転送大歓迎! ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ Nuclear Free Now 脱原発世界ニュース2014vol.20 http://npfree.jp 2014.5. 31 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 大飯原発の運転差し止めの判決が出たにもかかわらず、関西電力は再稼働の条件が整えば高裁判決前にも大飯原発を再稼働するという司法を無視するような発言を行いました。また、政府は原子力規制委員会の人事で、再稼働慎重派の島崎委員長代理らの後任に、元日本原子力学会会長で原発推進を唱える田中知氏(東京大教授)らを充てる案を提示しました。この田中氏は東京電力の関連団体から報酬50万円以上を受け取っていたことが判明しており、政府が民主党政権時代に定めた厳格な人選基準に抵触するのではないかとの批判が出ています。 今月時事通信が行った世論調査では、脱原発志向が84%という結果が出ました。また福井地裁の運転差し止め判決は韓国の地方選挙などにも影響を与えています。明日は首相官邸・国会前で川内原発再稼働への大規模なデモが行われます。大多数の市民が脱原発であることを目に見える形で示しましょう! ◆「大飯原発 高裁判決前、再稼働も 関電社長『条件整えば』」(5月28日 東京新聞) http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014052802000136.html ◆「『厳格』から『推進』へ 旧体制に逆戻りか」(5月28日 共同通信) http://www.47news.jp/47topics/e/253916.php ◆「規制委員候補に電力側から報酬 田中教授、50万円超」(5月27日 共同通信) http://www.47news.jp/CN/201405/CN2014052701002272.html ◆「脱原発志向、84%=『重要な電源』1割-時事世論調査」(5月28日 時事通信) http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2014052800631 ◆「日本の原発判決が韓国に与えた影響」(5月28日 日経ビジネス) http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20140527/265487/?P=1 ----------Today's Topics------------------------ 【1】5/31 川内原発再稼働についての自主的公聴会 in 薩摩川内市 【2】2015年 第3回国連防災世界会議 in 仙台 【3】6/1 川内原発再稼働やめろ! 官邸・国会前☆大抗議 【4】6/1 川内原発再稼働についての緊急集会 in 水俣市 【5】6/11 飯舘村の酪農家が語る原発災害のリアル 【6】「脱原発をめざす首長会議」が避難計画に関する勉強会を開催しました 【7】●記事要約●「台湾、脱原発運動と独裁主義の辛い過去」 【8】●記事要約●「クダンクラム、作業員事故からの警告」 【9】●記事要約●「トルコ、ソマ炭鉱事故後の原発建設計画」 【10】●記事要約●「アメリカ、原子力緊急時対応基地の運営開始」 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 【1】5/31 川内原発再稼働についての自主的公聴会 in 薩摩川内市 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 原子力市民委員会が、川内原発再稼働について幅広いご意見をお寄せいただく場を設けることとしました。ぜひみなさんの意見をお寄せください。 ◆日時:年5月31日(土)13:30~16:30 ◆会場:川内まごころ文学館 多目的映像ホール(薩摩川内市中郷町2-2-6) ◆参加費:500円(資料代含む:『原発ゼロ社会への道―市民がつくる脱原子力政策大綱』1部) ◆主催:原子力市民委員会 ◆詳細:http://www.ccnejapan.com/?p=3229 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 【2】2015年 第3回国連防災世界会議 in 仙台 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 2015年3月に、国際的な防災戦略について議論する国連主催の国連防災世界会議が宮城県仙台市で開催されます。会議には国内外から延べ4万人以上が参加することが見込まれており、当日のブース出店などの関連事業の公募も行われます。また、この世界会議には原発事故が盛り込まれていないため、ピースボートなど幅広い市民団体が事務局に入って立ち上がった2015防災世界会議日本CSOネットワーク(JCC2015)が原発問題を議論するような機会を作れるように働きかけをはじめています。 ◆国連防災世界会議について:http://pbv.or.jp/blog/?p=10457(ピースボート災害ボランティアセンター) ◆2015防災世界会議日本CSOネットワーク(JCC2015):http://jcc2015.net/ ◆仙台開催実行委員会:http://www.bosai-sendai.jp/ ◆関連事業への参画について:http://www.bosai-sendai.jp/article/?c=100143 ◆主なスケジュール 2014年6月23日~26日 第6回アジア防災閣僚級会議(バンコク) 2014年7月14日、15日 仙台会議第1回準備会号(ジュネーブ) 2014年6月下旬~7月頃 関連事業の公募開始予定(仙台市発表) 2014年11月17日、18日 仙台会議第2回準備会合(ジュネーブ) 2015年3月14日~18日 仙台会議本番(仙台) 国連防災世界会議と原発事故に関する指摘:http://kawasakiakira.at.webry.info/201307/article_4.html ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 【3】6/1 川内原発再稼働やめろ! 官邸・国会前☆大抗議 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 政府の目論む川内(せんだい)原発再稼働に対し抗議します! 全ての原発の再稼働反対!の意思を可視化し圧力をかけましょう! 現在日本は稼働中の原発ゼロの状態です。このまま原発ゼロをキープしましょう! ◆日時:6月1日(日)14:00~17:00 ◆場所:首相官邸前・国会議事堂周辺 ◆主催:首都圏反原発連合 ◆詳細:http://coalitionagainstnukes.jp/?p=4211 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 【4】6/1 川内原発再稼働についての緊急集会 in 水俣市 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 脱原発をめざす首長会議が熊本県水俣市で、川内原発再稼働についての緊急集会を原子力市民委員会とともに開催します。福島県双葉町の井戸川克隆 元町長も来場予定。 ◆日時:6月1日(日)14時~16時 ◆会場:熊本県水俣市公民館本館2階 第一研修室(熊本県水俣市浜町二丁目10-26)※水俣駅より徒歩20分 ◆主催:脱原発をめざす首長会議/原子力市民委員会/共催:原発避難計画を考える水俣の会 ◆参加費:500円 ◆詳細:http://mayors.npfree.jp/?p=2683 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 【5】6/11 飯舘村の酪農家が語る原発災害のリアル ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 福島県飯館村の元酪農家・長谷川健一さんは、原発事故後の福島を自らのカメラで記録し、仮設住宅で生活しながら飯舘村の巡回を続けています。国内各地で講演を重ね、ドイツ、ベルギー(欧州議会)、オーストラリア(ウラン採掘地)でも講演されました。原発被災者の生の声に耳を傾け、これからの国のあり方を考えましょう。 ◆日時:6月11日(水)19:00~20:00 ◆場所:ピースボートセンターとうきょう(高田馬場駅より徒歩7分) ※地図:http://www.peaceboat.org/about/tokyo#addressmap ◆参加費:300円(要予約) ◆主催:ピースボート ◆予約方法&詳細:http://www.peaceboat.org/event#event20140402 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 【6】「脱原発をめざす首長会議」が 避難計画に関する勉強会を開催しました ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 5月26日に首長会議が勉強会を開催しました。会員の京都府京丹後市、兵庫県篠山市、滋賀県米原市、愛媛県西予市、宇和島市から首長などが避難計画に関する報告を行い、専門家による問題点の提起が行われました。資料なども一部アップされています。 ◆詳細:http://mayors.npfree.jp/?p=2699 「「30キロ圏外も避難態勢を」 脱原発首長会議」(5月25日 朝日新聞) http://www.asahi.com/articles/ASG5S672SG5SPTJB00M.html ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 【7】●記事要約●「台湾、脱原発運動と独裁主義の辛い過去」 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 「台湾、脱原発運動と独裁主義の辛い過去」(5月21日 The Diplomat) http://thediplomat.com/2014/05/taiwans-nuclear-future-and-authoritarian-past/ 台湾では今も新北市の第4原発の全面凍結を呼びかけている。