳島:自衛権閣議決定(上) 将来に禍根を残す暴挙だ

愛媛:集団的自衛権閣議決定 平和国家を危うくする暴挙

誰もが、常識の判断で、安倍政権の対応が言語道断の暴走であることが分かるから、さすがに、平時は御用報道を展開するメディアの多くが、今回の安倍政権対応を「暴挙」だとして批判している。



ところが、こうしたなかにあっても、安倍政権を絶賛してやまない報道機関が存在する。

読売:集団的自衛権 抑止力向上へ意義深い「容認」

産経:集団的自衛権容認 「助け合えぬ国」に決別を

日本経済:助け合いで安全保障を固める道へ

と、この3紙が安倍政権迎合の姿勢を隠さない。

5つある全国紙のうちこれ以外の2紙は、

朝日:集団的自衛権の容認―この暴挙を超えて

毎日:歯止めは国民がかける

全国紙では、朝日だけが安倍政権批判で、読売、産経、日経の3紙は安倍政権礼賛。毎日は腰の引けたタイトルを提示し、安倍政権批判でない。

毎日は経営危機に直面した際、公明党の機関紙である聖教新聞の印刷を委託されて窮地をしのいだと言われる経緯があり、公明党の方針に反する記事を書くことができないのだろうと思われる。

16社体制の悪徳の中心に位置するNHKは、7月2日午前零時からの「時論公論」で、偏向解説者の島田敏男氏が、

「憲法解釈変更 その先は?」

と題して偏向解説を示した。政府の決定に対する批判的分析を提示せず、政府決定を紹介。論評ではなく、基本的に単なる政府広報である。

「あべさまのNHK」の傾向が一段と色濃くなっている。



国民の過半数が反対している「なしくずし憲法改定」は憲法破壊行為である。

この憲法破壊行為を、読売、産経、日経の御用三紙と系列テレビキー局が絶賛するから、日本の言論空間では、主権者の声がかき消される。

安倍政権が閣議決定についての記者会見を行ったときに、首相官邸前では1万人以上の市民が集結して怒号をあげた。

しかし、日本のマスメディア情報空間を御用勢力=権力迎合勢力=堕落勢力が
占有しているため、主権者の声がかき消されているのだ。

日本の民主主義の危機、日本の危機である。

この危機を打開するには、安倍政権を打倒して、安倍政権を退場させるしかない。

そのための、主権者による運動を拡大、拡散していかなければならない。



中日新聞は社説にこう記した。

「政府がきのう閣議決定した「集団的自衛権の行使」容認は、海外での武力の行使を禁じた憲法九条を破棄するに等しい。憲政史上に汚点を残す暴挙だ。

(中略)

政府自身が憲法違反としてきた集団的自衛権の行使や、海外での武力の行使を
一転して認めることは、先の大戦の反省に立った専守防衛政策の抜本的な見直
しだ。

正規の改正手続きを経て、国民に判断を委ねるのならまだしも、一内閣の解釈変更で行われたことは、憲法によって権力を縛る立憲主義の否定にほかならない。

(中略)

自衛隊が実際に海外で武力が行使できるようになるには法整備が必要だ。早け
れば秋に召集予定の臨時国会に法案が提出される。

そのときこそ国権の最高機関たる国会の出番である。政府に唯々諾々と従うだ
けの国会なら存在意義はない。与党、野党にかかわらず、国会無視の「解釈改憲」には抵抗する気概を見せてほしい。」



タイトルの「9条破棄に等しい暴挙 集団的自衛権容認」

と比較すると、本文の表現はぬるい。暴挙を糾弾する怒りが伝わってこない。

たしかに、議会制民主主義は、主権者が選挙を通じて代表者を国会に送り込
み、その代表者が重要な政治決定を行う仕組みだから、主権者が主権者の意思を代表できる代表者をしっかりと選ばなければ、民主主義が適正に機能しない。

安倍政権が暴走するとしても、その安倍政権を生み出したのは、主権者自身で
あることに着目すると、こうした、ぬるい表現になってしまうのかも知れな
い。

琉球新報の社説を紹介する。


「戦後日本の立脚点を覆す転換が、いともやすやすと行われた。

安倍内閣が集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更を閣議決定した。これ
ほどの大転換が、主権者たる国民の審判を仰ぐことなく、国会の採決を経ることもなく、一内閣の解釈だけでなされた。立憲主義と法治国家の否定で、内閣
による国民からの主権簒奪(さんだつ)、クーデターに等しい暴挙だ。

国際社会から日本は原理原則の無い国だと見られても仕方がない。安倍内閣は
憲政史上、最も法の支配を軽んじた内閣として、歴史に名を刻まれるだろう。

(中略)

世論調査で行使容認への反対は過半数に上る。それなのに政府は国民に諮るこ
となく決めた。そこに正当性などあるはずがない。

ここに至る過程がまた姑息(こそく)な議論の連続だった。

憲法改正をたやすくする憲法96条改定論が「裏口入学」と批判されると、1959年の砂川事件の最高裁判決を根拠に解釈改憲を図る。

だが「判決は個別的自衛権を説明したものだ」と指摘されると、今度は72年
の政府見解を持ち出した。

「集団的自衛権の行使は認められない」と結論付けている見解を、行使容認の根拠に使うことの倒錯を批判されると、議論は一気に後退した。

根拠が次々に変遷したこと自体、論理性の乏しさを裏付ける。

(中略)



米国の要請によりベトナム戦争に加わった韓国は、ベトナム国民から根深い怨嗟(えんさ)の的となった。

当時、日本は憲法の歯止めがあったから参戦せずに済んだが、今後は日本中が「悪魔の島」になる。

恨みを買えば東京が、原発が、ミサイルやテロの標的となろう。それで安全が高まると言えるのか。

安倍晋三首相は「イラク戦争や湾岸戦争に参加するようなことはない」と強調
るが、日本は戦後ただの一度も米国の武力行使に反対したことはない。

徹頭徹尾、対米従属だった国が、今後は突然、圧力をはねのけるようになるとは、まるで説得力を欠いている。

(中略)

他国からすれば無数の米軍基地が集中する沖縄は標的の一番手だろう。米軍基
地が集中する危険性は、これで飛躍的に高まった。

(中略)

政府は早急に国民の審判を仰ぎ、その民意を反映する閣議決定をやり直すべきだ。民主主義国、法治国家ならそれが筋であろう。」



琉球新報社説は論旨明快で筋が通っている。

政権批判を展開するなら、腹を括って、この程度に、クリアに問題を指摘するべきである。

産経新聞は

「政府が集団的自衛権の行使を容認するための憲法解釈変更を閣議決定した。
日米同盟の絆を強め、抑止力が十分働くようにする。そのことにより、日本の和と安全を確保する決意を示したものでもある。

安倍晋三首相は会見で、「いかなる事態でも国民の命と平和な暮らしを守る」
と重ねて表明した。行使容認を政権の重要課題と位置付け、大きく前進させた腕を高く評価したい。」

醜いまでの御用ぶりを発揮している。

ひたすら政府にすり寄り、御用に徹する。

このスタンスが伝わってくる。

読売新聞は、

「米国など国際社会との連携を強化し、日本の平和と安全をより確かなものにするうえで、歴史的な意義があろう。

政府が、集団的自衛権の行使を限定的に容認する新たな政府見解を閣議決定した。

安倍首相が憲法解釈の変更に強い意欲を示し、最後まで揺るぎない姿勢を貫い
たことが、困難な合意形成を実現させたと言える。」

と記述して、安倍政権を絶賛している。

日本経済新聞は、

「安倍政権は政府の憲法解釈を変え、禁じられてきた集団的自衛権の行使をできるようにした。戦後の日本の安全保障政策を、大きく転換する決定である。

一部からは「海外での戦争に日本が巻き込まれかねない」といった不安も聞かれる。しかし、日本、そしてアジアの安定を守り、戦争を防いでいくうえで、
今回の決定は適切といえる。国際環境が大きく変わり、いまの体制では域内の秩序を保ちきれなくなっているからだ。」

と記述して、やはり、安倍政権の対応に賛意を送っている。



ものごとの評価は分かれるから、賛否両論があるのは当然であろう。

集団的自衛権の行使について、賛否両論があるなら、意見を戦わせ、議論を深めるべきだろう。

しかし、このことと、憲法改定の手続きを尊重するかしないかは、まったく次元の異なる話である。

安倍政権は、1972年に政府が明示した憲法解釈を紹介しながら、この憲法解釈が明確に禁止していると判断したことを、容認しようとしているのだ。

こうした「なしくずし改憲」は、意見の相違の問題ではなく、民主主義の根幹を破壊するかどうかの問題である。

こうした基本を破壊して、「数の論理」で突き進もうとするのは、「狂気の行動」としか言いようがない。



野党では、生活、社民、共産、民主が、安倍政権の解釈改憲に反対する見解を
示した。

正常な判断を示すことができる政党が残存していることは、不幸中の幸いである。

読売新聞などは、民主党が解釈改憲に反対したが、集団的自衛権行使の是非にいては、党内論議が固まっておらず、民主党内の足並みがそろっていないことを揶揄するが、民主党は、これを契機に、速やかに分党するべきだ。