反対運動は元民主進歩党議長、林義雄のハンガーストライキで勢いを増した。台湾の脱原発運動は一見、安全意識の高い環境専門家やアカデミックと実用主義の経済学者や政府官僚の対立に見える。だが、台湾の反対運動は経済や安全性以上の課題を取り上げている。 台湾は長年、独裁支配の下で苦しんだ経験がある。このなか民衆の脱原発運動は、民主主義を語る政府に脱原発の呼びかけだけでなく、民衆の意思を尊重するよう呼びかける運動だといえよう。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 【8】●記事要約●「トルコ、ソマ炭鉱事故後の原発建設計画」 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 「トルコ、ソマ炭鉱事故後の原発建設計画」(5月26日 Today's Zaman) http://www.todayszaman.com/news-348641-plans-for-nuclear-plants-pump-up-fears-after-soma-mine-disaster.html 5月13日、ソマの炭鉱事故で301人がなくなった。この事故を踏まえて、トルコは原発に目を向ける方針を示した。現在トルコには原発はない。だが炭鉱の安全を確保できないなか、トルコは原発の安全性を約束することができるのか。現在、メルスィン県の南部アックユに1基、トルコの北部のスィノプに2基、原発建設が予定されている。 炭鉱の事故の原因のもとを探ると、作業員の安全に対する怠慢が明らかになる。また、アックユとスィノプでは地震が多い。政府は原発建設のリスクを軽視してきた。原発の安全性を問う民衆は増えている。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 【9】●記事要約●「クダンクラム、作業員事故からの警告」 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 「クダンクラム、作業員事故からの警告」(5月22日 Dianuke)http://www.dianuke.org/recent-accident-in-koodankulam-tip-of-the-iceberg/ 先週、作業員6名が熱湯の流出により火傷を負った事件は、インドの国政選挙の日と重なり、メディアに注目されずに過ぎてしまった。事件直後、インド国営原子力会社、またクダンクラム原発からは事件の情報は発表されなかった。 今回の事件では放射能漏れはなかったが、このような事故が原発作業員にとって日常化していることこそ原発の現状を明らかにしている。また、施設の事故体制がいかに不十分であるかがわかる。6人の作業員事故に適した体制がとれない中、一大事故が発生した場合、どのような対処が行われるのかが問われる。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 【10】●記事要約●「アメリカ、原子力緊急時対応基地の運営開始」 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 「アメリカ、原子力緊急時対応基地の運営開始」(5月23日 World Nuclear News) http://www.world-nuclear-news.org/RS-First-base-for-US-emergency-response-2305141.html アリゾナ州フィーニックスでアメリカの緊急時対応第1基地が運営開始した。この基地はアメリカの100原発の安全を維持・確保するために必要な機材が準備されている。事故発生の24時間以内にどの原発施設にも必要な対応が届くよう体勢が整っている。この緊急対応基地はアメリカが原発の安全性を保証する最大限の注意を示すものである。日本でもこのような緊急対応対策があれば、福島原発事故の被害は違ったであろうともいわれている。 **************************** ※「脱原発世界ニュース」バックナンバーはこちら↓↓↓ http://www.unfinished.jp/email_v2/backnumber.php?uid=antinuclear2012&pid=2 ※「脱原発世界ニュース」配信ご希望の方は、 以下の登録フォームよりご登録いただく事ができます(無料) http://npfree.jp/emailmagazine.html <連絡先> 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場3-13-1 B1 ピースボート内 「Nuclear Free Now」事務局 Tel: 03-3363-7561 (担当:越智/塚越) Fax: 03-3363-7562 Twitter ID:DATSUGENPATSUtw facebook : 脱原発世界会議 当メールの送信アドレスは送信専用となっております。 お問い合わせはこちらからお願いいたします。 http://npfree.jp/contact/ ****
にほんブログ村
集団的自衛権の行使に関する論議は二つに分けて考察することが必要だ。
ひとつは、集団的自衛権行使そのものの是非。
もうひとつは、憲法解釈を変更することの是非。
両者を区分して議論するべきであるが、国会論戦を含めて、両者が混同された
論議が多い。
もちろん、重大であるのは、憲法解釈変更の問題だ。
内閣が憲法解釈を自由に変えられるということになると、憲法は意味を失う。
憲法解釈変更とは、憲法の内容を変えることである。
憲法の内容を改定するのは憲法改正=憲法改定で、その手続き、用件は日本国
憲法第96条に規定されている。
第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、
国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この
承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、
その過半数の賛成を必要とする。
日本国憲法改定のハードルは高い。
硬性憲法である。
憲法改定のハードルはなぜ高く設定されているか。
憲法が国の基本法であり、憲法は政治権力の暴走を防ぐために定められている
ものだからである。
政治権力の暴走を許さない。政治権力が暴走しないように憲法が制約を課して
政治権力の行動を縛る。
これが「立憲主義」の考え方である。
安倍晋三氏は選挙で勝った政権は憲法解釈を勝手に変えられると受け取れる発
言を示した。
そしていま、現行憲法の条文を変えずに、集団的自衛権の行使を容認しようと
している。
この問題については、歴代の政権が政府としての公式見解を示してきた。
「日本は独立国として個別的自衛権、集団的自衛権を有するが、日本国憲法の
規定により、集団的自衛権は行使できない」
というのが、日本政府が明示し続けてきた見解である。
この憲法解釈は正当なものである。
日本国憲法第9条の条文は以下の通りである。
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国
権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する
手段としては、永久にこれを放棄する。
日本は、
国際紛争を解決する手段としては、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又
は武力の行使は、永久にこれを放棄する
こととしているのである。
この規定により、日本の集団的自衛権行使は憲法によって禁止されていると解
釈され、これが政府の公式見解となってきた。
このなかで、安倍政権が集団的自衛権行使を容認するというのは、憲法否定の
行為であり、日本国憲法第99条に違反する違憲行為である。
日本国憲法第99条には次の条文が置かれている。
第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員
は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
難しい話ではない。
誰にでも理解できることがらである。
安倍晋三氏が、信念をもって日本が集団的自衛権を行使できるようにするべき
だと考えるなら、堂々と憲法改定を提案すればよい。
立憲主義に立つ政治を行う考えがあるなら、これが唯一の進むべき道である。
国会で、こうした正論が広く展開され、安倍政権の暴走に歯止めをかけること
が求められているが、いまの日本の国会は著しく歪んでしまっている。
政界再編が取り沙汰されているが、野党のなかで、集団的自衛権行使容認の憲
法解釈変更を容認する見解が示されている。
維新とみんながこの考えを示している。
立憲政治を踏みにじる政治勢力が拡大していることは、日本の危機を意味する
と言って過言ではない。
およそ考えられない事態が進行しているのだ。
安倍首相の暴走に同調する姿勢を示す政治勢力は、結局のところ、与党にぶら
下がりたい勢力であるのだと思われる。
与党になれば、政権の旨みにありつける。
巨大な財政資金を配分する権利は、何にも代えられない巨大な利権である。
民主主義の根幹、法の支配、立憲政治を守り抜くという気概など、かけらも存
在しない。
ひたすら政治権力を求め、政治利権を求める。
低俗な政治勢力が拡大していることが、日本の危機を如実に物語っている。
生活の党の参院議員主濱了氏は、5月29日の参議院外交・防衛委員会で質問
に立った。
主濱氏は安倍政権が憲法解釈を変更して集団的自衛権行使を容認しようとして
いることについて、
「姑息な手段」
であると厳しく批判した。
集団的自衛権の行使を容認しようとするなら、正々堂々と憲法改定の手続きを
取るべきだと主張した。
多くの国民がこのように考えているのではないかと述べたが、まさにその通り
である。
5月23日の「小沢一郎議員を支援する会」主催のシンポジウムで、生活の党
前衆議院議員の辻恵氏が極めて重要な問題提起を行った。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-db00.html
辻氏は現在の日本の状況が1933年のドイツの状況と重なる点に警告を発し
た。
対外的な排外主義と、国内における議会制民主主義を無視した強権的な独裁が
民主政治を破壊するリスクを警告したのである。
第二次大戦前のドイツで、1932年、ナチス党は40%台の議席を占有し
た。しかし、過半数は確保していなかった。
このなかで、1933年、国会炎上事件という謀略事件を引き起こし、共産党
を活動停止に追い込む。
そして、全権委任法という法律を国会で決議してナチスによる独裁体制が作ら
れた。
このとき、全権委任法に反対したのは社会民主党だけだった。
その他の中間勢力がこの決議に賛成して、ナチスの独裁体制が構築されたので
ある。
安倍政権が立憲政治の根幹を破壊する暴挙に打って出ているとき、野党は結束
してこの暴挙を排斥する責務を負う。
ところが、その野党勢力のなかに、安倍政権の暴挙を後押しする勢力が浮上し
ているのである。
時代の狂気と言うべきものなのかも知れない。
「平和と福祉」を看板に掲げる公明党は、憲法改定手続を経ない憲法解釈変更
に反対の考えを表明している。
しかし、公明党が最後までこの主張を貫くのかどうかは疑わしい。
石原維新やみんなは、公明党が政権を離脱すれば、すかさず、連立政権に参加
する機会を狙っているように見える。
権力に群がる利権集団の醜い姿が透けて見える。
公明党は筋を通して下野するよりも、筋を曲げて政権に留まる実利を優先する
のではないか。
日本政治の堕落が広がっているのである。
共産、社民、生活は、安倍政権の憲法解釈変更=憲法否定行為を批判し、憲法
解釈変更に反対する主張を明示している。
辻恵氏が提唱するように、この問題で主権者と共に統一戦線を構築し、大きな
闘いを展開することが必要であると思われる。
結いの党の江田憲司氏は、安倍政権の憲法解釈変更に疑義を唱えている。
立憲政治の根幹に関わる重大問題で筋を通すことが、国家百年の計において、
何よりも重要である。
集団的自衛権の行使の是非について論議をすることに問題はない。
ものごとに対する判断、考え方、主義主張は多様である。
さまざまな意見、主張があるのは当然で、異なる主張があるなら、国会の場を
中心に大いなる議論を行うべきである。
こうした、当たり前の手続きを省略して、政治権力を確保したことをよいこと
に、国の基本法である憲法を、権力を縛る基本法である憲法を、勝手に改竄し
てよいわけがない。
悲しむべきことは、国会内において、この当たり前の正論を堂々と主張する勢
力が少数勢力に陥っていることである。
このままでは、日本が危うい。
この日本を救出できるのは主権者国民の連帯運動だけである。
法の支配、立憲主義という、法治国家の根幹を守り抜く必要がある。
集団的自衛権の世論調査、きちんと説明して設問しなければメディアの信頼性を落としてしまう
小沢一郎代表 定例記者会見(2014年5月26日)
5月26日、小沢一郎代表が定例の記者会見を行いました。
会見要旨は以下の通りです。
- 記者会見動画はこちら(外部サイト)
【 質疑要旨 】
野党各党の動きについて
Q. | 野党各党の動きについてご見解を伺いたい。まず、日本維新の会と結いの党が合流に向けた政策協議を続けているけれども、その中で「自主憲法の制定」という趣旨の文言を入れるかどうかというところでやや難航している感もある。再編に向けた一つの動きだとは思うが、これについてどう思われるかという一点。もう一つ、来年の統一地方選挙をにらんで、民主党の中で代表選を前倒ししてやるべきではないかという声が一部上がり始めているようだ。いずれも他党の話ではあるけれども、代表としてどのようにご覧になっているのかお聞かせいただきたい。(NHK) |
---|---|
A. | まさに、他の家のことだから、私がとやかく言う筋合いではないけれども、一点目の維新と結いについては、いわば言葉の問題だから両方とも冷静になればいい知恵が出てくるのではないか。大人同士の話なわけだから。結いの党の方も、絶対憲法はいじってはいけないという訳ではないのでしょう。そういうことぐらいで、意味するところは同じのとこだから、多分いい知恵が出るのだろうと思う。 それから、民主党の中のことは、何故前倒し論が出てくるのかはちょっと部外者なので分からないが、なにか漏れ聞くところによると、去年か参議院選挙の時、何か言ったとか言わないとかという話らしいけれども、これはもうまさに民主党のルールの話だし、後は党内の色々な思惑の問題だろうから、特に私がとやかく言う話ではないと思う。 |
Q. | 民主党の質問に少し関連して、民主党のルールの話だからということだったけれども、ルールの問題であると言えば、小沢代表としては、海江田さんは任期まではすべきだというような考えか。(共同通信) |
A. | だから、ルールだけから言えば当たり前である。海江田さんが辞めると言わない限りは。ただ、去年何を言ったのか、どういう党内での話し合いがあったのか、そういうことはこちらは全く分からないから、何とも言いようがないということで、それこそ風の便りで聞く事には正式な会談と答弁という形で言った話ではないようだし、その時の言葉面の様な気がするけれども、とにかく直接それを聞いていないし、どんなものなのか経過も知らないから何とも言いようがない。 |
沖縄県知事選挙候補者擁立について
Q. | 11月に選挙の始まる沖縄県知事選挙についてお伺いしたい。沖縄県議会等の野党で共闘して候補者を一本化して戦おうというようなことが言われているけれども、生活の党としては野党と共闘するにあたって、具体的にその統一候補に乗っていくのかというのと、その統一候補に乗るとしたらどういうようなことを政策として求めていくのかお伺いしたい。(IWJ) |
---|---|
A. | 私どもの方で特定の候補者を今考えているということはない。また、私どものような一番小さい政党が主導するというのも常識的に妥当ではないと思うので、そこは皆の意見が一致する方向を我々も一緒に共同してやるということになると思う。 沖縄の場合は特に、飛行場の移設、埋め立てのこともあるし、あれだけ県民が反対を叫んでいたのが、政府の特別な予算の計らいで良しということになってしまったというのでは、ちょっと県民の皆さんにもそれはあまりにも情けない結果にとられてしまうのではないか。だから、沖縄県の皆さんが本当に従来の主張をきちんと通そうということであるならば、野党が統一して候補を擁立しそれを県民が全面的に支える、支援するという形になっていくべきだと思うし、常識的にはそうなるのではないかと思う。 |
集団的自衛権に関する世論調査結果について
Q. | 集団的自衛権の新聞各社の世論調査に関して伺いたい。今日日経の結果が出て、各紙賛成のパーセンテージが大きく分かれたという結果で、読売、産経対その他という形になった。日経は賛成が28、反対が51だったと思う。この結果に関して、小沢代表がどのように考えられるかということを伺いたい。(フライデー) |
---|---|
A. | 最初からあまりメディアの世論調査に私は信頼を置いていないので、どちらでもいいけれども、非常に客観性、正当性というのが疑われてしまう。 サンプルを取って同じ抽出方法でやるのであろう。そうすると、正しいサンプリングをしたとすれば質問の仕方によって、色々と意図的な事をやっているのではということになってしまう。 だから、どうもそこが私にもよく分からないけれども、結果的にメディアの信頼性を落とすことになるのではないか。 |
Q. | 世論に関しては、結局報道だけ見るとどちらか分からないという状況になっているけれども、世論は賛成しているのか、反対しているのかというのは、小沢代表の感触としてはいかがか。(フライデー) |
A. | 何に賛成して何に反対しているのかというのが分からないのだ。集団的自衛権、賛成か反対かなんて言われたって、大概の人が正確に答えきれないでしょう。ましてや一般の国民がどっちなのだと言われたってどういうものだかよく分からないから賛否を言えない。 だから、集団的自衛権を一般的に認めるということになると、他国の戦争・紛争にアメリカもしくはその他の国と一緒に部隊を派遣する、海外派兵を可能にするというところまで言ったり、そうでなければこうだとかよっぽど説明して設問しないと分からない。 だからそこは、質問の仕方によってそういった差異が大きく、まるで正反対になってくるのではないだろうか。 だからその意味では、やはりメディアの公正さというのを皆だんだん信頼しなくなってしまうのではないか。 |
予算委員会集中審議について
Q. | 今の集団的自衛権に関連して、今週予算委員会で集中審議やる予定になっているが、党内からはぜひ小沢代表に予算委員会での党の代表として質問に立ってほしいという声が強いようだが、代表がお立ちになる予定はあるか。(岩手日報) |
---|---|
A. | 先ほどもその話があったけれど、皆がやれやれいうものだから、私も民主党の代表の時に小泉当時の首相ともやったし、それから安倍第一次内閣の時もやったけれども、私の質問に全然答えていただけなかったので、結局俗な政談みたいな話になっていまい、メディアの方もそっちの方を取り上げるし、論理的なきちんとした筋道の通った議論というのは国民に伝わらなかった。あまり、それは論理じゃないとか筋道がおかしいとかなんとかと言えば言うほど画面を通じての印象は悪くなるし。 だから先ほども言ったのだけれど、そんなにプラスにならないと私は思うと。全く議論がかみ合わないし、例えば自分の議論だけを言ったとしても、その論理も筋道の通ったいい議論だったとは絶対にならない。だから、気を使ってやるくらいなら、どこかの地方に行って皆の応援で気を使った方がよっぽど票になるのではないかと言ったのだけれども、皆は出てやってもらいたいという意見が多いようである。でも私としてはちょっと疑問だ |