集団的自衛権行使を容認する民主党内の勢力は、民主党内に存在する悪徳勢力である。

この悪徳勢力は、速やかに民主党を離党して、新党を作るなり、多党に合流するなりすべきだ。

日本を立て直すには、立憲主義を否定して、憲法を破壊する勢力に対峙する、
良心ある政治勢力が結束して、現在の与党勢力に対抗できる規模を確保していくことが必要不可欠だ。



読売新聞は、自公の与党以外に、維新やみんなが賛成していることを強調する
が、これらの勢力はすべて、対米従属=対米隷属の勢力である。

各種世論調査は、集団的自衛権行使容認の問題について、過半数の主権者が反対であること、そして、それは、単に「なしくずし改憲」に反対するのではなく、「集団的自衛権の行使そのもの」に反対するものなのだ。

私たちは、国会における現有議席に惑わされるべきでない。

現有勢力は、主権者の意思を反映しない状況になっている。

主権者の意思を代弁する政治勢力が、いま、極端に縮小しているのである。



それは、選挙のやり方と、主権者の行動の仕方の二つのことから生じた現象で
ある。

小選挙区制の選挙では、候補者を一人に絞ることが必要不可欠だ。

多党乱立で、候補者乱立になれば、この候補者が選挙に勝つことは著しく困難になる。

そして、「勝てない」との予想が、主権者の足を投票所から遠のかせる要因になる。

主権者の半分が選挙に行くことを放棄してしまった。

主権者の意思を代表する政治勢力の結集が必要不可欠だ。

そして、小選挙区選挙の候補者を各選挙区一人に絞り込む。

同時に、主権者の選挙棄権を排除する。

この二つの条件が整えば、国会勢力図は一変する。

民主党の海江田代表は、早期の民主党分党を推進するべきだ。

無為に時間をすごし、民主党内の悪徳勢力による民主党乗っ取りを防がねば
らない。

日本政治を一から立て直して、日本を「戦争をしない国」に引き戻さなければならない。

★暴政とは、広辞苑には「暴虐な政治」と記されている。乱暴な苛酷な

る政治「国民を苦しめ政治」とも言われている。戦後60年にして民主主

を破壊するし、憲法までも破壊するような安倍政権を一刻も早く國民は

打倒する権利を今のうちは持っているが、このままであればそれまで奪

われて奴隷にされてしまうであろう。変わる政党を一刻も早く立ち上げ

打倒すべきである。

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生活の党 小沢一郎代表 集団自衛権行使を容認する閣議決定を受けて

2014年07月03日 09時48分04秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

 

 集団的自衛権行使を容認する閣議決定を受けて

平成26年7月1日
生活の党
代表 小沢一郎

本日、安倍内閣は集団的自衛権行使を容認することを閣議決定しました。

わが国の自衛権は、それが個別的であれ集団的であれ、日本が直接攻撃を受けたときに限りこれを行使できるのであって、それ以外のわが国と直接関係のない国・地域の紛争に関し、集団的自衛権の名の下に自衛隊を派遣することは憲法9条によって許されておりません。

だからこそ歴代内閣も、集団的自衛権については「保有しているが行使できない」との憲法解釈を行ってきたのであります。

それにもかかわらず、今回、安倍内閣が閣議決定で集団的自衛権行使を容認するのは、正に立憲主義と憲法の精神を根底から否定し、戦後日本の平和国家としての歩み、信頼を著しく毀損するものであり、到底容認できるものではありません。

本件は、戦後の日本の安全保障、国のあり方を根本的に変えるものであり、一内閣の一時的な判断で変更できる性質のものでは全くありません。安倍内閣がどうしてもこれを行いたいとするならば、憲法9条の改正を発議して、国民に問うべきであります。

言うならば今、これまで憲法が高らかに謳い上げてきた国民主権・基本的人権・平和主義・国際協調のすべてが危機に瀕しています。

生活の党はこのような議会無視、国民無視の安倍政権と全面的に対峙していきます。平和主義を規定する憲法第9条の理念を堅持し日本の平和と安全を図るとともに、日本と直接関係のない紛争については、国連の決定に協力し、世界平和の維持を目指します。

 

 

 

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○『立憲政治を護る闘』いはこれからだ!