アベノリスクの本質は安倍政権が衆参両院で与党過半数勢力を確保して暴走す ることである。 衆参両院で過半数勢力を確保しても、民主主義を健全に機能させるために必須 の行動原理=少数意見の尊重を重視するなら政治の劣化を防ぐことができる。 しかし、政権が「数の論理」を振り回し、「数の力」で強引に重要事項を独断 専行で決定してしまえば、政治の劣化は避けられない。 政権が国民の多数の支持によって成り立っているなら、政権の独断専行も一定 の正当性を持つだろう。 しかし、安倍政権の場合、国政選挙の際に自公の与党勢力を直接支持した国民 は、全有権者の4分の1程度に過ぎない。 4分の1の国民にしか支えられていない政権が独断専行で重要事項を決定して しまうことは正当性に欠くと言わざるを得ない。 世論調査では脱原発を求める国民が圧倒的に多い。 時事通信社が5月に実施した世論調査では、国内の原発について、 「徐々に減らし、将来的にはなくすべきだ」が 49.3% 「なるべく早くなくすべきだ」が 24.7% 「直ちになくすべきだ」が 10.3% だった。この三つの回答を示した比率は84・3%に達した。 日本の主権者は明確に脱原発の判断を有している。 ところが、安倍政権は4月11日にエネルギー基本計画を閣議決定した。 エネルギー基本計画では、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けた。 主権者の大半が脱原発の判断を有しているなかで、安倍政権は原発を積極推進 する考えを明確に打ち出したわけだ。 上記の時事世論調査では、 「原発を重要な電源として活用を続けるべきだ」は 12.7% にとどまった。 主権者の判断と遊離した政策を安倍政権は強引に推進している。 原発の再稼働についても時事世論調査では、 反対が48.7%、賛成が41.3%だった。 この数値を見ると賛成の比率が非常に高いが、ここには、回答者の誤解があ る。 それは、この設問が、 「原子力規制委員会の安全審査に合格した原発を再稼働させる政府方針」 についての是非を問うかたちになっているからだ。 回答者である国民は、 「原子力規制委員会の安全審査に合格した原発」 の表現を見て、「安全性が確認された原発」であると勘違いしてしまう。 「安全性が確認された原発」なら、再稼働させてもよいのではないかと勘違い してしまうのだ。 何が勘違いであるのかと言うと、 「原子力規制委員会の安全審査に合格した原発」 が 「安全性が確認された原発」 とは異なることだ。世論調査の回答者の多くが、両者を同一視して回答してし まっていると思われるが、両者はまったく異なるものである。 原子力規制委員会は設定された基準に適合するのかどうかを審査するのであっ て、原発の「安全」を確約するものでない。 「原子力規制委員会の安全審査」を調査回答者は「原発の安全性を確認する審 査」と思ってしまうが、そうではないのである。 もっとも分かりやすいのが、基準地震動である。 福井地裁は5月21日に大飯原発運転差し止め訴訟で、大飯原発の運転差し止 めを命ずる判決を示した。 その根拠として、福井地裁は極めて重要な事項を摘示した。 判決文から該当部分を取り出す。 「我が国において記録された既往最大の震度は岩手宮城内陸地震における40 22ガルであり、1260ガルという数値はこれをはるかに下回るものであ る。 岩手宮城内陸地震は大飯(およびすべての原発立地地点)でも発生する可能性 があるとされる内陸地殻内地震である。 この既往最大という概念自体が、有史以来世界最大というものではなく近時の 我が国において最大というものにすぎない。 (よって)1260ガルを超える地震は大飯原発(およびすべての原発立地地 点)に到来する危険がある。」 (括弧内は筆者補充部分) 原子力規制委員会の「安全審査」とは、あくまで設定された規制基準をクリア することを審査するものであって、その規制基準が十分であることを前提とす るものでない。 したがって、世論調査の質問は、 「原子力規制委員会の安全審査に合格した原発」 ではなく、 「原子力規制委員会の審査に合格した原発」 の再稼働を認めるかどうか、に変える必要があるのだ。 原子力規制委員会の審査基準は、原発の絶対安全を確保するものでない。 いつでも発生し得る地震動すら前提とされていないのである。 こうした重大問題についてすら、安倍政権が衆参両院で過半数勢力を確保して いるということだけで、国民が望まない方向で決定、運用されてしまうのであ る。 本当に深刻なリスク=アベノリスクが日本を覆い尽くしている。 原子力規制委員会では、さらに重大な事態が発生している。 原子力規制委員会の委員が政府に都合のよい人物に差し替えられるのだ。 国会同意人事は、これまで参議院で野党が反対すれば押し通すことができな かった。 参議院で野党が過半数を制していることが、政権の暴走を阻止する、重要な歯 止めになってきたのである。 ところが、参院過半数を与党が握ってしまうと、政権の暴走が放置されてしま うことになる。 安倍政権は原子力規制委員会の委員二人を差し替える方針を示し、与党多数の 国会がこの人事案に同意した。 原子力規制委員会の委員数は5名である。 この5名の委員のうち、2名が差し替えられる。 これまで、原発の安易な再稼働にブレーキをかけてきたのが、島崎邦彦委員長 代理である。 安倍政権は原発再稼働の前に立ちはだかる島崎邦彦委員を排除して、原発推進 の田中知氏を投入する。 反原発運動の旗手の一人として名高い広瀬隆氏が、レイバーネットサイトに、 この人事についてのコメント掲載されている。 http://www.labornetjp.org/news/2014/1401293802414staff01 その概要を転載する。 「原子力規制委員会の委員の田中知が候補というのは、由々しき問題です。 向こう側の反撃が予想通り原子力規制委員会の人事という形で始まりました。 原子力規制委員に田中知(さとる)だと・・・おそろしいことになりそうです。 あの人物は、1996年2月29日に再処理工場安全性チェック検討会「主査」とし て安全の結論を提出した男だ。 そして福島第一原発事故のあと、2011年9月12日に設立された原子力損害賠償 支援機構の運営委員をつとめ、電力会社の利益を代弁してきた人物だ。」 ここに見られる安倍晋三氏の手法はNHK支配のための人事介入と重なるもの である。 組織を動かす肝は人事とカネである。 人事に介入して組織の行動を支配する。 原子力規制委員会は原発再稼働の規制基準を定めて、審査を行う。 しかし、規制基準を甘く定めて、甘い審査を行なえば、安全性を確保できない 原発が稼働されることになる。 国民の生命と健康に直結する、この重大問題が、こうして政権の暴走によって 歪められてゆくのである。 問題はこれだけではない。 日本社会の根幹を破壊してしまうと警戒されているTPP. 安倍政権は主権者に6項目の公約を明示した。 この6項目の公約を守れなければ、日本のTPP参加はあり得ない。 これが6項目の公約の意味だ。 ところが、いまの安倍政権の対応は、6項目の公約がまるで存在しなかったか のような対応になっている。 6項目の公約のなかで、最重要の公約が、 「ISD条項を受け入れない」 という公約である。 「ISD条項」は日本の主権を損なうものである。 だからこそ、自民党は 「主権を損なうようなISD条項は受け入れない」 ことを公約に掲げたのである。 現在、交渉が進められているTPPで、「ISD条項」が完全に排除されてい るのかどうかを確認する必要がある。 ISD条項が含まれるということになっているなら、その時点で、日本はTP P交渉から離脱しなければならない。 これが公約を守る行動である。 TPPのなかで、もうひとつ決定的に重要な事項がある。 「国民皆保険制度を維持する」 という公約だ。 ここで注意が必要なことは、国民皆保険制度の名称だけが残っても意味がない ことだ。 国民皆保険制度の根幹は、 「いつでもどこでもだれでも、十分な医療を受ける権利が確保される」 ことなのである。 この制度を破壊してしまうのが「混合診療」の解禁である。 「混合診療」は未認可の医療行為などを受ける場合に、基礎部分は保険を適用 できる制度で、患者の医療費負担を軽減できる制度として説明されることがあ るが、狙いはまったく違うところにある。 「混合診療」を拡大して、保険が適用されない医療範囲を拡大する、言い換え れば、保険適用の医療行為を限定することが狙いであると考えられるのだ。 つまり、公的医療保険だけで医療を受ける場合、十分な医療を受けられなくな る可能性が著しく高まることになると考えられるのである。 国の狙いは公的医療保険制度の政府支出金額を抑制することである。 他方、海外の資本は医薬品、医療行為、医療機器などの価格規制が取り払わ れ、日本の医療費全体の金額が膨張することを狙っている。 国民不在、政府の財政支出抑制と外国資本の利益追求の目的だけを達成する手 段であると考えられるのである。 この「混合診療」も、いまなし崩し的に拡大されようとしている。 アベノリスクで日本が破壊される危機が日増しに高まっている。 ※植草一秀の『知られざる真実』2014年5月29日より「転載」
日本一新の会 メルマガ配信
━━【日本一新】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
通巻第215号・2014/5/29
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
顧問:戸田 邦司
発行:平野 貞夫
編集:大島 楯臣
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎「日本一新運動」の原点―215
日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観
○「安保法制懇報告書」は戦後歴史への冒涜!
5月15日(木)に、安倍首相に提出された「安保法制懇(安
倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇
談会」)報告書」に重大な欠陥があると、私に連絡してきたのは、
日本一新の会のS維持会員だった。
指摘された報告書の部分(17頁・第2章あるべき憲法解釈)は、
次のとおり。
「わが国が1956年9月に国連に加盟した際も、国際連合に規
定される国連の集団安全保障措置や、加盟国に個別的又は集団的
自衛の固有の権利を認める規定(第51条)について何ら留保は
付さなかった。」
S氏は私が、衆議院事務局時代の昭和30年代後半に、政府の
憲法調査会の国会関係問題を整理したり、平成に入ってからも、
国連平和協力法や、湾岸戦争問題に関わっていたことを知ってい
て「平野さんが、これを放置しておくことは許されませんよ!」
と、脅迫(?)してきた。
新聞で報告書を読んで、二つの致命的間違いがあって驚いた。
ひとつは、「国連加盟の日は12月18日の総会」であること。
もうひとつは、憲法第9条との関係で「軍事協力や参加の義務に
負担しないことを留保している」のに、報告書は「何ら留保は付
さなかった」と断言しているのだ。
安保法制懇の、柳井俊二座長も北岡伸一座長代理も、20年く
らい前には知らない仲ではなかったが、まずはマスコミがこの問
題を採り上げるのが筋だと思った。そこで某大手新聞と、某大テ
レビ・日刊ゲンダイの担当者に資料を添えて、報告書に重大な欠
陥があると伝えた。5月20日付の日刊ゲンダイが、5段抜きで
問題ありと適切な報道を行った。他の巨大メディアは、5月27
日現在も梨の礫である。
日刊ゲンダイの記者の話だと、安保法制懇の事務局である内閣
官房国家安全保障局の担当者は「加盟日付の誤りは何らかのミス」
と認めたが、「留保については、政府は答える立場にない」との
こと。北岡座長代理に取材を申し入れたが返事がないようだ。
その後、国家安全保障局担当者への取材で「平成2年及び13年
の政府答弁で〝留保〟していない」との回答があったとのこと。
さて、私が何故「留保」にこだわるのか。それは敗戦後の想定
を超える日本外交を苦渋の中で進めてきた先人たちの功績を、そ
の後の外務省、そして安保法制懇のメンバーが冒涜しているから
である。憲法9条という、どの国にもない軍事活動を否定した課
題を抱え国連加盟交渉に臨んだ、西村熊雄元条約局長が昭和35
年8月10日、政府の憲法調査会で「第9条を直接いわないで、
・・・・・軍事的協力、軍事的参加を必要とする国連憲章の義務
は負担しないことを(加盟申請書に宣言とし)はっきりいたした
のである。この点は忘れられておりますけれども、この機会に報
告しておきます」の述べている。「留保」という言葉がないので、
「留保」でないとするその後の政府見解は戦後政治に対する冒涜
である。
この問題は引き続き様子を見て追求していくが、今日付(5月
29日)の「日刊ゲンダイ」に、安全保障問題について私のイン
タビュー記事が掲載される。併読して参考にしていただきたい。
○「万次郎とユニテリアン思想」(草案)
4、忘れられたユニテリアン思想(続き)
(日本の近代化とユニテリアン思想)
万次郎は帰国後、自分からユニテリアンであると表明したこと
はない。キリシタン禁制であったことによろう。明治時代になっ
ても、自分がクリスチャンであったことを表明していない。その
理由はユニテリアン信仰そのものにある。宗派を超越して「人類
愛」や「隣人愛」に生きる万次郎の信条によるものであった。
明治時代になって、幕末に万次郎から人間教育を受けた大勢の人
たちが、各界の要職に就くことになる。この人たちは意識しない
ユニテリアンだった。
明治6年(1873年)にキリスト教禁制が撤廃された。正統
派の宣教活動が始まる。彼らは日本文化を理解せず、西欧文化の
優位性を主張し、キリスト教を唯一絶対の宗教と主張した。明治
新政府による憲法の制定や国会開設の準備が本格化するようにな
ると、これらの制度がキリスト教文化に根拠を置くことから、正
統派の宣教師との接触で、さまざまな困難な問題が生じた。
日本の知識人や政府要人の間では、他宗教に寛容で異文化に理
解があり、ユニテリアン教会なら、日本の真の近代化に役立つと
期待するようになる。明治初期に米国に派遣された森有礼(公使)
や、吉田清成(公使)らが、ユニテリアン思想を知り、日本に導
入する運動を行っている。また、伊藤博文の側近、金子堅太郎は
ハーバード大学留学中にユニテリアン思想を知り、日本への導入
を推進した。
明治11年(1878年)に帰国した金子堅太郎が、東大予備
門の教員となった時期、ハーバード大学で同窓のフェノロサ氏が
来日し、東大で哲学などを教えることになる。フェノロサ教授は、
エマソンの「東西文化の融合」を研究テーマとする。同氏は仏教
に改宗したがユニテリアンの支援を続けた。金子堅太郎は大きな
影響を受ける。明治22年には「明治憲法」が発布され、翌23
年には「帝国議会」が発足するという時期に、金子堅太郎は米国
に議会制度の研究に行く。ボストンのユニテリアン教会で「現在
の仏教は腐敗していて望みはないが、最高形態の仏教とユニテリ
アン思想は変わらない。ユニテリアン教はどの国よりも日本で未
来がある」と演説している。(土屋博政著『ユニテリアンと福澤
諭吉』慶大出版会)
当時の日本の知識人で、ユニテリアンに強い関心を持ったのは
福澤諭吉であった。福澤諭吉といえば、万次郎から英語を学び、
咸臨丸で米国の草の根デモクラシー(ユニテリアン思想が背後に
ある)を教えてもらった経緯がある。明治10年代にボストンに
いた福澤の長男・一太郎が、日本の宗教事情調査のため準備中で
あったアーサー・メイ・ナップ宣教師を、父に手紙で協力を要請
して関係が始まる。
福澤諭吉がユニテリアンにかける思いは普通ではなかった。ナ
ップ宣教師の活動は福澤の協力なくして成功しなかった。前述し
た明治21年4月15日の交詢社での講演も、福澤の肝いりであ
った。もっとも、ユニテリアンの協力者になったのは福澤諭吉だ
けではなかった。東大総長の外山正一、同じく加藤弘之、東大教
授で明六社をつくって啓蒙思想を普及し『自由の理』の著者中村
正直らがいた。
また、副島種臣、杉浦重剛、渡辺洪甚ら政治家や学者が理解者
であった。文学界では幸田露伴、北村透谷らがユニテリアン思想
から大きな影響を受けていた。明治政府をつくった有識者の思想
形成にユニテリアン思想が与えた影響は大きい。こういった運動
に万次郎が関わったことを実証するものはない。
福澤諭吉は慶應義塾に神学部をつくり、ユニテリアンの教育を
行う構想まで持っていた。しかし、明治30年頃、福澤はユニテ
リアンに関心を失うようになる。その経過と理由については土屋
博政氏の『ユニテリアンと福澤諭吉』で詳細に述べている。要点
は、 第1は教育勅語問題である。明治23年に発布された教育
勅語は、福澤諭吉にとってきわめて不満のものであった。日本の
キリスト教徒が全て反発するなか、ユニテリアンだけが評価する。
福澤は看過できない。
第2は、ユニテリアン宣教師間の内部抗争である。純粋にユニ
テリアン思想を広めようというグループと、支配層や有識者に迎
合することで広めようとするグループの対立である。
ユニテリアンから離れていくのは、福澤だけではない。金子堅
太郎もその一人だ。明治27年の日清戦争を契機として、天皇に
対する忠誠心とナショナリズムの高揚は、支配層からユニテリア
ンに対して関心を薄めていく。
日清戦争後、わが国では資本主義が急速に成長する。支配層や
知識人から離れたユニテリアン運動は、労働問題や社会問題を解
決しようと真剣に考える人たちによって継承されている。安部磯
雄、鈴木文治、村上智至らがユニテリアンとなり、社会派の政治
家・島田三郎が協力者となる。鈴木文治は安部磯雄の指導で、ユ
ニテリアン教会を足場に労働者救済のための組織「友愛会」をつ
くる。その労苦の経過は、吉田千代氏の『評伝 鈴木文治』(日
本経済評論社)に詳しく記録されている。
大正元年(1912年)8月1日、「友愛会」は労働者の共済
的親睦団体として発足する。大正10年には「日本労働総同盟」
として全国組織の労働運動の中心となる。戦時体制となるにれ、
国家体制に組み入れられた。
敗戦後の混乱期には米ソ冷戦の影響を受け、労働運動も混乱を
きわめる。戦後の経済成長、豊かな社会、そして自分中心文化と
ともに、労働組合運動も「友愛の精神」が忘れられていく。現在
も鈴木文治の精神を継承すべく「友愛会」は組織として活動して
おり、東京都港区芝に「友愛会館」がある。その場所が、かつて
のユニテリアン教会であったことを知る人は、関係者でも少ない。
(この項、続く)
スポーツにおける差別撲滅が重要な課題になっている。
サッカー・Jリーグでは3月8日に行われた試合で、浦和レッズサポーターの
一部が
「JAPANESE ONLY」
という人種差別的と受け止められても仕方のない横断幕をスタジアムに掲示。
それをクラブ側も試合終了後まで撤去できなかったことが大きな問題に発展し
た。
米プロバスケットボール・NBAでは、4月29日、クリッパーズのオー
ナー、ドナルド・スターリング氏に永久追放処分と250万ドル(約2億60
00万円)の罰金を科すことが発表された。
スターリング氏は友人女性との会話で、元レーカーズのスーパースター、マ
ジック・ジョンソン氏らとの交友関係に疑問を呈し、
「黒人との交友を吹聴するな、試合にも連れてくるな」
などと発言した。この会話の録音テープが芸能専門サイトに公開されて問題が
発覚した。
十種差別の撲滅は世界的に重要なテーマになっている。
こうしたなかで、日本国内で新たな問題発言があったことが報じられている。
報じられているとは言っても、『週刊金曜日』が報じているだけで、他のメ
ディアは意図的に問題を伏せているようにも見える。
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=4394