2014年07月03日 09時47分36秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

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━━【日本一新】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                   通巻第220号・2014/7/1
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                     顧問:戸田 邦司
                     発行:平野 貞夫
                     編集:大島 楯臣
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◎「日本一新運動」の原点―220

            日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

○ 『立憲政治を護る闘い』はこれからだ!

 七月一日(火)、安倍自公政権は集団的自衛権の行使を容認す
る閣議決定を行った。この暴挙は、憲法九条に対する権力による
クーデタだけではなく、立憲政治へのテロ行為といえる。
 何故、憲法が集団的自衛権の行使を許さなかったのか。それは
国連憲章五十一条の立案経過を知っていた日本の指導者たちが、
「不正な侵略戦争」に利用される可能性を危惧していたからであ
る。ベトナム戦争など戦後史を知ればわかろう。安倍首相は「国
際情勢の変化」を理由とするが、確かに「変化」があった。
しかし、それは集団的自衛権の行使によって問題が解決できない
情勢への変化である。

 その変化は、グローバル化によって人・情報・文化などが国境
を消した情勢になったことだ。紛争や戦争となれば人類の多くが
受ける悲劇は計り知れない。憲法九条で世界の信頼をもつ日本が、
智恵と外交力で世界の混乱を収めることこそ、「積極的平和主義」
である。
 情報によれば、安倍首相がこうまで急ぐ理由は、イラクで米国
が参戦する事態を想定してとのこと。それを阻止できない公明党
とは何であったか。結党五〇年という節目で、これまでの矛盾し
た政治行動を自爆させることになった。創価学会員を言い含める
ことはできても、国民を騙すことはできない。

 わが国の議会政治の混迷に驚いているのは、首都東京に雹を降
らした、お天道様だけではないようだ。六月二十六日(木)、二
十七日(金)と立て続けに二人の報道記者が私に連絡をしてきた。
朝日新聞政治担当のA記者と、共同通信政治担当のB女史で、二
人とも「集団的自衛権の解釈改憲」が入り口だが、日本政治の根
本問題について私から話を聞きたかったようだ。僅か二人とはい
え、諦めてはいけない。まだこの国に望みはある。
 話の要点を、メルマガ読者諸兄に紹介しておこう。

(朝日新聞政治部A記者との懇談)

 A氏は、「竹下内閣や海部内閣時代、自民党一強時代でも野党
と徹底した話をした。国会も厳しい議論をした。国民も納得した」
と昔話から始めた。「昨年の特定秘密保護法といい、今年の集団
的自衛権問題といい、民意がまったく生かされていない。国会が
役割を果たしていない事態をどう考えればよいか」と攻めてきた。

 私は、「国会や政治の動きを正確に知りたいならば、単純に昔
の国会と、今の国会の表側の動きだけを比較しただけでは駄目だ。
動きの背景に何があったか、国民的合意をつくる核がどこにあっ
たか、これらのことを知っておくことだ」と、まずはマスメディ
アの表顔姿勢を注意した上で、「僕が事務局日記をつけていた、
昭和六十年から平成三年という時代は、自社五五年体制の崩壊期
で、米ソの軍拡競争から冷戦終結、そして国連中心主義の時代だ
った。内外の政治の軸が激変していて、政治家もマスコミも先が
読めず、そんな背景からお互いの立場を超えて真剣に議論した。
国会運営だけではなく、政局や政党のあり方などについて、与野
党の政治家から意見を求められた。それを日記に残したわけだ」
という話から始めた。

A氏 今の政治を動かす軸は何処にあるのか?。

平野 表向きは安倍首相と側近だろうが、実体は安部人脈の官僚
と有識者だろう。さらに、その政策の内容を無批判に正当化する
マスメディアの一部もセットに考えるべきだ。今の国会は「脳死
状態」だから国民的合意ができるはずはない。

A氏 自社五五年体制は、資本主義か社会主義かの対立軸があっ
た。今、対立軸が不明だ。

平野 政党や政治家が対立軸に気づかないのだ。特定秘密保護法
でも集団的自衛権問題でも「戦前回帰の政治か」、「戦前の軍国
主義には反対だ」という根本的な対立軸があるのだ。そういう歴
史認識を政治家だけではなく、マスメディアもしていない。

A氏 共産党・社民党はわかっていると思うが?。

平野 共産党の「唯我独尊姿勢」が結果的に戦前回帰政治に荷担
することになっている。自党だけで政権を獲れるという幻想が最
近強くなった。他の少数会派は、ほとんど影響力を行使する力は
ない。民主党にも安倍首相に同調する勢力が二〇人前後いる。維
新の会、みんなの党、結いの党も、安全保障の技術論ばかりで、
戦前政治への反省と歴史観を学んでいない。