記事タイトルは、
「“昭和天皇万歳”集会で――舞の海氏が排外発言。」
以下に記事を転載させていただく。
「改憲を唱える政治団体が4月29日、東京・明治神宮会館で開いた「昭和の日
をお祝いする集い」で、厚労政務官・高鳥修一衆院議員(自民)らを先頭に、
来賓と全参加者約250人が起立し、“聖寿万歳”と称し「天皇陛下万歳」を
大合唱した。
この日は昭和天皇の死去後、みどりの日になったが2005年に昭和の日に法
改正。主催団体であるNPO法人「昭和の日ネットワーク」は、吉見義明中央
大学教授の従軍「慰安婦」問題訴訟で被告・桜内文城衆院議員(維新)の代理
人を務めている高池勝彦弁護士の事務所に連絡先を置く。
“式典”では、竹下亘衆院議員(自民)に続き、田沼隆志衆院議員(維新)が
「祝日法に『昭和天皇陛下の誕生日』という言葉を入れると共に、『文化の日
を明治の日に、勤労感謝の日を新嘗祭にする』よう、祝日法全体を見直す」と
も発言。そのほかの野党では民主党の金子洋一参院議員の名も祝電で披露され
ていた。
「昭和天皇と大相撲」と題し“記念講演”をした舞の海秀平氏が「外国人力士
が強くなり過ぎ、相撲を見なくなる人が多くなった。NHK解説では言えない
が、蒙古襲来だ。外国人力士を排除したらいいと言う人がいる」と語ると、参
加者から拍手が湧いた。
“日の丸”旗を手にした男性が「頑張れよ」と叫び、会場は排外主義的空気が
顕著になった。さらに舞の海氏が「天覧相撲の再開が必要だ。日本に天皇がい
たからこそ、大相撲は生き延びてこられた。天皇という大きな懐の中で生かさ
れていると感じる。皇室の安泰を」と結ぶと、大拍手が起こっていた。
最後の拓殖大学吹奏楽部による記念演奏会は“昭和のメロディー”と題された
ものだが、「陸軍分列行進曲」「軍艦行進曲」など、軍歌が多かった。天皇の
ために人々が犠牲となる「海ゆかば」は、筆者を除く全員が起立斉唱してい
た。」
(永野厚男・教育ライター、5月9日号)
大相撲夏場所で29回目の優勝を飾った横綱白鵬が、千秋楽翌日の会見を拒否
していることが伝えらえている。
その理由は明らかにされていないが、舞の海発言報道との関連があるのかどう
か。
舞の海発言については、そのすべてが動画配信されている。
日仏共同テレビがYOUTUBEに動画映像を提供している。
http://www.youtube.com/watch?v=sdzqi28XBgM
ちなみに、上記の日仏共同テレビは5月23日の「小沢一郎議員を支援する
会」での私の講演内容を記事として掲載下さっている。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-aaf0.html
http://www.france10.tv/social/2638/
動画映像で舞の海氏の講演は42分30秒あたりから始まる。
万歳三唱はその直前に行われている。
大相撲における外国人についての発言は59分20秒あたりから始まる。
モンゴルについての言及は59分50秒あたりから始まる。
「蒙古襲来」
と述べ、
1時間3分38秒時点では、
「もう外国の力士は排除したらどうかと言う人もいる」
と述べる。
舞の海氏の意見として述べているわけではないが、この発言で聴衆は大きな拍
手を送る。
舞の海氏の発言で一番の問題箇所は次の部分だ。
1時間0分25秒時点の発言だ。
「彼らの目的は何か。
日本のこの大相撲界に入って、そして早く強くなってお金をかせいで。
そして、両親家族の面倒を見なければならない。」
さらに1時間0分58秒には次の発言も飛び出す。
「朝青龍から聞いたんですけどもね、これ日本人勝てないと思いましたね。
朝青龍のお父さんが、どういう気持ちで相撲を取ったらいいか、息子に教えた
です。
自分のお母さんを殺した犯人だと思って戦え。」
「これ日本人勝てないと思いましたね。」
舞の海氏の発言で問題になるのは次の二つだ。
「もう外国の力士は排除したらどうかと言う人もいる」
「彼らの目的は何か。
日本のこの大相撲界に入って、そして早く強くなってお金をかせいで。
そして、両親家族の面倒を見なければならない。」
この部分である。
白鵬関がこの発言を耳にすれば不快に感じるだろう。
白鵬関は日本人女性と結婚し、日本に帰化する考えも示している。
真摯な姿勢で日本の文化に溶け込み、日本の国技に心血を注ぐ人物が存在する
なかで、モンゴル人力士をひとからげにして、
「彼らの目的は、お金をかせいで、両親家族の面倒を見なければならない」
ことと断定した舞の海氏の発言は、問題視されるべきであろう。
NHKはこうした事実がありながら、夏場所千秋楽に舞の海氏を解説者として
出演させた。
現在のNHKは「あべさまのNHK」と化しており、番組編成全体に安倍政権
の圧力が強くかかっていると見るべきである。
すでに5月17日付記事に記述したが、安倍政権はNHK私物化を進めて、つ
いにNHK番組編成の核心部分にまで手を突っ込んでいる。
「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」
http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/
共同代表の東京大学名誉教授の醍醐聰氏が貴重な情報を発信されている。
4月22日開催のNHK経営委員会議事録に、NHK新理事に起用された井上
樹彦氏に関する記述がある。
経営委員会で、2名の新理事承認に関して籾井会長と上村委員長代行、美馬委
員らとの間で議論が応酬された。
2名の新理事のうちの1人である井上樹彦氏について、籾井会長が経営委員会
で次のように紹介した。
(籾井会長) 井上樹彦は昭和55年の入局、記者出身で政治部時代には外務
省キャップや官邸キャップを歴任し、平成17年からは3年間政治部長として
第44回衆議院選挙などの取材を指揮しました。
その後、編成センター長や編成局長を務め、東日本大震災の復興を支援する番
組の編成等に携わりました。
ここに登場する、NHK新理事の井上樹彦氏と安倍政権の関係が問題なのであ
る。
醍醐氏は、この井上氏に関する『日刊ゲンダイ』2014年2月4日付記事を
紹介する。
文章中の「局長」が井上樹彦氏を指すと考えられる。
「昨年の暮れも押し詰まった頃、菅官房長官は、都内某所で籾井次期会長と密
かに会談し、その席に井上局長も呼んで籾井氏に紹介した。
その上で、井上局長を報道担当の理事にするよう要請し、籾井氏も了解したと
いわれています。
井上局長は、政治部長時代から当時、総務相として初入閣し、放送行政に力を
振るい出した菅氏に急接近。
選挙情勢など政治部記者を通じて集めた情報を菅氏の耳に入れるなどして信頼
を得ました」(NHK関係者)」
新理事に就任した井上樹彦氏の任務分担は「経営統括」となっており、井上氏
が報道担当の理事に就任したと考えられる。
政治権力がNHKを支配することの意味は大きい。
ニュース報道で何を取り上げるか。
そして、どのように取り上げるか。
例えば、消費税率引上げ後の消費動向を伝えるニュースを考えてみよう。
消費税増税で著しく影響の出ている分野もあれば、あまり影響の出ていない分
野もある。
そのなかで、影響が出ていない分野だけを取り出してその内容だけを詳しく報
道する。
「街角の声」を紹介する際も、「街角の声」は千差万別だ。
どの「声」を紹介するのかによって、「街角の声」のイメージはどのようにで
も「操作」可能なのである。
番組編成の権限を政治権力が握ることの怖さはここにある。
現在のNHKは完全に安倍政権の御用放送局=大本営と化している。
NHKの職員はこの方針に逆らえない。
逆らえば、人事で冷遇されるからだ。
人事で厚遇を得ようとすれば、率先してヒラメになって、政治権力の僕になら
ねばならない。
現在のNHK政治部関連の職員で厚遇されている人々は、ほぼ完全にこの「ヒ
ラメ族」になっている。
世界的にスポーツ界における「人種差別」問題に関心が寄せられるなかで、舞
の海氏発言がほとんど報じられていないのは、舞の海氏がNHKの解説者とし
て重用されていること、そして、舞の海氏が発言した場が、
「天皇陛下万歳」を大合唱した「昭和の日をお祝いする集い」であったからだ
と思われる。
しかし、不問では済まされないと思われる。
※植草一秀の『知られざる真実』2014年5月28日より「転載」
与党協議事例に集団的自衛権は不要だ |
2014/5/27
小林 節集団的自衛権の行使解禁に向けた自民・公明与党協議に政府が示す15の事例が報道された。 その中の8.~15.が集団的自衛権の事例だとされている。 これまでの議論の中で、政府としては、あえて地球の裏側まで行く意向はないことと、そして何よりも、集団的自衛権は、その事態を放置したのでは「わが国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるときに(限り)行使する」ものであるので、原則としてわが国周辺で発生する事態を想定しているようである。 そこで、検討してみたい。 8.邦人輸送中の米艦の防護 その際の乗り物がなんであれ、戦地から避難して来る日本人を保護する義務と権利は日本国のもので、その本質は個別的自衛権(自らの被害に自らで抵抗してわが身を守る権利)であろう。 9.武力攻撃を受けた米艦の防護 これも共同訓練中か日本海有事で共同警戒時にしかあり得ない話で、わが国の立場は個別的自衛権で説明できる。 10.周辺有事で米国が戦争状態になった時の日本近海における臨検 これも、在日米軍基地有事である以上、わが国の立場は個別的自衛権で説明できる。 11.米国向け弾道ミサイルの撃破 これは警察権に基づく危険物除去に過ぎない。 12.(これは9.と重なる) 13.(これは9.か10.と重なる) 14.国際的な機雷掃海活動への参加 これは、シーレーン(海上輸送路)の防衛の文脈で語られている以上、わが国の立場は、わが国の資源・人・船を防護する、個別的自衛権で説明できる。 15.民間船舶の国際共同護衛活動(海賊対策)への参加 これは、公海上の国際的な警察活動への参加であり、もとより「自衛権」の問題ではない。 以上、このような事例をきっかけとして、集団的自衛権を解禁しようとする発想には無理がある…と言わざるを得ない。 本来の集団的自衛権とは、同盟国が戦火に巻き込まれた際には無条件に行って参戦する権利で、その本質は海外派兵である。このような権利が、敗戦のわび証文のように作られ、戦争を放棄し戦力と交戦権の不保持を宣明している現行9条から読み取れるはずなどない。政府としては、堂々と、改憲論議でその是非を問うべきであろう。 (慶大名誉教授・弁護士) |
米、指針改定前の閣議決定要求 集団的自衛権
米政府が安倍政権に対し、改定作業中の日米防衛協力指針(ガイドライン)に集団的自衛権の行使を前提とした内容を盛り込むには、憲法解釈変更の閣議決定が改定前に必要だと主張していることが27日、分かった。日本側に慎重な国内調整と意思統一を促す狙いとみられる。両政府は指針の年内改定を目指しているが、憲法解釈変更に関する自民、公明両党の調整が長引けば、改定作業が来年以降にずれ込む可能性がある。
関係筋が明らかにした。安倍晋三首相は、尖閣諸島をめぐって対立する中国に対抗するには新たな指針に基づく日米同盟の強化が不可欠とみている。
5月27日付東京新聞(=中日新聞)『こちら特報部』は、
「棄民化の策 帰還を強要」
の見出しで原発放射能汚染地域の住民が国や県によって棄民化されている現実
を伝えている。
「チェルノブイリ原発事故で旧ソ連は年間積算線量1~5ミリシーベルトの区
域を「移住権利ゾーン」と設定し、住民が移住を設定した場合、住民が失う家
屋などの財産を補償した。
日本では20ミリシーベルト以下の地域で帰還を促し、もしも拒否すれば、そ
の後の生活は自己責任とされてしまう。」
と記述する。
旧ソ連と現在の日本。
どちらが人の生きる権利、人権、生存権に強い配慮を示しているのか。
この事実ひとつでも、実態がくっきりと浮かび上がる。
『美味しんぼ』は休載に追い込まれたが、原作者の雁屋哲氏の主張を排除する
正当な理由は存在しない。
雁屋氏は福島県に居住するすべての住民の鼻血が出るなどとは一言も言ってい
ない。
鼻血が出た人がいる事実、その人が述べた「多くの人が、鼻血が出る体験をし
ている」の発言を、事実通りに描写しただけだ。
その上で、低線量被ばくの潜在的なリスクを重視する考えを示した。
低線量被ばくの健康被害の実態は十分に明らかになっていない。
しかし、低線量被ばくでも健康被害は起こり得るとの見解を示す専門家は多数
存在する。
この見解を否定し切る根拠は存在しない。
『美味しんぼ』第604話「福島の真実」24は、登場人物の海原雄山の口か
ら次の言葉を表出させた。
「福島に住んでいる人たちの心を傷つけるから、
住むことの危険性については、
言葉を控えるのが良識とされている。」
「だが、それは偽善だろう。」
「医者は低線量の放射線の影響に対する知見はないというが、
知見がない、とはわからないということだ。」
「私は一人の人間として、福島の人たちに、
危ないところから逃げる勇気をもってほしいと
言いたいのだ。」
「特に子供たちの行く末を考えてほしい。」
「福島の復興は、
土地の復興ではなく、人間の復興だと
思うからだ。」
そして、こう付け加える。
「では、われわれにできることは。」
「福島を出たいという人たちに対して、
全力を挙げて協力することだ。」
「住居、仕事、医療などすべての面で、
個人では不可能なことを補償するように
国に働きかけることだ。」
国の政策に対する強烈なメッセージ、批判が込められている。
いまの安倍政権の対応、佐藤雄平氏が率いる福島県の対応は、この真逆であ
る。
放射能に汚染された地域で、いま、急ピッチに避難措置解除が推進されてい
る。
完全な安全を確保し、住民を帰還させるのではない。
避難に伴う財政負担を軽くするために、避難措置を解除しているだけなのだ。
チェルノブイリでは年間積算線量1~5ミリシーベルトの地域は「移住権利
ゾーン」とされた。
それが、日本では年間積算線量20ミリシーベルトの地域で帰還を促し、補償
を打ち切る措置が取られるのである。
『美味しんぼ』が排斥されたのは、『美味しんぼ』が正論中の正論を提示する
からである。
このような「正論」が浸透すれば、国と福島県による「棄民政策」の推進は妨
害される。
福島県は住民帰還を強行するために、空間線量をできるだけ低く見せるための
工作を行ってきた。
住民の生命と健康を第一に考えるのではなく、財政負担の軽減だけを考える姿
勢である。
原発事故を引き起こした東電は実質債務超過状態にあり、法的整理を実行し
て、関係ある当事者の責任を問う必要がある。
経営者、株主、債権者の適正な責任が問われる必要があるが、この責任は免除
され、国が救済している。
一方で、罪のない住民の被害は共済もされず、放置されている。
このような理不尽、不条理が放置されている。
それが、いまの日本なのである。
原子力損害賠償法は原発事故が発生した場合の損害賠償責任を事故発生当時者
に課している。
事故発生当時者の責任能力が損害賠償規模を上回る場合には、国による援助が
できることも定められている。
東電を法的整理しても、この規定を活用すれば、損害賠償に支障を来すことは
避けられる。
東電を法的整理して、経営者、株主、債権者の責任を問うことは、当たり前の
ことである。
ところが、政府は、この措置を取らなかった。
税金で東電を救済し、経営責任、株主責任、債権者責任を放免した。
この悪徳の措置を主導したのは財務省である。
財務省にとっての最重要天下り機関は日本政策投資銀行である。
実は東電のメインバンクは日本政策投資銀行であった。
東電を法的整理する場合、最大の損失に直面するのが日本政策投資銀行だった
のである。
財務省は日本政策投資銀行を民営化して、これまでよりもさらに旨みの大きい
天下り先としての日本政策投資銀行を構築する計画を立てていた。
東電を法的整理すると、この日本政策投資銀行に巨大損失が計上される。
財務省天下り役人も責任を取らされることになる。
日本政策投資銀行民営化路線にも支障が生じるかも知れない。
このために、財務省は日本政策投資銀行の債権者責任発生を阻止しようとし
た。
そのために、まったく筋の通らない東電救済が強行されてきたのである。
ものごとの正当性、合理性、妥当性ではなく、官僚機構の私利私欲だけで、日
本の行政が根底から損なわれている。
財務省の財政運営は、まさに私利私欲だけで支配されている。
本来は、官僚利権などの政府支出の無駄を切って、社会保障を拡充する方向に
財政政策は運営されるべきである。
ところが、財務省の進める財政構造改悪は正反対だ。
国民生活の根底を支える社会保障制度は片端から切り刻み、その一方で、官僚
利権につながる支出、公共事業利権につながる支出だけを激増させている。
消費税大増税は社会保障を拡充するためのものではなく、官僚利権の財源を確
実に確保するためのものなのである。
日本国民は権力に対して従順すぎる。
この従順さをよいことに、米官業の利権トライアングルがまさに「やりたい放
題」を重ねているのだ。
雁屋哲氏のように、人々に正論を展開する人物は攻撃の対象とされる。
『美味しんぼ』騒動を振り返ってみれば、結局は、正論中の正論は、権力の横
暴によって封殺されることの象徴的出来事であったということになる。
「フクシマの悲劇」はいまなお続いている。
結局、住民は政府によって切り棄てられているのである。
「絶対安全の神話」もそのうそが暴露された。
「低線量被ばくの影響」も次第に明らかになりつつある。
被害を受けた近隣住民は切り棄てられる。
放射能による海洋汚染は放置され続ける。
放射能に汚染された食物の流通が強行される。
この悲劇がいまなお持続している。
このなかで、安倍晋三政権は原発再稼働を強硬に推進している。
日本の原発が危険である最大の理由は、日本が政界最大の地震国であるから
だ。
現在の原発は大地震に耐える設計になっていない。
福井県大飯原発の運転差し止め訴訟で、福井地裁が運転差し止めを命じる判決
を示した最大の理由がここにある。
これまで発生した地震で記録された地震動の最大値は4000ガルを超えてい
る。
ところが、全国の原発設備の規制基準においては、基準地震動が800ガル以
下にしか定められていない。
新潟県の東電柏崎・刈羽原発だけが、1200ガルないし2300ガルを基準
地震動に定めている。
2007年7月に発生した新潟県中越沖地震で基準地震動をはるかに超える地
震動が観測されて、原発が重大な損傷を受けたために、この原発の基準地震動
だけが見直されたのである。
しかし、他の原発の基準地震動は依然として著しく低い水準に設定されてい
る。
大地震はいつでも発生し得るのであり、規制基準値を超える地震動はいつでも
顕在化し得る。
そのとき、フクシマの悲劇が繰り返されることになるわけだ。
世界最大の地震国日本は原発を断念せざるを得ない。
これが人間の智慧というものだ。
ところが、現実は逆の方向に突き進んでいる。
安倍晋三政権が逆の方向に日本を誘導している。
最終的には、日本国民が安倍晋三政権の暴走にストップをかける叡智、智慧を
持つのかどうかが問われることになる。
日本国民が賢くならなければ、日本は悲劇の国になるだろう。
※植草一秀の『知られざる真実』2014年5月27日より「転載」
<a href=http://politics.blogmura.com/> target="_blank">にほんブログ村政治社会欄へクリック</a>
[[img(http://politics.blogmura.com/politicalissue/img/politicalissue234_60_3.gif)]]
[http://politics.blogmura.com/politicalissue/ にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ(文字をクリック)]
今日本の政治経済が何かと暗影漂う様相が見えてきているが、それを深刻