A氏 政治家の質の劣化が混迷の原因か?。

平野 国会議員の質が悪いからというだけで問題の解決にはなら
ない。そもそも、「金権強欲社会」で質の良い国会議員が多く選
ばれるはずはない。先進国でも同じことだ。デモクラシーの伝統
をもつ国は、それぞれ国情にあった運営ノウハウを「影の制度」
として持っていて、それがデモクラシーの欠陥を補完している。
日本人はそれに気づかず、議会民主政治の建て前だけで、民主主
義が機能すると錯覚している。

A氏 先進国のデモクラシー運営ノウハウとはどんなものか?。

平野 英国では内閣府の中に特殊な部署があって、議会と内閣が
与野党の調整をやっている。表には出さないセクションだ。スタ
ッフは議会の先例や歴史に精通しており、地位も名誉も金も要ら
ない。「英国の政治が正常に動くことを生き甲斐」とし、大きな
トラブルや問題を解決して、民主政治を担保しているのだ。仏国
では憲法院という法律の合憲性を審査する憲法裁判所が、その役
割を果たしている。議会で制定し、施行前の法律も審査するぐら
い議会へのチェックをやる。メンバーは大統領・国民議会議長・
元老院議長が個人的責任で三人づつ任命し、元大統領が終身の構
成員だ。その時代の賢人といわれる人たちが選ばれる。歪みとな
った現代の代表制民主主義、迷走する直接民主主義の統治システ
ムを補完している。独国では、伝統的に内務省が国民に信頼され
ていて、ここで政治問題の調整をやっているといわれている。
米国では最高裁判所が議会に対しても、行政府にも厳しく対処す
ることで、デモクラシーを機能させてきたといわれている。最近、
人事の問題で行政府が強くなったようだ。

A氏 日本はどうなんですか?。

平野 私の経験では、昭和四十~五十年頃には、政治の混迷に、
元首相や元衆参議長が非公式に集まり、私たち国家の運営の先例
や情報を知っている人間を使って収拾策をつくった。「角栄、い
いかげんいしろ!」などと進言して、憲政の常道を守った時期が
あった。今では「憲政の常道」という言葉すら聞かれなくなった。
今の日本で喫緊に必要なことは、国会・内閣・司法やマスメディ
アなど、憲法運用に関わる機関をチェックする「憲法オンブズマ
ン」の設置だ。

(B女史との電話懇談)

B女史 憲法九条の解釈改憲といわれる「集団的自衛権問題」は
七月一日に閣議決定して、十四・十五日に国会で集中審議で内定
しているようです。納得いきませんが、論理的にどういうところ
が間違っているんですか。

平野 わが国は憲法九条の運用を「専守防衛とし、集団的自衛権
の行使はできない」ことを国是として確立してきた。これを限定
的とはいえ、行使できるように解釈で変更しようとしている。日
米安保条約も自衛隊も憲法九条の解釈を変更したものだから問題
ないと主張するのが自公両党だ。
 これは不条理というものだ。戦後の厳しい国際状況の中で、憲
法九条を必死に護り抜いてきた国民合意の限界をぶち破り、他国
で戦闘できるようにすることは、九条の原理や性格を根本的に変
更するものである。変更するなら憲法改正手続で行うべきだ。
「自公政権は立憲主義を否定するものだ」と、衆参議長が抗議す
べきだ。仏国の憲法院なら許さないことだ。

B女史 公明党はよく合意しましたね。

平野 民主党へ政権交代した時からの傾向だが、「弁護士政治家」
に原因がある。国会を国民代表の議論の場ではなく、政党の民事
訴訟の場にした。集団的自衛権の与党協議は自民党が高村副総裁、
公明党が北側幹事長、それに加えて山口公明党代表も弁護士だ。
私に言わせれば政治家弁護士が、憲法の原理をもっとも知らない
ようだ。形式論理の三百代言で憲法の平和主義を冒涜している。
与党から示された「高村妥協案」は、北側幹事長が裏でつくった
といわれている。山口代表が高村合意案を「憲法九条の規範は変
わらない」と評価したが、これは公明党の代表による自爆宣言だ。
公明党の弁護士政治家と、裏で操っている創価学会顧問弁護士に
問題があるようだと仄聞している。


 安倍自公政権は「国会の憲法改正発議権」を踏みにじり、「国
民投票による憲法改正権」を国民から奪った。お天道様はもとよ
り、真実を知り始めた国民の怒りは厳しいと私は思う。
「立憲政治を護る闘い」はこれからだ。        (了)

 

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