に何一つとして深刻に思っている。国民があまり見受けられない。そ.の原因は情報の劣化にあることが指摘し始めてきている。今の、マスメディア、
http://politics.blogmura.com/">にほんブログ村
[http://politics.blogmura.com/politicalissue/ にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ(文字をクリック)]
2013年7月29日、安倍晋三内閣の副総理である麻生太郎氏は都内で開か
れた会合でこう述べた。
「ナチス政権下のドイツでは、憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が
変わってナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あ
の手口、学んだらどうかね」
安倍晋三氏は日本国憲法の解釈変更を強行しようとしているが、憲法解釈変更
というより、憲法破壊行為である。
安倍晋三氏は、本来、憲法改定の意向を有している。
日本国憲法をどのように改定しようとしているのかは、自民党が提示した日本
国憲法改正草案を見れば分かる。
改正ではなく改定であり、まったく別の新しい憲法を制定しようとするもので
ある。
しかし、憲法改定のハードルは高い。
第96条が、改定要件を厳しく定めているからである。
そこで安倍晋三氏は、憲法改定のハードルを高く設定している第96条の改定
を先行させようとした。
衆参両院で過半数の賛成を得れば、憲法改定を発議できるように、96条の改
定を目論んだのである。
しかし、当然のことながら、安倍氏のこの目論見に対して、厳しい反発が一斉
に噴出した。
安倍晋三氏は「立憲主義」という考え方を理解していなかったのだと思われる
が、権力の暴走を防ぐため、憲法改定のハードルは通常、高く設定されてい
る。
「硬性憲法」としているのが一般的である。
安倍氏の96条改定の目論見は粉砕された。
96条の改定が難しいとなると、憲法を全面的に書き換えて、別の憲法に作り
替えることは容易なことではなくなる。
安倍政権与党は衆院で3分の2議席を確保しているが、参院では3分の2に届
かない。
憲法改定は容易なことではないのだ。
この現実に気付いた安倍晋三氏がいま推進しているのか、憲法の条文を変えず
に、「解釈」を変えてしまうという道である。
「道」とは言っても「正道」ではない。
「邪道」である。「蛇の道」の「蛇道」と言ってもよい。
その解釈変更も、正当な解釈を用いるというならまだ分かる。
しかし、逆立ちしても成り立ちようのない解釈を、「新解釈」として打ち出す
というのだから、この政権はもはや「狂気の政権」というより他にない。
ここで登場するのが「ナチスの手口」である。
ナチスはワイマール憲法という、当時の世界では最も先進的との評価を受ける
憲法が存在するなかで登場し、実質的にこの憲法を無力化、無効化していっ
た。
「ナチス政権下のドイツでは、憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が
変わってナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あ
の手口、学んだらどうかね」
という発言の意味は不明な部分も多くある。
「ナチス憲法」というものが実在しないからである。
ヒトラーが政権を樹立して「全権委任法」を成立させ、ナチ党ヒトラーによる
独裁が始動した。
これによりワイマール憲法は無力化され、ヒトラーのナチ党による一党独裁政
治が始動したのである。
つまり、麻生氏発言は、実質的な独裁体制を構築して、現行憲法を実質無効化
してしまう手法として、「ナチスの手口」に学んではどうかと提案したものと
受け取ることができる。
そして、いま、安倍晋三氏が進めようとしているのは、これに近い。
憲法改定を正面から論じれば、強い反対論が噴出してしまうだろう。
衆参両院での3分の2以上の賛成を得て憲法改定を発議することも容易でな
い。
その現実を踏まえるなら、衆参多数勢力を確保する政権が、「憲法解釈」を変
えてしまい、実質的に現行憲法を無力化してしまうことがよいのではないか。
実質的な憲法改定になる。
このような考えで、安倍氏が動いているように見える。
ドイツで、ワイマール憲法が実質無力化された直接の契機は、ヒトラー政権が
1933年に全権委任法を成立させたことによる。
1932年に発生した国会炎上事件を利用して、共産党、社会民主党を無力化
し、中間勢力を取り込んで、ヒトラー政権が全権委任法を成立させた。
これにより、ドイツの議会政治は実質的に終焉し、ナチ党の独裁が始動し、人
類史上最悪の時代に突入していったのである。
全権委任法に対して反対したのは社会民主党だけだった。中央党、ドイツ人民
党などの中間勢力も、ヒトラー政権の強権運営の脅威に晒されて、全権委任法
の成立に賛成していった。
5月23日に開かれたシンポジウムで、弁護士で前衆議院議員の辻恵氏がいま
の日本の状況と1933年のドイツの状況が重なることを指摘した。
一強多弱と表現される政治情勢のなかで、中間勢力が安倍自民党に引き込まれ
れば、安倍晋三独裁政治が出現してしまうことに、強い警鐘を鳴らしたのであ
る。
辻氏は、集団的自衛権行使容認の憲法解釈変更を絶対に阻止する政治勢力を結
集し、これを安倍政権与党に対峙する政治勢力として強大化することが必要で
あるとの見解を示した。
まったく同感である。
日本はいま、歴史的に最も重要な変節点に差し掛かっている。
来年春に統一地方選がある。
総選挙の時期は未確定だが、任期満了は2016年12月。次の参議院議員通
常選挙は2016年夏である。
可能性としては、2016年夏の衆参ダブル選の公算が高い。
これらの選挙に向けて、これから政界再編が進展すると見込まれる。
巨大化した自民党に対抗し得る政治勢力を構築しようと、政界再編の動きが垣
間見える。
このなかで浮上しているのが、
民・みん・維新・結いの合流である。
とくに衆院の場合、小選挙区制であるから、自民党に対抗する勢力は、まとま
らなければ勝ち目がない。
だから、合流しようとする動きが強まるわけだ。
しかし、基本政策の一致を確認せずに、単に合流するというのでは、これは
「野合」と言わざるを得ない。
いま提示されている「民・みん・維新・結い」合流には、この傾向が強く見受
けられる。
そして、その合流に垣間見られる、もうひとつの重大な問題は、この政治勢力
の政策主張が自民党の政策主張と大同小異であることだ。
政策的に整合性があるなら、「野合」と表現するのは適正でなくなるが、他方
で「自民の補完勢力」との性格が浮き彫りになる。
安倍晋三政権が既に独裁色を強めており、この状況下で、安倍自民党と政策主
張に大きな違いがない政治勢力が浮上し、この二者が国会を支配してしまう
と、日本において、実質的な「全権委任法」が生じる事態に立ち至らないとも
言えなくなる。
辻恵氏が警告を発するのはこのことである。
戦前の「大政翼賛体制」が構築され、安倍独裁政治が日本を極めて危険な場所
へと引き込んでしまう可能性が高い。
この意味で、私たちは、今後の政界再編についての基本事項を確認する必要が
ある。
政界再編の道筋を考察する際、二つの考え方があると思う。
ひとつは「数の論理」を軸にした考え方だ。
政治を大きく変革するには「政権交代」が必要である。
「政権交代」には、国会多数議席の確保が必要不可欠だ。
いかにして、安倍政権与党を凌駕する国会議席を有する政治勢力を打ち立てる
か。
これは、「数の論理」を基軸とするアプローチである。
しかし、このアプローチには大きな問題が残る。
それは、たとえ政権交代が生まれるにしても、それが政策路線を大転換させる
ことを保証するものでないことだ。
いまの安倍政権与党と政策主張に大差のない政治勢力が政権を奪取しても、政
策路線が抜本的に変更される可能性は低い。
「何のための政権交代であるのか」ということになる。
もうひとつの考え方は、「基本政策の相違」を軸にした考え方である。
安倍政権が掲げる基本政策路線とは異なる政策路線を提示する。
この政策路線の下に、政治勢力が集結するとのアプローチが基軸になる。
この政策路線の下に政治勢力が結集し、安倍政権に対峙する。
基本政策路線の相違とは、
原発・憲法・TPP
そして、
消費税・沖縄
などの問題で鮮明になるだろう。
「脱原発」を基礎に据えるのか「原発推進」を基礎に据えるのか
「集団的自衛権行使容認の憲法解釈変更を是とするのか、否か。
日本のTPP参加を推進するのか、阻止するのか。
大企業減税・消費税大増税の政策路線を支持するのか、しないのか。
普天間基地の辺野古移設を推進するのか、否定するのか。
こうした基本政策路線の対立を軸に政治勢力の結集を図る。
これが第二のアプローチである。
私は、たとえ迂遠に見えても、後者のアプローチを取るべきであると考える。
安倍政権と大差のない政策路線を示す政治勢力が二大勢力の一角を占めてしま
えば、日本政治は「大政翼賛体制」に陥ってしまう。
全権委任法を成立させて、一党独裁を実現し、ドイツを世界史上の悲劇に陥ら
せた歴史が、日本で繰り返される危険が高まってゆく。
日本に求められるのは、安倍晋三独裁政治を敢然と阻止する、主権者の側に軸
足を置く、健全な野党勢力の確立と、その強化である。
そして、この勢力を強化して、政権を奪還する。
これが、2009年の政権交代実現の原点への回帰である。
残念ながら、現状では、このリベラル勢力が弱小化してしまっている。
しかし、日本国民の多数が、本当はこの勢力の伸長を希望し、期待していると
思われる。
明確な政策理念、思想、哲学に基く、主権者政治勢力の結集が求められてい
る。
※植草一秀の『知られざる真実』2014年5月26日より「転載」
<a href="http://politics.blogmura.com/"><img target="_blank">にほん政治、ブログにクリックお願いします。</a>